JP2001042537A - 平版印刷版用支持体及びその製造方法 - Google Patents

平版印刷版用支持体及びその製造方法

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JP2001042537A
JP2001042537A JP11213978A JP21397899A JP2001042537A JP 2001042537 A JP2001042537 A JP 2001042537A JP 11213978 A JP11213978 A JP 11213978A JP 21397899 A JP21397899 A JP 21397899A JP 2001042537 A JP2001042537 A JP 2001042537A
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oxide layer
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film
layer
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Tadashi Endo
正 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリル樹脂またはウレタン樹脂とジアゾ樹
脂とからなるネガ型画像形成層等やクレゾールノボラッ
ク樹脂とジアゾ化合物とからなるポジ型画像形成層等の
場合には現像時の残膜が発生せず、またフォトポリマー
タイプのネガ型光重合性画像形成層を塗設した場合には
強固な感光層と支持体の密着力によってより高感度でか
つ多量の印刷を行っても細線やハイライト網点が飛ばな
い平版印刷版用支持体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウムまたはその合金上に、アル
ミニウムの陽極酸化皮膜及びアルミニウムの陽極酸化皮
膜とは異なる無機酸化物層がこの順に存在する平版印刷
版用支持体において、該陽極酸化皮膜と該無機酸化物層
の間に該無機酸化物層の主成分である無機物とアルミニ
ウムとからなる複合酸化物層が存在することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用支持
体に関するものであり、特に十分な表面強度を持ち、平
版印刷版とした場合、汚れ性と画像部における画像形成
層の密着性とに優れる平版印刷版用支持体及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、平版印刷版用支持体として
は、印刷時の保水性を得るためアルミニウム板を機械的
もしくは電気化学的に粗面化し、取扱い時及び印刷時の
傷つきを防ぐために支持体表面強度を陽極酸化処理によ
って向上させたものが多用されてきた。しかし、十分な
表面強度を得るためには陽極酸化皮膜を厚くする必要が
あるが、そうすると該陽極酸化皮膜の表面に凹凸が現れ
該皮膜の表面積が増加してしまうため、アクリル樹脂ま
たはウレタン樹脂とジアゾ樹脂とからなるネガ型画像形
成層等を塗設した場合やクレゾールノボラック樹脂とジ
アゾ化合物とからなるポジ型画像形成層等を塗設した場
合には、現像時の残膜が多量に発生し印刷時の汚れとな
ってしまう欠点があった。この問題を解決するため残膜
対策としては種々の下塗り剤が実施されているが未だ十
分なものは得られていない。また直接レーザー書き込み
可能なフォトポリマータイプのネガ型光重合性画像形成
層を塗設した場合には印刷時に画像部、特にハイライト
部分の画像部分の密着性が不十分なため印刷枚数が増え
るにつれてハイライト網点が消失していく欠点があっ
た。この密着性を向上させるために燐酸陽極酸化処理や
官能基を持つ下塗り層の検討がなされてきたが、十分な
密着性を確保すると印刷時の汚れが大幅に劣化してしま
い、現状では汚れと密着性の両立は十分できているとは
言い難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、アクリル樹脂またはウレタン樹脂とジアゾ樹脂とか
らなるネガ型画像形成層等やクレゾールノボラック樹脂
とジアゾ化合物とからなるポジ型画像形成層等の場合に
は現像時の残膜が発生せず、またフォトポリマータイプ
のネガ型光重合性画像形成層を塗設した場合には強固な
感光層と支持体の密着力によってより高感度でかつ多量
