JP2002025445A - 陰極線管ガラスの熔着方法 - Google Patents
陰極線管ガラスの熔着方法Info
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- JP2002025445A JP2002025445A JP2000209252A JP2000209252A JP2002025445A JP 2002025445 A JP2002025445 A JP 2002025445A JP 2000209252 A JP2000209252 A JP 2000209252A JP 2000209252 A JP2000209252 A JP 2000209252A JP 2002025445 A JP2002025445 A JP 2002025445A
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- glass
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- welding
- ray tube
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- Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 カソードの温度上昇を極力抑えながら、短時
間で熔着できるとともに、熔着後の形状がバーナー加熱
の場合と同等の良好な形状で熔着後の接着強度も十分に
得られる熔着方法を提供することである。 【構成】 本発明の陰極線管ガラスの熔着方法は、管状
のネックガラスと電子銃を取り付けたステムガラスとを
赤外線で加熱して熔着するにあたり、加熱中に赤外線の
被照射部分を移動させることを特徴とする。
間で熔着できるとともに、熔着後の形状がバーナー加熱
の場合と同等の良好な形状で熔着後の接着強度も十分に
得られる熔着方法を提供することである。 【構成】 本発明の陰極線管ガラスの熔着方法は、管状
のネックガラスと電子銃を取り付けたステムガラスとを
赤外線で加熱して熔着するにあたり、加熱中に赤外線の
被照射部分を移動させることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管ガラスの熔着
方法に関するもので、特に、陰極線管を構成するネック
ガラスとステムガラスの熔着方法に関するものである。
方法に関するもので、特に、陰極線管を構成するネック
ガラスとステムガラスの熔着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に陰極線管の外囲器は、映像が映し
出されるパネル部と、電子銃が装着される管状のネック
部と、パネル部とネック部を接続する漏斗状のファンネ
ル部から構成され、電子銃から出た電子線は、パネル部
の内面に設けられた蛍光体を発光させてパネル部に映像
を映し出すが、この時に制動X線が管内に発生し、これ
が外囲器を通して管外に漏れると人体に悪影響を及ぼす
ため、この種の外囲器には高いX線吸収能を有すること
が要求される。
出されるパネル部と、電子銃が装着される管状のネック
部と、パネル部とネック部を接続する漏斗状のファンネ
ル部から構成され、電子銃から出た電子線は、パネル部
の内面に設けられた蛍光体を発光させてパネル部に映像
を映し出すが、この時に制動X線が管内に発生し、これ
が外囲器を通して管外に漏れると人体に悪影響を及ぼす
ため、この種の外囲器には高いX線吸収能を有すること
が要求される。
【0003】特にネックガラスは、パネルガラスやファ
ンネルガラスに比べて管壁の肉厚が薄い(一般のネック
ガラスの平均肉厚は約2.4mm)ため、高いX線吸収
能を有することが要求されており、通常のネックガラス
には、ガラスのX線吸収能を最も高める成分であるPb
Oが35質量%程度含有されている。
ンネルガラスに比べて管壁の肉厚が薄い(一般のネック
ガラスの平均肉厚は約2.4mm)ため、高いX線吸収
能を有することが要求されており、通常のネックガラス
には、ガラスのX線吸収能を最も高める成分であるPb
Oが35質量%程度含有されている。
【0004】ネックガラスへの電子銃の装着は、図3に
示すようにファンネルガラス10の一端に熔着されたネ
ックガラス11内に、予め排気管12を熔着したステム
ガラス13に取り付けられた電子銃14を挿入した後、
ネックガラス11の開口端とステムガラス13を熔着す
