JP2001046662A - 遊技機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】遊技者を視覚的により一層と楽しませることが
でき、遊技におけるスリルと興奮を増大させることが可
能な遊技機を提供する。 【解決手段】始動入賞口２０への球の入賞に基づき、可
変表示装置３０で画像遊技が実行され、その途中でリー
チ表示が出現した場合には、その後所定確率で、当たり
図柄が特別ラインＬとともに出現する。ここで特別ライ
ンは、前記リーチ表示中の所定の定位置に向かって、画
面３０ａの外縁から徐々に伸び出るように進行表示され
る。この特別ラインの進行に伴い、前記当たり図柄も定
位置へ向かって移動するように表示される。画像遊技の
結果、前記当たり図柄が特別ラインの進行に伴って移動
した場合を含め、前記定位置に配置されて大当たり表示
が確定した場合には、可変入賞装置５０が最大１６回開
閉する特賞が発生する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、遊技盤面上に球を
打ち出す遊技で所定の条件が成立すると、遊技者に有利
な特賞が発生する遊技機に関する。ここで遊技機とは、
主としてパチンコ機を指すものである。また、遊技機の
可変表示装置はスロットマシンに適用することができ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の遊技機としては、様々な
機種のパチンコ機が知られている。パチンコ機の遊技盤
面上には、機種を定めると共に遊技性を高めるためのメ
イン役物が配されている。代表的なメイン役物として
は、液晶画面等からなる可変表示装置が知られており、
かかる可変表示装置を備えたものは、一般にフィーバー
機と称され広く普及していた。

【０００３】フィーバー機では、遊技盤面上に開設され
た始動入賞口に球が入賞すると、前記可変表示装置に各
種図柄がスクロール表示される。そして、スクロール停
止後の図柄の組み合わせが大当たり表示になると、特賞
（いわゆるフィーバー）が発生して、可変入賞口が所定
回数を限度に繰り返し開閉するように設定されていた。

【０００４】前記可変表示装置は、一般には横一列に並
ぶ３つの表示欄を有し、各表示欄に停止表示された図柄
が、例えば「１，１，１」の如く総て同一図柄が揃う
と、大当たり表示として特賞が発生するようになってい
た。ここで大当たり表示が確定する前に、１つの表示欄
を残して他の表示欄に停止した図柄が一致するリーチ表
示となった場合には、いわゆるリーチアクションとして
遊技者の期待感を高める表示上の工夫がなされているも
のも知られている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た一般のフィーバー機では、可変表示装置におけるリー
チアクションが設けられていても、リーチ表示後に最後
の表示欄におけるスクロール表示速度を単に遅く変化さ
せたり、画面上に新たにキャラクタを登場させる等、比
較的単純な表示内容のものが多かった。

【０００６】何れのリーチアクションでも、可変表示装
置の画面上における表示内容の大きな変化はなく、特賞
が発生するか否かを決定する表示内容が最後まで単純で
画一的であり、興趣に欠けるという問題があった。この
ように従来の可変表示装置の表示では、特賞発生に対す
る遊技者の期待感を高めるべく演出するには限界があっ
た。

【０００７】本発明は、以上のような従来技術が有する
問題点に着目してなされたもので、可変表示装置での表
示に関して従来にない斬新な娯楽性を高めて、遊技者を
視覚的により一層と楽しませることができ、遊技におけ
るスリルと興奮を増大させることが可能な遊技機を提供
することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に
存する。 ［１］遊技盤面（１１）上に球を打ち出す遊技で所定の
始動条件が成立すると、各種図柄を用いた画像遊技を実
行し、該画像遊技の結果が所定の大当たり表示に相当す
ると、遊技者に有利な特賞を発生させる遊技機（１０）
において、前記画像遊技を表示可能であり遊技盤面（１
１）上に配設される可変表示装置（３０）と、前記画像
遊技ないし特賞発生を少なくとも制御する遊技制御装置
（１００）とを有し、前記遊技制御装置（１００）は、
遊技中に所定の始動条件が成立した場合に、前記可変表
示装置（３０）で各種図柄を入れ替わり変化させた後に
停止させる画像遊技を実行し、かつ前記画像遊技の途中
で、前記大当たり表示への期待感を喚起させる準当たり
表示が出現した場合に、その後所定確率で、前記準当た
り表示に組み合わされて大当たり表示を形成する当たり
図柄を、その定位置に向かって別の位置から徐々に伸び
出るように進行する特別ライン（Ｌ）とともに移動させ
るように表示し、かつ前記画像遊技の結果、前記当たり
図柄が、前記特別ライン（Ｌ）の進行に伴って移動した
場合を含め、前記定位置に配置されて大当たり表示が確
定した場合に、前記特賞を発生させることを特徴とする
遊技機（１０）。

【０００９】［２］前記遊技制御装置（１００）は、抽
選実行手段（１１１）と、画像遊技実行手段（１１３）
と、特別ライン表示手段（１１４）と、特賞生成手段
（１１５）とを有し、前記抽選実行手段（１１１）は、
遊技中に所定の始動条件が成立したことに起因して、乱
数を用いた無作為抽選を実行し、前記画像遊技実行手段
（１１３）は、前記抽選実行手段（１１１）の抽選結果
に応じて、前記可変表示装置（３０）で各種図柄を入れ
替わり変化させた後に停止させる前記画像遊技を実行
し、前記特別ライン表示手段（１１４）は、前記抽選実
行手段（１１１）の抽選結果に応じた所定確率で、前記
画像遊技の途中で前記準当たり表示が出現した場合に、
前記当たり図柄を、その定位置に向かって別の位置から
徐々に伸び出るように進行する特別ライン（Ｌ）ととも
に移動させるように表示し、前記特賞生成手段（１１
５）は、前記抽選実行手段（１１１）の抽選結果に応じ
て、前記画像遊技の結果、前記当たり図柄が、前記特別
ライン（Ｌ）の進行に伴って移動した場合を含め、前記
定位置に配置されて大当たり表示が確定した場合に、前
記特賞を発生させることを特徴とする［１］記載の遊技
機（１０）。

【００１０】［３］前記可変表示装置（３０）は、各種
図柄をそれぞれ表示可能な複数の表示枠（３１）を備
え、各表示枠（３１）をマトリクス状に配置して成り、
前記画像遊技は、前記可変表示装置（３０）の各表示枠
（３１）内ごとに、各種図柄が入れ替わり変化した後に
停止する内容に設定され、各表示枠（３１）が同数ずつ
並ぶ何れかのライン上で、最後に停止する図柄を１つ残
して既に停止した図柄が互いに一致する状態を前記準当
たり表示とし、該準当たり表示を経て何れかのライン上
で停止した図柄が全部同一に揃った状態を前記大当たり
表示とし、前記当たり図柄は前記準当たり表示を形成す
る図柄であり、前記定位置は前記準当たり表示において
最後に図柄が停止する表示枠（３１）であり、前記遊技
制御手段は、前記画像遊技の途中で準当たり表示が出現
した場合に、その後所定確率で前記特別ライン（Ｌ）
を、前記可変表示装置（３０）の外縁側から各表示枠
（３１）間の枠組みに沿って前記定位置に向かって徐々
に伸び出るように進行させ、該特別ライン（Ｌ）の進行
に合わせて前記当たり図柄を移動させるように表示する
ことを特徴とする［１］または［２］記載の遊技機（１
０）。

