JP2001050821A - 温度センサ及び温度センサを製造するための方法 - Google Patents

温度センサ及び温度センサを製造するための方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に内燃機関の排ガスの温度を監視するため
の温度センサ1であって、セラミック材料より成る担体
2と、該担体の第1の端部区分に配置された、温度に依
存する感応区分10としての抵抗素子5と、前記担体の
第2の端部区分に配置された、保持区分7としての電気
接点6と、担体2の中央領域8に亘って延びる、前記電
気接点6を抵抗素子5に接続する導体路3,4とを有し
ている形式のものを改良して、測定精度が改善され、そ
の不活性が減少されるようなものを提供する。 【解決手段】 担体の中央領域8が、前記両端部区分
7,10よりも高い熱抵抗を有するために構造化されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、殊に内燃機関の排
ガスの温度を監視するための温度センサであって、セラ
ミック材料より成る担体(Traeger)と、該担体の第1の
端部区分に配置された、温度に依存する感応区分(sensi
tiver Abschnitt)としての抵抗素子と、前記担体の第2
の端部区分に配置された、保持区分としての電気接点
と、担体の中央領域に亘って延びる、前記電気接点を抵
抗素子に接続する導体路とを有している形式のものに関
する。
【0002】
【従来の技術】このような形式の温度センサはドイツ連
邦共和国特許第3733192号明細書により公知であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冒頭
に述べた形式の温度センサを改良して、測定精度が改善
され、その不活性が減少されるようなものを提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題を解決した本発
明によれば、担体の中央領域が、前記両端部区分よりも
高い熱抵抗を有するように構造化されている。
【0005】
【発明の効果】本発明の構造化によって、感応区分と保
持区分との間の熱の流れが減少される。この保持区分
は、温度センサを枠内で固定し、電気的な接触を得るた
めに用いられる。従って、場合によっては存在する、こ
のような枠と第2の端部区分との間の温度差は、測定結
果をわずかしか狂わせることはない。中央領域の構造化
によって、第2の端部区分からの熱の流出は担体によっ
て困難にされるので、感応区分は運転中に大抵は均一な
温度分布を有している。従って、抵抗素子の測定された
抵抗値は、温度を正確に推測することができる。しか
も、前記構造化が設けられていることによって、測定し
ようとする媒体の温度と枠の温度との差が存在する場合
でも、測定しよとする実際の温度に近い、感応区分の定
常の温度が、同様の温度センサで構造化されていないも
のにおけるよりも早く得られるようになっている。
【0006】構造化は、有利な形式で中央領域内で担体
の横断面を、特に少なくとも1つの貫通孔又は凹部の形
状の終端区分と比較して、減少させることによって得ら
れる。
【0007】このような凹部又は貫通孔は、担体をフラ
イス切削、穿孔又は研削加工するすることによって形成
することができる。セラミック材料より成る担体におい
ては、貫通孔又は凹部は有利には焼結前に形成される。
【0008】多数の層より構成された担体においては、
選択的に中央領域の凹部は、貫通孔が設けられた少なく
とも1つの層と、少なくとも1つの閉じられた層とを組
み合わせることによっても形成することができる。
【0009】温度に敏感な抵抗素子は、例えばメアンダ
状(蛇行状)又はジグザグ状のパターンで、感応区分の
1つ又は多数の平面に配置することができる。このよう
な抵抗素子の比較的長い長さによって、温度に関連した
抵抗変化の形状の、ノイズの少ない強い有効信号を測定
することができる。この場合、運転中に比較的均一な温
度にさらされる抵抗素子の長い長さは、抵抗素子を接点
に接続し、種々異なる温度において保持区分に沿って延
びる、温度に基づく導体路の抵抗変化は、測定結果をわ
ずかしか狂わせることがない、という付加的な利点を有
している。
【0010】抵抗素子は、有利には白金−酸化アルミニ
ウム混合物又は、一般的には白金で被覆された絶縁体の
セラミック粒子より形成されている。
【0011】さらに、測定された抵抗値に作用する導線
の影響、つまり抵抗素子を接点に接続する、保持区分の
導体路の影響を小さく維持するために、この導線のため
に、第2の端部領域の抵抗素子のための材料構成とは異
なる材料構成を選択しなければならない。特に導線は金