ることによって行われ、通常、この熔着はバーナーフレ
ーム15により加熱される。
示すようにファンネルガラス10の一端に熔着されたネ
ックガラス11内に、予め排気管12を熔着したステム
ガラス13に取り付けられた電子銃14を挿入した後、
ネックガラス11の開口端とステムガラス13を熔着す
ることによって行われ、通常、この熔着はバーナーフレ
ーム15により加熱される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
バーナーによる燃焼を利用した熔着方法の場合、加熱を
必要とする部分だけを局所加熱することが困難であり、
その周辺の加熱する必要のない部分まで加熱したり、ガ
ラス部材の固定冶具や雰囲気も加熱されるため、無駄な
熱が使用されていた。しかも昇温速度や冷却速度が制限
されるため、ガラス部材に大きな引っ張り歪が入りやす
く、破損の原因となることがある。また、燃焼ガス中の
不純物等により、加熱部分に金属異物が付着して汚染さ
れることがある。このようにガラス部材に金属異物が付
着すると、ガラスの電気抵抗が小さくなり、絶縁破壊を
起こしたり、陰極線管の解像度や輝度を下げる可能性が
あるため好ましくない。
バーナーによる燃焼を利用した熔着方法の場合、加熱を
必要とする部分だけを局所加熱することが困難であり、
その周辺の加熱する必要のない部分まで加熱したり、ガ
ラス部材の固定冶具や雰囲気も加熱されるため、無駄な
熱が使用されていた。しかも昇温速度や冷却速度が制限
されるため、ガラス部材に大きな引っ張り歪が入りやす
く、破損の原因となることがある。また、燃焼ガス中の
不純物等により、加熱部分に金属異物が付着して汚染さ
れることがある。このようにガラス部材に金属異物が付
着すると、ガラスの電気抵抗が小さくなり、絶縁破壊を
起こしたり、陰極線管の解像度や輝度を下げる可能性が
あるため好ましくない。
【0006】近年、陰極線管の大型化が進むにつれて、
ガラス中の引っ張り歪みに起因する破損、絶縁破壊、解
像度や輝度の低下が起こりやすくなっており、そのため
外囲器を熔着したり、封止する際の加熱時間を短縮し、
汚染を防止することが、ますます要求されるようになっ
てきている。
ガラス中の引っ張り歪みに起因する破損、絶縁破壊、解
像度や輝度の低下が起こりやすくなっており、そのため
外囲器を熔着したり、封止する際の加熱時間を短縮し、
汚染を防止することが、ますます要求されるようになっ
てきている。
【0007】また、従来よりカラー陰極線管に使用され
ている電子銃のカソード材料としてはバリウムが使用さ
れているが、近年、フォーカスをより向上させ、画質を
高めることができるという理由から、カソード材料とし
てタングステンカーバイドを使用した含浸型カソード
(以下、インプレカソードという)が使用されつつあ
る。
ている電子銃のカソード材料としてはバリウムが使用さ
れているが、近年、フォーカスをより向上させ、画質を
高めることができるという理由から、カソード材料とし
てタングステンカーバイドを使用した含浸型カソード
(以下、インプレカソードという)が使用されつつあ
る。
【0008】タングステンカーバイドは、バリウムに比
べて低温で酸化されやすいため、インプレカソード付き
電子銃を高温下に曝すと、カソード材料が酸化され、エ
ミッション特性が劣化する傾向にある。このため、カソ
ードの温度をできる限り上昇させないことが望まれる。
べて低温で酸化されやすいため、インプレカソード付き
電子銃を高温下に曝すと、カソード材料が酸化され、エ
ミッション特性が劣化する傾向にある。このため、カソ
ードの温度をできる限り上昇させないことが望まれる。
【0009】そこで、インプレカソード付き電子銃をネ
ックガラス内に装着し、これにステムガラスを熔着する
際には、空冷装置を用いて電子銃に窒素ガスを供給する
ことによってカソードを冷却しながら熔着作業を行う必
要がある。また陰極線管を減圧排気した後に排気管を封
止する際にも、空冷装置を用いて電子銃のカソードの温
度上昇を抑える必要がある。しかしながら、このような
空冷装置は、極めて高価で、しかも窒素ガスの供給方向
や供給量を調整するのが非常に困難であり、作業性が悪
い。
ックガラス内に装着し、これにステムガラスを熔着する
際には、空冷装置を用いて電子銃に窒素ガスを供給する
ことによってカソードを冷却しながら熔着作業を行う必
要がある。また陰極線管を減圧排気した後に排気管を封
止する際にも、空冷装置を用いて電子銃のカソードの温
