JP2001028249A - 陰極線管用ガラス - Google Patents
陰極線管用ガラスInfo
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- JP2001028249A JP2001028249A JP2000054264A JP2000054264A JP2001028249A JP 2001028249 A JP2001028249 A JP 2001028249A JP 2000054264 A JP2000054264 A JP 2000054264A JP 2000054264 A JP2000054264 A JP 2000054264A JP 2001028249 A JP2001028249 A JP 2001028249A
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- ray tube
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- Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ステムや排気管として用いられ、耐熱性の低
いインプレカソード付き電子銃を使用する場合でも、空
冷装置を使用せずに電子銃のエミッション特性を劣化さ
せることなく、熔着や封止を行うことが可能な陰極線管
用ガラスを提供することである。 【構成】 ステム又は排気管に使用され、波長1050
nmの赤外線透過率が、ガラス肉厚1.5mmで、85
%以下であることを特徴とする。
いインプレカソード付き電子銃を使用する場合でも、空
冷装置を使用せずに電子銃のエミッション特性を劣化さ
せることなく、熔着や封止を行うことが可能な陰極線管
用ガラスを提供することである。 【構成】 ステム又は排気管に使用され、波長1050
nmの赤外線透過率が、ガラス肉厚1.5mmで、85
%以下であることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管用ガラスに関
し、特に含浸型カソード(以下、インプレカソードとい
う)付き電子銃を装着するカラー陰極線管の電子銃近傍
に用いられるステムや排気管として好適な陰極線管用ガ
ラスに関するものである。
し、特に含浸型カソード(以下、インプレカソードとい
う)付き電子銃を装着するカラー陰極線管の電子銃近傍
に用いられるステムや排気管として好適な陰極線管用ガ
ラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】陰極線管の外囲器は、映像が映し出され
るパネルと、電子銃が装着される管状のネックと、パネ
ルとネックを接続する漏斗状のファンネルから主に構成
され、電子銃から出た電子線は、パネルの内面に設けら
れた蛍光体を発光させてパネルに映像を映し出すが、こ
の時に制動X線が管内に発生し、これが外囲器を通して
管外に漏れると人体に悪影響を及ぼすため、この種の外
囲器は高いX線吸収能を有するガラスから作製されてい
る。
るパネルと、電子銃が装着される管状のネックと、パネ
ルとネックを接続する漏斗状のファンネルから主に構成
され、電子銃から出た電子線は、パネルの内面に設けら
れた蛍光体を発光させてパネルに映像を映し出すが、こ
の時に制動X線が管内に発生し、これが外囲器を通して
管外に漏れると人体に悪影響を及ぼすため、この種の外
囲器は高いX線吸収能を有するガラスから作製されてい
る。
【0003】陰極線管のネック付近は、図1に示すよう
な構造となっている。すなわちネック10内には、電子
銃11が挿入されており、電子銃11は内部リード12
でステム13と繋がっている。ステム13の外周面は、
ネック10の開口端に熔着され、この熔着は、一般にバ
ーナー(図示せず)によるバーナーフレーム加熱で行わ
れる。またステム13の外面には、排気管14が熔着さ
れ、内部リード12は、ステム13に封入された外部取
り出しリード15と繋がっている。
な構造となっている。すなわちネック10内には、電子
銃11が挿入されており、電子銃11は内部リード12
でステム13と繋がっている。ステム13の外周面は、
ネック10の開口端に熔着され、この熔着は、一般にバ
ーナー(図示せず)によるバーナーフレーム加熱で行わ
れる。またステム13の外面には、排気管14が熔着さ
