JP2000288185A

JP2000288185A - 遊技機

Info

Publication number: JP2000288185A
Application number: JP11103531A
Authority: JP
Inventors: Takatoshi Takemoto; 孝俊武本
Original assignee: Ace Denken KK
Current assignee: Ace Denken KK
Priority date: 1999-04-12
Filing date: 1999-04-12
Publication date: 2000-10-17

Abstract

(57)【要約】【課題】遊技者が落胆するような場面が続いた場合に、
逆に遊技者に大当たりへの期待感を与えることができ、
遊技におけるスリルと興奮を増大させて、遊技全体にお
ける興趣を高めることができる遊技機を提供する。【解決手段】始動入賞口２０への球の入賞に基づき、可
変表示装置３０で図柄変動遊技が実行され、その結果が
大当たり表示の場合には、可変入賞装置５０が最大１６
回開閉する特賞が発生する。前記図柄変動遊技でリーチ
後ハズレという遊技者が落胆する場面となっても、その
回数が所定数に達すれば、次のリーチ表示後に大当たり
表示が必ず確定し、これに基づき特賞も発生する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、遊技盤面上に球を
打ち出す遊技で所定の条件が成立すると、遊技者に有利
な特賞が発生する遊技機に関する。ここで遊技機とは、
主としてパチンコ機を指すものである。また、遊技機の
可変表示装置はスロットマシンに適用することができ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の遊技機としては、様々な
機種のパチンコ機が知られている。パチンコ機の遊技盤
面上には、その機種を定めると共に遊技性を高めるため
のメイン役物が配設されている。代表的なメイン役物と
しては、液晶画面等からなる可変表示装置があり、かか
る可変表示装置を備えたものは一般にフィーバー機と称
され、広く普及していた。

【０００３】前記フィーバー機では、遊技盤面上に設け
られた始動入賞口に球が入賞すると、前記可変表示装置
に各種図柄がスクロール表示される。そして、スクロー
ル停止後の図柄の組み合わせが大当たり表示に確定する
と、特賞（いわゆるフィーバー）が発生するようになっ
ていた。ここで特賞とは、通常は遊技盤面上に設けられ
た可変入賞口が所定回数を限度に繰り返し開閉するもの
である。

【０００４】前記可変表示装置は、一般には横一列に並
ぶ３つの表示欄を有し、各表示欄に停止表示された図柄
が、例えば「７，７，７」の如く総て同一図柄が揃う
と、大当たりとなって特賞が発生する。前記スクロール
表示の途中で、１つの表示欄だけ残して他の表示欄に停
止した図柄が一致するリーチ状態となった場合、前記大
当たりへの期待感が高まっていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た一般のフィーバー機では、前記スクロール表示の結果
が大当たりとなる、すなわち特賞が発生するのは、ソフ
トウェア制御により確率上稀であるよう設定されてい
た。そのため、前記リーチ状態の後、結局大当たりとは
ならない遊技者が落胆する場面も多々起こり得るもので
あり、かかる状態が長く続くと、遊技者の気分をすこぶ
る害してしまうという問題があった。

【０００６】本発明は、以上のような従来技術が有する
問題点に着目してなされたもので、遊技者が落胆するよ
うな場面が続いた場合に、逆に遊技者に大当たりへの期
待感を与えることができ、遊技におけるスリルと興奮を
増大させて、遊技全体における興趣を高めることができ
る遊技機を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に
存する。［１］遊技盤面（１１）上に球を打ち出す遊技で所定の
条件が成立すると、遊技者に有利な特賞が発生する遊技
機（１０）において、前記遊技盤面（１１）上に配設し
た可変表示装置（３０）と、遊技状態を制御する遊技制
御装置（１００）とを有し、前記可変表示装置（３０）
は、各種図柄が変化した後に停止する図柄変動遊技を表
示可能に設けられ、前記遊技制御装置（１００）は、遊
技中に所定の始動条件が成立した場合に、前記可変表示
装置（３０）で図柄変動遊技を実行し、該図柄変動遊技
の結果が大当たり表示に確定した場合に前記特賞を発生
させ、かつ前記図柄変動遊技の終了前に、既に停止表示
された図柄の組み合わせが前記大当たり表示の前段階の
リーチ表示となった後、結局大当たり表示とならずハズ
レ表示が確定した場合に、このリーチ後ハズレ表示とな
った回数を所定数に達するまで計数し、かつ前記リーチ
後ハズレ表示の回数が所定数に達した場合に、次回の図
柄変動遊技の途中でリーチ表示となった時、その結果を
前記大当たり表示に確定させて前記特賞を発生させるこ
とを特徴とする遊技機（１０）。

【０００８】［２］遊技盤面（１１）上に球を打ち出す
遊技で所定の条件が成立すると、遊技者に有利な特賞が
発生する遊技機（１０）において、前記遊技盤面（１
１）上に配設した可変表示装置（３０）と、遊技状態を
制御する遊技制御装置（１００）とを有し、前記遊技制
御装置（１００）は、抽選実行手段（１１１）と、図柄
変動実行手段（１１３）と、特賞生成手段（１１４）
と、特別処理手段（１１５）とを有して成り、前記可変
表示装置（３０）は、各種図柄が変化した後に停止する
図柄変動遊技を表示可能に設けられ、前記抽選実行手段
（１１１）は、遊技中に所定の始動条件が成立した場合
に、乱数を用いた無作為抽選を実行し、前記図柄変動実
行手段（１１３）は、前記抽選実行手段（１１１）の抽
選結果に関連させて、前記可変表示装置（３０）で図柄
変動遊技を実行し、前記特賞生成手段（１１４）は、前
記図柄変動遊技の結果が大当たり表示に確定した場合に
前記特賞を発生させ、前記特別処理手段（１１５）は、
前記図柄変動遊技の終了前に、既に停止表示された図柄
の組み合わせが大当たり表示の前段階のリーチ表示とな
った後、結局大当たり表示とならずハズレ表示が確定し
た場合に、このリーチ後ハズレ表示となった回数を所定
数に達するまで計数すると共に、所定数に達した時点で
特別処理信号を出力し、前記図柄変動実行手段（１１
３）は、前記特別処理信号を入力した後、前記抽選実行
手段（１１１）の抽選結果に応じて、前記図柄変動遊技
の途中でリーチ表示となった時、該図柄変動遊技の結果
を、前記抽選実行手段（１１１）の抽選結果に関わらず
前記大当たり表示に確定させることを特徴とする遊技機
（１０）。

【０００９】［３］前記リーチ後ハズレ表示は、予め選
択された特定図柄が揃ったリーチ表示を経た場合のみ、
その回数が所定数に達するまで計数されることを特徴と
する［１］または［２］記載の遊技機（１０）。

【００１０】［４］前記特定図柄は複数の種類が用意さ
れており、前記リーチ後ハズレ表示が確定した際に、前
記特定図柄の種類に応じた異なる数が、前記リーチ後ハ
ズレ表示の回数に加算されることを特徴とする［３］記
載の遊技機（１０）。

