JP2001048944A - プロピレン系ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレン系ブロック共重合体の製造方法

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JP2001048944A
JP2001048944A JP22659399A JP22659399A JP2001048944A JP 2001048944 A JP2001048944 A JP 2001048944A JP 22659399 A JP22659399 A JP 22659399A JP 22659399 A JP22659399 A JP 22659399A JP 2001048944 A JP2001048944 A JP 2001048944A
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propylene
compound
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Tokuyuki Takeda
田 徳 幸 武
Norihito Nishida
田 伯 人 西
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Mitsui Chemicals Inc
Grand Polymer Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Grand Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プロピレン系ブロック共重合体の低(非)結晶
性共重合部の割合を簡便な方法で測定する方法を含む製
造方法、および、プロピレン系ブロック共重合体の低
(非)結晶性共重合部の割合を簡便な方法で制御できる
製造方法を提供すること。 【解決手段】結晶性のプロピレン重合体部と、低(非)
結晶性のプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体
部とを有するプロピレン系ブロック共重合体を製造する
に際して、得られたプロピレン系ブロック共重合体中の
低(非)結晶性のプロピレン・α-オレフィンランダム
共重合体部の割合およびα-オレフィン単位の含有割合
を、パルスNMR測定により求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプロピレン系ブロッ
ク共重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは、プロピ
レン系ブロック共重合体中の低(非)結晶性共重合体成
分の割合およびα-オレフィン単位の含有割合を簡便な
方法で求めること、または低(非)結晶性共重合体成分
の割合を制御することを含むプロピレン系ブロック共重
合体の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】プロピレン単独重合体、プロピレ
ンと少量のα-オレフィンとから得られるプロピレン系
ランダム共重合体などのプロピレン重合体は、剛性、耐
熱性、耐衝撃性などに優れているため、各種成形体用な
ど種々の分野に用いられている。
【0003】このようなプロピレン重合体の耐衝撃強度
をさらに改良する方法として、たとえば結晶性のプロピ
レン重合体部と、低(非)結晶性のプロピレン・α-オ
レフィンランダム共重合体部(低(非)結晶性共重合
部)とを有するブロック共重合体とする方法が知られて
いる。またプロピレン系ブロック共重合体は、用途によ
り低(非)結晶性共重合部の割合が様々なものが求めら
れている。
【0004】ところで、プロピレン系ブロック共重合体
の性状を的確に把握するためには、デカン可溶成分量と
α-オレフィン単位の含有割合とを測定する必要がある
が、そのいずれもが測定に相当の時間を要していた。
【0005】例えば23℃ n-デカン可溶成分量は、次
の方法によって測定されていた。すなわち、撹拌装置付
1リットルのフラスコに、共重合体3g、2,6-ジ tert-
ブチル-4-メチルフェノール20mg、n-デカン500
mlを入れ、145℃の油浴上で加熱溶解させる。共重
合体が溶解した後、約8時間かけて室温まで冷却し、続
いて23℃の水浴上で8時間保持する。析出した共重合
体と、溶解ポリマーを含むn-デカン懸濁液とをグラスフ
ィルターで濾過分離する。得られた溶液を10mmH
g、150℃で、定量になるまで乾燥し、その重量を測
定して、前記混合溶媒中への共重合体の可溶成分量と
し、共重合体の重量に対する百分率として算出する。
【0006】また、α-オレフィン単位の含有割合は、
試料をフィルム状に加熱成形した後、赤外分光光度計に
かけ、得られるスペクトルを解析して得る。上記のよう
な23℃ n-デカン可溶成分量の測定方法では、測定に
一昼夜を要し、製造工程への迅速なフィードバックは非
常に難しい。また、上記のようなα-オレフィン含有割
合の方法も数時間を要するため、工程への迅速なフィー
ドバックが難しかった。
【0007】このような状況のもと本発明者らは鋭意検
討した結果、プロピレン系ブロック共重合体のパルスN
MRの測定データと、プロピレン系ブロック共重合体中
の低(非)結晶性共重合部の割合およびα-オレフィン
単位の含有割合には相関関係があり、これを用いること
によりプロピレン系ブロック共重合体中の低(非)結晶
性共重合部の割合およびα-オレフィン単位の含有割合
を求めることができ、短時間で重合条件に反映させられ
ることを見出して本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は上記のような従来技術に鑑みて
なされたものであって、プロピレン系ブロック共重合体
の低(非)結晶性共重合部の割合およびα-オレフィン
単位の含有割合を簡便な方法で測定する方法を含むプロ
ピレン系ブロック共重合体の製造方法を提供するととも
に、プロピレン系ブロック共重合体の低(非)結晶性共
重合部の割合およびα-オレフィン単位の含有割合を容
易に制御できるプロピレン系ブロック共重合体の製造方
法を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るプロピレン系ブロック共重