【００１１】［４］前記画像遊技の途中で前記準当たり
表示が出現した場合には、その後１００％の確率で前記
特別ライン（Ｌ）が出現するように設定し、その後１０
０％未満の確率で前記当たり図柄が前記特別ライン
（Ｌ）の進行に伴って移動した結果、前記定位置に配置
されて大当たり表示が確定するように制御されることを
特徴とする［１］，［２］または［３］記載の遊技機
（１０）。

【００１２】［５］前記画像遊技の途中で前記準当たり
表示が出現した場合には、その後１００％未満の確率で
前記特別ライン（Ｌ）が出現するように設定し、該特別
ライン（Ｌ）が出現した場合には、その後１００％の確
率で前記当たり図柄が前記特別ライン（Ｌ）の進行に伴
って移動した結果、前記定位置に配置されて大当たり表
示が確定するように制御されることを特徴とする
［１］，［２］または［３］記載の遊技機（１０）。

【００１３】［６］前記画像遊技において、前記特別ラ
イン（Ｌ）は前記表示枠（３１）や各種図柄に比べて光
る状態で表示されるように設定したことを特徴とする
［１］，［２］，［３］，［４］または［５］記載の遊
技機（１０）。

【００１４】［７］前記画像遊技において、前記特別ラ
イン（Ｌ）が前記定位置に向かって１本だけ進行する場
合と、前記定位置に向かって２本が平行に進行する場合
を設定したことを特徴とする［１］，［２］，［３］，
［４］，［５］または［６］記載の遊技機（１０）。

【００１５】［８］前記画像遊技において、前記特別ラ
イン（Ｌ）が前記定位置に向かって１本だけ進行する場
合と、前記定位置に向かって２本が平行に進行する場合
とで、それぞれ最終的に大当たり表示が確定する確率を
異ならせたことを特徴とする［１］，［２］，［３］，
［４］，［５］，［６］または［７］記載の遊技機（１
０）。

【００１６】［９］報知手段（７０）を有し、該報知手
段（７０）は、前記画像遊技で準当たり表示が出現した
場合に、該準当たり表示とは別に、準当たり表示が出現
した旨を遊技者に対して報知することを特徴とする
［１］，［２］，［３］，［４］，［５］，［６］，
［７］または［８］記載の遊技機（１０）。

【００１７】［１０］前記遊技盤面（１１）上に可変入
賞装置（５０）を設け、前記可変入賞装置（５０）は、
その入賞口を開閉可能な可動板（５１）を有して成り、
該可動板（５１）は通常は閉状態に維持され、前記可動
板（５１）を、所定回数を限度に繰り返し開閉させて、
前記特賞とすることを特徴とする［１］，［２］，
［３］，［４］，［５］，［６］，［７］，［８］また
は［９］記載の遊技機（１０）。

【００１８】［１１］前記遊技盤面（１１）上に始動入
賞口（２０）を設け、前記始動入賞口（２０）に球が入
賞することを、前記始動条件に設定したことを特徴とす
る［１］，［２］，［３］，［４］，［５］，［６］，
［７］，［８］，［９］または［１０］記載の遊技機
（１０）。

【００１９】次に前述した解決手段に基づく作用を説明
する。本発明に係る遊技機（１０）によれば、遊技盤面
（１１）上に球を打ち出す遊技で始動条件がうまく成立
すると、それに基づき可変表示装置（３０）で画像遊技
が実行される。すなわち、可変表示装置（３０）で、各
種図柄が入れ替わり変化した後に、何れかの図柄が様々
な組み合わせで停止することになる。

【００２０】前記画像遊技の途中で、大当たり表示への
期待感を喚起させる準当たり表示が出現した場合には、
その後所定確率で、前記準当たり表示に組み合わされて
大当たり表示を形成する当たり図柄が、特別ライン
（Ｌ）とともに出現する。ここで特別ライン（Ｌ）は、
前記準当たり表示中の所定の定位置に向かって、別の位
置から徐々に伸び出るように進行表示される。この特別
ライン（Ｌ）の進行に伴い、前記当たり図柄も定位置へ
向かって移動するように表示される。

【００２１】前記画像遊技の結果、前記当たり図柄が前
記特別ライン（Ｌ）の進行に伴って移動した場合を含
め、前記定位置に配置されて大当たり表示が確定した場
合には、続いて特賞が発生することになる。このような
画像遊技ないし特賞発生に至る一連の遊技過程は、遊技
制御装置（１００）によって制御される。

【００２２】以上のように本遊技機（１０）では、前記
可変表示装置（３０）における画像遊技で準当たり表示
となった場合に、いわゆるリーチアクションの演出とし
て、遊技者が最も関心を抱く当たり図柄が、特別ライン
（Ｌ）の進行とともに目立って表示されることがある。
そのため、特賞が発生するか否かを見かけ上決定する過
程で、遊技者を視覚的に十分に楽しませることができ、
遊技者の期待感を効果的に高めることができる。

【００２３】さらに詳細な遊技機（１０）について説明
すれば、遊技盤面（１１）上に球を打ち出す遊技で始動
条件が成立すると、それに基づき、先ず抽選実行手段
（１１１）が無作為抽選を実行する。かかる抽選の実行
に基づき、可変表示装置（３０）では画像遊技が開始さ
れる。画像遊技における表示内容は、前記抽選結果に関
連して画像遊技実行手段（１１３）により制御される。

【００２４】前記画像遊技の途中で準当たり表示が出現
すると、前記抽選実行手段（１１１）の抽選結果に応じ
た所定確率で、今度は特別ライン表示手段（１１４）の
制御により、当たり図柄が、その定位置に向かって別の
位置から徐々に伸び出るように進行する特別ライン
（Ｌ）とともに移動するように表示される。これによ
り、画像遊技の興趣がいっそうと高められる。

【００２５】前記画像遊技の結果、前記当たり図柄が、
前記特別ライン（Ｌ）の進行に伴って移動した場合を含
め、前記定位置に配置されて大当たり表示が確定した場
合には、特賞生成手段（１１５）の制御により特賞が発
生する。ここで特賞が発生する確率も、前記抽選実行手
段（１１１）の抽選結果に依存することになる。

