JP2001048552A - 光学素子成形方法及び光学素子成形装置 - Google Patents

光学素子成形方法及び光学素子成形装置

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JP2001048552A
JP2001048552A JP11224688A JP22468899A JP2001048552A JP 2001048552 A JP2001048552 A JP 2001048552A JP 11224688 A JP11224688 A JP 11224688A JP 22468899 A JP22468899 A JP 22468899A JP 2001048552 A JP2001048552 A JP 2001048552A
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mold
cooling
molding
optical element
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JP11224688A
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Takashi Kobayashi
高志 小林
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/12Cooling, heating, or insulating the plunger, the mould, or the glass-pressing machine; cooling or heating of the glass in the mould
    • C03B11/125Cooling
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱軟化した光学素材を押圧成形した後の冷
却工程で、光学素材内部の温度分布の差が発生すること
を防止する。 【解決手段】 筒形のスリーブ2c及び成形素材28を
保持してスリーブ2cの上下の開口部から挿入される上
下の型2a、2bからなる金型2と、スリーブ2cの外
周に設置された加熱手段5と、上下の型2a、2bを別
個に冷却する冷却装置8と、上下の型2a、2bの成形
面930近辺の温度を測定する測温器10と、加熱手段
8の加熱による光学素材の軟化の後に上下の型2a、2
bをその軸方向で押圧する押圧機構4と、押圧機構4に
よる押圧後の冷却中に測温器10で測定された温度をフ
ィードバックしながら予め設定された降温パターンに沿
って降温するように冷却装置8を制御する制御部24と
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱軟化した光学
素材を押圧して光学素子を成形する光学素子成形法及び
光学素子成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭62−59539号公報には、加
熱軟化した光学素材から光学素子を成形する従来の成形
装置が開示されている。この装置は、上型と、下型と、
上下の型が挿入される筒状のスリーブとを備えていると
共に、スリーブの外周には熱輻射加熱装置が設置されて
いる。この装置による成形は、光学素材を保持した上下
の型をスリーブ内に挿入し、熱輻射加熱装置によってス
リーブ及び上下の型を加熱して内部の成形素材を加熱軟
化させ、この加熱軟化状態で上下の型によって光学素材
を押圧することにより光学素子とするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】成形される光学素子の
2面、例えば光学レンズ等の光学機能面の2面の曲率半
径が極端に異なる両凸の光学素子、即ち、一面側の曲率
半径が大きく、他面側の曲率半径が小さい両凸の光学素
子を成形する場合において、従来技術のように熱輻射加
熱装置によって均一に熱輻射を与えて加熱する方法で
は、以下のような不具合が生じる。
【0004】すなわち、曲率半径が小さな側の型の成形
面が形成する空間内に充満する光学素材の体積に対し、
曲率半径が大きな側の型の成形面が形成する空間内に充
満する光学素材の体積が極端に大きくなる。この状態を
光学素子の外周面のコバの高さ(外周面の肉厚)で2分
割した場合、すなわち光学素子の外周面の肉厚に対して
