JP2000254917A - プリプレグ及び炭素繊維強化複合材料 - Google Patents
プリプレグ及び炭素繊維強化複合材料Info
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Abstract
優れるマトリックス樹脂となる樹脂組成物、及びこれを
用いたプリプレグ、さらにこれを用いて得られる各種特
性に優れた炭素繊維強化複合材料を提供せんとするもの
である。 【解決手段】炭素繊維に、下記構成要素(A)、(B)
を含むエポキシ樹脂組成物が含浸して構成されるプリプ
レグであり、 (A)エポキシ樹脂 (B)硬化剤 該プリプレグのマトリックス樹脂含有率Wr(重量%)
と、該炭素繊維の0度引張弾性率E(GPa)及びプリ
プレグを加熱硬化して得られる炭素繊維強化複合材料の
面内剪断強度S(MPa)が次式(1)と(2)を満足
することを特徴とするプリプレグ。 S≧−205×LOG(E)+610 …(1) 15≦Wr≦40 …(2)
Description
空宇宙用途、一般産業用途に適したプリプレグ及び炭素
繊維強化複合材料に関するものである。
自動車、自転車等、及びポンプや刈払い機などの産業機
械における各種フレーム、パイプ、シャフト、さらにそ
れらの曲円板、又は、ゴルフクラブ用シャフト、釣り
竿、スキーポール、バトミントンラケット用シャフト、
テントの支柱などの管状体、又は、スキー板、スノーボ
ード、ゴルフクラブ用ヘッドなどの各種スポーツ/レジ
ャー用品、又は、土木建築用資材とその補修・補強など
に好適に使用できるプリプレグ及び炭素繊維強化複合材
料に関するものである。
プリプレグを中間基材とする繊維強化複合材料は、特に
その機械強度特性が優れているために、スポーツ用途を
はじめ、航空宇宙用途、一般産業用途に広く用いられて
いる。特にスポーツ用途では、ゴルフクラブ用シャフ
ト、釣り竿、テニスやバトミントンなどのラケット、ホ
ッケーなどのスティックなどが重要な用途として挙げる
ことができる。
素繊維、マトリックス樹脂としてはエポキシ樹脂が主と
して用いられる。
が用いられるが、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸さ
れたシート状中間基材であるプリプレグを用いる方法が
広く用いられている。この方法ではプリプレグを複数枚
積層した後、加熱することによって成形体が得られる。
ゴルフクラブ用シャフト、釣り竿などは、軽量化が特に
要求される分野であるが、軽量化の前提としては材料の
強度を高めることが必要になる。
炭素繊維の強度向上の努力が行われてきて、多くの成果
が挙げられてきた。
の、特にそれらの軽量品種の破壊現象の精密な解析によ
ると、かならずしも炭素繊維の強度だけでは充分ではな
いことが明らかになってきた。
常、一方向プリプレグを方向を変えて数層捲回し積層す
ることにより構成される。このような複合材料が破壊す
る場合は、材料の構成や外力のかかり方(曲げ、捻り、
圧壊など)に依存して破壊モードが変化するが、いずれ
かの層の0度(強化繊維と平行な方向)圧縮又は90度
(強化繊維と直交する方向)引張のいずれかの破壊モー
ドが支配要因であることが多く、これらに次いで剪断に
よる破壊モードが支配的である場合が見られる。
縮強度、強化繊維とマトリックス樹脂との接着性、及び
マトリックス樹脂の弾性率に依存し、これらの値を高め
ることにより0度圧縮強度を高めることができる。
張強度と強化繊維とマトリックス樹脂との接着性に依存
し、これらの値が高いほど、90度引張強度を高めるこ
とができる。さらに、マトリックス樹脂の引張強度は、
マトリックス樹脂の曲げ弾性率と引張伸度を高めること
により向上させることができる。
度特性を有する複合材料を安定して得るためには、強化
繊維とマトリックス樹脂との接着性を高めることは極め
て有効である。さらに、強化繊維とマトリックス樹脂と
の接着性を高めることは、複合材料の剪断強度を高める
効果をも有し、さらに、これら静的な強度特性ばかりで
はなく、耐衝撃性など動的な強度特性を高める効果も有
することが判っている。
高めるために、強化繊維の表面処理が検討されており、
炭素繊維の場合は、電解処理などが知られている。
上させるには限界があり、昨今ますます厳しくなりつつ
ある複合材料の物性向上への要求に応じるためには、樹
脂の改質による手法が考えられるが、現在のところ、マ
トリックス樹脂として汎用されるエポキシ樹脂につい
て、樹脂の改質により、強化繊維とマトリックス樹脂と
の接着性を高める手法としては、ある種の熱可塑性樹脂
を配合させるのが有効であるという知見はあるものの、
充分ではないのが現状である。
状をとるが、形状が管状体の場合は、引張強度、圧縮強
度、曲げ強度、捻り強度などの強度特性が重視され、そ
れら強度特性を高めるために努力が払われている。
ど、設計自由度が制限される軽量部材では、前記強度特
性に加えて、管状体の衝撃強度や、圧壊強度が注目され
つつあるが、これら特性については、それらを高めるた
めの要因が各種試験によっても特定し難いため、改良を
加え、充分な強度特性を有するものを作り出すのが困難
であった。
技術の背景に鑑み、各種特性に優れた炭素繊維強化複合
材料を得ることができるプリプレグ、及びそのような優
れた特性を有する炭素繊維強化複合材料を提供せんとす
るものである。
た従来の問題を解決し、優れた特性を持つプリプレグと
炭素繊維強化複合材料、例えば、曲げ強度、捻り強度に
優れながら、円筒状成形体の圧壊強度、衝撃強度に優れ
るゴルフクラブ用シャフトを提供できるプリプレグと炭
素繊維強化複合材料を提供することにある。
を達成するために以下の構成を有する。すなわち、炭素
繊維に、次の構成要素(A)、(B)を含むエポキシ樹
脂組成物が含浸して構成されるプリプレグであり、 (A)エポキシ樹脂 (B)硬化剤 該プリプレグのマトリックス樹脂含有率Wr(重量%)
と、該炭素繊維の0度引張弾性率E(GPa)及びプリ
プレグを加熱硬化して得られる炭素繊維強化複合材料の
面内剪断強度S(MPa)が次式(1)と(2)を満足
することを特徴とするプリプレグである。
鋭意検討し、炭素繊維と特定の配合物からなるエポキシ
樹脂組成物を構成要素とするプリプレグ及び炭素繊維強
化複合材料によって、かかる課題を一挙に解決すること
を見い出し、本発明に到達した。
向に強化繊維を配向させたストレート層とシャフト軸方
向に対し30度から60度に強化繊維を配向させたバイ
アス層を有するのが一般的である。
シャフトなどの管状体であるような場合、主として圧壊
応力はバイアス層によって負担される。このときバイア
ス層の各単位層には、0度方向における引張応力と圧縮
応力、90度方向における引張応力、圧縮応力、剪断応
力、及び剥離応力など多様な応力が作用するが、発明者
