JP2001049707A - 流量調節具 - Google Patents

流量調節具

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Abstract

(57)【要約】 【課題】節水駒よりも節水効果が高く使いやすい節水器
具を提供する。 【解決手段】給水栓部分の流路内に設置される流量調節
具1として、上流側に設けられて水流をせき止めるダム
室2と、該ダム室の壁面にあけられたノズル孔3と、該
ノズル孔に連通した末広がり形状のスカート室4と、を
内部に形成したジェット噴流式の流量調節具を提供す
る。この流量調節具を経て最終的に給水栓から吐水され
る水流は、ダム室及びノズル孔の組み合わせにより大幅
に節水されているが、その流量感は、ノズル孔及びスカ
ート室の組み合わせにより高い流速が加えられているた
めに、節水器具を取り付ける前に比べて遜色のない感覚
を得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給水管設備におけ
る給水栓部分の流路に設けられて流水量を調節する器具
に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、環境への配慮か
ら節約が叫ばれており、節水についても、自治体で給水
栓の節水駒を配布するなど各種取り組みが行われてい
る。しかし節水駒は、半開程度までなら威力を発揮する
が、栓を全開させれば流量を抑えることができないし、
給水栓から出る水流量が極端に変わってしまうので、使
い勝手が今ひとつよくないという不具合をかかえてい
る。
【0003】そこで本発明では、節水駒などに代わる新
たな節水器具を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、給水栓
部分の流路内に設置される流量調節具として、給水管か
らの水流をせき止めるダム室と、該ダム室の壁面にあけ
られたノズル孔と、該ノズル孔に連通した末広がり形状
のスカート室と、を内部に形成したジェット噴流式の流
量調節具を提供する。
【0005】この流量調節具では、ダム室で給水管の水
流を受け止めてノズル孔からジェット噴射させる方式と
してある。そのノズル孔は流速を高めるために細いほど
よく、したがって、このダム室とノズル孔の組み合わせ
により流量を大幅に抑えることができる。一方、ノズル
孔から噴出した水流は、ノズル孔から末広がり形状とし
たスカート室により、給水栓の吐水方向へ噴射方向がま
とめられて流れていく。最終的に給水栓から吐水される
水流は、ダム室及びノズル孔の組み合わせにより大幅に
節水されているが、その流量感は、ノズル孔及びスカー
ト室の組み合わせにより高い流速が加えられているため
に、節水器具を取り付ける前に比べて遜色のない感覚を
得られる。また、スカート室が備えられていることか
ら、ノズル孔の水切り音が抑えられ静寂性も高い。
【0006】このような機能をもつ流量調節具のダム室
は、ノズル孔を底面にあけたお椀(ワイグラス)形(せ
き止め力に優れる)、あるいは、ノズル孔に向かって先
細りとなる円錐形(加工性がよりよい)とすることがで
きる。またスカート室も同じように、ノズル孔につなが
る底面をもったお椀(ワイングラス)形やノズル孔から
徐々に拡開する円錐形(加工性がよりよい)の末広がり
形状とすることができる。そして、これらダム室、ノズ
ル孔、スカート室のいずれか又は全部について、その壁
面に螺旋状の溝を形成しておくことも可能である。これ
によると、水流にねじりが加わるので、流量感に有利に
働く。
【0007】流量調節具の外形については、たとえば給
水栓の吐水口に設けられる自在吐水パイプに嵌合可能な
筒部と、該筒部の外周面に凸設され、たとえば自在吐水
パイプの端面に係止する顎部と、からなる形状とし、そ
の顎部を、一例として給水栓の吐水口内の段差面と自在
吐水パイプの端面とで挟み込むものとすることができ
る。この場合、ダム室、ノズル孔、スカート室は筒部内
に形成される。さらにこの場合、スカート室開口側の筒
部先端部の角部分を面取り加工する、あるいは、筒部外
周面における顎部付け根部分に溝を凹設するようにして
おくのが好ましい。すなわち、筒部先端に面取り加工を
施しておくことで乱流の逃がしが形成され、これにより
水が流れるときのビビリ音を抑制することができる。ま
た、顎部付け根に一筋の溝、いわゆる“ヌスミ”を形成
しておくことで、取付先の自在吐水パイプに歪みが生じ
