JP2001046016A - 酵母を配合するミネラル強化流動食 - Google Patents

酵母を配合するミネラル強化流動食

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JP2001046016A
JP2001046016A JP11226296A JP22629699A JP2001046016A JP 2001046016 A JP2001046016 A JP 2001046016A JP 11226296 A JP11226296 A JP 11226296A JP 22629699 A JP22629699 A JP 22629699A JP 2001046016 A JP2001046016 A JP 2001046016A
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liquid food
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Shigemi Kawana
滋美 川名
Naoki Kakuhari
直毅 覚張
Toru Kawakami
亨 川上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】味や風味に何等影響を与えることなく、またざ
らつき感や、乳化不良等を有することなく流動性その他
の物性に優れた、ミネラル成分、特にその微量元素を高
含量に配合した流動食を提供する。 【解決手段】流動食中に酵母、特にミネラル成分、好ま
しくはその微量元素を高含量に含む酵母を配合すること
により、上記課題を解決し、流動性等の物性に優れた流
動食を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規流動食、より
詳しくは酵母を配合する流動食、特に好ましくはミネラ
ル成分を高濃度に含む酵母を含有するミネラル強化流動
食、そのための中間品及びそのような酵母を含有する流
動食用高ミネラル含有組成物に関する。この発明により
亜鉛、銅、マンガン、セレン、クロム、モリブデン等の
ミネラル成分、特にその微量元素を高濃度に配合でき、
味や風味に優れ、流動性、安定性等の物性にも優れた流
動食を提供することができる。
【0002】
【従来の技術】近年、食品中のミネラル成分、特に、そ
の微量元素の生体に及ぼす影響について順次解明されつ
つある。
【0003】現在、平成12年度から採用される予定の
「第6次改訂栄養所要量」では、ミネラルに関して、こ
れまでのカルシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、リン
及びマグネシウムに加え、亜鉛、銅、ヨウ素、マンガ
ン、セレン、クロム及びモリブデンについても適正摂取
量或いは推奨栄養所要量と許容上限摂取量が定められる
方向で検討されている。
【0004】これらの微量元素の欠乏症としては、亜鉛
では味覚障害、免疫機能低下等が挙げられる。また、銅
欠乏に関しては、銅欠乏による貧血の他に、心臓関連の
異常も観察されている。また、セレンは動物の成長と生
殖に必要であり、種々の疾病予防の作用も持つと言われ
ている。これら微量元素は生体の維持や成長に必須の栄
養素と言える。
【0005】これらの成分は、食品中では、畜肉のレバ
ー、貝類(牡蛎等)種子類に多いことが確認されてい
る。しかし、栄養を成分栄養剤や濃厚流動食に全て頼ら
ざるを得ない患者においては、これら微量元素の補給は
非常に大きな問題となっている。特に、濃厚流動食にこ
れら成分を強化する場合、食品添加物として添加できる
強化剤が認められていないため、食品添加物での補強は
できない。従って、食品素材で含有量の高いものを見出
し添加を行っているのが実状である。
【0006】これまで、このような微量元素を強化する
場合には、牡蛎抽出物、植物胚芽抽出物、大豆蛋白等で
強化しているものが認められる。これらを使用してミネ
ラル成分を強化する場合、牡蛎抽出物では独特の味が出
てしまい味の面で課題を有している。また、大豆蛋白質
等では十分量添加するにはかなりの添加量を必要とし、
ざらつき感があったり、粘度が上昇することにより流動
性が悪くなり十分に添加するのが困難であるという問題
点がある。
【0007】このような情況下に上記ミネラル成分、特
にその微量元素を強化できる流動食配合用食品原料の開
発が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ミネラル成分、特にそ
の微量元素を十分に強化できる方法、或いはこのような
微量元素を有効に配合した流動食の開発が求められてい
る。