中央で分割したときの上側半分の光学素子部分と、下側
半分の光学素子部分とでは、貯えられる熱容量に大きな
差を生じた状態となっている。
【0005】このような光学素子を上下の型との均温の
加熱状態から冷却する場合、光学素子は上下の型を介し
て主として冷却される。従って、上下の型の成形面に対
しては成形面の表面積に関わらず、上下の型の成形面へ
の光学素子からの熱の移動が略同じのため、熱容量の大
きな(曲率半径の小さい)側を成形する一方の型の成形
面の冷却が、熱容量の小さな(曲率半径の大きな側の冷
却)側を成形する他方の型の成形面の冷却よりも遅くな
る。その結果、光学素子の冷却工程で、上下の型の成形
面間で大きな温度差、即ち温度分布(熱分布)に差が生
じる。この温度分布の差から光学素子内に内部応力が発
生するため、光学素子の表面の割れなどの品質不良を発
生する問題がある。
【0006】本発明はこのような従来の問題点を考慮し
てなされたものであり、押圧成形後の冷却工程で、光学
素子の内部に大きな温度分布の差を発生させることなく
成形することが可能な光学素子成形方法及びその光学素
子成形装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の光学素子成形方法は、光学素材を
保持した上型及び下型を筒形のスリーブの上下の開口部
から挿入した状態で、上型、下型及びスリーブを加熱し
て光学素材を加熱軟化させ押圧成形する成形方法におい
て、前記押圧成形後の冷却工程で、上型の成形面近辺の
温度及び下型の成形面近辺の温度を監視しながら上下型
の冷却能力を制御して上型の温度及び下型の温度の降温
を制御することを特徴とする。
【0008】この発明では、光学素材の押圧成形後の冷
却工程において、上型の成形面近辺の温度及び下型の成
形面近辺の温度を監視しながら上下型の冷却能力を制御
して上型の温度及び下型の温度の降温を管理するもので
ある。この降温では、曲率半径が小さい、すなわち成形
面が形成する空間部が大きく光学素材が充満する体積の
大きい側から移動する熱を、曲率半径が大きい、すなわ
ち成形面が形成する空間部が小さく光学素材が充満する
体積が小さい側から移動する熱よりも相対的に早くす
る。このことにより、曲率半径が小さい側の型の温度
を、成形可能な範囲で他方の型よりも低くできる、すな
わち、曲率半径が大きい型の成形面の近くの温度を、他
方の型の温度よりもある決められた温度だけ高く制御し
ながら冷却することができる。これにより、冷却工程に
生じる光学素子内部の熱分布の差を少なくすることがで
き、光学素子の表面の割れなどの品質不良の発生を防止
することができる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1記載の発明で
あって、前記上下型の温度の降温の制御を、少なくとも
成形される形成素材のガラス転移点以下になるまで行う
ことを特徴とする。
【0010】この発明では、ガラス転移点以下まで降温
の制御を行うため、光学素子内部の熱分布の差を極めて
少なくすることができ、品質不良を確実に防止すること
ができる。
【0011】請求項3の発明の成形装置は、筒形のスリ
ーブ及び成形素材を保持してスリーブの上下の開口部か
ら挿入される上下の型からなる金型と、前記スリーブの
外周に設置された加熱手段と、前記上下の型を別個に冷
却する冷却装置と、上下の型の成形面近辺の温度を測定
する測温器と、前記加熱手段の加熱による光学素材の軟
化の後に前記上下の型をその軸方向で押圧する押圧機構
と、この押圧機構による押圧後の冷却中に前記測温器で
測定された温度をフィードバックしながら予め設定され
た降温パターンに沿って降温するように前記冷却装置を
制御する制御部と、から構成されることを特徴とする。
【0012】この発明では、加熱手段が加熱することに
より光学素材を加熱軟化し、押圧機構が加熱軟化状態の
光学素材を押圧成形する。冷却装置は押圧成形後に上下
の型を介して光学素材を冷却する。このとき、制御部は
測温器で測定された上下の型の成形面近辺の温度をフィ
ードバックしながら予め設定された降温パターンに沿っ
て降温するように冷却装置を制御する。このため、冷却
工程に生じる光学素子内部の熱分布の差を少なくするよ
うに上下の型の冷却能力を制御でき、光学素子の表面の
割れなどの品質不良の発生を防止することができる。
【0013】請求項4の発明は、請求項3記載の発明で
あって、前記制御部は、成形される光学素材の材料特
性、成形品の形状に応じた上下の型の降温パターンを記
