JP2001049445A - 銀導電膜上への無電解めっき方法 - Google Patents

銀導電膜上への無電解めっき方法

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JP2001049445A
JP2001049445A JP22719199A JP22719199A JP2001049445A JP 2001049445 A JP2001049445 A JP 2001049445A JP 22719199 A JP22719199 A JP 22719199A JP 22719199 A JP22719199 A JP 22719199A JP 2001049445 A JP2001049445 A JP 2001049445A
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silver
electroless plating
silver conductive
iodine
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JP22719199A
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Toshiyuki Yoshikata
敏之 芳片
Haruhiko Okuno
晴彦 奥野
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Okuno Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Okuno Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】導体ペーストとして最も汎用されている銀系導
電ペーストにより形成した導電膜について、パラジウム
等の触媒成分を付与することなく、単に前処理を施すだ
けで、選択的に無電解めっき皮膜を形成できる方法を提
供する。 【解決手段】基材上に銀導電膜が部分的に形成された材
料の少なくとも銀導電膜表面を、ヨウ素を含有する溶液
と接触させ、次いで、ヨウ化物を溶解できる溶液と接触
させた後、無電解めっき液と接触させることを特徴とす
る銀導電膜上への無電解めっき方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀導電膜上のへ無
電解めっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックス、セラミックス、ガラ
ス、ガラス−セラミックス等の基板上、あるいは、コン
デンサーの端子部分等の成形体表面を部分的に導電化す
るために、金、銀、ニッケル、銅、白金、パラジウム、
酸化ルテニウム等の金属粉、金属酸化物、有機金属化合
物等を含む導電ペースト類を、印刷法、フォトリソグラ
フィー法等でパターニング施工することが行われてい
る。
【0003】これらの導電ペーストは、基材との密着性
を向上させるために、例えば熱硬化タイプのペーストに
ついては、エポキシ樹脂等の樹脂類、焼成タイプのペー
ストについては低融点ガラス粉末を1〜10重量%程度
の範囲で含有しており、硬化後あるいは焼成後に、これ
ら成分は形成される導電膜中に残存する。それゆえ、形
成された導電膜は、通常の導電体としての使用には問題
ないが、大電流回路や信頼性のあるハンダ接合を必要と
する場合等には不具合を生じることがある。よって、こ
れらの導電ペーストを使用して形成された導電膜上に
は、しばしば、何らかの方法で、より純金属に近い金属
による皮膜を形成することが望まれる。
【0004】このための金属被覆方法としては、一般に
めっき技術が採用されている。被処理物の導電部分が端
子のように単独の場合や、連続的に導電回路が形成され
ている場合には、バレルめっきや少なくとも両端を端子
として電気めっきが可能である。しかしながら回路が部
分部分で独立している場合には、電気めっきを採用する
ことは難しく、通常無電解めっき法が採用される。
【0005】一般に非導電体上に無電解めっきを行う場
合には、例えばパラジウムなどの触媒を予め非導電体表
面に付与し、これを核として銅、ニッケルなどの析出が
開始される。上記導電ペーストを使用して基板上に形成
された銀皮膜上には、銀等の金属成分の触媒能のため
に、理論上は触媒を付与することなく、直接無電解めっ
きが可能のように思われるが、実際には金属分以外の成
分の影響や、熱硬化、焼成等による金属成分の変質、ガ
スかぶり等の影響を受けて、一部分にのみめっきが析出
したり、全くめっきが析出しない場合がある。