らの検討の結果、中でも剪断応力が強く作用する傾向が
あることが判明し、バイアス層に剪断強度に優れる材料
を採用することで、シャフトなどの管状体としての圧壊
強度が高まる事実を、見い出すに至った。
応力の交換作用があるため、剪断強度が高い材料をスト
レート層に用いても管状体全体としての圧壊強度が高め
られることが判った。
度特性、即ち衝撃強度は、その評価試験時に、ストレー
ト層とバイアス層に応力が複雑に作用するため、強化繊
維複合材料が備える諸特性の中で、衝撃強度を高めるた
めの主要因を究明し難かった。衝撃強度は、従来、曲げ
強度と正の相関関係があると考えられていたが、曲げ強
度の強い材料を使用しても高めることは困難であった。
しかし、ゴルフクラブ用シャフトなどの管状体では、衝
撃強度は、圧壊強度と正の相関関係があるため、衝撃強
度を高めるに当たって剪断強度を高めることが重要であ
ることが判った。
面内剪断強度を向上させることで、圧壊強度、衝撃強
度、さらに捻り強度も著しく向上することを見い出し
た。
略記)の面内剪断強度S(MPa)は、炭素繊維の0度
引張弾性率E(GPa)とマトリックス樹脂含有率Wr
(重量%)に応じて変化し、一般に、炭素繊維の0度引
張弾性率E(GPa)が小さい程、また、マトリックス
樹脂含有率Wrが大きい程、高くなる傾向が認められ
る。
るCFRPは、高い圧壊強度、衝撃強度を実現するため
に、マトリックス樹脂含有率Wr(重量%)、炭素繊維
の0度引張弾性率E(GPa)、面内剪断強度S(MP
a)が次式(1)と(2)を満足することが必要であ
る。
ない場合、圧壊強度は小さくなり、変形応力に対する剛
性も低くなり、衝撃強度も小さくなる。
Pa)とCFRPの面内剪断強度S(MPa)は、次式
(4)を満足するのが好ましい。これにより、CFRP
に、より良好な圧壊強度、衝撃強度が得られる。
が含浸して構成されるものである。
系、ピッチ系、レーヨン系等の炭素繊維が使用できる。
中でも、引張強度の高いアクリル系が好ましい。炭素繊
維の形態としては、有撚糸、解撚糸、無撚糸などが使用
できるが、無撚糸又は解撚糸が、複合材料の成形性と強
度特性のバランスを考慮すると好ましい。また、本発明
における炭素繊維とは、黒鉛繊維を含むものである。
クラブ用シャフト、釣り竿などのスポーツ用品に、少量
の材料使用で充分な剛性を発現させ得るように、引張弾
性率の高い炭素繊維を用いるのが好ましい。このような
炭素繊維の引張弾性率は200GPa以上、好ましくは
210〜800GPaであるのが好ましい。
も高くなる傾向があるが、このとき引張弾性率が低くな
る傾向にある。従って、剪断強度は引張弾性率とトレー
ドオフの関係があるため、炭素繊維の引張弾性率を高く
維持したままCFRPの剪断強度を向上させることが重
要である。
同方向に引き揃えられたものや、織物が使用できる。織
物は、平織り、朱子織りなどいずれでも良い。
(以下、単に接着性と称す)を高めることで、CFRP
の面内剪断強度は強くなる。接着性を高める手法として
は、主に炭素繊維の表面を改質する方法、マトリックス
樹脂を改質して炭素繊維との親和性や接着性を高める方
法がある。
光法により測定される表面比酸素濃度O/C(以下、O
/Cと略記)が、0.02以上、好ましくは0.04以
上、より好ましくは0.06以上のものが良い。ここで
O/Cの上限値としては0.3、好ましくは0.25で
あるのが良い。O/Cが0.02未満であると、後述す
るマトリックス樹脂との親和性が低下し、CFRPにお
いて、面内剪断強度の向上が望めない場合がある。O/
Cが0.3を超えると、炭素繊維とマトリックス樹脂と
の親和性は強固になるものの、炭素繊維自体の強度特性
より大幅に低い強度特性を有する酸化物層が炭素繊維の
表面を被うことになるため、得られるCFRPの強度特
性が損なわれてしまう。
飾X線光電子分光法により測定される表面カルボキシル
基濃度COOH/C(以下、COOH/Cと略記)が、0.2%
以上、好ましくは0.5%以上のものが良い。ここで、
COOH/Cの上限値としては3.0%、好ましくは2.0
%であるのが良い。COOH/Cが0.2%未満であると、
後述するマトリックス樹脂との親和性が低下し、CFR
Pにおいて、面内剪断強度の向上が望めない場合があ
る。COOH/Cが3.0%を超えると、炭素繊維とマトリ
ックス樹脂との親和性は強固になるものの、炭素繊維自
体の強度特性より大幅に低い強度特性を有する酸化物層
が炭素繊維の表面を被うことになるため、得られるCF
RPの強度特性が損なわれる傾向があり、またマトリッ
クス樹脂の硬化速度を遅延させることもある。
発明における炭素繊維の製造方法について、詳細に説明
する。
しくは98モル%以上のアクリロニトリル(AN)と、
5モル%以下、好ましくは2モル%以下の耐炎化を促進
し、アクリロニトリル(AN)と共重合性のある、耐炎
化促進成分を共重合したものが好適に使用できる。耐炎
化促進成分としては、ビニル基含有化合物(以下ビニル
系モノマーと云う)からなる共重合体が好適に使用でき
る。ビニル系モノマーの具体例としては、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸などが挙げられる。また、一
部又は全量を、アンモニアで中和したアクリル酸、メタ
クリル酸、又はイタコン酸のアンモニウム塩からなる共
重合体は、耐炎化促進成分としてより好適に使用でき
る。なお、重合法については、従来知られている溶液重
合法、懸濁重合法、乳化重合法などを適用することがで
きる。
式紡糸法、乾湿式紡糸法、乾式紡糸法、又は溶融紡糸法
により紡糸するが、中でも湿式紡糸法又は乾湿式紡糸法
が好ましく採用できる。紡糸原液に使用する溶媒として
は、有機、無機の従来公知の溶媒が使用できるが、有機
溶媒を使用するのが好ましく、具体的には、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミドなどが挙げられる。硝酸、ロダンソーダ水溶液、塩
化亜鉛水溶液などの無機塩の濃厚水溶液を溶媒とする
と、所望する表面粗さを有する炭素繊維を得られないと
きがある。紡糸後の凝固糸を、水洗、延伸、乾燥及び油
剤付与などの製糸工程を経て、アクリル系プリカーサー
を製造する。
化、炭化することによって、所望する性能を有する炭素
繊維が得られる。耐炎化に供されるプリカーサーは、生
産性の点から、その単糸繊度が3〜11μm、好ましく
は3〜9μm、より好ましくは、3〜7μmのものが良
い。また、1糸条当たりの単繊維本数が10000〜6
0000本、好ましくは12000〜48000本のも
のが良い。
なお、耐炎化条件としては、これに限定されるものでは
ない。
0として耐炎化するのが好ましい。かかる延伸比は、糸
束としての焼けムラを抑制するために、0.87〜0.
