JP2001048246A - 輸液容器用外装袋 - Google Patents

輸液容器用外装袋

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JP2001048246A
JP2001048246A JP11226258A JP22625899A JP2001048246A JP 2001048246 A JP2001048246 A JP 2001048246A JP 11226258 A JP11226258 A JP 11226258A JP 22625899 A JP22625899 A JP 22625899A JP 2001048246 A JP2001048246 A JP 2001048246A
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oxygen
layer
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scavenging
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JP11226258A
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Takeshi Nagao
勇志 長尾
Otohiko Miyauchi
乙彦 宮内
Hirotaka Takoshi
宏孝 田越
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素によって変質しやすい輸液製剤を収容し
たプラスチック容器を外装する外装袋であって、長期保
存が可能で、安価で軽量であり、耐衝撃性、リサイクル
性、安全性に優れた輸液容器用外装袋の提供。 【解決手段】 酸素によって変質しやすい成分を含む薬
液を収納したガス透過性輸液容器のための外装袋であっ
て、少なくとも1層の酸素捕捉性樹脂層を含む、内層か
ら外層へ、ヒートシ−ル性樹脂層/酸素捕捉性樹脂を含
む樹脂層/耐熱性樹脂層の順またはヒートシ−ル性樹脂
層/酸素捕捉性樹脂を含む樹脂層/ガスバリア層/耐熱
性樹脂層の順に積層した合成樹脂の積層材を用いたこと
を特徴とする輸液容器外装袋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は輸液容器、特にアミ
ノ酸輸液や脂肪乳剤のような酸素によって変質しやすい
成分を含む輸液を、酸化分解を起こさせずに長期間安定
に保存可能とするガスバリア性輸液容器用外装袋及びそ
れよって外装されてなる輸液容器に関する。
【0002】
【従来技術】現在、輸液製剤は、投与時の無菌性を高め
るために、柔軟性のあるプラスチック容器(バッグ)に
収容するのが一般的であり、その内、生理食塩水やリン
ゲル液等の酸化を受けない製剤の場合は、そのままの形
態で流通販売が可能であるが、アミノ酸輸液や脂肪乳剤
等のような酸素によって変質しやすい輸液製剤の場合
は、これを収容するプラスチック容器本体自体が酸素透
過性を有するため、通常該輸液容器本体をガスバリア性
外装袋で外装(包装)し、更に上記輸液容器本体と外装
袋との空隙部に脱酸素剤等を挿入して、市場に流通させ
る手段が採用されている。この包装方法は脱酸素剤が輸
液容器と外装袋の空隙部全体に存在せず局部的に存在す
るので、外装袋内の酸素をまんべんなく吸収できず、部
分的に酸化が起こる危険がある。その上輸液容器包装の
際に、脱酸素剤収納工程が必須となり、そのため余分の
煩雑な操作が必要となり、製品コストを上昇させること
になる。また該酸素剤の収納もれ等の起こる危険が懸念
される。その他、脱酸素剤が誤って使用されたり、適切
な廃棄がなされなかったりする可能性がある。さらに、
製品の輸送中に、収納された脱酸素剤が空間部を移動す
ることによって輸液容器本体や外装袋を傷付ける可能性
がある。上記従来技術の問題点を解消し、製造工程の簡
略化が図れると共に、充分な長期保存効果、特に輸液剤
の酸化分解を長期に渡って防止可能な、新しい輸液用プ
ラスチック容器の開発が必要とされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸素によっ
て変質しやすい輸液製剤を収容したプラスチック容器を
外装する、長期の保存が可能で、安価であって軽量であ
り、耐衝撃性、リサイクル性、安全性に優れた輸液容器
用外装袋の開発を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、[1] 酸素
によって変質しやすい成分を含む薬液を収納したガス透
過性輸液容器のための外装袋であって、少なくとも1層
の酸素捕捉性樹脂層を含む合成樹脂の積層材を用いたこ
とを特徴とする輸液容器用外装袋、[2] 外装袋を構
成する積層材の層構成が、内層から外層へ、少なくと
も、ヒートシ−ル性樹脂層/酸素捕捉性樹脂を含む樹脂
層/耐熱性樹脂層の順に積層した上記[1]に記載の輸
液容器用外装袋、[3] 外装袋を構成する積層材の層
構成が、内層から外層へ、少なくとも、ヒートシ−ル性
樹脂層/酸素捕捉性樹脂を含む樹脂層/ガスバリア層/
耐熱性樹脂層の順に積層した上記[1]に記載の輸液容
器用外装袋、
【0005】[4] ヒートシール性樹脂が、ホットメ
ルト、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリエステル、エチレン−ビニルアルコール共重合
体のいずれか一つであり、耐熱性樹脂がポリオレフィ
ン、ポリエステル及びポリアミドのうちから選ばれた耐
熱性樹脂の一つである上記[2]または[3]に記載の
輸液容器用外装袋、[5] 酸素捕捉性樹脂が、分子中
に炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィンオリゴマー
セグメントを結合したポリエステル系、ポリアミド系、
ポリオレフィン系またはビニル系の重合体である上記
[1]ないし[3]のいずれかに記載の輸液容器用外装
袋、[6] 酸素捕捉性樹脂層が、1ないし15重量%
の炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィンオリゴマー
セグメント及び85ないし99重量%の主たるポリマー
セグメント含み、かつ外酸素捕捉性樹脂に対し金属原子
として50ないし500ppmの遷移金属化合物または
遷移金属化合物と紫外線および/または可視光線に対し
増感作用を有する光酸化促進剤を配合したを含む樹脂組
成物層である上記[1]ないし[3]のいずれかに記載
の輸液容器用外装袋、[7] 酸素捕捉性樹脂中のオレ
フィンオリゴマーセグメントが、ブタジエン、ノルボル
ネン、ジシクロペンタジエンおよびイソプレンの重合さ
れたオレフィンオリゴマーユニットのいずれか一つを含
み、分子量が1000ないし10000のオレフィンオ
リゴマーセグメントである上記[5]または[6]に記
載の輸液容器用外装袋、[8] 酸素捕捉性樹脂中の炭
素−炭素不飽和結合を有するオレフィンオリゴマーセグ
メントが、主たるポリマーセグメントの主鎖としてまた
は分岐状にペンダントとして結合した酸素捕捉性樹脂で
ある上記[5]ないし[7]のいずれかに記載の輸液容
器用外装袋、
【0006】[9] ガスバリア層が、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、非晶質ナイロン、塩化ビニリデ
ン共重合体、無機バリア材被覆プラスチックフィルム
(酸化けい素、アルミニウム、酸化アルミニウムおよび
DLC・ダイアモンドライクカーボン)、ポリアクリロ
ニトリル共重合体の群のうちから選ばれた樹脂である上
記[3]に記載の外装された輸液容器用外装袋、[1
0] 同じ厚みの単層ポリエステル重合体のシートの透
明度に比し、少なくとも70%の透明性を有する上記
[1]ないし[9]のいずれかに記載の輸液容器用外装
袋、
【0007】[11] 上記[1]ないし[10]のい
ずれかに記載の輸液容器用外装袋によって外装された、
酸素によって変質しやすい成分を含む薬液を収納したガ
ス透過性輸液容器、を開発することにより上記の課題を
解決した。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における輸液用容器用ラミ
ネートフィルムに使用するヒートシール性樹脂として
は、通常フレキシブルパッケージに使用されているヒー
トシール性樹脂を使用できる。例えばポリエチレン系ま
たはエチレン−酢酸ビニル共重合体系のホットメルト、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレングリコ
ール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体(以下「P
ETI」という。)、非晶性ポリエチレンテレフタレー
ト(以下「APET」という。)、ポリスチレン、ポリ
カーボネートあるいはEVOHなどが挙げられる。フレ
キシブルパッケージは耐熱層から熱を伝えてヒートシー
ル層同士を熱溶着するのであるからできるだけ低融点の
樹脂が好ましいが、人体の治療に用いる医薬用輸液用フ
レキシブルパッケージの場合には、医薬としての安全衛
生上、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン樹脂が好ましく、高温におけるレトルト処理などを
必要とする時には比較的高融点のポリプロピレン、AP
ET(アモルファスポリエチレンテレフタレート)など
が適しており、レトルト処理を必要としない時にはポリ
エチレンなどを使用することが好まれる。
【0009】本発明に使用する酸素捕捉性樹脂として
は、分子中に炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィン
オリゴマーセグメントを結合したポリエステル系、ポリ
アミド系などの重縮合系樹脂、ポリオレフィン系または
ビニル系などの付加重合体を挙げることができる。ポリ
エステル系重合体としては、例えばポリエチレンテレフ
タレート(以下「PET」という。)、ポリブチレンテ
レフタレート(以下「PBT」という。)、ポリエチレ
ンナフタレート(以下「PEN」という。)などのアル
キレングリコールと芳香族二塩基酸からの(共)重縮合
体あるいはポリカーボネート、ポリアリレートなどの芳
香族アルコールからの重縮合体などが挙げられる。ポリ
アミド系重合体としては、ポリアミド6、ポリアミド6
6、ポリアミド12などの脂肪族ポリアミド類、ポリキ
シリレンジアミンアジパミド(MXD6)などの芳香族
ポリアミド類が挙げられる。中でもMXD6は樹脂自体
がガスバリア性を有するのでバリア性パッケージの材料
樹脂としては好適な樹脂である。
【0010】上記のポリエステル類またはポリアミド類
などの重縮合系樹脂は、ポリマーの合成の際に、原料化
合物の一部に片末端に2個の官能基または両末端に官能
基を有するポリオレフィンオリゴマーを使用して共重縮
合してもよいし、またポリマーに片末端に2個の官能基
または両末端に官能基を有するポリオレフィンオリゴマ
ーを反応させ、トランスエステル化またはトランスアミ
ド化によりオレフィンオリゴマーセグメントを導入して
もよい。さらにはポリマー合成の際に3個以上の官能基
を有する原料を使用して主鎖に遊離の官能基を設け、こ
れにオレフィンオリゴマーセグメントを結合させてもよ
く、場合によってはポリマーに3個以上の官能基を有す
る原料化合物を反応させ、トランスエステル化またはト
ランスアミド化を行い、主鎖中に官能基を導入し、これ
にオレフィンオリゴマーセグメントを結合させてもよ
い。
【0011】オレフィンオリゴマーセグメントが主鎖の
一部分を構成するポリエステル系ポリマーにおいては、
ポリマーの合成段階において、二塩基性カルボン酸の一
部を両末端にカルボキシル基を有するポリオレフィンオ
リゴマーで置き換えるか、またはグリコールの一部に両
末端に水酸基を有するポリオレフィンオリゴマーで置き
換えて重縮合させることにより得られる。あるいは通常
のポリエステルポリマーに両末端にカルボキシル基また
は水酸基を有するポリオレフィンオリゴマーをトランス
エステル化反応させてオレフィンオリゴマーセグメント
を主鎖に直接導入してもよい。またポリエステル主鎖に
対しペンダント状のオレフィンオリゴマーセグメントを
有するポリエステル系ポリマーにおいては、ポリマーの
合成段階において、二塩基性カルボン酸の一部を片末端
に2個のカルボキシル基を有するポリオレフィンオリゴ
マーで置き換えるか、またはグリコールの一部に片末端
に2個の水酸基を有するポリオレフィンオリゴマーで置
き換えて重縮合反応させペンダント状にポリオレフィン
オリゴマーを有するポリエステルとする。
【0012】あるいは二塩基性カルボン酸の一部を3価
以上の多価カルボン酸で置き換えるか、グリコールの一
部を3価以上の多価アルコールで置き換え、共重縮合す
ることによりカルボキシル基または水酸基の官能基を主
鎖の中間に設け、これにポリオレフィンオリゴマーを結
合させる。また別の方法として通常のポリエステルポリ
マーに、片末端に2個のカルボキシル基または2個の水
酸基を有するポリオレフィンオリゴマーをトランスエス
テル化反応させて、ペンダント状にオレフィンオリゴマ
ーセグメントを直接導入してもよく、あるいは3価のカ
ルボン酸、好ましくは芳香族カルボン酸を反応させる
か、あるいは3価以上の多価アルコールを反応させ、ト
ランスエステル化によりポリエステル主鎖中に遊離のカ
ルボキシル基または遊離の水酸基の官能基を導入し、該
官能基にポリオレフィンオリゴマーを結合させてもよ
い。
【0013】またポリアミドにおいても同様に、主鎖に
オレフィンオリゴマーセグメントを有するポリアミド系
ポリマーいおいては、ポリマーの合成の際に両末端にカ
ルボキシル基を有するポリオレフィンオリゴマーあるい
は両末端にアミノ基を有するポリオレフィンオリゴマー
を共重縮合させる方法、ポリアミドポリマーに前記のポ
リオレフィンオリゴマーをトランスアミド化反応させて
ポリオレフィンオリゴマーを直接導入する方法などがあ
る。またペンダント状のオレフィンオリゴマーセグメン
トを有するポリアミド系ポリマーにおいては、ポリマー
の合成の際に片末端に2個のカルボキシル基を有するポ
リオレフィンオリゴマーあるいは片末端に2個のアミノ
基を有するポリオレフィンオリゴマーを共重縮合させる
方法、ポリアミドポリマーに前記のポリオレフィンオリ
ゴマーをトランスアミド化反応させてポリオレフィンオ
リゴマーを直接導入する方法、二塩基性カルボン酸の一
部を3価以上の多価カルボン酸で置き換えるか、アルキ
レンジアミンの一部を3価以上のアルキレンポリアミン
に置き換え、共重縮合することによりカルボキシル基ま
たはアミン基の官能基を主鎖の中間に設け、オレフィン
オリゴマーセグメントを導入する方法、あるいはポリア
ミドポリマーに3価以上の多塩基性カルボン酸または多
価アルコールをトランスアミド化反応させ官能基を導入
し、これにオレフィンオリゴマーセグメントを結合させ
る方法などがある。
【0014】ポリオレフィン系およびビニル系などの付
加重合体としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどのよ
うにポリマー主鎖に反応性官能基を有していないポリマ
ーであっても、これに反応性官能基を有する無水マレイ
ン酸または(メタ)アクリル酸などをグラフト重合した
グラフト重合体、あるいはエチレン−(メタ)アクリル
酸共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重
合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸
共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合
体、エチレン−またはスチレン−2−ヒドロキシエチル
メタクリレート共重合体などポリマー自体に反応性官能
基を有するモノマーを共重合したポリマーを原料として
使用することができる。また酢酸ビニル、アクリル酸エ
ステルなどを共重合した後で加水分解などして付加重合
体を変性することにより付加重合体に反応性官能基を付
与するなどの方法をとってもよい。
【0015】炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィン
オリゴマーセグメントとしては、ブタジエン、ノルボル
ネン、ジシクロペンタジエンまたはイソプレンなどの共
役二重結合または非共役二重結合を有する化合物のオリ
ゴマーまたはこれらジエン化合物とオレフィン結合を有
するモノマーとの共重合したオリゴマーを骨格とするオ
レフィンオリゴマーセグメントである。酸素捕捉性ポリ
マーはこれらのオレフィンオリゴマーを付加重合体へ結
合させることにより酸素透過性付加重合体を得ることが
できる。すなわち該付加重合体にある反応性官能基
(1)に、これと反応性の反応性官能基(2)を有する
オレフィンオリゴマーを反応させ、付加重合体にオレフ
ィンオリゴマーセグメントを導入して酸素捕捉性ポリマ
ーとすることができる。上記付加重合体の主鎖に属する
反応性官能基(1)としては、オレフィンオリゴマーに
属する反応性官能基(2)との関係で限定する必要はな
いが、ポリマーの製造しやすさ、安定性、反応性などを