属製の基板より製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のその他の特徴及び利点
は、以下に記載した図面に基づく本発明の実施例に記載
されている。
【0013】図1には、本発明による温度センサ1の平
面図が示されている。酸化物セラミック材料より成る担
体2上には、抵抗素子5と電気接点6とが配置されてい
る。電気接点6は、担体2の第1の端部区分7内に配置
されていて、保持区分と称呼されている。この保持区分
は、(図示していない)枠内に差し込むか又は緊締する
ために設けられている。この枠は、接点6に対して相補
的な接点を有していて、この枠を介して温度センサに測
定電圧が供給される。
【0014】導体路3,4は、担体2の中央領域8を越
えて直線的に、担体の表面に形成された切欠9の周囲に
まで延びている。導体路3,4は、金属性の基板より成
っている。中央領域8の長さは、担体2の長さの半分よ
りも大きい。
【0015】切欠9には、担体の感応区分10が続いて
いる。この感応区分10の長さは、担体2の全長の約1
/4である。この感応区分10内で、抵抗素子5は、導
体路3,4間の接続を形成する。抵抗素子5の横断面
は、導体路3,4の横断面よりも小さく、しかも抵抗素
子5は、白金によって被覆されたセラミック粒子特に酸
化アルミニウム粒子又は絶縁体のセラミック粒子とPt
との混合物等の、高い面抵抗を有する材料より成ってい
る。抵抗素子5は、感応区分の面の大部分に亙ってジグ
ザグ状に延びているので、その全長は、区分10の長さ
又は幅よりも著しく大きい。これによって、材料を選択
することによって、また導体路3,4と比較して減少さ
れた横断面によって、抵抗素子5の大部分が温度センサ
のすべての電気抵抗に寄与することが保証される。従っ
てこの抵抗の温度依存性は、実際にはもっぱら感応区分
10の温度に関連している。温度センサを保持する保持
区分7は、普通の運転条件下では感応区分10よりも著
しく冷たい。切欠9によって、2つの区分7,10間の
避けることのできない温度低下が、切欠9の領域(担体
の横断面が減少し、その結果その熱抵抗が上昇せしめら
れている領域)の大部分に集中するようになっている。
その結果、感応区分10自体は、温度センサの測定され
た電気抵抗から明確にしかも正確に導き出すことでき
る、比較的均一な温度を有している。切欠9を第2の端
部領域のすぐ近くに配置したことによって、測定しよう
とする媒体の温度変化に追従させる必要のある、温度セ
ンサの質量の部分は小さく維持される。従って、センサ
は温度変化に非常に迅速に追従することができる。
【0016】図2は、図1のII−II線に沿った温度
センサの、寸法に忠実な種々異なる可能な横断面を示し
ている。
【0017】図2のAに示した第1の変化実施例におい
ては、イットリウムで安定化された酸化ジルコニウムセ
ラミックより成るキャリアテープ上に絶縁層13と、ジ
グザグ状又はメアンダ状(若しくは蛇行状)に延びる抵
抗素子5と、その上に第2の絶縁層14と、最後にいわ
ゆるカバーテープ15とが被着されている。酸化アルミ
ニウムセラミックより成る絶縁層13,14の課題は、
導体路10をキャリアテープ及びカバーテープ12,1
5に対して電気的に絶縁することである。その理由は、
センサによって検出しようとする温度つまり内燃機関の
排ガスを監視するための酸素センサの温度において、そ
の良好な熱技術的な特性に基づいて担体2のための材料
として有利である酸化ジルコニウムセラミックは、やや
導電性であって、これに対して酸化アルミニウムセラミ
ックは非導電性だからである。
【0018】温度センサの周囲からガスが抵抗素子5に
向かって押しやられるのを避けるために、またセンサの
高い作業温度において抵抗素子が損傷を被るのを避ける
ために、絶縁層13,14及び抵抗素子5は、側面も酸
化ジルコニウムセラミックより成る気密な壁部16によ
って取り囲まれている。
【0019】テープ12,15の厚さは、テープが抵抗
素子5のメアンダ状の部分を覆う領域内で減少されてい
る。この厚さの減少は、キャリアテープ12におけるの
と同様に、結合剤によって結合されたテープを、焼結前
に全面的に研削又はフライス切削することによって行わ
れるが、またカバーテープ15の実施例で示されている
ように、選択的に、ジグザグ状に延びる導体路5の領域
に亙って切欠17を設けてもよい。切欠17の側面に位
置するウエブ18は、センサの機械的強度を維持するた
めに役立つ。
【0020】厚さをこのように減少させることは、勿論
テープ12,15の一方だけに行ってもよい。
【0021】温度センサは、キャリアテープ12、絶縁
層、導体路5、絶縁層14、壁部16及びカバーテープ
を順次スクリーン印刷し、それによって得られた複合体
を、1350℃〜1360℃の範囲内の温度で燒結する
ことによって製造される。この温度は、テープ12,1
