JP2001052632A - 陰極線管用ネックガラス - Google Patents
陰極線管用ネックガラスInfo
- Publication number
- JP2001052632A JP2001052632A JP11229293A JP22929399A JP2001052632A JP 2001052632 A JP2001052632 A JP 2001052632A JP 11229293 A JP11229293 A JP 11229293A JP 22929399 A JP22929399 A JP 22929399A JP 2001052632 A JP2001052632 A JP 2001052632A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- neck glass
- neck
- ray tube
- electron gun
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Glass Compositions (AREA)
- Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来のネックガラスに比べて溶着の時間短縮
や温度低下を図ることができ、特に耐熱性の低いインプ
レカソード付き電子銃を装着する場合に、空冷装置を使
用せずに電子銃のエミッション特性を劣化させることな
く、ステムベースガラスと溶着することが可能な陰極線
管用ネックガラスを提供する。 【構成】 本発明の陰極線管ネックガラスは、ガラス組
成中に、CoO、NiO、Cr2O3、V2O5、Se
O2、CuO及びMnOの群から選択された一種又は二
種以上の着色剤を含むことを特徴とする。
や温度低下を図ることができ、特に耐熱性の低いインプ
レカソード付き電子銃を装着する場合に、空冷装置を使
用せずに電子銃のエミッション特性を劣化させることな
く、ステムベースガラスと溶着することが可能な陰極線
管用ネックガラスを提供する。 【構成】 本発明の陰極線管ネックガラスは、ガラス組
成中に、CoO、NiO、Cr2O3、V2O5、Se
O2、CuO及びMnOの群から選択された一種又は二
種以上の着色剤を含むことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管用ネックガラ
スに関し、特にインプレカソード付き電子銃を装着する
カラー陰極線管用ネックガラスとして好適なネックガラ
スに関するものである。
スに関し、特にインプレカソード付き電子銃を装着する
カラー陰極線管用ネックガラスとして好適なネックガラ
スに関するものである。
【0002】
【従来の技術】陰極線管の外囲器は、映像が映し出され
るパネルガラスと、電子銃が装着される管状のネックガ
ラスと、パネルガラスとネックガラスを接続する漏斗状
のファンネルガラスから構成され、電子銃から出た電子
線は、パネルガラスの内面に設けられた蛍光体を発光さ
せてパネルガラスに映像を映し出すが、この時に制動X
線が管内に発生し、これが外囲器を通して管外に漏れる
と人体に悪影響を及ぼすため、この種の外囲器には高い
X線吸収能を有することが要求される。
るパネルガラスと、電子銃が装着される管状のネックガ
ラスと、パネルガラスとネックガラスを接続する漏斗状
のファンネルガラスから構成され、電子銃から出た電子
線は、パネルガラスの内面に設けられた蛍光体を発光さ
せてパネルガラスに映像を映し出すが、この時に制動X
線が管内に発生し、これが外囲器を通して管外に漏れる
と人体に悪影響を及ぼすため、この種の外囲器には高い
X線吸収能を有することが要求される。
【0003】特にネックガラスは、パネルガラスやファ
ンネルガラスに比べて管壁の肉厚が薄い(一般のネック
ガラスの平均肉厚は約2.4mm)ため、高いX線吸収
能を有することが要求されており、通常のネックガラス
には、ガラスのX線吸収能を最も高める成分であるPb
Oが35重量%程度含有されている。
ンネルガラスに比べて管壁の肉厚が薄い(一般のネック
ガラスの平均肉厚は約2.4mm)ため、高いX線吸収
能を有することが要求されており、通常のネックガラス
には、ガラスのX線吸収能を最も高める成分であるPb
Oが35重量%程度含有されている。
【0004】ネックガラスへの電子銃の装着は、図1に
示すように、ファンネルガラス10の一端に溶着された
ネックガラス11内に電子銃12を挿入した後、ネック
ガラス11の開口端にステムベースガラス13を溶着す
ることによって行われ、通常、この溶着はバーナー14