れ、内部リード12は、ステム13に封入された外部取
り出しリード15と繋がっている。
【0004】このようなステム13や排気管14も、陰
極線管の外囲器の一部であるため、高いX線吸収能が要
求される。さらにステム13は、金属と封止されるた
め、電気抵抗が高く、熱加工性に優れていることも要求
され、また排気管14は、陰極線管をベーキングしなが
ら減圧排気して封止されるため、熱加工性に優れている
ことも要求される。そのためステム13や排気管14
は、X線吸収能、電気絶縁性、熱加工性に優れた高鉛含
有ガラスから作製される。
極線管の外囲器の一部であるため、高いX線吸収能が要
求される。さらにステム13は、金属と封止されるた
め、電気抵抗が高く、熱加工性に優れていることも要求
され、また排気管14は、陰極線管をベーキングしなが
ら減圧排気して封止されるため、熱加工性に優れている
ことも要求される。そのためステム13や排気管14
は、X線吸収能、電気絶縁性、熱加工性に優れた高鉛含
有ガラスから作製される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来よりカラ
ー陰極線管に使用されている電子銃のカソード材料とし
てはバリウムが使用されているが、近年、フォーカスを
より向上させ、画質を高めることができるという理由か
ら、カソード材料としてタングステンカーバイドを使用
したインプレカソード付き電子銃が使用されつつある。
ー陰極線管に使用されている電子銃のカソード材料とし
てはバリウムが使用されているが、近年、フォーカスを
より向上させ、画質を高めることができるという理由か
ら、カソード材料としてタングステンカーバイドを使用
したインプレカソード付き電子銃が使用されつつある。
【0006】タングステンカーバイドは、バリウムに比
べて低温で酸化されやすく、インプレカソード付き電子
銃を600℃以上の高温下に曝すと、カソード材料が酸
化され、エミッション特性が劣化しやすい。
べて低温で酸化されやすく、インプレカソード付き電子
銃を600℃以上の高温下に曝すと、カソード材料が酸
化され、エミッション特性が劣化しやすい。
【0007】そのため、インプレカソード付き電子銃を
ネック内に装着し、これにステムを溶着する際には、空
冷装置を用いて電子銃に窒素ガスを供給することによっ
てカソードを冷却しながら溶着作業を行う必要がある。
また陰極線管を減圧排気した後に排気管を封止する際に
も、空冷装置を用いて電子銃のカソードの温度上昇を抑
える必要がある。しかしながら、このような空冷装置
は、極めて高価で、しかも窒素ガスの供給方向や供給量
を調整するのが非常に困難であり、作業性が悪かった。
ネック内に装着し、これにステムを溶着する際には、空
冷装置を用いて電子銃に窒素ガスを供給することによっ
てカソードを冷却しながら溶着作業を行う必要がある。
また陰極線管を減圧排気した後に排気管を封止する際に
も、空冷装置を用いて電子銃のカソードの温度上昇を抑
える必要がある。しかしながら、このような空冷装置
は、極めて高価で、しかも窒素ガスの供給方向や供給量
を調整するのが非常に困難であり、作業性が悪かった。
【0008】本発明の目的は、ステムや排気管として用
いられ、耐熱性の低いインプレカソード付き電子銃を使
用する場合でも、空冷装置を使用せずに電子銃のエミッ
ション特性を劣化させることなく、溶着や封止を行うこ
とが可能な陰極線管用ガラスを提供することである。
いられ、耐熱性の低いインプレカソード付き電子銃を使
用する場合でも、空冷装置を使用せずに電子銃のエミッ
ション特性を劣化させることなく、溶着や封止を行うこ
とが可能な陰極線管用ガラスを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管用ガラ
スは、ステム又は排気管に使用され、波長1050nm
の赤外線透過率が、ガラス肉厚1.5mmで、85%以
下であることを特徴とする。
スは、ステム又は排気管に使用され、波長1050nm
の赤外線透過率が、ガラス肉厚1.5mmで、85%以
下であることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明の陰極線管用ガラスは、赤外線である波
長1050nmの光透過率が、ガラス肉厚1.5mmで
85%以下と低いため、熱線を吸収しやすく、これから