憶すると共に、この降温パターンと前記測温器で測定さ
れた上下の型の温度とを比較して、上下の型の温度を降
温パターンに近づけるように前記冷却装置の冷却能力を
調整する機能を有することを特徴とする。
【0014】この発明では、制御部が光学素材や光学素
子に応じた降温パターンに近づけるように、上下の型の
温度を制御するため、光学素子内部の熱分布の差を確実
に少なくすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施の形
態により具体的に説明する。なお、各実施の形態におい
て、同一の要素は同一の符号を付して対応させてある。
【0016】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1の成形装置1を示し、金型2と、金型2を支持する
主軸4と、主軸4を支持する移動台3と、金型2の上方
に配置された固定台3aと、金型2を加熱する加熱装置
5と、金型2が内部に挿入される成形室6と、主軸4を
駆動する駆動部7と、金型2を冷却する冷却装置8と、
冷却装置8を制御する制御部24とを備えている。な
お、成形装置1は架台34を下部に有し、この架台34
上に成形室6が設置された構造となっている。
【0017】金型2は、共に超硬合金やセラミックスか
らなる上型2a、下型2b及びスリーブ2cを有してい
る。上下の型2a、2bは凹球面状の成形面9,30を
それぞれ有している。この実施の形態では、上型2aの
成形面9は下型2bの成形面30に比べ極端に曲率半径
が小さくなっており、例えば、成形される光学素子が外
径10mmの両凸レンズの場合には、上型2aの成形面
9の曲率半径Rは8mmであり、下型2bの成形面30
の曲率半径Rは30mmとなっており、上下の型2a、
2bでは、その成形面9,30の曲率半径の比が2.5
倍以上となっている。
【0018】これらの上下の型2a、2bの軸心部であ
って、且つ成形面9,30の近辺には、成形面9,30
近辺の温度を測定する測温器10がそれぞれ挿入されて
いる。測温器10としてはサーミスター、放射温度計を
使用することができる。
【0019】スリーブ2cは上下が開口された円筒形状
であり、上型2a及び下型2bの外周と上下自在に嵌合
する内径を有している。このスリーブ2cの上下の開口
部から上下の型2a、2bが挿入される。
【0020】移動台3上には、主軸4がボルトによって
固定されている。移動台3及び主軸4には、設置部11
を介して下型2b及びスリーブ2cの下端面を冷却する
冷却水循環路12が形成され、冷却水循環路12内部を
流れる冷却水により下型2b及びスリーブ2cを冷却す
ることが可能となっている。冷却水循環路12は配管1
3により流量制御弁14を介して冷却水タンク15に連
結されている。冷却水タンク15に蓄えられている冷却
水は、略常温の25℃に温調されているが、温度はこれ
に限られるものではない。
【0021】固定台3aは、そのフランジ部がボルトに
よって固定されることにより、成形室6の上側内面に突
出している。固定台3aの下端面には、凹状に成形され
て、金型2の倒れが生じないように規制すると共に、そ
の中央部分の下面に上型2aの上端面と接触する接触面
16を有している。なお、固定台3a下面の接触面16
は上型2aの上端面とは接触するが、接触面16とスリ
ーブ2cの上端面とが接触すると、上型2aと下型2b
によって光学素材28の押圧ができなくなるため、接触
面16とスリーブ2cの上端面とは離れた状態となって
いる。
【0022】固定台3aの内部には、冷却水循環路17
が形成されている。冷却水循環路17は接触面16の近
傍に達しており、同循環路17に流れる冷却水により上
型2aを冷却することが可能となっている。この冷却水
循環路17は配管18により流量制御弁19を介して上
述した冷却水タンク15に連結されている。
【0023】主軸4の上面には、凹状となっている設置
部11が形成され、この設置部11に下型2b及びスリ
ーブ2cが設置されている。主軸4は成形室6の下部に
位置していると共に、駆動部7に連結されている。
【0024】駆動部7は架台34に支持されており、移
動台3を介して主軸4を上下動させて上型2aを固定台
3aの接触面16に当接させるように駆動し、これによ
り上型2aと下型2bとの間で光学素材28に押圧力を
与える。この駆動を行うため、駆動部7は図示されてい
ないシリンダまたはモータ等の駆動源及びガイドによっ