の印刷を行っても細線やハイライト網点が飛ばない平版
印刷版用支持体およびその製造方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記従来
の技術の問題点を解決し、上記目的を達成すべく鋭意検
討を重ねた結果、アルミニウムまたはその合金上に、無
機酸化物層を形成した後、陽極酸化処理することにより
得られる平版印刷版用支持体が優れた効果があることを
見出し本発明を完成するに至った。
【0005】即ち本発明は、以下の通りである。 (1)アルミニウムまたはその合金上に、アルミニウム
の陽極酸化皮膜及びアルミニウムの陽極酸化皮膜とは異
なる無機酸化物層がこの順に存在する平版印刷版用支持
体において、該陽極酸化皮膜と該無機酸化物層の間に該
無機酸化物層の主成分である無機物とアルミニウムとか
らなる複合酸化物層が存在することを特徴とする平版印
刷版用支持体。 (2)アルミニウムまたはその合金上に結晶構造を有す
る少なくとも1種類の無機酸化物層を形成し、その後陽
極酸化処理することを特徴とする平版印刷版用支持体の
製造方法。
【0006】本発明の平版印刷版用支持体は、陽極酸化
皮膜によってその表面強度が付与されると同時に、該皮
膜の上に、無機酸化物層を有することにより、従来の陽
極酸化皮膜が有する表面の凹凸を覆い、該支持体表面を
比較的平滑にすると考えられる。これによって、アクリ
ル樹脂またはウレタン樹脂とジアゾ樹脂とからなるネガ
型画像形成層等やクレゾール樹脂とジアゾ化合物からな
るポジ型画像形成層等を塗説設した場合でも現像時の残
膜が発生しなくなる。またまたフォトポリマータイプの
ネガ型光重合性画像形成層を塗設した場合には、該無機
酸化物層と画像部における画像形成層とが化学的に親和
性を有すると考えられるため、これらの間に強固な密着
性が付与される。
【0007】また、該陽極酸化皮膜と該無機酸化物層
は、その間に存在する陽極酸化皮膜と無機酸化物とから
なる複合酸化物層によって、強固な密着性を有するもの
と考えられる。更に、上述の本発明の平版印刷版用支持
体は、アルミニウムまたはその合金上に結晶構造を有す
る少なくとも1種類の無機酸化物層を形成し、その後陽
極酸化処理することにより製造することができる。上記
の方法ではアルミニウムまたはその合金上に無機酸化物
層を形成した後、液中で陽極酸化処理を行うことによ
り、酸素イオン(O2-)が該無機酸化物層の表面からそ
の中に透過して入り込み、該無機酸化物層とアルミニウ
ムまたはその合金との界面で陽極酸化皮膜が形成され、
次いで、該無機酸化物層と該陽極酸化皮膜との界面でこ
れらの複合酸化物層が形成される。上記のような製造方
法でなければ、無機酸化物層と陽極酸化皮膜との間に該
複合酸化物層を形成することができず、得られる平版印
刷版用支持体も無機酸化物層と陽極酸化皮膜との間の密
着性が弱いものとなる。そのため、該無機酸化物層は酸
素イオンが透過できるような結晶構造を有するものでな
ければならない。
【0008】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法に
おいて陽極酸化処理を行う場合には、アルミニウム等の
表面に直接に陽極酸化処理を行う場合と同様の電流密度
になるように電圧を印加すればよい。但し、アルミニウ
ム等の表面に直接に陽極酸化処理を行う場合の印加電圧
は通常10〜20Vであるが、本発明では、無機酸化物
層の皮膜抵抗により、上記と同じ電流密度とするために
は、20〜500Vの比較的高い電圧を印加する必要が
ある。
【0009】
【発明実施の形態】以下、本発明について詳細に説明す
る。本発明による平版印刷版用支持体及びその製造方法
は、アルミニウムまたはその合金上に結晶構造を有する
少なくとも1種類の無機酸化物層を形成し、その後陽極
酸化処理することを特徴とする。
【0010】〔無機酸化物層の形成〕後述のアルミニウ
ムまたはその合金上に無機酸化物層を形成する。好まし
くはAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、
Ni、Zn、Zr、Nb、W、Biから選ばれる少なく
とも一種類の結晶構造を有する無機酸化物層であること
が望ましい。形成方法は、特に限定しないが、例えば、
蒸着、スパッターリング、イオンプレーティング、ゾル
ゲルコーティング、ドクターブレード、圧着、金属また
は有機金属の高温酸化、CVD、LPD、等が考えられ