度上昇を抑える必要がある。しかしながら、このような
空冷装置は、極めて高価で、しかも窒素ガスの供給方向
や供給量を調整するのが非常に困難であり、作業性が悪
い。
【0010】このような事情から陰極線管ガラスを赤外
線で加熱する方法が特願平11−127607で提案さ
れている。この特許出願には、赤外線照射によって、ネ
ックガラスの開口端を加熱熔着する方法が開示されてい
る。
線で加熱する方法が特願平11−127607で提案さ
れている。この特許出願には、赤外線照射によって、ネ
ックガラスの開口端を加熱熔着する方法が開示されてい
る。
【0011】この方法の場合、局所加熱が行え、また、
加熱部を汚染することなく熔着できる。ところが、この
方法では、局所加熱となるため、赤外線が照射されてい
る部分が早く軟化変形し、牛乳ビンのように熔着後のネ
ックにくびれが生じ、熔着部の接着強度が弱くなり、破
損の原因となることがあった。
加熱部を汚染することなく熔着できる。ところが、この
方法では、局所加熱となるため、赤外線が照射されてい
る部分が早く軟化変形し、牛乳ビンのように熔着後のネ
ックにくびれが生じ、熔着部の接着強度が弱くなり、破
損の原因となることがあった。
【0012】本発明の目的は、カソードの温度上昇を極
力抑えながら、短時間で熔着できるとともに、熔着後の
形状がバーナー加熱の場合と同等の良好な形状で熔着後
の接着強度も十分に得られる熔着方法を提供することで
ある。
力抑えながら、短時間で熔着できるとともに、熔着後の
形状がバーナー加熱の場合と同等の良好な形状で熔着後
の接着強度も十分に得られる熔着方法を提供することで
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管ガラス
の熔着方法は、管状のネックガラスと電子銃を取り付け
たステムガラスとを赤外線で加熱して熔着するにあた
り、加熱中に赤外線の被照射部分を移動させることを特
徴とする。
の熔着方法は、管状のネックガラスと電子銃を取り付け
たステムガラスとを赤外線で加熱して熔着するにあた
り、加熱中に赤外線の被照射部分を移動させることを特
徴とする。
【0014】
【作用】本発明の陰極線管ガラスの熔着方法は、ネック
ガラスとステムガラスを熔着する際に、赤外線の照射位
置を移動させることにより、熔着部のみならず、周辺部
にも赤外線を照射して加熱する。これにより、熔着箇所
とその周辺部がバーナー加熱に近い加熱状態となり、熔
着後の形状をバーナー加熱と同等の良好な形状にするこ
とができる。
ガラスとステムガラスを熔着する際に、赤外線の照射位
置を移動させることにより、熔着部のみならず、周辺部
にも赤外線を照射して加熱する。これにより、熔着箇所
とその周辺部がバーナー加熱に近い加熱状態となり、熔
着後の形状をバーナー加熱と同等の良好な形状にするこ
とができる。
【0015】加熱中に被照射部分を移動させる方法とし
ては、ネックガラスとステムガラスを固定して、赤外線
照射装置を上下に移動させたり、逆に赤外線照射装置を
固定して、ネックガラスとステムガラスを上下に移動さ
せて赤外線を照射することで行うことができる。
ては、ネックガラスとステムガラスを固定して、赤外線
照射装置を上下に移動させたり、逆に赤外線照射装置を
固定して、ネックガラスとステムガラスを上下に移動さ
せて赤外線を照射することで行うことができる。
【0016】尚、赤外線の照射は、例えば、排気管側か
らネックガラスとステムガラスの熔着箇所に向けて斜め
方向に照射する方法や、複数の赤外線ランプを用い、ネ
ックガラス及びステムガラスにそれぞれ照射する方法等
を採用してもよい。
らネックガラスとステムガラスの熔着箇所に向けて斜め
方向に照射する方法や、複数の赤外線ランプを用い、ネ
ックガラス及びステムガラスにそれぞれ照射する方法等
を採用してもよい。
【0017】また、照射される赤外線の一部、具体的に
はカソードが位置する部分に照射される赤外線を、遮光
板等を用いて遮光することにより、カソードの赤外線照
射による直接の温度上昇を抑制することもできる。
はカソードが位置する部分に照射される赤外線を、遮光
板等を用いて遮光することにより、カソードの赤外線照
射による直接の温度上昇を抑制することもできる。
【0018】本発明において、ネックガラス又はステム
ガラスの少なくとも一方、好ましくは両方のガラス部材
に波長1050nmにおける肉厚方向の赤外線透過率が
70%以下のガラスを用いると、赤外線が照射された場
