JP2001048791A - 高リン血症予防および/または治療剤 - Google Patents

高リン血症予防および/または治療剤

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JP2001048791A
JP2001048791A JP11226696A JP22669699A JP2001048791A JP 2001048791 A JP2001048791 A JP 2001048791A JP 11226696 A JP11226696 A JP 11226696A JP 22669699 A JP22669699 A JP 22669699A JP 2001048791 A JP2001048791 A JP 2001048791A
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phosphate ion
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Takeshi Goto
武 後藤
Kazuhisa Yoshitake
和久 吉武
Hiroshi Tanmachi
洋 反町
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リン酸イオン吸着作用を有するとともに血中
のリン濃度低下作用および尿中リン排泄低下作用を有す
る高リン血症予防および/または治療剤を提供する。 【解決手段】 一般式(I); 【化1】 〔式中、R1は炭素数7〜10のアラルキル基または炭素数1
〜20のアルキル基であり、R2およびR3は同一であるか、
または異なっていてもよく、各々炭素数1〜4の低級アル
キル基であり、R4は水素原子または低級アルキル基であ
り、X-は生理学的に許容される対イオンであり、nは1〜
3であり、そしてpは平均重合度10〜50,000である〕で示
される非架橋型陰イオン交換樹脂を含む、高リン血症予
防および/または治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高リン血症予防お
よび/または治療剤に関し、更に詳しくは、一般式(I)で
示される非架橋型イオン交換樹脂を有効成分とする、高
リン血症予防および/または治療剤及びリン酸イオン吸
着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】腎機能障害患者においては尿中へのリン
排泄障害が認められており、腎不全初期の段階において
は、リンの恒常性を保つために腎臓の代償機構が作用
し、一時的にはPTH(副甲状腺ホルモン)の増加による
リン再吸収の抑制によってリン排泄増加が見られる。し
かしながら、腎病変の悪化、腎機能の低下によって恒常
性を保つことが不可能となる。その結果、リン排泄の減
少による高リン血症、PTHの著増が起きてしまう。蓄積
したリンは、直接作用として血清カルシウム低下、PTH
産生・分泌促進、異所性石灰化、ビタミンD活性化抑制
による腎性骨異栄養症を引き起こす。また間接作用とし
てPTH高値を介して中枢・末梢神経障害、心筋障害、高
脂血症、糖代謝異常、筋肉障害、成長遅延、心伝導障
害、肺拡散障害、動脈硬化、免疫不全を示す。さらには
リンには尿毒症物質としての側面も知られ、直接・間接
的な腎不全合併症に対する関与が知られている。(腎と
透析、37、2:321-1994)
【0003】さらに腎不全により透析療法に移行しても、リ
ンの恒常性が維持されない限り上記の病態、合併症は持
続する。そのため高リン血症治療は、腎不全透析、未透
析患者にとって必要不可欠なものである。現在高リン血
症の治療には、1)食事療法、2)経口リン吸着剤が用い
られている。食事療法では低タンパク食が用いられてい
るが長期摂取は困難であり、ある程度のタンパク摂取は
避けられないため血中リンの低下という効果は必ずしも
あがらない。
【0004】経口リン吸着剤は、現在以下の3種類が主に用
いられている。 1)アルミニウム製剤(水酸化アルミニウム):本剤は
アルミニウムの吸収によるアルミニウム脳症、アルミニ
ウム骨症の副作用が問題となっている。 2)カルシウム製剤(炭酸カルシウム、酢酸カルシウ
ム):本剤は吸着能がアルミニウムに劣り、服薬量も多
く、またカルシウム吸収による高カルシウム血症を呈す
る問題点がある。 3)マグネシウム製剤(炭酸マグネシウム):本剤はカ
ルシウム製剤と同様に高マグネシウム血症を呈する問題
点がある。
【0005】近年、経口リン吸着剤として陰イオン交換樹脂
を用いる方法が報告されている。特表平9-504782号公報
(WO95/05184)ではポリアリルアミン塩酸塩をエピクロ
ロヒドリンで架橋した陰イオン交換樹脂がリン酸吸着剤
として報告されている。また、特表平8-506846号公報、
