JP2001044082A - 電気二重層キャパシタの製造方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタの製造方法

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JP2001044082A
JP2001044082A JP21583799A JP21583799A JP2001044082A JP 2001044082 A JP2001044082 A JP 2001044082A JP 21583799 A JP21583799 A JP 21583799A JP 21583799 A JP21583799 A JP 21583799A JP 2001044082 A JP2001044082 A JP 2001044082A
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carbonaceous material
substituted aliphatic
halogen
electrode
electric double
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Shigeaki Tomita
成明 富田
Kazuya Hiratsuka
和也 平塚
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】性能信頼性に優れ、耐電圧が高くエネルギ密度
の高い電気二重層キャパシタの製造方法の提供。 【解決手段】ハイドロクロロフルオロカーボン類等のハ
ロゲン置換脂肪族炭化水素又はハロゲン置換脂肪族エー
テルで表面処理した比表面積100〜3000m 2/g
の炭素質材料を主体とする電極を正極及び負極とし、有
機電解液を含浸させる電気二重層キャパシタの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、性能の長期的信頼
性に優れ、かつ耐電圧が高くエネルギ密度が大きい電気
二重層キャパシタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気二重層キャパシタは、充放電サイク
ルによる性能劣化が小さく、出力密度が大きいなどの優
れた特性を有するが、リチウムイオン二次電池等の二次
電池に比べエネルギ密度が低く、エネルギ密度の向上が
望まれている。キャパシタに蓄積されるエネルギ(E)
は、キャパシタの静電容量(C)と印加電圧(V)を用
いて、E=1/2×C×V2と表せ、エネルギは印加電
圧の二乗に比例するので、キャパシタのエネルギ密度を
高めるには耐電圧を高めることが非常に有効となる。
【0003】有機電解液は水系電解液に比べて分解電圧
が高いので、耐電圧が高い点では電気二重層キャパシタ
の電解液として有機電解液を使用することが有利であ
る。ところが、有機電解液中に水分等の不純物が含まれ
ると、水の電気分解が起こり電気二重層キャパシタの性
能が低下する。したがって、有機電解液は、溶媒、電解
質塩ともに高度に精製されかつ脱水されて使用される。
【0004】有機電解液を用いた電気二重層キャパシタ
の電極には、高比表面積の電極材料が使用され、一般的
には活性炭が使用される。活性炭は数nm程度の微細孔
を有する多孔質材料であり、高い吸着能を有するため環
境中の水分を不可避的に吸着しやすい。このため、電気
二重層キャパシタの製造工程には活性炭の吸着水分を高
度に脱水する工程が必要となる。
【0005】有機電解液を用いた電気二重層キャパシタ
は、水の理論分解電圧より高い電圧範囲で作動されるの
で、上記の活性炭の細孔中に残存している水分は電気分
解されガスが発生する。発生したガスは活性炭細孔内に
徐々に蓄積され、セパレータを介して対向する正極と負
極とに電解液を含浸させてなる素子体の外部には排出さ
れず、素子体内部に蓄積する。
【0006】このような状況下においてキャパシタを長
期間使用すると、発生したガスによって細孔内に存在す
る電解液が追い出され、本来得られるはずの容量が得ら
れなくなる。また細孔内のイオン移動による電気導通経
路が遮断されるため、電気二重層キャパシタの内部抵抗
が上昇する。
【0007】また、一般に活性炭表面には多種の表面官
能基や不純物が存在している。表面官能基は電圧印加中
に電解液と反応してガス発生や活性炭表面への付着物の
堆積等を引き起こし、電気二重層キャパシタの耐久性に
悪影響を及ぼすことがある。有機電解液を用いた電気二
重層キャパシタの活性炭には比較的純度の高いものが用