【0006】このため、通常は、導電膜上に均一な無電
解めっき皮膜を形成するためには、導電膜を形成した基
材をパラジウム等の触媒成分を含有する水溶液に浸漬し
て触媒成分を付与した後、無電解めっきが行われてい
る。この場合、導電膜部分にのみ無電解めっきが析出す
る理由は、パラジウム等の触媒は、比較的選択的に吸着
され、導電膜部分には多量に吸着されるが、非道電体部
分には少量吸着されるだけであり、この差を利用してい
るからである。さらに無電解めっき液中に析出能力を抑
える安定化剤と称される鉛、ベリリウム等の金属塩、窒
素化合物、イオウ化合物、シアン化合物などを通常より
多く添加し、非導電体部分に存在する少量の触媒成分に
は感応することなく、多量の触媒成分が存在する導電膜
部分にのみに感応するような工夫がなされおり、これに
より部分めっきが行われている。
【0007】しかしながら、基材上に導電回路を形成し
た基板を被処理物とする場合には、上記した選択的無電
解めっき方法では、回路間の非導電体部分に、少量であ
れパラジウム等の触媒成分が存在するため、この触媒成
分によって絶縁性に対する信頼度に問題があった。さら
に無電解めっきを行う際に、めっき液中の還元剤、金属
塩等の補充を行い、繰返し使用すると、無電解めっき液
のバランスの崩れによって、非導電体部分に付着した少
量の触媒成分にも感応して、非導電体部分へのめっきの
析出(回路よりのはみだしめっき析出)が生じるという
問題がしばしば生じている。
【0008】また、一般にパラジウム触媒付与液は、強
酸性であり、この付与液に浸漬することにより、導体皮
膜中のバインダーが侵食され、その結果、被覆金属の基
材に対する密着力が低下するという問題もある。
【0009】この様な回路の絶縁性低下や短絡の発生、
さらには密着力の低下の問題は、回路形成において致命
的な問題であり、当業界において苦慮しているのが現状
である。
【0010】上記した従来の導電膜部分への選択めっき
の方法における問題点は、導電性ペーストに含まれる金
属成分の種類にかかわらず存在するものであり、その解
消が望まれているが、特に、空気雰囲気下で焼成が可能
であって、コスト的にも安価であり、当業界で最もその
使用量の多い銀系導電性ペーストを用いる場合に、かか
る問題の解決が強く望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
導体ペーストとして最も汎用されている銀系導電ペース
トにより形成した導電膜について、パラジウム等の触媒
成分を付与することなく、単に前処理を施すだけで、選
択的に無電解めっき皮膜を形成できる方法を提供するこ
とである。
【0012】さらに、本発明の他の目的は、導電回路を
形成した基板の回路間の非導電部にパラジウム等の無電
解めっき用の触媒成分の存在がなく、絶縁性にすぐれ、
導電体部分よりはみだして形成されためっき層がなく、
しかも基板に対する密着力の良好なめっき金属により被
覆された銀系導電体回路を形成した基板を提供すること
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した如
き問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、銀の導電膜を
部分的に形成した基材の少なくとも銀導電膜表面を、ヨ
ウ素含有化合物の溶液と接触させた後、該銀導電膜上に
形成されたヨウ化物を溶解することによって、パラジウ
ム等の触媒金属を付与すること無く、直接、銀導電膜上
にのみ均一な無電解めっき皮膜を形成することが可能と
なり、触媒金属を付与することに基づく問題点を解消で
きることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0014】即ち、本発明は、以下の銀導電膜上のへ無
電解めっき方法を提供するものである。 1.基材上に銀導電膜が部分的に形成された材料の少な
くとも銀導電膜表面を、ヨウ素を含有する溶液と接触さ
せ、次いで、ヨウ化物を溶解できる水溶液と接触させた
後、無電解めっき液と接触させることを特徴とする銀導
電膜上への無電解めっき方法。 2.ヨウ素を含有する溶液が、水、水−アルコール混合
溶媒又はアルコールを溶媒とし、ヨウ素含有量が0.5
g/l以上の溶液である上記項1に記載の銀導電膜上へ
の無電解めっき方法。 3.ヨウ化物を溶解できる水溶液が、チオ硫酸塩、亜硫
酸塩、チオシアン酸塩及びシアン化物から選ばれる少な
くとも1種の化合物を含有する水溶液である上記項1に
記載の銀導電膜上への無電解めっき方法。 4.ヨウ化物を溶解できる水溶液が、少なくとも一種の
シアン化物を含有する水溶液である上記項1に記載の無