【００１１】［５］前記リーチ後ハズレ表示の回数が所
定数に達した場合に、次回の図柄変動遊技の結果がリー
チ表示となった時、その結果が大当たり表示に確定した
後、前記リーチ表示を形成した図柄の種類に応じて価値
の異なる前記特賞を発生させることを特徴とする
［１］，［２］，［３］または［４］記載の遊技機（１
０）。

【００１２】［６］前記図柄変動遊技の結果が大当たり
表示に確定した場合に発生する通常の特賞と、前記リー
チ後ハズレ表示の回数が所定数に達した場合に、次回の
図柄変動遊技の結果がリーチ表示となった時、その結果
が大当たり表示に確定した後に発生する特賞とを、互い
に価値の異なる特賞にしたことを特徴とする［１］，
［２］，［３］，［４］または［５］記載の遊技機（１
０）。

【００１３】［７］前記リーチ後ハズレ表示の回数が所
定数に達する前に、前記図柄変動遊技の結果が大当たり
表示に確定した場合には、前記リーチ後ハズレ表示の回
数を初期値０に戻すことを特徴とする［１］，［２］，
［３］，［４］，［５］または［６］記載の遊技機（１
０）。

【００１４】［８］前記遊技盤面（１１）上にハズレ回
数表示装置（３２）を設け、前記ハズレ回数表示装置
（３２）は、前記リーチ後ハズレ表示の回数を目視可能
に表示することを特徴とする［１］，［２］，［３］，
［４］，［５］，［６］または［７］記載の遊技機（１
０）。

【００１５】［９］前記ハズレ回数表示装置（３２）
は、前記可変表示装置（３０）と兼用であり、前記リー
チ後ハズレ表示が確定する度に、前記可変表示装置（３
０）の画面外縁に沿って、所定マークを１つずつ並べる
ように表示することを特徴とする［８］記載の遊技機
（１０）。

【００１６】［１０］前記可変表示装置（３０）は、各
種図柄をそれぞれ表示可能な複数の表示部（３１）を備
え、各表示部を１または複数のライン上に並べて成り、
前記図柄変動遊技は、１または複数のライン上で、該ラ
イン上に複数並ぶ各種図柄が連続的に変化した後で順次
停止するものであり、何れかのライン上に停止した図柄
が全部同一に揃った状態が大当たり表示に相当し、何れ
かのライン上で最後に停止する図柄を１つ残して、既に
停止した図柄が互いに一致する状態がリーチ表示に相当
することを特徴とする［１］，［２］，［３］，
［４］，［５］，［６］，［７］，［８］または［９］
記載の遊技機（１０）。

【００１７】［１１］前記遊技盤面（１１）上に始動入
賞口（２０）を設け、前記始動入賞口（２０）に球が入
賞することを、前記始動条件に設定したことを特徴とす
る［１］，［２］，［３］，［４］，［５］，［６］，
［７］，［８］，［９］または［１０］記載の遊技機
（１０）。

【００１８】［１２］前記遊技盤面（１１）上に可変入
賞装置（５０）を設け、前記可変入賞装置（５０）は、
その入賞口を開閉可能な可動板（５１）を有して成り、
該可動板（５１）は通常は閉状態に維持され、前記可動
板（５１）を所定回数を限度に繰り返し開閉させて、前
記特賞とすることを特徴とする［１］，［２］，
［３］，［４］，［５］，［６］，［７］，［８］，
［９］，［１０］または［１１］記載の遊技機（１
０）。

【００１９】次に前述した解決手段に基づく作用を説明
する。本発明に係る遊技機（１０）によれば、遊技盤面
（１１）上に球を打ち出す遊技で始動条件がうまく成立
すると、それに基づき、可変表示装置（３０）で図柄変
動遊技が実行される。すなわち、可変表示装置（３０）
で、各種図柄が変化した後に何れかの図柄が様々な組み
合わせで停止する。

【００２０】図柄変動遊技の結果が、予め定められた大
当たり表示となった場合には、遊技者に有利な特賞が発
生することになる。ここで大当たり表示は、その前段階
のリーチ表示を必ず経て確定するものである。以上の図
柄変動遊技から特賞発生に至る一連の遊技状態は、遊技
制御装置（１００）によって制御される。

【００２１】図柄変動遊技の途中でリーチ表示になる
と、特賞発生への期待感が高まるが、もちろんリーチ表
示となっても、結局大当たり表示とはならずハズレ表示
が確定する場合もある。このようにリーチ後ハズレ表示
となった回数は、前記遊技制御装置（１００）によって
所定数に達するまで計数される。

【００２２】前記リーチ後ハズレ表示の回数が所定数に
達した場合には、次回の図柄変動遊技の途中でリーチ表
示となった時、その結果が必ず大当たり表示に確定する
ように前記遊技制御装置（１００）で制御される。かか
る大当たり表示に基づいて、前記同様に特賞が発生す
る。

【００２３】それにより、前記リーチ後ハズレという遊
技者が落胆する場面となっても、その回数が所定数に達
すれば、次のリーチ表示後に大当たり表示が確定するこ
とが約束される。従って、遊技者にとって本来不利な状
況が続くときでも、逆に遊技者は大当たりへの期待感を
抱くことができるようになる。

【００２４】更に詳細な遊技機（１０）について説明す
れば、遊技盤面（１１）上に球を打ち出す遊技で始動条
件が成立すると、それに基づき、先ず抽選実行手段（１
１１）が無作為抽選を実行する。かかる抽選の実行に基
づき、可変表示装置（３０）では図柄変動遊技が開始さ
れる。図柄変動遊技における表示内容は、前記抽選結果
に関連して図柄変動実行手段（１１３）により制御され
る。

【００２５】前記図柄変動遊技の結果が大当たり表示に
確定すると、それに基づき特賞が発生する。ここで大当
たり表示が確定する、すなわち特賞が発生するのは、前
記抽選実行手段（１１１）による抽選で大当たりが出現
した場合である。特賞発生は特賞生成手段（１１４）に
よって制御される。

【００２６】前記図柄変動遊技の途中でリーチ表示とな
ったが、結局大当たり表示とならずハズレ表示が確定し
た場合には、その都度このリーチ後ハズレ表示となった
回数が特別処理手段（１１５）によって計数される。か
かる特別処理手段（１１５）は、前記リーチ後ハズレ表
示となった回数が所定数に達した時点で、特別処理信号
を出力する。

【００２７】前記特別処理信号を前記図柄変動実行手段
（１１３）が入力すると、その入力後に図柄変動実行手
段（１１３）は、前記図柄変動遊技の途中でリーチ表示
となった時に、この図柄変動遊技の結果を、前記抽選実
行手段（１１１）の抽選結果に関わらず必ず大当たり表
示に確定させる。かかる場合も、特賞生成手段（１１
４）による制御により特賞が発生することになる。

【００２８】また、前記リーチ後ハズレ表示は、予め選
択された特定図柄が揃ったリーチ表示を経た場合のみ、
その回数が所定数に達するまで計数されるようにすれ
ば、遊技者と遊技店との利益のバランスを適正に維持す
ることができる。