て主軸4を上下動自在に支持している。なお、金型2は
主軸4の上下動によって、成形室6の底部を形成する底
板6aの下側から、底板6aに穿設した孔を介して成形
室6内に出入りする。
【0025】加熱装置5はスリーブ2cに対して同心円
上に設置されたリング状の4本の赤外線ランプ21と、
赤外線ランプ21の外側を囲む赤外線反射板20とから
構成されている。赤外線ランプ21は図示されていない
金具によって成形室6に取り付けられている。赤外線反
射板20は赤外線ランプ21から照射される赤外線をス
リーブ2cの外周部に均一に反射させる形状となってい
る。この実施の形態の赤外線反射板20は、4本の赤外
線ランプ21を囲む円筒状部20aと、主軸4及び固定
台3aの外周側を囲む包囲部20bとが連設された形状
に成形され、この形状によって赤外線を均一に反射させ
るようになっている。
【0026】成形室6は、架台34上に設置されてお
り、加熱装置5と移動台3と固定台3aと金型2とが内
部に配置される。なお、架台34は、成形室6の底板6
aを支持する4本の支柱34aと、この4本の支柱34
aを立設状態で支持する架台板34bと、架台板34b
を支持する支持座34cとから構成される。成形室6の
下部には、その内部の全体を非酸化雰囲気にするための
不活性ガス、例えば窒素ガスを注入する注入口22及び
内部の空気を排出する排気口23が対向して設けられて
いる。この場合、注入口22に対し排気口23の径は小
さく設定されている。
【0027】制御部24は、上下の型2a、2bに設置
された測温器10からの温度測定信号を増幅するアンプ
26と、上述した流量制御弁14,19の流量を調整す
る外部出力部25と、コンピューター27とを備えてい
る。流量制御弁14,19の流量を調整することによ
り、上下の型2a、2bの冷却を制御することができ
る。コンピューター27には、予め実験で求められた冷
却工程での上下の型2a、2bの降温パターン(上下の
型2a、2bの成形面9,30付近の温度が減じていく
ときの降下パターン)が記憶されている。このコンピュ
ーター27はアンプ26からの温度情報と、記憶してい
る降温パターンとを比較すると共に、この比較データに
基づいて外部出力部25に制御信号を出力する。
【0028】次に、この実施の形態による光学素子の成
形方法を説明する。この実施の形態では、ガラス転移点
温度381℃、屈伏点温度404℃である予め球状に研
磨加工されたガラス製の成形素材28から上下面の曲率
が大きく異なるレンズを成形するものである。
【0029】まず、駆動部7を駆動して主軸4及び移動
台3を下降させて、成形室6の底板6aよりも少なくと
もスリーブ2cの長さ分以上、離れた下方に設置部11
が位置するように待機させる。また、流量制御弁14,
19を閉じて、冷却水循環路12,17への冷却水の供
給を停止させた状態とする。
【0030】そして、光学素材28を保持した上型2a
及び下型2bをスリーブ2c内に挿入して金型2を組み
立て、この金型2を設置部11に載置する。そして、主
軸4を上昇させて成形室6を密閉する。このときには、
上型2aの上端部は固定台3aの接触面16とは離れて
いるため、上下の型2a、2bの間には押圧力が作用す
ることがない。この状態で、注入口22から不活性ガス
を成形室6内に注入すると同時に排気口23から空気を
成形室6内から排気して成形室6内を不活性ガス雰囲気
とする。
【0031】その後、駆動部7を駆動して、上型2aの
上端部を固定台3aの接触面16と当接させて上下の型
2a、2bの間に押圧力を加えると共に、赤外線ランプ
21を発光させて赤外線をスリーブ2cの外周に均一に
照射する。この上下の型2a、2b間の押圧力を継続し
ながら、金型2が屈伏点温度404℃まで上昇するよう
に加熱装置5を制御し、屈伏点温度で20秒以上保持し
て成形を行った後、赤外線の発光を止めて冷却工程に移
行する。20秒以上保持した成形完了時点では金型2と
光学素材28は略同じ温度である。
【0032】冷却工程の初期では、曲率半径の小さい成
形面9側の光学素材28の蓄熱が、曲率半径の大きな成
形面30側の光学素材28よりも大きいため、冷却時に
は光学素材28における成形面30側が早く冷える傾向
にある。従って、このままでは、光学素材28内の温度
分布が均一になることなく冷却が進行する。
【0033】光学素材28の冷却状況は測温器10によ
り測定され、リアルタイムでアンプ26を介してコンピ
ューター27に冷却情報として取り込まれる。コンピュ