【0009】本発明の目的は、味や風味に何等影響を与
えることなく、またざらつき感、乳化不良等を有しない
流動性その他の優れた物性を有するこのようなミネラル
成分、特にその微量元素を十分に配合した流動食を開発
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる課
題の解決に向けて鋭意研究を進めた結果、ミネラル成分
を高濃度に含む酵母自体を配合して得られる濃厚流動食
等の流動食が味や風味に何ら影響を与えることなく、安
定した流動性等優れた物性を有していることを見出し、
本発明を完成するに到った。この流動食により、亜鉛、
銅、セレン、マンガン、クロム、モリブデン等のミネラ
ルの微量元素を十分に強化することを可能とする。
【0011】即ち、本発明は、酵母を配合した流動食に
存する。酵母として、好ましくはミネラル成分を高濃度
に含有するような酵母、例えば亜鉛含有酵母、銅含有酵
母等を使用することができる。流動食としては、濃厚流
動食が好適である。
【0012】本発明の流動食中、乾燥形態で酵母を、好
ましくは少なくとも0.001重量%又は0.001〜
0.2重量%、より好ましくは0.005〜0.07重
量%、更に好ましくは0.01〜0.06重量%程度含
有することができる。
【0013】本発明の流動食の形態としては、固体状、
特に粉末状、液体状及び半固形状の何れかの形態にある
ことが好ましい。
【0014】尚、酵母を新しい食品原料とし使用する試
みとしてこれまでに、製造方法に関して亜鉛高含有酵母
の製造(特開平8−332082号公報参照。)が提案
され、また食品への利用に関して、美容・健康向け組成
物(特開平9−124438号公報参照。)が提案され
ている。しかし、前者に関して、食品への具体的利用方
法については全く触れていない。また、後者では酵母を
塩酸で加水分解後、アルカリで中和し、遠心分離し濾過
した抽出物を飲料へ使用することが提案されているが、
酵母そのものを飲料に添加することには触れておらず、
そのときの沈殿、ざらつき感、乳化不良等の物性改善に
は示唆さえ見当たらない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。本発明において、酵母を配合した流動食
はヒトその他動物が食するための水分を含む流動性に富
んだ食品であり、具体的には蛋白質、脂質、炭水化物、
ビタミン及びミネラル成分を少なくとも含有する液体状
の流動食である。
【0016】そのエネルギー値については、通常1kc
al/ml以上であり、好ましくは1〜2kcal/m
l程度である。
【0017】蛋白質の原料としては、乳蛋白質(全乳蛋
白質、カゼインナトリウム、カゼインカルシウム等)及
びこれらの加水分解物、その他の動物性蛋白質(卵蛋白
質、ゼラチン等)及びこれらの加水分解物、植物性蛋白
質(大豆等)及びその加水分解物、アミノ酸(グリシ
ン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリ
ン、スレオニン、リジン、アルギニン、アスパラギン、
グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチ
ン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、
ヒスチジン等)が挙げられる。流動食における総蛋白質
の配合比率については、2〜9g/100ml程度が好
ましい。
【0018】脂質としては、一般に食用として利用され
ているものを使用することができる。例えば、植物性油
脂(大豆油、コーン油、サフラワー油、ヤシ油、オリー
ブ油等)、動物性油脂(魚油、乳脂肪、牛脂、ラード
等)、その他中鎖脂肪酸、高度不飽和脂肪酸等も使用可
能である。流動食における脂質の配合比率については、
1.5〜9g/100ml程度が好ましい。
【0019】炭水化物としては、一般的に食用として利
用されているものを使用することができる。例えば、澱
粉、デキストリン、シュークロース、グルコース等の
他、食物繊維として難消化性デキストリンやグアガム加
水分解物等も使用できる。流動食における炭水化物の配
合比率については、10〜35g/100ml程度が好
ましい。
【0020】使用するビタミンとしては、ビタミンA、
B1、B2、B6、B12、C、D、E、ナイアシン、
パントテン酸、葉酸等が使用され、これらを組み合わせ
て使用することができる。
【0021】ミネラルとして、ナトリウム、カルシウ
ム、カリウム、マグネシウム、鉄等は、食品添加物扱い
の塩の形態で使用することができ、また、これらを組み
合わせて使用することもできる。
【0022】本発明の流動食は、前記流動性を有する液
体状の食品であればよく、例えば濃厚流動食が含まれ、