【００２９】ここで前記リーチ後ハズレ表示が確定した
場合、その回数は通常１ずつ加算されて計数されるのだ
が、前記特定図柄を複数種類用意しておき、前記リーチ
後ハズレ表示が確定した際に、前記特定図柄の種類に応
じた異なる数を、前記リーチ後ハズレ表示の回数に加算
されるようにしても面白い。

【００３０】また、前記リーチ後ハズレ表示の回数が所
定数に達した場合に、次回の図柄変動遊技の結果がリー
チ表示となった時、その結果が大当たり表示に確定した
後、前記リーチ表示を形成した図柄の種類に応じて価値
の異なる前記特賞を発生させるようにしてもよい。それ
により、いっそうと遊技における興趣を高めることがで
きる。

【００３１】また、前記図柄変動遊技の結果が大当たり
表示に確定した場合に発生する通常の特賞と、前記リー
チ後ハズレ表示の回数が所定数に達した場合に、次回の
図柄変動遊技の結果がリーチ表示となった時、その結果
が大当たり表示に確定した後に発生する特賞とを、互い
に価値の異なる特賞としても、より遊技における興趣を
高めることができる。

【００３２】また、前記リーチ後ハズレ表示の回数が所
定数に達する前に、前記図柄変動遊技の結果が大当たり
表示に確定した場合には、前記リーチ後ハズレ表示の回
数を初期値０に戻すようにすれば、遊技者側の利益のみ
増大するようなことを防ぐことができる。

【００３３】また、前記リーチ後ハズレ表示の回数を、
ハズレ回数表示装置（３２）で目視可能に表示すれば、
遊技者はその回数を容易に把握することが可能となる。
ここでハズレ回数表示装置（３２）は前記可変表示装置
（３０）と兼用にして、前記リーチ後ハズレ表示が確定
する度に、例えば可変表示装置（３０）の画面外縁に沿
って、所定マークを１つずつ並べるように表示すれば、
前記リーチ後ハズレ表示の回数を一目で把握することが
でき、視覚的に遊技者の期待感を盛り上げることができ
る。

【００３４】また、前記可変表示装置（３０）が複数の
表示部（３１）を備えて成り、前記図柄変動遊技の結
果、各表示部（３１）が並ぶ何れかのライン上で、停止
表示された図柄が総て同一に揃った場合を大当たり表示
と設定すれば、可変表示装置（３０）における図柄変動
遊技に関しては従来のスクロール表示と同様の内容とな
り、遊技者にとってなじみやすく、容易に図柄変動遊技
の内容を理解することができる。

【００３５】また、前記始動条件として様々な条件が考
えられるが、例えば、遊技盤面（１１）上に、球が入賞
し得る状態に始動入賞口（２０）を設けておき、該始動
入賞口（２０）に球が入賞することを前記始動条件とし
てもよい。かかる場合、遊技者の技量に応じて条件を満
たすことが可能となるため、射幸心を満足させることが
できる。

【００３６】さらにまた、前記特賞には、例えば賞球数
の割合を一時的に増したり、特定の役物を入賞し易い形
態に変化させる等、様々な状態が考えられる。具体的に
は例えば、可変入賞装置（５０）の可動板（５１）を所
定回数だけ開閉させるようにすれば、通常より相対的に
高い確率での入賞チャンスを、遊技者に対し明快かつ簡
単に与えることができる。

【００３７】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明を代表
する各種実施の形態を説明する。図１〜図９は本発明の
第１実施の形態に係る遊技機１０を示している。本実施
の形態に係る遊技機１０は、遊技盤面１１上に球を打ち
出す遊技で所定の条件が成立すると、遊技者に有利な特
賞が発生するパチンコ機である。本パチンコ機はいわゆ
るフィーバー機であるが、他の機種のパチンコ機等に適
用してもよい。

【００３８】図３に示すように、遊技機１０の機体正面
の下部右端には、回転操作式のハンドル１２が設けられ
ている。このハンドル１２を回転させることにより、機
体中の発射装置（図示せず）が駆動して、球が１個ずつ
遊技盤面１１上に打ち出されるように構成されている。

【００３９】遊技に供する貸出球や賞球は、機体前面に
設けられた上皿１３に貯留される。また、上皿１３の下
側には、特賞で多量の球が払い出された場合に、上皿１
３から溢れた球を受け入れる下皿１４が設けられてい
る。なお、下皿１４には、その下方に設置された玉箱
（図示せず）に球を落とす球抜きレバー１４ａが設けら
れている。

【００４０】遊技盤面１１の前面は、該遊技盤面１１と
の間に球を移動させる空間を形成するガラス扉で覆われ
ている。遊技盤面１１の外縁には、ハンドル１２の回転
操作により打ち出された球を、遊技盤面１１の鉛直方向
の上方位置に送り出すためのガイドレール１１ａが設け
られている。

【００４１】遊技盤面１１の略中央には、可変表示装置
３０と保留球表示装置４０が配設されている。これらは
一体化された１つのメイン役物として構成されている。
また、保留球表示装置４０の下方には始動入賞口２０が
配設され、さらにその下方には可変入賞装置５０が配設
されている。

【００４２】その他、遊技盤面１１上には、打ち出され
た球の落下速度、あるいは方向を変化させるための数多
の障害釘や、風車１５等の各種役物も適所に設けられて
いる。また、遊技盤面１１の最下部には、入賞しなかっ
た球を回収するためのアウト口１７が設けられている。

【００４３】遊技盤面１１の上方には、各種遊技状態等
を表示し、遊技の面白味を増加させるための表示ランプ
１８が設けられている。また、遊技盤面１１の裏側に
は、遊技状態を集中管理する遊技制御装置１００（図１
参照）が設けられている。遊技制御装置１００について
詳しくは後述する。

【００４４】図３に示す始動入賞口２０は、一般に始動
チャッカーと称されるものであり、遊技盤面１１上に球
が入賞し得る状態に設けられている。この始動入賞口２
０に球が入賞することが、後述する図柄変動遊技が実行
されるための始動条件となっている。また、始動入賞口
２０は開閉可能な一対の可動片を有して、いわゆるチュ
ーリップ型役物として構成されている。

【００４５】図１に示すように、始動入賞口２０は、球
の入賞を検知する始動入賞検知スイッチ２１を内部に備
えている。始動入賞検知スイッチ２１は入賞球を検知し
てＯＮになると、始動入賞信号を遊技制御装置１００に
出力するように設定されている。始動入賞検知スイッチ
２１は、例えば光センサ、近接センサ、あるいは磁気セ
ンサ等の各種センサにより構成すればよい。

【００４６】図４に示すように、可変表示装置３０は、
各種図柄を表示可能な画面を備え、該画面は、個々の表
示部３１を複数の行と列から成るマトリクス状に配置し
て成る。詳しく言えば、合計９個の表示部３１が縦３行
と横３列から成るマトリクス状に配置されている。

