JPH02243751A

JPH02243751A - 連続溶融めっきのワイピング方法

Info

Publication number: JPH02243751A
Application number: JP6442289A
Authority: JP
Inventors: Yoshiaki Takeishi; 芳明武石
Original assignee: Sumitomo Metal Industries Ltd
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1989-03-16
Filing date: 1989-03-16
Publication date: 1990-09-27

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、連続溶融亜鉛めっきあるいは連続溶融アルミ
めっき等の溶融金属めっき装置の目付量すなわちめっき
厚さを制御する方法に関するものであり、従来のガスワ
イピング方法に代わり、効率よく均一美麗な連続溶融め
っきを製造できる方法に関するものである。

（従来の技術）連続溶融金属めっきは、一般に、フラックス法あるいは
水素還元法等で表面活性化処理を行った鋼板を溶融金属
に浸漬した後、過剰に付着した溶融金属を絞り取ること
によって鋼板表面に鉄との合金層を介して所定厚さの金
属皮膜を形成するものである。そして、過剰に付着した
溶融金属を払拭する方法としては、古くは、溶融金属め
っき浴直上に設けた一対の溝付きロールで鋼板を挟み込
み過剰な溶融金属を払拭するロールワイピング法が用い
られていた。しかし、このロールワイピング法では高速
で操業すると、■板切れを起こし易い、■めっき鋼板に
表面疵ができ易い、■薄目付ができない、等の問題があ
った。

そこで、その後ガスワイピング法が開発された。

このガスワイピング法はロールワイピング法に比べ目付
の均一性、薄目付性、高速性、制御性等に優れているこ
とより、現在ではほとんどの連続溶融めっき設備にガス
ワイピング法が採用されている。

ところで、近年防錆鋼板としての溶融亜鉛めっき鋼板の
需要が増加し、連続溶融亜鉛めっき設備では生産性向上
とコスト低減を目的にしたラインの高速化および薄目付
化とともに製品品質向上のための亜鉛めっき厚さの均一
化および美麗化が特に要求されるようになってきた。

ラインの高速化にあたっては、当然鋼板に付着して持ち
上げられる溶融金属の量が増加するために、従来（低速
操業時）と同等の目付量の製品を製造するにはワイピグ
力を増加する必要がある。

ワイピング力の増加には、現状のガスワイピング法では
、■ワイピングガス量の増加（ワイピング圧力の増大あ
るいはノズルスリットギャップの増大）、■ワイピング
ノズルの鋼板への近接化、および■鋼板により持ち上げ
られる溶融金属量を低減するためのプレワイピング法の
採用、等が考えられる。

しかし、■のワイピングガスの増量は、鋼板エツジ部で
の衝突ワイピングガス流トの乱れ増加によるエツジスプ
ラッシュの増大およびガスワイピング後鋼板面上を流下
し溶融金属めつき浴面を叩くガス流速の増加に起因する
浴面からのスプラ・ンシュの増大を招く。そして、スプ
ラッシュが増大すると、ワイピングガス流とともに舞い
上がり、ワイピング後の鋼板面に付着すると製品の外観
を損ね、またワイピングノズルに付着するとワイピング
ジェットを乱して製品の表面品質、均質性の低下あるい
は表面疵の原因になる。さらに、ワイピングガスコスト
が増加するとともに騒音も太きくなり作業環境が悪化す
る。

また、■のワイピングノズルの鋼板への近接化は、鋼板
の振動あるいは反り等により制限され、通常１０ｍｍ程
度までである。

以上のようにガスの増量やノズルの近接化には問題があ
り、現状の乃゛スワイピング法での美麗高速薄目付化に
は限界がある。

また、■のプレワイピング法に関しては、■特公昭５７
−５５７８９号公報に示される前述のロールワイピング
法を併用する方法、０実公昭６１３５２号公報に提示さ
れる二段ガスワイピング法、あるいは■特開昭６１−２
２７１５８号公報や特開昭６１−２６６５６０号公報等
に記載の電磁ワイピング法との併用法が提案されている
。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら、前述の方法では、以下のような問題点が
あった。

すなわち、■のロール・ガスワイピング併用法では、溶
融金属めっき浴面および浴中に浮遊分散しているドロス
（溶融金属の酸化物および綱板から溶出する鉄と溶融金
属との合金組成物）が鋼板とロール間に巻き込まれ、鋼
板に押し込まれるいわゆるドロス疵が発生しやすく、製
品の表面外観を損ねるだけでなくめっきの密着性の低下
や耐食性の悪化を招く。さらにロールへのドロス巻き込
みが激しくなると、板切れを起こすためロールを強く押
し込むことができず、プレワイピング効果はあまり期待
できない。また、ロール表面荒れは、製品表面品質へ大
きく影響するため、ロール管理費の高騰あるいは溶融金
属に対する耐腐食性の特殊ロールを使用することによる
設備費の高騰を招く。