ステムを作製すると、ネックと熔着する際の時間短縮や
作業温度の低下を図ることが可能となる。
長1050nmの光透過率が、ガラス肉厚1.5mmで
85%以下と低いため、熱線を吸収しやすく、これから
ステムを作製すると、ネックと熔着する際の時間短縮や
作業温度の低下を図ることが可能となる。
【0011】また本発明の陰極線管用ガラスから排気管
を作製すると、排気管を封止する際の時間短縮や作業温
度の低下を図ることが可能となる。
を作製すると、排気管を封止する際の時間短縮や作業温
度の低下を図ることが可能となる。
【0012】しかも本発明の陰極線管用ガラスは、赤外
線ランプで局所加熱することによって熔着や封止を行う
ことが可能であり、これによって電子銃に不要な熱が伝
わるのを防止できるため、インプレカソード付き電子銃
を用いた場合でも、カソード材料の酸化を防止すること
が可能となる。特にステムは、電子銃と近接するため、
これを低温、短時間でネックと熔着できることは大きな
利点となる。この波長1050nmの光透過率の好まし
い値は70%以下、より好ましい値は65%以下であ
る。
線ランプで局所加熱することによって熔着や封止を行う
ことが可能であり、これによって電子銃に不要な熱が伝
わるのを防止できるため、インプレカソード付き電子銃
を用いた場合でも、カソード材料の酸化を防止すること
が可能となる。特にステムは、電子銃と近接するため、
これを低温、短時間でネックと熔着できることは大きな
利点となる。この波長1050nmの光透過率の好まし
い値は70%以下、より好ましい値は65%以下であ
る。
【0013】尚、ネックとの溶着時間を短縮したり、溶
着温度を低下するには、また排気管の封止時間を短縮し
たり、封止温度を低下させるには、ステムや排気管のガ
ラスの粘度を下げれば良いが、他の要求特性を維持した
まま、粘度だけを変化させることは非常に困難である。
仮にステムガラスの粘性だけを変化させ、これを既存の
ネックガラスと溶着すると、ガラスが固化する際の粘性
カーブの差によって大きな応力が発生することになり、
破損の原因となりやすい。
着温度を低下するには、また排気管の封止時間を短縮し
たり、封止温度を低下させるには、ステムや排気管のガ
ラスの粘度を下げれば良いが、他の要求特性を維持した
まま、粘度だけを変化させることは非常に困難である。
仮にステムガラスの粘性だけを変化させ、これを既存の
ネックガラスと溶着すると、ガラスが固化する際の粘性
カーブの差によって大きな応力が発生することになり、
破損の原因となりやすい。
【0014】ステムや排気管に使用されるガラスの波長
1050nmの光透過率を低下させるには、ガラス中に
Fe2O3を0.05〜10重量%(好ましくは0.1〜
8重量%、より好ましくは0.2〜5重量%)含有させ
たり、さらにFe3+を還元させてFe2+の割合を増加さ
せれば良く、Fe2+の含有量を0.005重量%以上と
したり、Fe2+/Fe3+の比率を0.08以上にするこ
とが好ましい。
1050nmの光透過率を低下させるには、ガラス中に
Fe2O3を0.05〜10重量%(好ましくは0.1〜
8重量%、より好ましくは0.2〜5重量%)含有させ
たり、さらにFe3+を還元させてFe2+の割合を増加さ
せれば良く、Fe2+の含有量を0.005重量%以上と
したり、Fe2+/Fe3+の比率を0.08以上にするこ
とが好ましい。
【0015】ガラス中のFe2+を増加させるには、金属
Si等の還元剤を含有させることが好ましく、還元剤の
含有量としては、0.002〜0.5重量%が適当であ
る。また還元剤を含有させると、ガラスの可視光域の光
透過率を30%以上にして透明性を維持したまま、赤外
線域の光透過率を低下させることが可能となるため好ま
しい。
Si等の還元剤を含有させることが好ましく、還元剤の
含有量としては、0.002〜0.5重量%が適当であ
る。また還元剤を含有させると、ガラスの可視光域の光
透過率を30%以上にして透明性を維持したまま、赤外
線域の光透過率を低下させることが可能となるため好ま
しい。
【0016】ただしFe2+/Fe3+の比率が0.5より
大きくなると、還元がかなり強くなり、その結果、ガラ
ス中のPbOが金属化し、ブツとなったり、ガラス組成
が変動しやすくなるため好ましくない。
大きくなると、還元がかなり強くなり、その結果、ガラ
ス中のPbOが金属化し、ブツとなったり、ガラス組成