【００２６】また、前記可変表示装置（３０）が複数の
表示枠（３１）を備えて成り、前記画像遊技の結果、各
表示枠（３１）が同数ずつ並ぶ何れかのライン上で、最
後に停止する図柄を１つ残して既に停止した図柄が互い
に一致する状態を準当たり表示とし、該準当たり表示を
経て何れかのライン上で停止した図柄が全部同一に揃っ
た状態を大当たり表示とすれば、スロットマシンを模し
た内容となり、その内容を容易に理解することができ
る。

【００２７】かかる内容の画像遊技において、前記準当
たり表示が出現した場合には、その後所定確率で前記特
別ライン（Ｌ）を、可変表示装置（３０）の外縁側から
各表示枠（３１）間の枠組み（３２）に沿って前記定位
置に向かって徐々に伸び出るように進行させ、該特別ラ
イン（Ｌ）の進行に合わせて前記当たり図柄を移動させ
るようにすれば、今までにない斬新な表示内容を楽しむ
ことができる。

【００２８】また、前記画像遊技の途中で前記準当たり
表示が出現した場合には、とりあえず必ず特別ライン
（Ｌ）が出現するように設定し、その後に所定の確率で
大当たり表示が確定するように制御してもよい。

【００２９】あるいは、前記準当たり表示が出現した場
合には、その後に所定の確率で特別ライン（Ｌ）が出現
するように設定してもよい。かかる場合には、準当たり
表示が出現しても、特別ライン（Ｌ）が必ず表示される
とは限らない。ただし、特別ライン（Ｌ）が出現した場
合には、その後確実に大当たり表示が確定するようにす
る。

【００３０】また、前記画像遊技において、前記特別ラ
イン（Ｌ）を表示枠（３１）や各種図柄に比べて光る状
態で表示するように設定すれば、さらに斬新な表示とな
って興趣を高めることができる。

【００３１】また、前記画像遊技において、前記特別ラ
イン（Ｌ）が前記定位置に向かって１本だけ進行する場
合と、前記定位置に向かって２本が平行に進行する場合
を設定しても面白い。

【００３２】ここで特別ライン（Ｌ）が１本だけ進行す
る場合と、２本が平行に進行する場合とで、それぞれ最
終的に大当たり表示に確定する確率を異ならせれば、遊
技内容が変化に富むものとなって面白く、遊技者は容易
に特賞の発生する可能性の大小を知ることができる。例
えば特別ライン（Ｌ）の数が多いほど、大当たり表示に
相当する確率が高くなるものとすればよい。

【００３３】また、前記画像遊技で準当たり表示が出現
した旨を、報知手段（７０）によって、例えば音声や光
で遊技者に対して報知するようにすれば、当該事実を遊
技者に確実に知らしめることになり、興奮度を高めるこ
とができる。具体的には例えば、前記準当たり表示とは
別に音声で報知すれば分かりやすい。

【００３４】また、前記特賞には、例えば賞球数の割合
を一時的に増したり、特定の役物を入賞し易い形態に変
化させる、それにいわゆる確率変動や時短モード等、様
々な状態が考えられる。具体的には例えば、可変入賞装
置（５０）の可動板（５１）を所定回数だけ開閉させる
ようにすれば、通常より相対的に高い確率での入賞チャ
ンスを、遊技者に対し明快かつ簡単に与えることができ
る。

【００３５】さらにまた、前記始動条件として様々な条
件が考えられるが、例えば、遊技盤面（１１）上に、球
が入賞し得る状態に始動入賞口（２０）を設けておき、
該始動入賞口（２０）に球が入賞することを前記始動条
件としてもよい。かかる場合、遊技者の技量に応じて条
件を満たすことが可能となるため、射幸心を満足させる
ことができる。

【００３６】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明を代表
する実施の形態を説明する。図１〜図１２は本発明の一
実施の形態に係る遊技機１０を示している。本実施の形
態に係る遊技機１０は、遊技盤面１１上に球を打ち出す
遊技で所定の条件が成立すると、遊技者に有利な特賞が
発生するパチンコ機である。本パチンコ機はいわゆるフ
ィーバー機であるが、他の機種のパチンコ機等に適用し
てもよい。

【００３７】図２に示すように、遊技機１０の機体正面
の下部右端には、回転操作式のハンドル１２が設けられ
ている。このハンドル１２を、球の打ち出し力に応じた
角度だけ回転させることにより、機体中の発射装置（図
示せず）が駆動して、球が１個ずつ遊技盤面１１上に打
ち出されるように構成されている。

【００３８】遊技に供する貸出球や賞球は、機体前面に
設けられた上皿１３に貯留される。また、上皿１３の下
側には、特賞で多量の球が払い出された場合に、上皿１
３から溢れた球を受け入れる下皿１４が設けられてい
る。なお、下皿１４には、その下方に設置された玉箱
（図示せず）に球を落とす球抜きレバー１４ａが設けら
れている。

【００３９】遊技盤面１１の前面は、該遊技盤面１１と
の間に球を移動させる空間を形成するガラス扉で覆われ
ている。遊技盤面１１の外縁には、ハンドル１２の回転
操作により打ち出された球を、遊技盤面１１の鉛直方向
の上方位置へ送り出すためのガイドレール１１ａが設け
られている。

【００４０】遊技盤面１１の略中央には、可変表示装置
３０と保留球表示装置４０が配設されている。これらは
一体化された１つのメイン役物として構成されている。
また、保留球表示装置４０の下方には始動入賞口２０が
配設され、さらにその下方には可変入賞装置５０が配設
されている。

【００４１】その他、遊技盤面１１上には、打ち出され
た球の落下速度、あるいは方向を変化させるための数多
の障害釘や、風車１５等の各種役物も適所に設けられて
いる。また、遊技盤面１１の最下部には、入賞しなかっ
た球を回収するためのアウト口１７が設けられている。

【００４２】遊技盤面１１の上方には、各種遊技状態等
を表示し、遊技の面白味を増加させるための表示ランプ
１８が設けられている。また、遊技盤面１１の裏側に
は、遊技状態を集中管理する遊技制御装置１００（図１
参照）が設けられている。遊技制御装置１００について
詳しくは後述する。

【００４３】図２に示す始動入賞口２０は、一般に始動
チャッカーと称されるものであり、遊技盤面１１上に球
が入賞し得る状態に設けられている。この始動入賞口２
０に球が入賞することが、後述する画像遊技が実行され
るための始動条件として設定されている。また、始動入
賞口２０は開閉可能な一対の可動片を有し、いわゆるチ
ューリップ型役物として構成されている。

【００４４】図１に示すように始動入賞口２０は、球の
入賞を検知する始動入賞検知スイッチ２１を内部に備え
ている。始動入賞検知スイッチ２１は入賞球を検知して
ＯＮになると、始動入賞信号を遊技制御装置１００に出
力するように設定されている。始動入賞検知スイッチ２
１は、例えば光センサ、近接センサ、あるいは磁気セン
サ等の各種センサにより構成すればよい。