94がより好ましい。かかる延伸比が0.85を下回る
と、プロセス性が低下し、1.0を超えると糸束内への
酸素の拡散が妨げられ、糸束中心部の焼けムラが顕著と
なる傾向がある。
それぞれの耐炎化進行度において、反応熱の蓄熱によっ
て糸切れが生じる温度より10〜20℃低い温度で、耐
炎化するのがコスト削減及び炭素繊維の性能を高める観
点から好ましい。耐炎化進行度は、得られる耐炎化糸に
ついて後述する方法によって測定される炎収縮保持率に
よって観測することができる。
の耐炎化は、かかる炎収縮保持率が、70〜90%、好
ましくは74〜86%、より好ましくは76〜84%と
なるように耐炎化するのが良い。
を高める観点から、10〜100分間、好ましくは30
〜60分間が良い。この耐炎化時間とは、プリカーサー
が耐炎化炉内に滞留している全時間をさす。10分未満
であると、繊維の焼けムラが顕著となり、得られる炭素
繊維の性能が低下する場合がある。
た後、続く炭化工程で炭化して炭素繊維とする。
800℃で予備炭化し、さらに不活性雰囲気中、800
〜1600℃で炭化する必要がある。後者の炭化温度
は、1100℃以上、好ましくは1200℃以上とする
のが良い。すなわち、1100℃未満では、得られる炭
素繊維に含まれる水分率が高くなる場合がある。また、
炭化温度の上限値は、1600℃、好ましくは1500
℃とするのが良い。1600℃を超えると、繊維内にお
いて結晶の成長が顕著となり、圧縮強度、接着性が低下
する傾向がある。
1.5、好ましくは1.02〜1.3、より好ましくは
1.04〜1.15とするのが良い。かかる延伸比は高
い程、引張弾性率発現の点で有利であるが、1.5を超
えるとプロセス性の低下が顕著となる場合がある。
ついては、所望する炭素繊維の性能と所要コストを勘案
の上、適宜選択できる。特に、300〜500℃/分及
び1000〜1200℃/分の、通常採用する昇温速度
を、それぞれ1000℃/分以下、好ましくは500℃
/以下とするのが良い。また、炭化の処理時間は、炭化
の程度が問題とならない範囲で、できるだけ短くするの
が、コスト削減の観点から好ましい。
性雰囲気中、2000〜3300℃、好ましくは200
0〜3000℃、より好ましくは2000〜2800℃
で黒鉛化することにより、従来の黒鉛繊維と比較して、
強度特性が飛躍的に優れる黒鉛繊維を得ることが可能と
なる。
料において、0度圧縮強度、90度引張強度を高めるに
は、接着性を高めることが好ましい。接着性を高めるた
めに、炭素繊維としては、結晶が小さく、活性点が多い
ものが好ましい。かかる炭素繊維としては、広角X線に
より求めた炭素網面の結晶サイズLCが5〜40オンク゛ストロ
ーム、好ましくは10〜30オンク゛ストローム、より好ましくは
15〜25オンク゛ストロームであるのが良い。
素繊維は、炭化後に電解酸化処理を施したり、気相又は
液相での酸化処理を施すことにより容易に得られる。
ルカリ性のどちらの水溶液でも良い。酸性水溶液の電解
質としては、硫酸、硝酸、塩酸などを使用することがで
きる。アルカリ水溶液の電解質としては、アンモニウム
イオンを含む化合物が好ましく、具体的には、炭酸水素
アンモニウム、炭酸アンモニウム、水酸化テトラアルキ
ルアンモニウム塩など、又はそれらの混合物を用いるこ
とができる。中でも、炭酸水素アンモニウム、炭酸アン
モニウムが好ましい。
化度に合わせて最適化するのが好ましいが炭素繊維基質
の引張強度の低下を抑止し、かつ炭素繊維の表層の結晶
性を低くする観点から、電解処理は小さい電気量で処理
を複数回に分けて行うのが好ましい。具体的には電解槽
1槽当たりの電気量は1クーロン/g・槽(炭素繊維1
g、1槽当たりのクーロン数)〜40クーロン/g・槽
が好ましい。
に直接接触させて通電させる直接通電、又は炭素繊維と
電極の間に電解液を介して通電させる間接通電のいずれ
も採用することができるが、炭素繊維基質に高い引張強
度を得るために、電解処理時の繊維束の毛羽立ち、電気
スパークが押さえられる間接通電が好ましい。
好ましい。この場合、後述する樹脂組成物との親和性や
接着性を向上させるため、炭素繊維の表層面に存在する
官能基が熱分解しないように、できるだけ低い温度で乾
燥するのが望ましく、具体的には乾燥温度は180〜2
50℃、好ましくは180〜210℃であるのが良い。
マトリックス樹脂は、次の構成要素(A)、(B)を含
むエポキシ樹脂組成物からなるものである。
は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する、いわゆる
2官能エポキシ樹脂を意味する。
シジルエーテル、活性水素を複数有するアミンより得ら
れるグリシジルアミン、ポリカルボン酸より得られるグ
リシジルエステルや、分子内に複数の2重結合を有する
化合物を酸化して得られるポリエポキシドなどが用いら
れる。
のようなものが挙げられる。
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFから得
られるビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルSから得られるビスフェノールS型エポキシ樹脂、テ
トラブロモビスフェノールAから得られるテトラブロモ
ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのビスフェノール
型エポキシ樹脂などが挙げられる。ビスフェノールA型
エポキシ樹脂の市販品としては、“エピコート”825
(エポキシ当量172〜178)、“エピコート”82
8(エポキシ当量184〜194)、“エピコート”8
34(エポキシ当量230〜270)、“エピコート”
1001(エポキシ当量450〜500)、“エピコー
ト”1002(エポキシ当量600〜700)、“エピ
コート”1003(エポキシ当量670〜770)、
“エピコート”1004(エポキシ当量875〜97
5)、“エピコート”1007(エポキシ当量1750
〜2200)、“エピコート”1009(エポキシ当量
2400〜3300)、“エピコート”1010(エポ
キシ当量3000〜5000)(以上、油化シェルエポ
キシ(株)製)、“エポトート”YD−128(エポキ
シ当量184〜194)“エポトート”YD−011
(エポキシ当量450〜500)、“エポトート”YD
−014(エポキシ当量900〜1000)、“エポト
ート”YD−017(エポキシ当量1750〜210
0)、“エポトート”YD−019(エポキシ当量24
00〜3000)、“エポトート”YD−022(エポ
キシ当量4000〜6000)、(以上、東都化成
(株)製)、“エピクロン”840(エポキシ当量18
0〜190)、“エピクロン”850(、エポキシ当量
184〜194)、“エピクロン”1050(エポキシ
当量450〜500)、“エピクロン”3050(エポ
キシ当量740〜860)、“エピクロン”HM−10
1(エポキシ当量3200〜3900)(以上、大日本
インキ化学工業(株)製)、“スミエポキシ”ELA−
128(エポキシ当量184〜194、住友化学工業
(株)製)、DER331(エポキシ当量182〜19
2、ダウケミカル社製)などを使用することができる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、
“エピコート”806(エポキシ当量160〜17
0)、“エピコート”807(エポキシ当量160〜1
75)、“エピコート”E4002P(エポキシ当量6
10)、“エピコート”E4003P(エポキシ当量8
00)、“エピコート”E4004P(エポキシ当量9
30)、“エピコート”E4007P(エポキシ当量2
060)、“エピコート”E4009P(エポキシ当量
3030)、“エピコート”E4010P(エポキシ当
量4400)(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、
“エピクロン”830(エポキシ当量165〜180、
大日本インキ化学工業(株)製)、“エポトート”YD
F−2001(エポキシ当量450〜500)、“エポ
トート”YDF−2004(エポキシ当量900〜10
00)(以上、東都化成(株)製)などを使用すること
ができる。ビスフェノールS型エポキシ樹脂の市販品と
しては、“デナコール”EX-251(ナガセ化成工業(株)
製、エポキシ当量189)などを使用することができ
る。テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂の市
販品としては、“エピコート”5050(油化シェルエ
ポキシ(株)製、エポキシ当量380〜410)、“エ
ピクロン”152(大日本インキ化学工業(株)製、エ
ポキシ当量340〜380)、“スミ−エポキシ”ESB-
400T(住友化学工業(株)製、エポキシ当量380〜4
20)、“エポトート”YBD-360(東都化成(株)製、
エポキシ当量350〜370)などを使用することがで
きる。
ー等の登録商標、商標、或いは商品名を示す。また、以
下からの記載も同様とする。
ハロゲン化フェノールなどのフェノール誘導体から得ら
れるノボラックのグリシジルエステルであるノボラック
型エポキシ樹脂が挙げられる。ノボラック型エポキシ樹
脂の市販品としては、“エピコート”152(エポキシ
当量172〜179)、“エピコート”154(エポキ
シ当量176〜181)(以上、油化シェルエポキシ
(株)製)、DER438(エポキシ当量176〜18
1、ダウケミカル社製)、“アラルダイト”EPN11
38(エポキシ当量176〜181、チバ社製)、“ア
ラルダイト”EPN1139(エポキシ当量172〜179、
チバ社製)、“エポトート”YCPN-702(エポキシ当量20
0〜230、東都化成(株)製)、BREN-105(エポキシ当量
262〜278、日本化薬(株)製)などを使用することがで
きる。
テルである“デナコール”EX-201(ナガセ化成工業
(株)製、エポキシ当量118)、ヒドロキノンジグリ