が変動しやすくなるため好ましくない。
【0017】本発明の陰極線管用ガラスは、重量百分率
で、SiO2 48〜68%、Al2O3 0〜5%、P
bO 18〜40%、Na2O 0〜6%、K2O 5〜
15%、Sb2O3 0〜1%、Fe2O3 0.05〜1
0%の組成を有し、好ましくはSiO2 50〜66
%、Al2O3 0.1〜4%、PbO 20〜38%、
Na2O 1〜5%、K2O 6〜14%、Sb2O3 0
〜0.6%、Fe2O30.2〜5%の組成を有すること
が好ましい。
で、SiO2 48〜68%、Al2O3 0〜5%、P
bO 18〜40%、Na2O 0〜6%、K2O 5〜
15%、Sb2O3 0〜1%、Fe2O3 0.05〜1
0%の組成を有し、好ましくはSiO2 50〜66
%、Al2O3 0.1〜4%、PbO 20〜38%、
Na2O 1〜5%、K2O 6〜14%、Sb2O3 0
〜0.6%、Fe2O30.2〜5%の組成を有すること
が好ましい。
【0018】このようにガラス中のSiO2、Al
2O3、PbO、Na2O、K2O、Sb2O 3およびFe2
O3の含有量を限定した理由は、次のとおりである。
2O3、PbO、Na2O、K2O、Sb2O 3およびFe2
O3の含有量を限定した理由は、次のとおりである。
【0019】すなわちSiO2は、ガラスのネットワー
クフォーマーとなる成分であるが、48%より少ない
と、ガラスの粘度が低くなるため成形が困難となり、6
8%より多いと、ガラスの熱膨張係数が低くなりすぎ
て、既存ガラスの熱膨張係数と整合せず、熔着不良が発
生しやすくなる。
クフォーマーとなる成分であるが、48%より少ない
と、ガラスの粘度が低くなるため成形が困難となり、6
8%より多いと、ガラスの熱膨張係数が低くなりすぎ
て、既存ガラスの熱膨張係数と整合せず、熔着不良が発
生しやすくなる。
【0020】Al2O3も、ガラスのネットワークフォー
マーとなる成分であるが、5%より多いと、ガラスが失
透しやすく、成形が困難となると共に、熱膨張係数も低
くなりすぎる。
マーとなる成分であるが、5%より多いと、ガラスが失
透しやすく、成形が困難となると共に、熱膨張係数も低
くなりすぎる。
【0021】PbOは、ガラスのX線吸収能、電気絶縁
性及び熱加工性を向上させるための成分であるが、18
%より少ないと、十分なX線吸収能が得られ難くなり、
40%より多いと、十分な電気絶縁性や熱加工性が得ら
れ難くなる。
性及び熱加工性を向上させるための成分であるが、18
%より少ないと、十分なX線吸収能が得られ難くなり、
40%より多いと、十分な電気絶縁性や熱加工性が得ら
れ難くなる。
【0022】Na2Oは、熱膨張係数と粘度を調整する
成分であるが、6%より多いと、粘度が低くなりすぎて
成形が困難となったり、ガラスの電気抵抗が低くなり、
絶縁破壊等の問題が起こりやすくなる。
成分であるが、6%より多いと、粘度が低くなりすぎて
成形が困難となったり、ガラスの電気抵抗が低くなり、
絶縁破壊等の問題が起こりやすくなる。
【0023】K2Oも、Na2Oと同様、熱膨張係数と粘
度を調整する成分であるが、5%より少ないと、ガラス
の熱膨張係数が低くなりすぎて、既存のガラスの熱膨張
係数と整合しなくなり、15%より多いと、粘度が低く
なりすぎて、成形が困難となる。
度を調整する成分であるが、5%より少ないと、ガラス
の熱膨張係数が低くなりすぎて、既存のガラスの熱膨張
係数と整合しなくなり、15%より多いと、粘度が低く
なりすぎて、成形が困難となる。
【0024】Sb2O3は、清澄剤として使用できるが、
1%より多いと、ガラスが失透しやすく、成形が困難と
なる。
1%より多いと、ガラスが失透しやすく、成形が困難と
なる。
【0025】Fe2O3は、ガラスの赤外線透過率を下げ
る成分であるが、0.05%より少ないと、赤外線透過
率を下げる効果が小さく、10%より多いと、ガラスが
失透しやすく、成形が困難となる。
る成分であるが、0.05%より少ないと、赤外線透過
率を下げる効果が小さく、10%より多いと、ガラスが
失透しやすく、成形が困難となる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の陰極線管用ガラスを実施例に
基づいて詳細に説明する。
基づいて詳細に説明する。
【0027】表1、2は、本発明の実施例(試料No.