勘案するとカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、無水
カルボン酸基またはアミノ基などが好ましい。
【0016】すなわち反応性官能基(1)がカルボキシ
ル基である時は、オレフィンオリゴマーの反応性官能基
(2)は該官能基と反応性を有する水酸基、アミノ基、
エポキシ基またはイソシアネート基などが選択される。
反応性官能基(1)が水酸基である時は、オレフィンオ
リゴマーの反応性官能基(2)としてカルボキシル基、
無水カルボン酸基、エポキシ基またはイソシアネート基
が選択される。また反応性官能基(1)がアミノ基であ
る時は、オレフィンオリゴマーの反応性官能基(2)と
しては、カルボキシル基、無水カルボン酸基、エポキシ
基またはイソシアネート基が選択される。
【0017】付加重合体へオレフィンオリゴマーセグメ
ントの導入に際しては、最も効果的には反応性官能基
(1)を有する付加重合体と反応性官能基(2)を有す
る炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィンオリゴマー
を押出機、ブレンダーなどの溶融混練可能な装置で両者
を溶融混練する。あるいは両者を溶液状にして反応して
もよいが、有機溶媒などを必要とするだけでなく、後で
溶媒回収を必要とするなど面倒であってコストもかかる
のでできれば溶融混練法が好ましい。さらには、EVO
H、(メタ)アクリル酸を一成分とするビニル系共重合
体などのように、ポリマー自身が官能基を有するビニル
系ポリマーにおいてもポリオレフィン系ポリマーと同様
にしてオレフィンオリゴマーセグメントを導入すること
ができる。これ以外に、透明なブタジエン−スチレン共
重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体などのようにポリマー自身がオレフィンオリゴマー
セグメントを有するものであってもよい。
【0018】酸素捕捉性樹脂としては、酸素に対し活性
な炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィンオリゴマー
セグメント部分において酸素を捕捉するが、その際に炭
素−炭素不飽和結合により活性化されたα−位にある炭
素の水素引き抜きにより反応が開始され、最終的にはこ
の部分から炭素鎖は切断される。したがって主鎖中にオ
レフィンオリゴマーセグメントを有するポリマーは主鎖
の切断が発生する。これに対し、ペンダント状にオレフ
ィンオリゴマーセグメントを結合したポリマーは、ペン
ダントオレフィンオリゴマーセグメントの切断だけの問
題であって、物性に影響の大きい主鎖は、酸素を捕捉し
てもまったく影響を受けないことになる。物性的な面を
考慮する時はペンダント状に結合した酸素捕捉性樹脂の
方が好ましい。導入される該ポリオレフィンオリゴマー
としては、オリゴマー分子中に炭素−炭素不飽和結合と
そのα−位に水素を有する炭素を有する結合[アリル結
合=(−CH=CH−CHR−)、ただしRは水素原
子、低級アルキル基などを示す。]があることが好まし
い。このような結合はイソプレン、ブタジエン、ノルボ
ルネンなどの共役ジエンあるいは非共役ジエンを重合ま
たは共重合する時に得られる。中でもイソプレンセグメ
ントを含むオレフィンオリゴマーセグメントが酸素捕捉
活性が高い。
【0019】このオレフィンオリゴマーセグメントの分
子量は、酸素捕捉性樹脂が透明性を必要とするか不透明
であってもよいか、酸素捕捉性樹脂の主たる構成化合物
の種類、主鎖に導入するかまたはペンダント状に導入す
るかなどの導入の形態、オリゴマーを構成する化合物の
種類、酸素捕捉性樹脂−分子中に導入する平均オリゴマ
ーセグメント数、オリゴマー中の炭素−炭素不飽和結合
の数などにより変わるので適切な数値は出せないが、導
入オリゴマーセグメント数が多い時には分子量は小さく
てもよく、導入オリゴマーセグメント数が少ない時には
分子量が大きくなる傾向があり、一般的には酸素捕捉性
樹脂一分子中に平均5個未満であり、透明性が必要な時
にはオレフィンオリゴマーセグメントの分子量は小さい
程よく、例えばブタジエンオリゴマーであればオリゴマ
ー分子量として1000〜10000程度のものが好ま
しく使用できる。なお酸化により主鎖が切断されるがブ
タジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン樹脂などの場合には、樹脂として物性上必
要とされるブタジエンオリゴマーが共重合されていれば
物性の低下を我慢すれば同様に使用できる。
【0020】上記の酸素捕捉性ポリマーは、そのまま単
独では酸素との反応性が低いため、酸素との反応性を高
めるために該樹脂中に遷移金属化合物を触媒量添加する
ことが好ましい。適切な遷移金属化合物としては、マン
ガン、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム
などが挙げられ、最も好ましくはコバルトである。これ
らの金属の好ましい対イオンとしては、酸素捕捉性樹脂
に溶解可能な化合物を形成する塩素イオン、酢酸イオ
ン、ステアリン酸イオン、パルミチン酸イオン、2−エ
チルへキサン酸イオン、ネオデカン酸イオン、ナフテン
酸イオンなどがあるがこれに限定されるものではない。
特に好ましいものはステアリン酸コバルト、2−エチル
へキサン酸コバルト、ネオデカン酸コバルトが挙げられ
る。これ以外に遷移金属化合物はアイオノマ−であって
もよく、これらは該技術分野では周知のものである。該
遷移金属化合物の配合量は、金属として酸素捕捉性ポリ
マーの重量の0.001ないし1%の範囲、好ましくは
0.01ないし0.3%である。この下限以下において
は反応促進の効果が認められず、また1%を超えて配合
しても効果は飽和していて酸素との反応速度を高めるこ
とはなく、単に物性の低下、コストアップを招くのみで
ある。
【0021】また、酸素捕捉性ポリマー層に該遷移金属
化合物に加え、光酸化促進剤(増感剤)を添加すること
が好ましい。光酸化促進剤としては、ベンゾフェノン、
o−メトキシベンゾフェノン、アセトフェノン、o−メ
トキシアセトフェノン、アセナフテンキノン、メチルエ
チルケトン、バレロフェノン、ヘキサノフェノン、α−
フェニルブチロフェノン、p−モルホリノプロピオフェ
ノン、ジベンゾスベロン、4−モルホリノベンゾフェノ
ン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルなどが使用
できるがこれに限定されない。
【0022】この光酸化促進剤は、光への暴露により酸
素捕捉性ポリマーの酸素捕捉速度を促進するものである
が、酸素捕捉性ポリマーの種類、光の波長及び強度など
により変化する。樹脂の透明性が低ければ光酸化促進剤
の使用量は増加する必要がある。通常は全樹脂組成物に
対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜1重
量%程度になる。上記遷移金属化合物及び光酸化促進剤
については特開平5−194949において詳細に説明
されている。これ以外に酸素捕捉性ポリマーの酸素補足
性を活性化する方法としては、エレクトロンビーム、γ
線、X線などの放射線照射、α−水素引き抜きエネルギ
ーを付与するための超音波、高周波、熱(高温度)など
外部からのエネルギー付与も効果があり、これらの組み
合わせにより誘導期間を短くすると共に酸素補足速度、
酸素補足量を高くすることができる。
【0023】このような酸素捕捉性ポリマーは、該樹脂
単独で使用してもよいが、コストを安くするために他の
樹脂で希釈して使用してもよい。希釈する樹脂の種類は
できれば原料のポリマーと同系統のポリマーが好まし
く、酸素捕捉性ポリマーとして使用する時は酸素透過性
の高い樹脂が好ましい。この場合酸素捕捉性ポリマーの
配合量は酸素捕捉性ポリマー層の厚さとも関係するが、
酸素捕捉性ポリマー濃度として少なくとも5%、好まし
くは20%以上配合したものが使用できる。また基材と
なるポリマ−自身の酸素透過性が小さい樹脂の場合に
は、酸素捕捉性ポリマー層中を透過する酸素量が極めて
小さいため、ポリマーに溶解する量も小さく、溶解した
酸素はポリマー層中で完全に捕捉されるためか、見かけ
上酸素捕捉性ポリマーというよりはガスバリア性樹脂と
しての性能が強く発揮される。中でも酸素透過性の小さ
いMXD6、EVOHなどにおいては、酸素透過量が検
出できないほど(酸素捕捉性はわずかに認められるが)
にガスバリア性が顕著に向上することが見出された。
【0024】本パッケージに使用する耐熱性樹脂として
は、使用目的により変わるが、コストが安価であり、加
工しやすく耐熱性があることが望ましい。またガスバリ
ア性樹脂としてEVOHを使用する時には吸水性が0.