合体の製造方法は、結晶性のプロピレン重合体部と、低
(非)結晶性のプロピレン・α-オレフィンランダム共
重合体部とを有するプロピレン系ブロック共重合体を製
造するに際して、得られたプロピレン系ブロック共重合
体中の低(非)結晶性のプロピレン・α-オレフィンラ
ンダム共重合体部の割合およびプロピレン系ブロック共
重合体中のα-オレフィン単位の含有割合を、パルスN
MR測定により求めることを特徴としている。
【0010】また、本発明の他の態様に係るプロピレン
系ブロック共重合体の製造方法は、結晶性のプロピレン
重合体部と、低(非)結晶性のプロピレン・α-オレフ
ィンランダム共重合体部とを有するプロピレン系ブロッ
ク共重合体を製造するに際して、パルスNMR測定から
算出したプロピレン系ブロック共重合体中の低(非)結
晶性のプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体部
の割合およびα-オレフィン単位の含有割合に基づいて
重合条件を変更して、得られるプロピレン系ブロック共
重合体中のプロピレン・α-オレフィンランダム共重合
体部の割合およびα-オレフィン単位の含有割合を制御
することを特徴としている。
【0011】なお、本明細書では特に断らない限り、α
-オレフィンにはプロピレンは含まれない。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るプロピレン系
ブロック共重合体の製造方法について具体的に説明す
る。
【0013】本発明では、結晶性のプロピレン重合体部
と、低(非)結晶性のプロピレン・α-オレフィンラン
ダム共重合体部とを有するプロピレン系ブロック共重合
体を製造するに際して、プロピレン系ブロック共重合体
中の低(非)結晶性のプロピレン・α-オレフィンラン
ダム共重合体部の割合およびα-オレフィン単位の含有
割合をパルスNMRで測定する。
【0014】プロピレン系ブロック共重合体は、例えば
以下のようにして製造することができる。すなわち、第
1の重合工程において、プロピレンの単独重合を行う
か、または、プロピレンと、エチレンおよび炭素原子数
4〜20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種
のα-オレフィンとの共重合を行ない、結晶性のプロピ
レン系重合体(以下「結晶性重合体」ということがあ
る。)を製造し、第2の重合工程において、プロピレン
と、エチレンおよび炭素原子数が4〜20のα-オレフ
ィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンとの
共重合を行ない、低結晶性または非晶性のプロピレン・
α-オレフィンランダム共重合体(以下「低(非)結晶
性共重合体」ということがある。)を製造する。
【0015】ここで炭素原子数4〜20のα-オレフィ
ンとしては、例えば1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オ
クテン、3-メチル-1-ブテン、1-デセン、シクロペンテ
ン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-エチル-2-ノル
ボルネンなどが挙げられる。
【0016】第1の重合工程は、後述するような触媒の
存在下に、通常、気相あるいは液相で行われる。重合が
スラリー重合または溶解重合の反応形態を採る場合、反
応溶媒として、不活性炭化水素を用いることができる。
不活性炭化水素溶媒として具体的には、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペン
タン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂
環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジ
クロロメタンなどのハロゲン化炭化水素あるいはこれら
の混合物などが挙げられる。これらのなかでは、脂肪族
炭化水素を用いることが好ましい。
【0017】第1の重合時に水素を用いると、得られる
結晶性重合体の分子量を調節することができる。第1の
重合工程において、重合温度は、通常、約−50〜20
0℃、好ましくは約20〜100℃であり、圧力は、通
常、常圧〜100kg/cm2 、好ましくは約2〜50
kg/cm2 に設定される。重合は回分式、半連続式、
連続式の何れの方法においても行うことができる。
【0018】上記したような第1の重合工程において得
られる結晶性重合体中において、エチレンおよび炭素原
子数4〜20のα-オレフィンから選ばれるα-オレフィ
ンから導かれる構成単位の含有割合は、通常0〜40モ
ル%であり、好ましくは0〜20モル%である。
【0019】第1の重合工程において得られる結晶性重
合体の135℃のデカリン中で測定される極限粘度
[η]は0.001〜40dl/gであり、好ましくは
0.01〜30dl/gである。
【0020】なお、第1の重合工程には、プロピレン
と、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα-オレフィ
ンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンとに加
え、少量のジエン化合物を重合系内に添加し、ジエン化
合物から導かれる構成単位を、第1の重合工程で得られ
る結晶性重合体中に導入してもよい。
【0021】本発明では、前記第1の重合工程に続い
て、該第1の重合工程で得られた結晶性重合体の存在
下、プロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4〜20
のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレ
フィンとの共重合を行なう。
【0022】ここで炭素原子数4〜20のα-オレフィ
ンとしては、前述の炭素原子数4〜20のα-オレフィ
ンを例示することができる。第2の重合工程は、後述す
るような触媒の存在下に、通常、気相あるいは液相で行
なわれる。
【0023】重合がスラリー重合または溶解重合の反応
形態を採る場合、反応溶媒として、上述の不活性炭化水
素を用いることができる。本重合時に水素を用いると、
得られるプロピレン系ブロック共重合体の分子量を調節