また高カロリーで、良好なチューブ流動性、低浸透圧、
耐加熱処理性を有する液状栄養食が含まれる。更に、こ
のような液状栄養食を収納する栄養剤等液状栄養食及び
無菌高カロリー流動食も含まれる(特開平8−1962
36号公報、特開平10−210951号公報等参
照。)。
【0023】水分の含有量が60〜85重量%程度で経
腸栄養チューブでの良好な流動性を有しており、温度2
5℃、落差60cmで流下速度100ml/時間以上の
条件を満たすものである。
【0024】本発明に使用する酵母、特にミネラル成分
を高含量に含む酵母については食用酵母であれば特に制
限は無く従来法により製造することもできる(特開平8
−332082号公報参照。)が、好ましくはパン酵母
(Saccharomyces cerevisiae
等)ビール酵母、ぶどう種酵母、清酒酵母、アルコール
酵母、甘酒酵母、味噌醤油酵母等、食品に利用されるも
のを適用することができる。
【0025】本発明に使用する酵母の製造方法に関して
は特に困難は無く、例えば、炭水化物、蛋白質、ミネラ
ル、ビタミン等を含んだ栄養培地に亜鉛、銅、マンガ
ン、セレン、クロム、モリブデン等の必要なミネラル成
分を強化し、前記に示したような酵母を培養することに
より目的とするミネラル成分を高濃度に含んだ酵母を製
造することができる。亜鉛含有酵母の場合、例えば塩化
亜鉛等の亜鉛化合物を必要量培地に添加して目的とする
亜鉛を高含量に含む酵母を製造することができる。
【0026】このようにして製造された酵母は、蛋白分
解酵素のような酵素処理によって細胞壁を壊した後、そ
のまま若しくは熱処理、スプレードライして粉末にした
ものを流動食に配合して使用することができる。
【0027】このようにして得られたミネラル成分高含
量酵母中のミネラル成分含有量に関し、亜鉛含有酵母の
亜鉛含有量については、乾燥酵母中で好ましくは2重量
%以上、より好ましくは2.5重量%以上、最も好まし
くは5重量%程度以上の範囲である。また、銅含有酵母
の銅含有量については、好ましくは0.5重量%以上、
最も好ましくは1重量%程度以上の範囲である。
【0028】同様に、それぞれマンガンについては、好
ましくは2.5重量%以上で最適には5重量%程度以
上、セレンについては、好ましくは0.05重量%以上
で最適には0.1重量%程度以上、クロムについては、
好ましくは0.1重量%以上で最適には0.2重量%程
度以上、モリブデンについては、好ましくは0.1重量
%以上で最適には0.2重量%程度以上含有する酵母を
使用することができる。以上、化合物の場合各元素換算
値で表わされている。本発明に使用する酵母には、これ
らの酵母を少なくとも1種含むことができる。
【0029】ミネラル高含有酵母を配合した流動食にお
ける酵母(前記粉末状で)の含有量については、前述の
通りヒトが食する段階の液状流動食の状態で好ましくは
0.001〜0.2重量%程度、より好ましくは0.0
05〜0.07重量%程度、更に好ましくは0.01〜
0.06重量%程度の範囲である。0.001重量%未
満の添加では、その栄養効果が期待できず、また0.2
重量%を超えると酵母の沈殿が生じたり、乳化状態が悪
くなり物性的に問題が生じ易くなり、また官能評価上も
ざらつきを感じるようになるので、何れも好ましくな
い。この場合、更に味や風味の点で異様な味、異風味が
発現し易くなる。
【0030】流動食を製造する場合、流動食が固体(粉
末等の状態)又は半固体状である場合は、液体で1kc
al当たりに換算し、上記段落に示す酵母の含有量とな
るように調製することが好ましい。
【0031】本発明の形態としては、液体状の流動食は
勿論、半固形状の形態にあるもの、及び水に溶解して液
体の流動食にて使用可能な粉末状の形態にあるものを含
み、これら何れの形態にあるものも本発明の流動食に含
まれる。
【0032】この流動食を殺菌する場合、流動食を予め
加熱殺菌した後に無菌的に容器に充填する方法(例え
ば、UHT滅菌法とアセプティック充填法を併用した方
法等)や、流動食を容器に充填した後に、容器と共に加
熱殺菌する方法(レトルト殺菌法)を採用することがで
きる。
【0033】尚、UHT滅菌法では、間接加熱方式、直
接加熱方式のどちらでも使用することができる。また、
容器としては軟質合成樹脂(例えば、ポリウレタン樹
脂、ポリエチレン樹脂等)で密閉され加熱殺菌可能な容
器が使用される。また、紙にアルミ箔、合成樹脂(例え
ば、ポリエチレン)がラミネートされた素材により形成
されたものが使用され、この容器はアセプティック包装
法に適用される。
【0034】中味の流動食を殺菌する方法としては、オ
ートクレーブ処理法の場合110〜120℃程度で10