1%以下のものの使用が好ましい。耐熱性樹脂の代表例
として、PETフィルム、OPP(二軸延伸ポリプロピ
レン)フィルム、O−NY(二軸延伸ナイロン)フィル
ムが挙げられ、他に耐熱性のあるPC(ポリカーボネー
ト)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEN
フィルムなどを用いることができる。耐熱性フィルムの
場合には一般的にドライラミネーション、ウェットラミ
ネーション、ポリエチレンなどの押出サンドイッチラミ
ネーションによって貼合される。
【0025】耐熱性層の主たる役割は、ヒートシールバ
ーの熱をシーラントまで伝えヒートシール樹脂層同士を
熱溶融してヒートシールするのであるから、少なくとも
ヒートシール層の融点と同等以上の耐熱性を有している
ことが必要である。本パッケージのガスバリア層は必須
の要件ではないが、それを備えた時は酸素捕捉性樹脂層
のライフを長く保持できるのでパッケージの耐酸素バリ
ア性を長期間維持することが容易になる。該ガスバリア
層は、アルミニウム箔またはガスバリア性樹脂層を酸素
捕捉性樹脂層の外側に設けることにより更に耐酸素バリ
ア性を長期間維持する効果を達成できる。
【0026】ガスバリア性樹脂としては低い酸素透過係
数を有し、かつ熱成形可能な熱可塑性樹脂が使用され
る。例えばEVOH、ポリ塩化ビニリデン、MXD6、
ポリアクリロニトリル、PENなどを挙げることができ
る。中でも酸素バリア性、コストのバランスからはEV
OHが最も適当である。例えばエチレン含有量が20〜
60モル%、特に25〜50モル%であるエチレン−酢
酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に
99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合
体ケン化物が好ましい。このEVOHはフィルムを形成
し得るにたる分子量を有するべきであり、一般にフェノ
ール:水の重量比で85:15の混合溶媒中、30℃で
測定して0.02dl/g以上、特に0.05dl/g
以上の粘度を有することが好ましい。
【0027】また前記特性を有するガスバリア性樹脂の
他の例としてはMXD6が挙げられる。この樹脂は酸素
バリア性はさほど高くないが、ポリアミド樹脂であるた
めナイロンなどとのラミネートにおいて接着剤が不要で
ある特性を有し、このポリアミドもフィルムを形成する
にたる分子量を有するべきであり、濃硫酸中1.0dl
/gの濃度でかつ30℃の温度で測定した相対粘度(η
rel )が1.1以上、特に1.5以上であることが望ま
しい。本発明において、中間層として使用するガスバリ
ア性樹脂としては、酸素に対する高いガスバリア性を有
しかつ熱成形可能な熱可塑性樹脂であれば特に制限はな
い。また前記特性を有するガスバリア性樹脂の他の例と
しては、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、
炭素数100個あたりのアミド基の数が5〜50個、特
に6〜20個の範囲にあるポリアミド類、ポリエステル
共重合体が使用できる。これらのガスバリア性樹脂もフ
ィルムを形成するにたる分子量を有することが好まし
く、ポリアミドにおいては濃硫酸中1.0dl/gの濃
度でかつ30℃の温度で測定した相対粘度(ηrel )が
1.1以上、特に1.5以上であることが望ましい。本
発明においては、上記のガスバリア性樹脂のうちでもE
VOHおよびMXD6が好ましい。
【0028】上記のヒートシール性樹脂、酸素捕捉性樹
脂、耐熱性樹脂、場合によってはガスバリア性樹脂は、
積層する際できれば接着できるように樹脂同士が相溶性
のあるように組み合わせることが好ましい。かかる場合
においては、多層同時押出によりラミネートフィルムを
成形することも可能であるが、組み合わせによっては相
互に接着性が乏しく、同時押出によるラミネートフィル
ムの成形が困難な場合も考えられる。かかる場合には、
いったんそれぞれのフィルムを成形し、これをウレタン
系接着剤またはポリエステル系接着剤を用いたドライラ
ミネート法により積層するか、一方の樹脂のフィルムを
成形した後、これをカップリング剤による前処理あるい
はプラズマ放電処理などの前処理により表面を活性化し
た後、押出ラミネートなどによって積層することも可能
である。
【0029】
【実施例】以下、実施例に基づき具体的に説明を行う
が、本発明は以下の例に限定されるものではない。 (酸素捕捉性樹脂製造用原料樹脂) a:[PEN]ポリエチレンナフタレート 日本ユニペット(株)製、ユニペットNS763:極限
粘度IV=0.70 [PENT8]ポリエチレンナフタレート共重合体 日本ユニペット(株)製、ユニペットNS663:極限
粘度IV=0.72PEN/PET=92モル%/8モ
ル% b:[PETN8]ポリエチレンテレフタレート共重合
体 日本ユニペット(株)製、ユニペットNS553:極限
粘度IV=0.82PET/PEN=92モル%/8モ
ル% c:[PET]ポリエチレンテレフタレート 日本ユニペット(株)製、ユニペットRT543:極限
粘度IV=0.75 [MXD6]MXD6ナイロン 三菱瓦斯化学(株)製、MXナイロン、MXナイロン6
007 d:[PA6]ポリアミド6 三菱化学(株)製、ノバミッド、1020 e:[EVOH(44)]エチレン−ビニルアルコール
共重合体 (株)クラレ製、エバール、EP−E105 f:[EVOH(32)]エチレン−ビニルアルコール
共重合体 (株)クラレ製、エバール、EP−F101 g:[MAH−PP]無水マレイン酸グラフトポリプロ
ピレン 日本ポリオレフィン(株)製、アドテックス、ER32
0P h:[ET−184M]エチレン系3元共重合体日本ポ
リオレフィン(株)製、アドテックス、ET184M
【0030】[酸素捕捉性樹脂の製造]以下の酸素捕捉
性樹脂の製造は、特に断らない限り東芝機械(株)製同
方向二軸押出機(TEM37BS、37mmφ、L/D
=45)を使用して酸素捕捉性樹脂を作成した。 (ポリエステル系酸素捕捉性樹脂の製造) 1)ブロック共重合体 a:ポリエステル系酸素捕捉性樹脂−(PE−) ポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット(株)
製、ユニペットRT543、極限粘度IV=0.75)
を96重量部ホッパーから導入した。樹脂の溶融温度は
280℃に設定し、両末端水酸基ブタジエンオリゴマー
(エルフアトケム社製RHT45、Mw=2800)液
状物4重量部にステアリン酸コバルトを基本ポリマーと
ブタジエンオリゴマーの全体量に対して200ppmを
混合したものを液状注入機を使って押出機に導入して、
滞留時間約5分間溶融混練して、未反応物、低分子物は
真空ベントから除去した後、溶融ストランドを水中で急
冷し、ペレットを得た。溶融ストランドからペレットを
得るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。さらにこのペ
レットを真空乾燥器で温度120℃で2時間充分結晶化
させた後、150℃で4時間乾燥し、水分率0.005
重量部以下であることを確認して、以後の成形に使用し
た。
【0031】b:ポリエステル系酸素捕捉性樹脂−
(PE−) ポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット(株)
製、ユニペットNS553、極限粘度IV=0.82)
を92重量部ホッパーから導入した。樹脂の溶融温度は
260℃に設定し、両末端水酸基ブタジエンオリゴマー
(エルフアトケム社製RLM20、Mw=1230)液
状物8重量部にステアリン酸コバルトを基本ポリマーと
ブタジエンオリゴマーの全体量に対して200ppmを
混合したものを液状注入機を使って押出機に導入して、
滞留時間約5分間溶融混練して、未反応物、低分子物は
真空ベントから除去した後、溶融ストランドを水中で急
冷し、ペレットを得た。溶融ストランドからペレットを
得るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。さらにこのペ