【００４５】図２に示すように可変表示装置３０は、各
種図柄を表示可能な画面３０ａを備え、具体的にはカラ
ー液晶ディスプレイから構成されている。ただし、可変
表示装置３０はこれに限られるものではなく、モノクロ
液晶ディスプレイはもちろんのこと、蛍光表示管やブラ
ウン管（ＣＲＴ）等を用いて構成してもよい。

【００４６】可変表示装置３０の画面３０ａには、画像
遊技が表示されるようになっている。図４に示すように
可変表示装置３０は、その画面３０ａ上に各種図柄をそ
れぞれ表示可能な複数の表示枠３１を備え、各表示枠３
１は、縦３行で横３列から成るマトリクス状に配置され
ている。また、各表示枠間には所定幅の枠組みライン
（枠組み）３２が設けられている。

【００４７】可変表示装置３０では、前記始動入賞口２
０に球が入賞する度に、図５（ａ）に示すように、各表
示枠３１ごとに各種図柄が上から下へと入れ替わるよう
スクロール変化した後、１つずつ任意の図柄が停止する
内容の画像遊技が表示される。ここで図柄としては、数
字、文字、記号、シンボル等の各種図柄が予め用意され
ている。

【００４８】前記画像遊技では、各表示枠３１が縦、
横、斜めに３個ずつ並ぶ何れかのライン上で、例えば図
５（ｂ）に示すように、最後に停止する図柄を１つ残し
て、既に停止した２つの図柄が互いに一致する状態がリ
ーチ表示（準当たり表示）に相当する。

【００４９】前記リーチ表示が出現した際、かかる表示
自体とは別に、報知手段であるスピーカー７０に（図１
参照）よって、音声によりリーチ表示が出現した旨が報
知されるように設定されている。また、図５（ｃ）に示
すように、前記リーチ表示を経て何れかのライン上で停
止した図柄が全部同一に揃った状態が大当たり表示に相
当する。

【００５０】このような大当たり表示が確定した場合に
は、後述する可変入賞装置５０が所定回数を限度に繰り
返し開閉する特賞が発生するように設定されている。な
お、図５（ｄ）に示すように、何れかのライン上でも、
同一図柄が結局３つ揃わなかった状態はハズレ表示に相
当する。

【００５１】また、図６，７に示すように、画像遊技の
途中でリーチ表示が出現した場合には、前記リーチ表示
に組み合わされて大当たり表示を形成する当たり図柄
が、特別ラインＬとともに画面３０ａの片隅から出現す
る場合もある。かかる状態は特別リーチ表示として定め
られており、画像遊技において、リーチ表示後に所定確
率で出現するように設定されている。

【００５２】特別ラインＬは、可変表示装置３０の外縁
側から各表示枠３１間の枠組み３２に沿って定位置に向
かって徐々に伸び出るように進行表示される。この特別
ラインＬの進行に伴い、前記当たり図柄も定位置へ向か
って移動するように表示される。ここで当たり図柄とは
リーチ表示を形成する図柄であり、定位置とはリーチ表
示において最後に図柄が停止する表示枠３１である。

【００５３】また、前記特別ラインＬや当たり図柄は、
前記表示枠３１や他の各種図柄に比べて光る状態で表示
されるように設定されている。また、前記画像遊技にお
いては、図６に示すように、前記特別ラインＬが定位置
に向かって２本平行に進行する場合と、図７に示すよう
に、１本だけが進行する場合とがある。

【００５４】ここで特別ラインＬが前記定位置に向かっ
て１本だけ進行する場合よりも、２本が平行に進行する
場合の方が、最終的に大当たり表示に確定する確率が高
く設定されている。この確率の高低は逆に設定してもよ
い。なお、図８に示すように、可変表示装置３０の変形
例として、枠組み３２ａを各表示枠３１の外縁の一部ま
たは全部に沿うように設けてもよい。かかる場合、これ
ら外縁に位置する枠組み３２ａに沿って、前記特別ライ
ンＬが進行し得るようにするとよい。

【００５５】図２に示す保留球表示装置４０は、可変表
示装置３０での画像遊技中ないし特賞発生中に、始動入
賞口２０に球が入賞した際、未実行となる画像遊技の保
留回数を表示するものである。この保留球表示装置４０
は、後述する遊技制御装置１００からの信号に基づき、
遊技制御装置１００に記憶された前記保留回数を表示す
るよう設定されている。

【００５６】図４に示すように保留球表示装置４０は、
４個の保留ランプ４１，４１…を有し、未実行の画像遊
技は４回まで保留可能となっている。すなわち、保留回
数に相当する数の保留ランプ４１が点灯すべく制御され
る。保留されていた画像遊技が実行された場合、その実
行回数が前記保留回数から減算されて遊技制御装置１０
０に更新記憶され、その回数が保留球表示装置４０に新
たに表示される。

【００５７】図２に示す可変入賞装置５０は、一般に大
口入賞口（アタッカー）と称されるものであり、ソレノ
イド５２により開閉駆動する可動板５１を備えている。
可変入賞装置５０は、前記画像遊技で大当たり表示とな
った際、遊技制御装置１００からの信号に基づき、特賞
を演出するように制御される。ここで特賞とは、可動板
５１が所定時間（例えば２９秒）に亘って開いた後、短
時間（例えば２〜３秒）だけ閉じるという開閉動作が、
所定ラウンド回数（例えば１６回）を限度に繰り返し実
行される状態である。

【００５８】図１に示すように、可変入賞装置５０の内
部には、入賞した球を検出する入賞検出スイッチ５３が
設けられている。この入賞検出スイッチ５３からの信号
を元に、前記各ラウンドごとに所定数（例えば１０個）
の入賞球が入賞計数機５４で計数された時点で、可動板
５１は継続して開く所定時間が経過する前であっても、
いったん閉じるように制御される。

【００５９】また、可変入賞装置５０の内部にはＶ入賞
口５５も設けられており、各ラウンドごとに、Ｖ入賞口
５５へ入賞することが、次ラウンドに移行するための継
続条件となっている。Ｖ入賞口５５への球の入賞は、Ｖ
入賞検出スイッチ５６によって検知される。

【００６０】図１に示すように、遊技制御装置１００
は、遊技機１０全体の動作を集中管理するものであり、
ＣＰＵ１１０、ＲＯＭ１２０、ＲＡＭ１３０等を含むマ
イクロコンピューターから成る。遊技制御装置１００は
ユニット化されており、遊技盤面１１の裏側等の機体内
に取り付けられる。

【００６１】前記ＣＰＵ１１０は機能的には、抽選実行
手段１１１、権利保留手段１１２、画像遊技実行手段１
１３、特別ライン表示手段１１４、それに特賞生成手段
１１５等を具備している。なお、遊技制御装置１００
は、その出力部１４０から構内情報通信網（ＬＡＮ）を
介して、遊技場内の各種機器の動作や運営を集中的に制
御するホール管理端末機２００（図３参照）等にも接続
されている。