によるバーナーフレーム加熱で行われる。
示すように、ファンネルガラス10の一端に溶着された
ネックガラス11内に電子銃12を挿入した後、ネック
ガラス11の開口端にステムベースガラス13を溶着す
ることによって行われ、通常、この溶着はバーナー14
によるバーナーフレーム加熱で行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来よりカラ
ー陰極線管に使用されている電子銃のカソード材料はバ
リウムであるが、近年、フォーカスをより向上させ、画
質を高めることができるという理由から、カソード材料
としてタングステンカーバイドを使用したインプレカソ
ード付き電子銃が使用されつつある。
ー陰極線管に使用されている電子銃のカソード材料はバ
リウムであるが、近年、フォーカスをより向上させ、画
質を高めることができるという理由から、カソード材料
としてタングステンカーバイドを使用したインプレカソ
ード付き電子銃が使用されつつある。
【0006】タングステンカーバイドは、バリウムに比
べて低温で酸化されやすく、インプレカソード付き電子
銃を600℃以上の高温下に曝すと、カソード材料が酸
化され、エミッション特性が劣化しやすい。
べて低温で酸化されやすく、インプレカソード付き電子
銃を600℃以上の高温下に曝すと、カソード材料が酸
化され、エミッション特性が劣化しやすい。
【0007】そのため、インプレカソード付き電子銃を
ネックガラスに装着し、これにステムベースガラスを溶
着する際には、空冷装置を用いて電子銃に窒素ガスを供
給することによって溶着部を冷却しながら溶着作業を行
う必要がある。しかしながら、このような空冷装置は、
極めて高価で、しかも窒素ガスの供給方向や供給量を調
整するのが非常に困難であり、作業性が悪かった。
ネックガラスに装着し、これにステムベースガラスを溶
着する際には、空冷装置を用いて電子銃に窒素ガスを供
給することによって溶着部を冷却しながら溶着作業を行
う必要がある。しかしながら、このような空冷装置は、
極めて高価で、しかも窒素ガスの供給方向や供給量を調
整するのが非常に困難であり、作業性が悪かった。
【0008】本発明の目的は、従来のネックガラスに比
べて溶着の時間短縮や温度低下を図ることができ、特に
耐熱性の低いインプレカソード付き電子銃を装着する場
合に、空冷装置を使用せずに電子銃のエミッション特性
を劣化させることなく、ステムベースガラスと溶着する
ことが可能な陰極線管用ネックガラスを提供することで
ある。
べて溶着の時間短縮や温度低下を図ることができ、特に
耐熱性の低いインプレカソード付き電子銃を装着する場
合に、空冷装置を使用せずに電子銃のエミッション特性
を劣化させることなく、ステムベースガラスと溶着する
ことが可能な陰極線管用ネックガラスを提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管用ネッ
クガラスは、ガラス組成中に、CoO、NiO、Cr 2
O3、V2O5、SeO2、CuO及びMnOの群から選択
された一種又は二種以上の着色剤を含むことを特徴とす
る。
クガラスは、ガラス組成中に、CoO、NiO、Cr 2
O3、V2O5、SeO2、CuO及びMnOの群から選択
された一種又は二種以上の着色剤を含むことを特徴とす
る。
【0010】
【作用】ネックガラスの溶着時間を短縮したり、溶着温
度を低下するには、ガラスの粘度を下げれば良いが、他
の要求特性を維持したまま、粘度だけを変化させること
は非常に困難である。しかもネックガラスの粘性を下げ
ると、これを既存のファンネルやステムベースガラスと
溶着する際に大きな応力が発生することになり、破損の
原因となりやすい。
度を低下するには、ガラスの粘度を下げれば良いが、他
の要求特性を維持したまま、粘度だけを変化させること
は非常に困難である。しかもネックガラスの粘性を下げ
ると、これを既存のファンネルやステムベースガラスと
溶着する際に大きな応力が発生することになり、破損の
原因となりやすい。
【0011】そこで、本発明の陰極線管用ネックガラス
は、ガラス組成中に、CoO、NiO、Cr2O3、V2
O5、SeO2、CuO及びMnOといった着色剤を含む
ことにより、赤外域での透過率を低下させ、熱線を吸収
しやすくしている。これによりステムベースガラスと溶
着する際の時間短縮や温度低下を図ることができると共
に、赤外線ランプによって溶着部のみをスポット加熱す
ることができるため、ネックガラスに装着される電子銃
部に熱が伝わるのを防止することができ、インプレカソ
ード付き電子銃を装着する場合には、カソード材料の酸