シジルエーテルである“デナコール”EX-203(ナガセ化
成工業(株)製、エポキシ当量112)、4,4'-ジヒド
ロキシ-3,3',5,5'-テトラメチルビフェニルジグリシジ
ルエーテルである“エピコート”YX4000(油化シェルエ
ポキシ(株)製、エポキシ当量180〜192)、1,6-
ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテルである
“エピクロン”HP-4032H(大日本インキ化学工業(株)
製、エポキシ当量250)、9,9-ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)フルエオレンのジグリシジルエーテルである
“エポン”HPTレジン1079(シェル社製、エポキ
シ当量250〜260)、トリス(p-ヒドロキシフェニ
ル)メタンのトリグリシジルエーテルであるTACTIX 742
(ダウケミカル社製、エポキシ当量150〜157)、
テトラキス(p-ヒドロキシフェニル)エタンのテトラグ
リシジルエーテルである“エピコート”1031S(油化シ
ェルエポキシ(株)製、エポキシ当量196)、グリセ
リンのトリグリシジルエーテルである“デナコール”EX
-314(ナガセ化成工業(株)製、エポキシ当量14
5)、ペンタエリスリトールのテトラグリシジルエーテ
ルである“デナコール”EX-411(ナガセ化成工業(株)
製、エポキシ当量231)などを使用することができ
る。
リシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニ
ルメタンである“スミ−エポキシ”ELM434(住友化学工
業(株)製、エポキシ当量110〜130)、テトラグ
リシジルm-キシリレンジアミンであるTETRAD-X(三菱ガ
ス化学(株)製、エポキシ当量90〜105)などが挙
げられる。
アミンの両構造を併せ持つエポキシ樹脂として、トリグ
リシジル-m-アミノフェノールである“スミ−エポキ
シ”ELM120(エポキシ当量118、住友化学工業(株)
製)、及びトリグリシジル-p-アミノフェノールである
“アラルダイト”MY0510(チバガイギー社製、エ
ポキシ当量94〜107)などが挙げられる。
タル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジ
ルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルなどが挙
げられる。
るエポキシ樹脂として、トリグリシジルイソシアヌレー
トなどが挙げられる。
酸化して得られるポリエポキシドとしては、エポキシシ
クロヘキサン環を有するエポキシ樹脂などが挙げられ、
具体例としては、ユニオンカーバイド社のERL-4206(エ
ポキシ当量70〜74)、ERL-4221(エポキシ当量13
1〜143)、ERL-4234(エポキシ当量133〜15
4)などが挙げられる。さらにエポキシ化大豆油なども
挙げられる。
化剤としては、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-
ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノジフェニ
ルスルホン、m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジア
ミンのような活性水素を有する芳香族アミン、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジ
アミン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス(4-
アミノシクロヘキシル)メタン、ポリエチレンイミンの
ダイマー酸エステルのような活性水素を有する脂肪族ア
ミン、これらの活性水素を有するアミンにエポキシ化合
物、アクリロニトリル、フェノールとホルムアルデヒ
ド、チオ尿素などの化合物を反応させて得られる変性ア
ミン、ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアミン、2,
4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールや1−
置換イミダゾールのような活性水素を持たない第三アミ
ン、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、ヘキ
サヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水
物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジッ
ク酸無水物のようなカルボン酸無水物、アジピン酸ヒド
ラジドやナフタレンジカルボン酸ヒドラジドのようなポ
リカルボン酸ヒドラジド、ノボラック樹脂などのポリフ
ェノール化合物、チオグリコール酸とポリオールのエス
テルのようなポリメルカプタン、三フッ化ホウ素エチル
アミン錯体のようなルイス酸錯体、芳香族スルホニウム
塩などが挙げられる。
めに適当な硬化助剤を組合わせることができる。好まし
い例としては、ジシアンジアミドに、3-フェニル-1,
1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,
1-ジメチル尿素(DCMU)、3-(3−クロロ−4-
メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、2,4−ビス
(3,3−ジメチルウレイド)トルエンのような尿素誘
導体を硬化助剤として組合わせる例、カルボン酸無水物
やノボラック樹脂に第三アミンを硬化助剤として組合わ
せる例などが挙げられる。
組成物が、次の構成要素(C)又は(D)のいずれか一
方を含むのが好ましい。
反応しうる官能基1個と1個以上のアミド結合を有する
化合物 (D)分子中に芳香環を有するポリエステルポリウレタ
ン 本発明において、前記構成要素(C)は、接着性を高め
るための高極性化合物として配合される。
基、チオカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基か
ら選ばれる基とその炭素に単結合で結合する窒素原子か
らなる部分構造を意味する。アミド結合を有する化合物
の典型的な化合物はカルボン酸アミドであるが、それ以
外にも環の一部にアミド結合を有しても良く、あるいは
さらに複雑な構造、例えば、イミド、ウレタン、尿素、
ビウレット、ヒダントイン、カルボン酸ヒドラジド、ヒ
ドロキサム酸、セミカルバジド、セミカルバゾンなどの
ような構造を有するものでもよい。
素に結合した水素原子と強い水素結合を作る。従って、
炭素繊維の表層面に存在するカルボキシル基や水酸基な
どの水素原子との水素結合が生じ接着性を高める。
永久双極子であるため、炭素繊維のように分極率の高い
強化繊維に有機双極子を作り、双極子−双極子の電気的
引力により接着性を高める。
樹脂又は硬化剤と反応しうる官能基を持たないと、相分
離により接着性が充分発現しなかったり、可塑剤として
働き耐熱性が著しく低下したりする恐れがあるが、アミ
ド結合を持つ化合物がエポキシ樹脂又は硬化剤と反応し
うる官能基を持つ場合は、樹脂組成物の硬化に伴い、エ
ポキシ樹脂硬化物のネットワークの一部となるため前記
のような弊害を生じる恐れがない。
以上の官能基と1個以上のアミド結合を有する化合物を
配合したエポキシ樹脂組成物をCFRPに用いることは
公知であるが、これらの公知技術では、接着性の著しい
改善は確認されていない。しかし、本発明者らの見出し
た、分子内にエポキシ樹脂又は硬化剤と反応しうる官能
基1個と1個以上のアミド結合を有する化合物を配合し
たエポキシ樹脂組成物では、著しい効果を有する。
剤と反応しうる官能基を2個以上有する化合物は、エポ
キシ樹脂のネットワークと2カ所以上で化学結合するた
め、アミド結合の酸素原子が炭素繊維表面に充分接近で
きないのに対し、エポキシ樹脂又は硬化剤と反応しうる
官能基を有する化合物は、エポキシ樹脂のネットワーク
と一カ所だけで化学結合するため、その化合物に由来す
る部分構造の運動の自由度が大きく、カルボニル基の酸
素原子が炭素繊維表面に接触しやすいためと本発明者ら
は推定している。
高めるだけではなく、エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲
げ弾性率を高める効果も有する。これは、エポキシ樹脂
中に存在する水酸基とカルボニル基の酸素が強い水素結
合を作り分子運動を拘束するためと考えられる。
は、カルボキシル基、フェノール性水酸基、アミノ基、
第2アミン構造、メルカプト基などが挙げられる。また
硬化剤とし反応しうる官能基としては、エポキシ基、カ
ルボニル基と共役した二重結合などが挙げられる。カル
ボニル基と共役した二重結合は、硬化剤中のアミノ基や
メルカプト基とマイケル付加反応を行う。
有する化合物の具体例としては、スクシンアミド酸、オ
キサミン酸、N-アセチルグリシン、N-アセチルアラニ
ン、4-アセトアミド安息香酸、N-アセチルアントラニル
酸、4-アセトアミド酪酸、6-アセトアミドヘキサン酸、
馬尿酸、5-ヒダントイン酢酸、ピログルタミン酸、2-
(フェニルカルバモイルオキシ)プロピオン酸などが挙げ
られる。
合を有する化合物の具体例としては、サリチルアミド、
4-ヒドロキシベンズアミド、4-ヒドロキシフェニルアセ
トアミド、4-ヒドロキシアセトアニリド、3-ヒドロキシ
アセトアニリドなどが挙げられる。
化合物の具体例としては、4-アミノベンズアミド、3-ア
ミノベンズアミド、4'-アミノアセトアニリド、4-アミ
ノブチルアミド、6-アミノヘキサンアミド、3-アミノフ
タルイミド、4-アミノフタルイミドなどが挙げられる。
有する化合物の具体例としては、ニペコタミド、N,N-ジ
エチルニペコタミド、イソニペコタミド、1-アセチルピ
ペラジンなどが挙げられる。
する化合物の具体例としては、4-アセトアミドチオフェ