レットを真空乾燥器で温度120℃で2時間充分結晶化
させた後、150℃で4時間乾燥し、水分率0.005
重量部以下であることを確認して、以後の成形に使用し
た。
【0032】c:ポリエステル系酸素捕捉性樹脂−
(PE−) ポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット(株)
製、ユニペットRT543、極限粘度IV=0.75)
を88重量部ホッパーから導入した。樹脂の溶融温度は
280℃に設定し、両末端水酸基オクタジエンオリゴマ
ー(前述のメタセシス重合により、オクタジエンからオ
クタジエンオリゴマーを合成し、両末端を加水分解によ
り水酸基に置換したもの。Mw=2000)液状物12
重量部にステアリン酸コバルトを基本ポリマーとオクタ
ジエンオリゴマーの全体量に対して200ppmおよび
ベンゾフェノンを200ppmを混合したものを液状注
入機を使って押出機に導入して、滞留時間約5分間溶融
混練して、未反応物、低分子物は真空ベントから除去し
た後、溶融ストランドを水中で急冷し、ペレットを得
た。溶融ストランドからペレットを得るまでは窒素雰囲
気下で処理を行った。さらにこのペレットを真空乾燥器
で温度120℃で2時間充分結晶化させた後、150℃
で4時間乾燥し、水分率0.005重量部以下であるこ
とを確認して、以後の成形に使用した。
【0033】2)グラフト共重合体 d:ポリエステル系酸素捕捉性樹脂−(PE−) ポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット(株)
製、ユニペットRT543、極限粘度IV=0.75)
96重量部をホッパーから導入した。樹脂の溶融温度は
280℃に設定し、片末端に2個の水酸基を有するブタ
ジエンオリゴマー(ブタジエンを通常のアニオンリビン
グ重合を行い、停止反応にエピクロルヒドリン使い、さ
らに加水分解することにより、片末端に2個の水酸基を
有するブタジエンオリゴマーを得た。今回は分子量50
00のものを作成した。)液状物4重量部にステアリン
酸コバルトを基本ポリマーとブタジエンオリゴマーの全
体量に対して200ppmを混合したものを液状注入機
を使って押出機に導入して、滞留時間約5分間溶融混練
して、未反応物、低分子物は真空ベントから除去した
後、溶融ストランドを水中で急冷し、ペレットを得た。
溶融ストランドからペレットを得るまでは窒素雰囲気下
で処理を行った。さらにこのペレットを真空乾燥器で温
度120℃で2時間充分結晶化させた後、150℃で4
時間乾燥し、水分率0.005重量部以下であることを
確認して、以後の成形に使用した。
【0034】e:ポリエステル系酸素捕捉性樹脂−
(PE−) ポリエチレンナフタレート(日本ユニペット(株)製、
ユニペットNS763、極限粘度IV=0.70)99
重量部に、1重量部のグリセリンを添加したものを、2
90℃で溶融混練し、変性PENペレットを得た。次い
でこの変性PEN92重量部をホッパーから導入した。
樹脂の溶融温度は290℃に設定し、片末端エポキシ基
を有するブタジエンオリゴマー(ブタジエンを通常のア
ニオンリビング重合を行い、停止反応にエピクロルヒド
リンを使うことにより、片末端エポキシ基ブタジエンオ
リゴマーを得た。今回は分子量10000のものをンを
得た。)8重量部にステアリン酸コバルトを基本ポリマ
ー(変性PEN)とブタジエンオリゴマーの全体量に対
して200ppm混合し、押出機に導入(ペレット導入
ホッパーとは異なるPENが溶融後の第2供給口から導
入するのが好ましいが、PENとドライブレンドしてホ
ッパーから導入してもよい)して、滞留時間約5分間溶
融混練して、未反応物、低分子物は真空ベントから除去
した後、溶融ストランドを水中で急冷し、ペレットを得
た。溶融ストランドからペレットを得るまでは窒素雰囲
気下で処理を行った。さらにこのペレットを真空乾燥器
で温度120℃で2時間充分結晶化させた後、150℃
で4時間乾燥し、水分率0.005重量部以下であるこ
とを確認して、以後の成形に使用した。
【0035】f:ポリエステル系酸素捕捉性樹脂−
(PE−) ポリエチレンナフタレート(日本ユニペット(株)製、
ユニペットNS663、極限粘度IV=0.72)96
重量部をホッパーから導入した。樹脂の溶融温度は28
0℃に設定し、片末端に2個の水酸基を有するノルボル
ネンオリゴマー(前述のメタセシス重合をによりノルボ
ルネンオリゴマーを合成し、その後片末端を2個の水酸
基に変性した。今回は分子量10000のものを作成し
た。)4重量部にステアリン酸コバルトを基本ポリマー
とノルボルネンオリゴマーの全体量に対して200pp
m混合したものを押出機に導入(ペレット導入のホッパ
ーとは異なるPENが溶融後の第2供給口から導入する
のが好ましいが、PENとドライブレンドしてホッパー
から導入してもよい)して、滞留時間約5分間溶融混練
して、未反応物、低分子物は真空ベントから除去した
後、溶融ストランドを水中で急冷し、ペレットを得た。
溶融ストランドからペレットを得るまでは窒素雰囲気下
で処理を行った。さらにこのペレットを真空乾燥器で温
度120℃で2時間充分結晶化させた後、150℃で4
時間乾燥し、水分率0.005重量部以下であることを
確認して、以後の成形に使用した。
【0036】(ポリアミド系酸素捕捉性樹脂の製造) 1)ブロック共重合体 g:ポリアミド系酸素捕捉性樹脂−(PA−) ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、MXナイロ
ン6007、相対粘度2.7)を88重量部ホッパーか
ら導入した。樹脂の溶融温度は280℃に設定し、両末
端カルボキシル基ブタジエンオリゴマー(ブタジエンを
使用して通常のアニオンリビング重合を実施した。両末
端カルボキシル基を得るために開始剤にアニオン末端を
2個生じる2官能性開始剤αメチルスチレンを使用す
る。さらに停止反応において炭酸ガスを使用した。今回
は分子量2000である。)液状物12重量部にステア
リン酸コバルトを基本ポリマーとブタジエンオリゴマー
の全体量に対して200ppmを混合したものを液状注
入機を使って押出機に導入して、滞留時間約5分間溶融
混練して、未反応物、低分子物は真空ベントから除去し
た後、溶融ストランドを水中で急冷し、ペレットを得
た。溶融ストランドからペレットを得るまでは窒素雰囲
気下で処理を行った。さらにこのペレットを真空乾燥器
で温度80℃で6時間乾燥し、水分率0.05重量部以
下であることを確認した。成形時に上記の通り製造した
MXD6ナイロン共重合体50重量部およびMXナイロ
ン6007、50重量部をドライブレンドしたものを使
用した。
【0037】h:ポリアミド系酸素捕捉性樹脂−(P
A−) ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、MXナイロ
ン6007、相対粘度2.7)を96重量部ホッパーか
ら導入した。樹脂の溶融温度は280℃に設定し、両末
端アミノ基ジシクロペンタジエンオリゴマー(前述のメ
タセシス重合により、ジシクロペンタジエンオリゴマー
を合成し、両末端基をアミノ基に置換したものを使用し
た。今回の分子量は1000)液状物4重量部にステア
リン酸コバルトを基本ポリマーとジシクロペンタジエン
オリゴマーの全体量に対して200ppmを混合したも
のを液状注入機を使ってに導入して、滞留時間約5分間
溶融混練して、未反応物、低分子物は真空ベントから除
去した後、溶融ストランドを水中で急冷し、ペレットを
得た。溶融ストランドからペレットを得るまでは窒素雰
囲気下で処理を行った。さらにこのペレットを真空乾燥
器で温度80℃で6時間乾燥し、水分率0.05重量部
以下であることを確認して、以後の成形に使用した。
【0038】i:ポリアミド系酸素捕捉性樹脂−(P
A−) ナイロン6(三菱化学(株)製、ノバミッド1020、
相対粘度3.4)92重量部ホッパーから導入した。樹
脂の溶融温度は260℃に設定し、両末端カルボキシル
基ブタジエンオリゴマー(ブタジエンを使用して通常の
アニオンリビング重合を実施した。両末端カルボキシル