合に熱線を吸収しやすいため好ましい。この赤外線透過
率の好ましい値は65%以下、より好ましい値は30%
以下である。
ガラスの少なくとも一方、好ましくは両方のガラス部材
に波長1050nmにおける肉厚方向の赤外線透過率が
70%以下のガラスを用いると、赤外線が照射された場
合に熱線を吸収しやすいため好ましい。この赤外線透過
率の好ましい値は65%以下、より好ましい値は30%
以下である。
【0019】また、一般にネックガラス内に電子銃を挿
入する場合、電子銃が正確な位置に配置されるように確
認しながら作業を行う必要があるため、一定以上の可視
透過率を有することが望ましい。このため、ネックガラ
スは可視光である570nmの波長における肉厚方向の
光透過率が、10%以上、好ましくは20%以上となる
ようにすることが好ましい。
入する場合、電子銃が正確な位置に配置されるように確
認しながら作業を行う必要があるため、一定以上の可視
透過率を有することが望ましい。このため、ネックガラ
スは可視光である570nmの波長における肉厚方向の
光透過率が、10%以上、好ましくは20%以上となる
ようにすることが好ましい。
【0020】このようなガラスを得るためには、ガラス
中にFe2O3を0.05〜10質量%(より好ましくは
0.2〜5質量%)含有させたり、さらにFe3+を還元
させてFe2+の割合を増加させれば良く、Fe2+の含有
量を0.005質量%以上としたり、Fe2+/Fe3+の
比率を0.08以上にすることが好ましい。
中にFe2O3を0.05〜10質量%(より好ましくは
0.2〜5質量%)含有させたり、さらにFe3+を還元
させてFe2+の割合を増加させれば良く、Fe2+の含有
量を0.005質量%以上としたり、Fe2+/Fe3+の
比率を0.08以上にすることが好ましい。
【0021】ガラス中のFe2+を増加させるためには、
金属Si等の還元剤を含有させることが好ましく、還元
剤の含有量としては、0.002〜0.5質量%が適当
である。また還元剤を含有させると、ガラスの可視光域
の光透過率を維持したまま、赤外線域の光透過率を低下
させることも可能である。
金属Si等の還元剤を含有させることが好ましく、還元
剤の含有量としては、0.002〜0.5質量%が適当
である。また還元剤を含有させると、ガラスの可視光域
の光透過率を維持したまま、赤外線域の光透過率を低下
させることも可能である。
【0022】但し、Fe2+/Fe3+の比率が0.5より
大きくなると、還元がかなり強くなり、その結果、ガラ
ス中のPbOが金属化し、ブツとなったり、ガラス組成
が変動しやすくなるため好ましくない。
大きくなると、還元がかなり強くなり、その結果、ガラ
ス中のPbOが金属化し、ブツとなったり、ガラス組成
が変動しやすくなるため好ましくない。
【0023】本発明に適したネックガラスの具体的組成
は、質量百分率で、PbO 20〜40%、SiO2
38〜58%、Al2O3 0〜5%、MgO 0〜5
%、CaO 0〜6%、SrO 0〜9%、BaO 0
〜9%、Na2O 0〜5%、K2O 6〜15%、Sb
2O3 0〜1%、Fe2O3 0.05〜10%である。
は、質量百分率で、PbO 20〜40%、SiO2
38〜58%、Al2O3 0〜5%、MgO 0〜5
%、CaO 0〜6%、SrO 0〜9%、BaO 0
〜9%、Na2O 0〜5%、K2O 6〜15%、Sb
2O3 0〜1%、Fe2O3 0.05〜10%である。
【0024】また、本発明に適したステムガラス及び排
気管の具体的組成は、質量百分率で、PbO 18〜4
0%、SiO2 48〜68%、Al2O3 0〜5%、
MgO 0〜5%、CaO 0〜6%、SrO 0〜9
%、BaO 0〜9%、Na 2O 0〜6%、K2O 5
〜15%、Sb2O3 0〜1%、Fe2O3 0.05〜
10%である。
気管の具体的組成は、質量百分率で、PbO 18〜4
0%、SiO2 48〜68%、Al2O3 0〜5%、
MgO 0〜5%、CaO 0〜6%、SrO 0〜9
%、BaO 0〜9%、Na 2O 0〜6%、K2O 5
〜15%、Sb2O3 0〜1%、Fe2O3 0.05〜
10%である。
【0025】
【実施例】以下、本発明の陰極線管ガラスの熔着方法を
実施例に基づいて詳細に説明する。
実施例に基づいて詳細に説明する。
【0026】表1は本発明の実施例(試料No.1)と
比較例(試料No.2及び3)を示すものである。