WO96/25440ではグアニチジル基を有する陰イオン交換樹
脂がリン酸を選択的に吸着することが記載されている。
また、特開平9-295941号公報では胆汁酸吸着剤である2-
メチルイミダゾール-エピクロロヒドリン共重合体、コ
レスチラミンを経口リン吸着剤として応用している。し
かし、いずれもリン酸塩吸収の顕著な減少のためには高
用量の使用が必要であるという欠点がある。
【0006】以上述べたように、現在行われている高リン血
症の治療はいずれの方法においても弊害が懸念される。
しかしながらこれらの弊害を解消する、高リン血症治療
剤は未だ見い出されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の従来技術におけるような副作用がなく、しかも十分な
リン酸イオン吸着作用を有するリン酸イオン吸着剤、並
びに血中のリン濃度低下作用および尿中リン排泄低下作
用を有する高リン血症予防および/または治療剤を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねる中で、従来の胆汁酸吸着
剤の欠点を解消する血中コレステロール低下剤として開
示された、特開平8-208750号公報に記載の一般式(I):
【化2】 〔式中、R1はベンジル基または炭素数1〜20のアルキル
基であり、R2およびR3は同一であるか、または異なって
いてもよく、各々炭素数1〜4の低級アルキル基であり、
R4は水素原子または低級アルキル基であり、X-は生理学
的に許容される対イオンであり、nは1〜3であり、そし
てpは平均重合度で示される構造単位〕で示される非架
橋型陰イオン交換樹脂が、リン酸吸着作用、血中のリン
酸濃度低下作用および尿中リン排泄低下作用を有し、し
かも上述のような、従来、高リン血症の予防および/ま
たは治療剤として使用されているアルミニウム、カルシ
ウム、マグネシウム製剤にみられる、吸収による弊害を
克服し得るとの知見を見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0009】すなわち、本発明は、一般式(I);
【化3】 〔式中、R1は炭素数7〜10のアラルキル基または炭素数1
〜20のアルキル基であり、R2およびR3は同一であるか、
または異なっていてもよく、各々炭素数1〜4の低級アル
キル基であり、R4は水素原子または低級アルキル基であ
り、X-は生理学的に許容される対イオンであり、nは1〜
3であり、そしてpは平均重合度10〜50,000である〕で示
される非架橋型陰イオン交換樹脂を含む、リン酸イオン
吸着剤に関する。また本発明は、前記一般式(I)におい
て、R1がベンジル基であり、R2およびR3がメチル基であ
り、R4が水素であり、X-が塩素イオンであり、nが2であ
り、そしてpが平均重合度10〜50,000である、前記リン
酸イオン吸着剤に関する。本発明はまた、前記のリン酸
イオン吸着剤を含有する、高リン血症予防および/また
は治療剤にも関する。本発明の構成により、従来のアル
ミニウム製剤、カルシウム製剤、マグネシウム製剤にみ
られるような副作用がなく、しかも十分なリン酸吸着作
用が達成される。これにより、血中のリン濃度低下作用
および尿中リン排泄低下作用を有する高リン血症予防お
よび/または治療剤が提供される。
【0010】本発明のリン酸イオン吸着剤または高リン血症
の予防および/または治療剤は、一般式(I)で表される非
架橋型陰イオン交換樹脂を有効成分とするものである。
好ましい態様としては、式中、置換基R1は炭素数7〜10
のアラルキル基または炭素数1〜20のアルキル基であ
り、アラルキル基のアリール基は置換基を有していても
よいが、好ましくは無置換のものであり、また、アルキ
ル基は直鎖状または分枝鎖状であってもよい。このよう
なアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェニル
エチル基等が挙げられ、また、このようなアルキル基と
しては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、is
o-プロピル基、ヘキシル基、ドデシル基、オクタデシル
基、エイコシル基等が挙げられるが、より好ましくはベ
ンジル基である。
【0011】さらに置換基R2およびR3は、同一であるか、ま
たは異なっていてもよく、各々炭素数1〜4の低級アルキ
ル基であり、直鎖状または分枝鎖状であってもよく、こ
のような低級アルキル基としては、例えばメチル基、エ
チル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、
iso-ブチル基等が挙げられるが、より好ましくはメチル
基である。
【0012】置換基R4は、水素原子または低級アルキル基で