化を防止することが可能となる。特に波長1050nm
の光透過率が、ガラス肉厚2.4mmで85%以下、好
ましくは70%以下、さらに好ましくは65%以下とな
るように調整することにより、効果的に加熱することが
できる。
は、ガラス組成中に、CoO、NiO、Cr2O3、V2
O5、SeO2、CuO及びMnOといった着色剤を含む
ことにより、赤外域での透過率を低下させ、熱線を吸収
しやすくしている。これによりステムベースガラスと溶
着する際の時間短縮や温度低下を図ることができると共
に、赤外線ランプによって溶着部のみをスポット加熱す
ることができるため、ネックガラスに装着される電子銃
部に熱が伝わるのを防止することができ、インプレカソ
ード付き電子銃を装着する場合には、カソード材料の酸
化を防止することが可能となる。特に波長1050nm
の光透過率が、ガラス肉厚2.4mmで85%以下、好
ましくは70%以下、さらに好ましくは65%以下とな
るように調整することにより、効果的に加熱することが
できる。
【0012】ネックガラスの波長1050nmの光透過
率を低下させるには、ガラス組成中に、CoO、Ni
O、Cr2O3、V2O5、SeO2、CuO及びMnOの
群から選択された一種又は二種以上の着色剤を合量で1
50〜30000ppm(好ましくは400〜3000
0ppm)含有させれば良い。
率を低下させるには、ガラス組成中に、CoO、Ni
O、Cr2O3、V2O5、SeO2、CuO及びMnOの
群から選択された一種又は二種以上の着色剤を合量で1
50〜30000ppm(好ましくは400〜3000
0ppm)含有させれば良い。
【0013】また本発明においては、ガラス中のPbO
含有量が20〜40重量%であることが好ましい。Pb
O量が20重量%より少ないと、ネックガラスとして十
分なX線吸収係数、すなわち0.6オングストロームの
波長のX線に対する吸収係数が80cm-1以上になら
ず、X線の透過量が多くなりすぎて、人体に悪影響を与
える虞れが生じる。逆にPbO量が40重量%より多い
と、ガラスの粘性が低くなりすぎて、ネック管状に成形
するのが困難となりやすい。
含有量が20〜40重量%であることが好ましい。Pb
O量が20重量%より少ないと、ネックガラスとして十
分なX線吸収係数、すなわち0.6オングストロームの
波長のX線に対する吸収係数が80cm-1以上になら
ず、X線の透過量が多くなりすぎて、人体に悪影響を与
える虞れが生じる。逆にPbO量が40重量%より多い
と、ガラスの粘性が低くなりすぎて、ネック管状に成形
するのが困難となりやすい。
【0014】本発明のネックガラスは、重量百分率で、
PbO 20〜40%、SiO238〜58%、Al2O
3 0〜5%、MgO 0〜5%、CaO 0〜6%、
SrO 0〜9%、BaO 0〜9%、Na2O 0〜
5%、K2O 6〜15%、Sb2O3 0〜1%、着色
剤 150〜30000ppmの組成を有することが好
ましい。
PbO 20〜40%、SiO238〜58%、Al2O
3 0〜5%、MgO 0〜5%、CaO 0〜6%、
SrO 0〜9%、BaO 0〜9%、Na2O 0〜
5%、K2O 6〜15%、Sb2O3 0〜1%、着色
剤 150〜30000ppmの組成を有することが好
ましい。
【0015】このようにガラス中のSiO2、Al
2O3、MgO、CaO、SrO、BaO、Na2O、K2
O、Sb2O3および着色剤の含有量を限定した理由は、
次のとおりである。
2O3、MgO、CaO、SrO、BaO、Na2O、K2
O、Sb2O3および着色剤の含有量を限定した理由は、
次のとおりである。
【0016】すなわちSiO2は、ガラスのネットワー
クフォーマーとなる成分であるが、38%より少ない
と、ガラスの粘度が低くなるため成形が困難となり、5
8%より多いと、ガラスの熱膨張係数が低くなりすぎ
て、ファンネルガラスの熱膨張係数と整合しなくなる。
クフォーマーとなる成分であるが、38%より少ない
と、ガラスの粘度が低くなるため成形が困難となり、5
8%より多いと、ガラスの熱膨張係数が低くなりすぎ
て、ファンネルガラスの熱膨張係数と整合しなくなる。
【0017】Al2O3も、ガラスのネットトワークフォ
ーマーとなる成分であるが、5%より多いと、ガラスが
失透しやすく、成形が困難となると共に、熱膨張係数も
低くなりすぎる。
ーマーとなる成分であるが、5%より多いと、ガラスが
失透しやすく、成形が困難となると共に、熱膨張係数も
低くなりすぎる。
【0018】MgOとCaOは、いずれもガラスを溶融
しやすくすると共に、熱膨張係数と粘度を調整する成分
であるが、MgOが5%より多くなったり、CaOが6