〜30分程度の加熱処理、UHT滅菌法を用いた間接加
熱滅菌法の場合で、130〜150℃、2〜60秒程度
の加熱処理が好適である。
【0035】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を詳細
に説明する。尚、%値は重量比率で表わされている。
【0036】<実施例1>流動食の配合組成は、下記に
示す通りである。脱イオン水を70℃に加温し、これに
酵母、カゼインナトリウム、デキストリン、ミネラルミ
ックス、ビタミンミックス及びミルクフレーバーを加え
混合した。これとは別に、容器中で大豆油を70℃に加
温した後、これに乳化剤を加え、これを先に調製した水
溶液に加えて混合した。得られた混合物について、高圧
ホモジナイザーを使用して49MPs(500kgf/
cm2)にて1回乳化を行った。得られた乳化物につい
てレトルト(120℃20分)処理により殺菌し、評価
用流動食の試作品を調製した。乾燥酵母(亜鉛強化タイ
プ)の含有量について、亜鉛として2.5mg/液状流動食10
0gとなるように乾燥酵母を添加している。
【0037】次に、評価用流動食について官能評価を行
った。官能評価は熟練したパネラー4名により行った。
【0038】使用する酵母に関しては、本発明品として
下記試料A,Bを使用し、比較のために対照品として亜
鉛酵母含有量を異にする市販品「亜鉛イースト」Bio
Springer社製(試料C)、更には酵母無添加のものも
調製し、比較した。
【0039】酵母中の亜鉛含有量(乾燥亜鉛酵母中に含
有するZnの重量%)は次の通りである。 試 料 亜鉛酵母(重量%) A:High Zinc Yeast(Grow社製) 5.0% B:ミネラル酵母−Zn(オリエンタル酵母社製) 2.0% C:亜鉛イースト(Bio Springer社製) 0.26%
【0040】 (酵母を除いた流動食の配合組成) 成分 配合組成(重量%) カゼインNa 4.5 大豆油 2.6 デキストリン 13.6 水溶性食物繊維 1.1 (難消化性デキストリン) ビタミンミックス 0.07 ミネラルミックス 1.4 ミルクフレーバー 0.2 乳化剤 0.5 脱イオン水 76.03 合計 100 亜鉛含有酵母(亜鉛として2.5mg/全流動食100g)
【0041】ビタミンミックスにはビタミンA、B1、
B2、B6、B12、C、D3、E、葉酸、パントテン
酸カルシウム及びナイアシンを含む。また、ミネラルミ
ックスには、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リ
ン及び鉄を含む。
【0042】また、仕上がり流動食中のビタミン及びミ
ネラルの含有量(流動食100g中)は次の通りであ
る。ビタミン 含量 A 170I.U. B1 0.06mg B2 0.08mg B6 0.25mg B12 0.5μg C 5mg D 8.3mgミネラル 含量 Na 100mg K 70mg Ca 60mg Mg 13mg P 85mg Fe 1.2mg E 0.7I.U. ナイアシン 1.0mg パントテン酸 0.75mg 葉酸 25μg
【0043】結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】<実施例2>実施例1で得た試作品を44
℃で2週間保存後に沈殿の有無を評価した。結果を表2
に示した。
【0046】
【表2】
【0047】上記表1及び表2の結果から明らかなよう
に、対照品(試料C)と比較して試料A,Bはざらつき
感が無く、また安定性に優れていることが分かる。
【0048】<実施例3>実施例1で使用したものと同
じ配合組成で各原料を混合し、同様に流動食の試作品を
調製した。UHT(145℃15秒)にて殺菌の後、官
能評価を行った。官能評価は熟練したパネラー4名によ
って行った。
【0049】ビタミンミックスにはビタミンA、B1、
B2、B6、B12、C、D3、E、葉酸、パントテン
酸カルシウム及びナイアシンを含む。また、ミネラルミ
ックスにはナトリウム、カリウム、マグネシウム、リン
及び鉄を含む。
【0050】評価結果を表3に示した。
【0051】
【表3】
【0052】<実施例4>実施例3で得た試作品を44
℃で2週間保存後に、沈殿の有無を評価した。その結果
を表4に示した。
【0053】
【表4】
【0054】上記表3及び表4の結果から明らかなよう
に、同様に比較対照品(試料C)と比較して試料A,B
はざらつき感が無く、また安定性に優れていることが分
かる。
【0055】<実施例5>流動食の配合組成に関し、添
加する酵母を除いた組成は実施例1に示したものと同じ
である。脱イオン水(70℃)に、酵母、ガゼインナト
リウム、テキストリン、ミネラルミックス、ビタミンミ
