JP2006514280A - センサ素子 - Google Patents
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Abstract
測定ガスの物理量を検出するために使用される層状に構成されたセンサ素子(10)が提案されている。該センサ素子(10)はとりわけ、測定ガスのガス成分の濃度を検出するために使用される。ヒータ(41)はヒータ絶縁部(42)によって包囲されている。ヒータ(41)とヒータ絶縁部(42)との間には、少なくとも部分的に中空エレメント(43,44)が設けられている。
Description
本発明は、測定ガスの物理量を検出するための次の形式のセンサ素子に関する。すなわち、とりわけ測定ガスのガス成分の濃度を検出するためのセンサ素子であり、層状に構成されており、少なくとも1つのヒータおよび少なくとも1つの測定エレメントを有しており、該ヒータはヒータ絶縁部によって包囲されている形式のセンサ素子に関する。
この形式のセンサ素子は、たとえばDE10053107A1から公知である。ここではセンサ素子は、プレーナ技術で層状に構成され、測定エレメントを加熱するために加熱エレメントを有する。この加熱エレメントは2つの固体電解質層間に配置されており、ヒータおよびヒータ絶縁部を有する。このヒータは、ヒータ絶縁部に完全に埋め込まれており、該ヒータ絶縁部によって、周辺の固体電解質層から電気的に絶縁されている。
固体電解質層は基本的に、酸化イットリウムによって安定化された酸化ジルコニウムから成る。ヒータ絶縁部は基本的に、酸化アルミニウムから成る。ヒータは白金から成る。
このセンサ素子は、ヒータ絶縁部およびヒータ等の機能層を固体電解質膜(焼結前の固体電解質層)に、スクリーン印刷によって塗布することによって製造される。その後、印刷された固体電解質膜は一緒にラミネートされ、焼結される。
焼結プロセスの最後に、層間(固体電解質層、ヒータ絶縁部およびヒータの相互間)にまず、応力のない状態が形成される。次にセンサ素子が冷却されると、ヒータ絶縁部は張力にさらされる。というのも酸化アルミニウムの熱膨張係数は、酸化ジルコニウムおよび白金の熱膨張係数より小さいからである。
ここでセンサ素子が作動し、ヒータによって必要な作動温度まで加熱されると、ヒータ絶縁部に負荷がかかる。というのも、ヒータの領域において大きな温度の傾きが発生し、それによって付加的な張力が発生するからだ。ヒータ(白金)の膨張係数はヒータ絶縁部の膨張係数より大きいので、ヒータ絶縁部にはヒータの容量膨張によって、さらに張力が加わる。これによって、ヒータ絶縁部にひびが形成され、ヒータが分断されてしまうおそれがある。
DE4343089A1から、ヒータ絶縁部と固体電解質層との間に空洞が設けられた加熱エレメントが公知である。この構成における欠点は、ヒータ絶縁部に対してさらに張力が加わり、ヒータから測定エレメントへの熱伝導が悪くなることである。
本発明の利点
独立請求項に記載された本発明によるセンサ素子は、該センサ素子が作動温度まで加熱される際にヒータが膨張できる容量が存在するので、ヒータ絶縁部が付加的な張力にさらされることがないという利点を有する。こうするために、ヒータとヒータ絶縁部との間に中空エレメントが設けられる。ヒータの塑性の変形性は作動温度で良好になることに起因して、該ヒータはこの中空エレメントに膨張することができる。
独立請求項に記載された本発明によるセンサ素子は、該センサ素子が作動温度まで加熱される際にヒータが膨張できる容量が存在するので、ヒータ絶縁部が付加的な張力にさらされることがないという利点を有する。こうするために、ヒータとヒータ絶縁部との間に中空エレメントが設けられる。ヒータの塑性の変形性は作動温度で良好になることに起因して、該ヒータはこの中空エレメントに膨張することができる。