1〜5)と比較例(試料No.6〜8)を示すものであ
る。
1〜5)と比較例(試料No.6〜8)を示すものであ
る。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】表中の各試料は、次のようにして調製し
た。
た。
【0031】まず表中のガラス組成(重量%)となるよ
うに調合した原料バッチを白金坩堝に入れ、約1480
℃で4時間溶融した。尚、均質なガラスを得るため、途
中で白金攪拌棒を使って3分間攪拌して脱泡を行った。
その後、溶融ガラスを金型に流し出し、所定形状に成形
した後、徐冷した。
うに調合した原料バッチを白金坩堝に入れ、約1480
℃で4時間溶融した。尚、均質なガラスを得るため、途
中で白金攪拌棒を使って3分間攪拌して脱泡を行った。
その後、溶融ガラスを金型に流し出し、所定形状に成形
した後、徐冷した。
【0032】こうして得られた各試料のFe2+量、Fe
2+/Fe3+の比率、赤外線透過率及び軟化変形時間を調
べ、表に示した。
2+/Fe3+の比率、赤外線透過率及び軟化変形時間を調
べ、表に示した。
【0033】表から明らかなように、実施例であるN
o.1〜5の各試料は、Fe2O3量が0.1重量%以
上、Fe2+量が0.008重量%以上、Fe2+/Fe3+
の比が0.11以上であり、赤外線透過率が2〜75%
であるため、軟化変形時間が165秒以内であった。
o.1〜5の各試料は、Fe2O3量が0.1重量%以
上、Fe2+量が0.008重量%以上、Fe2+/Fe3+
の比が0.11以上であり、赤外線透過率が2〜75%
であるため、軟化変形時間が165秒以内であった。
【0034】それに対し、比較例であるNo.6の試料
は、Fe2O3量が0.02重量%、Fe2+量が0.00
07重量%と少なく、Fe2+/Fe3+の比が0.05と
小さく、赤外線透過率が90%と高いため、軟化変形時
間が185秒と長かった。
は、Fe2O3量が0.02重量%、Fe2+量が0.00
07重量%と少なく、Fe2+/Fe3+の比が0.05と
小さく、赤外線透過率が90%と高いため、軟化変形時
間が185秒と長かった。
【0035】またNo.7の試料は、Fe2O3量が0.
02重量%、Fe2+量が0.0017重量%と少なく、
赤外線透過率が87%と高いため、軟化変形時間が18
2秒と長かった。
02重量%、Fe2+量が0.0017重量%と少なく、
赤外線透過率が87%と高いため、軟化変形時間が18
2秒と長かった。
【0036】さらにNo.8の試料は、Fe2+量が0.
0014重量%と少なく、Fe2+/Fe3+の比が0.0
5と小さく、赤外線透過率が88%と高いため、軟化変
形時間が183秒と長かった。
0014重量%と少なく、Fe2+/Fe3+の比が0.0
5と小さく、赤外線透過率が88%と高いため、軟化変
形時間が183秒と長かった。
【0037】上記の結果から、実施例の各試料から作製
したガラスは、比較例の各試料から作製したガラスに比
べて、溶着温度や封止温度を低下させたり、溶着時間や
封止時間を短縮することが可能であることが推定され
る。
したガラスは、比較例の各試料から作製したガラスに比
べて、溶着温度や封止温度を低下させたり、溶着時間や
封止時間を短縮することが可能であることが推定され
る。
【0038】尚、表中のFe2+量とFe2+/Fe3+の比
率は、硫酸分解、塩酸融解による化学分析値によって求
めたものであり、また赤外線透過率は、各試料を板状に
成形し、肉厚が1.5mmとなるように光学研磨した
後、可視・赤外分光光度計によって、1050nmの波
長の光透過率を測定したものである。
率は、硫酸分解、塩酸融解による化学分析値によって求
めたものであり、また赤外線透過率は、各試料を板状に
成形し、肉厚が1.5mmとなるように光学研磨した
後、可視・赤外分光光度計によって、1050nmの波
長の光透過率を測定したものである。
【0039】さらに軟化変形時間は、各試料を6φ×1
00mmの大きさのムク棒に加工してから電気炉中に吊
し、その長手方向の中心部2cmを750℃で加熱し、
ムク棒が軟化変形して全長1mまで伸びる時間を測定し
たものである。
00mmの大きさのムク棒に加工してから電気炉中に吊
し、その長手方向の中心部2cmを750℃で加熱し、
ムク棒が軟化変形して全長1mまで伸びる時間を測定し
たものである。
【0040】次に実施例である試料No.1の組成を有
するガラスを周知のダンナー法によって管状に成形した
後、これを熱加工することによってステムと排気管を作
製した。また同じ組成のガラスからネックも作製し、こ
れらのステム、排気管、ネックを用いて陰極線管を作製
した。尚、パネルとしては、日本電気硝子株式会社製P
T−28を用い、ファンネルとしては、日本電気硝子株
式会社製FT−22Hを用いた。
するガラスを周知のダンナー法によって管状に成形した
後、これを熱加工することによってステムと排気管を作
製した。また同じ組成のガラスからネックも作製し、こ
れらのステム、排気管、ネックを用いて陰極線管を作製
した。尚、パネルとしては、日本電気硝子株式会社製P
T−28を用い、ファンネルとしては、日本電気硝子株
式会社製FT−22Hを用いた。
【0041】上記の陰極線管は、電子銃としてインプレ
カソード付き電子銃を用い、これをネック内に装着した
後、バーナーフレーム加熱によって空冷することなく、
ネックとステムを熔着したが、電子銃のエミッション特