ックス及びミルクフレーバーを加え混合した。別の容器
に大豆油を70℃に加温し、これに乳化剤を加え、これ
を先に調製した水溶液に加えて混合した。これを、高圧
ホモジナイザーを用いて49MPs(500kgf/c
2)にて1回乳化を行った。これを、レトルト(12
0℃20分)にて殺菌し、評価用流動食の試作品を調製
した。
【0056】評価用流動食につき官能評価を行った。官
能評価は熟練したパネラー4名によって同様に行った。
【0057】使用する酵母に関しては、下記のミネラル
含有量になるよう混合した酵母(「ミックスミネラルイ
ースト」Grow社製)を使用した。流動食への酵母の
添加量について、乾燥酵母(ミックスタイプ)0.05
〜1%/全流動食となるように乾燥酵母が添加された。
尚、比較対照品として酵母無添加のものも調製した。 ミネラル含有量(乾燥酵母中の重量%) 亜鉛 3.53% 亜鉛酵母中の亜鉛含有量 5.0% 銅 0.24% 銅酵母中の銅含有量 1.0% セレン 0.0059% セレン酵母中のセレン含有量 0.1%
【0058】ビタミンミックスにはビタミンA、B1、
B2、B6、B12、C、D3、E、葉酸、パントテン
酸カルシウム及びナイアシンを含む。ミネラルミックス
には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウ
ム、リン及び鉄を含む。
【0059】尚、仕上がり流動食中のビタミン及びミネ
ラルの含有量(100g中)については、実施例1に示
した通りである。
【0060】その結果を表5に示した。
【0061】
【表5】
【0062】<実施例6>実施例5で得た試作品を44
℃で2週間保存後に沈殿の有無を評価した。その結果を
表6に示した。
【0063】
【表6】
【0064】<実施例7>実施例5の配合組成及び製造
方法で流動食の試作品を調製し、UHT(145℃15
秒)にて殺菌を行い、官能評価を行った。官能評価は熟
練したパネラー4名によって行った。その結果を表7に
示した。
【0065】
【表7】
【0066】<実施例8>実施例7で得た試作品を44
℃で2週間保存後に沈殿の有無を評価した。その結果を
表8に示した。
【0067】
【表8】
【0068】上記表5〜8の結果から明らかなように、
酵母1%配合品と比較すると酵母0.05%配合品及び
酵母0.13%配合品ではざらつき感が無く、また安定
性に優れていることが分かる。
【0069】
【発明の効果】本発明の流動食は、ミネラル成分、特に
その微量元素を高含量で含む酵母をそのまま流動食中に
配合可能としたもので、食感や風味に何等影響を及ぼす
ことなく、ざらつき感や、乳化不良等も見当たらず流動
性その他で好ましい物性を有しており、品質、物性共に
優れた流動食の提供を可能とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 亨 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社食品研究所内 Fターム(参考) 4B018 LB10 MD05 MD81 ME14 4B036 LC06 LF19 LH01 LH48 LK06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酵母を含有することを特徴とする流動食。
  2. 【請求項2】酵母が、ミネラル成分を高濃度に含む請求
    項1記載の流動食。
  3. 【請求項3】酵母が、亜鉛、銅、マンガン、セレン、ク
    ロム及びモリブデンの少なくとも1種をミネラル成分と
    して含有する請求項1又は2記載の流動食。
  4. 【請求項4】乾燥形態の酵母換算で酵母を、少なくとも
    0.001重量%又は0.001〜0.2重量%含有す
    る請求項1記載の流動食。
  5. 【請求項5】粉末状、液体状及び半固形状の何れかの形
    態にある請求項1記載の流動食。
  6. 【請求項6】当該酵母が、2重量%以上の亜鉛を含有す
    る酵母、0.5重量%以上の銅を含有する酵母、2.5
    重量%以上のマンガンを含有する酵母、0.05重量%
    以上のセレンを含有する酵母、0.1重量%以上のクロ
    ムを含有する酵母及び0.1重量%以上のモリブデンを
    含有する酵母の少なくとも1種である請求項1記載の流
    動食。
  7. 【請求項7】容器内に収納された状態にあり、少なくと
    も殺菌されている請求項1〜6何れか記載の流動食。
  8. 【請求項8】酵母を含有することを特徴とする流動食用
    高ミネラル含有組成物。
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