ている場合の逃げとなり、多少の歪みがあっても確実に
取り付けることができ、漏水防止に役立つ。加えてこの
溝にパッキングをはめて使用することも可能で、遮水性
をさらに向上させることもできる。
【0008】また、ダム室には、酸化チタンなどから形
成したイオン化部材や遠赤外線強化セラミックスなどか
ら形成した活性化部材の両方あるいは一方をはめ込んで
使用するようにしてもよい。さらに、ノズル孔にも、イ
オン化部材や活性化部材をはめ込んで使用することがで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1に、本発明に係る流量調節具
の斜視図、図2及び図3にその断面図、図4にその取付
状態を説明した給水栓の断面図をそれぞれ示し、一実施
形態を説明する。
【0010】本例の流量調節具1は、給水栓10の吐水
口11に取り付けられる自在吐水パイプ12に嵌合する
筒部1aと、この筒部1aの上流側端部外周面に凸設し
た顎部1bと、からなる外形をもつ。したがって、筒部
1aを自在吐水パイプ12内に挿入すると顎部1bが自
在吐水パイプ12の端面に係止し、該顎部1bが自在吐
水パイプ12の端面と吐水口11の段差面との間で挟持
される。これにより、流量調節具1が給水栓10の流路
内に設置され、節水機能を発揮することになる。なお、
取付位置はこれに限らず、給水栓10の根本側10aで
もよいし、自在吐水パイプ12の先端のほうでもよく、
給水管設備における給水栓部分の流路内にあれば、適当
な部位に設置可能である。
【0011】流量調節具1は、図2に示すように、ダム
室2、ノズル孔3、スカート室4を筒部1aの内部に形
成して連通させてある。ダム室2は、水流の上流へ向か
って開口するお椀形に形成されており、給水管からの水
流を受けてせき止める形状をもつ。このようなせき止め
形状には他にも、じょうご形や、スカート室4同様の円
錐形(すり鉢形)がある。そして、このような形状のダ
ム室2の壁面に、螺旋状の溝(図示略)をねじ切り形成
しておくことができる。この螺旋状の溝は、ノズル孔2
やスカート室4にも同様に形成しておくとよい。
【0012】ノズル孔3は、ダム室2の底面にあけられ
ている。したがって、広いダム室2にせき止められる水
流が細いノズル孔3へ集中して流れ出る結果、ジェット
噴流となり、その流速は給水管での流速の何倍にも高め
られる。このノズル孔3に連通させて下流側には、スカ
ート室4が形成されている。スカート室4は、ノズル孔
3から下流へいくにつれて拡開する円錐形となってお
り、ノズル孔3から噴射されるジェット水流を自在吐水
パイプ12の吐水口へ向かうように整流する役割をも
つ。すなわち、ノズル孔3&スカート室4でジェットエ
ンジンのノズル噴射口のような機能を発揮する。このよ
うな機能のスカート室4は、円錐形の他にじょうご形や
お椀形としてもよい。
【0013】本例ではさらに、筒部1aの外周面におけ
る顎部1bの付け根部分に、溝1cを凹設して1周させ
てある。この溝1cによるいわゆる“ヌスミ”の形成に
よって、自在吐水パイプ12の端部が多少楕円形などに
歪んでいたとしてもその歪みの逃げがつくられるので、
確実にはめ込むことができる。またさらに、本例の流量
調節具1では、スカート室4が開口する側の筒部1aの
先端部について、その角部分を面取り加工することによ
り面取り部1dを形成している。この面取り部1dが、
水が流れているときの乱流に作用し、面取り部1dを形
成しない場合に比べてビビリ音を抑制することができ
る。
【0014】図3には、流量調節具1の他の例が記載さ
れている。この例では、ダム室2の開口端部分に酸化チ
タン製のイオン化部材5と、遠赤外線強化セラミックス
製の活性化部材6とを重ねてはめ込んである。ただしこ
の他にも、二点鎖線で示すように、ダム室2の開口端部
分にイオン化部材5をはめ込み、スカート室4の開口端
部分に活性化部材6をはめ込むなど、各種組み込み形態
が可能である。加工性や組み込み強度を考えれば、図示
の重ねてはめ込む形態が最も適している。また、必要に
応じてノズル孔3にも、同様の手法にてイオン化部材
5’あるいは活性化部材6’をはめ込むようにできる。
これら部材は、それぞれ単独で設けてもよいし、図示の
ように2以上組み合わせて設けるようにしてもよい。
【0015】このようなイオン化部材5,5’や活性化
部材6,6’は、流量調節具1を熱し膨張させておいて
組み付け箇所にはめ込んだ後に冷却することで、きつく
嵌合させてある。
【0016】イオン化部材5,5’には酸化チタンが適