することができ、メルトフローレートの大きいプロピレ
ン系ブロック共重合体が得られる。
【0024】第2の重合工程において、重合温度は、通
常、約−50〜200℃、好ましくは約20〜100℃
であり、圧力は、通常、常圧〜100kg/cm2 、好
ましくは約2〜50kg/cm2 に設定される。重合は
回分式、半連続式、連続式の何れの方法においても行う
ことができる。
【0025】なお、第2の重合工程においても、前述し
た第1の重合工程と同様、少量のジエン化合物を反応系
内に導入してもよい。上記のような製法により得られる
プロピレン系ブロック共重合体中において、結晶性重合
体の含有率は通常50〜95モル%であり、好ましくは
60〜90モル%である。
【0026】このようにして製造されたプロピレン系ブ
ロック共重合体は、230℃、2.16kg荷重におけ
るメルトフローレートが通常0.1〜500g/10分の
範囲にあり、密度が通常0.885〜0.936g/c
3 の範囲にあり、135℃のデカリン中で測定される
極限粘度[η]は、通常0.001〜30dl/gの範
囲にあることが好ましい。
【0027】本発明で得られるプロピレン系ブロック共
重合体の23℃デカン可溶成分量は、40%以下、好ま
しくは35%以下ある。このデカン可溶成分には、主に
第2の重合工程で得られた低(非)結晶性共重合体が含
まれている。
【0028】なお、本発明では第1の製造工程で低
(非)結晶性共重合体を製造し、第2の製造工程で結晶
性重合体を製造してもよい。本発明では、上記のように
して得られたプロピレン系ブロック共重合体中の低結晶
性共重合体部の割合およびα-オレフィン単位の含有量
を求める際に、上述したような23℃ n-デカン可溶成
分量の測定、赤外分光光度計による測定に代えてパルス
NMR測定を用いる。
【0029】プロピレン系ブロック共重合体をパルスN
MRで測定したときのNMR信号強度比とn-デカン可溶
成分量の割合とは本発明者らによって見出された相関関
係があるため、プロピレン系ブロック共重合体をパルス
NMRで測定することによりプロピレン系ブロック共重
合体中のn-デカン可溶成分量の割合、すなわちプロピレ
ン系ブロック共重合体中の低(非)結晶性共重合体部の
割合が求められる。またプロピレン系ブロック共重合体
をパルスNMRで測定したときのNMR指示値とプロピ
レン系ブロック共重合体中のα-オレフィン単位の含有
割合とは本発明者らによって見出された相関関係がある
ため、プロピレン系ブロック共重合体をパルスNMRで
測定することによりプロピレン系ブロック共重合体中の
α-オレフィン単位の含有割合が求められる。
【0030】なおNMRには、プロトンNMR、13C-
NMR、パルスNMRなど各種あるが、操作性と迅速性
においてパルスNMRが好適である。パルスNMR測定
においては、試料の温度が重要であり、通常35〜12
0℃、好ましくは60〜90℃の温度で行う。
【0031】プロピレン系ブロック共重合体のn-デカン
可溶成分量の測定に装置として例えば Resonance Instr
uments 社製MARAN-20型を用いる場合、約4gの試料を
直径18mmφの試験管に入れて0.47テスラの磁界
中心に置き、65℃に保ちながら20MHzの電磁波で
試料中の全プロトンを励起する。励起直後のプロトンエ
ネルギーと、励起を止めてから130〜140μ秒後の
残存エネルギーの双方を測定し、信号の強度比を算出す
る。得られた信号強度比と測定に供したプロピレン系ブ
ロック共重合体のラボ測定n-デカン可溶成分量の相関を
予め統計的に求めて測定検量線とし、実際のルーチン測
定時に適用する。作成した検量線の一例を図1に示す。
【0032】また、α-オレフィン単位、例えばエチレ
ン単位の測定に装置として、例えばauburn 社製 MagMon
itor 型を用いる場合、約5gの試料を直径17mmφ
の試験管に入れて0.47テスラの磁界中心に置き、8
5℃に保ちながら20MHzの電磁波で試料中の全プロ
トンを励起する。励起を止めてからのプロトンエネルギ
ーの減衰曲線を統計的に解析し、得られた多くのパラメ
ータと、それに対応する試料の赤外分光光度計により測
定したエチレン単位の含有割合を予め多変量解析して検
量線とし、実際のルーチン測定時に適用する。作成した
検量線の一例を図2に示す。
【0033】このようにパルスNMRで求めたプロピレ
ン系ブロック共重合体中の低(非)結晶性共重合体部の
割合およびα-オレフィン単位の含有割合に基づいて、
重合条件、例えばモノマー量、コモノマー比、重合温
度、重合圧力、触媒組成等を変更することにより、所望
の割合で低(非)結晶性共重合体部を有し、所望の割合
でα-オレフィン単位の含有割合を有するプロピレン系
ブロック共重合体を得ることができる。
【0034】本発明では、プロピレン系ブロック共重合
体中の低(非)結晶性共重合体の割合およびα-オレフ
ィン単位の含有割合を、パルスNMR測定により求めて
おり、これらを同時に測定することにより、測定の簡易
化と測定時間の大幅短縮を実現できる。
【0035】また低(非)結晶性共重合部の割合および
α-オレフィン単位の含有割合が短時間で求められるの
で、重合条件を即時に変更して所望の性状を有するプロ
ピレン系ブロック共重合体を短時間で得ることができ、
迅速な運転制御が可能となる。
【0036】本発明で用いられる触媒として具体的に
は、例えば固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒
成分とを含むチタン系触媒、周期表第4族から選ばれる
遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ
化合物を含むメタロセン系触媒などが挙げられる。
【0037】本発明で用いられるチタン系触媒は、マグ
ネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体
状チタン触媒成分(A)(以下「チタン触媒成分
(A)」という。)と有機金属化合物触媒成分(B)と
からなる。
【0038】チタン触媒成分(A)は、マグネシウム、
チタンおよびハロゲンを必須成分とし、さらに必要に応
じて電子供与体を含有している。このようなチタン触媒
成分(A)は、下記のようなマグネシウム化合物および
チタン化合物、必要に応じて電子供与体を接触させるこ
