JP2001049415A - 表面外観の優れた薄目付溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法及び装置 - Google Patents

表面外観の優れた薄目付溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法及び装置

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JP2001049415A
JP2001049415A JP11230275A JP23027599A JP2001049415A JP 2001049415 A JP2001049415 A JP 2001049415A JP 11230275 A JP11230275 A JP 11230275A JP 23027599 A JP23027599 A JP 23027599A JP 2001049415 A JP2001049415 A JP 2001049415A
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Naoki Ueno
直樹 上野
Hiroyuki Yoshino
博之 吉野
Makoto Katsube
誠 勝部
Goro Himuro
吾朗 樋室
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、鋼板とワイピングノズル上水冷タ
ッチロールとの接触時に起きる亜鉛巻き上げによる鋼板
表面疵を発生させないという条件を満たしながら水冷タ
ッチロールを使用可能とすることを目的とする。 【解決手段】 亜鉛目付量が30g/m2 以下の範囲の
時、亜鉛ポット浴温を440℃以下の範囲とし、亜鉛ポ
ット浴温が435℃〜440℃の範囲内の場合はライン
スピード(m/分)と板厚(mm)との積が60以下
に、435℃未満の場合は、75以下とすることによ
り、鋼板がワイピングノズル上水冷タッチロールに接触
する直前の鋼板温度を420℃以下の範囲とすることを
特徴とする表面外観の優れた薄目付溶融亜鉛メッキ鋼板
の製造方法。及び、ワイピングノズル上水冷タッチロー
ルの表面材質にカーボンを使用することを特徴とする表
面外観の優れた薄目付溶融亜鉛メッキ鋼板の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融亜鉛メッキ鋼
板の製造方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、めっきラインでは、鋼板がメッキ
浴内を通過した後、その目付量を調整するためワイピン
グノズル部で、ガスを吹き付ける。ここで鋼板が振動す
ると、メッキの目付量のバラツキが大きくなる。その場
合、必要な目付量を確保するために、全体の目付量を増
加させて対応しており、過剰な目付けとなっていた。こ
れを抑制するため、ワイピングノズル直上に水冷タッチ
ロールを設置して鋼板振動の低減を図っているが、鋼板
上の亜鉛が半溶融の状態で水冷タッチロールに接触する
ため、タッチロールが亜鉛を巻き上げ、鋼板表面に疵が
できて表面外観が問題となる。従来、鋼板上の亜鉛が半
溶融の状態で鋼板と水冷タッチロールとが接触するのを
防止するため、ワイピング直後に鋼板表面を急冷して亜
鉛を凝固させる方法が実施され、また半溶融の状態で鋼
板とタッチロールとが接触しても亜鉛巻き上げを防止す
るために、タッチロール表面への均一水膜形成の方法が
実施されている。
【0003】例えば、特開平3−115554号公報の
ように、ワイピング装置においてワイピングガススリッ
ト上部外面に冷却水配管と通じた細孔を設け、ワイピン
グガス圧のエジェクター効果により冷却水が配管内を通
水し、鋼板が水冷タッチロール接触前に鋼板を水冷し鋼
板上の亜鉛を凝固させるという方法が開発されている。
しかし、この方法では、鋼板に吹き付け後の冷却水が周
囲に飛散してしまうのとワイピング圧のエジェクター効
果で通水させるために、ワイピング圧の変動と共に鋼板
に吹き付ける水量も変動し鋼板表面外観むらが発生する
懸念があるという問題があった。
【0004】また、特開平4−224667号公報で
は、水冷タッチロール表面に連続的に冷却水を塗布する
ことによりロール表面に薄い水膜を形成させ、鋼板上の
亜鉛が半溶融の状態で鋼板と水冷タッチロールとが接触
しても亜鉛巻き上げを防止するという方法が開発されて
いる。この方法では冷却水の飛散という問題は発生しな
いが、鋼板の形状や振動等の外乱により水膜の厚みを一
定に保つのは困難であり、水膜厚の変動に起因する鋼板
冷却ばらつきにより鋼板表面外観むらが発生し、また水
膜が切れた時に亜鉛が巻き上げ、鋼板表面に疵ができる
という問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】溶融亜鉛メッキ鋼板を