%より多いと、ガラスが失透しやすく成形が困難とな
る。
しやすくすると共に、熱膨張係数と粘度を調整する成分
であるが、MgOが5%より多くなったり、CaOが6
%より多いと、ガラスが失透しやすく成形が困難とな
る。
【0019】SrOとBaOは、いずれもガラスを溶融
しやすくすると共に、熱膨張係数と粘度を調整し、さら
にX線吸収能を高める成分であるが、各々9%より多い
と、ガラスが失透しやすく、成形が困難となる。
しやすくすると共に、熱膨張係数と粘度を調整し、さら
にX線吸収能を高める成分であるが、各々9%より多い
と、ガラスが失透しやすく、成形が困難となる。
【0020】Na2Oは、熱膨張係数と粘度を調整する
成分であるが、5%より多いと、粘度が低くなりすぎ
て、成形が困難となる。
成分であるが、5%より多いと、粘度が低くなりすぎ
て、成形が困難となる。
【0021】K2Oも、Na2Oと同様、熱膨張係数と粘
度を調整する成分であるが、6%より少ないと、熱膨張
係数が低くなりすぎ、15%より多いと、粘度が低くな
りすぎる。
度を調整する成分であるが、6%より少ないと、熱膨張
係数が低くなりすぎ、15%より多いと、粘度が低くな
りすぎる。
【0022】Sb2O3は、清澄剤として使用できるが、
1%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、成形が困
難となる。
1%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、成形が困
難となる。
【0023】CoO、NiO、Cr2O3、V2O5、Se
O2、CuO及びMnOといった着色剤は、ガラスの赤
外線透過率を下げるとともに可視光透過率も下げる成分
である。着色剤の合量が150ppmより少ないと、赤
外線透過率を下げる効果が小さく、30000ppmよ
り多いと、可視光透過率が低く、電子銃を封着する場合
に電子銃がネックガラスの中心に位置しているか確認が
困難となる。
O2、CuO及びMnOといった着色剤は、ガラスの赤
外線透過率を下げるとともに可視光透過率も下げる成分
である。着色剤の合量が150ppmより少ないと、赤
外線透過率を下げる効果が小さく、30000ppmよ
り多いと、可視光透過率が低く、電子銃を封着する場合
に電子銃がネックガラスの中心に位置しているか確認が
困難となる。
【0024】本発明においては、上記着色剤に加えて、
Fe2O3、還元剤を添加することが可能である。還元剤
としては、カーボン、金属Si等が使用できる。
Fe2O3、還元剤を添加することが可能である。還元剤
としては、カーボン、金属Si等が使用できる。
【0025】通常、Fe2O3は、不純物として0.01
%程度混入するが、還元剤と共に使用することにより、
ネックガラスの可視域の透過率を維持したまま赤外域の
透過率をさらに低下させることができる。
%程度混入するが、還元剤と共に使用することにより、
ネックガラスの可視域の透過率を維持したまま赤外域の
透過率をさらに低下させることができる。
【0026】この場合、Fe2O3の含有量は0.05〜
10%、還元剤の含有量は0.002〜0.5%の範囲
内の添加であることが望ましい。
10%、還元剤の含有量は0.002〜0.5%の範囲
内の添加であることが望ましい。
【0027】ネックガラスへの電子銃の装着は、図1に
示すように、ファンネルガラス10の一端に溶着された
ネックガラス11内に電子銃12を挿入した後、ネック
ガラス11の開口端にステムベースガラス13をバーナ
ーや赤外線ランプを用いて溶着することによって行う。
このステムベースガラスにも本発明と同様のガラスを使
用することにより、さらに良好な溶着が期待できる。
示すように、ファンネルガラス10の一端に溶着された
ネックガラス11内に電子銃12を挿入した後、ネック
ガラス11の開口端にステムベースガラス13をバーナ
ーや赤外線ランプを用いて溶着することによって行う。
このステムベースガラスにも本発明と同様のガラスを使
用することにより、さらに良好な溶着が期待できる。
【0028】尚、先記したように一般に広く用いられて
いるネックガラスの平均肉厚は2.4mmであるが、本
発明のネックガラスはこれに限定されるものではなく、
それより大きい平均肉厚(例えば3.0mm)や小さい
平均肉厚(例えば2.0mm)のネックガラスを含むこ
とは言うまでもない。
いるネックガラスの平均肉厚は2.4mmであるが、本
発明のネックガラスはこれに限定されるものではなく、
それより大きい平均肉厚(例えば3.0mm)や小さい
平均肉厚(例えば2.0mm)のネックガラスを含むこ