基を得るために開始剤にアニオン末端を2個生じる2官
能性開始剤α−メチルスチレンを使用する。さらに停止
反応において炭酸ガスを使用した。今回は分子量200
0である。)液状物8重量部にステアリン酸コバルトを
基本ポリマーとブタジエンオリゴマーの全体量に対して
200ppmを混合したものを液状注入機を使って押出
機に導入して、滞留時間約5分間溶融混練して、未反応
物、低分子物は真空ベントから除去した後、溶融ストラ
ンドを水中で急冷し、ペレットを得た。溶融ストランド
からペレットを得るまでは窒素雰囲気下で処理を行っ
た。さらにこのペレットを真空乾燥器で温度80℃で6
時間乾燥し、水分率0.05重量部以下であることを確
認して、以後の成形に使用した。
【0039】2)グラフト共重合体 j:ポリアミド系酸素捕捉性樹脂−(PA−) ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、MXナイロ
ン6007、相対粘度2.7)96重量部ホッパーから
導入した。樹脂の溶融温度は280℃に設定し、片末端
に2個カルボキシル基を有するブタジエンオリゴマー
(ブタジエンを通常のアニオンリビング重合を行い、停
止反応にマレイン酸のジメチルエステルを使用し、さら
に加水分解することにより、片末端に2個のカルボキシ
ル基を有したブタジエンオリゴマーを得た。今回は分子
量2000のものを作成した。)液状物4重量部にステ
アリン酸コバルトを基本ポリマーとブタジエンオリゴマ
ーの全体量に対して200ppmを混合したものを液状
注入機を使って押出機に導入して、滞留時間約5分間溶
融混練して、未反応物、低分子物は真空ベントから除去
した後、溶融ストランドを水中で急冷し、ペレットを得
た。溶融ストランドからペレットを得るまでは窒素雰囲
気下で処理を行った。さらにこのペレットを真空乾燥器
で温度80℃で6時間乾燥し、水分率0.05重量部以
下であることを確認して、以後の成形に使用した。
【0040】k:ポリアミド系酸素捕捉性樹脂−(P
A−) ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、MXナイロ
ン6007、相対粘度2.7)99重量部に、1重量部
のアルキレントリアミンを添加したものを、280℃で
溶融混練し、変性MXD6ペレットを得た。次いでこの
変性MXD6を92重量部をホッパーから導入した。樹
脂の溶融温度は280℃に設定し、片末端エポキシ基を
有するブタジエンオリゴマー(ブタジエンを通常のアニ
オンリビング重合を行い、停止反応にエピクロルヒドリ
ンを使うことにより、片末端エポキシ基ブタジエンオリ
ゴマーを得た。今回は分子量2000のものをンを得
た。)8重量部にステアリン酸コバルトを基本ポリマー
とブタジエンオリゴマーの全体量に対して200ppm
混合し液状注入機を使って押出機に導入し、滞留時間約
5分間溶融混練して、未反応物、低分子物は真空ベント
から除去した後、溶融ストランドを水中で急冷し、ペレ
ットを得た。溶融ストランドからペレットを得るまでは
窒素雰囲気下で処理を行った。さらにこのペレットを真
空乾燥器で温度80℃で6時間乾燥し、水分率0.05
重量部以下であることを確認して、以後の成形に使用し
た。
【0041】(EVOH系酸素捕捉性樹脂の製造) l:EVOH系酸素捕捉性樹脂−(EV−) エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(クラレ(株)
製、EP−E105、エチレンコンテント44モル%、
MI=5.5、融点165℃)を96重量部をホッパー
から導入した。樹脂の溶融温度は195℃に設定し、片
末端エポキシ基ブタジエンオリゴマー(ブタジエンを通
常のアニオンリビング重合を行い、停止反応にエピクロ
ルヒドリンを使うことにより、片末端エポキシ基ブタジ
エンオリゴマーを得た。今回は分子量3000のものを
作成した。)液状物4重量部にステアリン酸コバルトを
基本ポリマーとブタジエンオリゴマーの全体量に対して
200ppmを混合したものを液状注入機を使って押出
機に導入して、滞留時間約5分間溶融混練して、未反応
物、低分子物は真空ベントから除去した後、溶融ストラ
ンドを水中で急冷し、ペレットを得た。溶融ストランド
からペレットを得るまでは窒素雰囲気下で処理を行っ
た。さらにこのペレットを真空乾燥器で温度40℃で6
時間乾燥し、水分率0.05重量部以下であることを確
認して、以後の成形に使用した。
【0042】m:EVOH系酸素捕捉性樹脂−(EV
−) エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(クラレ(株)
製、EP−F101、エチレンコンテント32モル%、
MI=1.3、融点183℃)を92重量部ホッパーか
ら導入した。樹脂の溶融温度は200℃に設定し、片末
端エポキシ基ブタジエンオリゴマー(ブタジエンを通常
のアニオンリビング重合を行い、停止反応にエピクロル
ヒドリンを使うことにより、片末端エポキシ基ブタジエ
ンオリゴマーを得た。今回は分子量5000のものを作
成した。)液状物にステアリン酸コバルトを基本ポリマ
ーとブタジエンオリゴマーの全体量に対して200pp
mを混合したものを液状注入機を使って押出機に導入し
て、滞留時間約5分間溶融混練して、未反応物、低分子
物は真空ベントから除去した後、溶融ストランドを水中
で急冷し、ペレットを得た。溶融ストランドからペレッ
トを得るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。さらにこ
のペレットを真空乾燥器で温度40℃で6時間乾燥し、
水分率0.05重量部以下であることを確認して、以後
の成形に使用した。
【0043】(ポリオレフィン系酸素捕捉性樹脂の製
造) n:ポリオレフィン系酸素捕捉性樹脂−(ブタジエン
−) 無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(日本ポリオレ
フィン(株)製、ER−320P)を92重量部ホッパ
ーから導入した。樹脂の溶融温度は185℃に設定し、
片末端水酸基ブタジエンオリゴマー(ブタジエンを通常
のアニオンリビング重合を行い、停止反応にエチレンオ
キサイドを使うことにより、片末端水酸基ブタジエンオ
リゴマーを得た。今回は分子量5000のものを作成し
た。)液状物8重量部にステアリン酸コバルトを基本ポ
リマーとブタジエンオリゴマーの全体量に対して200
ppmを混合したものを液状注入機を使って押出機に導
入し、滞留時間約5分間溶融混練して、未反応物、低分
子物は真空ベントから除去した後、溶融ストランドを水
中で急冷し、ペレットを得た。溶融ストランドからペレ
ットを得るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。さらに
このペレットを真空乾燥器で温度40℃で6時間乾燥
し、水分率0.05重量部以下であることを確認して、
以後の成形に使用した。
【0044】o:ポリオレフィン系酸素捕捉性樹脂−
(ブタジエン−) 無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂(日本ポリオレフ
ィン(株)製、ET184M、無水マレイン酸コンテン
ト2.5重量部、MI=10)を88重量部ホッパーか
ら導入した。樹脂の溶融温度は185℃に設定し、片末
端水酸基ブタジエンオリゴマー(ブタジエンを通常のア
ニオンリビング重合を行い、停止反応にエチレンオキサ
イドを使うことにより、片末端水酸基ブタジエンオリゴ
マーを得た。今回は分子量5000のものを作成し
た。)液状物12重量部にステアリン酸コバルトを基本
ポリマーとブタジエンオリゴマーの全体量に対して20
0ppmを混合したものを液状注入機を使って押出機に
導入して、滞留時間約5分間溶融混練して、未反応物、
低分子物は真空ベントから除去した後、溶融ストランド
を水中で急冷し、ペレットを得た。溶融ストランドから
ペレットを得るまでは窒素雰囲気下で処理を行った。さ
らにこのペレットを真空乾燥器で温度40℃で6時間乾
燥し、水分率0.05重量部以下であることを確認し