ヒータ絶縁部にひびが発生することによって、ヒータを形成する加熱導体路が該ヒータの層レベルに対して垂直な方向にずらされた場合、ヒータは待避容量を使用することができ、該加熱導体路が切断によって分断されるのが回避される。
従属請求項に記載された手段によって、独立請求項に記載されたセンサ素子を有利に構成および発展させることができる。
有利には中空エレメントは、空洞として形成される。本発明の択一的な実施形態では中空エレメントは、孔の割合が少なくとも30容積%であるハイポーラスの層である。特に確実にヒータの分断を回避するためには、中空エレメントのハイポーラス層の孔の割合を、少なくとも50容積%とする。
中空エレメントを、ヒータの測定エレメントと反対側に配置するとさらに、該ヒータから測定エレメントへの熱伝播が良好になると同時に、該センサ素子の測定エレメントと反対側へ熱伝播が発生するのを中空エレメントによって低減することができる。このような中空エレメントの配置が特に有利になるのは、次のようなセンサ素子の場合である。すなわち、ヒータが主要面に設けられており、該ヒータから該センサ素子の外表面までの測定エレメントの方向の間隔が、該センサ素子の対向する外表面までの間隔より大きいセンサ素子の場合である。測定エレメントの方向の熱流が大きくなると、ヒータ位置が非対称的であっても、センサ素子における熱分布は十分に対称的になる。
該センサ素子の主要面に対して垂直かつ長手軸に対して垂直な方向に発生するヒータの膨張は有利には、同方向に発生する中空エレメントの膨張より小さい。この構成によって、ヒータは該センサ素子の主要面にも膨張することができる。
中空エレメントは、一続きの層として形成される。択一的に中空エレメントは、ヒータの長手軸に対して垂直なヒータの主要面に延在する複数の通路に下位分割される。これらの通路によって、ヒータの長手軸に沿って発生するイオンの運動が回避されるか、または少なくとも制限される。
ヒータは、2つのヒータ給電線に電気的に接続されている。これらのヒータ給電線は、センサ素子の長手軸に沿って延在し、スルーコンタクトおよび面コンタクトによって、該センサ素子の外側に配置された配線系に接続され、これによってヒータ給電線間に加熱電圧が印加される。これらのヒータ給電線の層厚さは有利には、ヒータより大きくなっている。ヒータ給電線の層厚さは、ヒータの層厚さのほぼ2倍であり、ヒータの層厚さと中空エレメントの層厚さとの和にほぼ相応する。このように比較的大きな層厚さによって、ヒータ給電線の抵抗を有利に低減することができる。
図面
本発明の実施例が図面に示されており、以下の説明において詳述されている。図1は、本発明の実施例としてセンサ素子の横断面を示しており、図2a〜2dは、ヒータ、ヒータ絶縁部および中空エレメントの本発明による構成の4つの実施形態を示している。図3および図4は、センサ素子の別の2つの実施形態の縦断面を示している。
本発明の実施例が図面に示されており、以下の説明において詳述されている。図1は、本発明の実施例としてセンサ素子の横断面を示しており、図2a〜2dは、ヒータ、ヒータ絶縁部および中空エレメントの本発明による構成の4つの実施形態を示している。図3および図4は、センサ素子の別の2つの実施形態の縦断面を示している。
実施例の説明
図1には本発明の実施例として、第1の固体電解質層21と第2の固体電解質層22と第3の固体電解質層23と第4の固体電解質層24とを有するセンサ素子10が示されている。第2の固体電解質層22には、基準ガス空間35が挿入されており、この基準ガス空間35に、高い酸素濃度を有する基準ガスが含まれている。基準ガス空間35内には、第1の固体電解質層21に第1の電極35が取り付けられている。第1の固体電解質層21の外表面には、第1の電極と反対側に第2の電極32が配置されている。第1の電極31および第2の電極32は、両電極31,32間に配置された固体電解質21とともに電気化学セルを、ひいてはセンサ素子10の測定エレメント33を形成する。
