JP2001050502A - ラジアントチューブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内管１内にガスバーナ２を設けた片持ち型ラ
ジアントチューブの保炎性を向上することにより、小口
径化と加熱能力アップを目指す。 【解決手段】 ガスバーナ２のノズル先端部の外周面
に、前後に間隔をおいて主保炎板７と補助保炎板８を設
け、両保炎板７，８の中間及び主保炎板７の前方のノズ
ル周壁に、ノズル軸と直角にそれぞれ保炎孔９，１０を
穿設して、前方の保炎孔９と主保炎板７との間に、斜め
外方に向いた主炎孔１１を穿設した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、金属熱処理炉あるいは
金属溶解炉等に用いられる片持ち型のラジアントチュー
ブに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のラジアントチューブは、図１に
示すように、内管１内に設けられたガスバーナ２の燃焼
排気が内管１の先端で折り返して外管３を通り、外管３
の基端部から排気筒４へ排出されるように構成されてい
るが、内部を二重管構造にして内管内にバーナを設置す
る必要があるため、バーナを大型化できない上にバーナ
の燃焼スペースを広くとることができないという問題が
あり、できるだけ断面負荷率の高いバーナが要求され
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図２は、図１において
円で囲んだガスバーナ部分の拡大図、すなわち一般に片
持ち型のラジアントチューブに使用されているエアコー
ン式ガスバーナの構造を示したもので、ガスノズルの先
端にカップ状のエアコーン１４を取り付け、コーン１４
の周壁に多数の空気吸引孔１５を穿設すると共に、燃料
ガスをガス噴出孔１６からコーン１４の内面に沿って噴
出させることにより、ガスと空気とをコーン１４内で効
率よく混合しながら燃焼させ、強固な保炎を行わせるよ
うにしたものであるが、この従来構造は両端支持型のラ
ジアントチューブと比較すると加熱能力が著しく劣り、
また内外管１，３を耐食性の高いセラミック製とした場
合は特に、燃焼量を増加しようとすると、どうしてもチ
ューブの口径が大きくなってしまうという問題があっ
た。そこで本発明は、ガスバーナの構造を改良すること
によって、チューブの大型化を伴わずに加熱能力を向上
し得るような片持ち型のラジアントチューブを提供する
ことを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、図１に示すよ
うに、内管１内に設けられたガスバーナ２の燃焼排気が
内管１の先端で折り返して外管３を通り、外管３の基端
部から排気筒４へ排出されるように構成されたラジアン
トチューブにおいて、ガスバーナ２のノズル先端部の外
周面に、前後に若干の間隔をおいてそれぞれ複数の整流
孔５，６を穿設したフランジ状の主保炎板７及び補助保
炎板８を突設し、両保炎板７，８の中間及び主保炎板７
の前方のノズル周壁に、ノズル軸と直角にそれぞれ複数
の保炎孔９，１０を穿設すると共に、前方の保炎孔９と
主保炎板７との間において、該保炎孔７とは互い違いの
位置に、斜め外方に向いた主炎孔１１を穿設したもので
あって、保炎板７，８、整流孔５，６及び保炎孔９，１
０の独特の配置により、きわめて限定されたスペース内
で高負荷燃焼させ得る構造を実現した点に特徴を有する
ものである。

【０００５】

【発明の実施の形態】図１は本発明の一実施例を示した
ものである。片持ち型のラジアントチューブの外管３
は、基端部が炉壁によって保持され、先端部がドーム状
に閉塞されており、ガスバーナ２から発生する燃焼排気
は、内管１の先端で折り返して外管３を通り、外管３の
基端部から排気筒４へ排出されるようになっている。ガ
スバーナ２のノズル先端部の外周面には、相互に若干の
間隔をおいて前後２枚のフランジ状保炎板７，８すなわ
ち主保炎板７及び補助保炎板８が突設されており、各保
炎板７，８にそれぞれ複数の整流孔５，６が穿設されて
いる。後側の補助保炎板８にはリング状に８個の整流孔
６が穿設され、前側の主保炎板７には二重リング状に８
対の整流孔５が穿設されており、しかもこれらの整流孔
５及び６同士が相互に互い違いの関係に配置されてい
る。また両保炎板７，８の中間位置において、補助保炎
板８の一つおきの整流孔６のちょうど前方に向けてノズ
ル周壁にノズルの軸方向と直角な４個の保炎孔１０が穿
設されており、また主保炎板７の前方のノズル周壁にお
いても、同じくノズルの軸方向と直角な方向に向けて、
隣同士の整流孔対９の中間位置に４個の保炎孔９が穿設
され、更にこれらの保炎孔９とは互い違いの位置関係
で、すなわち８対の整流孔５の中間位置におけるノズル
周壁に、斜め外方に向いた主炎孔１１と上記保炎孔９と
が交互に穿設されている。なおノズル先端面の孔１２は
スパークプラグ１３（図１参照）の挿通孔である。