ノール、N-(2-メルカプトエチル)アセトアミドなどが
挙げられる。
る化合物の具体例としては、グリシダミド、N-フェニル
グリシダミド、N,N-ジエチルグリシダミド、N-メトキシ
メチルグリシダミド、N-ヒドロキシメチルグリシダミ
ド、2,3-エポキシ-3-メチルブチルアミド、2,3-エポキ
シ-2-メチルプロピオンアミド、9,10-エポキシステアラ
ミド、N-グリシジルフタルイミドなどが挙げられる。
し、アミド結合を有する化合物は、二重結合と共役する
カルボニル基がアミド結合のカルボニル基と同一であっ
てもよく、異なってもよい。二重結合と共役するカルボ
ニル基がアミド結合のカルボニル基と同一である化合物
としては、α,β−不飽和カルボン酸のアミド及びその
窒素原子上に置換基を有する誘導体が該当する。そのの
具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、
N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルア
ミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、N-イソプロピル
アクリルアミド、N-ブチルアクリルアミド、N-ヒドロキ
シメチルアクリルアミド、N-メトキシメチルアクリルア
ミド、N-エトキシメチルアクリルアミド、N-n-プロポキ
シメチルアクリルアミド、N-n-ブトキシメチルアクリル
アミド、N-イソブトキシメチルアクリルアミド、N-ベン
ジロキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルア
ミド、1-アクリロイルモルホリン、1-アクリロイルピペ
リジンなどが挙げられる。またそれ以外にもマレイミ
ド、N-エチルマレイミド、N-フェニルマレイミドのよう
な不飽和ジカルボン酸のイミドも該当する。二重結合と
共役するカルボニル基がアミド結合のカルボニル基と同
一でない化合物としては、2-( フェニルカルバモイルオ
キシ) エチルメタクリレートなどが挙げられる。
種でも、複数種配合しても良いが、構成要素(C)の配
合量(複数種用いる場合はその合計)は、構成要素
(A)100重量部に対し0.5〜15重量部、好まし
くは1〜10重量部であるのが良い。0.5重量部未満
であると接着性向上効果が充分に発現されず、15重量
部を超えると耐熱性低下などの弊害が生じることがあ
る。
のも固形のものも使用できる。構成要素(C)として固
形のものを用いる場合は、エポキシ樹脂組成物に配合し
た後、加熱撹拌などの手段で溶解してもよく、溶解せず
に配合してもよい。固形の構成要素(C)を溶解せずに
配合する場合は、粒径10μm以下に粉砕して使用する
のが好ましい。
子中に芳香環を有するポリエステルポリウレタンは、硬
化物の引張伸度を低下させることなく弾性率を高めるた
めの化合物として配合される。
ウレタン構造がエポキシ樹脂中に存在する水酸基と強い
水素結合を形成して分子運動を拘束するため、硬化物の
弾性率が高められるようになる。
ル構造が硬化剤中のアミノ基、メルカプト基、フェノー
ル性水酸基などと求核置換反応により反応して化学結合
を生じてエポキシ樹脂硬化物のネットワークの一部とな
ることから、相分離を起こすことがなく、硬化物の弾性
率を低下させるような弊害を生じる恐れが少ない。
は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの重縮合
によって得られるポリエステルポリオールにイソシアネ
ート基を2個以上有するポリイソシアネート及び必要に
応じて連鎖延長剤を用いてワンショット法やプレポリマ
ー法といった従来公知の方法を適用して得られるポリエ
ステルポリウレタンが使用できる。なお、本発明におい
て、樹脂組成物に配合して用いる構成要素(D)は1種
でも、複数種でも構わない。
ク酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、フタル酸、無水フタル酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、無水ナジック酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリ
ット酸、無水ピロメリット酸などが挙げられ、中でもコ
ハク酸やアジピン酸などの脂肪族多価カルボン酸が好ま
しく用いられる。
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4
−ブチレングリコール、1,5−ブチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェ
ノールAプロピレンオキサイド付加物、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなど
が挙げられ、中でも1,2−プロピレングリコール、
1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオー
ルなどが好ましく用いられる。
脂組成物を加熱硬化させた硬化物の弾性率を高めるため
に、芳香族ポリイソシアネートが好ましい。例えば、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テト
ラメチルキシレンジイソシアネート、トリフェニルメタ
ントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニ
ル)チオホスフェート、及びこれらのオリゴマーが挙げ
られ、中でも2,4−トリレンジイソシアネート、2,
6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネートが好ましく用いられる。
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールや、これらの混合物が適宜用いられる。
(複数種用いる場合はその合計)は、構成要素(A)1
00重量部に対し1〜15重量部、好ましくは1〜10
重量部であるのが好ましい。1部未満であると弾性率向
上効果が十分に発現されず、15重量部を超えると耐熱
性低下などの弊害が生じることがある。
は、前記構成要素(A)、(B)、(C)、(D)の他
に、任意の成分として高分子化合物、有機又は無機の粒
子などの他成分を配合することができる。
適に用いられる。熱可塑性樹脂を配合することにより、
樹脂の粘度制御やプリプレグの取扱い性制御、あるいは
接着性改善の効果が増進される。
的である接着性の改善の相乗効果が期待できる水素結合
性の官能基を有する熱可塑性樹脂が特に好ましい。
水酸基、アミド結合、スルホニル基などが挙げられる。
としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラー
ルなどのポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコ
ール、フェノキシ樹脂、アミド結合を有する熱可塑性樹
脂としては、ポリアミド、ポリイミド、スルホニル基を
有する熱可塑性樹脂としては、ポリスルホンなどが挙げ
られる。ポリアミド、ポリイミド及びポリスルホンは主
鎖にエーテル結合、カルボニル基などの官能基を有して
もよい。ポリアミドは、アミド基の窒素原子上に置換基
を有してもよい。
を有する熱可塑性樹脂の市販品を例示すると、ポリビニ
ルアセタール樹脂として、“デンカブチラール”及び
“デンカホルマール”(電気化学工業(株)製)、“ビ
ニレック”(チッソ(株)製)、フェノキシ樹脂とし
て、“UCAR”PKHP(ユニオンカーバイド社
製)、ポリアミド樹脂として“マクロメルト”(ヘンケ
ル白水(株)製)、“アミラン”CM4000(東レ
(株)製)、ポリイミドとして“ウルテム”(ジェネラ
ル・エレクトリック社製)、“Matrimid”52
18(チバ社製)、ポリスルホンとして“Victre
x”(三井化学(株)製)、“UDEL”(ユニオン・
カーバイド社製)などが挙げられる。
樹脂の配合量をエポキシ樹脂100重量部に対して1〜
20重量部とするのが、エポキシ樹脂組成物に適度な粘
弾性を与え、良好な複合材料物性が得られる点で好まし
い。
しては、ゴム粒子及び熱可塑性樹脂粒子が用いられる。
これらの粒子は樹脂の靭性向上、CFRPの耐衝撃性向
上の効果を有する。
橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコ
アシェルゴム粒子が好ましく用いられる。
ル変性のブタジエン−アクリロニトリル共重合体の架橋
物からなるXER−91(日本合成ゴム工業(株)
製)、アクリルゴム微粒子からなるCX−MNシリーズ
(日本触媒(株)製)、YR−500シリーズ(東都化
成(株)製)などが挙げられる。
ば、ブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重
合体からなる“パラロイド”EXL−2655(呉羽化
学工業(株)製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸
エステル共重合体からなる“スタフィロイド”AC−3
355、TR−2122(武田薬品工業(株)製)、ア
クリル酸ブチル・メタクリル酸メチル共重合体からなる
“PARALOID”EXL−2611、EXL−33
87(Rohm & Haas社製)などが挙げられる。
るいはポリイミドの粒子が好ましく用いられる。市販の
ポリアミド粒子として、東レ(株)製SP-500、ATOC
HEM社製“オルガソール”などが挙げられる。
メクタイト、合成マイカなどを配合することができる。
これらの無機粒子は、主としてレオロジー制御すなわち
増粘や揺変性付与のために配合される。
は、接着性を高めると共に、樹脂組成物について、その
硬化物の曲げ弾性率が高く、かつ引張伸度及び塑性変形
能力が高いことが好ましい。
上、好ましくは3.3GPa以上、より好ましくは3.