て、以後の成形に使用した。上記において製造した酸素
捕捉性樹脂の合成条件を表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】(ヒートシール樹脂) 1)ポリプロピレン(CPP) 日本ポリオレフィン(株)ジェイレックスPP(FA4
65)密度0.9g/cm3 、メルトインデックス=
7.0g/10分、樹脂温度240℃でTダイフィルム
成形をし、厚み60μmのフィルムを得た。 2)LDPE 日本ポリオレフィン(株)ジェイレックスL(L17
0)密度0.916g/cm3 、メルトインデックス=
7.0g/10分(測定温度190℃、荷重=2160
g)、樹脂温度240℃でTダイフィルム成形をし、厚
み60μmのフィルムを得た。 3)リニア低密度ポリエチレン(LLDPE) 日本ポリオレフィン(株)製ジェイレックスLL(BF
4850)密度0.941g/cm3、メルトインデッ
クス=4.0g/10分(測定温度190℃、荷重=2
160g)、樹脂温度240℃でTダイフィルム成形を
し、厚み60μmのフィルムを得た。 4)エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA) 日本ポリオレフィン(株)ジェイレックスEVA(DL
19−8)密度0.928g/cm3、メルトインデッ
クス=9.0g/10分、樹脂温度200℃でTダイフ
ィルム成形をし、厚み60μmのフィルムを得た。 5)APET イソフタル酸/テレフタル酸:5モル%/95モル%と
これに等モルのエチレングリコールを反応させた共重合
体、IV=0.80、樹脂温度300℃でTダイフィル
ム成形をし、厚み60μmのフィルムを得た。
【0047】(バリア性樹脂) 1)MXD6 東洋紡績(株)製、OSMフィルムメルトインデックス
=2g/10分(測定温度=260℃、荷重=2160
g)フィルム成形:樹脂温度280℃でTダイフィルム
成形を実施し、厚み20μmのフィルムを得た。 2)EVOH(44) 株式会社クラレ製、エバールEP−E105:エチレン
共重合体比率=44モル%、融点=165℃、メルトイ
ンデックス=5.5g/10分、(測定温度=190
℃、荷重=2160g)、フィルム成形:樹脂温度19
0℃でTダイフィルム成形を実施し、厚み20μmのフ
ィルムを得た。 3)EVOH(32) 株式会社クラレ製、エバールEP−F101:エチレン
共重合体比率=32モル%、融点=183℃、メルトイ
ンデックス=1.3g/10分、(測定温度=190
℃、荷重=2160g)フィルム成形:樹脂温度195
℃でTダイフィルム成形を実施し、厚み20μmのフィ
ルムを得た。 4)ポリアクリロニトリル タマポリ(株)ハイトロンBX厚み20μmのフィルム
を使用した。 5)二軸延伸ポリアミド6(ONY) 出光石油化学株式会社製ユニアスロンHP(HP−70
00)厚み20μm二軸延伸ナイロンフィルムを使用し
た。
【0048】(耐熱性樹脂) 1)ポリエチレンテレフタレート樹脂 日本ユニペット株式会社製、ユニペットRT543:極
限粘度(IV=0.75)、フィルム成形:樹脂温度2
80℃でTダイフィルム成形を実施し、4倍X4倍の二
軸延伸を実施し、厚み20μmのフィルムを得た。 2)二軸延伸ポリアミド6(ONY) 出光石油化学株式会社製ユニアスロンHP(HP−70
00)厚み20μm二軸延伸ナイロンフィルムを使用し
た。 3)二軸延伸ポリプロピレン(OPP) 日本ポリオレフィン(株)ジェイレックスPP(FA2
35−1)、密度0.9g/cm3、メルトインデック
ス=2.7g/10分、フィルム成形:樹脂温度240
℃でTダイフィルム成形を実施し、4倍X4倍の二軸延
伸を実施し、厚み20μmのフィルムを得た。
【0049】(評価方法) [外装フィルムの製造] (実施例1〜16)ヒートシール樹脂層/酸素捕捉性樹
脂層/ガスバリア性樹脂層/耐熱性樹脂層の基本構成か
らなる積層体の各層の樹脂組成および厚みを表2に示し
た。積層体の作成方法は、各層のフィルムをウレタン系
接着剤を使用し、ドライラミネートを行った。
【0050】(比較例1〜6)ヒートシール樹脂層/ブ
ランク層/ガスバリア性樹脂層/耐熱性樹脂層実施例に
対して酸素捕捉性樹脂層から酸素吸収能を除いた層構成
であり、各層の樹脂組成および厚みを表2に示した。積
層体の作成方法は、各層のフィルムをウレタン系接着剤
を使用し、ドライラミネートを行った。
【0051】
【表2】
【0052】[酸素透過度等の測定] (1)酸素透過度 酸素透過度は、モコン社製、OX−TRAN2/20M
Lにより測定した。測定条件は、25℃で内面が0%R
Hである。 (2)パウチ内酸素濃度 窒素置換後のパウチ内酸素濃度 実施例および比較例で作成した積層体をヒートシール樹
脂層を内面として、ヒートシールにより四方パウチとし
て製袋した(150×200mm)。このパウチ中にド
ライ窒素400mlを充填し、23℃で保存した。この
パウチ中の酸素濃度を経時的に測定した。スタート時の
酸素濃度は0.70%である。 空気充填後のパウチ内残留酸素濃度 実施例および比較例で作成した積層体をヒートシール樹
脂層を内面として、ヒートシールにより四方パウチとし
て製袋した。このパウチ中にドライ空気400mlを充
填し、23℃で保存した。このパウチ中の酸素濃度を経
時的に測定した。スタート時の酸素濃度は、21.0%
である。 (3)透明性 実施例および比較例で作成した積層体と同じ厚みの単層
PETフィルムをTダイ成形し、それとの透明度を比較
した。波長400nmから700nmまでの光透過率を
島津(株)製UV−160を使用して測定した。 PETに対する比透明度(%)={[実施例、比較例フ
ィルムの400 〜700nm の光透過率積分]÷[単層PET
フィルムの400 〜700nm の光透過率積分]}×100
【0053】
【表3】
【0054】[保存性の測定] (1)輸液剤の製造 (処方1)実施例1、2、7、8、13、15、比較例
1、2で使用した。下記処方に従い秤量した各成分を注
射用蒸留水800mlに溶解し、液pHを乳酸添加によ
り4.7に調整し、更に注射用蒸留水を追加して全量を
1リットルとした。次に、上記液をミリポアフィルター
で濾過し、その500mlをポリエチレン製輸液バッグ
(昭和電工プラスチックプロダクツ社製、酸素透過率=
7500ml/m2・24hr・25μ・atm)に充
填し、空間部を窒素ガス置換して密封し、更に105℃
で40分間加熱滅菌した。
【0055】 ブドウ糖 75.0g L−アルギニン 2.2g L−ヒスチジン 1.0g L−メチオニン 2.4g L−フェニルアラニン 2.9g L−トレオニン 1.8g L−バリン 2.0g アミノ酢酸 3.4g L−リジン塩酸塩 6.2g N−アセチル−L−トリプトファン 0.7g L−ロイシン 4.1g L−イソロイシン 1.8g 乳酸ナトリウム 3.3g 亜硫酸水素ナトリウム 0.5g
【0056】(処方2)実施例3、4、9、10、1
4、比較例3、4で使用した。下記処方に従い秤量した
各成分を注射用蒸留水800mlに溶解し、液pHを酢
酸添加により7.0に調整し、更に注射用蒸留水を追加
して全量を1リットルとした。次に、上記液をミリポア
フィルターで濾過し、その500mlをポリエチレン製
輸液バッグ(昭和電工プラスチックプロダクツ社製、酸
素透過率=7500ml/m2・24hr・25μ・a
tm)に充填し、空間部を窒素ガス置換して密封し、更
に105℃で40分間加熱滅菌した。
【0057】 L−ロイシン 14.0g L−イソロイシン 8.0g L−バリン 8.0g L−リジン酢酸塩 14.8g L−トレオニン 5.7g L−トリプトファン 2.0g L−メチオニン 3.9g L−フェニルアラニン 7.0g L−システイン 1.0g L−チロジン 0.5g L−アルギニン 10.5g L−ヒスチジン 5.0g L−アラニン 8.0g L−プロリン 5.0g L−セリン 3.0g アミノ酢酸 5.9g L−アスパラギン酸 1.0g L−グルタミン酸 1.0g 亜硫酸水素ナトリウム 0.2g
【0058】(処方3)実施例5、6、11、12、1