とにより調製することができる。
【0039】チタン触媒成分(A)の調製に用いられる
チタン化合物として具体的には、例えば、次式で示され
る4価のチタン化合物が挙げられる。 Ti(OR)g 4-g (式中、Rは炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示
し、gは0≦g≦4である) チタン触媒成分(A)の調製に用いられるマグネシウム
化合物としては、還元性を有するマグネシウム化合物お
よび還元性を有しないマグネシウム化合物が挙げられ
る。
【0040】このようなマグネシウム化合物は、1種単
独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
チタン触媒成分(A)の調製に用いられるマグネシウム
化合物としては、上述した以外にも多くのマグネシウム
化合物が使用できるが、最終的に得られるチタン触媒成
分(A)中において、ハロゲン含有マグネシウム化合物
の形をとることが好ましく、従ってハロゲンを含まない
マグネシウム化合物を用いる場合には、調製の途中でハ
ロゲン含有化合物と接触反応させることが好ましい。
【0041】上述したマグネシウム化合物の中では、還
元性を有しないマグネシウム化合物が好ましく、ハロゲ
ン含有マグネシウム化合物がさらに好ましく、塩化マグ
ネシウム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩
化マグネシウムが特に好ましい。
【0042】チタン触媒成分(A)の調製には、電子供
与体を用いることが好ましく、電子供与体としては、ア
ルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、
カルボン酸、酸ハライド類、有機酸または無機酸のエス
テル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物、アンモニ
ア、アミン類、ニトリル類、イソシアネート、含窒素環
状化合物、含酸素環状化合物などが挙げられる。
【0043】有機酸エステルとしては、下記一般式で示
される骨格を有する多価カルボン酸エステルを特に好ま
しい例として挙げることができる。
【0044】
【化1】
【0045】上記式中、R11は置換または非置換の炭化
水素基を示し、R12、R15、R16は、水素原子または置
換もしくは非置換の炭化水素基を示し、R13、R14は水
素原子または置換もしくは非置換の炭化水素基を示し、
好ましくはその少なくとも一方が置換または非置換の炭
化水素基である。またR13とR14とは互いに連結されて
環状構造を形成していてもよい。炭化水素基R11〜R16
が置換されている場合の置換基は、N、O、Sなどの異
原子を含み、例えば、C-O-C、COOR、COOH、
OH、SO3H、-C-N-C-、NH2 などの基を有す
る。
【0046】チタン系触媒成分(A)の調製には、さら
に電子供与体として、下記一般式(i-1)または(i-
3)で表される有機ケイ素化合物、ポリエーテル化合物
などを用いることもできる。
【0047】 Rp n−Si−(ORq)4-n …(i-1) (式中、nは1、2または3であり、nが1のとき、R
p は2級または3級の炭化水素基を示し、nが2または
3のとき、Rp の少なくとも1つは2級または3級の炭
化水素基を示し、他は炭化水素基を示し、複数のRp
同一であっても異なっていてもよく、Rq は炭素数1〜
4の炭化水素基であって、4−nが2または3であると
き、Rq は互いに同一でも異なっていてもよい。) この式(i-1)で示される有機ケイ素化合物において、
2級または3級の炭化水素基としては、シクロペンチル
基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、置
換基を有するこれらの基またはSiに隣接する炭素が2
級または3級である炭化水素基が挙げられる。
【0048】これらのうち、ジメトキシシラン類、特に
下記一般式(i-2)で示されるジメトキシシラン類が好
ましい。
【0049】
【化2】
【0050】(式中、Rp およびRs は、それぞれ独立
に、シクロペンチル基、置換シクロペンチル基、シクロ
ペンテニル基、置換シクロペンテニル基、シクロペンタ
ジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、またはSi
に隣接する炭素が2級炭素または3級炭素である炭化水
素基を示す。) 前記一般式(i-2)で表される有機ケイ素化合物として
具体的には、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジ-t
-ブチルジメトキシシラン、ジ(2-メチルシクロペンチ
ル)ジメトキシシラン、ジ(3-メチルシクロペンチル)
ジメトキシシラン、ジ-t-アミルジメトキシシランなど
が挙げられる。
【0051】有機ケイ素化合物としては、下記一般式
(i-3)で表される有機ケイ素化合物を用いることもで
きる。 Rn−Si−(OR')4-n …(i-3) (式中、RおよびR' は、アルキル基、アリール基、ア
ルキリデン基などの炭化水素基であり、0<n<4であ
る。) このような一般式(i-3)で示される有機ケイ素化合物
として具体的には、ジフェニルジメトキシシラン、ジイ
ソプロピルジメトキシシラン、ジn-プロピルジメトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、フェニルトリエトキシシラン、n-プロピルト
リエトキシシランなどが挙げられる。
【0052】さらに前記一般式(i-3)で示される有機
ケイ素化合物に類似する化合物として、γ-クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエト
キシシラン、クロルトリエトキシシラン、ケイ酸エチ
ル、ケイ酸ブチル、ビニルトリス(β-メトキシエトキ
シシラン)、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルテ
トラエトキシシロキサンなども挙げられる。
【0053】なお前記一般式(i-3)で示される有機ケ
イ素化合物には、前記一般式(i-1)で示される有機ケ
イ素化合物が含まれる場合がある。これらの有機ケイ素