3GPa以上であるのが良い。また硬化物の引張伸度は
8%以上、好ましくは10%以上であるのが良い。
の3点曲げ撓み量や動的粘弾性測定より得られるゴム状
態の弾性率G'を用いることができ、3点曲げの撓み量
が10〜25mm、好ましくは15〜25mmである
か、又は、周波数0.5Hzでの動的粘弾性におけるゴ
ム状態弾性率G'(MPa)が次式(3)、好ましくは
次式(5)を満足するのが良い。
変形能力を高めるには、全エポキシ樹脂中、70〜10
0重量%、好ましくは80〜100重量%が2官能エポ
キシ樹脂であるのが良い。
びこれを積層して加熱硬化してCFRPを得る方法につ
いて説明する。
脂をメチルエチルケトン、メタノールなどの溶媒に溶解
して低粘度化し、含浸させるウエット法と、加熱により
低粘度化し、含浸させるホットメルト法などの方法によ
り製造される。
成物からなる液体に浸漬した後、引き上げ、オーブンな
どを用いて溶媒を蒸発させてプリプレグを得る方法であ
る。
たエポキシ樹脂組成物を直接炭素繊維に含浸させる方
法、あるいは一旦エポキシ樹脂組成物を離型紙などの上
にコーティングしたフィルムをまず作成し、ついで炭素
繊維の両側あるいは片側から該フィルムを重ね、加熱加
圧することにより樹脂を含浸させたプリプレグを製造す
る方法である。ホットメルト法には、プリプレグ中に残
留する溶媒がないため好ましい。
リプレグを積層後、積層物に圧力を付与しながら樹脂を
加熱硬化させる方法などにより作製できる。
形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッ
ピングテープ法、内圧成形法などがあり、特にスポーツ
用品に関しては、ラッピングテープ法、内圧成形法が好
ましく採用される。
芯金にプリプレグを巻いて、円筒状成形体を得る方法で
あり、ゴルフクラブ用シャフト、釣り竿などの棒状体を
作製する際に好適である。具体的には、マンドレルにプ
リプレグを巻き付け、プリプレグの固定及び圧力付与の
ために、プリプレグの外側に熱可塑性樹脂フィルムから
なるラッピングテープを巻き付け、オーブン中で樹脂を
加熱硬化させた後、芯金を抜き去って円筒状成形体を得
る。
ーブなどの内圧付与体にプリプレグを巻きつけたプリフ
ォームを金型中にセットし、次いで内圧付与体に高圧の
気体を導入して圧力をかけると同時に金型を加熱し成形
する方法である。ゴルフクラブ用シャフト、バット、テ
ニスやバトミントンなどのラケットのような複雑な形状
物を成形する際に好適に用いられる。
る。樹脂硬化物の物性測定、プリプレグの作製、CFR
P面内剪断強度の測定、円筒状CFRPの作製、円筒状
CFRPの物性測定は次の方法で行った。なお、物性測
定はすべて温度23℃、相対湿度50%の環境で行っ
た。 (1)樹脂硬化物の物性測定 A.曲げ弾性率の測定 樹脂組成物を80℃に加熱してモールドに注入し、13
0℃の熱風乾燥機中で2時間加熱硬化して厚さ2mmの
樹脂硬化板を作製した。次に、樹脂硬化板から幅10m
m、長さ60mmの試験片を切り出し、試験速度2.5
mm、支点間距離32mmで3点曲げ試験を行い、JI
S K7203に従い、曲げ弾性率と曲げ撓み量を求め
た。
113に従い、小型1(1/2)号形試験片を切り出
し、引張伸度を求めた。
SRM18R−94に従い、DMA法によりゴム状態の
弾性率G'を求めた。G’曲線においてガラス転移領域
の直線部分を延長した線とゴム状態領域の直線部分を延
長した線との交点の弾性率値をゴム状態の弾性率G'と
し、塑性変形能力の指標とした。ここでは、Rheometric
Scientific社製粘弾性測定システム拡張型“ARE
S”を用い、昇温速度5℃/分、周波数1Hzで測定し
た。 (2)プリプレグの作製 樹脂組成物をリバースロールコーターを用いて離型紙上
に塗布し、樹脂フィルムを作製した。次に、シート状に
一方向に整列させた炭素繊維に樹脂フィルム2枚を炭素
繊維の両面から重ね、加熱加圧して樹脂組成物を含浸さ
せ、炭素繊維目付125g/m2のプリプレグを得た。 (3)面内剪断強度の測定 一方向プリプレグを炭素繊維の方向が±45°になるよ
う所定枚数積層し、オートクレーブ中で温度135℃、
圧力290Paで2時間加熱加圧して硬化して作製した
サンプルについて、JIS K7079に従って測定し
た。 (4)円筒状CFRPの作製 下記(a)〜(e)の操作により、円筒軸方向に対して
[03/±453]の積層構成を有し、内径が6.3mm
及び10mmの2種類の円筒状CFRPを作製した。マ
ンドレルには直径6.3mm及び10mm(いずれも長
さ1000mm)のステンレス製丸棒を使用した。 (a)一方向プリプレグを繊維の方向がマンドレルの軸
方向に対して45度になるように、直径6.3mmのマ
ンドレルでは縦800mm×横68mm、直径10mm
のマンドレルでは縦800mm×横103mmの長方形
に2枚切り出した。この2枚を繊維方向が互いに交差す
るように、かつ横方向に直径6.3mmのマンドレルで
は10mm、直径10mmのマンドレルでは16mm
(マンドレル半周分に対応)ずらして貼り合わせた。 (b)貼り合わせたプリプレグを離型処理したマンドレ
ルに、プリプレグの縦方向とマンドレルの軸方向が一致
するように巻き付けた。(バイアス材) (c)その上に、プリプレグを繊維の方向が縦方向にな
るように、直径6.3mmのマンドレルでは縦800m
m×横77mm、直径10mmのマンドレルでは縦80
0mm×横112mmの長方形に切り出したものをプリ
プレグの縦方向とマンドレルの軸方向が一致するように
巻き付けた。(ストレート材) (d)ラッピングテープ(耐熱性フィルムテープ)を巻
きつけ、硬化炉中で130℃、2時間加熱成形した。 (e)成形後、マンドレルを抜き取り、ラッピングテー
プを除去して円筒状CFRPを得た。 (5)円筒状CFRPの物性測定 A.曲げ強度の測定 内径10mmの円筒状CFRPを用い、「ゴルフクラブ
用シャフトの認定基準及び基準確認方法」(製品安全協
会編、通商産業大臣承認5産第2087号、1993
年)に記載の3点曲げ試験方法に基づき曲げ破壊荷重を
測定し、該荷重値を曲げ強度とした。支点間距離300
mm、試験速度5mm/分とした。
験片を切り出し、「ゴルフクラブ用シャフトの認定基準
及び基準確認方法」(製品安全協会編、通商産業大臣承
認5産第2087号、1993年)に記載の方法に従
い、捻り試験を行った。試験片ゲージ長は300mmと
し、試験片両端の50mmを固定治具で把持した。捻り
強度は次式により求めた。
片を切り出し、ステンレス平板を介して円筒の半径方向
に圧縮荷重を加えて破壊し、破壊時の荷重を圧壊強度と
した。試験速度は5mm/分とした。
7077記載の方法に従い、シャルピー衝撃試験を行っ
た。内径6.3mmの円筒状CFRPから長さ90mm
の試験片を切り出し、支点間距離40mm、ハンマー振
り上げ角135度、秤量300kg・cmで円筒軸方向
と垂直な方向から衝撃を与え、最大衝撃荷重を測定し、
該荷重値を衝撃強度とした。 (6)炭素繊維表面の官能基量測定 A.表面比酸素濃度O/C 表面比酸素濃度O/Cは、次の手順に従ってX線光電子
分光法により求めた。
イジング剤などを除去後、適当な長さにカットしてステ
ンレス製の試料支持台上に拡げて並べた後、下記条件に
て測定した。
主ピークの結合エネルギー値B.E.を284.6eV
に合わせた。
2〜296eVの範囲で直線のベースラインを引いて求
め、O1sピーク面積[C1s]は、528〜540eVの
範囲で直線のベースラインを引いて求めた。
面積[O1s]、C1sピーク面積[C 1s]の比、及び装置
固有の感度補正値より、次式により求めた。
ESCA−750を用い、前記装置固有の感度補正値を
2.85とした。 B.表面カルボキシル基濃度COOH/C 表面カルボキシル基濃度COOH/Cは、次の手順に従って
化学修飾X線光電子分光法により求めた。
イジング剤などを除去後、適当な長さにカットして白金
製の試料支持台上に拡げて並べた後、0.02モル/L
のジシクロヘキシルカルボジイミド気体及び0.04モ
ル/Lのピリジン気体を含む空気中に60℃で8時間曝
露して化学修飾処理した後、下記条件にて測定した。
主ピークの結合エネルギー値B.E.を284.6eV
に合わせた。
2〜296eVの範囲で直線のベースラインを引いて求
め、F1sピーク面積[F1s]は、682〜695eVの
範囲で直線のベースラインを引いて求めた。
理したポリアクリル酸のC1sピーク分割から反応率r
を、O1sピーク分割からジシクロヘキシルカルボジイミ
ド誘導体の残存率mを求めた。次に、表面カルボキシル
基濃度COOH/Cを、次式により求めた。
1s])r]〕×100(%) ここで、米国SSI社製モデルSSX-100-206を用いた。
本装置固有のC1sピーク面積に対するF1sピーク面積の