いられることが多いが、全製造工程を不活性雰囲気中で
行うことは困難であり、活性炭の表面官能基は不可避的
に存在することになる。
【0008】活性炭の細孔中から水分や表面官能基を低
減するためには、真空中又は不活性ガス雰囲気中におい
て高温で活性炭を加熱処理することが必要とされる。し
かし、通常電極は活性炭粒子を有機ポリマー等のバイン
ダを用いて成形されて集電体上に形成されているため、
バインダの熱分解温度以下の温度でしか熱処理できず、
通常200℃程度以下の温度の熱処理しかできない。こ
のため、完全に水分や表面官能基を除去することは困難
であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、電気
二重層キャパシタの電極材料となる活性炭等の高比表面
積の炭素質材料の細孔中の水分や表面官能基を低減する
ことにより、耐電圧が高くエネルギ密度の高い有機電解
液系の電気二重層キャパシタの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、比表面積10
0〜3000m2/gの炭素質材料とバインダとを含む
電極を正極及び負極として有機電解液を含浸させる電気
二重層キャパシタの製造方法において、前記炭素質材料
を、有機電解液を含浸させる前にハロゲン置換脂肪族炭
化水素又はハロゲン置換脂肪族エーテルで表面処理する
ことを特徴とする電気二重層キャパシタの製造方法を提
供する。
【0011】また本発明は、比表面積100〜3000
2/gの炭素質材料とバインダとの混合物をシート状
に成形して電極として集電体に接合し、次いで前記電極
をハロゲン置換脂肪族炭化水素又はハロゲン置換脂肪族
エーテルと接触させて前記炭素質材料を表面処理し、得
られた電極を正極及び負極として有機電解液を含浸させ
ることを特徴とする電気二重層キャパシタの製造方法を
提供する。
【0012】さらに本発明は、比表面積100〜300
0m2/gの炭素質材料をバインダを含む液に分散させ
て塗工液を形成し、該塗工液を集電体に塗工して電極を
形成した後に、前記電極をハロゲン置換脂肪族炭化水素
又はハロゲン置換脂肪族エーテルと接触させて前記炭素
質材料を表面処理し、得られた電極を正極及び負極とし
て有機電解液を含浸させることを特徴とする電気二重層
キャパシタの製造方法を提供する。
【0013】本発明において使用されるハロゲン置換脂
肪族炭化水素又はハロゲン置換脂肪族エーテル(以下、
本処理剤という)は、気体状態でも液体状態でもよい。
本発明において炭素質材料を本処理剤で表面処理すると
は、具体的には本処理剤が気体状態(本処理剤自体が気
体又は液体を揮発させた蒸気の状態)の場合は、本処理
剤を含む雰囲気中に炭素質材料を曝露させることをい
う。また、液体状態(本処理剤自体が液体、又は本処理
剤を溶媒に溶解した状態)の場合は、炭素質材料に本処
理剤又はその溶液を浸漬させるか、又は噴霧することを
いう。
【0014】本発明では、炭素質材料を本処理剤で処理
した後、炭素質材料中に存在する本処理剤の一部又は全
部を除去することが好ましい。除去する方法としては、
加熱乾燥、減圧脱気、凍結乾燥等の方法が採用できる。
【0015】本発明では、乾燥等による本処理剤の除去
処理により、本処理剤の残存量が、炭素質材料に対して
5重量%以下とされることが好ましい。残存量が5重量
%より多いと電気二重層キャパシタの耐久劣化が大きく
なる。より好ましくは本処理剤の残存量は3重量%以下
である。
【0016】また、本処理剤を除去する工程は採用せず
に、炭素質材料に対し5重量%以下となるように、所定
量の本処理剤で炭素質材料を処理してもよい。具体的に
は例えば、炭素質材料と所定量の本処理剤を入れた密閉
容器とを減圧できる容器内に収容し、減圧できる容器を
減圧した後に密閉容器内の本処理剤を解放して炭素質材
料を処理する方法を採用することもできる。
【0017】本発明において、炭素質材料に吸着させる
本処理剤はハロゲン置換脂肪族炭化水素又はハロゲン置
換脂肪族エーテルであり、これらは直鎖状であっても分
岐状であってもよいが、直鎖状である方が好ましい。本
処理剤としては、具体的には例えば以下のものが使用で
きる。
【0018】ジフルオロクロロメタン、1,1−ジフル
オロ−2,2−ジクロロエタン、1,2−ジフルオロ−
1,2−ジクロロエタン、1,1−ジフルオロ−1,2
−ジクロロエタン、1,2−ジフルオロ−1,1−ジク
ロロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−ク
ロロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロ−2−ク
ロロエタン、1−フルオロ−1,2−ジクロロエタン、
1−フルオロ−1,1−ジクロロエタン(以下、HCF
C141bという)、2−フルオロ−1,1−ジクロロ
エタン、1,2−ジフルオロ−1−クロロエタン、1,
1−ジフルオロ−1−クロロエタン、1,1−ジフルオ
ロ−2−クロロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフ
ルオロ−3,3−ジクロロプロパン(以下、HCFC2
25caという)、1,1,2,2,3−ペンタフルオ
ロ−1,3−ジクロロプロパン(以下、HCFC225
cbという)等のハイドロクロロフルオロカーボン類。
【0019】トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、
ペンタフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオ
ロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、
1,1−ジフルオロエタン、1,2−ジフルオロエタ
ン、1,1,2−トリフルオロエタン、1,1,1−ト
リフルオロエタン、1,1,1,2,2,3,3−ヘプ
タフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3,3−ヘ
プタフルオロプロパン、1,1,1,2,2,3−ヘキ
サフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘキサ
フルオロプロパン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフ
ルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロプロパン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプ
ロパン、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパ
ン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、
1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,
1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,
2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンタ
ン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5−デカフ
ルオロペンタン、1,1,1,2,2,3,3,4,
5,5−デカフルオロペンタン、1,1,1,2,2,
3,4,4,5,5−デカフルオロペンタン、1,1,
1,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンタ
ン等のハイドロフルオロカーボン類。
【0020】メチル=(パーフルオロブチル)=エーテ
ル(CF3CF2CF2CF2OCH3。以下、HFE71
00という)、エチル=(パーフルオロブチル)=エー
テル(CF3CF2CF2CF2OCH2CH3)等のハイド
ロフルオロエーテル類。
【0021】パーフルオロメタン、パーフルオロエタ
ン、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタン、パー
フルオロペンタン、パーフルオロヘキサン、パーフルオ
ロシクロブタン、パーフルオロシクロペンタン等のパー
フルオロカーボン類。
【0022】本処理剤は単独の化合物を使用してもよ
く、2種以上の混合物を使用してもよく、炭素質材料に
よって適切なものが選定される。なかでも、炭素数が3
以上であるものが好ましく、具体的にはHCFC225
ca、HCFC225cb、パーフルオロプロパン、パ
ーフルオロブタン、パーフルオロペンタン、パーフルオ
ロヘキサン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロ
シクロペンタン等が好ましい。これらは高比表面積の炭
素質材料表面に比較的吸着しやすいと考えられ、長期使
用による電気二重層キャパシタの性能低下を抑制する効
果が大きい。
【0023】本発明における電極は、正極、負極とも電
解液との界面に電気二重層を形成する比表面積100〜