化合物は、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いる
ことができる。
【0054】これらの電子供与体は、1種単独でまたは
2種以上組み合せて用いられる。また上記のようなチタ
ン化合物、マグネシウム化合物および電子供与体を接触
させる際に、粒子状担体を用い、担体担持型のチタン触
媒成分(A)を調製することもできる。
【0055】チタン触媒成分(A)は、上記したような
チタン化合物およびマグネシウム化合物、必要に応じて
電子供与体を接触させることにより製造することがで
き、公知の方法を含むあらゆる方法により製造すること
ができる。なお上記の成分は、例えばケイ素、リン、ア
ルミニウムなどの他の反応試剤の存在下に接触させても
よい。
【0056】これらチタン触媒成分(A)の具体的な製
造方法を数例挙げて以下に簡単に述べる。なお以下に説
明するチタン触媒成分(A)の製造方法では、電子供与
体を用いる例について述べるが、この電子供与体は必ず
しも用いなくてもよい。 (1) マグネシウム化合物、電子供与体および炭化水素溶
媒からなる溶液を、有機金属化合物と接触反応させて固
体を析出させた後、または析出させながらチタン化合物
と接触反応させる方法。 (2) マグネシウム化合物と電子供与体からなる錯体を有
機金属化合物と接触、反応させた後、チタン化合物を接
触反応させる方法。 (3) 無機担体と有機マグネシウム化合物との接触物に、
チタン化合物および好ましくは電子供与体を接触反応さ
せる方法。この際、あらかじめ該接触物をハロゲン含有
化合物および/または有機金属化合物と接触反応させて
もよい。 (4) マグネシウム化合物、電子供与体、場合によっては
更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機または有機担体との
混合物から、マグネシウム化合物の担持された無機また
は有機担体を得、次いでチタン化合物を接触させる方
法。 (5) マグネシウム化合物、チタン化合物、電子供与体、
場合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機また
は有機担体との接触により、マグネシウム、チタンの担
持されたチタン触媒成分を得る方法。 (6) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
チタン化合物と接触反応させる方法。このとき電子供与
体を1回は用いる。 (7) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
化合物と接触反応後、チタン化合物を接触させる方法。
このとき電子供与体を1回は用いる。 (8) アルコキシ基含有マグネシウム化合物をハロゲン含
有チタン化合物と接触反応する方法。このとき電子供与
体を1回は用いる。 (9) アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体からなる錯体をチタン化合物と接触反応する方法。 (10)アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体からなる錯体を有機金属化合物と接触後チタン化合
物と接触反応させる方法。 (11)マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合
物とを任意の順序で接触、反応させる方法。この反応
は、各成分を電子供与体および/または有機金属化合物
やハロゲン含有ケイ素化合物などの反応助剤で予備処理
してもよい。なお、この方法においては、上記電子供与
体を少なくとも一回は用いることが好ましい。 (12)還元能を有しない液状のマグネシウム化合物と液状
チタン化合物とを、好ましくは電子供与体の存在下で反
応させて固体状のマグネシウム・チタン複合体を析出さ
せる方法。 (13) (12)で得られた反応生成物に、チタン化合物をさ
らに反応させる方法。 (14) (11)または(12)で得られる反応生成物に、電子供
与体およびチタン化合物をさらに反応させる方法。 (15)マグネシウム化合物と好ましくは電子供与体と、チ
タン化合物とを粉砕して得られた固体状物を、ハロゲ
ン、ハロゲン化合物および芳香族炭化水素のいずれかで
処理する方法。なお、この方法においては、マグネシウ
ム化合物のみを、またはマグネシウム化合物と電子供与
体とからなる錯化合物を、またはマグネシウム化合物と
チタン化合物を粉砕する工程を含んでもよい。また、粉
砕後に反応助剤で予備処理し、次いでハロゲンなどで処
理してもよい。反応助剤としては、有機金属化合物また
はハロゲン含有ケイ素化合物などが挙げられる。 (16)マグネシウム化合物を粉砕した後、チタン化合物と
接触・反応させる方法。この際、粉砕時および/または
接触・反応時に電子供与体や、反応助剤を用いることが
好ましい。 (17)上記(11)〜(16)で得られる化合物をハロゲンまたは
ハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処理する方法。 (18)金属酸化物、有機マグネシウムおよびハロゲン含有
化合物との接触反応物を、好ましくは電子供与体および
チタン化合物と接触させる方法。 (19)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウ
ム、アリーロキシマグネシウムなどのマグネシウム化合
物を、チタン化合物および/またはハロゲン含有炭化水
素および好ましくは電子供与体と反応させる方法。 (20)マグネシウム化合物とアルコキシチタンとを少なく
とも含む炭化水素溶液と、チタン化合物および/または
電子供与体とを接触させる方法。この際ハロゲン含有ケ
イ素化合物などのハロゲン含有化合物を共存させること
が好ましい。 (21)還元能を有しない液状状態のマグネシウム化合物と
有機金属化合物とを反応させて固体状のマグネシウム・
金属(アルミニウム)複合体を析出させ、次いで、電子
供与体およびチタン化合物を反応させる方法。
【0057】チタン触媒成分(A)を調製する際に用い
られる上記各成分の使用量は、調製方法によって異なり
一概に規定できないが、例えばマグネシウム化合物1モ
ル当り、電子供与体は0.01〜20モル、好ましくは
0.1〜10モルの量で用いられ、チタン化合物は0.
01〜1000モル、好ましくは0.1〜200モルの