【０００６】図３において、主炎及び保炎による燃焼は
主保炎板７よりも前方で行われ、定格出力時には主炎は
主炎孔１１からリフトするが、主保炎孔９から噴出して
いる保炎は、主保炎板７の整流孔５から噴出する空気に
既に燃料ガスが混合されているために、付着性がきわめ
て良好であり、それによって主炎を強固に保炎すること
ができるのである。実際にテストを行った結果、図３〜
図５の本発明構成により、小口径の片持ち型ラジアント
チューブが可能となった。すなわち図２の従来タイプに
よるセラミック製チューブの最小サイズは、外管の口径
６０ｍｍ，内管の口径４０ｍｍであったが、本発明構成
では外管５０ｍｍ，内管２５ｍｍ（セラミック）が実現
できた。また本発明により断面負荷率が大幅に改善さ
れ、当社比で図２の従来例の約２倍の高負荷燃焼が可能
となった。

【０００７】

【発明の効果】本発明は上述のように、補助保炎板８に
より予めよく混合した混合気を主保炎板７に供給するこ
とにより主保炎の付着性を向上し、更にこの主保炎の中
に主炎ガスを噴出させることによって、強固な保炎を実
現し得たものであって、このように２枚の保炎板７，８
と主炎孔１１及び保炎孔９，１０を巧みに組み合わせた
独特の配置により、二重管構造のラジアントチューブの
内管内というきわめて限定されたスペース内で高負荷燃
焼を行わせることができ、それによって比較的小口径の
二重巻チューブを可能とし、例えば小口径鋼管内面の熱
処理等の用途に適したラジアントチューブを提供し得る
という利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例の縦断面図。

【図２】同上の要部縦断面図。

【図３】本発明の要部断面図。

【図４】図３のＡ−Ａから見た矢視図。

【図５】図３のＢ−Ｂから見た矢視図。

【符号の説明】

１ 内管 ２ ガスバーナ ３ 外管 ４ 排気筒 ５ 整流孔 ６ 整流孔 ７ 主保炎板 ８ 補助保炎板 ９ 主保炎孔 １０ 補助保炎孔 １１ 主炎孔 １２ プラグ挿通孔 １３ スパークプラグ １４ エアコーン １５ 空気吸引孔 １６ ガス噴出孔

フロントページの続き Ｆターム(参考） 3K017 BA02 BA07 BB07 BC05 BE09 BE14 BG03 3K091 AA05 AA17 BB08 BB26 CC06 CC22 DD10 EA16 EA18

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内管内に設けられたガスバーナの燃焼排
   気が内管の先端で折り返して外管を通り、排気筒へ排出
   されるように構成された片持ち型のラジアントチューブ
   において、上記ガスバーナのノズル先端部の外周面に、
   前後に間隔をおいて主保炎板と補助保炎板を設け、両保
   炎板の中間及び主保炎板の前方のノズル周壁に、ノズル
   軸と直角にそれぞれ保炎孔を穿設すると共に、前方の保
   炎孔と主保炎板との間に、斜め外方に向いた主炎孔を穿
   設したことを特徴とするラジアントチューブ。
2. 【請求項２】 内管の中央にスパークプラグを貫設した
   ことを特徴とする請求項１記載のラジアントチューブ。
3. 【請求項３】 内管及び外管をセラミック製としたこと
   を特徴とする請求項１記載のラジアントチューブ。