3000m2/gの炭素質材料を主体として含む。該炭
素質材料としては、フェノール等の樹脂系活性炭、やし
がら系活性炭、コークス系活性炭、ピッチ系の活性炭、
カーボンナノチューブ、カーボンエアロゲル、カーボン
ブラック、ポリアセン等が好ましく使用できる。
【0024】本発明における電極は、上に挙げた炭素質
材料の1種以上にバインダを加えて形成されることが好
ましい。特に、炭素質材料にポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデン等のバインダを加えてシート
状に成形して集電体に接合するか、又は前記バインダを
含む液に炭素質材料を分散させて得られる塗工液を集電
体上に塗工して形成されることが好ましい。
【0025】本発明において、炭素質材料に対する本処
理剤による処理は、炭素質材料を含む電極が上記のよう
にして集電体上に形成された後に行うことが好ましい。
炭素質材料をバインダを用いてシート状に成形するとき
は加工助剤となる溶媒が必要である。また、炭素質材料
とバインダとを含む塗工液により集電体上に塗工して電
極を形成する場合も塗工液には溶媒が含まれる。したが
って、電極形成後に本処理剤で処理すれば、バインダや
溶媒等に含まれる不純物の影響も低減できるので好まし
い。
【0026】また、電極の成形に使用するバインダや溶
媒に含まれる不純物の影響が少ない場合は、あらかじめ
炭素質材料を本処理剤で処理した後に、バインダ等を加
えてシート状に成形して集電体に接合、又は本処理剤で
表面処理した炭素質材料と前記バインダとを含む液を集
電体上に塗工して成形してなる電極と集電体が一体化し
た電極体を用いてキャパシタを製造してもよい。
【0027】本発明における作用原理は必ずしも明確で
はないが、以下のように考えられる。炭素質材料の細孔
内壁には表面官能基等が存在しており、これが電気二重
層キャパシタの作動に何らかの影響を与えている。表面
官能基等は炭素質材料の細孔の深部の微細孔内にも存在
しており、電圧印加中に電解液や溶媒と反応してガス等
を発生して微細孔内に蓄積すると考えられる。
【0028】炭素質材料との親和性が良くないものはこ
のような微細孔には到達しにくいが、本発明における本
処理剤は細孔を有する炭素質材料への吸着性が高く、微
細孔内にも進入できると考えられる。微細孔内で本処理
剤は表面官能基等に何らかの作用をし、電圧印加による
劣化を抑制していると考えられる。また、微細孔内には
加熱処理等によっては除去されずに残存する水分も存在
するが、この水分も細孔内から追い出す効果があると考
えられる。
【0029】また、活性炭表面への吸着力はファンデル
ワールス力の分散力が主であると考えられており、分子
サイズが大きいほど強い吸着力を示す。炭素数は分子サ
イズに大きく影響するので、炭素数の多いものほど強い
吸着性が期待でき、残存水分の追い出しがより効果的に
行えると考えられる。以上より、本処理剤には表面官能
基等と電解液や溶媒との反応の抑制や、細孔内の残留水
分の電気分解の抑制の効果があり、電気二重層キャパシ
タの長期使用による劣化を抑制する作用があるものと推
定される。
【0030】しかし、炭素質材料中の本処理剤の残存量
が多すぎると劣化は促進される。これは表面官能基等に
作用しない本処理剤が残っていると、分解等の反応に関
与するためと推定される。
【0031】本発明において、電気二重層形成のために
有機電解液中に含まれる溶質は、電気伝導性、溶解度、
電気化学的安定性の点で第4級オニウム塩が好ましい。
特にR1234+又はR1234+(R1、R2
3、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基又
は炭素数6〜10のアリール基である。)で表されるカ
チオンを有することが好ましく、特に前記カチオンとB
4 -、PF6 -、CF3SO3 -、AsF6 -、N(SO2CF
32 -、ClO4 -等のアニオンとからなる塩が好まし
い。
【0032】電解液中の上記オニウム塩の濃度は、電気
二重層形成に必要なイオン量を確保し、充分な電気伝導
性を得る目的から、0.5mol/L以上であることが
好ましく、特に1.0mol/L以上であることが好ま
しい。
【0033】有機電解液に使用される有機溶媒として
は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、
ブチレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチル
カーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート等の直鎖状カーボネート、スルホラン、メチ