【００６２】抽選実行手段１１１は、前記始動入賞口２
０に球が入賞することに起因して、乱数を用いた無作為
抽選を実行し、その抽選結果である大当たりやハズレに
相当する画像乱数を出力するものである。本実施の形態
では、１回の抽選結果である画像乱数に基づき、前記可
変表示装置３０における１回ごとの一連の表示内容は総
て決定される。

【００６３】前記画像乱数が大当たりに相当した場合に
は、必ず画像遊技でリーチ表示、あるいはさらに特別リ
ーチ表示となり、その後に大当たり表示が確定する。一
方、前記画像乱数がハズレに相当した場合はハズレ表示
となるが、ハズレ表示が確定するまでの表示内容には、
以下の２通りが予め用意されている。

【００６４】１つは、画像遊技でリーチ表示や特別リー
チ表示となることなく、そのままハズレ表示が確定する
場合である。もう１つは、画像遊技でリーチ表示や特別
リーチ表示となるが、その後、結局ハズレ表示が確定す
る場合である。

【００６５】抽選実行手段１１１から出力される画像乱
数は、いったんＲＡＭ１３０に保存された後、画像遊技
実行手段１１３、特別ライン表示手段１１４および特賞
生成手段１１５に入力される。なお、抽選実行手段１１
１で用いる乱数表はＲＯＭ１２０に格納されており、大
当たりやハズレに相当する確率は予め適宜設定されてい
る。

【００６６】また、抽選実行手段１１１の抽選確率の制
御により、前記画像遊技の途中でリーチ表示が出現した
場合には、その後１００％の確率で必ず特別ラインＬが
出現するように設定し、その後１００％未満の所定確率
で前記当たり図柄が特別ラインＬの進行に伴って移動し
た結果、大当たり表示が確定するように設定してもよ
い。

【００６７】あるいは抽選実行手段１１１の抽選確率の
制御により、前記画像遊技の途中でリーチ表示が出現し
た場合には、その後１００％未満の所定確率で特別ライ
ンＬが出現するように設定し、該特別ラインＬが出現し
た場合には、その後１００％の確率で前記当たり図柄が
特別ラインＬの進行に伴って移動した結果、大当たり表
示が確定するように設定してもよい。

【００６８】さらに、前記画像遊技においては、図６に
示すように、前記特別ラインＬが定位置に向かって２本
平行に進行する場合と、図７に示すように、１本だけ進
行する場合とがあるが、特別ラインＬが１本だけ進行す
る場合よりも、２本が平行に進行する場合の方が、最終
的に大当たり表示に確定する確率を高く設定するように
してもよい。

【００６９】権利保留手段１１２は、前記始動入賞口２
０に球が入賞した際、前記画像遊技中ないし特賞発生中
であるか否かを判断し、これらの最中であった場合に、
前記抽選実行手段１１１で抽選された画像乱数に基づく
新たな画像遊技の実行を一時保留する制御を行うもので
ある。

【００７０】ここで保留された画像乱数、すなわち画像
遊技の実行権利の数は、同じく権利保留手段１１２の制
御に基づいて、最大４個まで保留球表示装置４０に表示
される。具体的には、保留された実行権利（画像乱数）
の数は、保留球表示装置４０における保留ランプ４１の
点灯個数で表示されることになる。

【００７１】画像遊技実行手段１１３は、始動入賞口２
０に球が入賞した場合に、図４に示す可変表示装置３０
の各表示枠３１ごとに、それぞれ各種図柄が入れ替わる
よう変化した後に、何れかの図柄が停止する画像遊技を
実行するものである。詳しく言えば画像遊技実行手段１
１３は、ＲＡＭ１３０にいったん保存された画像乱数に
基づいて、画像遊技を実行することになる。

【００７２】画像遊技の表示内容は、前記画像乱数に応
じて、大当たり表示の前段階のリーチ表示や特別リーチ
表示、大当たり表示、これら以外のハズレ表示に対応し
た様々な図柄の組み合わせが停止表示されるように予め
プログラムされている。なお、停止図柄の組み合わせパ
ターンは、ＲＯＭ１２０に格納された表示制御プログラ
ムデータに予め登録されている。

【００７３】特別ライン表示手段１１４は、前記抽選実
行手段の抽選結果に応じた所定確率で、前記画像遊技の
途中で前記リーチ表示が出現した場合に、前記当たり図
柄を、その定位置に向かって別の位置から徐々に伸び出
るように進行する特別ラインとともに移動させる表示制
御を実行するものである。

【００７４】特賞生成手段１１５は、前記抽選実行手段
の抽選結果に応じて、前記画像遊技の結果、前記当たり
図柄が、前記特別ラインの進行に伴って移動した場合を
含め、前記定位置に配置されて大当たり表示が確定した
場合に、特賞を発生させる制御を実行するものである。

【００７５】ここで特賞とは、可変入賞装置５０の可動
板５１が最大１６ラウンドまで繰り返し開閉することで
ある。特賞生成手段１１５には、遊技制御プログラムに
従って、可変入賞装置５０のソレノイド５２を駆動する
ためのソレノイド回路が含まれている。

【００７６】前記遊技制御装置１００のＲＯＭ１２０に
は、可変入賞装置５０等を制御する遊技制御プログラム
データや、可変表示装置３０の表示内容に関する表示制
御プログラムデータ、それに各種役物への入賞を演出す
る表示ランプ１８の点灯パターン、スピーカー７０から
の音声の発生パターン等、固定データが格納されてい
る。前記ＲＡＭ１３０は、各種入賞口からの信号を含む
遊技に関する入賞データ等を一時的に記憶するものであ
る。

【００７７】また、図１に示すように、遊技機１０内部
には賞球払出手段６０も設けられている。賞球払出手段
６０は、賞球払出計数機６１と、各入賞口ごとに所定の
賞球数を設定する払出設定手段６２と、賞球数を計数す
る演算手段６３を具備して成る。賞球払出手段６０も信
号線を介して、前記遊技制御装置１００のＣＰＵ１１０
に接続されている。

【００７８】図３は、本実施の形態に係る遊技機１０を
含む遊技管理装置のシステム構成図である。かかる遊技
管理装置は、ＬＯＮ（Ｌｏｃａｌ Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ
Ｎｅｔｗｏｒｋ：エシャロン社登録商標）技術を応用
した分散型ネットワークとして構築されている。

【００７９】遊技島内には、中継器としての台コントロ
ーラ１５０が複数設置され、各台コントローラ１５０
に、前記遊技機１０や遊技球貸出装置２等が接続されて
いる。台コントローラ１５０は、対応する遊技機１０等
の各種動作や信号の送受信を検知、監視、制御するもの
である。

【００８０】台コントローラ１５０には、遊技機１０の
出力部５４から各種情報が直接入力される。各台コント
ローラ１５０は、ＨＡＬＬ−ＢＵＳを介して、ゲートウ
ェイを兼ねた島コントローラ３に接続されている。島コ
ントローラ３は、対応する遊技島１内の設備機器である
遊技機１０等の各データを一時集積、記憶するものであ
る。