電解めっき方法。 5.基材上に銀導電膜が部分的に形成された材料が、銀
の導体回路が形成された配線板である上記項1に記載の
無電解めっき方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の銀導電膜上への
無電解めっき方法について詳述する。
【0016】本発明方法の処理対象物は、基材上に部分
的に銀の導電膜が形成された材料である。この様な材料
において使用できる基材としては、特に限定的ではな
く、従来から、銀系ペーストにより導電膜が部分的に形
成されている基材であれば良く、例えば、板状基材、フ
ィルム状基材等の他に、棒状基材、立方体基材等の各種
形状の成形体等も用いることができる。
【0017】本発明で用いることができる基材の材質に
ついては特に限定はなく、有機質及び無機質のいずれの
基材でも良い。有機質の基材としては、ガラスエポキシ
樹脂基板、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリカーボネート基板等を例示でき、
無機質の基材としては、セラミック類、すなわちアルミ
ナ基板、窒化アルミ基板、セラミック誘電体材料の成形
品、ガラス類としてはソーダライムガラス板、比較的低
膨張の高融点ガラス、その他ガラス−セラミック類を材
料とする基材等を採用することができる。
【0018】前記基材上に導電膜を形成するために用い
る銀系ペーストとしては、公知のものを用いることがで
きる。例えば、有機質基材に対しては樹脂をバインダー
とした銀ペーストを用いることができる。これらは熱硬
化タイプ、熱乾燥タイプを問わない。基板との密着力の
面を考慮すると150〜200℃で加熱する熱硬化タイ
プが好ましい。無機質基材に対しては、500〜900
℃で焼成して基材に固着するための低融点ガラスをバイ
ンダーとして含有する銀ペーストを使用することがで
き、該低融点バインダーは、通常、銀ペースト中に1〜
10質量%程度含まれる。
【0019】銀ペースト中に含まれる導電粉末として
は、銀粉末単独、又は銀粉末の他に、パラジウム、白
金、金等の金属粉末を全導電粉末中0.1〜20重量%
程度含有する混合粉末を用いることができる。
【0020】各種基材に対して銀ペーストをパターニン
グ配置する方法としては、公知の方法に従えば良く、ス
クリーン印刷方法が一般的であり、線幅100μm、ピ
ッチ200μmまではこの方法で可能である。さらに微
細なパターンの形成は、感光性のビヒクルを使用するこ
とによりフォトリソグラフィー法で行うことができる。
【0021】かくして得られた銀による導電膜を部分的
に形成した基材は、先ず、必要に応じて脱脂剤水溶液と
接触させて、銀皮膜表面を脱脂する。特に、焼成により
形成された銀導電膜の表面は、焼成炉中で有機物ガスで
汚染されている場合もあり、脱脂を行うことが好まし
い。脱脂剤としては、温アルカリリン酸塩水溶液が適当
であるが、銀皮膜中のバインダーが侵食される場合もあ
るので、接触時間は必要最短時間とすることが好まし
い。
【0022】本発明方法では、まず、上記した基材上に
銀の導電膜が部分的に形成された材料の少なくとも銀導
電膜部分を、ヨウ素を含有する溶液と接触させる。
【0023】ヨウ素を含有する溶液におけるヨウ素濃度
は0.5g/l程度以上とすることが好ましく、この様
な濃度とすることによって、ヨウ素を十分に銀表面と反
応させることができる。連続的に多量の銀回路基板を処
理する場合には、短時間毎の補給が必要となるので、ヨ
ウ素濃度を5g/l程度以上とすることが好ましい。濃
度の上限は特に規定されないが、濃厚なヨウ素溶液は基
板に付着してくみ出された時、経済的にも排水処理上も
問題であるので、通常は、ヨウ素濃度を50g/l程度
以下とすることが好ましい。
【0024】ヨウ素を含有する溶液の溶媒としては、
水、アルコール、水−アルコール混合溶媒等を用いるこ
とができる。アルコールとしては、メチルアルコール、
エチルアルコール、イソプロピルアルコール等を用いる
ことが好ましい。
【0025】水を溶媒とする場合には、ヨウ素単独では
水に溶解しないので、ヨウ化カリウム及びヨウ化ナトリ
ウムから選ばれた少なくとも一種の化合物を添加するこ
とが必要である。ヨウ化カリウム及びヨウ化ナトリウム
から選ばれた少なくとも一種の化合物の添加量について
は、ヨウ素の含有量に応じて、ヨウ素を十分に溶解でき
る量とすれば良く、例えば、ヨウ素濃度5g/l程度の
水溶液を調製する場合には、25g/l程度の添加量と
すればよい。ヨウ素濃度がこれより高い場合には、ヨウ
化カリウム及びヨウ化ナトリウムから選ばれた少なくと
も一種の化合物の添加量を適宜増加し、ヨウ素濃度がこ