ルスルホラン、及びアセトニトリル、グルタロニトリル
等のニトリルからなる群から選ばれる1種以上の溶媒が
好ましい。
【0034】本発明において正極と負極との間に介在さ
せるセパレータは特に限定されないが、電気絶縁性と電
解液に対する化学的安定性に優れ、かつ電解液の吸液量
が多くて保液性に優れる多孔質材料からなることが好ま
しい。具体的には、ガラス繊維、シリカファイバ、アル
ミナファイバ、及びこれらのウィスカ等の無機繊維や、
マニラ麻等の天然繊維、ポリオレフィン、ポリエステル
等の合成繊維等の有機繊維からなることが好ましく、こ
れらの繊維を抄造してなるシートが好ましい。また、ポ
リオレフィン、ポリエステル等からなるフィルムに延伸
操作によって微孔を設けたマイクロポーラスフィルムも
好ましい。
【0035】本発明の電気二重層キャパシタの構造は特
に限定されず、円盤状の正極及び負極をセパレータを介
して対向させ電解液を含浸させたコイン型構造、矩形状
の正極と負極とをセパレータを介して複数交互に積層
し、電解液を含浸させて角型ケースに収容してなる積層
型構造、一対の帯状の正極と負極とをセパレータを介し
て対向させて巻回し、電解液を含浸させて円筒型ケース
に収容してなる巻回型構造等いずれも好ましく採用でき
る。
【0036】
【実施例】次に、実施例(例1〜5、7、8)及び比較
例(例6)により本発明をさらに具体的に説明するが、
本発明はこれらにより限定されない。
【0037】[例1〜6]比表面積1800m2/g、
平均粒径10μmの高純度フェノール樹脂系活性炭粉末
80重量部、導電材としてカーボンブラック10重量部
及びバインダとしてポリテトラフルオロエチレン粉末1
0重量部を混合し、エタノールを滴下しながら混練し、
ロール圧延した後200℃で30分乾燥してエタノール
を除去して厚さ140μmの電極シートを作製した。
【0038】リード引き出し部を有する厚さ40μmの
アルミニウム箔集電体の幅6cm、長さ13cmの部分
の両面に、導電性接着剤を用いて上記電極シートを接合
し、さらにロールプレスして電極と集電体とが一体化さ
れた厚さ330μmの電極体を作製し、これを正極体及
び負極体とした。
【0039】上記正極体18枚と上記負極体18枚とを
アルミニウム製金属ケースに挿入し、ケース内に表1に
示す各フッ素置換脂肪族炭化水素からなる処理剤を注い
だ。次いで、このケースを密閉容器内に入れ、容器内を
真空ポンプを用いて減圧し、液体状態の処理剤を活性炭
に含浸させた。含浸後の素子体を表1に示す温度で大気
中で20時間の加熱処理を行った。なお、例6に使用す
る正極体と負極体にはこの処理を行わなかった。なお、
表1において、HCFC225とは、HCFC225c
aとHCFC225cbを、重量比で1:1の割合で混
合した混合物を示す。
【0040】ガラス繊維抄造シートを幅6.6cm、長
さ13.6cmの長方形状に打ち抜いてセパレータと
し、上記の正極体18枚と負極体18枚とをセパレータ
を介して交互に積層し、素子体を得た。
【0041】この素子体を高さ15cm、幅7cm、厚
さ2.2cmの有底角型のアルミニウム製金属ケースに
挿入した。次いでアルミニウム蓋体に絶縁されつつ気密
に取り付けられた正極端子と負極端子に正極、負極の電
極リードをそれぞれまとめて超音波溶接した。その後、
前記蓋体を前記金属ケースの開口部にはめ込み、周辺部
をレーザー溶接して封口した。なお、この蓋体は電解液
の注液口となる小孔を有している。
【0042】素子体を含む封口したケースを真空中で2
00℃で72時間の乾燥を行った。乾燥後の重量減から
求めたケース内に含まれる活性炭に対する処理剤の残存
量の炭素質材料に対する重量割合を表1に示す。次にド
ライボックス中(露点−50℃)にケースを入れ、ケー
ス内部を減圧し、大気圧で1.5mol/Lの(C
253(CH3)NBF4を溶解したプロピレンカーボ
ネート溶液を電解液として注液した。注液後のセルに
2.9Vの電圧を72時間印加し、注液孔に栓をして密
閉し、例1〜6の電気二重層キャパシタを作製した。
【0043】得られた各電気二重層キャパシタの初期の
放電容量を測定した後、性能信頼性の加速試験として、
各キャパシタを45℃の恒温槽中にて2.8Vの電圧を
印加しながら1000時間保持し、耐久試験を実施し
た。耐久試験後の放電容量と初期特性に対する耐久試験
後の容量維持率を算出した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】[例7]例1と同様にして、処理剤で表面