量で用いられる。
【0058】このようにして得られるチタン触媒成分
(A)は、マグネシウム、チタン、ハロゲンを必須成分
とし、必要に応じて電子供与体を含有している。このチ
タン触媒成分(A)において、ハロゲン/チタン(原子
比)は約2〜200、好ましくは約4〜100であり、
前記電子供与体/チタン(モル比)は約0.01〜10
0、好ましくは約0.2〜10であり、マグネシウム/
チタン(原子比)は約1〜100、好ましくは約2〜5
0であることが望ましい。
【0059】固体状のチタン系触媒にはオレフィンが予
備重合されていてもよい。予備重合で生成するオレフィ
ン重合体は、チタン触媒成分1g当り、0.1〜500
g、好ましくは0.3〜300g、特に好ましくは1〜
100gの量で担持されていることが望ましい。予備重
合は、不活性炭化水素媒体にオレフィンおよび上記の触
媒成分を加え、温和な条件下に行うことが好ましい。
【0060】有機金属化合物触媒成分(B)としては、
周期表第1、2族および第12、13族の有機金属化合
物が用いられる。 (b-1) 一般式 R1 m Al(OR2 )n p q (式中、R1 およびR2 は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の
炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<
m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q
<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で
表される有機アルミニウム化合物。
【0061】(b-2) 一般式 M1 AlR1 4 (式中、M1 はLi、Na、Kを示し、R1 は炭素原子
数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示
す。)で表される1族金属とアルミニウムとの錯アルキ
ル化物。
【0062】(b-3) 一般式 R1 2 2 (式中、R1 およびR2 は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の
炭化水素基を示し、M2 はMg、ZnまたはCdであ
る。)で表される2族または12族金属のジアルキル化
合物。
【0063】前記(b-1)に属する有機アルミニウム化合
物としては、次のような化合物などを例示できる。 一般式 R1 m Al(OR2 )3-m (式中、R1 およびR2 は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の
炭化水素基を示し、mは好ましくは1.5≦m≦3の数
である。)で表される有機アルミニウム化合物、 一般式 R1 m AlX3-m (式中、R1 は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜
4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは
好ましくは0<m<3である。)で表される有機アルミ
ニウム化合物、 一般式 R1 m AlH3-m (式中、R1 は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜
4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3であ
る。)で表される有機アルミニウム化合物、 一般式 R1 m Al(OR2 )nq (式中、R1 およびR2 は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の
炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<
m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、
かつm+n+q=3である。)で表される有機アルミニ
ウム化合物。
【0064】さらにその他にも、有機金属化合物として
は、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウ
ム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メ
チルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミ
ド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウ
ムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマ
グネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ジ
メチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチル
マグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどを使用す
ることもできる。
【0065】また重合系内で上記有機アルミニウム化合
物が形成されるような化合物、例えばハロゲン化アルミ
ニウムとアルキルリチウムとの組合せ、またはハロゲン
化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組合せなど
を使用することもできる。これらのうち、有機アルミニ
ウム化合物が好ましい。
【0066】上記のような有機金属化合物触媒成分
(B)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用い
られる。チタン系触媒は、上記チタン触媒成分(A)と
有機金属化合物触媒成分(B)とから形成されるが、必
要に応じて電子供与体を含んでいてもよい。このような
電子供与体としては上記チタン触媒成分(A)を調製す
る際に用いられる電子供与体として例示したものと同様
のものが挙げられる。これらのなかでは有機ケイ素化合
物、ポリエーテル化合物が好ましい。
【0067】重合の際には、チタン触媒成分(A)は、
重合容積1リットル当たり、チタン原子に換算して、通
常約0.001〜約1.0ミリモル、好ましくは約0.