【００４７】可変表示装置３０は、具体的にはカラー液
晶ディスプレイから構成されている。ただし、可変表示
装置３０はこれに限られるものではなく、モノクロ液晶
ディスプレイはもちろんのこと、蛍光表示管やブラウン
管（ＣＲＴ）等を用いて構成してもよい。

【００４８】可変表示装置３０は、前記始動入賞口２０
に球が入賞する度に、各表示部３１ごとに各種図柄が入
れ替わるよう変化した後、１つずつ任意の図柄が停止す
る図柄変動遊技が表示されるように制御される。各表示
部３１で表示動作が開始ないし終了する順番は、例え
ば、１列ごとに真ん中、左、右の順等と予め設定してお
けばよい。また、図柄としては、数字、文字、記号、シ
ンボル等の各種画像が予め用意される。

【００４９】前記図柄変動遊技の結果、縦、横、斜めに
３個ずつ並ぶ表示部３１上を通る何れかのライン上で、
３つの図柄が総て同一に揃った場合が大当たり表示と定
められている。かかる大当たり表示が確定する前に、何
れかのライン上にて１つの表示部３１だけを除いた他の
２つの表示部３１，３１に既に停止した図柄が一致した
状態がリーチ表示に該当する。また、総てのライン上
で、３つの図柄が総て同一には揃わなかった場合がハズ
レ表示に該当する。

【００５０】前記リーチ表示となった後、結局大当たり
表示とならずハズレ表示が確定した場合であって、リー
チ表示の際に揃った図柄が予め選択された特定図柄（例
えば「７」）であった時には、かかるリーチ後ハズレ表
示となった回数が、後述する遊技制御装置１００によっ
て計数されるように設定されている。

【００５１】前記図柄変動遊技の結果が最終的に大当た
り表示に確定すると、後述する可変入賞装置５０が所定
回数を限度に繰り返し開閉する特賞が発生するように設
定されている。なお、前記リーチ表示の際、電飾を点滅
させたり、音楽を流す等して遊技者に分かり易く報知す
るいわゆるリーチアクションを設けてもよい。また、大
当たり表示が確定した際に、各表示部３１の色を変化さ
せたり点滅させる等して、特賞が発生する旨を遊技者に
報知するように構成してもよい。

【００５２】また、可変表示装置３０は、ハズレ回数表
示装置３２と兼用であるように構成されている。ハズレ
回数表示装置３２は、前記リーチ後ハズレ表示の回数を
目視可能に表示するものであり、可変表示装置３０の画
面上縁（表示部３１の外縁）に沿うように設けられてい
る。

【００５３】詳しくは図５に示すように、前記リーチ後
ハズレ表示が確定する度に、ハズレ回数表示装置３２に
は、その左側から所定マークが１つずつ並ぶように表示
される。ここで所定マークは何でもよいが、本実施の形
態ではフラグ（旗）を模したものとなっている。

【００５４】前記リーチ後ハズレ表示は、所定数である
３回に達するまで計数されるように設定されており、こ
れに合わせてハズレ回数表示装置３２には、最大３つの
所定マークが表示されるようになっている。もちろん、
リーチ後ハズレ表示が未だ発生していない状態では、ハ
ズレ回数表示装置３２に所定マークが並ぶことはない。

【００５５】保留球表示装置４０は、可変表示装置３０
での図柄変動遊技中ないし特賞発生中に、始動入賞口２
０に球が入賞した際、未実行となる図柄変動遊技の保留
回数を表示するものである。この保留球表示装置４０
は、後述する遊技制御装置１００からの信号に基づき、
遊技制御装置１００に記憶された前記保留回数を表示す
るよう設定されている。

【００５６】図４に示すように、保留球表示装置４０
は、４個の保留ランプ４１，４１…を有し、未実行の図
柄変動遊技は４回まで保留可能となっている。すなわ
ち、保留回数に相当する数の保留ランプ４１が点灯すべ
く制御される。保留されていた図柄変動遊技が実行され
た場合、その実行回数が前記保留回数から減算されて遊
技制御装置１００に更新記憶され、その回数が保留球表
示装置４０に新たに表示される。

【００５７】可変入賞装置５０は、一般に大口入賞口
（アタッカー）と称されるものであり、ソレノイド５２
により開閉駆動する可動板５１を備えている。可変入賞
装置５０は、前記図柄変動遊技で大当たり表示となった
際、遊技制御装置１００からの信号に基づき、特賞を演
出するように制御される。ここで特賞とは、可動板５１
が所定時間（例えば２９秒）に亘って開いた後、短時間
（例えば２〜３秒）だけ閉じるという開閉動作が、所定
ラウンド回数（例えば１６回）を限度に繰り返し実行さ
れる状態である。

【００５８】図１に示すように、可変入賞装置５０の内
部には、入賞した球を検出する入賞検出スイッチ５３が
設けられている。この入賞検出スイッチ５３からの信号
を元に、前記各ラウンドごとに所定数（例えば１０個）
の入賞球が入賞計数機５４で計数された時点で、可動板
５１は継続して開く所定時間が経過する前であっても、
いったん閉じるように制御される。

【００５９】また、可変入賞装置５０の内部にはＶ入賞
口５５も設けられており、各ラウンド毎に、Ｖ入賞口５
５へ入賞することが、次ラウンドに移行するための継続
条件となっている。Ｖ入賞口５５への球の入賞は、Ｖ入
賞検出スイッチ５６によって検知される。

【００６０】図１に示すように遊技制御装置１００は、
遊技機１０全体の動作を集中管理するものであり、ＣＰ
Ｕ１１０、ＲＯＭ１２０、ＲＡＭ１３０等を含むマイク
ロコンピューターから成る。遊技制御装置１００はユニ
ット化されており、遊技盤面１１の裏側等の機体内に取
り付けられる。

【００６１】前記ＣＰＵ１１０は機能的には、抽選実行
手段１１１、権利保留手段１１２、図柄変動実行手段１
１３、特賞生成手段１１４、それに特別処理手段１１５
等を具備している。なお、遊技制御装置１００は、その
出力部１４０から構内情報通信網（ＬＡＮ）を介して、
遊技場内の各種機器の動作や運営を集中的に制御するホ
ール管理端末機２００（図２参照）等にも接続されてい
る。

【００６２】抽選実行手段１１１は、前記始動入賞口２
０に球が入賞することに起因して、乱数を用いた無作為
抽選を実行し、その抽選結果である大当たりやハズレに
相当する図柄乱数信号を出力するものである。

【００６３】抽選実行手段１１１から出力される図柄乱
数信号は、いったんＲＡＭ１３０に保存された後、図柄
変動実行手段１１３や特賞生成手段１１５に入力され
る。なお、抽選実行手段１１１で用いる乱数表はＲＯＭ
１２０に格納されており、大当たりやハズレに相当する
確率は予め適宜設定されている。

【００６４】権利保留手段１１２は、前記始動入賞口２
０に球が入賞した際、前記図柄変動遊技中ないし特賞発
生中であるか否かを判断し、これらの最中であった場合
に、前記抽選実行手段１１１で抽選された図柄乱数に基
づく新たな図柄変動遊技の実行を一時保留する制御を行
うものである。