処理する前の時点の正極体及び負極体を得た。次に、ガ
ラス繊維抄造シートを幅6.6cm、長さ13.6cm
の長方形状に打ち抜いてセパレータとし、上記の正極体
18枚と上記負極体18枚とをセパレータを介して交互
に積層し、素子体を得た。
【0046】この素子体を高さ15cm、幅7cm、厚
さ2.2cmの有底角型のアルミニウム製金属ケースに
挿入した。次いでアルミニウム蓋体に絶縁されつつ気密
に取り付けられた正極端子と負極端子に正極、負極の電
極リードをそれぞれまとめて超音波溶接した。その後、
前記蓋体を前記金属ケースの開口部にはめ込み、周辺部
をレーザー溶接して封口した。なお、この蓋体は電解液
の注液口となる小孔を有している。素子体を含む封口し
たケースを真空中で200℃で72時間乾燥した。
【0047】乾燥後の素子を含んだケースをドライボッ
クス中(露点−50℃)に入れ、さらにドライボックス
中の減圧できる密閉容器の中に配置した。密閉容器を減
圧し、排気弁を閉じた後、HCFC225caとHCF
C225cbとの重量比で1:1の混合物の蒸気を所定
量容器内に供給した。素子を含んだケースの重量が増加
し、重量増は素子に含まれる活性炭の重量に対して1重
量%であった。
【0048】次にケース内部を注液孔から減圧し、大気
圧で1.5mol/Lの(C25 3(CH3)NBF4
を溶解したプロピレンカーボネート溶液を電解液として
注液した。注液後のセルに2.9Vの電圧を72時間印
加し、注液孔に栓をして密閉して電気二重層キャパシタ
を作製した。上記電気二重層キャパシタを用いて例1と
同様に評価したところ、1000時間後の容量維持率は
67%であった。
【0049】[例8]比表面積1800m2/g、平均
粒径10μmの高純度フェノール樹脂系活性炭を、HC
FC225caとHCFC225cbとの重量比で1:
1の混合物中に72時間浸漬した。浸漬後、200℃で
24時間の加熱処理を行った。
【0050】この活性炭の粉末をフェノール樹脂系活性
炭粉末のかわりに使用した以外は例6と同様にして電気
二重層キャパシタを作製した。上記電気二重層キャパシ
タを用いて例1と同様に評価したところ、1000時間
後の容量維持率は63%であった。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、電気二重層キャパシタ
の耐電圧を高めることができ、高電圧を印加しても長期
的に性能信頼性に優れ、かつエネルギ密度の高い電気二
重層キャパシタが得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比表面積100〜3000m2/gの炭素
    質材料とバインダとを含む電極を正極及び負極として有
    機電解液を含浸させる電気二重層キャパシタの製造方法
    において、前記炭素質材料を、有機電解液を含浸させる
    前にハロゲン置換脂肪族炭化水素又はハロゲン置換脂肪
    族エーテルで表面処理することを特徴とする電気二重層
    キャパシタの製造方法。
  2. 【請求項2】比表面積100〜3000m2/gの炭素
    質材料とバインダとの混合物をシート状に成形して電極
    として集電体に接合し、次いで前記電極をハロゲン置換
    脂肪族炭化水素又はハロゲン置換脂肪族エーテルと接触
    させて前記炭素質材料を表面処理し、得られた電極を正
    極及び負極として有機電解液を含浸させることを特徴と
    する電気二重層キャパシタの製造方法。
  3. 【請求項3】比表面積100〜3000m2/gの炭素
    質材料をバインダを含む液に分散させて塗工液を形成
    し、該塗工液を集電体に塗工して電極を形成した後に、
    前記電極をハロゲン置換脂肪族炭化水素又はハロゲン置
    換脂肪族エーテルと接触させて前記炭素質材料を表面処
    理し、得られた電極を正極及び負極として有機電解液を
    含浸させることを特徴とする電気二重層キャパシタの製
    造方法。
  4. 【請求項4】前記炭素質材料は、ハロゲン置換脂肪族炭
    化水素又はハロゲン置換脂肪族エーテルで表面処理した
    後、前記ハロゲン置換脂肪族炭化水素又は前記ハロゲン
    置換脂肪族エーテルを一部除去して残存する前記ハロゲ
    ン置換脂肪族炭化水素又は前記ハロゲン置換脂肪族エー
    テルの量が炭素質材料に対して5重量%以下とされる請
    求項1、2、又は3に記載の電気二重層キャパシタの製
    造方法。
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