ーター27には、降温パターンが記憶されている。この
降温パターンは、上型2aの成形面9付近と下型2bの
成形面30付近における光学素材28の温度分布が極力
最小にして良好な品質を確保できるように実験で予め求
めた金型2の降温パターンである。この降温パターンと
測温器10からの冷却情報とがコンピューター27で比
較されることにより、これらの差が認識される。
【0034】この差を常に最小にするようにコンピュー
ター27が演算し、この演算に基づいて外部出力部25
を介して流量制御弁14、19の制御弁を調整し、金型
2が接触する設置部11及び接触部16の温度を調整す
る。すなわち、降温パターンに対して実際の型温が高い
場合は、その型に対応した流量制御弁を開いて冷却水循
環路に流れる冷却水を多くし、金型からの熱伝導を早く
する。一方、降温パターンに対して実際の型温が低い場
合は、その型に対応した流量制御弁を閉じて冷却水循環
路に流れる冷却水を少なくし、金型からの熱伝導を遅く
する。これらの制御は少なくとも金型の温度がガラス転
移点温度以下になるまで行い、その後は、常温近くまで
強制冷却する。
【0035】このような実施の形態では、曲率半径の差
が大きいため、冷却時に上下面に温度分布ができ易い形
状の光学素子を成形する際にも、光学素材内の温度分布
が均一となるように上下の型の間に温度差を設けるよう
制御している。このため、冷却工程に生じる光学素子内
部の熱分布の差を少なくするように上下の型の冷却能力
を制御でき、光学素子の表面の割れなどの品質不良の発
生を防止することができる。
【0036】また、この実施の形態では、以上の冷却制
御を光学素材28のガラス転移点以下まで行うため、光
学素材内部の熱分布を極めて少なくでき、良好な成形を
行うことができる。
【0037】なお、この実施の形態では、上型2aの成
形面9に比べて下型2bの成形面30の曲率を大きくし
ているが、この逆であっても良く、成形面9,30を凸
形状にしても良い。
【0038】(実施の形態2)図2は実施の形態2の成
形装置を示す。この実施の形態では、設置部11、接触
部16に供給される冷却水の供給手段を実施の形態1と
異ならせている。
【0039】設置部11への冷却水循環路12に冷却水
を供給する配管13が3本に分岐されており、分岐され
た各配管が開閉弁32a、32b、32cを介してそれ
ぞれ異なった温度と流量の冷却水を供給する冷却タンク
31a、31b、31cに接続されている。また、接触
部16への冷却水循環路17に冷却水を供給する配管1
8も3本に分岐され、分岐された各配管が開閉弁33
a、33b、33cを介してそれぞれ異なった温度と流
量の冷却水を供給する冷却タンク31a、31b、31
cに配管されている。
【0040】冷却タンク31a内の冷却水は5℃であり
毎分10リットルの流量、冷却タンク31b内の冷却水
は25℃であり毎分5リットルの流量、冷却タンク31
c内の冷却水は40℃であり毎分1リットルの流量を各
配管に供給できるようになっている。
【0041】制御部24は上下の型2a、2bに設置さ
れた測温器10からの信号を増幅するアンプ26と、開
閉弁32a、32b、32cを開閉する外部出力部25
と、コンピューター27とからなり、コンピューター2
7には、予め実験で求められた上下の型2a、2bのそ
れぞれの冷却工程での降温パターンが記憶されている。
また、コンピューター27はこの降温パターンとアンプ
26からの温度情報とを比較し、この比較に基づいて外
部出力部25を制御するようになっている。
【0042】この実施の形態においても、実施の形態1
と同様に光学素材28の加熱、押圧を行う。その後の冷
却工程では、曲率半径の小さい上型2aの成形面9側の
蓄熱が、曲率半径の大きな下型2bの成形面30側より
も大きいため、曲率半径の大きい側(成形面30側)が
早く冷える傾向にある。この冷却状況は測温器10によ
りリアルタイムでアンプ26を介してコンピューター2
7に取り込まれる。
【0043】コンピューター27には、光学素材28内
の熱分布を最小にすることにより良好な品質を確保でき
る上型2a及び下型2bの降温パターンがそれぞれ事前
に入力されている。コンピューター27は測温器10か
らの情報と比較して、その差を認識する。この差を常に
最小にするようにコンピューター27が外部出力部25
を介して開閉弁32a、32b、32c又は開閉弁33
a、33b、33cの開閉をいずれか制御し、これによ