あり、低級アルキル基は直鎖状または分枝鎖状であって
もよく、このような低級アルキル基としては、例えばメ
チル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-
ブチル基、iso-ブチル基等が挙げられるが、より好まし
くは水素原子である。
【0013】対イオンX-は、生理学的に許容される対イオン
であれば特に制限されないが、例えばハロゲン;硫酸
塩、重炭酸塩、炭酸塩等の無機酸塩;ギ酸塩、酢酸塩、
プロピオン酸塩、マロン酸塩、スクシン酸、フマル酸
塩、アスコルビン酸塩、スルホン酸塩、グルクロン酸
塩、アミノ酸塩(例えばアスパラギン酸塩、グルタミン
酸塩)等の有機酸塩のアニオンが挙げられ、好ましくは
硫酸イオン、ハライドイオンであり、特に好ましくは塩
素イオンである。
【0014】さらに、メチレン基(-CH2-)の構造単位であ
るnは1〜3の整数であり、好ましくは2である。また、一
般式(I)におけるpは平均重合度を示し、これは好ましく
は10〜50,000であり、より好ましくは20〜30,000であ
り、特に好ましくは20〜20,000である。
【0015】一般式(I)で表される非架橋型陰イオン交換
樹脂の具体例としては、例えば;ポリ(アクリロイルオ
キシエチル-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロライ
ド)、ポリ(メタクリロイルオキシエチル-N,N,N-トリ
メチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリロイル
オキシエチル-N,N-ジメチル-N-ベンジルアンモニウムク
ロライド)、ポリ(メタクリロイルオキシエチル-N,N-
ジメチル-N-ベンジルアンモニウムクロライド)、ポリ
(アクリロイルオキシエチル-N,N-ジメチル-N-ヘキシル
アンモニウムクロライド)、ポリ(メタクリロイルオキ
シエチル-N,N-ジメチル-N-ヘキシルアンモニウムクロラ
イド)、ポリ(アクリロイルオキシエチル-N,N-ジメチ
ル-N-ドデシルアンモニウムクロライド)、ポリ(メタ
クリロイルオキシエチル-N,N-ジメチル-N-ドデシルアン
モニウムクロライド)、ポリ(アクリロイルオキシエチ
ル-N,N-ジメチル-N-オクチルアンモニウムクロライ
ド)、ポリ(メタクリロイルオキシエチル-N,N-ジメチ
ル-N-オクチルアンモニウムクロライド)が挙げられ、
より好ましくはポリ(アクリロイルオキシエチル-N,N-
ジメチル-N-ベンジルアンモニウムクロライド)であ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明で使用される非架橋型陰イ
オン交換樹脂の製造方法としては、例えば、対応するモ
ノマーの四級アンモニウム塩を調製し、これをラジカル
重合開始剤の存在下に重合させることにより製造される
が、とくにこれに限定されない。
【0017】本発明のリン酸イオン吸着剤または高リン血症
予防および/または治療剤としては、有効成分である上
記化合物それ自体を用いても良いが、汎用の製剤用添加
物を用いて上記有効成分を含む医薬組成物を製造して用
いることが好ましい。このような医薬組成物の剤型とし
ては、錠剤、カプセル剤、細粒剤、丸剤、トローチ剤、
液剤等を挙げることができ、これらは経口投与により服
用される。
【0018】経口投与用の医薬組成物は、混合、充填または
打錠等の従来汎用の方法により製造することができる。
また反復配合操作を用いて、多量の充填剤を使用した医
薬組成物中に有効成分を分布させても良い。例えば、経
口投与に用いられる錠剤またはカプセル剤は単位投与物
として提供することが望ましく、結合剤、充填剤、希釈
剤、打錠剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、香味剤および湿
潤剤等の通常使用される製剤用担体を含有していてもよ
い。錠剤は、周知の方法に従って、例えばコーティング
剤を用いてコーティング錠とすることもできる。
【0019】充填剤としては、好ましくはセルロース、マン
ニトール、ラクトース等を挙げることができ、崩壊剤で
あるでん粉、ポリビニルピロリドン、ナトリウムでん粉
グリコラート等のデンプン誘導体等や、滑沢剤であるラ
ウリル硫酸ナトリウム等を製剤用添加物として用いるこ
とができる。経口投与用の液剤形態の医薬組成物は、例
えば水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロ
ップ剤もしくはエリキシル剤等の医薬組成物、あるいは
使用前に水または適当な媒体により再溶解され得る乾燥
医薬組成物として提供することができる。
【0020】このような液剤には、通常の添加剤、例えばソ
ルビトール、シロップ、メチルセルロース、ゼラチン、