れより低い場合には、ヨウ化カリウム及びヨウ化ナトリ
ウムから選ばれた少なくとも一種の化合物の添加量を適
宜減少させればよい。
【0026】水−アルコール混合溶媒を用いる場合に
も、水の配合割合が多い場合や、ヨウ素濃度が高い場合
には、ヨウ素を完全に溶解できないことがあり、この様
な場合にも、ヨウ化カリウム及びヨウ化ナトリウムから
選ばれた少なくとも一種の化合物を適宜添加して、ヨウ
素を完全に溶解させる。
【0027】銀導電膜の表面を、ヨウ素を含有する溶液
と接触させる方法としては、通常は、ヨウ素を含有する
溶液に、銀導電膜を形成した材料を浸漬すればよいが、
銀導電膜部分にヨウ素含有溶液を噴霧しても良い。
【0028】ヨウ素含有溶液を銀導電膜と接触させる際
の条件としては、ヨウ素含有溶液の温度は、常温でよ
く、通常、5〜35℃程度、好ましくは25±5℃程度
とすればよい。接触時間は、10〜120秒程度で十分
である。
【0029】この際、銀皮膜の表面で銀とヨウ素が反応
してヨウ化銀が生成し、銀皮膜表面に固着しているもの
と考えられる。
【0030】次いで、水洗した後、銀導電膜表面に固着
しているヨウ化物を除去するために、基材上の少なくと
も銀導電膜部分をヨウ化物を溶解できる水溶液と接触さ
せる。
【0031】ヨウ化物を溶解できる水溶液としては、チ
オ硫酸塩、亜硫酸塩、チオシアン酸塩及びシアン化合物
から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有する水溶液
を用いることが好ましい。これらの内で、チオ硫酸塩と
しては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ
硫酸アンモニウム等を例示でき、亜硫酸塩、チオシアン
酸塩、シアン化合物としては、それぞれのナトリウム
塩、カリウム塩等を用いることができる。これらの化合
物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができ
る。
【0032】これらの化合物の水溶液中での濃度は、ヨ
ウ化物との反応性に応じてそれぞれ異なり、チオ硫酸塩
を用いる場合には、100g/l〜400g/l程度、
亜硫酸塩を用いる場合には100〜400g/l程度、
チオシアン酸塩を用いる場合には50〜300g/l程
度、シアン化合物(シアン化ソーダ、シアン化カリ)を
用いる場合には1〜50g/l程度とすることが好まし
い。濃度が低すぎるとヨウ化物を完全に溶解できず、濃
度が高すぎても不経済であり、排水処理上も不利であ
る。
【0033】異なる種類の化合物を併用する場合には、
各化合物の作用が組み合わされるので、それぞれの種類
の化合物の濃度としては、上記範囲を下回る濃度で用い
ることが可能である。
【0034】本発明では、特に、ヨウ化物を溶解できる
水溶液としては、少なくとも一種のシアン化合物を含有
する水溶液を用いることが好ましい。
【0035】ヨウ化物を溶解できる水溶液は、pH調整
を行うことなく使用できるが、該溶液中に硫黄原子を含
有する化合物が含まれる場合には、遊離の硫黄が析出し
て銀皮膜表面に固着し、次工程の無電解めっきにおい
て、未析出部分が生じる場合がある。この様な現象を抑
制するためには、必要に応じてアルカリ化合物を添加し
てpH調整を行い、該水溶液をpH12程度以上として
用いればよい。
【0036】ヨウ化物を溶解できる水溶液を、銀導電膜
と接触させる方法としては、通常は、ヨウ化物を溶解で
きる水溶液に、ヨウ素を含有する溶液で処理した材料を
浸漬すればよいが、銀導電膜部分にヨウ化物を溶解でき
る水溶液を噴霧しても良い。処理液の液温は、常温でよ
く、通常、5〜35℃程度、好ましくは25±5℃程度
とすればよい。接触時間は10〜120秒程度で十分で
ある。
【0037】また、ヨウ化物を溶解できる水溶液による
処理を行う際に、処理液に超音波振動を与えることによ
り、よりスムーズに処理を進行させることができる。
【0038】このようにして処理された銀の導電膜表面
は、次の工程の無電解めっきを行うために、十分な活性
点が形成されたものと推察される。
【0039】上記方法により処理された銀導電膜を形成
した材料は、水洗後、無電解めっき処理に供される。本
発明の方法において好適に使用できる無電解めっき液
は、銅、ニッケル、金、銀、又はパラジウムを析出させ
るためのめっき液である。更に、これらの無電解めっき
液以外に、ニッケル−コバルト、ニッケル−モリブデ
ン、ニッケル−タングステン、鉛−スズ等の公知の無電
解めっき液をいずれも用いることができる。無電解めっ
き液の一例として、次のものを挙げることができる。
【0040】無電解銅めっき液としては、銅塩として硫
