JP3655732B2 - 植物胚芽エキスを含有する食品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物胚芽エキスの亜鉛、マンガン、その他のミネラル成分含有画分を含有する、ミネラル強化食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の栄養生理学に関する研究の進展の結果、食品中の微量元素であるミネラル成分が生体に果たす役割が順次解明されようとしており、例えば、味覚障害が舌や腎臓などの病気や薬物の副作用でも起こり得るが、亜鉛の欠乏によって舌の上に存在する味蕾と呼ばれる感覚器官の一部が破壊され味覚に変調を来すことが一番多い原因をなすことが知られるに至っている。
亜鉛はまた骨、皮膚、髪の毛、生殖器など新陳代謝の活発な場所に多く存在しており、動物の成長に不可欠の成分であることが分かっている。さらにまた亜鉛の不足は免疫機能低下の原因となることが知られ、そして、乳幼児の食事において亜鉛の不足は、乳幼児の発育障害、味覚障害、さらに皮膚炎などを起こすことが知られている。
【0003】
別のミネラル成分のマンガンは、アルギナーゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼ、マンガンースーパーオキサイドジスムターゼ(MnSOD)などの金属酵素の構成成分として不可欠の元素である。 そしてその欠乏によって短期的には皮膚炎(水晶様汗疹)を生じることが明らかになっており、また長期的には骨の再構成に影響がでるとされている。通常は食物中に必要量が賦存しているのでその必要性の認識は薄いけれども、食物の種類が制限される食餌療法の場合などでは必要量の確保は重大な課題となる。
【0004】
このように食物中の亜鉛、マンガンその他のミネラル成分は極めて生理的に重要な働きを有するが、日本人の摂取する食品中には必ずしもこれらが十分に存在しない実情がある。 そしてこれらのミネラル成分の摂取は術前術後の患者の場合にはさらに重要な課題となるのである。 これらの患者に通常の食物を経口摂取の形で与えることが不可能の場合の栄養補給の手段として、種々の形態の流動食品が使用されている。
【0005】
市販の経腸栄養剤は大別すると、医薬品に分類されるものと食品に分類されるものに分けることができる。 このうちの食品に分類されるものには、これらのミネラル成分を食品添加物の形で配合することが考えられ、実際食品業界ではグルコン酸亜鉛と硫酸亜鉛が食品添加物として、乳児用調整粉乳へ添加して使用することが認められている。 しかしながら、この粉乳以外の食品への亜鉛やマンガンなどの生理機能の調整に不可欠な微量元素の食品添加物としての添加は認められていない。
【0006】
一般に成人に対して望ましいとされるミネラルの1日あたりの量としては、1995年米国FDAより発表されたRDI(Reference Daily Intake)が最新の指標となっている。これによれば亜鉛は15mg、マンガンは2mgが1日摂取量の指標とされている。このうち亜鉛の値は成人の必要最少量2.5mgに平均的な吸収率を20%とし、また集団のバラツキによる安全率を20%見込んで2.5÷20(%)×120(%)=15mgと計算されている。
【0007】
しかしながら、上述のように食品に区分される経腸栄養剤には乳児用調整粉乳以外にはミネラル成分を食品添加物として添加することは認められていないため、これまでの経腸栄養剤には亜鉛やマンガンの含有量が少なく、平均して亜鉛2〜4mg/2,000kcal、マンガン0.1〜0.8mg/2,000kcalしか含まれていないのが実情である。
【0008】