【００８１】前記島コントローラ３はＬＡＮと接続さ
れ、該ＬＡＮに、ホール管理端末機２００や情報表示端
末機３００等がそれぞれ接続されている。これらの各種
装置には、ディスプレイ（ＣＲＴ）、プリンタ、モデ
ム、音声出力装置等が更に接続されている。

【００８２】次に遊技機１０の作用を説明する。図２に
おいて、遊技者はハンドル１２を回転操作して、遊技盤
面１１上に球を打ち出して遊技を行う。先ず図９に示す
フローチャートにおいて、打ち出された球が始動入賞口
２０にうまく入賞すると（Ｓ１１１でＹ）、始動入賞検
知スイッチ２１から始動入賞信号が遊技制御装置１００
へ出力される。この信号を抽選実行手段１１１が受ける
と、乱数を用いた抽選が実行される（Ｓ１１２）。

【００８３】前記乱数抽選が行われた場合、遊技制御装
置１００のＲＡＭ１３０に保存されている画像乱数（保
留球と同義）が、保留球表示装置４０に表示し得る限度
数４個未満であるか否かが判別される（Ｓ１１３で
Ｙ）。ここで限度数４個未満であれば、最高４回まで前
記抽選結果である画像乱数（画像遊技の実行権利）が新
たに保存される（Ｓ１１４）。このとき、画像乱数の保
存個数、すなわち画像遊技の実行権利の保留回数は、保
留球表示装置４０の保留ランプ４１の点灯によって加算
表示される（Ｓ１１５）。

【００８４】一方、画像乱数が限度数４個まで保存され
ている状態で乱数抽選が行われても（Ｓ１１３でＮ）、
新たに画像乱数が保存されることはなく、画像遊技の実
行権利は放棄される（Ｓ１１７）。その後、画像遊技の
実行権利が破棄された場合も含めて、前記始動入賞口２
０への入賞に基づく所定数の賞球が払い出される（Ｓ１
１６）。

【００８５】次に図１０に示すフローチャートにおい
て、画像遊技中ないし特賞発生中でなければ（Ｓ１２０
でＮ）、前述した画像遊技の実行権利が保留されている
か否かが判別される（Ｓ１２１）。

【００８６】ここで実行権利が保留されていた場合（Ｓ
１２１でＹ）、該実行権利に相当する画像乱数がＲＡＭ
１３０から１つ読み込まれる（Ｓ１２２）。このとき、
保留球表示装置４０の保留ランプ４１が１つ消灯するこ
とで減算表示される（Ｓ１２３）。

【００８７】前記抽選結果である画像乱数に応じて、先
ずは画像遊技実行手段１１３からの指令に基づき、図４
に示す可変表示装置３０の画面３０ａ上で画像遊技が開
始される（Ｓ１２４）。かかる画像遊技では、図５
（ａ）に示すように、画面３０ａ上の各表示枠３１で、
各種図柄が上から下へとスクロール表示される。

【００８８】画像遊技の詳細については次述するが、か
かる画像遊技の結果が通常のリーチ表示や特別リーチ表
示を経て、大当たり表示に確定した場合には（Ｓ１２５
でＹ）、前記抽選実行手段１１１で抽選された画像乱数
に基づき、特賞生成手段１１５の制御によって特賞が発
生する（Ｓ１２６）。特賞の詳細についても後述する。

【００８９】また、前記抽選実行手段１１１での抽選結
果がハズレであった場合には（Ｓ１２５でＮ）、結局ハ
ズレ表示に確定する（Ｓ１２８）。かかる場合は特賞が
発生することはない。以上のような遊技過程は、遊技者
が遊技を終了するまで繰り返される（Ｓ１２７）。

【００９０】図１１に示すフローチャートは、画像遊技
の詳細を示している。かかる画像遊技は、前記抽選実行
手段１１１の抽選結果に基づき、画像遊技実行手段１１
３の制御により開始される。先ず最初は、図５（ａ）に
示すように、可変表示装置３０の画面３０ａ上の各表示
枠３１で、各種図柄が上から下へとスクロール表示され
る。

【００９１】前記画像乱数が大当たりに相当する乱数で
あった場合には（Ｓ１３０でＹ）、図５（ｂ）に示すよ
うに、何れかのライン上にて先ず２個の図柄が同一種類
に揃うリーチ表示が出現する（Ｓ１３１）。続いて図５
（ｃ）に示すように、何れかのライン上にて３個の図柄
が総て同一種類に確定する大当たり表示が確定する（Ｓ
１３２）。

【００９２】また、前記画像乱数が大当たりに相当せず
（Ｓ１３０でＮ）、特別大当たりに相当する乱数であっ
た場合には（Ｓ１３３でＹ）、先ずは画像遊技実行手段
１１３の制御により、前記通常の大当たりと同様にリー
チ表示が出現する。続いて特別ライン表示手段１１４の
制御により、例えば図６（ａ）に示すように、可変表示
装置３０の画面３０ａの片隅から当たり図柄が特別ライ
ンＬとともに出現する（Ｓ１３４）。

【００９３】図６（ｂ）〜（ｄ）に示すように、特別ラ
インＬは、可変表示装置３０の外縁側から各表示枠３１
間の枠組み３２に沿って、最後に図柄が停止する定位置
に向かって徐々に伸び出るように進行表示される。かか
る特別ラインＬの進行に伴い、前記当たり図柄も定位置
へ向かって移動するように表示される。また、前記特別
ラインＬや当たり図柄は、前記表示枠３１や他の各種図
柄に比べて光る状態で表示される。

【００９４】さらにまた、前記特別リーチ表示において
は、図６に示すように、特別ラインＬが定位置に向かっ
て２本平行に進行する場合と、図７に示すように、１本
だけ進行する場合とがある。ここで特別ラインＬが前記
定位置に向かって１本だけ進行する場合よりも、２本が
平行に進行する場合の方が、最終的に大当たり表示に確
定する確率が高く設定されている。

【００９５】結局、前記画像乱数が特別大当たりであっ
た場合、画像遊技の結果は、前記当たり図柄が特別ライ
ンの進行に伴って移動して定位置に配置され、大当たり
表示に確定することになる（Ｓ１３５）。

【００９６】さらにまた、前記画像乱数がハズレであっ
た場合には（Ｓ１３３でＮ，Ｓ１３６）、画像遊技の結
果はハズレ表示に確定するが（Ｓ１３７）、ハズレ表示
が確定するまでの表示内容には、以下の３通りのパター
ンがある。１つは、画像遊技でリーチ表示や特別リーチ
表示となることなく、そのままハズレ表示が確定する場
合である。