る。形成される皮膜量としては厚さが50nm〜20μ
mの範囲が適当であり、好ましくは60nm〜10μm
である。上記の厚さが50nmより少ないと十分な残膜
防止効果及び密着性向上効果が得られず、また、20μ
mより大きいとその後の陽極酸化時の電圧が極めて大き
くなって同一面内でも均一な皮膜ができにくくなり、ま
た実用上生産性の点からコストアップになり、共に不適
である。
【0011】〔陽極酸化処理〕上記のようにして処理さ
れ無機酸化物層を形成したアルミニウムまたはその合金
の基板は、次いで、陽極酸化処理が施される。陽極酸化
処理に用いられる電解質としては、硫酸、燐酸、シュウ
酸もしくは硼酸/硼酸ナトリウムの水溶液が単独もしく
は複数種類組み合わせて電解浴の主成分として用いられ
る。この際、電解液中に少なくともAl合金板、電極、
水道水、地下水等に通常含まれる成分はもちろん含まれ
ても構わない。さらには第2、第3成分が添加されてい
ても構わない。ここでいう第2、3成分とは、例えばN
a、K、Mg、Li、Ca、Ti、Al、V、Cr、M
n、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属のイオンや
アンモニウムイオン等の陽イオンや、硝酸イオン、炭酸
イオン、塩素イオン、リン酸イオン、フッ素イオン、亜
硫酸イオン、チタン酸イオン、ケイ酸イオン、硼酸イオ
ン等の陰イオンが挙げられ、その濃度としては0〜10
000ppm程度含まれても良い。
【0012】陽極酸化処理の条件に特に限定はないが、
好ましくは30〜500g/l、処理液温10〜70
℃、電流密度0.1〜40A/m2 の範囲である。形成
される陽極酸化皮膜量は陽極酸化の前に存在する無機酸
化物層の厚みに依存し、無機酸化物層を含めた全皮膜の
厚さとして100nm〜25μm程度の範囲である。好
ましくは500nm〜5μmの範囲である。上記の厚さ
が100nmより少ないと十分な耐傷性が得られない、
また、25μmより大きいと同一面内の皮膜量が不均一
となってムラの原因となり、場合によってはアルミエッ
ジ部に電流が集中してヤケと呼ばれる皮膜欠陥が発生
し、更に生産時の電解電力が大きくなりコストアップ要
因にもなるため、陽極酸化皮膜の厚さとして上記範囲外
は共に不適である。
【0013】無機酸化物層が存在する状態で陽極酸化処
理すると、アルミニウムの陽極酸化皮膜が無機酸化物層
と金属アルミニウムの間に成長していく。この際、生成
した陽極酸化皮膜と既存の酸化物層との界面に複合酸化
物層が生成することが知られており、この複合酸化物層
が全酸化物層厚さの5%以上有ることが望ましい。この
複合酸化物層の厚さが薄すぎると無機酸化物層と陽極酸
化皮膜との密着性が低下し十分な強度が得られないため
である。
【0014】以下に本発明の平版印刷版用支持体に使用
されるアルミニウムまたはその合金板について詳しく述
べる。 〔アルミニウムまたはその合金〕寸度的に安定なアルミ
ニウムを主成分とする金属であり、純アルミニウム板の
他、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合
金板、又はアルミニウム(合金)がラミネートもしくは
蒸着されたプラスチックフィルム又は紙の中から選ばれ
る。
【0015】以下の説明において、上記に挙げたアルミ
ニウムまたはアルミニウム合金からなる基板をアルミニ
ウム基板と総称して用いる。前記アルミニウム合金に含
まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネ
シウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンな
どがあり、合金中の異元素の含有量は10重量%以下で
ある。本発明では純アルミニウム板が好適であるが、完
全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難である
ので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このよう
に本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特
定されるものではなく、従来より公知公用の素材のも
の、例えばJIS A 1050、JIS A 1100、JISA 3103、JIS A
3005などを適宜利用することが出来る。また、本発明
に用いられるアルミニウム基板の厚みは、およそ0.1