そこで、経腸栄養剤原料の一つとして、亜鉛等の微量元素を含むカキ(牡蛎)が栄養価の高い食品素材として注目されており、カキ肉エキスを使用した経腸栄養剤が提案され(例えば特開平8−298968号公報)ている。しかしながらこのカキ肉エキスは亜鉛含量は低くまたカキ肉エキス特有の臭い、味が強いために大量に使用することは出来ず大豆タンパク質でマスキングするなどの工夫が必要で、しかもカキ肉エキス、大豆タンパク質はともに食品原料として比較的高価な素材であるため、この方法によって経腸栄養剤を製造した場合には原料コストが高くなってしまうという問題がある。
【0009】
また最近、各種ビタミンやカルシウムなどのミネラルを含む清涼飲料水が販売されて人気を集めているが、上述のように食品には亜鉛、マンガンなどの微量元素の添加が認められていないため、亜鉛、マンガンなどの微量元素の含量の高い清涼飲料水は未だ市場に現れていないのが実情である。
【0010】
一方、小麦、米、大麦、トウモロコシ、マイロ、大豆、ヒマワリ、ゴマなどの植物の胚芽にはミネラル、ビタミン等の栄養的に有用な物質が多く含まれており、微量元素である亜鉛、マンガンの含量も多くすぐれた食品素材であることが知られている。そして胚芽を酵素等で分解して水溶性画分を回収し、飲料、栄養剤等に利用しやすい形態にすることも試みられている(特公昭55−1027号公報、特開昭48−1170号公報、特公平3−58703号公報)。しかしながらこれらの先行技術にあっては、亜鉛、およびマンガンの含量の高い画分を分画利用する考え方はなかった。
【0011】
かかる状況の下に、本発明者らは先に、植物胚芽を70℃以下の温度、及びpH5.0以下の酸性条件下の水を用いて抽出し、得られた抽出液のpHを6.0以上に調節するか、または得られた抽出液を70〜100℃の範囲の温度に調節して、抽出液中のミネラル高含量成分を不溶物として沈殿回収することにより、植物胚芽成分から亜鉛高含有成分を分離する方法の発明を完成して平成9年2月14日に特願平9−30078号として特許出願をした。
【0012】
【解決しようとする課題】
従って、食品添加物としての使用に制限のない植物成分に由来し、亜鉛、マンガンその他のミネラル成分を高含量で含む材料を用いて、人の生理機能の調節に必要不可欠な亜鉛、マンガンなどの微量元素含有量の多い食品であって、安定性に富み、また摂取時においてその好ましい芳香のために嗜好性にも富んだ食品の開発が求められている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが先に行った、植物胚芽抽出液から分画した亜鉛、マンガンその他のミネラル成分を高含量で含む画分の解明に基づいて、さらにこの画分を構成成分として用いる食品の開発のために鋭意研究の結果、植物胚芽エキスの亜鉛、マンガン、その他のミネラル成分含有画分を有効成分として含有する、安定性に富み、また摂取時においてその好ましい芳香のために嗜好性にも富んだミネラル強化食品の発明を完成させたのである。
【0014】
即ち、本発明は、植物胚芽抽出液から分画した亜鉛、マンガンその他のミネラル成分を高含量で含む画分をミネラル補強成分として含有する食品に関する。
より具体的には本発明は、植物胚芽を70℃以下の温度、及びpH5.0以下の酸性条件下の水を用いて抽出し、得られた抽出液のpHを6.0以上に調節するか、または得られた抽出液を70〜100℃の範囲の温度に調節することにより、抽出液中のミネラル高含量成分を不溶物として沈殿回収して得た植物胚芽抽出液から分画した亜鉛、マンガンその他のミネラル成分を高含量で含む画分をミネラル補強成分とする含有する食品に関する。
【0015】
そして本発明は、上記した食品が植物胚芽抽出液から分画した亜鉛、マンガンその他のミネラル成分を高含量で含む画分をミネラル補強成分としており、その形態が粉末状、流動体状、又は固形状である食品に関する。
本発明の食品に加えられるミネラル補強成分は、本発明者が先に出願した特願平9−30078号に記載の方法によって製造することが出来たものであって、植物胚芽を70℃以下の温度でpH5.0以下の酸性条件下に水を用いて抽出する第一段階の植物胚芽の抽出工程と、得られた抽出液に溶解した亜鉛高含有成分を抽出液のpHを6.0以上に調節するか、または得られた抽出液に溶解した亜鉛高含有成分を抽出液を70〜100℃の範囲の温度に加熱することにより不溶物として沈殿回収する第二段階の工程を経て得られるものである。