感度補正値kは3.919であった。
実施例、比較例中に記載の部数はすべて重量部を表す。
実施例、比較例は表1〜3に示した。
素繊維の引張弾性率を変えた例であり、表2に示した。
実施例8と比較例6は、炭素繊維の表面官能基量を変え
た例であり、表3に示した。 (実施例1)下記原料をニーダーで混合して樹脂組成物
を得た。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40部 (“エピコート”828、油化シェルエポキシ(株)製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 50部 (“エピコート”1001、油化シェルエポキシ(株)製) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 10部 (“エピコート”154、油化シェルエポキシ(株)製) ジシアンジアミド 5部 (DICY7、油化シェルエポキシ(株)製) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素 3部 (DCMU99、保土ヶ谷化学工業(株)製) N−n−ブトキシメチルアクリルアミド 5部 (笠野興産(株)製) ポリビニルホルマール 7部 (“ビニレック”K、チッソ(株)製) この樹脂組成物を用いて、前記した方法に従い、樹脂硬
化物、及びプリプレグを作製した。ここで、プリプレグ
は、強化繊維として引張弾性率が294GPaの炭素繊
維を用い、マトリックス樹脂含有率を24%とした。こ
のプリプレグから得られたCFRPの面内剪断強度は1
40MPaで、式(1)を満足した。
このプリプレグを用いて得られた円筒状CFRPの圧壊
強度と衝撃強度は良好であった。 (実施例2)下記原料をニーダーで混合して樹脂組成物
を得た。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40部 (“エピコート”828、油化シェルエポキシ(株)製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 50部 (“エピコート”1001、油化シェルエポキシ(株)製) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 10部 (“エピコート”154、油化シェルエポキシ(株)製) ジシアンジアミド 5部 (DICY7、油化シェルエポキシ(株)製) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素 3部 (DCMU99、保土ヶ谷化学工業(株)製) N,N−ジエチルアクリルアミド 5部 ((株)興人製) ポリビニルホルマール 7部 この樹脂組成物を用いて、前記した方法に従い、樹脂硬
化物、及びプリプレグを作製した。ここで、プリプレグ
は、強化繊維として引張弾性率が294GPaの炭素繊
維を用い、マトリックス樹脂含有率を24%とした。こ
のプリプレグから得られたCFRPの面内剪断強度は1
50MPaで、式(1)を満足した。
このプリプレグを用いて得られた円筒状CFRPの圧壊
強度と衝撃強度は良好であった。 (実施例3)下記原料をニーダーで混合して樹脂組成物
を得た。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40部 (“エピコート”828、油化シェルエポキシ(株)製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 50部 (“エピコート”1001、油化シェルエポキシ(株)製) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 10部 (“エピコート”154、油化シェルエポキシ(株)製) ジシアンジアミド 5部 (DICY7、油化シェルエポキシ(株)製) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素 3部 (DCMU99、保土ヶ谷化学工業(株)製) N−イソプロピルアクリルアミド 5部 ((株)興人製) ポリビニルホルマール 7部 (“ビニレック”K、チッソ(株)製) この樹脂組成物を用いて、前記した方法に従い、樹脂硬
化物、及びプリプレグを作製した。ここで、プリプレグ
は、強化繊維として引張弾性率が294GPaの炭素繊
維を用い、マトリックス樹脂含有率を24%とした。こ
のプリプレグから得られたCFRPの面内剪断強度は1
20MPaで、式(1)を満足した。
このプリプレグを用いて得られた円筒状CFRPの圧壊
強度と衝撃強度は良好であった。 (実施例4)下記原料をニーダーで混合して樹脂組成物
を得た。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40部 (“エピコート”828、油化シェルエポキシ(株)製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 50部 (“エピコート”1001、油化シェルエポキシ(株)製) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 10部 (“エピコート”154、油化シェルエポキシ(株)製) ジシアンジアミド 5部 (DICY7、油化シェルエポキシ(株)製) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素 3部 (DCMU99、保土ヶ谷化学工業(株)製) ポリエステルポリウレタン 5部 (“PANDEX”T−5205、(株)大日本インキ工業製) ポリビニルホルマール 4部 (“ビニレック”K、チッソ(株)製) この樹脂組成物を用いて、前記した方法に従い、樹脂硬
化物、及びプリプレグを作製した。ここで、プリプレグ
は、強化繊維として引張弾性率が294GPaの炭素繊
維を用い、マトリックス樹脂含有率を24%とした。こ
のプリプレグから得られたCFRPの面内剪断強度は1
38MPaで、式(1)を満足した。
このプリプレグを用いて得られた円筒状CFRPの圧壊
強度と衝撃強度は良好であった。 (比較例1)下記原料をニーダーで混合して樹脂組成物
を得た。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 10部 (“エピコート”828、油化シェルエポキシ(株)製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40部 (“エピコート”1001、油化シェルエポキシ(株)製) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 10部 (“エピコート”154、油化シェルエポキシ(株)製) レゾルシンジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂 20部 (“デナコール”EX201、ナガセ化成工業(株)製) 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂 10部 (“エピクロン”152、大日本インキ化学工業(株)製) ジシアンジアミド 5部 (DICY7、油化シェルエポキシ(株)製) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素 3部 (DCMU99、保土ヶ谷化学工業(株)製) ポリビニルホルマール 7部 (“ビニレック”K、チッソ(株)製) この樹脂組成物を用いて、前記した方法に従い、樹脂硬
化物、及びプリプレグを作製した。ここで、プリプレグ
は、強化繊維として引張弾性率が294GPaの炭素繊
維を用い、マトリックス樹脂含有率を24%とした。こ
のプリプレグから得られたCFRPの面内剪断強度は1
02MPaで、式(1)を満足しなかった。
このプリプレグを用いて得られた円筒状CFRPの圧壊
強度と衝撃強度は不良であった。 (比較例2)下記原料をニーダーで混合して樹脂組成物
を得た。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 30部 (“エピコート”828、油化シェルエポキシ(株)製) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 40部 (“エピコート”1001、油化シェルエポキシ(株)製) フェノールノボラック型エポキシ樹脂 30部 (“エピコート”154、油化シェルエポキシ(株)製) ジシアンジアミド 5部 (DICY7、油化シェルエポキシ(株)製) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素 3部 (DCMU99、保土ヶ谷化学工業(株)製) ポリビニルホルマール 7部 (“ビニレック”K、チッソ(株)製) この樹脂組成物を用いて、前記した方法に従い、樹脂硬