mm〜0.6mm程度である。この厚みは印刷機の大き
さ、印刷版の大きさ及びユーザーの希望により適宜変更
することができる。アルミニウム基板には適宜必要に応
じて後述の基板表面処理が施されてもよい。もちろん施
されなくてもよい。
【0016】砂目立て処理方法は、特開昭56−288
93号に開示されているような機械的砂目立て、化学的
エッチング、電解グレインなどがある。さらに塩酸また
は硝酸電解液中で電気化学的に砂目立てする電気化学的
砂目立て方法、及びアルミニウム表面を金属ワイヤーで
ひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤で
アルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、ナ
イロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレ
イン法のような機械的砂目立て法を用いることができ、
上記砂目立て方法を単独あるいは組み合わせて用いるこ
ともできる。その中でも粗面化に有用に使用される方法
は塩酸または硝酸電解液中で化学的に砂目立てする電気
化学的方法であり、適する陽極時電気量は50C/dm
2 〜400C/dm2 の範囲である。さらに具体的に
は、0.1〜50%の塩酸または硝酸を含む電解液中、
温度20〜80℃、時間1秒〜30分、電流密度100
C/dm2 〜400C/dm2 の条件で電解を行うこと
が好ましい。
【0017】このように砂目立て処理したアルミニウム
基板は、酸またはアルカリにより化学的にエッチングさ
れてもよい。好適に用いられるエッチング剤は、苛性ソ
ーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソー
ダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等
であり、濃度と温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50
%、20〜100℃である。エッチングのあと表面に残
留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行わ
れる。用いられる酸は硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、
フッ酸、ホウフッ化水素酸等が用いられる。特に電気化
学的粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好
ましくは特開昭53−12739号公報に記載されてい
るような50〜90℃の温度の15〜65重量%の硫酸
と接触させる方法及び特公昭48−28123号公報に
記載されているアルカリエッチングする方法が挙げられ
る。
【0018】上記のようにして作成された本発明の平版
印刷版用支持体上に、必要に応じて、下記の感光性組成
物または感熱性組成物よりなる画像形成層を設けて、平
版印刷版用原版を得る。 〔画像形成層〕アクリル樹脂またはウレタン樹脂とジア
ゾ樹脂とからなるネガ型感光性平版印刷版用の画像形成
層として、例えば、特開平10−20506、特開平6
−5984、特開平5−197137、特開平7−28
1425、特開平8−254825、特開平7−295
212、等が挙げられる。またクレゾールノボラック樹
脂またはフェノール樹脂とジアゾ化合物とからなるポジ
型感光性平版印刷版用画像形成層として、例えば、特公
平7−120039、120040、120041、特
開平11−65109、特願平10−240533、特
願平10−284500、特開平11−84674、特
開平10−282645、特開平8−146596、等
が挙げられる。
【0019】さらにサーマルタイプのレーザー直描型平
版印刷版用画像形成層として、例えば、特開平9−22
2737、特開平9−90610、特開平9−8724
5、特開平9−43845、特開平7−306528、
特願平10−229099等が挙げられる。熱変化を伴
う無処理刷版用画像形成層としては、例えば、特開平1
1−95421、特開平11−84658、特開平11
−30867、特開平11−65106、特開平10−
282672、221842、等が挙げられる。他方、
フォトポリマータイプのネガ型光重合性画像形成層をも
つレーザー直描型感光性平版印刷版においては例えば、
特開平8−320551、特開平10−237118、