図1には本発明の実施例として、第1の固体電解質層21と第2の固体電解質層22と第3の固体電解質層23と第4の固体電解質層24とを有するセンサ素子10が示されている。第2の固体電解質層22には、基準ガス空間35が挿入されており、この基準ガス空間35に、高い酸素濃度を有する基準ガスが含まれている。基準ガス空間35内には、第1の固体電解質層21に第1の電極35が取り付けられている。第1の固体電解質層21の外表面には、第1の電極と反対側に第2の電極32が配置されている。第1の電極31および第2の電極32は、両電極31,32間に配置された固体電解質21とともに電気化学セルを、ひいてはセンサ素子10の測定エレメント33を形成する。
第2の固体電解質層22には、第3の固体電解質層23が隣接している。第3の固体電解質層23と第4の固体電解質層24との間に、加熱エレメント40が設けられている。この加熱エレメント40は、メアンダ状の導体路を有するヒータ41を有している。このヒータ41はヒータ絶縁部42に埋め込まれており、該ヒータ絶縁部42によって周辺の固体電解質層23,24から電気的に絶縁されている。ヒータ41の測定エレメント33と反対側には、空洞43として形成された中空エレメント設けられている。ヒータ41の幅および空洞43の幅(すなわち、ヒータの長手軸に対して垂直なセンサ素子10の主要面における広がり)は等しい。
第4の固体電解質層24の厚さ(すなわち、センサ素子10の主要面に対して垂直な第4の固体電解質層24の広がり)は、該センサ素子10の第2の電極32が配置された外表面とヒータ41との間の間隔の約60%である(すなわち実質的に、第1の固体電解質膜21の厚さと第2の固体電解質膜22の厚さと第3の固体電解質膜23の厚さとの和に相応する)。ヒータ41の位置は非対称的であるが、センサ素子10において十分に対称的な熱分布が得られる。というのも、第4の固体電解質層24への熱伝播は空洞43によって制限されるからだ。
図2a,2b,2cおよび2dは、ヒータ41、ヒータ絶縁部42および中空エレメント43,44の異なる実施形態を示している。これより以下では、相互に対応する構成要素は図面において同一の参照番号によって示される。図2aに示された実施形態は、図1の実施形態に相応する。図2bに示された実施形態ではヒータ41の幅は、空洞43として形成された中空エレメントの幅より小さいので、ヒータ41は該ヒータ41の層レベルでも、該層レベルに対して垂直方向にも膨張することができる。図2cおよび図2dの実施形態は、図2aおよび2bの実施形態に相応する。ここでは中空エレメントは、多孔質材料44として形成されており、これらの実施形態では、多孔質材料44の孔の割合は30〜40容量%にあり、とりわけ35容量%である。
図3は、ヒータ41の層レベルに沿って切断された、本発明によるセンサ素子10の実施形態の断面図である。ヒータ41、ヒータ絶縁部42および空洞43の形態は、図2bの実施形態に相応する。ヒータ41は、第1のヒータ給電線45aおよび第2のヒータ給電線45bに電気的に接続されており、これらのヒータ給電線はセンサ素子10の長手軸に沿って延在している。ガスプローブの外部に配置された配線部によって、ヒータ給電線45a,45b間に加熱電圧が印加され、ヒータ41を流れる電流によって、センサ素子10の測定エレメント33が加熱される。ヒータ給電線45a,45bは、ヒータ給電線絶縁部46によって完全に包囲されている。ヒータ給電線絶縁部46は、ヒータ給電線45a,45bに直接隣接している。ヒータ給電線45a,45bの高さ(すなわち、図3の切断面に対して垂直方向の長さ)は、ヒータ41の高さの2倍である。ヒータ41の高さと空洞43の高さとの和は、ヒータ給電線45a,45bの高さにほぼ相応する。空洞43内部のヒータ41の配置は、図2bに示された構成に相応する。
ここに示されていない本発明の択一的な実施形態では、ヒータ給電線の高さはヒータの高さにほぼ相応する。この実施形態では、材料を削減できるという利点が得られる。