化物、及びプリプレグを作製した。ここで、プリプレグ
は、強化繊維として引張弾性率が294GPaの炭素繊
維を用い、マトリックス樹脂含有率を24%とした。こ
のプリプレグから得られたCFRPの面内剪断強度は9
5MPaで、式(1)を満足しなかった。
このプリプレグを用いて得られた円筒状CFRPの圧壊
強度と衝撃強度は不良であった。 (実施例5)実施例1と同一の樹脂組成物と、引張弾性
率377GPaの炭素繊維を用い、前記した方法に従
い、マトリックス樹脂含有率を24重量%として、プリ
プレグを作製した。プリプレグから得られた、CFRP
の面内剪断強度は92MPaで、式(1)を満足した。
プレグ、バイアス材としてこのプリプレグをそれぞれ用
いて得られた円筒状CFRPの圧壊強度と衝撃強度は良
好であった。 (比較例3)比較例2と同一の樹脂組成物と、引張弾性
率377GPaの炭素繊維を用い,前記した方法に従
い、マトリックス樹脂含有率を24重量%として、プリ
プレグを作製した。プリプレグから得られた、CFRP
の面内剪断強度は72MPaで、式(1)を満足しなか
った。また、ストレート材として比較例2のプリプレ
グ、バイアス材としてこのプリプレグをそれぞれ用いて
得られた円筒状CFRPの圧壊強度と衝撃強度は不良で
あった。 (実施例6)実施例1と同一の樹脂組成物と、引張弾性
率475GPaの炭素繊維を用い、前記した方法に従
い、マトリックス樹脂含有率を24重量%として、プリ
プレグを作製した。プリプレグから得られた、CFRP
の面内剪断強度は90MPaで、式(1)を満足した。
また、ストレート材として実施例1のプリプレグ、バイ
アス材としてこのプリプレグをそれぞれ用いて得られた
円筒状CFRPの圧壊強度と衝撃強度は良好であった。 (比較例4)比較例2と同一の樹脂組成物と、引張弾性
率475GPaの炭素繊維を用い,前記した方法に従
い、マトリックス樹脂含有率を24重量%として、プリ
プレグを作製した。プリプレグから得られた、CFRP
の面内剪断強度は58MPaで、式(1)を満足しなか
った。また、ストレート材として比較例2のプリプレ
グ、バイアス材としてこのプリプレグをそれぞれ用いて
得られた円筒状CFRPの圧壊強度と衝撃強度は不良で
あった。 (実施例7)実施例1と同一の樹脂組成物と、引張弾性
率539GPaの炭素繊維を用い、前記した方法に従
い、マトリックス樹脂含有率を33重量%として、プリ
プレグを作製した。プリプレグから得られた、CFRP
の面内剪断強度は63MPaで、式(1)を満足した。
また、ストレート材として実施例1のプリプレグ、バイ
アス材としてこのプリプレグをそれぞれ用いて得られた
円筒状CFRPの圧壊強度と衝撃強度は良好であった。 (比較例5)比較例2と同一の樹脂組成物と、引張弾性
率539GPaの炭素繊維を用い,前記した方法に従
い、マトリックス樹脂含有率を33重量%として、プリ
プレグを作製した。プリプレグから得られた、CFRP
の面内剪断強度は47MPaで、式(1)を満足しなか
った。また、ストレート材として比較例2のプリプレ
グ、バイアス材としてこのプリプレグをそれぞれ用いて
得られた円筒状CFRPの圧壊強度と衝撃強度は不良で
あった。 (実施例8)実施例1と同一の樹脂組成物と、引張弾性
率230GPa、表面比酸素濃度O/Cが0.16、表
面カルボキシル基濃度COOH/Cが2.5%である炭素繊
維を用い、前記した方法に従い、マトリックス樹脂含有
率を24重量%として、プリプレグを作製した。プリプ
レグから得られた、CFRPの面内剪断強度は153M
Paで、式(1)を満足した。また、ストレート材及び
バイアス材としてこのプリプレグを用いて得られた円筒
状CFRPの圧壊強度と衝撃強度は良好であった。 (比較例6)実施例1と同一の樹脂組成物と、引張弾性
率230GPa、表面比酸素濃度O/Cが0.01、表
面カルボキシル基濃度COOH/Cが0.05%である炭素
繊維を用い、前記した方法に従い、マトリックス樹脂含
有率を24重量%として、プリプレグを作製した。プリ
プレグから得られた、CFRPの面内剪断強度は111
MPaで、式(1)を満足しなかった。また、ストレー
ト材及びバイアス材としてこのプリプレグを用いて得ら
れた円筒状CFRPの圧壊強度と衝撃強度は不良であっ
た。
ス樹脂との接着性、及びマトリックス樹脂の曲げ弾性率
と引張伸度に優れた樹脂組成物が得られる。この樹脂組
成物と炭素繊維とから良質なプリプレグを作製すること
ができ、さらにこのプリプレグを積層して成形すること
により、強度特性に優れた繊維強化複合材料を作製する
ことができる。
有するため、これにより、優れた圧壊強度や衝撃強度を
有し、軽量化も達成されたCFRP管状体が得られるよ
うになる。
ゴルフクラブ用シャフト、釣り竿、自転車用フレーム、
バトミントンラケット用シャフト、自転車用フレーム・
ハンドル、車椅子用フレーム、ホッケー用スティックな
どに好適に用いることができる。
Claims (13)
- 【請求項1】 炭素繊維に、次の構成要素(A)、
(B)を含むエポキシ樹脂組成物が含浸して構成される
プリプレグであり、 (A)エポキシ樹脂 (B)硬化剤 該プリプレグのマトリックス樹脂含有率Wr(重量%)
と、該炭素繊維の0度引張弾性率E(GPa)及びプリ
プレグを加熱硬化して得られる炭素繊維強化複合材料の
面内剪断強度S(MPa)が次式(1)と(2)を満足
することを特徴とするプリプレグ。 S≧−205×LOG(E)+610 …(1) 15≦Wr≦40 …(2) - 【請求項2】 前記炭素繊維の、X線光電子分光法によ
り測定される表面比酸素濃度O/Cが0.02〜0.3
であることを特徴とする請求項1記載のプリプレグ。 - 【請求項3】 前記炭素繊維の、化学修飾X線光電子分
光法により測定される表面カルボキシル基濃度COOH/C
が0.2〜3.0%であることを特徴とする請求項1又
は2記載のプリプレグ。 - 【請求項4】 前記エポキシ樹脂組成物が次の構成要素
(C)を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
に記載のプリプレグ。 (C)分子内にエポキシ樹脂又は硬化剤と反応しうる官
能基1個と1個以上のアミド結合を有する化合物 - 【請求項5】 前記構成要素(C)の配合量が前記構成
要素(A)100重量部に対して0.5〜15重量部で
ある請求項4記載のプリプレグ。 - 【請求項6】 前記構成要素(C)におけるエポキシ樹
脂又は硬化剤と反応しうる官能基が、カルボキシル基、
フェノール性水酸基、アミノ基、第2アミン構造、メル
カプト基、エポキシ基、及びカルボニル基と共役した二
重結合からなる群より選ばれる少なくとも1種である請
求項4又は5記載のプリプレグ。 - 【請求項7】前記エポキシ樹脂組成物が次の構成要素
(D)を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
に記載のプリプレグ。 (D)分子中に芳香環を有するポリエステルポリウレタ
ン - 【請求項8】前記構成要素(D)の配合量が前記構成要
素(A)100重量部に対して1〜15重量部である請
求項7記載のプリプレグ。 - 【請求項9】前記エポキシ樹脂組成物を130℃で2時
間硬化して得た硬化物の引張伸度が8%以上であること
を特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載のプリプレ
グ。 - 【請求項10】前記エポキシ樹脂組成物を130℃で2
時間硬化して得られた硬化物の3点曲げの撓み量が10
〜25mmであることを特徴とする請求項4〜9のいず
れかに記載のプリプレグ。 - 【請求項11】前記エポキシ樹脂組成物を130℃で2
時間硬化して得られた硬化物の測定周波数0.5Hzで
の動的粘弾性におけるゴム状態の弾性率G'(MPa)
が次式(3)を満足することを特徴とするプリプレグ。 1≦G'≦8 …(3) - 【請求項12】前記エポキシ樹脂組成物を130℃で2
時間硬化して得た硬化物の曲げ弾性率が3.1GPa以
上であることを特徴とする請求項4〜11のいずれかに
記載のプリプレグ。 - 【請求項13】請求項1〜12のいずれかに記載のプリ
プレグが、硬化されてなることを特徴とする炭素繊維強
化複合材料。
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- 1999-12-10 JP JP35121299A patent/JP4144136B2/ja not_active Expired - Fee Related
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