【0016】
この第一段階の抽出工程は、植物胚芽中の亜鉛高含有成分の溶解度がpH5.0以下に於いて大きいことを利用するもので、pH調節のために用いられる酸性物質としては、塩酸、硫酸、リン酸、などの鉱酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、クエン酸などの有機酸、および水を電解質の存在下で電気分解したときに陽極側に現れる酸性水などが挙げられるが、食用酸例えば乳酸、クエン酸などが好ましく用いられる。
【0017】
この第二段階の沈殿回収工程は、第一段階で得られた抽出液中に於ける亜鉛高含有成分の溶解度のpHおよび温度に対する挙動を利用するもので、pH調節は塩基性物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いて行われる。このpH調節と温度調節は単独に行うことも出来るが、両者を組み合わせて行うことも出来る。
【0018】
本発明で用いる植物胚芽には、米胚芽、小麦胚芽、大麦胚芽、大豆胚芽、トウモロコシ胚芽、マイロ胚芽、ヒマワリ胚芽またはゴマが挙げられるが、原料の入手容易性、存在する亜鉛含有成分の量、香味、味などの食物添加剤としての嗜好性を考慮すると小麦胚芽、米胚芽、トウモロコシ胚芽が好ましく用いられ、殊に小麦胚芽が好ましい。
【0019】
本発明の植物胚芽抽出液から分画した亜鉛、マンガンその他のミネラル成分を高含量で含むミネラル補強成分を配合添加する食品としては、基本的にはすべての食品に使用可能であるが、粉末状のものでは、粉末経腸栄養剤、粉末調味スープなどがあり、流動食状のものでは、液状経腸栄養剤、コーンスープ、パンプキンスープ、清涼飲料水などがあり、固形状のものでは、カプセル剤、錠剤などがあり、それらにはドロップ等の菓子や所謂健康食品が含まれる。
これらの食品中への、植物胚芽抽出液から分画した亜鉛、マンガンその他のミネラル成分を高含量で含むミネラル補強成分は、食品中の亜鉛含有量が0.2〜150mg/100gの量、好ましくは標準的な1日の摂取量として1〜15mgの量となるように添加される。
【0020】
このようにして添加されたミネラル補強成分は、粉末状食品中では十分に均一に混合することが出来、また流動食状食品中および固形状の食品中では十分に均一に混じり合っていて、長時間の貯蔵の後にも成分分離または変質が認められなかった。
【0021】
【実施例】
次に本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。製造例1および製造例2に小麦胚芽からのミネラル補強成分の調製方法を述べ、実施例3以下にこれらミネラル補強成分を配合した食品の具体例を述べる。
【0022】
〔製造例1〕
脱脂小麦胚芽(日清製粉(株)製)250kgに水2000kg、クエン酸20kgを加え、pHを4.0に調整し、撹拌して脱脂小麦胚芽を分散させた後、澱粉分解酵素(液化酵素T:阪急バイオインダストリー(株)製)を1250g添加し、加温した。85℃の温度で10分間保持した後、50℃まで冷却した。その後澱粉分解酵素(液化酵素T)1250g、蛋白分解酵素(プロテアーゼM:天野製薬(株)製)630gを添加し、50℃で14時間反応させた。混合物を90℃で10分間処理して酵素を失活せしめた後、60℃まで冷却した。この冷却工程によって、混合物を60℃とすることで亜鉛含有成分は可溶化された。ついで混合物を遠心分離機による処理に付して不溶物を除去した。上澄液を活性炭を添加して撹拌後、ケイソウ土を濾過助剤として用いて濾過し、濾液に苛性ソーダを加えてpH8.0に調整し、沈殿を形成させた。得られた沈殿物を遠心分離機で回収し冷凍真空乾燥した。このようにして38.5kgの乾燥固体生成物を得た。この生成物は白色で、ほとんど無味であり無臭であった。そして亜鉛含量は分析の結果4500ppmであることが分かった。