しているものである。チタンは硬度が高く、鏡面仕上げ
にすると不純物が付着しにくいという利点があり、ステ
ンレスよりも比重が軽く酸化に強い。そして、酸化チタ
ンに加工すると表面積が大きくなり(多孔質化)、イオ
ン化効果が高くなるという長所をもつ。このような酸化
チタン製のイオン化部材5,5’に対しては、紫外線照
射を実施して殺菌、脱臭、有害物質分解の能力を十分に
発揮させるようにしておくとなおよい。
【0017】一方の活性化部材6,6’には、遠赤外線
強化セラミックスが適している。すなわち、活性化部材
は、通り過ぎる水の分子(クラスター)に刺激ストレス
を与えることにより傷を付け、これにより分子自体を小
さくして表面張力を弱くするという役割をもつ。この結
果、浸透性が高まり、汚れた食器などに対する洗浄力が
増し、また、飲用したときに人体への吸収力もよくなる
という効果を発揮する。つまり活性化部材は、水の分子
集団を小さくすることにより水を活性化させ、“活きた
水”を造りだすものであり、これには、細かな格子を作
成しやすく且つ硬いセラミックス製が適している。
【0018】
【発明の効果】本発明の流量調節具は、たとえば自在吐
水パイプにはめるだけの簡単な作業で給水栓へ取り付け
られる。そして、ダム室−ノズル孔−スカート室からな
るジェット噴流式の節水構造としたことにより、流量感
を損なうことなく高い節水効果を得られる。したがっ
て、各家庭はもちろんのこと、飲食店など事業所におい
て使用することにより、抜群の節水効果を発揮すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流量調節具の斜視図。
【図2】本発明の流量調節具の断面図。
【図3】分図(a)は本発明の流量調節具にイオン化部
材及び活性化部材を組み入れた状態の断面図、分図
(b)はイオン化部材の平面図、分図(c)は活性化部
材の平面図。
【図4】本発明の流量調節具を給水栓に取り付けた状態
を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 流量調節具 1a 筒部 1b 顎部 2 ダム室 3 ノズル孔 4 スカート室 5 イオン化部材 6 活性化部材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給水栓部分の流路内に設置される流量調
    節具であって、給水管からの水流をせき止めるダム室
    と、該ダム室の壁面にあけられたノズル孔と、該ノズル
    孔に連通した末広がり形状のスカート室と、を内部に形
    成したことを特徴とする流量調節具。
  2. 【請求項2】 ダム室が、ノズル孔を底面にあけたお椀
    形である請求項1記載の流量調節具。
  3. 【請求項3】 ダム室が、ノズル孔に向かって先細りの
    円錐形である請求項1記載の流量調節具。
  4. 【請求項4】 スカート室が、ノズル孔から拡開する円
    錐形である請求項1〜3のいずれか1項に記載の流量調
    節具。
  5. 【請求項5】 ダム室、ノズル孔、スカート室のいずれ
    か又は全部の壁面に、螺旋状の溝を形成した請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の流量調節具。
  6. 【請求項6】 筒部と、この筒部の外周面に凸設した顎
    部と、からなる外形とされ、前記筒部内にダム室、ノズ
    ル孔及びスカート室が形成される請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の流量調節具。
  7. 【請求項7】 スカート室開口側の筒部先端部の角部分
    を面取り加工してある請求項6記載の流量調節具。
  8. 【請求項8】 筒部外周面における顎部付け根部分に溝
    を凹設してある請求項6又は請求項7記載の流量調節
    具。
  9. 【請求項9】 ダム室に、イオン化部材をはめ込んであ
    る請求項1〜8のいずれか1項に記載の流量調節具。
  10. 【請求項10】 ダム室に、活性化部材をはめ込んであ
    る請求項1〜9のいずれか1項に記載の流量調節具。
  11. 【請求項11】 ノズル孔に、イオン化部材又は活性化
    部材をはめ込んである請求項1〜10のいずれか1項に
    記載の流量調節具。
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