製造する際には、鋼板上の亜鉛が半溶融の状態でロール
に接触すると亜鉛が巻き上げ、鋼板表面に疵ができるた
めに表面外観が問題となり、水冷タッチロールを使用せ
ずに操業しており、それによりワイピング部での鋼板振
動が大きくなり目付けむらが発生することから、鋼板表
裏両面合計の目付量を多くし、過剰目付けを実施してい
る。しかしながら、この方法では過剰目付けにより不必
要に多い量の亜鉛を消費することになる。本発明は、亜
鉛の過剰目付けを実施せざるを得ない原因であるワイピ
ングノズル部での鋼板振動を抑制するために、鋼板とワ
イピングノズル上水冷タッチロールとの接触時に起きる
亜鉛巻き上げによる鋼板表面疵を発生させないという条
件を満たしながら水冷タッチロールを使用可能とするこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、亜鉛目付量が
30g/m2 以下とする場合、亜鉛ポット浴温を440
℃以下の範囲とし、亜鉛ポット浴温が435℃〜440
℃の範囲内の場合はラインスピード(m/分)と板厚
(mm)との積が60以下に、435℃未満の場合は、
75以下とすることにより、鋼板がワイピングノズル上
水冷タッチロールに接触する直前の鋼板温度を420℃
以下の範囲とすることを特徴とする表面外観の優れた薄
目付溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法である。
【0007】すなわち、目付量が30g/m2 以下の範
囲の薄目付溶融亜鉛メッキ鋼板製造時には、ワイピング
時に鋼板に吹き付けるガス量が多いことから、ガスによ
る鋼板冷却効果の向上が得られる。これにより、亜鉛ポ
ット浴温とワイピングノズル高さを一定範囲内で制御す
ると、鋼板が水冷タッチロールに接触する直前の鋼板温
度を420℃以下にすることが可能で、この温度範囲内
では鋼板上の亜鉛が完全に凝固しているために、鋼板表
面に疵はできず、表面外観についての品質問題を発生さ
せずに水冷タッチロールを使用することが可能である。
この方法は冷却水を使用しないので水飛散という問題は
発生せず、ワイピングガスによる冷却であるので、ワイ
ピング装置の設備増強の必要もない。
【0008】また、水冷タッチロール接触直前の鋼板温
度が高く、鋼板上の亜鉛が半溶融の状態であっても、カ
ーボンのように溶融亜鉛との濡れ性が悪い性質のものを
ロール表面材質として使用することにより、亜鉛巻き上
げを防止して疵を大幅に発生しにくくし、溶融亜鉛メッ
キ鋼板製造時にも水冷タッチロールの使用が可能であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、亜鉛の過剰目付けを実
施せざるを得ない原因であるワイピングノズル部での鋼
板振動を抑制するために、鋼板とワイピングノズル上水
冷タッチロールとの接触時に起きる亜鉛巻き上げによる
鋼板表面疵を発生させないという条件を満たしながら水
冷タッチロールを使用可能とするものである。そして、
薄目付溶融亜鉛メッキ鋼板を製造する際の亜鉛ポット浴
温、浴面からのワイピング高さを規定し、水冷タッチロ
ール接触直前の鋼板温度を制御し、亜鉛が半溶融状態で
の鋼板とタッチロールとの接触を防止するものである。
【0010】鋼板表面疵の原因である亜鉛巻き上げに影
響を与える因子として、鋼板と水冷タッチロール接触時
の鋼板温度以外に、タッチロールと鋼板との濡れ性があ
る。濡れ性が悪いと亜鉛の巻き上げは起こりにくいた
め、亜鉛と濡れ性の悪いカーボンを水冷タッチロールの
表面材質として規定することにより、鋼板温度に関わら
ずに、鋼板と水冷タッチロールとの接触による鋼板表面
疵の発生を防止するものである。
【0011】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は本発明の一実施例の全体構成図である。図1
において、1は溶融亜鉛メッキ鋼板、2は鋼板のパスラ
インを変更するためのターンダウンロール、3はスナウ
ト、4は亜鉛ポット、5はポットロール、6は浴中サポ
ートロール、7は亜鉛浴面、8はワイピングノズル、9
は水冷タッチロールである。水冷タッチロール9の内部
は冷却水が循環して流れる構造となっている。亜鉛ポッ
ト4内に誘導された溶融亜鉛メッキ鋼板1は、ポットロ
ール5を通過後に通板方向を鉛直方向に変え、亜鉛浴面
から出ると亜鉛を持ち上げながらワイピングノズル8で
規定の亜鉛目付量に調整されるのと同時に鋼板表面が冷
却される。
【0012】次に、本発明の具体的実施例について説明
する。図1の装置を用いて板厚0.8mm、板幅120
0mm、ライン速度70m/分、浴温440℃、亜鉛付
着量20/20g/m2 (片側20g/m2 ずつの意)
で操業した場合に、溶融亜鉛メッキ鋼板1が水冷タッチ
ロール9に接触する直前の鋼板温度は亜鉛凝固点以下の