【００６５】ここで保留された図柄乱数、すなわち図柄
変動遊技の実行権利の数は、同じく権利保留手段１１２
の制御に基づいて、最大４個まで保留球表示装置４０に
表示される。具体的には、保留された実行権利（図柄乱
数）の数は、保留球表示装置４０における保留ランプ４
１の点灯個数で表示されることになる。

【００６６】図柄変動実行手段１１３は、始動入賞口２
０に球が入賞した場合に、可変表示装置３０の各表示部
３１で、それぞれ各種図柄が入れ替わるよう変化した後
に、何れかの図柄が停止する図柄変動遊技を実行するも
のである。詳しく言えば、図柄変動実行手段１１３は、
ＲＡＭ１３０にいったん保存された図柄乱数（抽選実行
手段１１１の抽選結果）に基づいて、図柄変動遊技を実
行することになる。

【００６７】図柄変動遊技における表示内容は、前記抽
選実行手段１１１での抽選結果に応じて、大当たり表示
（リーチ表示を経て確定する。）と、それ以外のハズレ
表示に対応した様々な組み合わせの図柄が停止表示され
るように予めプログラムされている。なお、停止図柄の
組み合わせパターンは、ＲＯＭ１２０に格納された表示
制御プログラムデータに予め登録されている。

【００６８】特賞生成手段１１４は、前記図柄変動遊技
の結果が大当たり表示となった場合、詳しくは、抽選実
行手段１１１の抽選結果が大当たりの場合に、特賞を発
生させる制御を実行するものである。

【００６９】ここで特賞とは、可変入賞装置５０の可動
板１５が最大１６ラウンドまで繰り返し開閉することで
ある。特賞生成手段１１４には、遊技制御プログラムに
従って、可変入賞装置５０のソレノイド５２を駆動する
ためのソレノイド回路が含まれている。

【００７０】特別処理手段１１５は、前記図柄変動遊技
の途中で特定図柄「７」が揃うリーチ表示となった後、
結局大当たり表示とならずハズレ表示が確定した場合
に、このリーチ後ハズレ表示となった回数を３回（所定
数）に達するまで計数するものである。ここでリーチ後
ハズレ表示が確定する度に、１つずつ回数として加算さ
れていく。

【００７１】また、特別処理手段１１５は、リーチ後ハ
ズレ表示が確定する度に、前記ハズレ回数表示装置３２
に所定マーク（フラグ）を１つずつ並べる表示制御も実
行する。前記リーチ後ハズレ表示は３回に達するまで計
数されるため、これに合わせてハズレ回数表示装置３２
には、最大３つの所定マークが表示されるようになって
いる。

【００７２】前記リーチ後ハズレ表示になった回数が３
回（所定数）に達すると、その時点で特別処理手段１１
５は、特別処理信号を前記図柄変動実行手段１１３へ出
力する。この特別処理信号を入力した前記図柄変動実行
手段１１３は、その後、前記抽選実行手段１１１の抽選
結果に応じて、図柄変動遊技で何れかの図柄が同一ライ
ン上で２つ揃うリーチ表示となった時、該図柄変動遊技
の結果を、前記抽選実行手段１１１の抽選結果に関わら
ず大当たり表示に確定させる制御を実行する。

【００７３】このように強制的に大当たり表示に確定し
た場合も、前記特賞生成手段１１４の制御により特賞が
発生するように設定されている。かかる特賞発生後、前
記特別処理手段１１５で計数されていたリーチ後ハズレ
表示の回数は初期値０にリセットされる。また、前記リ
ーチ後ハズレ表示の回数が所定数に達する前に、前記図
柄変動遊技の結果が大当たり表示に確定した場合も、前
記リーチ後ハズレ表示の回数は初期値０に戻される。

【００７４】前記遊技制御装置１００のＲＯＭ１２０に
は、可変入賞装置５０等を制御する遊技制御プログラム
データや、可変表示装置３０の表示内容に関する表示制
御プログラムデータ、それに各種役物への入賞を演出す
る表示ランプ１８の点灯パターン、スピーカーからの音
声の発生パターン等、固定データが格納されている。前
記ＲＡＭ１３０は、各種入賞口からの信号を含む遊技に
関する入賞データ等を一時的に記憶するものである。

【００７５】また、図１に示すように、遊技機１０内部
には賞球払出手段６０も設けられている。賞球払出手段
６０は、賞球払出計数機６１と、各入賞口ごとに所定の
賞球数を設定する払出設定手段６２と、賞球数を計数す
る演算手段６３を具備して成る。賞球払出手段６０も信
号線を介して、前記遊技制御装置１００のＣＰＵ１１０
に接続されている。

【００７６】図２は、本実施の形態に係る遊技機１０を
含む遊技管理装置のシステム構成図である。かかる遊技
管理装置は、ＬＯＮ（ＬｏｃａｌＯｐｅｒａｔｉｎｇ
Ｎｅｔｗｏｒｋ：エシャロン社登録商標）技術を応用
した分散型ネットワークとして構築されている。

【００７７】遊技島内には、中継器としての台コントロ
ーラ１５０が複数設置され、各台コントローラ１５０
に、前記遊技機１０や遊技球貸出装置２等が接続されて
いる。台コントローラ１５０は、対応する遊技機１０等
の各種動作や信号の送受信を検知、監視、制御するもの
である。

【００７８】台コントローラ１５０には、遊技機１０の
出力部５４から各種情報が直接入力される。各台コント
ローラ１５０は、ＨＡＬＬ−ＢＵＳを介して、ゲートウ
ェイを兼ねた島コントローラ３に接続されている。島コ
ントローラ３は、対応する遊技島１内の設備機器である
遊技機１０等の各データを一時集積、記憶するものであ
る。

【００７９】前記島コントローラ３はＬＡＮと接続さ
れ、該ＬＡＮに、ホール管理端末機２００や情報表示端
末機３００等がそれぞれ接続されている。これらの各種
装置には、ディスプレイ（ＣＲＴ）、プリンタ、モデ
ム、音声出力装置等が更に接続されている。

【００８０】次に遊技機１０の作用を説明する。図３に
おいて、遊技者はハンドル１２を回転操作して、遊技盤
面１１上に球を打ち出し遊技を行う。先ず図６に示すフ
ローチャートにおいて、打ち出された球が始動入賞口２
０にうまく入賞すると（Ｓ１１１でＹ）、始動入賞検知
スイッチ２１から始動入賞信号が遊技制御装置１００に
出力される。この信号を抽選実行手段１１１が受ける
と、乱数を用いた無作為抽選が実行される（Ｓ１１
２）。

【００８１】前記乱数抽選が行われた場合、遊技制御装
置１００のＲＡＭ１３０に保存されている図柄乱数（保
留球と同義）が、保留球表示装置４０に表示し得る限度
数４個未満であるか否かが判別される（Ｓ１１３で
Ｙ）。ここで限度数４個未満であれば、最高４回まで前
記抽選結果である図柄乱数（図柄変動遊技の実行権利）
が新たに保存される（Ｓ１１４）。このとき、図柄乱数
の保存個数、すなわち図柄変動遊技の実行権利の保留回
数は、保留球表示装置４０の保留ランプ４１の点灯によ
って加算表示される（Ｓ１１４）。