【００９７】残り２つは、画像遊技でそれぞれリーチ表
示、特別リーチ表示となるが、その後結局ハズレ表示が
確定する場合である。ここで特別リーチ表示後にハズレ
表示が確定する表示としては、前記当たり図柄が定位置
に止まらなかった場合であるが、定位置の前で特別ライ
ンＬとともに止まってしまう場合と、定位置を特別ライ
ンＬとともに行き過ぎてしまう場合とが考えられる。

【００９８】図１２に示すフローチャートは、前記画像
遊技の結果が大当たり表示に確定した場合に実行される
特賞発生処理を示している。かかる処理では、先ず可変
入賞装置５０が開放される（Ｓ１４１）。

【００９９】詳しくは、前記抽選実行手段１１１での抽
選された画像乱数が大当たり、特別大当たりの場合、こ
れに基づき、特賞生成手段１１５から可変入賞装置５０
へ特賞信号が出力される。すると、可変入賞装置５０の
ソレノイド５２が駆動して、可動板５１を所定時間（例
えば２９秒）に亘って開く。

【０１００】この可変入賞装置５０の開放中に、所定個
数、例えば１０個の入賞があったか否かが、入賞検出ス
イッチ５３からの入賞信号に基づき判別される（Ｓ１４
２）。ここで１０個の入賞があった場合（Ｓ１４２で
Ｙ）、特賞生成手段１１５からの信号に基づきソレノイ
ド５２が駆動し、可動板５１が所定時間（例えば２秒）
に亘って閉じられて、可変入賞装置５０は閉鎖される
（Ｓ１４４）。

【０１０１】また、１０個の入賞がなかった場合は（Ｓ
１４２でＮ）、２９秒のタイムアウトか否かの判別が行
われ（Ｓ１４３）、タイムアウトの場合は（Ｓ１４３で
Ｙ）、可変入賞装置５０が閉鎖される（Ｓ１４４）。ま
た、タイムアウトでない場合は（Ｓ１４３でＮ）、１０
個の入賞があったか否かの判別に戻る。

【０１０２】可変入賞装置５０が２秒間閉鎖された後、
再び可変入賞装置５０は２９秒間に亘り開放されるが、
その前にラウンド数（可変入賞装置５０が開放してから
閉鎖するまでを１ラウンドとする。）が、予め定められ
た上限ラウンド数である１６回に達しているか否かが判
別される（Ｓ１４５）。

【０１０３】未だ上限ラウンド数に達していなければ
（Ｓ１４５でＹ）、Ｖ入賞口５５へ入賞したか否かが判
断される（Ｓ１４６）。ここでＶ入賞口５５へ入賞して
いなければ（Ｓ１４６でＮ）、その時点で特賞は終了す
る（Ｓ１４７）。一方、Ｖ入賞口５５へ入賞していれば
（Ｓ１４６でＹ）、再び次ラウンドとして可変入賞装置
５０が開放する（Ｓ１４１）。また、上限ラウンド数に
達した場合も（Ｓ１４５でＮ）、特賞は終了する（Ｓ１
４７）。

【０１０４】以上のように本遊技機１０では、前記可変
表示装置３０における画像遊技で準当たり表示となった
場合に、いわゆるリーチアクションの演出として、遊技
者が最も関心を抱く当たり図柄が、特別ラインＬの進行
とともに目立って表示される場合がある。そのため、特
賞が発生するか否かを見かけ上決定する過程で、遊技者
を視覚的に十分に楽しませることができ、遊技者の期待
感を効果的に高めることができる。

【０１０５】なお、前述した実施の形態では、本発明に
係る遊技機１０をパチンコ機に適用した場合について説
明したが、遊技機１０はパチンコ機に限られず、同様に
機能する他の遊技機にも適用可能である。例えば、アレ
ンジボール機等のように、遊技媒体として球を用いる各
種のゲーム機に適用することができる。

【０１０６】また、可変表示装置３０はスロットマシン
に適用することができる。また、前記画像遊技では可変
表示装置３０の表示枠３１が縦３行で横３列のマトリク
ス状に区画されているが、例えば表示枠３１の数を増や
して、縦４行で横４列等のマトリクス状に設定してもよ
い。

【０１０７】また、前記始動入賞口２０に球が入賞する
ことを、画像遊技が実行されるための始動条件として設
定したが、他の補助的な変動表示遊技を行う表示器や、
開閉動作遊技を行う入賞装置等においてある条件を満た
すことを、前記始動条件に設定してもよい。

【０１０８】また、前記抽選実行手段１１１、権利保留
手段１１２、画像遊技実行手段１１３、特別ライン表示
手段１１４、それに特賞生成手段１１５は、各遊技機１
０ごとに装備された１つの遊技制御装置１００によって
実現しているが、例えば特定の機能のみをホール管理端
末機２００に組み込んだりして、前記各手段を別々の装
置間に分散させて設けてもよい。

【０１０９】

【発明の効果】本発明に係る遊技機によれば、可変表示
装置における画像遊技で準当たり表示となった場合に
は、いわゆるリーチアクションの演出として、遊技者が
最も関心を抱く当たり図柄が、特別ラインの進行ととも
に目立って表示される場合があるため、特賞が発生する
か否かを見かけ上決定する過程で、遊技者を視覚的に十
分に楽しませることができ、遊技者の期待感を効果的に
高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係る遊技機を示すブロ
ック図である。

【図２】本発明の一実施の形態に係る遊技機を示す正面
図である。

【図３】本発明の一実施の形態に係る遊技機を含む遊技
管理装置のシステム構成図である。

【図４】本発明の一実施の形態に係る遊技機の可変表示
装置を拡大して示す正面図である。

【図５】本発明の一実施の形態に係る遊技機の可変表示
装置に表示される画像遊技の内容の一例を示す説明図で
ある。

【図６】本発明の一実施の形態に係る遊技機の可変表示
装置に表示される特別リーチ表示の一例を示す説明図で
ある。

【図７】本発明の一実施の形態に係る遊技機の可変表示
装置に表示される特別リーチ表示の一例を示す説明図で
ある。

【図８】本発明の一実施の形態に係る遊技機の可変表示
装置の変形例を示す説明図である。

【図９】本発明の一実施の形態に係る遊技機において、
始動入賞口に球が入った場合の処理を示すフローチャー
トである。

【図１０】本発明の一実施の形態に係る遊技機におい
て、画像遊技ないし特賞発生を概略的に示すフローチャ
ートである。

【図１１】本発明の一実施の形態に係る遊技機におい
て、画像遊技の詳細を示すフローチャートである。

【図１２】本発明の一実施の形態に係る遊技機におい
て、特賞発生の詳細を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１０…遊技機 １１…遊技盤面 １３…上皿 １４…下皿 １７…アウト口 １８…表示ランプ ２０…始動入賞口 ２１…始動入賞検知スイッチ ３０…可変表示装置 ３１…表示枠 ３２…枠組み ３２ａ…枠組み ４０…保留球表示装置 ４１…保留ランプ ５０…可変入賞装置 ５１…可動板 ５２…ソレノイド ５３…入賞検知スイッチ ５４…入賞計数機 ５５…Ｖ入賞口 ５６…Ｖ入賞検出スイッチ ６０…賞球払出手段 ７０…スピーカー １００…遊技制御装置 １１０…ＣＰＵ １１１…抽選実行手段 １１２…権利保留手段 １１３…画像遊技実行手段 １１４…特別ライン表示手段 １１５…特賞生成手段 １２０…ＲＯＭ １３０…ＲＡＭ １５０…台コントローラ ２００…ホール管理端末機