図4は別の実施形態を、図3ですでに選択された断面図で示している。図4の実施形態が図3の実施形態と異なる点は、空洞43として形成された中空エレメントが多数の通路に下位分割されていることである。これらの通路は、ヒータ41の長手方向に対して垂直に、センサ素子10の主要面を延在している。
Claims (13)
- 層状に形成されたセンサ素子(10)であって、
測定ガスの物理量を検出するためのセンサ素子であり、たとえば測定ガスのガス成分の濃度を検出するためのセンサ素子であり、
ヒータ(41)および少なくとも1つの測定エレメント(33)が設けられており、
該ヒータ(41)は、ヒータ絶縁部(42)によって包囲されている形式のものにおいて、
該ヒータ(41)とヒータ絶縁部(42)との間に、少なくとも部分的に中空エレメント(43,44)が設けられていることを特徴とするセンサ素子。 - 前記中空エレメントは、空洞(43)である、請求項1記載のセンサ素子。
- 前記中空エレメントは、開放的な多孔性を有する多孔質材料(44)であり、
前記多孔質材料(44)の孔の割合は、15〜70容量%であり、とりわけ30〜40%である、請求項1記載のセンサ素子。 - 前記中空エレメント(43,44)は、該ヒータ(41)の測定エレメント(33)と反対側に設けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載のセンサ素子。
- 該センサ素子(10)の主要面に対して垂直でありかつ該ヒータ(41)の長手軸に対して垂直な方向の該ヒータ(41)の長さは、前記中空エレメント(43,44)の同方向の長さより小さいか、または該長さに等しい、請求項1から4までのいずれか1項記載のセンサ素子。
- 該センサ素子(10)の主要面に対して垂直でありかつ該ヒータの長手方向に対して垂直な方向の該ヒータ(41)の長さは最大でも、前記中空エレメント(43,44)の同方向の長さの半分である、請求項5記載のセンサ素子。
- 前記中空エレメント(43,44)は複数の通路に下位分割されており、
前記通路は該ヒータ(41)の主要面にて、該ヒータ(41)の長手方向に対して垂直に延在する、請求項1から6までのいずれか1項記載のセンサ素子。 - 該センサ素子(33)は、少なくとも1つの電気化学セルを有しており、
前記電気化学セルは、第1の電極(31)および第2の電極(32)を有しており、該第1の電極(31)と第2の電極(32)との間に固体電解質(21)とを有している、請求項1から7までのいずれか1項記載のセンサ素子。 - 該センサ素子(10)には基準ガス空間(35)が挿入されており、
前記基準ガス空間(35)に前記第1の電極(31)が配置されており、
前記基準ガス空間(35)は、該ヒータ絶縁部(42)に直接隣接しているか、または固体電解質膜(23)によって該ヒータ絶縁部(42)から分離されている、請求項8記載のセンサ素子。 - 該ヒータ絶縁部(42)は、固体電解質層(23,24)に隣接している、請求項1から9までのいずれか1項記載のセンサ素子。
- 該ヒータ(41)は、第1のヒータ給電線(45a)および第2のヒータ給電線(45b)に電気的に接続されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のセンサ素子。
- 該センサ素子(10)の主要面に対して垂直方向の該ヒータ(41)の長さは、該ヒータ給電線(45a,45b)の同方向の長さより小さい、請求項11記載のセンサ素子。
- 前記第1のヒータ給電線(45a)および第2のヒータ給電線(45b)は、ヒータ給電線絶縁部(46)によって包囲されており、
前記ヒータ給電線絶縁部(46)は、第1のヒータ給電線(45a)および第2のヒータ給電線(45b)に直接隣接している、請求項11または12記載のセンサ素子。
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