また■の多段ガスワイピングでは、前述のワイピングガ
スの増量の場合と同じ問題点がある。

また■の電磁ワイピング併用法では、磁力発生装置が大
きくなること、鋼板への近接が必要なこと、溶融金属浴
の直上で使用することより場合によっては磁力発生装置
の冷却が必要なこと等の問題がある。

以上述べたように、現状のワイピング方法では高速美麗
薄目付めっきの製造には種々の問題がある。

本発明は、上述した連続溶融めっきにおける従来方法で
あるロールワイピング法、ガスワイピング法、電磁ワイ
ピング法あるいはこれらの併用法では達成が難しい高速
美麗薄目付めっきを可能とするワイピング方法を提供す
ることを目的としている。

（課題を解決するための手段）本発明者は、従来のガスワイピング法におけるワイピン
グ機構に関して種々の実験・検討を行った結果、以下の
知見を得た。

すなわち、ガスワイピングにおいて、溶融金属めっき浴
から引き上げられる鋼板に付着する溶融金属３は、第４
図に示すようにワイピングジェット１０１．１０１”の
動圧によってせき止められ、さらにせき止められた溶融
金属３は、重力と鋼板２に衝突した後に下方に分流した
壁面ジェット１０２．１０２°の壁面せん断心力により
鋼板２上を流下することが判明した。したがって、高速
薄めつきを達成するためには、鋼板２に付着して持ち上
げられる溶融金属３をせき止める力の増加およびせき止
められた溶融金属３を流下させる壁面せん断心力を増加
する必要がある。すなわち、ガスワイピングでは、前述
のワイピングノズル１００．１００′の鋼板２への近接
化がせき止め力の増加に、ワイピングガスの増量がせき
止め力と壁面せん断力の増加に相当する。しかし、ガス
ワイピングでは前述した種々の問題があり、高速薄めっ
きを達成するには、ガスワイピング以外の方法を考える
必要がある。なお、第４図中、１０３．１０３’　はス
プラッシュを示す。

そこで、本発明者は■まず鋼板に付着して持ち上げられ
る溶融金属のせき止め力は、ガスワイピングでは、ジェ
ットの動圧を利用しているが、静圧を用いることも考え
られること、また、■せき止められた溶融金属を流下さ
せる壁面せん断心力の増加は、ガスワイピングでは壁面
ジェットの流速の増加であるが、境界層の速度勾配を大
きくする方法でも同様の結果が得られること、に着目し
、これより回転ロールの表面近傍に形成される周辺ガス
の境界層を利用することを考えた。

すなわち、本発明の第１は、鋼板を溶融金属めっき浴に
浸漬して連続的に引き上げた後、該鋼板の表面に付着し
た溶融金属を所定のめっき厚さに制御するワイピング方
法において、前記溶融金属めっき浴の上方でかつ鋼板に
付着した溶融金属が凝固するまでの間に、前記鋼板の幅
よりも長いロールを、前記溶融金属が付着した鋼板に接
することなく設け、このロールをそれぞれ通板方向とは
逆の方向に回転させることによって、該ロールに随伴す
る周辺ガスの流れにより、前記鋼板の表面に付着した溶
融金属を所定のめっき厚さに払拭することを要旨とする
連続溶融金属めっきのワイピング方法である。

また本発明の第２は、前記第１の発明におけるロールを
多孔質材料で形成し、該ロールにその中空軸を介してガ
スを供給し、通板方向とは逆の方向に回転させ、前記多
孔質材料で形成したロールより滲出したガス流により前
記鋼板の表面に付着した溶融金属を所定のめっき厚さに
払拭することを要旨とする連続溶融金属めっきのワイピ
ング方法である。

（作　　用）回転ロール表面近傍に形成される境界層の厚さは薄く、
ロールの回転速度によっても異なるが、ロール表面速度
はロール径の拡大および回転数の増加により高速化でき
速度勾配を大きくできる。

したがって、第１図に示すように鋼板２の引き上げ方向
と逆方向に高速で回転するロール４．４′を溶融金属３
が付着して引き上げられる鋼板２に近づけると、ロール
４．４゛の表面に形成された周辺ガスの境界層５．５″
内の静圧増加と境界層内の大きい速度勾配に起因する壁
面せん断力によりワイピングができる。すなわち、本発
明方法によるめっき厚さの制御は、ロールの回転数ある
いはロールと鋼板との距離を変化させるという非常に簡
単な方法で可能である。さらに、双方のロールの回転数
あるいはロールと鋼板との距離をそれぞれ独立に制御す
れば差厚めつき（表裏のめっき厚さが異なる製品）も容
易にできる。また、本発明方法は、高速回転ロールに随
伴する雰囲気ガスの境界層を利用しているため、ガスワ
イピングに比べてガス流量は非常に少なく、ガスワイピ
ング方法での高速化時の致命傷であるスプラッシュの発
生はほとんどない。したがって、雰囲気めっきも容易に
できるし、表面改質を狙った特殊ガス雰囲気めっきにお
いても雰囲気フード内のガス濃度を維持するだけの少量
の特殊ガス供給で可能でありワイピングガスコストも安
価になる。