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは水素化食用
脂肪のような沈殿防止剤;レシチン、ソルビタンモノオ
レエート、アラビアゴムのような乳化剤;アーモンド
油、精留ココナッツ油、グリセリンエステル等の油状エ
ステル;プロピオングリコール、エチルアルコールのよ
うな(食用油も包含し得る)非水性溶媒;p-ヒドロキシ
安息香酸のメチルエステル、またはソルビン酸のような
保存剤、および必要に応じて通常の香味剤または着色剤
等を配合することができる。
【0021】経口投与用の医薬組成物、例えば錠剤、カプセ
ル剤、細粒剤等の場合は、通常5〜95重量%、好ましくは
25〜90重量%の有効成分を含有する。本発明の治療剤
は、腎機能障害に伴う高リン血症の予防および/または
治療に特に有用である。本発明の予防および/または治
療剤の投与量は、患者の年齢、健康状態、体重、疾患の
重篤度、同時に行う治療・処置の種類や頻度、所望の効
果の性質等により適宜決定すればよい。一般的には、成
人1日当たりの投与量を、有効成分量として1〜60gとし
て、1日あたり1回または数回投与すればよい。
【0022】本発明のリン酸イオン吸着剤または高リン血症
予防および/または治療剤は、血中のリン濃度及び尿中
へのリン排泄を低下させる。従って高リン血症がその病
因と考えられる腎機能障害、慢性腎不全、透析、低カル
シウム血症、副甲状腺ホルモン(PTH)過剰分泌、ビタ
ミンD活性化抑制、異所性石灰化等に対し、本発明の高
リン血症予防および/または治療剤は予防および/または
治療効果を有することが期待される。さらに高リン血症
によるPTH増加、ビタミンD低下を介する2次性副甲状腺
機能亢進症、腎性骨異栄養症、尿毒症、中枢・末梢神経
障害、貧血、心筋障害、高脂血症、糖代謝異常、掻痒
症、皮膚虚血性潰瘍、貧血、腱断裂、性機能異常、筋肉
障害、成長遅延、心伝導障害、肺拡散障害、動脈硬化、
免疫不全等に対し、本発明の高リン血症予防および/ま
たは治療剤は予防及び治療効果を有することが期待され
る。
【0023】
【実施例】次に本発明の実施例により、本発明をより具
体的に示すが、本発明の範囲はこれらの実施例によって
制限されるものではない。なお、非架橋型陰イオン交換
樹脂としては、特開平8-208750号公報に記載の方法に従
って合成した請求項2に示されているポリ(アクリロイ
ルオキシエチル-N,N-ジメチル-N-ベンジルアンモニウム
クロライド)を、また、炭酸カルシウムは日本薬局方記
載品を使用した。
【0024】実施例1腸液中イオン濃度でのリン酸吸着試験 腸液中でのイオン濃度を考慮し5mM NaH2PO4を溶解させ
た水溶液に、非架橋型陰イオン交換樹脂、炭酸カルシウ
ムを1mg/mlになるように加え、水酸化ナトリウムでpHを
6.8に調節し、37℃で1時間撹拌した。その後、フィルタ
ーで樹脂を除去し、樹脂に結合しなかったリン酸を無機
リン測定試薬(ピーテストワコー)で測定し、その値か
ら樹脂に結合したリン酸量を換算した。その結果を図1
に示す。非架橋型陰イオン交換樹脂は炭酸カルシウムと
比較して高いリン酸結合量を示した。
【0025】実施例2非架橋型陰イオン交換樹脂の正常ラットにおける血中お
よび尿中リン量への影響 SD雄性ラット(8週齢)を用い、非架橋型陰イオン交換
樹脂、炭酸カルシウムにおける尿中リン量上昇抑制効果
について以下の通り実験を行った。
【0026】すなわち、0.3%リンを含有する飼料(20g/rat/
day)を7日間摂餌させた後、さらに0.58%リンを含有す
る飼料 (20g/rat/day)に非架橋型陰イオン交換樹脂、ま
たは炭酸カルシウム0.6gを混餌し、5日間にわたり投与
した。また、 薬剤投与前、投与5日後に24時間採尿し、
尿中のリン濃度、尿量から尿中リン量を算出した。尿中
リン濃度は無機リン測定試薬(ピーテストワコー)で測
定した。得られた薬剤投与前、投与5日後の尿中リン量
の差から尿中リン排泄上昇量を算出し、非投与群(コン
トロール)と比較した。各群のラットは、各々6匹を実
験に供した。得られた結果を図2に示す。コントロール
と比較して、炭酸カルシウム投与群では有意に尿中リン
排泄上昇が抑制されていた。非架橋型陰イオン交換樹脂
投与群でも有意に尿中リン排泄上昇が抑制されたが、そ
の効果は炭酸カルシウム投与群より大きかった。
【0027】実施例3非架橋型陰イオン交換樹脂の5/6腎摘ラットにおける血
中リン濃度および腎機能に対する影響 SD雄性ラット(9週齢)を用い、非架橋型陰イオン交換
樹脂、炭酸カルシウムにおける尿中リン量低下作用及び
腎機能に対する影響について以下の通り実験を行った。
【0028】すなわち、SD雄性ラットの左腎を2/3切除し、1
週間後に右腎を全摘して5/6腎摘ラットを作成した。1週
間後、炭酸カルシウム、非架橋型陰イオン交換樹脂の混