【0023】
〔製造例2〕
製造例1と同様に脱脂小麦胚芽を処理して、得られた濾液を90℃まで加熱して沈殿を形成させた後、80℃の温度を維持しながらフィルターで沈殿物を回収した。沈殿物は減圧乾燥して105kgの乾燥固体生成物を得た。この生成物は白色で、ほとんど無味であり無臭であった。そしてその亜鉛含量は分析の結果1500ppmであることが分かった。
【0024】
〔実施例1〕
標準的な経腸栄養剤の処方にしたがって次の表1に記載のされた各成分をこの割合で加え合わせ、ミキサーで均一に混合した。
【0025】
【表1】
Figure 0003655732
【0026】
なお、ここで用いたビタミン・ミックス、ミネラル・ミックスの組成は次のとおりである。
ビタミン・ミックスはデキストリンを賦形剤として1g中に以下のビタミンを含む。
ビタミンA 100 IU
ビタミンB1 0.07mg
ビタミンB2 0.09mg
ビタミンB6 0.10mg
ビタミンB12 0.07μg
ビタミンC 2.50mg
ビタミンD 5 IU
ビタミンE 0.40mg α−トコフェロール当量
ナイアシン 1.00μg
葉酸 10 μg
パントテン酸 0.20mg
またミネラル・ミックスはデキストリンを賦形剤として1g中に以下のミネラルを含む。
ナトリウム 25mg
カリウム 100mg
カルシウム 30mg
マグネシウム 15mg
リン 30mg
鉄 0.7mg
【0027】
得られた粉末経腸栄養剤は、均一な外観を有し、粉末性状は良好で、実施例1の乾燥固体ミネラル補強成分の配合によって、色、臭気の変化がなく、また密封して12ヵ月間貯蔵したあとも、固化することなく良好な粉末状態を保っていた。
対照例1の粉末経腸栄養剤として、上記した表1の処方の粉末経腸栄養剤で、製造例1の乾燥固体ミネラル補強成分を含まないことのみを相違点とする粉末経腸栄養剤を同様の方法で調製した。この対照例1の粉末経腸栄養剤は、密封して12ヵ月間貯蔵したあとも、固化することなく良好な粉末状態を保っていた。
【0028】
〔実施例2〕
実施例1及び対照例1の粉末経腸栄養剤のそれぞれ23.6gおよび、23.7g(1000Kcal)に、40℃の水を加え全量を100mlとして、撹拌混和して溶解させた。どちらの粉末経腸栄養剤も固まらず、沈殿、浮遊、壁への付着を生ずることなく同等に良好に溶解した。
両方の溶液をそれぞれ37℃とし、4Fr(内径 0.7mm)のEDチューブを用い、落差50cmでチューブ内を自然流下させたところ、両者ともにチューブに詰まることなく、1時間半以内に全量が落下した。
両方の溶液をそれぞれプラスチック・ビーカーに入れ、室温(25℃)で2時間放置したが、両者とも、変色、固まり、沈殿、浮遊、壁への付着を生じることがなかった。
【0029】
〔実施例3〕
実施例1及び対照例1の粉末経腸栄養剤のそれぞれ23.6gおよび23.7g(1000Kcal)に、40℃の水を加え全量を1リットルとして、撹拌混和して溶解させた。これをホモジナイザーを用いて乳化させた。両者ともに実施例2で得られた溶液と同様の味、風味を有していた。得られた乳化物の物性値はつぎの表2の通りである。
【0030】
【表2】
Figure 0003655732
この乳化物の各々200mlをアルミパウチに充填したのち、殺菌処理(120℃、15分間)を行った後、4℃にて保存した。3ヵ月後に開封して性状を調査したところ、両者ともに変色、固まり、沈殿、浮遊、壁への付着を認めなかった。
こうして3ヵ月間保存した後の乳化物の両者を37℃に加温し、味、風味を観察したところ、両者とも乳化物製造時の味、風味を維持していた。またこの3ヵ月間保存した後の乳化物の両者について、各種微量元素を測定した結果をつぎの表3に示す。