り金型2が接触している設置部11及び接触部16の温
度を調整する。
【0044】すなわち、降温パターンに対して実際の型
温が高い場合は、開閉弁32aまたは33aを開いて、
冷却水循環路12、17に最も温度の低く且つ流量の多
い冷却水(温度5℃、毎分10リッター)を供給し、金
型からの熱伝導を早くする。一方、降温パターンに対し
て実際の型温が低い場合は、開閉弁32c、33cを開
いて、冷却水循環路12、17に最も温度が高く且つ流
量の少ない冷却水(温度40℃、毎分1リッター)を供
給し、金型からの熱伝導を遅くする。この制御を少なく
とも金型温度がガラス転移点以下になるまで行い、その
後は常温近くまで強制冷却する。
【0045】この実施の形態では、実施の形態1と同様
な効果を有するだけでなく、冷却水の流量と共に冷却水
の温度も変更するため、応答性の良い冷却工程の制御が
可能となる。
【0046】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、冷却工程に生
じる光学素子内部の熱分布の差を少なくすることができ
るため、光学素子の表面の割れなどの品質不良の発生を
防止することができる。
【0047】請求項2の発明によれば、降温の制御をガ
ラス転移点以下まで行うため、光学素子内部の熱分布の
差を極めて少なくすることができ、品質不良を確実に防
止することができる。
【0048】請求項3の発明によれば、制御部が測温器
で測定された上下の型の成形面近辺の温度をフィードバ
ックしながら予め設定された降温パターンに沿って降温
するように冷却装置を制御するため、冷却工程に生じる
光学素子内部の熱分布の差を少なくするように上下の型
の冷却能力を制御でき、光学素子の表面の割れなどの品
質不良の発生を防止することができる。
【0049】請求項4の発明によれば、制御部が光学素
材や光学素子に応じた降温パターンに近づけるように、
上下の型の温度を制御するため、光学素子内部の熱分布
の差を確実に少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の成形装置の断面図であ
る。
【図2】実施の形態2の成形装置の断面図である。
【符号の説明】
1 成形装置 2 金型 2a 上型 2b 下型 2c スリーブ 5 加熱装置 8 冷却装置 10 測温器 24 制御部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素材を保持した上型及び下型を筒形
    のスリーブの上下の開口部から挿入した状態で、上型、
    下型及びスリーブを加熱して光学素材を加熱軟化させ押
    圧成形する成形方法において、 前記押圧成形後の冷却工程で、上型の成形面近辺の温度
    及び下型の成形面近辺の温度を監視しながら上下型の冷
    却能力を制御して上型の温度及び下型の温度の降温を制
    御することを特徴とする光学素子成形方法。
  2. 【請求項2】 前記上下型の温度の降温の制御を、少な
    くとも成形される形成素材のガラス転移点以下になるま
    で行うことを特徴とする請求項1記載の光学素子成形方
    法。
  3. 【請求項3】 筒形のスリーブ及び成形素材を保持して
    スリーブの上下の開口部から挿入される上下の型からな
    る金型と、前記スリーブの外周に設置された加熱手段
    と、前記上下の型を別個に冷却する冷却装置と、上下の
    型の成形面近辺の温度を測定する測温器と、前記加熱手
    段の加熱による光学素材の軟化の後に前記上下の型をそ
    の軸方向で押圧する押圧機構と、この押圧機構による押
    圧後の冷却中に前記測温器で測定された温度をフィード
    バックしながら予め設定された降温パターンに沿って降
    温するように前記冷却装置を制御する制御部と、から構
    成されることを特徴とする光学素子成形装置。
  4. 【請求項4】 前記制御部は、成形される光学素材の材
    料特性、成形品の形状に応じた上下の型の降温パターン
    を記憶すると共に、この降温パターンと前記測温器で測
    定された上下の型の温度とを比較して、上下の型の温度
    を降温パターンに近づけるように前記冷却装置の冷却能
    力を調整する機能を有することを特徴とする請求項3記
    載の光学素子成形装置。
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