とは言うまでもない。
【0029】
【実施例】以下、本発明の陰極線管用ネックガラスを実
施例に基づいて詳細に説明する。
施例に基づいて詳細に説明する。
【0030】表1は、本発明の実施例(試料No.1、
2)と比較例(試料No.3)を示すものである。
2)と比較例(試料No.3)を示すものである。
【0031】
【表1】
【0032】表中の各試料は、次のようにして調製し
た。
た。
【0033】まず表中のガラス組成となるように調合し
た原料バッチを白金坩堝に入れ、約1480℃で4時間
溶融した。尚、均質なガラスを得るため、途中で白金攪
拌棒を使って3分間攪拌して脱泡を行った。その後、溶
融ガラスを金型に流し出し、所定形状に成形した後、徐
冷した。
た原料バッチを白金坩堝に入れ、約1480℃で4時間
溶融した。尚、均質なガラスを得るため、途中で白金攪
拌棒を使って3分間攪拌して脱泡を行った。その後、溶
融ガラスを金型に流し出し、所定形状に成形した後、徐
冷した。
【0034】こうして得られた各試料の赤外線透過率、
軟化変形時間及びX線吸収係数を調べ、表に示した。
軟化変形時間及びX線吸収係数を調べ、表に示した。
【0035】表から明らかなように、実施例であるN
o.1、2の各試料は、CoO量が100ppm以上、
NiO量が1000ppm以上、着色剤の含有量の合量
が1000ppm以上であり、赤外線透過率が65%以
下であるため、軟化変形時間が170秒以内であった。
またこれらの試料のX線吸収係数は100cm-1以上で
あった。
o.1、2の各試料は、CoO量が100ppm以上、
NiO量が1000ppm以上、着色剤の含有量の合量
が1000ppm以上であり、赤外線透過率が65%以
下であるため、軟化変形時間が170秒以内であった。
またこれらの試料のX線吸収係数は100cm-1以上で
あった。
【0036】それに対し、比較例であるNo.3の試料
は、着色剤を含有せず、赤外線透過率が90.1%と高
いため、軟化変形時間が178秒と長かった。
は、着色剤を含有せず、赤外線透過率が90.1%と高
いため、軟化変形時間が178秒と長かった。
【0037】上記の結果から、実施例の各試料から作製
したネックガラスは、比較例の各試料から作製したネッ
クガラスに比べて、ステムベースガラスとの溶着温度を
低下させたり、溶着時間を短くすることが可能であるこ
とが推定される。
したネックガラスは、比較例の各試料から作製したネッ
クガラスに比べて、ステムベースガラスとの溶着温度を
低下させたり、溶着時間を短くすることが可能であるこ
とが推定される。
【0038】尚、表中の赤外線透過率は、各試料を板状
に成形し、肉厚が2.4mmとなるように光学研磨した
後、可視・赤外分光光度計によって、1050nmの波
長の光透過率を測定したものである。
に成形し、肉厚が2.4mmとなるように光学研磨した
後、可視・赤外分光光度計によって、1050nmの波
長の光透過率を測定したものである。
【0039】さらに軟化変形時間は、各試料を6φ×1
00mmの大きさのムク棒に加工してから電気炉中に吊
し、その長手方向の中心部2cmを750℃で加熱し、
ムク棒が軟化変形して全長1mまで伸びる時間を測定し
たものである。
00mmの大きさのムク棒に加工してから電気炉中に吊
し、その長手方向の中心部2cmを750℃で加熱し、
ムク棒が軟化変形して全長1mまで伸びる時間を測定し
たものである。
【0040】またX線吸収係数は、ガラス組成と密度に
基づいて、0.6オングストロームの波長に対する吸収
係数を計算して求めたものである。
基づいて、0.6オングストロームの波長に対する吸収
係数を計算して求めたものである。
【0041】次に実施例である試料No.1の組成を有
するガラスを周知のダンナー法によって管状に成形した
後、これを切断加工することによってネックガラスを作
製してから、このネックガラス内にインプレカソード付
き電子銃を装着し、図1に示すようなバーナーフレーム
加熱によって空冷することなく、ステムベースガラスを
溶着したところ、電子銃のエミッション特性を劣化する
ことなく、良好に溶着することができた。
するガラスを周知のダンナー法によって管状に成形した
後、これを切断加工することによってネックガラスを作
製してから、このネックガラス内にインプレカソード付
き電子銃を装着し、図1に示すようなバーナーフレーム
加熱によって空冷することなく、ステムベースガラスを
溶着したところ、電子銃のエミッション特性を劣化する
ことなく、良好に溶着することができた。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明の陰極線管用ネック