【００８２】一方、図柄乱数が限度数４個まで保存され
ている状態で乱数抽選が行われても（Ｓ１１３でＮ）、
新たに図柄乱数が保存されることはなく、図柄変動遊技
の実行権利は放棄される（Ｓ１１７）。その後、図柄変
動遊技の実行権利が破棄された場合も含めて、前記始動
入賞口２０への入賞に基づく所定数の賞球が払い出され
る（Ｓ１１６）。

【００８３】次に図７に示すフローチャートにおいて、
図柄変動遊技中ないし特賞発生中でなければ（Ｓ１２１
でＹ）、前述した図柄変動遊技の実行権利が保留されて
いるか否かが判別される（Ｓ１２２）。ここで実行権利
が保留されていた場合（Ｓ１２２でＹ）、該実行権利に
相当する図柄乱数がＲＡＭ１３０から１つ読み込まれる
（Ｓ１２３）。このとき、保留球表示装置４０の保留ラ
ンプ４１が１つ消灯することで減算表示される（Ｓ１２
４）。

【００８４】前記抽選結果である図柄乱数に応じて、図
柄変動実行手段１１３からの指令に基づき、可変表示装
置３０で図柄変動遊技が開始される。抽選結果が大当た
りであった場合（Ｓ１２５でＹ）、図柄変動遊技ではリ
ーチ表示となった後、特賞発生を招く大当たり表示が確
定する（Ｓ１２６）。それにより、遊技者に有利な特賞
が発生する（Ｓ１２７）。

【００８５】また、前記抽選実行手段１１１での抽選結
果がハズレであった場合（Ｓ１２５でＮ）、図柄変動遊
技の結果は、結局ハズレ表示が確定する（Ｓ１３０）。
ここでハズレ表示が確定する表示過程には、リーチ表示
を経る場合と、リーチ表示を経ない２通りがある。以上
のような遊技過程は、遊技者が遊技を終了するまで繰り
返される（Ｓ１２８）。

【００８６】図８に示すフローチャートは、前記図柄変
動遊技でリーチ後ハズレ表示が続いた場合に実行される
特別遊技処理を示している。図５に示すように、図柄変
動遊技で特定図柄「７」が揃うリーチ表示となった後、
結局大当たり表示とならずハズレ表示が確定した場合
（Ｓ１３１でＹ）、このリーチ後ハズレ表示となった回
数が、特別処理手段１１５によってその都度計数される
（Ｓ１３２）。

【００８７】図５に示すように、リーチ後ハズレ表示が
確定する度に、ハズレ回数表示装置３２には、その左側
から所定マーク（フラグ）が１つずつ並ぶように表示さ
れる。それにより、遊技者はリーチ後ハズレ表示の回数
を一目で把握することができ、視覚的に遊技者の期待感
を盛り上げることができる。

【００８８】前記リーチ後ハズレ表示の回数が３回に達
する前に、前記図柄変動遊技の結果が大当たり表示に確
定した場合（Ｓ１３３でＹ）、通常どおり特賞が発生し
（Ｓ１３７）、前記特別処理手段１１５で計数されてい
たリーチ後ハズレ表示の回数は初期値０に戻される。

【００８９】また、前記図柄変動遊技で大当たり表示が
出現する前に（Ｓ１３３でＮ）、前記リーチ後ハズレ表
示が出現した回数が３回に達した場合には（Ｓ１３４で
Ｙ）、その時点で特別処理手段１１５は、特別処理信号
を図柄変動実行手段１１３へ出力する。

【００９０】この特別処理信号を入力した図柄変動実行
手段１１３は、その後の図柄変動遊技で同一ライン上に
て何れかの図柄が２つ揃うリーチ表示となった時（Ｓ１
３５でＹ）、該図柄変動遊技の結果を、前記抽選実行手
段１１１の抽選結果に関わらず大当たり表示に必ず確定
させる（Ｓ１３６）。

【００９１】このように大当たり表示が強制確定した場
合も、前記特賞生成手段１１４の制御によって特賞が発
生する（Ｓ１３７）。かかる特賞発生後、前記特別処理
手段１１５で計数されていたリーチ後ハズレ表示の回数
は初期値０にリセットされる。従って、遊技者側の利益
のみ増大するようなことはない。

【００９２】以上のような本遊技機１０によれば、前記
リーチ後ハズレという遊技者が落胆する場面となって
も、その回数が所定数に達すれば、次のリーチ表示後に
大当たり表示が確定することが約束される。従って、遊
技者にとって本来不利な状況が続くときでも、逆に遊技
者は大当たりへの期待感を抱くことができるようにな
る。

【００９３】図９に示すフローチャートは、前記図柄変
動遊技で大当たり表示が確定した場合に実行される特賞
発生処理を示している。かかる処理では、先ず可変入賞
装置５０が開放される（Ｓ１４１）。詳しくは、特賞生
成手段１１４から可変入賞装置５０へ特賞信号が出力さ
れると、可変入賞装置５０のソレノイド５２が駆動し
て、可動板５１を所定時間（例えば２９秒）に亘って開
く。

【００９４】この可変入賞装置５０の開放中に、所定個
数、例えば１０個の入賞があったか否かが、入賞検出ス
イッチ５３からの入賞信号に基づき判別される（Ｓ１４
２）。ここで１０個の入賞があった場合（Ｓ１４２で
Ｙ）、特賞生成手段１１４からの信号に基づきソレノイ
ド５２が駆動し、可動板５１が所定時間（例えば２秒）
に亘って閉じられて、可変入賞装置５０は閉鎖される
（Ｓ１４４）。

【００９５】また、１０個の入賞がなかった場合は（Ｓ
１４２でＮ）、２９秒のタイムアウトか否かの判別が行
われ（Ｓ１４３）、タイムアウトの場合は（Ｓ１４３で
Ｙ）、可変入賞装置５０が閉鎖される（Ｓ１４４）。ま
た、タイムアウトでない場合は（Ｓ１４３でＮ）、１０
個の入賞があったか否かの判別に戻る。

【００９６】可変入賞装置５０が２秒間閉鎖された後、
再び可変入賞装置５０は２９秒間に亘り開放されるが、
その前にラウンド数（可変入賞装置５０が開放してから
閉鎖するまでを１ラウンドとする。）が、予め定められ
た上限ラウンド数である１６回に達しているか否かが判
別される（Ｓ１４５）。

【００９７】未だ上限ラウンド数に達していなければ
（Ｓ１４５でＹ）、Ｖ入賞口５５へ入賞したか否かが判
断される（Ｓ１４６）。ここでＶ入賞口５５へ入賞して
いなければ（Ｓ１４６でＮ）、その時点で特賞は終了す
る（Ｓ１４７）。一方、Ｖ入賞口５５へ入賞していれば
（Ｓ１４６でＹ）、再び次ラウンドして可変入賞装置５
０が開放する（Ｓ１４１）。また、上限ラウンド数に達
した場合も（Ｓ１４５でＮ）、特賞は終了する（Ｓ１４
７）。