餌投与を開始した。ラット用粉体飼料はオリエンタル酵
母社製MFを用い、投薬量は餌15g中0.3g含有とした。5/6
腎摘ラットの作成12週間後に尾静脈より採血し、血中の
リン濃度を無機リン測定試薬(ピーテストワコー)で測
定した。また、5/6腎摘ラットの作成前及び作成12週間
後に24時間採尿し、尿中蛋白濃度を蛋白質測定試薬(プ
ロテインアッセイキッド、バイオラッド)で測定した。
各群のラットは、各々9匹を実験に供した。結果を図3及
び図4に示す。図3に示したようにコントロールと比較し
て、炭酸カルシウム投与群では有意な血中リン濃度の差
はなかった。非架橋型陰イオン交換樹脂投与群では有意
に血中リン濃度の低下が認められた。また、図4に示し
たように5/6腎摘ラット作成12週間後、コントロールで
は尿中蛋白排泄量が著明に増加して腎機能の悪化を示し
たが、炭酸カルシウム投与群では、コントロールと比較
して尿中蛋白排泄量の上昇は有意に抑制されていた。非
架橋型陰イオン交換樹脂投与群でも、尿中蛋白排泄量の
増加が有意に抑制されたが、その作用強度は炭酸カルシ
ウム投与群よりも大きく、腎機能悪化抑制効果が認めら
れた。
【0029】
【発明の効果】本発明で使用される非架橋型陰イオン交
換樹脂は、血中リン濃度、尿中リン排泄を顕著に抑制
し、腎機能悪化の抑制が可能であり、高リン血症予防お
よび/または治療に有効であり、医薬として有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1におけるリン酸と非架橋型陰
イオン交換樹脂、炭酸カルシウムのリン酸結合量を示す
グラフである。
【図2】 本発明の実施例2における薬剤投与前、投与後
の尿中リン量の差から算出した尿中リン排泄上昇量を示
すグラフであり、図中、*及び**はコントロールとの
有意差(それぞれP<0.05及びP<0.01、student-tテス
ト)を示す。また、図中、#は炭酸カルシウム投与群と
の有意差(P<0.05、student-tテスト)を示す。
【図3】 本発明の実施例3における薬剤投与後の血中リ
ン濃度を示すグラフであり、図中、*はコントロールと
の有意差(P<0.05、student-tテスト)を示す。
【図4】 本発明の実施例3における薬剤投与前後の尿中
蛋白排泄量を示すグラフであり、図中、*及び**はコ
ントロールとの有意差(それぞれP<0.05及びP<0.01、s
tudent-tテスト)を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 20/26 B01J 20/26 B Z C08F 20/34 C08F 20/34 (72)発明者 反町 洋 茨城県つくば市観音台1丁目25番11号 久 光製薬株式会社筑波研究所内 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 FA02 FA03 MA01 MA04 NA06 NA14 ZA81 ZC54 4D017 AA11 BA11 CA13 CA17 CB01 DA01 DA05 4G066 AC17B AC33B AD06B AE10B BA09 CA41 DA11 4J100 AL08P BA32P CA01 DA01 JA15 JA53

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I); 【化1】 〔式中、R1は炭素数7〜10のアラルキル基または炭素数1
    〜20のアルキル基であり、R2およびR3は同一であるか、
    または異なっていてもよく、各々炭素数1〜4の低級アル
    キル基であり、R4は水素原子または低級アルキル基であ
    り、X-は生理学的に許容される対イオンであり、nは1〜
    3であり、そしてpは平均重合度10〜50,000である〕で示
    される非架橋型陰イオン交換樹脂を含む、リン酸イオン
    吸着剤。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、R1がベンジル基であ
    り、R2およびR3がメチル基であり、R4が水素であり、X-
    が塩素イオンであり、nが2であり、そしてpが平均重合
    度10〜50,000である、請求項1に記載のリン酸イオン吸
    着剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載されたリン酸イオ
    ン吸着剤を含有する、高リン血症予防および/または治
    療剤。
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Cited By (6)

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