また、ロールを多孔質材料で製作し、ロール軸よりガス
を供給することによって多孔質ロール面よりガスを滲出
させれば、ロールを綱板に近接させることなく、ワイピ
ング力を向上させることができる。

また、本発明において、ロールに随伴する周辺ガスの流
れは、ロールの表面性状によっても変化させることがで
き、このロールの表面性状を変化させても、本願発明の
権利範囲内であり、該ロールの表面性状はめっき厚さ等
の条件により適宜選択し得る。

本願第２の発明に関するガスの種類はＡｒ、　Ｈｅ等の
不活性ガス等を選択し使用できる。

（実　施　例）以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明
する。

第２図は、第１の本発明方法を実施した溶融亜鉛めっき
鋼板のワイピング部を示したものである。

すなわち、溶融亜鉛浴１に浸漬され連続的に引き上げら
れる鋼板２に対して、溶融亜鉛浴ｌの上方にあって、鋼
板に付着した溶融亜鉛が凝固しない範囲に一対のロール
４．４゛が鋼板２を挟むように設置されている。この一
対のロール４．４　は、それぞれ軸受５１．５２および
５１″、５２　で支持され、さらにカップリング６．６
゛を介して可変速モータ７．７°に接続されている。そ
して、軸受５１．５２．５１’、５２’および可変速モ
ータ７．７°の設置台８．８゛は、それぞれスライドヘ
ース９１．９２．９１’、９２’上に設置され、油圧機
構１０．１０′により鋼板面に対して直角方向に移動で
きるようになっている。

第３図は、第２の本発明方法を実施するための第２図と
同様の図であり、多孔質材料で製作したロール４１．４
１”に、軸受５１．５１゛側より中空ロール軸１１．１
１″に取り付けたシーベルジヨイント１２．１２”を介
して高圧ガス１３．１３゛を供給できるようにしたもの
である。多孔質材料としては、例えば、ポーラスレンガ
、ポーラスセラミックス、焼結金属等が用いられる。

しかして、以上の装置により、まず、ロール４．４”又
は４１．４１゛を鋼板２から離した状態でロール４．４
°又は４１．４１′を高速回転させるとともに通板を始
め、通板速度を徐々に上げながらロール４．４”又は４
Ｉ、４１″を鋼板２に近接させ目標のめっき厚になるよ
うに制御するのである。

ロールの回転数については、ロール径により異なるが、
例えば、３００　ｍ＋ｎ径のロールでは、２０．００Ｏ
ｒｐｍでロール表面速度は、音速に近い３１４ｍ／ｓと
なり高圧ガスワイピングと同等のワイピングが可能とな
る。

また、ロールの回転数は、ロール径、ロール構造あるい
はロール材質により制限されるが５，０００〜５０．０
０Ｏｒｐｍ以上必要である。しかし、多孔質ロールによ
るガス滲出を用いるとロール回転数は、前述の値より低
くても同等のワイピング力が期待できる。逆に、同等の
回転数が確保できれば、多孔質ロールの場合の方がロー
ルを鋼板から離して操業できるメリットがある。

さらに、本発明は、連続溶融めっき設備におけるワイピ
ング法として、現在主流となっているガスワイピング法
のワイピングノズルの代わりにロールを設置するのみで
適用できるメリットもある。

尚、上記説明は鋼板の表裏の両面について述べたが片面
のみのめっきにも本願は利用できることもいうまでもな
い。

（発明の効果）以上述べたように本発明は、ガスワイピング法に代わり
、しかもガスワイピング法の問題点を解決し高速薄めっ
き化を可能にするワイピング法であり、連続溶融めっき
鋼板製造設備に用いて非常に有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明のワイピング方法を示す模式図、第２
図は本発明の第１実施例を示す図、第３図は本発明の第
２実施例を示す図、第４図はガスワイピング機構の説明
図である。１は溶融亜鉛浴、２は鋼板、３は溶融金属、４．４’、
４１．４１゛はロール、７．７゛は可変速モータ、１０
．１０°は油圧機構、１１．１１″は中空ロール軸。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）鋼板を溶融金属めっき浴に浸漬して連続的に引き
上げた後、該鋼板の表面に付着した溶融金属を所定のめ
っき厚さに制御するワイピング方法において、前記溶融
金属めっき浴の上方でかつ鋼板に付着した溶融金属が凝
固するまでの間に、前記鋼板の幅よりも長いロールを、
前記溶融金属が付着した鋼板に接することなく設け、こ
のロールを通板方向とは逆の方向に回転させることによ
って、該ロールに随伴する周辺ガスの流れにより、前記
鋼板の表面に付着した溶融金属を所定のめっき厚さに払
拭することを特徴とする連続溶融金属めっきのワイピン
グ方法。
（２）請求項１記載のロールを多孔質材料で形成し、該
ロールにその中空軸を介してガスを供給し、通板方向と
は逆の方向に回転させ、前記多孔質材料で形成したロー
ルより滲出したガス流により前記鋼板の表面に付着した
溶融金属を所定のめっき厚さに払拭することを特徴とす
る連続溶融金属めっきのワイピング方法。