【００９８】また、前記リーチ後ハズレ表示は、予め選
択された特定図柄「７」が揃ったリーチ表示を経た場合
のみ、その回数が所定数に達するまで計数されるように
して、遊技者と遊技店との利益のバランスを適正に維持
しているが、特定図柄は「７」とは限らず、その数も適
宜決めることができる。

【００９９】そこで第２実施の形態として、前記特定図
柄を複数種類用意しておき、前記リーチ後ハズレ表示が
確定した際に、前記特定図柄の種類に応じた異なる数
を、前記リーチ後ハズレ表示の回数に加算されるように
しても面白い。

【０１００】具体的には例えば、前記特定図柄として
「１」、「２」、「３」の３種類を予め設定しておく。
そして、図柄変動遊技で何れかのライン上で「１」が２
つ揃ったリーチ表示後にハズレ表示が確定した場合に
は、リーチ後ハズレ表示の回数として１だけ加算させ
る。

【０１０１】また、「２」が２つ揃ったリーチ表示後に
ハズレ表示が確定した場合には、リーチ後ハズレ表示の
回数として２を加算させ、さらに、「３」が２つ揃った
リーチ表示後にハズレ表示が確定した場合には、リーチ
後ハズレ表示の回数として一度に所定数である３を加算
させるように設定してもよい。

【０１０２】このような場合には、特定図柄として
「３」、「２」、「１」の順で出現頻度を相当低く設定
すれば、遊技者側の利益のみ増大するような事態を防止
することができる。もちろん、リーチ後ハズレ表示が計
数される上限は、前記３回に限られるものではなく、他
の数値に設定してもかまわない。

【０１０３】また、前記実施の形態では、図柄変動遊技
の結果が大当たり表示に確定した場合に発生する通常の
特賞と、前記リーチ後ハズレ表示の回数が所定数に達し
た場合に、強制的に大当たり表示に確定した後に発生す
る特賞とが全く同一に設定されている。

【０１０４】そこで第３実施の形態として、前者の場合
の特賞と、後者の場合の特賞とを、互いに価値の異なる
特賞に設定してもよく、かかる場合には遊技における興
趣をよりいっそうと高めることができる。

【０１０５】具体的には例えば、図柄変動遊技の結果が
大当たり表示に確定した場合に発生する通常の特賞は、
前述した可変入賞装置５０を最大１６ラウンド開閉する
ことにして、前記リーチ後ハズレ表示の回数が所定数に
達した後、強制的に大当たり表示が確定した場合に発生
する特賞は、前記特賞の半分の価値として前記可変入賞
装置５０を最大８ラウンド開閉するように設定してもよ
い。

【０１０６】さらにまた、第４実施の形態として、前記
リーチ後ハズレ表示の回数が所定数に達した場合に、次
回の図柄変動遊技の結果がリーチ表示となった時、その
結果が大当たり表示に確定した後、前記リーチ表示（大
当たり図柄と同義）を形成した図柄の種類に応じて、価
値の異なる前記特賞を発生させるようにしてもよい。そ
れにより、いっそうと遊技における興趣を高めることが
できる。

【０１０７】具体的には例えば、「１」が２つ揃うリー
チ表示であった場合は、可変入賞装置５０を１ラウンド
だけ開放して特賞とし、「７」が２つ揃うリーチ表示で
あった場合は、可変入賞装置５０を７ラウンドだけ開放
して特賞とする等、リーチ図柄である数字の数だけ、可
変入賞装置５０を繰り返し開閉して特賞としても面白
い。

【０１０８】なお、前述した実施の形態では、本発明に
係る遊技機をパチンコ機に適用した場合について説明し
たが、遊技機はパチンコ機に限られず、同様に機能する
他の遊技機にも適用可能である。例えば、アレンジボー
ル機等のように、遊技媒体として球を用いる各種のゲー
ム機に適用することができる。特に可変表示装置３０は
スロットマシンに適用することができる。

【０１０９】また、前記可変表示装置３０の表示部３１
はマトリックス状に区画されているが、横一列に３個の
表示部が並ぶ簡易な構成としてもよい。また、前記図柄
変動遊技での大当たり表示として、同じ数字、記号等の
図柄が揃う場合について説明したが、その他に例えば、
特定の順に並ぶ場合、記号、図形が特定の組合わせとな
る場合等が挙げられる。

【０１１０】また、図柄変動遊技において模擬する遊技
内容は、前述したスロットマシンのような図柄合わせに
限られない。例えば、カードゲーム、ルーレット、ある
いは所定のストーリーが展開等の画面で表現できる各種
遊技を模擬の対象とすることができる。

【０１１１】また、前記始動入賞口２０に球が入賞する
ことを、図柄変動遊技が実行されるための始動条件とし
て設定したが、他の補助的な変動表示遊技を行う表示器
や、開閉動作遊技を行う入賞装置等においてある条件を
満たすことを、前記始動条件に設定してもよい。

【０１１２】また、前記特賞は、可変入賞装置を繰り返
し開閉させることに設定したが、これに限られるもので
はなく、例えば賞球数の割合を一時的に増したり、他の
役物を入賞し易い形態に変化させる等、様々な状態に設
定してもよい。

【０１１３】また、前記抽選実行手段１１１、権利保留
手段１１２、図柄変動実行手段１１３、特賞生成手段１
１４、それに特別処理手段１１５は、各遊技機１０ごと
に装備された１つの遊技制御装置１００によって実現し
ているが、例えば特定の機能のみをホール管理端末機２
００に組み込んだりして、前記各手段を別々の装置間に
分散させて設けてもよい。

【０１１４】

【発明の効果】本発明に係る遊技機によれば、図柄変動
遊技にてリーチ後ハズレ表示の回数が所定数に達した場
合には、次回の図柄変動遊技の途中でリーチ表示となっ
た時、その結果が必ず大当たり表示に確定するように制
御されるから、遊技者にとって本来不利な状況が続くと
きでも、逆に遊技者は特賞発生への期待感を抱くことが
できるようになり、遊技全体における興趣を高めること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る遊技機を示すブロッ
ク図である。