特開平10−161317、特開平10−28267
9、特開平11−65109、特願平9−28509
5、特願平11−68247、特願平11−2691
1、特開平10−282682、282679、161
317、等に記載の画像形成層が挙げられる。
【0020】
〔粗面化処理〕
(粗面化処理1)厚さ0.24mmの幅1030mmの
JIS1050アルミニウム板を用いて以下の処理を連
続しでおこなった。比重1.12の研磨剤(珪砂:平均
粒径24μm、粒径範囲1〜100μm内に体積分率で
90%以上含む)と水の懸濁液を研磨スラリー液として
アルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ
ー状ナイロンブラシにより機械的な粗面化をおこなっ
た。ナイロンブラシの材質は6〜10ナイロンを使用
し、毛長50mm、毛の直径は0.48mmであった。
ナイロンブラシはΦ300mmのステンレス製の筒に穴
をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使
用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(Φ200m
m)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラ
シを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをア
ルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kwプ
ラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアル
ミニウム板の移動方向と同じであった。
【0021】上記アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26
重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%、液温7
5℃でスプレーによるエッチング処理をおこない、アル
ミニウム板を15g/m2 溶解した。その後スプレーに
よる水洗をおこなった。液温30℃の硝酸濃度1重量%
水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む)で、
スプレーによるデスマット処理をおこない、その後スプ
レーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液
は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を
おこなう工程の廃液を用いた。周波数60Hzの交流電
流を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。
このときの電解液は、硝酸1重量%水溶液(アルミニウ
ムイオン0.5重量%、アンモニウムイオン0.007
重量%含む)、液温35℃であった。交流電源波形は電
流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが2ms
ec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、
カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行
った。電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和
で250C/dm2 であった、その後、スプレーによる
水洗をおこなった。
【0022】更に、上記アルミニウム板を苛性ソーダ濃
度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%で
スプレーによるエッチング処理をおこない、アルミニウ
ム板を、0.3g/m2 だけ溶解し、前段の交流を用い
て電気化学的な粗面化をおこなったときに生成した水酸
化アルミニウムを主体となるスマット成分の除去と、生
成したピットのエッジ部分を溶解し、エッジ部分を滑ら
かにした。その後スプレーで水洗した。液温60℃の硫
酸濃度25重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5
重量%含む)で、スプレーによるデスマット処理をおこ