005〜0.5ミリモルの量で用いられる。また有機金
属化合物触媒成分(B)は、チタン触媒成分中のチタン
原子1モルに対して、有機金属化合物触媒成分中の金属
原子として通常約10〜500モル、好ましくは20〜
200モルとなるような量で用いられる。電子供与体を
使用する場合は、有機金属化合物触媒成分(B)中の金
属原子1モル当たり、通常約0.001〜10モル、好
ましくは0.01〜2モル、特に好ましくは0.05〜
1モルとなるような量で用いられる。
【0068】本発明で用いられるメタロセン系触媒は、
(C)シクロペンタジエニル骨格を有する周期表第4族
から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、(D)有
機アルミニウムオキシ化合物とを含んでいる。
【0069】シクロペンタジエニル骨格を有する周期表
第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物(C)
としては、下記一般式(I)で表される化合物を例示す
ることができる。
【0070】MLX …(I) 式中、Mは周期表第4族から選ばれる1種の遷移金属原
子を示し、好ましくはジルコニウム、チタンまたはハフ
ニウムである。
【0071】xは、遷移金属の原子価であり、Lの個数
を示す。Lは、遷移金属に配位する配位子または基を示
し、少なくとも1個のLは、シクロペンタジエニル骨格
を有する配位子であり、該シクロペンタジエニル骨格を
有する配位子以外のLは、炭素原子数が1〜12の炭化
水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキル
シリル基、SO3 R(ただし、Rはハロゲンなどの置換
基を有していてもよい炭素原子数が1〜8の炭化水素
基)、ハロゲン原子、および水素原子からなる群より選
ばれる1種の基または原子である。
【0072】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、例えばシクロペンタジエニル基、アルキル置
換シクロペンタジエニル基、インデニル基、アルキル置
換インデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、
フルオレニル基などを例示することができる。これらの
基はハロゲン原子、トリアルキルシリル基などが置換し
ていてもよい。
【0073】上記一般式(I)で表される化合物が、シ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以上含む
場合、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子同士は、アルキレン基、置換アルキレン基、シ
リレン基、置換シリレン基などを介して結合されていて
もよい。
【0074】メタロセン化合物(C)としては、シクロ
ペンタジエニル骨格を有する配位子を2個有する化合物
が好ましく用いられ、Mがジルコニウムでありシクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子を2個有する化合物が
より好ましく用いられる。
【0075】有機アルミニウムオキシ化合物(D)とし
て具体的には、従来公知のアルミノキサンおよび特開平
2-78687号公報に例示されているようなベンゼン
不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物が挙げられる。
【0076】本発明で用いられるメタロセン系触媒は、
前記メタロセン化合物(C)と前記有機アルミニウムオ
キシ化合物(D)とを含んでいるが、下記有機アルミニ
ウム化合物(E)を必要に応じて含んでいてもよい。
【0077】このような有機アルミニウム化合物(E)
としては、例えば下記一般式(II)で表される有機アル
ミニウム化合物を例示することができる。 Ra nAlX3-n …(II) (式中、Ra は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、X
はハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜3であ
る。) このような有機アルミニウム化合物(E)として具体的
には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウムなどが挙げられる。
【0078】また有機アルミニウム化合物(E)とし
て、下記一般式(III)で表される化合物を用いること
もできる。 Ra nAlY3-n …(III) (式中、Ra は上記式(II)と同様であり、Yは-OR
b 基、-OSiRc 3 基、-OAlRd 2 基、-NRe 2 基、
-SiRf 3 基またはN(Rg )AlRh 2 基を示し、n
は1〜2であり、Rb 、Rc 、Rd およびRh はメチル
基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基などを示し、Re は水素原子、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、ト
リメチルシリル基などを示し、Rf およびRg はメチル
基、エチル基などを示す。) 本発明で用いられるメタロセン系触媒は、前記メタロセ
ン化合物(C)と前記有機アルミニウムオキシ化合物
(D)、必要に応じて有機アルミニウム化合物(E)有