比較例(試料No.2及び3)を示すものである。
【0027】
【表1】
【0028】表中の各試料は次のようにして作製した。
【0029】まず、ネックガラス内に予め排気管を熔着
したステムガラスに取り付けられた電子銃を挿入し、ネ
ックガラスの開口端にステムガラスを接触させた状態で
保持する。その後、ネックガラスとステムガラスを軸方
向に回転させながら、図1〜3に示すような方法で加熱
し、両者を熔着した。尚、加熱の際にカソードの温度を
測定した。
したステムガラスに取り付けられた電子銃を挿入し、ネ
ックガラスの開口端にステムガラスを接触させた状態で
保持する。その後、ネックガラスとステムガラスを軸方
向に回転させながら、図1〜3に示すような方法で加熱
し、両者を熔着した。尚、加熱の際にカソードの温度を
測定した。
【0030】試料No.1は、図1に示すように、加熱
中に赤外線を移動させて熔着部とその周辺部を照射して
ネックガラスとステムガラスを熔着したものである。ま
ず、ネックガラス11とステムガラス13の管軸に対し
て90°の角度になるように赤外線ランプ16とミラー
17を設置し、ネックガラス11内に予め排気管12を
熔着したステムガラス13に取り付けられた電子銃14
を挿入し、ネックガラス11の開口端にステムガラス1
3を接触させた状態で保持し、ネックガラス11とステ
ムガラス13を軸方向に回転させながら赤外線を照射し
熔着した。赤外線の照射は、次のようにして行った。ま
ず、図1(A)に示すように、熔着部分に赤外線を照射
し加熱した。次に、図1(B)に示すように、赤外線照
射装置を下方向に移動させて熔着部の周辺を加熱した。
そして、図1(A)に示すように、再び熔着部分に赤外
線を照射した。この方法を繰り返して被照射部分を上下
に往復させ、熔着部とその周辺部を加熱したものであ
る。
中に赤外線を移動させて熔着部とその周辺部を照射して
ネックガラスとステムガラスを熔着したものである。ま
ず、ネックガラス11とステムガラス13の管軸に対し
て90°の角度になるように赤外線ランプ16とミラー
17を設置し、ネックガラス11内に予め排気管12を
熔着したステムガラス13に取り付けられた電子銃14
を挿入し、ネックガラス11の開口端にステムガラス1
3を接触させた状態で保持し、ネックガラス11とステ
ムガラス13を軸方向に回転させながら赤外線を照射し
熔着した。赤外線の照射は、次のようにして行った。ま
ず、図1(A)に示すように、熔着部分に赤外線を照射
し加熱した。次に、図1(B)に示すように、赤外線照
射装置を下方向に移動させて熔着部の周辺を加熱した。
そして、図1(A)に示すように、再び熔着部分に赤外
線を照射した。この方法を繰り返して被照射部分を上下
に往復させ、熔着部とその周辺部を加熱したものであ
る。
【0031】試料No.2は、図2に示すように、試料
No.1と異なり、熔着部のみに赤外線を照射して、ネ
ックガラスとステムガラスを熔着したものである。
No.1と異なり、熔着部のみに赤外線を照射して、ネ
ックガラスとステムガラスを熔着したものである。
【0032】試料No.3は、図3に示すように、管軸
に対して、90°の角度にバーナーを設置し、バーナー
フレーム15によって加熱し、ネックガラスとステムガ
ラスを熔着したものである。
に対して、90°の角度にバーナーを設置し、バーナー
フレーム15によって加熱し、ネックガラスとステムガ
ラスを熔着したものである。
【0033】このようにして得られた試料の形状を観察
し、熔着部の熱的及び機械的強度を調査した。
し、熔着部の熱的及び機械的強度を調査した。
【0034】尚、熔着後の形状は目視で観察し、図4に
示すようにくびれのない形状であれば○とし、図5に示
すように変形してくびれ18が生じ、牛乳びんのような
形状になれば×とした。
示すようにくびれのない形状であれば○とし、図5に示
すように変形してくびれ18が生じ、牛乳びんのような
形状になれば×とした。
【0035】熔着部の熱的強度については、熔着後のガ
ラスを100℃の湯と20℃の水に60秒間、交互に5
回ずつ浸す熱衝撃試験を行い、熔着部のクラック発生率
を調査した。
ラスを100℃の湯と20℃の水に60秒間、交互に5
回ずつ浸す熱衝撃試験を行い、熔着部のクラック発生率
を調査した。
【0036】熔着部の機械的強度については、ファンネ
ルガラスに接続する側のネックガラスの開口端と排気管
の両端から管軸方向に50kgの荷重をかける重量負荷
試験を行い、熔着部のクラック発生率を調査した。