ない、その後スプレーによる水洗をおこなった。
【0023】(粗面化処理2)ナイロンブラシによる機
械的粗面化をしないこと以外は粗面化処理1と同様に処
理した。
【0024】〔無機酸化物層〕 (Zr酸化物層:(A))ジルコニウムテトラ−n−ブ
トキシド、ジエチレングリコール、脱イオン水、脱水エ
タノールを1:2:2:50の比率で混合した溶液を基
板上に180rpmでスピンコーティングにより塗設し
200℃で30分乾燥した。スピンコート、乾燥を3回
繰り返しジルコニウムの酸化物層を得た。酸化物層の厚
みは破断面の観察から100nmであった.
【0025】(Al酸化物層:(B))アルミニウムト
リイソプロポキシド:トルエン:アセチルアセトンを重
量比2:39:1に調整し、室温で1時間スターラーで
攪拌して反応させ、水酸基を有する無機粒子の粒子径を
約50オングストローム以下に制御した。この溶液を基
板上に回転塗布法により塗布し、その後、温度100℃
で10分間熱処理した。酸化物層の厚みは破断面の観察
から200nmであった。
【0026】(Si酸化物層:(C))テトラエトキシ
シラン:エタノール:水:硝酸を重量比10:73:
2:0.1に調整し、室温で4時間スターラーで攪拌し
て反応させることにより形成し、無機粒子の粒子径を約
30オングストローム以下に制御したものである。この
溶液を基板上に回転塗布法により塗布し、その後、温度
100℃で10分間熱処理した。酸化物層の厚みは破断
面の観察から150nmであった。
【0027】(Ti酸化物層:(D))四塩化チタン6
0%溶液5ccを蒸留水で500ccとした溶液にアン
モニア水(1:9)を滴下し、水酸化チタンを沈殿させ
て蒸留水で洗浄後、過酸化水素水30%溶液を10cc
加えかき混ぜ、チタンを含む黄色粘性液体(ゾル溶液)
70ccを作製する。この溶液を基板上に回転塗布法に
より塗布し、その後、温度200℃で10分間熱処理し
た。酸化物層の厚みは破断面の観察から300nmであ
った。
【0028】〔陽極酸化処理〕 (陽極酸化処理:S方法)液温35℃の硫酸濃度15重
量%水溶液(アルミニニウムイオンを0.5重量%含
む)で、直流電源を用い、電流密度5A/dm2 で全皮
膜厚さの合計が1.0μmとなるように適切な電解時間
を選択して陽極酸化処理をおこなった。なお皮膜厚さ
は、皮膜の破断面を2〜10万倍の適切な倍率でSEM
観察し求めた。
【0029】(陽極酸化処理:B方法)液温20℃の
0.5M−H3 BO3 /0.05M−Na2 4 7
液(pH=7.4)で、10A/dm2 の条件で全皮膜
厚さの合計が0.6μmになるように陽極酸化処理をお
こなった。皮膜厚さは上記と同様にSEM観察で求め
た。
【0030】〔複合酸化物層の確認方法〕無機酸化物層
が形成された後に陽極酸化処理を実施した場合の支持体
表面について、X線光電子分光法により適切な真空中で
アルゴンイオンエッチングしながら、アルミニウム及び
該当する無機酸化物を構成する酸素以外の無機物、そし
て酸素の各ピーク強度をモニターして皮膜の深さ方向の
層構成を測定した。測定初期には最上部を構成する無機
物と酸素のピークが大きく、次に、複合酸化物層に達す
るとアルミニウムと該無機物と酸素のピークが大きく検
出され、更にエッチングされて陽極酸化皮膜に達すると
アルミニウムと酸素のピークが大きく検出され、最後に
下地のアルミニウムに達するとアルミニウムのピークの
みが大きく検出されるようになる。
【0031】測定開始から下地のアルミニウムに達する
までのエッチング時間と別途破断面から求めた皮膜厚さ
よりエッチング速度を求めて、明確に無機酸化物層と判
断できてそのピーク強度が小さくなり始める時から明確
に陽極酸化皮膜と判断できるピーク強度が頭打ち状態と
なった時までのエッチング時間から求められる皮膜厚さ
を複合酸化物層の厚さとした。但し無機酸化物層がアル
ミナゾルゲル膜の場合には陽極酸化皮膜のアルミニウム
と上記方法では判断できないので100000〜300
000倍のSEM破断面観察における形状変化から判断
される界面の幅から求めた。
【0032】〔画像形成層〕 (画像形成層:a)下記の下塗り液を固形分として6.
5mg/m2の塗布量となるように塗設し、100℃で20
秒間乾燥した。その後、次の感光液1をロッドコーティ
ングで24ml/m2 塗設し、100℃で1分間乾燥し
てポジ型感光性平版印刷版を得た。乾燥後の塗布量は約
1.25g/m2であった。