420℃であり、亜鉛巻き上げによる鋼板表面への疵入
りは発生しなかった。他の条件における具体的実施例も
含め、溶融亜鉛メッキ鋼板1と水冷タッチロール9とが
接触した時の鋼板温度に対する板厚とラインスピードと
の積の関係を図2に示す。ラインスピード(m/分)と
板厚(mm)との積を一定の範囲内にすることにより、
タッチロール接触時の鋼板温度を420℃以下にするこ
とが可能であることがわかる。
【0013】板厚0.8mm、板幅1200mm、ライ
ンスピード100m/分、浴温440℃、亜鉛目付量2
0/20g/m2 の条件時に、水冷タッチロール9の表
面材質をクロムメッキのものとカーボンのものとを使用
したところ、クロムメッキロールの場合は亜鉛巻き上げ
による表面疵が発生したのに対し、カーボンロールの場
合は発生しなかった。タッチロール接触時の鋼板温度に
関わらず、亜鉛と濡れ性の悪いカーボンをロール表面材
質に使用することにより、表面疵の防止が可能であるこ
とがわかる。図3に本発明の水冷タッチロールのうちの
カーボンロールの概略図を示す。図3において、10は
水冷タッチロール9のカーボン肉厚部、11は鉄芯であ
る。カーボンロールのロール径は160φで、表面材質
であるカーボン肉厚部10の厚みは30mmである。カ
ーボンロールは鉄芯11にカーボン製のスリーブをはめ
こむ構造になっている。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、薄
目付溶融亜鉛メッキ鋼板製造時に鋼板表面疵を発生させ
ずに水冷タッチロールを使用することができ、ワイピン
グノズル部の鋼板振動を抑制することを可能とすること
により、亜鉛原単位の削減を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成図である。
【図2】水冷タッチロール接触時鋼板温度に対するライ
ンスピード(m分)と板厚(mm)との積の影響を示し
たグラフである。
【図3】本発明の水冷タッチロールのうちのカーボンロ
ールを示す図である。
【符号の説明】
1 溶融亜鉛メッキ鋼板 2 ターンダウンロール 3 スナウト 4 亜鉛ポット 5 ポットロール 6 浴中サポートロール 7 亜鉛浴面 8 ワイピングノズル 9 水冷タッチロール 10 カーボン肉厚部 11 鉄芯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝部 誠 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新 日本製鐵株式会社エンジニアリング事業本 部内 (72)発明者 樋室 吾朗 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新 日本製鐵株式会社エンジニアリング事業本 部内 Fターム(参考) 4K027 AA02 AA22 AB15 AB42 AD15 AD26 AE02 AE11 AE12 AE18 AE23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板片側の亜鉛目付量を30g/m2
    下とする薄目付溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法であっ
    て、ワイピングノズル上水冷タッチロールに接触する直
    前の鋼板温度を420℃以下とすることを特徴とする表
    面外観の優れた薄目付溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 亜鉛ポット浴温を440℃以下の範囲と
    し、亜鉛ポット浴温が435℃〜440℃の範囲内の場
    合はラインスピード(m/分)と板厚(mm)との積が
    60以下に、435℃未満の場合は、75以下とするこ
    とにより、鋼板がワイピングノズル上水冷タッチロール
    に接触する直前の鋼板温度を420℃以下とすることを
    特徴とする請求項1記載の表面外観の優れた薄目付溶融
    亜鉛メッキ鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 ワイピングノズル上水冷タッチロールの
    表面材質をカーボンとしたことを特徴とする表面外観の
    優れた薄目付溶融亜鉛メッキ鋼板の製造装置。
JP11230275A 1999-08-17 1999-08-17 表面外観の優れた薄目付溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法及び装置 Withdrawn JP2001049415A (ja)

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Effective date: 20061107