5及び壁部16の酸化ジルコニウムを気密に燒結するた
めに充分であって、これに対して絶縁層13,14の酸
化アルミニウムにおいて所定の残留多孔性が維持され
る。
【0022】図2のBにはセンサの層構造が示されてお
り、この層構造によって、センサの特に短い反応時間が
得られる。
【0023】イットリウムで安定化された酸化ジルコニ
ウムより成る2つのテープ12,15は、機械的に充分
な強度の担体を構成するために、互いに重ね合わせて被
着されている。このテープ12,15上に第1の絶縁層
13が設けられており、この絶縁層13は第2の絶縁層
14と共にセンサの外側面を形成していて、この第2の
絶縁層14は導体路5を取り囲んでいる。図2のAに示
した実施例とは異なり、この実施例では、侵入するガス
によって導体路5が破壊されないように導体路5を保護
するために、絶縁層がセンサの外側面を形成しており、
この絶縁層は気密でなければならないが、センサの使用
温度において非導電性でなければならない。これは、ナ
ノメートル範囲の大きさの粒子を有する超微細な酸化ア
ルミニウム粉末(大きい粒子を有する酸化アルミニウム
よりも低い燒結温度を有している)を使用するか、又は
絶縁層13,14を形成する酸化アルミニウムと例えば
酸化マグネシウム或いは二酸化珪素等の燒結助剤とを用
いることによって得られる。
【0024】感応区分10の質量及びひいてはその熱的
な不活性は、テープの酸化ジルコニウム材料に切欠17
を設けることによって減少される。
【0025】図2のCに示されているように、センサの
必要な機械的強度に関連して採算が合うのであれば、感
応区分10内でテープ12のうちの1つを完全に取り除
くか又は最初から設けておかないようにすることも考え
られる。
【0026】感応区分10の質量を少なく維持する別の
可能性は、抵抗素子5を互いに電気的に絶縁された多数
の層に重ね合わせて配置することである。これによっ
て、抵抗素子の長さが同じで、必要な支持面のための質
量及びひいては感応区分10の必要な質量が減少され
る。
【0027】図3のA乃至図3のDには、図1の温度セ
ンサをIII−III線の高さで断面した可能な横断面図が示
されている。図3のAでは、切欠9が、担体2の一方側
から他方側に貫通する孔を形成している。担体の層構造
は、例えば図2のAに示した層構造に相当しているが、
勿論この実施例では感応区分10に切欠17は設けられ
ていないので、感応区分10の厚さは、保持区分の厚さ
及び中央領域8の大部分の厚さと同じである。図3のB
では、切欠9は袋孔であって、この袋孔は、担体の燒結
前に、最も下に位置するテープ12を除いて担体のすべ
ての層を孔開けすることによって形成されている。この
2つの変化実施例は、図2のA乃至図2のCに示した横
断面と組合せ可能である。袋孔は、担体の下側から同じ
ように正確に穿孔又はフライス切削することができる。
【0028】図3のCには、切欠9が最も下側のテープ
12だけに形成されている変化実施例が示されている。
このような構成は例えば、切欠9を形成するためにまず
テープ12に孔を開け、次いで第2のテープ15と、こ
の第2のテープ15にスクリーン印刷によって形成され
た絶縁層13及び14と、抵抗素子5とを積層結合する
ことによって製造することができる。
【0029】図3のDには、中央領域8内に多数の切欠
9が設けられている温度センサの別の変化実施例が示さ
れている。この実施例におけるように切欠9が袋孔とし
て構成されている場合には、この切欠9を担体2の異な
る側に交互に形成し、それによってこの切欠の領域内の
温度センサの有効熱伝導横断面を減少させるだけでな
く、付加的に熱の影響の一部のための有効経路長さ(eff
ektive Weglaenge)を増大するようにすれば、有利であ
る。
【0030】この変化実施例も、担体2の任意の層構造
と組み合わせることができるので、図面には個別の層は
図示されていない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による温度センサの平面図である。
【図2】A,B及びCは、図1のII−II線に沿っ
た、それぞれ異なる変化実施例の断面図である。
【図3】A,B,C及びDは、図1のIII−III線に沿っ
た、それぞれ異なる変化実施例の断面図である。
【符号の説明】
1 温度センサ、 2 担体、 3,4 導体路、 5
抵抗素子、 6 電気接点、 7 第1の端部区分、
8 中央領域、 9 切欠、 10 感応区分、 1
2 キャリアテープ、 13,14 絶縁層、 15
カバーテープ、16 壁部、 17 切欠、 18 ウ
エブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウーヴェ シュナイダー ドイツ連邦共和国 シユツツトガルト ヴ ォルフマーデンシュトラーセ 53 (72)発明者 トーマス シュルテ ドイツ連邦共和国 シユツツトガルト ジ ェイムズ−エフ−バーンズ−シュトラーセ 44 (72)発明者 オーラフ ヤッハ ドイツ連邦共和国 ベープリンゲン メル セデスシュトラーセ 16 (72)発明者 ウーヴェ グランツ ドイツ連邦共和国 アスペルク ヴァイマ ールシュトラーセ 8 (72)発明者 ジークベルト ゲーツ ドイツ連邦共和国 ゲルリンゲン シラー シュトラーセ 22 (72)発明者 カルメン シュミーデル ドイツ連邦共和国 マールバッハ アム ネッカー シュヴァープシュトラーセ 21 (72)発明者 ペトラ クーシェル ドイツ連邦共和国 レンニンゲン ヴァー グナーシュトラーセ 2/1

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 殊に内燃機関の排ガスの温度を監視する
    ための温度センサ(1)であって、セラミック材料より
    成る担体(2)と、該担体(2)の第1の端部区分に配
    置された、温度に依存する感応区分(10)としての抵
    抗素子(5)と、前記担体の第2の端部区分に配置され
    た、保持区分(7)としての電気接点(6)と、担体
    (2)の中央領域(8)に亘って延びる、前記電気接点
    (6)を抵抗素子(5)に接続する導体路(3,4)と
    を有している形式のものにおいて、 担体の中央領域(8)が、前記両端部区分(7,10)
    よりも高い熱抵抗を有するように構造化されていること
    を特徴とする、温度センサ。
  2. 【請求項2】 中央領域(8)の構造化された部分が少
    なくとも1つの切欠(9)を有している、請求項1記載
    の温度センサ。
  3. 【請求項3】 前記切欠(9)が、前記担体(2)をフ
    ライス切削、穿孔又は切削加工することによって形成さ
    れている、請求項2記載の温度センサ。
  4. 【請求項4】 前記担体(2)が、多数の層より構成さ
    れており、中央領域(8)の切欠(9)が、少なくとも
    1つの貫通孔開けされた層と少なくとも1つの閉じられ
    た層とから形成されている、請求項2記載の温度セン
    サ。
  5. 【請求項5】 前記切欠(9)が、感応区分(10)に
    直接隣接して配置されている、請求項2から4までのい
    ずれか1項記載の温度センサ。
  6. 【請求項6】 前記感応区分(10)の長さが最大で、
    前記担体(2)の長さの1/4である、請求項1から5
    までのいずれか1項記載の温度センサ。
  7. 【請求項7】 抵抗素子(5)が多数の平面に配置され
    ている、請求項1から6までのいずれか1項記載の温度
    センサ。
  8. 【請求項8】 抵抗素子(5)が、白金によって被覆さ
    れた絶縁体のセラミック粒子より形成されている、請求
    項1から7までのいずれか1項記載の温度センサ。
  9. 【請求項9】 抵抗素子(5)が白金・酸化アルミニウ
    ム混合物より形成されている、請求項1から8までのい
    ずれか1項記載の温度センサ。
  10. 【請求項10】 導体路(3,4)が、抵抗素子(5)
    とは異なる構成を有している、請求項1から9までのい
    ずれか1項記載の温度センサ。
  11. 【請求項11】 導体路(3,4)が金属性の基板より
    成っている、請求項8から10までのいずれか1項記載
    の温度センサ。
  12. 【請求項12】 感応区分(10)が、少なくとも部分
    的に保持区分(7)よりも薄い厚さを有している、請求
    項1から11までのいずれか1項記載の温度センサ。
  13. 【請求項13】 請求項1から12までのいずれか1項
    記載の、温度センサ(1)を製造するための方法におい
    て、 担体(2)を均一な厚さに成形し、次いで中央領域
    (8)を、この中央領域の面の少なくとも一部で、担体
    (2)の厚さの少なくとも一部を取り除くことによって
    構造化することを特徴とする、温度センサを製造するた
    めの方法。
  14. 【請求項14】 担体(2)の厚さの少なくとも一部を
    取り除いた後で、担体(2)を焼結する、請求項13記
    載の方法。
  15. 【請求項15】 請求項1から12のいずれか1項記載
    の温度センサ(1)を製造するための方法において、 多数の層を組み合わせて担体を形成し、中央領域(8)
    内で、少なくとも1つの層に打ち抜きによって貫通孔を
    設けることを特徴とする、温度センサを製造するための
    方法。
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