ルガラスに接続する側のネックガラスの開口端と排気管
の両端から管軸方向に50kgの荷重をかける重量負荷
試験を行い、熔着部のクラック発生率を調査した。
【0037】尚、熱衝撃試験及び重量負荷試験におい
て、クラックの発生率が低いということは、熱的及び機
械的強度が高いことを示している。
て、クラックの発生率が低いということは、熱的及び機
械的強度が高いことを示している。
【0038】また、実施例と比較例で用いた各ガラス部
材は、以下のものである。
材は、以下のものである。
【0039】ネックガラスは、波長1050nmにおけ
る肉厚方向の赤外線透過率が10%以下で、質量百分率
で、PbO 28.0%、SiO2 48.5%、Al2
O31.4%、CaO 0.1%、SrO 2.4%、
BaO 1.8%、Na2O 0.8%、K2O 12.
0%、Fe2O3 5.0%、金属Si 50ppmの組
成を有し、Fe2+が0.4380%、Fe2+/Fe3+が
0.14であるものを用いた。
る肉厚方向の赤外線透過率が10%以下で、質量百分率
で、PbO 28.0%、SiO2 48.5%、Al2
O31.4%、CaO 0.1%、SrO 2.4%、
BaO 1.8%、Na2O 0.8%、K2O 12.
0%、Fe2O3 5.0%、金属Si 50ppmの組
成を有し、Fe2+が0.4380%、Fe2+/Fe3+が
0.14であるものを用いた。
【0040】ステムガラスと排気管は、波長1050n
mにおける肉厚方向の赤外線透過率が10%以下で、質
量百分率で、PbO 30.0%、SiO2 51.4
%、Al2O3 2.0%、Na2O 8.0%、K2O
3.0%、Sb2O3 0.6%、Fe2O3 5.0%、
金属Si 30ppmの組成を有し、Fe2+が0.40
5%、Fe2+/Fe3+が0.13でであるものを用い
た。
mにおける肉厚方向の赤外線透過率が10%以下で、質
量百分率で、PbO 30.0%、SiO2 51.4
%、Al2O3 2.0%、Na2O 8.0%、K2O
3.0%、Sb2O3 0.6%、Fe2O3 5.0%、
金属Si 30ppmの組成を有し、Fe2+が0.40
5%、Fe2+/Fe3+が0.13でであるものを用い
た。
【0041】表から明らかなように、実施例である試料
No.1は、赤外線の被照射部分を移動させて熔着部と
その周辺部を加熱してネックガラスとステムガラスを熔
着しているため、熔着後の形状は図4のようにくびれも
なく正常であった。また、熱衝撃試験及び重量負荷試験
でもクラックの発生が認められず、熔着部の強度はバー
ナー加熱の場合と同等であることが判った。また、赤外
線加熱であるため、カソードの温度は最高でも400℃
とバーナー加熱の場合よりもかなり低かった。このた
め、耐熱性の低いカソード付電子銃を用いた場合でも、
エミッション特性が劣化する可能性は低い。
No.1は、赤外線の被照射部分を移動させて熔着部と
その周辺部を加熱してネックガラスとステムガラスを熔
着しているため、熔着後の形状は図4のようにくびれも
なく正常であった。また、熱衝撃試験及び重量負荷試験
でもクラックの発生が認められず、熔着部の強度はバー
ナー加熱の場合と同等であることが判った。また、赤外
線加熱であるため、カソードの温度は最高でも400℃
とバーナー加熱の場合よりもかなり低かった。このた
め、耐熱性の低いカソード付電子銃を用いた場合でも、
エミッション特性が劣化する可能性は低い。
【0042】これに対して、比較例である試料No.2
は、赤外線加熱であるため、カソードの最高温度は40
0℃と低いが、熔着部のみに赤外線を照射して加熱熔着
したため、熔着後の形状が図5のようにくびれ18が生
じ牛乳びんのようになった。また、くびれの部分に歪が
生じているため熱衝撃試験及び重量負荷試験でもクラッ
クの発生が認められ、熔着部の強度はバーナー加熱の場
合よりも劣ることが判った。
は、赤外線加熱であるため、カソードの最高温度は40
0℃と低いが、熔着部のみに赤外線を照射して加熱熔着
したため、熔着後の形状が図5のようにくびれ18が生
じ牛乳びんのようになった。また、くびれの部分に歪が
生じているため熱衝撃試験及び重量負荷試験でもクラッ
クの発生が認められ、熔着部の強度はバーナー加熱の場
合よりも劣ることが判った。
【0043】また、試料No.3は、熔着後の形状、熔
着部の熱的及び機械的強度については問題ないが、バー
ナー加熱であるため、カソードの温度が580℃まで上