酸銅、錯化剤としてロッシェル塩、還元剤としてホルマ
リン、その他安定剤として有機イオウ化合物を含むアル
カリサイドのめっき液を用いることができる。
【0041】無電解ニッケルめっき液としては、ニッケ
ル塩として硫酸ニッケル又は塩化ニッケル、錯化剤とし
てクエン酸、リンゴ酸などのオキシカルボン酸、還元剤
として次亜リン酸ソーダ、安定化剤として鉛、ベリリウ
ム等を含む酸性サイドのめっき液を用いることができ
る。
【0042】無電解金めっき液としては、金塩として、
シアン化金酸カリ、錯化剤としてEDTA(エチレンジ
アミン四酢酸)、還元剤としてジメチルアミンボランを
含むめっき液を用いることができる。無電解銀めっきと
しては、銀塩として硝酸銀、錯化剤としてアンモニア、
還元剤としてコバルト塩を含むめっき液を用いることが
できる。無電解パラジウムめっき液としては、パラジウ
ム塩として塩化パラジウム、錯化剤としてエチレンジア
ミン、還元剤として蟻酸を含むめっき液を用いることが
できる。
【0043】無電解めっき方法については、めっき液の
種類に応じて、常法に従えば良い。無電解めっき皮膜の
膜厚は、特に限定的ではないが、通常、0.5〜10μ
m程度とすればよい。
【0044】上記した方法である一種の金属の無電解め
っき皮膜を形成した後、更に、必要に応じて、その他の
金属の無電解めっきを行い、複数の金属を積層すること
もできる。例えば、ニッケル皮膜を形成した後、この上
に金皮膜を積層することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明の無電解めっき方法にれば、パラ
ジウム等の触媒成分を付与することなく、銀の導電膜上
にのみ、無電解めっき皮膜を形成することができる。
【0046】この様な無電解めっき方法によって銀回路
上に無電解めっき皮膜を形成した配線基板では、銀回路
は良好な絶縁性が保持され、めっき皮膜の広がりによる
短絡の危険もなく、基板に対する導体回路の密着力の低
下もなく、無電解めっき皮膜により回路の特性が向上し
て、例えば、大電流回路や信頼性のあるハンダ接合を必
要とする場合にも好適に使用できる。
【0047】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1 被処理物として、下記の試料A−1又は試料B−1を用
いた。 (試料A−1)3×3cmのガラスエポキシ樹脂基板上
に、熱硬化型銀ペースト(日本アチソン(株)製、SS
24171)を用いて、スクリーン印刷法により線幅2
00μm、ピッチ400μmの細線パターン20本を形
成した。その後、160℃で7分加熱硬化させて試料と
した。銀導電膜の膜厚は20μmであった。 (試料B−1)3×3cmのアルミナ基板上に、焼成型銀
ペースト((株)ノリタケカンパニーリミテッド製、N
P−4300)を用いて、スクリーン印刷法により、試
料A−1と同様のパターンを形成した。その後、最高温
度800℃で焼成して試料とした。銀導電膜の膜厚は1
8μmであった。上記し試料A−1と試料B−1を、あ
らかじめ脱脂剤(奥野製薬工業(株)製、エースクリー
ンA−220の50g/l水溶液)に50℃で1分間浸
漬することによって脱脂処理を行った。
【0048】次いで、表1に示す各条件により、ヨウ素
溶液に浸漬した後、水洗し、ヨウ化物を溶解できる水溶
液に浸漬した。その後、水洗を行い、無電解銅めっき液
(奥野製薬工業(株)製、OPCカッパ−T−G)に5
0℃で30分間浸漬して無電解銅めっき皮膜を形成し
た。めっき膜厚は約1.7μmであった。
【0049】形成された無電解銅めっき皮膜の析出状態
を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。尚、表1
中では、試料A−1については試料Aと表し、試料B−
1については試料Bと表す。 (めっき析出の均一性)めっき析出面の未析出部分の有
無を顕微鏡にて観察し、下記の基準で評価した。
【0050】 ○:未析出部分なし △:90%以上析出しているがわずかに未析出部分あり ×:10%以上の範囲で未析出部分あり (めっきの広がり)銀回路間を顕微鏡にて観察し、下記
に基準で評価した。
【0051】○:パターン以外には広がっていない。
【0052】△:パターン外に広がっているが、短絡す
るに至っていない。
【0053】×:線間が完全に短絡するほどに広がって
いる。
【0054】
【表1】
【0055】比較例1 試料A−1及び試料B−1について、実施例1と同様に
脱脂処理後、パラジウム触媒付与剤(奥野製薬工業
(株)製、OPC−90キャタリスト)に25℃で、6
分間浸漬し、水洗後、活性化剤(奥野製薬工業(株)