ガラスは、熱線を吸収しやすく、加熱することによって
軟化変形しやすいため、ファンネルガラスやステムベー
スガラスとの溶着時間の短縮や温度低下を図ることがで
きると共に、赤外線ランプによるスポット加熱によって
溶着することも可能となる。
ガラスは、熱線を吸収しやすく、加熱することによって
軟化変形しやすいため、ファンネルガラスやステムベー
スガラスとの溶着時間の短縮や温度低下を図ることがで
きると共に、赤外線ランプによるスポット加熱によって
溶着することも可能となる。
【0043】また本発明の陰極線管用ネックガラスは、
カソード材料としてバリウムを使用した一般の電子銃の
みならず、インプレカソード付き電子銃を装着する場合
にも適用でき、この場合、空冷装置を使用せずに電子銃
のエミッション特性を劣化させることなく、ネックガラ
スとステムベースガラスを溶着することが可能となる。
カソード材料としてバリウムを使用した一般の電子銃の
みならず、インプレカソード付き電子銃を装着する場合
にも適用でき、この場合、空冷装置を使用せずに電子銃
のエミッション特性を劣化させることなく、ネックガラ
スとステムベースガラスを溶着することが可能となる。
【図1】電子銃を装着したネックガラスとステムベース
ガラスを示す説明図である。
ガラスを示す説明図である。
10 ファンネルガラス 11 ネックガラス 12 電子銃 13 ステムベースガラス 14 バーナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA03 BB04 CC04 DA05 DA06 DB01 DB02 DB03 DC01 DD01 DE01 DF04 DF05 EA01 EB01 EB02 EB03 EC03 EC04 ED01 ED02 ED03 EE01 EE02 EE03 EF01 EF02 EF03 EG01 EG02 EG03 FA01 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FF02 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GB01 GC01 GC02 GD01 GE01 HH01 HH03 HH04 HH05 HH07 HH08 HH09 HH10 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 JJ01 JJ03 JJ04 JJ05 JJ07 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM25 MM26 NN14 5C032 AA02 BB12 BB20
Claims (5)
- 【請求項1】 ガラス組成中に、CoO、NiO、Cr
2O3、V2O5、SeO2、CuO及びMnOの群から選
択された一種又は二種以上の着色剤を含むことを特徴と
する陰極線管用ネックガラス。 - 【請求項2】 赤外線である波長1050nmの光透過
率が、ガラス肉厚2.4mmで、85%以下であること
を特徴とする請求項1記載の陰極線管用ネックガラス。 - 【請求項3】 着色剤の含有量の合量が、150〜30
000ppmであることを特徴とする請求項1、2記載
の陰極線管用ネックガラス。 - 【請求項4】 PbOの含有量が20〜40重量%であ
り、0.6オングストロームの波長のX線に対する吸収
係数が80cm-1以上であることを特徴とする請求項1
〜3記載の陰極線管用ネックガラス。 - 【請求項5】 重量百分率で、PbO 20〜40%、
SiO2 38〜58%、Al2O3 0〜5%、MgO
0〜5%、CaO 0〜6%、SrO 0〜9%、B
aO 0〜9%、Na2O 0〜5%、K2O 6〜15
%、Sb2O30〜1%、着色剤 150〜30000p
pmからなることを特徴とする請求項1〜4記載の陰極
線管用ネックガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11229293A JP2001052632A (ja) | 1999-08-13 | 1999-08-13 | 陰極線管用ネックガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11229293A JP2001052632A (ja) | 1999-08-13 | 1999-08-13 | 陰極線管用ネックガラス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001052632A true JP2001052632A (ja) | 2001-02-23 |