【図２】本発明の実施の形態に係る遊技機を含む遊技管
理装置のシステム構成図である。

【図３】本発明の実施の形態に係る遊技機を示す正面図
である。

【図４】本発明の実施の形態に係る遊技機の可変表示装
置を拡大して示す正面図である。

【図５】本発明の実施の形態に係る遊技機の可変表示装
置に表示される図柄変動遊技の結果の一例を示す説明図
である。

【図６】本発明の実施の形態に係る遊技機において、始
動入賞口に球が入った場合の処理を示すフローチャート
である。

【図７】本発明の実施の形態に係る遊技機において、図
柄変動遊技ないし特賞発生を概略的に示すフローチャー
トである。

【図８】本発明の実施の形態に係る遊技機において、特
別遊技処理を示すフローチャートである。

【図９】本発明の実施の形態に係る遊技機において、特
賞発生処理を示すフローチャートである。

【符号の説明】

１０…遊技機１１…遊技盤面１３…上皿１４…下皿１７…アウト口１８…表示ランプ２０…始動入賞口２１…始動入賞検知スイッチ３０…可変表示装置３１…表示部３２…ハズレ回数表示装置４０…保留球表示装置４１…保留ランプ５０…可変入賞装置５１…可動板５２…ソレノイド５３…入賞検知スイッチ５４…入賞計数機５５…Ｖ入賞口５６…Ｖ入賞検出スイッチ６０…賞球払出手段１００…遊技制御装置１１０…ＣＰＵ１１１…抽選実行手段１１２…権利保留手段１１３…図柄変動実行手段１１４…特賞生成手段１１５…特別処理手段１２０…ＲＯＭ１３０…ＲＡＭ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】遊技盤面上に球を打ち出す遊技で所定の条
件が成立すると、遊技者に有利な特賞が発生する遊技機
において、前記遊技盤面上に配設した可変表示装置と、遊技状態を
制御する遊技制御装置とを有し、前記可変表示装置は、各種図柄が変化した後に停止する
図柄変動遊技を表示可能に設けられ、前記遊技制御装置は、遊技中に所定の始動条件が成立した場合に、前記可変表
示装置で図柄変動遊技を実行し、該図柄変動遊技の結果
が大当たり表示に確定した場合に前記特賞を発生させ、かつ前記図柄変動遊技の終了前に、既に停止表示された
図柄の組み合わせが前記大当たり表示の前段階のリーチ
表示となった後、結局大当たり表示とならずハズレ表示
が確定した場合に、このリーチ後ハズレ表示となった回
数を所定数に達するまで計数し、かつ前記リーチ後ハズレ表示の回数が所定数に達した場
合に、次回の図柄変動遊技の途中でリーチ表示となった
時、その結果を前記大当たり表示に確定させて前記特賞
を発生させることを特徴とする遊技機。
【請求項２】遊技盤面上に球を打ち出す遊技で所定の条
件が成立すると、遊技者に有利な特賞が発生する遊技機
において、前記遊技盤面上に配設した可変表示装置と、遊技状態を
制御する遊技制御装置とを有し、前記遊技制御装置は、
抽選実行手段と、図柄変動実行手段と、特賞生成手段
と、特別処理手段とを有して成り、前記可変表示装置は、各種図柄が変化した後に停止する
図柄変動遊技を表示可能に設けられ、前記抽選実行手段は、遊技中に所定の始動条件が成立し
た場合に、乱数を用いた無作為抽選を実行し、前記図柄変動実行手段は、前記抽選実行手段の抽選結果
に関連させて、前記可変表示装置で図柄変動遊技を実行
し、前記特賞生成手段は、前記図柄変動遊技の結果が大当た
り表示に確定した場合に前記特賞を発生させ、前記特別処理手段は、前記図柄変動遊技の終了前に、既
に停止表示された図柄の組み合わせが大当たり表示の前
段階のリーチ表示となった後、結局大当たり表示となら
ずハズレ表示が確定した場合に、このリーチ後ハズレ表
示となった回数を所定数に達するまで計数すると共に、
所定数に達した時点で特別処理信号を出力し、前記図柄変動実行手段は、前記特別処理信号を入力した
後、前記抽選実行手段の抽選結果に応じて、前記図柄変
動遊技の途中でリーチ表示となった時、該図柄変動遊技
の結果を、前記抽選実行手段の抽選結果に関わらず前記
大当たり表示に確定させることを特徴とする遊技機。
【請求項３】前記リーチ後ハズレ表示は、予め選択され
た特定図柄が揃ったリーチ表示を経た場合のみ、その回
数が所定数に達するまで計数されることを特徴とする請
求項１または２記載の遊技機。
【請求項４】前記特定図柄は複数の種類が用意されてお
り、前記リーチ後ハズレ表示が確定した際に、前記特定
図柄の種類に応じた異なる数が、前記リーチ後ハズレ表
示の回数に加算されることを特徴とする請求項３記載の
遊技機。
【請求項５】前記リーチ後ハズレ表示の回数が所定数に
達した場合に、次回の図柄変動遊技の結果がリーチ表示
となった時、その結果が大当たり表示に確定した後、前
記リーチ表示を形成した図柄の種類に応じて価値の異な
る前記特賞を発生させることを特徴とする請求項１，
２，３または４記載の遊技機。
【請求項６】前記図柄変動遊技の結果が大当たり表示に
確定した場合に発生する通常の特賞と、前記リーチ後ハズレ表示の回数が所定数に達した場合
に、次回の図柄変動遊技の結果がリーチ表示となった
時、その結果が大当たり表示に確定した後に発生する特
賞とを、互いに価値の異なる特賞にしたことを特徴とす
る請求項１，２，３，４または５記載の遊技機。
【請求項７】前記リーチ後ハズレ表示の回数が所定数に
達する前に、前記図柄変動遊技の結果が大当たり表示に
確定した場合には、前記リーチ後ハズレ表示の回数を初
期値０に戻すことを特徴とする請求項１，２，３，４，
５または６記載の遊技機。
【請求項８】前記遊技盤面上にハズレ回数表示装置を設
け、前記ハズレ回数表示装置は、前記リーチ後ハズレ表示の
回数を目視可能に表示することを特徴とする請求項１，
２，３，４，５，６または７記載の遊技機。
【請求項９】前記ハズレ回数表示装置は、前記可変表示
装置と兼用であり、前記リーチ後ハズレ表示が確定する度に、前記可変表示
装置の画面外縁に沿って、所定マークを１つずつ並べる
ように表示することを特徴とする請求項８記載の遊技
機。
【請求項１０】前記可変表示装置は、各種図柄をそれぞ
れ表示可能な複数の表示部を備え、各表示部を１または
複数のライン上に並べて成り、前記図柄変動遊技は、１または複数のライン上で、該ラ
イン上に複数並ぶ各種図柄が連続的に変化した後で順次
停止するものであり、何れかのライン上に停止した図柄
が全部同一に揃った状態が大当たり表示に相当し、何れ
かのライン上で最後に停止する図柄を１つ残して、既に
停止した図柄が互いに一致する状態がリーチ表示に相当
することを特徴とする請求項１，２，３，４，５，６，
７，８または９記載の遊技機。
【請求項１１】前記遊技盤面上に始動入賞口を設け、前記始動入賞口に球が入賞することを、前記始動条件に
設定したことを特徴とする請求項１，２，３，４，５，
６，７，８，９または１０記載の遊技機。
【請求項１２】前記遊技盤面上に可変入賞装置を設け、前記可変入賞装置は、その入賞口を開閉可能な可動板を
有して成り、該可動板は通常は閉状態に維持され、前記可動板を所定回数を限度に繰り返し開閉させて、前
記特賞とすることを特徴とする請求項１，２，３，４，
５，６，７，８，９，１０または１１記載の遊技機。