昇しており、耐熱性の低いカソード付電子銃を用いた場
合、エミッション特性が劣化する可能性が高い。
着部の熱的及び機械的強度については問題ないが、バー
ナー加熱であるため、カソードの温度が580℃まで上
昇しており、耐熱性の低いカソード付電子銃を用いた場
合、エミッション特性が劣化する可能性が高い。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明の陰極線管ガラス
の熔着方法によれば、熔着時におけるカソードの温度上
昇を抑えることができる。このため、耐熱性の低いカソ
ード(例えばインプレカソード)を用いた場合でも、エ
ミッション特性を劣化させることはない。また、ガラス
に残留する歪分布も滑らかで熔着後の形状も従来のバー
ナー加熱で作製したものと同等であり、熔着後の接着強
度も強い。しかも、バーナー加熱のように加熱部が汚染
されることもない。
の熔着方法によれば、熔着時におけるカソードの温度上
昇を抑えることができる。このため、耐熱性の低いカソ
ード(例えばインプレカソード)を用いた場合でも、エ
ミッション特性を劣化させることはない。また、ガラス
に残留する歪分布も滑らかで熔着後の形状も従来のバー
ナー加熱で作製したものと同等であり、熔着後の接着強
度も強い。しかも、バーナー加熱のように加熱部が汚染
されることもない。
【0045】従って、高温に曝されるとエミッション特
性が劣化しやすいカソードを使用する陰極線管を作製す
る場合のネックガラスとステムガラスの熔着方法として
好適である。
性が劣化しやすいカソードを使用する陰極線管を作製す
る場合のネックガラスとステムガラスの熔着方法として
好適である。
【図1】本発明の方法の一例を示す説明図である。
【図2】熔着部のみに赤外線を照射して熔着する従来の
方法を示す説明図である。
方法を示す説明図である。
【図3】バーナーで加熱して熔着する従来の方法を示す
説明図である。
説明図である。
【図4】ネックガラスとステムガラスの良好な熔着状態
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図5】ネックガラスとステムガラスの好ましくない熔
着状態を示す説明図である。
着状態を示す説明図である。
10 ファンネルガラス 11 ネックガラス 12 排気管 13 ステムガラス 14 電子銃 15 バーナーフレーム 16 赤外線ランプ 17 ミラー 18 くびれ
Claims (2)
- 【請求項1】 管状のネックガラスと電子銃を取り付け
たステムガラスとを赤外線で加熱して熔着するにあた
り、加熱中に赤外線の被照射部分を移動させることを特
徴とする陰極線管ガラスの熔着方法。 - 【請求項2】 ネックガラス又はステムガラスの少なく
とも一方のガラス部材の波長1050nmにおける肉厚
方向の赤外線透過率が70%以下であることを特徴とす
る請求項1記載の陰極線管ガラスの熔着方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000209252A JP2002025445A (ja) | 2000-07-11 | 2000-07-11 | 陰極線管ガラスの熔着方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000209252A JP2002025445A (ja) | 2000-07-11 | 2000-07-11 | 陰極線管ガラスの熔着方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002025445A true JP2002025445A (ja) | 2002-01-25 |
Family
ID=18705691
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000209252A Pending JP2002025445A (ja) | 2000-07-11 | 2000-07-11 | 陰極線管ガラスの熔着方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002025445A (ja) |
-
2000
- 2000-07-11 JP JP2000209252A patent/JP2002025445A/ja active Pending
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