【0031】
【表3】
Figure 0003655732
【0032】
〔実施例4〕
製造例2によって得られた乾燥固体ミネラル補強成分1gを、次の表4の種々の水溶液に溶解したところ、いずれの水溶液にも溶解し、固まり、沈殿、浮遊、壁への付着を生ずることがなかった。
通常嗜好品として摂取される飲料のpHは、成書(Principles of Anatomy and Physiology 5th ed.,Harper & Row(NY), 1989, p36)によれば表5に示されるとおりである。従って乾燥固体ミネラル補強成分は、通常嗜好品として摂取される飲料のpHにおいて、完全に溶解し、澄明となることが明らかである。
【0033】
【表4】
Figure 0003655732
【0034】
【表5】
Figure 0003655732
そこで、この乾燥固体ミネラル補強成分を用いて、次の表6に示す組成の清涼飲料水を製造した。
【0035】
【表6】
Figure 0003655732
得られた清涼飲料水について、その温度を4℃とし、性状、味、風味を観察したところ、淡黄色、澄明であり、飲料として不快な味、臭気を有していなかった。この清涼飲料水の亜鉛の含量は3mg/100mlであった。
【0036】
〔実施例5〕
製造例2によって得られた乾燥固体ミネラル補強成分500gを、表7に示す割合で混合し、打錠機によって成形し錠剤(1錠 330mg)を得た。
【0037】
【表7】
Figure 0003655732
得られた錠剤について、性状、味を観察したところ不快な味、臭気を有していなかった。ミネラル含量を測定した結果、平均で1錠あたり亜鉛0.30mg、マンガン0.24mgのミネラルを含有していた。またこの錠剤の崩壊時間は20分以内であった。
以上のことから、微量元素の多い錠剤が得られることが確認された。
【0038】
〔実施例6〕
製造例2によって得られた乾燥固体ミネラル補強成分500gを表8に示す割合で混合し、ソフトカプセル充填機によって成形しソフトカプセル剤(1カプセル 360mg)を得た。
【0039】
【表8】
Figure 0003655732
得られたソフトカプセルについて、ミネラル含有量を測定した結果、平均で1カプセルあたり亜鉛0.30mg、マンガン0.24mgのミネラルを含有していた。またこのソフトカプセルの崩壊時間は20分以内であった。
以上のことから、微量元素の多いソフトカプセルが得られることが確認された。
【0040】
以上の実施例1〜3の結果、小麦胚芽から得られる乾燥固体ミネラル補強成分を用いることにより、亜鉛、マンガンなどの微量元素の多い粉末状又は液体状の経腸栄養剤を作ることが出来ることが確認された。
また実施例4の結果、小麦胚芽から得られる乾燥固体ミネラル補強成分を用いることにより、従来は不可能であった、澄明で味がよく、亜鉛、マンガンなどの微量元素の多い清涼飲料水を作ることが出来ることが確認された。
また、実施例5の結果、小麦胚芽から得られる乾燥固体ミネラル補強成分を用いることにより、不快な味や臭気を有さずに、亜鉛、マンガンなどの微量元素の多い固体状の食品を作ることができることが確認された。更にまた、実施例6の結果、ソフトカプセルの形状のものをつくることができることも確認された。

Claims (2)

  1. 植物胚芽を70℃以下の温度、及びpH5.0以下の酸性条件下の水を用いて抽出し、得られた抽出液のpHを6.0以上に調節するか、または得られた抽出液を70〜100℃の範囲の温度に調節することにより、抽出液中のミネラル高含量成分を不溶物として沈殿回収して得たものをミネラル補強成分として含有する食品。
  2. 植物胚芽が、米胚芽、小麦胚芽、大麦胚芽、大豆胚芽、トウモロコシ胚芽、マイロ胚芽、ヒマワリ胚芽またはゴマ胚芽である請求項1記載の食品。
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