が粒子状担体(F)に担持されていてもよい。
【0079】粒子状担体(F)として具体的には、Si
2 、Al23 、MgO、ZrO2 、TiO2 、B2
3 、CaO、ZnO、BaO、ThO2 など、もしくは
これらを含む混合物、例えばSiO2-MgO、SiO2-
Al23 、SiO2-TiO2 、SiO2-V25 、Si
2-Cr23 、SiO2-TiO2-MgOなどの無機担
体、またはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテ
ン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニルベン
ゼン共重合体などの有機担体が挙げられる。
【0080】このような粒子状担体(F)は、平均粒径
が、1〜300μm、好ましくは10〜200μmの範
囲にあることが望ましい。前記触媒成分を粒子担体
(F)に担持させる方法としては、前記メタロセン化合
物(C)と、前記有機アルミニウムオキシ化合物(D)
と粒子状担体(F)とを混合接触させる方法がある。各
成分の接触順序は任意に選ばれるが、好ましくは、メタ
ロセン化合物(C)と、有機アルミニウムオキシ化合物
(D)と、粒子状担体(F)とを不活性炭化水素溶媒中
またはオレフィン媒体中で混合接触させることが選ばれ
る。なお、各成分を混合接触させる際には、さらに有機
アルミニウム化合物(E)を添加することもできる。
【0081】本発明で用いられるメタロセン系触媒は、
予備重合されていてもよい。予備重合を行う方法として
は、例えばメタロセン化合物(C)と、有機アルミニウ
ムオキシ化合物(D)と、微粒子状担体(F)とを不活
性炭化水素溶媒中またはオレフィン媒体中で混合接触さ
せて得られる固体触媒成分に、少量のオレフィンを予備
重合する方法などがある。
【0082】なお、固体触媒成分調製時および/または
予備重合時に(E)有機アルミニウム化合物を用いるこ
とができる。重合の際には、メタロセン化合物(C)
は、重合容積1リットル当り、通常0.00005〜
0.1ミリモル、好ましくは0.0001〜0.05ミ
リモルの量で用いられる。有機アルミニウムオキシ化合
物(D)は、メタロセン化合物中の遷移金属原子(M)
に対するアルミニウム原子(Al)のモル比(Al/
M)で、1〜10000、好ましくは10〜5000と
なるような量で用いられる。
【0083】
【発明の効果】本発明によるとプロピレン系ブロック共
重合体中の低(非)結晶性共重合部の割合を短時間で求
めることができる。また、短時間で低(非)結晶性共重
合部の割合が求められるので、得られたプロピレン系ブ
ロック共重合体から重合条件を即時的に変更することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パルスNMRの信号強度比とn-デカン抽出分と
の相関を示す測定検量線の一例である。
【図2】NMR指示値とエチレン含有割合との相関を示
す測定検量線の一例である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 田 伯 人 千葉県市原市千種海岸3番地 株式会社グ ランドポリマー内 Fターム(参考) 4J026 HA02 HA03 HA04 HA13 HA20 HA27 HA32 HA34 HA48 HA49 HB02 HB03 HB04 HB13 HB20 HB27 HB32 HB34 HB42 HB43 HB48 HE01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性のプロピレン重合体部と、低
    (非)結晶性のプロピレン・α-オレフィンランダム共
    重合体部とを有するプロピレン系ブロック共重合体を製
    造するに際して、得られたプロピレン系ブロック共重合
    体中の低(非)結晶性のプロピレン・α-オレフィンラ
    ンダム共重合体部の割合およびα-オレフィン単位の含
    有割合を、パルスNMR測定により求めることを特徴と
    するプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 結晶性のプロピレン重合体部と、低
    (非)結晶性のプロピレン・α-オレフィンランダム共
    重合体部とを有するプロピレン系ブロック共重合体を製
    造するに際して、パルスNMR測定から算出したプロピ
    レン系ブロック共重合体中の低(非)結晶性のプロピレ
    ン・α-オレフィンランダム共重合体部の割合およびα-
    オレフィン単位の含有割合に基づいて重合条件を変更し
    て、得られるプロピレン系ブロック共重合体中のプロピ
    レン・α-オレフィンランダム共重合体部の割合および
    α-オレフィン単位の含有割合を制御することを特徴と
    するプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004359798A (ja) * 2003-06-04 2004-12-24 Mitsui Chemicals Inc オレフィン重合体およびその製造方法
WO2007013585A1 (ja) * 2005-07-29 2007-02-01 Japan Polypropylene Corporation プロピレン系ブロック共重合体及びその製造方法

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