製、OPC−505アクセレーター)に常温で5分間浸
漬し、その後、水洗を行い、実施例1と同様の条件で無
電解銅めっきを行った。
【0056】実施例1と同様にして無電解銅めっき皮膜
の析出状態を評価した結果を下記表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】以上の結果から明らかな様に、本発明方法
によって無電解めっきを行った試料では、銀導電膜上に
のみ均一な無電解銅めっき皮膜が形成された。 実施例2 実施例1における試料A−1及び試料B−1のそれぞれ
と同様の基板及び銀ぺーストを用い、細線パターンに代
えて2×2mmのパッドを10個形成したこと以外は、
実施例1と同様の方法で試料を作製した。これらの試料
をそれぞれ、試料A−2、試料B−2とする。
【0059】その後、実施例1における試験No.1〜
7と同様の条件で処理を行い、実施例1と同様の無電解
銅めっき液を用いて、50℃で1時間無電解銅めっきを
行い、約3μmの銅膜を形成した。
【0060】その後、6:4ハンダを用いてL型スズ引
き銅線をパッド部にハンダ付けし、プッシュプルスケー
ルにて、L型引張り強度を測定し、10点の平均値を算
出した。結果を下記表3に示す。表中では、試料A−2
については試料Aと表し、試料B−2については試料B
と表す。尚、銀皮膜のみのL型引張り強度は、試料A−
2のパッド部で1.8kg/2mm□、試料B−2のパ
ッド部で4.3kg/2mm□であった。
【0061】
【表3】
【0062】比較例2 実施例2と同様の試料A−2及び試料B−2について、
実施例1と同様に脱脂処理後、パラジウム触媒付与剤
(奥野製薬工業(株)製、OPC−90キャタリスト)
に25℃で、6分間浸漬し、水洗後、活性化剤(奥野製
薬工業(株)製、OPC−505アクセレーター)に常
温で5分間浸漬し、その後、水洗を行い、実施例2と同
様の条件で無電解銅めっきを行った。
【0063】実施例2と同様にして無電解銅めっき皮膜
の密着性を評価した結果を下記表4に示す。
【0064】
【表4】
【0065】以上の結果から明らかなように、本発明の
本発明方法によって無電解めっきを行った試料では、め
っき皮膜形成後も、導電膜部分の密着性はほとんど低下
していないが、酸性の触媒付与液に浸漬した後無電解め
っきを行った比較例2の試料については、めっき処理
後、導電膜部分の密着性が大きく低下した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K022 AA02 AA42 BA01 BA03 BA08 BA14 BA18 CA14 CA15 CA16 CA22 DA01 5E082 BC32 BC40 GG10 GG11 GG26 GG28

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に銀導電膜が部分的に形成された材
    料の少なくとも銀導電膜表面を、ヨウ素を含有する溶液
    と接触させ、次いで、ヨウ化物を溶解できる水溶液と接
    触させた後、無電解めっき液と接触させることを特徴と
    する銀導電膜上への無電解めっき方法。
  2. 【請求項2】ヨウ素を含有する溶液が、水、水−アルコ
    ール混合溶媒又はアルコールを溶媒とし、ヨウ素含有量
    が0.5g/l以上の溶液である請求項1に記載の銀導
    電膜上への無電解めっき方法。
  3. 【請求項3】ヨウ化物を溶解できる水溶液が、チオ硫酸
    塩、亜硫酸塩、チオシアン酸塩及びシアン化物から選ば
    れる少なくとも1種の化合物を含有する水溶液である請
    求項1に記載の銀導電膜上への無電解めっき方法。
  4. 【請求項4】ヨウ化物を溶解できる水溶液が、少なくと
    も一種のシアン化物を含有する水溶液である請求項1に
    記載の無電解めっき方法。
  5. 【請求項5】基材上に銀導電膜が部分的に形成された材
    料が、銀の導体回路が形成された配線板である請求項1
    に記載の無電解めっき方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004319781A (ja) * 2003-04-16 2004-11-11 Shin Etsu Polymer Co Ltd フレキシブルプリント基板およびその製造方法
JP2008177261A (ja) * 2007-01-17 2008-07-31 Okuno Chem Ind Co Ltd 多層めっき皮膜及びプリント配線板

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