Family
ID=16889871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11229293A Pending JP2001052632A (ja) | 1999-08-13 | 1999-08-13 | 陰極線管用ネックガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001052632A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003019607A1 (fr) * | 2001-08-23 | 2003-03-06 | Nippon Electric Glass Co., Ltd. | Verre de cône pour tube cathodique |
-
1999
- 1999-08-13 JP JP11229293A patent/JP2001052632A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003019607A1 (fr) * | 2001-08-23 | 2003-03-06 | Nippon Electric Glass Co., Ltd. | Verre de cône pour tube cathodique |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0603933B1 (en) | Glass composition suitable for use in electric lamps, stem manufactured from this glass composition and fluorescent lamp having a lamp envelope of this glass composition | |
US4737685A (en) | Seal glass composition | |
JPH0733260B2 (ja) | 陰極線管前面板用ガラス | |
JP2525737B2 (ja) | 陰極線管パネルガラス | |
JP2001052632A (ja) | 陰極線管用ネックガラス | |
US6956000B2 (en) | Panel glass for cathode ray tube | |
WO2000046835A1 (fr) | Tube cathodique et son procede de fabrication | |
JP2001148225A (ja) | 陰極線管及び陰極線管の製造方法 | |
JP2001006581A (ja) | 陰極線管用ネックガラス | |
JP2001006582A (ja) | 陰極線管 | |
US6820443B2 (en) | Method of producing CRT funnel glass suitable for glass recycling, and CRT funnel glass | |
KR100581485B1 (ko) | 음극선관용 후면 유리 | |
US6822383B2 (en) | CRT panel glass containing SrO and BaO | |
JP2001270734A (ja) | 陰極線管用ガラス、ネック管及びステム | |
JP2001028249A (ja) | 陰極線管用ガラス | |
JP2001312966A (ja) | 陰極線管及び陰極線管の製造方法 | |
JP2000323071A (ja) | 陰極線管用ファンネルガラス | |
JP2000159542A (ja) | 陰極線管用ネックガラス及びステムベースガラス | |
JP2002060244A (ja) | 陰極線管用ネックガラス | |
TW460892B (en) | Cathod ray tube and the manufacture method | |
US20020115552A1 (en) | CRT funnel of a non beam-index type | |
JP2002060243A (ja) | 陰極線管用ネックガラス | |
JP2003040646A (ja) | 陰極線管用ファンネルガラス | |
JP2001084902A (ja) | 陰極線管用ファンネルとパネルの封着方法 | |
WO2000005738A2 (en) | Cathode ray tube neck glass |