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】遊技盤面上に球を打ち出す遊技で所定の始
   動条件が成立すると、各種図柄を用いた画像遊技を実行
   し、該画像遊技の結果が所定の大当たり表示に相当する
   と、遊技者に有利な特賞を発生させる遊技機において、 前記画像遊技を表示可能であり遊技盤面上に配設される
   可変表示装置と、前記画像遊技ないし特賞発生を少なく
   とも制御する遊技制御装置とを有し、 前記遊技制御装置は、 遊技中に所定の始動条件が成立した場合に、前記可変表
   示装置で各種図柄を入れ替わり変化させた後に停止させ
   る画像遊技を実行し、 かつ前記画像遊技の途中で、前記大当たり表示への期待
   感を喚起させる準当たり表示が出現した場合に、その後
   所定確率で、前記準当たり表示に組み合わされて大当た
   り表示を形成する当たり図柄を、その定位置に向かって
   別の位置から徐々に伸び出るように進行する特別ライン
   とともに移動させるように表示し、 かつ前記画像遊技の結果、前記当たり図柄が、前記特別
   ラインの進行に伴って移動した場合を含め、前記定位置
   に配置されて大当たり表示が確定した場合に、前記特賞
   を発生させることを特徴とする遊技機。
2. 【請求項２】前記遊技制御装置は、抽選実行手段と、画
   像遊技実行手段と、特別ライン表示手段と、特賞生成手
   段とを有し、 前記抽選実行手段は、遊技中に所定の始動条件が成立し
   たことに起因して、乱数を用いた無作為抽選を実行し、 前記画像遊技実行手段は、前記抽選実行手段の抽選結果
   に応じて、前記可変表示装置で各種図柄を入れ替わり変
   化させた後に停止させる前記画像遊技を実行し、 前記特別ライン表示手段は、前記抽選実行手段の抽選結
   果に応じた所定確率で、前記画像遊技の途中で前記準当
   たり表示が出現した場合に、前記当たり図柄を、その定
   位置に向かって別の位置から徐々に伸び出るように進行
   する特別ラインとともに移動させるように表示し、 前記特賞生成手段は、前記抽選実行手段の抽選結果に応
   じて、前記画像遊技の結果、前記当たり図柄が、前記特
   別ラインの進行に伴って移動した場合を含め、前記定位
   置に配置されて大当たり表示が確定した場合に、前記特
   賞を発生させることを特徴とする請求項１記載の遊技
   機。
3. 【請求項３】前記可変表示装置は、各種図柄をそれぞれ
   表示可能な複数の表示枠を備え、各表示枠をマトリクス
   状に配置して成り、 前記画像遊技は、前記可変表示装置の各表示枠内ごと
   に、各種図柄が入れ替わり変化した後に停止する内容に
   設定され、各表示枠が同数ずつ並ぶ何れかのライン上
   で、最後に停止する図柄を１つ残して既に停止した図柄
   が互いに一致する状態を前記準当たり表示とし、該準当
   たり表示を経て何れかのライン上で停止した図柄が全部
   同一に揃った状態を前記大当たり表示とし、 前記当たり図柄は前記準当たり表示を形成する図柄であ
   り、前記定位置は前記準当たり表示において最後に図柄
   が停止する表示枠であり、 前記遊技制御手段は、前記画像遊技の途中で準当たり表
   示が出現した場合に、その後所定確率で前記特別ライン
   を、前記可変表示装置の外縁側から各表示枠間の枠組み
   に沿って前記定位置に向かって徐々に伸び出るように進
   行させ、該特別ラインの進行に合わせて前記当たり図柄
   を移動させるように表示することを特徴とする請求項１
   または２記載の遊技機。
4. 【請求項４】前記画像遊技の途中で前記準当たり表示が
   出現した場合には、その後１００％の確率で前記特別ラ
   インが出現するように設定し、その後１００％未満の確
   率で前記当たり図柄が前記特別ラインの進行に伴って移
   動した結果、前記定位置に配置されて大当たり表示が確
   定するように制御されることを特徴とする請求項１，２
   または３記載の遊技機。
5. 【請求項５】前記画像遊技の途中で前記準当たり表示が
   出現した場合には、その後１００％未満の確率で前記特
   別ラインが出現するように設定し、該特別ラインが出現
   した場合には、その後１００％の確率で前記当たり図柄
   が前記特別ラインの進行に伴って移動した結果、前記定
   位置に配置されて大当たり表示が確定するように制御さ
   れることを特徴とする請求項１，２または３記載の遊技
   機。
6. 【請求項６】前記画像遊技において、前記特別ラインは
   前記表示枠や各種図柄に比べて光る状態で表示されるよ
   うに設定したことを特徴とする請求項１，２，３，４ま
   たは５記載の遊技機。
7. 【請求項７】前記画像遊技において、前記特別ラインが
   前記定位置に向かって１本だけ進行する場合と、前記定
   位置に向かって２本が平行に進行する場合を設定したこ
   とを特徴とする請求項１，２，３，４，５または６記載
   の遊技機。
8. 【請求項８】前記画像遊技において、前記特別ラインが
   前記定位置に向かって１本だけ進行する場合と、前記定
   位置に向かって２本が平行に進行する場合とで、それぞ
   れ最終的に大当たり表示が確定する確率を異ならせたこ
   とを特徴とする請求項１，２，３，４，５，６または７
   記載の遊技機。
9. 【請求項９】報知手段を有し、該報知手段は、前記画像
   遊技で準当たり表示が出現した場合に、該準当たり表示
   とは別に、準当たり表示が出現した旨を遊技者に対して
   報知することを特徴とする請求項１，２，３，４，５，
   ６，７または８記載の遊技機。
10. 【請求項１０】前記遊技盤面上に可変入賞装置を設け、 前記可変入賞装置は、その入賞口を開閉可能な可動板を
    有して成り、該可動板は通常は閉状態に維持され、 前記可動板を、所定回数を限度に繰り返し開閉させて、
    前記特賞とすることを特徴とする請求項１，２，３，
    ４，５，６，７，８または９記載の遊技機。
11. 【請求項１１】前記遊技盤面上に始動入賞口を設け、 前記始動入賞口に球が入賞することを、前記始動条件に
    設定したことを特徴とする請求項１，２，３，４，５，
    ６，７，８，９または１０記載の遊技機。