6、比較例5、6で使用した。処方2の輸液剤の処方よ
り亜硫酸ナトリウムを除いた各成分を注射用蒸留水80
0mlに溶解し、酢酸を加えてpHを7.0に調整し、
注射用蒸留水を追加して全量を1リットルとした。次い
で、これをミリポアフィルターで濾過し、その500m
lをポリエチレン製輸液バッグ(昭和電工プラスチック
プロダクツ社製、酸素透過率=7500ml/m2・2
4hr・25μ・atm)に充填し、空間部を窒素ガス
置換して密封し、更に105℃で40分間加熱滅菌し
た。
【0059】(2)外装 処方1、2、3で作成した輸液入りバッグを上記(1)
で製造した多層フィルムそれぞれ2枚を用いヒートシー
ル層を合わせてヒートシールして外装袋(300mmX
200mm)の中に入れ、その空間部は窒素ガス置換し
た。 (3)処方1液の着色度測定 実施例1、2、7、8、13、15、比較例1、2でそ
れぞれ製造した製品を、40℃、相対湿度75%の条件
で保存し、1ヶ月後、3ヶ月後および6ヶ月後の各製品
内溶液の光透過率(%)(波長=445nm)を測定
し、該液の着色の程度を判定した。その結果を表4に示
す。
【0060】
【表4】 (4)処方2液のシステイン残存量測定 実施例3、4、9、10、14、比較例3、4でそれぞ
れ製造した製品を、40℃、相対湿度75%の条件で保
存し、1ヶ月後、3ヶ月後および6ヶ月後の各製品内溶
液中のシステイン残存量(%)を測定した。その測定は
4−PDS法により行った。得られた結果を表5に示
す。
【0061】
【表5】 (5)処方3液の硫化水素発生測定 実施例5、6、11、12、16、比較例5、6でそれ
ぞれ製造した製品につき、その製造直後並びに40℃、
相対湿度75%の条件下での保存3ヶ月後および6ヶ月
後のそれぞれの内溶液中の硫化水素を、窒素ガス流通に
より酢酸亜鉛水溶液中に捕集し、メチレンブルー法で定
量した。得られた結果を表6に示す。
【0062】
【表6】
【0063】
【発明の効果】外装袋内側からヒートシール性樹脂層/
酸素捕捉性樹脂を含む樹脂層/耐熱性樹脂層の順に積層
したため、ヒートシール性樹脂面を合わせてヒートシー
ルする時はこれらのフィルムはシールでき、高酸素バリ
ア性があり、外装袋内部の酸素を捕捉してこれを消滅で
きる輸液バッグ用外装袋となる。特に酸素捕捉性が外装
袋内面全体で行われるため、これまでの脱酸素剤を封入
した形態の耐酸素外装袋と比較する時は、脱酸素が局所
的でなく外装袋全体にわたり均一に行われる効果が発揮
される。特に従来の透明性のある完全な酸素バリア性樹
脂フィルムは存在しなかったが、本発明のラミネートフ
ィルムは完全に酸素バリア性を達成できたため、透明性
を必要とし、アルミニウム箔並の酸素バリア性が要求さ
れる分野において特に有効である。更にヒートシール性
樹脂層/酸素捕捉性樹脂を含む樹脂層/ガスバリア層/
耐熱性樹脂層の順に積層したラミネートフィルムとした
時は、外装袋内部の酸素を消滅するだけでなく、外部か
らの透過してくる酸素ガスを削減できるため、外装袋の
酸素捕捉性は同じであっても効力維持期間は増大し、外
装袋内部において長期間の酸素存在量ゼロの時間を確保
できる。など優れた特徴を有する輸液バッグ用外装袋と
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田越 宏孝 千葉県千葉市緑区大野台1−1−1 昭和 電工株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3E067 AA03 AB81 BB12A BB14A BB15A BB16A BB18A BB22A BB25A CA03 CA04 CA17 CA24 EE32 GD10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素によって変質しやすい成分を含む薬
    液を収納したガス透過性輸液容器のための外装袋であっ
    て、少なくとも1層の酸素捕捉性樹脂層を含む合成樹脂
    の積層材を用いたことを特徴とする輸液容器用外装袋。
  2. 【請求項2】 外装袋を構成する積層材の層構成が、内
    層から外層へ、少なくとも、ヒートシ−ル性樹脂層/酸
    素捕捉性樹脂を含む樹脂層/耐熱性樹脂層の順に積層し
    た請求項1に記載の輸液容器用外装袋。
  3. 【請求項3】 外装袋を構成する積層材の層構成が、内
    層から外層へ、少なくとも、ヒートシ−ル性樹脂層/酸
    素捕捉性樹脂を含む樹脂層/ガスバリア層/耐熱性樹脂
    層の順に積層した請求項1に記載の輸液容器用外装袋。
  4. 【請求項4】 ヒートシール性樹脂が、ホットメルト、
    ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ
    エステル、エチレン−ビニルアルコール共重合体のいず
    れか一つであり、耐熱性樹脂がポリオレフィン、ポリエ
    ステル及びポリアミドのうちから選ばれた耐熱性樹脂の
    一つである請求項2または3に記載の輸液容器用外装
    袋。
  5. 【請求項5】 酸素捕捉性樹脂が、分子中に炭素−炭素
    不飽和結合を有するオレフィンオリゴマーセグメントを
    結合したポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィ
    ン系またはビニル系の重合体である請求項1ないし3い
    ずれか1項に記載の輸液容器用外装袋。
  6. 【請求項6】 酸素捕捉性樹脂層が、1ないし15重量
    %の炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィンオリゴマ
    ーセグメント及び85ないし99重量%の主たるポリマ
    ーセグメント含み、かつ外酸素捕捉性樹脂に対し金属原
    子として50ないし500ppmの遷移金属化合物また
    は遷移金属化合物と紫外線および/または可視光線に対
    し増感作用を有する光酸化促進剤を配合したを含む樹脂
    組成物層である請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の輸液容器用外装袋。
  7. 【請求項7】 酸素捕捉性樹脂中のオレフィンオリゴマ
    ーセグメントが、ブタジエン、ノルボルネン、ジシクロ
    ペンタジエンおよびイソプレンの重合されたオレフィン
    オリゴマーユニットのいずれか一つを含み、分子量が1
    000ないし10000のオレフィンオリゴマーセグメ
    ントである請求項5または6に記載の輸液容器用外装
    袋。
  8. 【請求項8】 酸素捕捉性樹脂中の炭素−炭素不飽和結
    合を有するオレフィンオリゴマーセグメントが、主たる
    ポリマーセグメントの主鎖としてまたは分岐状にペンダ
    ントとして結合した酸素捕捉性樹脂である請求項5ない
    し7のいずれか1項に記載の輸液容器用外装袋。
  9. 【請求項9】 ガスバリア層が、エチレン−ビニルアル
    コール共重合体、非晶質ナイロン、塩化ビニリデン共重
    合体、無機バリア材被覆プラスチックフィルム(酸化け
    い素、アルミニウム、酸化アルミニウムおよびDLC・
    ダイアモンドライクカーボン)、ポリアクリロニトリル
    共重合体の群のうちから選ばれた樹脂である請求項3に
    記載の外装された輸液容器用外装袋。
  10. 【請求項10】 同じ厚みの単層ポリエステル重合体の
    シートの透明度に比し、少なくとも70%の透明性を有
    する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の輸液容器
    用外装袋。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれか1項に
    記載の輸液容器用外装袋によって外装された、酸素によ
    って変質しやすい成分を含む薬液を収納したガス透過性
    輸液容器。
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