性を劣化することなく、良好に熔着することができた。
さらに陰極線管を減圧排気した後、排気管をバーナーフ
レーム加熱で封止したが、電子銃のエミッション特性を
劣化することなく、良好に封止することができた。
カソード付き電子銃を用い、これをネック内に装着した
後、バーナーフレーム加熱によって空冷することなく、
ネックとステムを熔着したが、電子銃のエミッション特
性を劣化することなく、良好に熔着することができた。
さらに陰極線管を減圧排気した後、排気管をバーナーフ
レーム加熱で封止したが、電子銃のエミッション特性を
劣化することなく、良好に封止することができた。
【0042】また上記のバーナーフレーム加熱に代え
て、赤外線ランプによる加熱でネックとステムの熔着、
および排気管の封止を行ったところ、いずれの加熱処理
においてもインプレカソード付き電子銃のエミッション
特性を劣化することなく、良好に熔着することができ
た。
て、赤外線ランプによる加熱でネックとステムの熔着、
および排気管の封止を行ったところ、いずれの加熱処理
においてもインプレカソード付き電子銃のエミッション
特性を劣化することなく、良好に熔着することができ
た。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明の陰極線管用ガラス
は、熱線を吸収しやすく、加熱することによって軟化変
形しやすいため、ステムとして使用する場合には、ネッ
クとの熔着温度を低下したり、熔着時間を短縮でき、ま
た排気管として使用する場合には、封止温度を低下した
り、封止時間を短縮できる。
は、熱線を吸収しやすく、加熱することによって軟化変
形しやすいため、ステムとして使用する場合には、ネッ
クとの熔着温度を低下したり、熔着時間を短縮でき、ま
た排気管として使用する場合には、封止温度を低下した
り、封止時間を短縮できる。
【0044】また赤外線ランプによる局所加熱によって
溶着することも可能となる。
溶着することも可能となる。
【0045】さらに本発明の陰極線管用ガラスは、カソ
ード材料としてバリウムを使用した一般の電子銃のみな
らず、インプレカソード付き電子銃を装着する場合にも
適用でき、この場合でも、空冷装置を使用せずに電子銃
のエミッション特性を劣化させることなく、溶着や封止
を行うことが可能である。
ード材料としてバリウムを使用した一般の電子銃のみな
らず、インプレカソード付き電子銃を装着する場合にも
適用でき、この場合でも、空冷装置を使用せずに電子銃
のエミッション特性を劣化させることなく、溶着や封止
を行うことが可能である。
【図1】電子銃を装着したネックとステムを示す説明図
である。
である。
10 ネック 11 電子銃 13 ステム 14 排気管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 29/86 H01J 29/86 Z
Claims (5)
- 【請求項1】 ステム又は排気管に使用され、波長10
50nmの赤外線透過率が、ガラス肉厚1.5mmで、
85%以下であることを特徴とする陰極線管用ガラス。 - 【請求項2】 Fe2O3の含有量が、0.05〜10重
量%であることを特徴とする請求項1記載の陰極線管用
ガラス。 - 【請求項3】 Fe2+の含有量が、0.005重量%以
上であることを特徴とする請求項1記載の陰極線管用ガ
ラス。 - 【請求項4】 Fe2+/Fe3+の比率が、0.08以上
であることを特徴とする請求項1記載の陰極線管用ガラ
ス。 - 【請求項5】 重量百分率で、SiO2 48〜68
%、Al2O3 0〜5%、PbO 18〜40%、Na
2O 0〜6%、K2O 5〜15%、Sb2O30〜1
%、Fe2O3 0.05〜10%からなることを特徴と
する請求項1記載の陰極線管用ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000054264A JP2001028249A (ja) | 1999-05-11 | 2000-02-29 | 陰極線管用ガラス |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-129468 | 1999-05-11 | ||
JP12946899 | 1999-05-11 | ||
JP2000054264A JP2001028249A (ja) | 1999-05-11 | 2000-02-29 | 陰極線管用ガラス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001028249A true JP2001028249A (ja) | 2001-01-30 |
Family
ID=26464842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000054264A Pending JP2001028249A (ja) | 1999-05-11 | 2000-02-29 | 陰極線管用ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001028249A (ja) |
-
2000
- 2000-02-29 JP JP2000054264A patent/JP2001028249A/ja active Pending
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