【0033】 (下塗り液(中間層)) 純水 1g メチルアルコール 99g 下記化合物 0.137g
【0034】
【化1】
【0035】 (感光液1) 1,2一ジアゾナフトキノンー5−スルホニルクロリドと 0.90g ピロガロールーアセトン樹脂とのエステル化物(米国 特許第3,635,709号明細書の実施例1に記載さ れているもの) 重量平均分子量8000のフェノール/p一クレゾール・ アルデヒド樹脂(フェノール/p一クレゾールモル比: 5/5、未反応のクレゾールを0.7%g合有) 1.60g m−クレゾールーホルムアルデヒドノボラック樹脂(重量 平均分子量1,700、数平均分子量600、未反応のク レゾールを1%合有) 0.30g P−ノルマルオクチルフェノールーホルムアルデヒド樹脂 0.02g (米国特許第4,123,279 号明細書に記載されているもの) ナフトキノンジアジド-1,2- ジアジド 0.01g -4-スルホン酸クロライド テトラヒドロ無水フタル酸 0.02g 黄色染料(クルクミン) 0.01g ビクトリアピュアブルーBOH〔保土谷化学(株)製〕の 0.05g 対アニオンを1−ナフタレンスルホン酸に変えた染料 メガファク F-177(大日本インキ化学工業(株)製, 0.01g フッ素系界面活性剤) メチルエチルケトン 30 g
【0036】このようににして塗布されたプレートの上
に特公昭61−28986号公報実施例1に記載の方法
に基づいて、(メチルメタクリレート/エチルアクリレ
ート/アクリル酸ソーダ:68/20/12)の共重合
体水溶液100gに対しタートラジン0.1gを溶解し
静電スプレーすることによりマット層を設けた。こうし
て得られた感光性平版印刷版を光源として2KWメタル
ハライドランプ(岩崎電気社製アイドルフィン)を使用
し、富士写真フイルム(株)製ステップガイドで4段ク
リアとなるように露光時間を調整した。露光後、上記印
刷版の平視画像性を目視評価したのち、現像液としてS
i02/Na2Oのモル比が1.74の珪酸ナトリウムの
5.26%水溶液(PH=12.7)(例えば富士写真
フイルム製PS版現像液DP−4の1:8水希釈液)
を、またフィニッシャー液として富士写真フイルム
(株)製FP−2W(1:1)を仕込んだ富士写真フイ
ルム(株)製自動現像機スタブロン900Vに通して処
理した。
【0037】上記に説明したように画像形成した後、ベ
タ画像部分に富士写真フイルム(株)製ポジ消去液RP
−1Sをのせ25℃で1分間経ってから水洗した消去部
分と現像処理による非画像部分とのバインダー残存量の
違いを280nmでの拡散反射による吸光度の差として
求めこれを残膜の指標とした。
【0038】(画像形成層:b)下記に示す組成物(感
光液2)を乾燥後の塗布重量が2.5〔g/m2〕となる
ように塗布、乾燥して画像形成層を設けた。
【0039】 (感光液2) ・下記に示す合成方法で得られたポリウレタン樹脂(a) 5g ・4−ジアゾフェニルアミンとホルムアルデヒドの 1.2g 縮合物のドデシルベンゼンスルホン酸塩 ・プロパン−1,2,3−トリカルボン酸 0.05g ・燐酸 0.05g ・4−スルホフタル酸 0.05g ・燐酸トリクレジル 0.25g ・スチレン−無水マレイン酸共重合体のn−ヘキサノール によるハーフエステル 0.1g ・ビクトリアピュアブルーBOHのナフタレンスルホン酸塩 0.18g ・[C6F17CH2CH2O]1.7PO[OH]1.3で表される化合物 0.015g ・メガフアックF−177(大日本インキ化学工業(株)製 フッ素系界面活性剤) 0.06g ・1−メトキシ−2−プロパノール 20g ・メタノール 40g ・メチルエチルケトン 40g ・イオン交換水 1g
【0040】(ポリウレタン樹脂(a)の合成方法)コ
ンデンサー、攪拌機を備えた500mlの3つ口丸底フラ
スコに、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン
酸11.5g(0.0860mole)、ジエチレングリコ
ール7.26g(0.0684mole)および1,4−ブ
タンジオール4.11g(0.0456mole)を加え、
N,N−ジメチルアセトアミド118gに溶解した。こ
れに、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート3
0.8g(0.123mole)、ヘキサメチレンジイソシ
アネート13.8g(0.0819mole)および触媒と
してジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.1gを添加
し、攪拌下、90℃、7時間加熱した。この反応液に、
N,N−ジメチルアセトアミド100ml、メタノール5
0mlおよび酢酸50mlを加え、攪拌した後に、これを水
4リットル中に攪拌しながら投入し、白色のポリマーを
折出させた。このポリマーを濾別し、水にて洗浄後、減
圧乾燥させることにより、62gのポリマー(ポリウレ
タン樹脂(a))を得た。
【0041】上記の方法により画像形成層を設けた後、
ステップガイドで3段ベタとなるように2KWメタルハ
ライドランプによって露光量調整した。露光後富土写真
フイルム(株)製ネガPS版現像液DN−3Cの1:1
水希釈液によって純正処理方法により現像し、富士写真
フイルム(株)製ガムGU−7をガムコーターG800
Hにより処理した。残膜の程度は現像後の非画像部にお
いて2KWメタルハライドランプで5分間バッ光した部
分としなかった部分との280nmでの吸光度の差とし
て求めた。
【0042】(画像形成層:c)下記下塗り液を塗布
し、塗膜を80℃で15秒間乾燥し基板を得た。乾燥後
の塗膜の被覆量は15mg/m2 であった。
【0043】(下塗り液) 下記化合物 0.3g メタノール 100g 水 1g
【0044】
【化2】
【0045】次いで、下記の感光液3を調製し、下塗り
した基板に、この感光液3を塗布量が1.8g/m2
なるよう塗布し、平版印刷版用原版を得た。
【0046】 (感光液) カプリン酸 0.03 g 特定の共重合体1 0.75 g m,p-クレゾールノボラック(m,p 比=6/4、 0.25 g 重量平均分子量 3,500、未反応クレゾール 0.5重量%含有) p−トルエンスルホン酸 0.003g テトラヒドロ無水フタル酸 0.03 g シアニン染料A(下記構造) 0.017g ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを 0.015g 1−ナフタレンスルホン酸アニオンにした染料 メガフアック F-177(大日本インキ化学工業(株)製、 0.05 g フッ素系界面活性剤) γ−ブチルラクトン 10 g メチルエチルケトン 10 g 1−メトキシ−2−プロパノール 1 g
【0047】
【化3】
【0048】〔特定の共重合体の合成〕 合成例1(特定の共重合体1) 撹拌機、冷却管及び滴下ロートを備えた500ml三ツ
口フラスコにメタクリル酸31.0g(0.36モ
ル)、クロロギ酸エチル39.1g(0.36モル)及
びアセトニトリル200mlを入れ、氷水浴で冷却しな
がら混合物を撹拌した。この混合物にトリエチルアミン
36.4g(0.36モル)を約1時間かけて滴下ロー
トにより滴下した。滴下終了後、氷水浴をとり去り、室
温下で30分間混合物を撹拌した。
【0049】この反応混合物に、p−アミノベンゼンス
ルホンアミド51.7g(0.30モル)を加え、油浴
にて70℃に温めながら混合物を1時間撹拌した。反応
終了後、この混合物を水1リットルにこの水を撹拌しな
がら投入し、30分間得られた混合物を撹拌した。この
混合物をろ過して析出物を取り出し、これを水500m
lでスラリーにした後、このスラリーをろ過し、得られ
た固体を乾燥することによりN−(p−アミノスルホニ
ルフェニル)メタクリルアミドの白色固体が得られた
(収量46.9g)。
【0050】次に撹拌機、冷却管及び滴下ロートを備え
た20ml三ツ口フラスコに、N−(p−アミノスルホ
ニルフェニル)メタクリルアミド4.61g(0.01
92モル)、メタクリル酸エチル2.94g(0.02
58モル)、アクリロニトリル0.80g(0.015
モル)及びN,N−ジメチルアセトアミド20gを入
れ、湯水浴により65℃に加熱しながら混合物を撹拌し
た。この混合物に「V−65」(和光純薬(株)製)
0.15gを加え65℃に保ちながら窒素気流下2時間
混合物を撹拌した。この反応混合物にさらにN−(p−
アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド4.61
g、メタクリル酸エチル2.94g、アクリロニトリル
0.80g、N,N−ジメチルアセトアミド及び「V−
65」0.15gの混合物を2時間かけて滴下ロートに
より滴下した。滴下終了後さらに65℃で2時間得られ
た混合物を撹拌した。反応終了後メタノール40gを混
合物に加え、冷却し、得られた混合物を水2リットルに
この水を撹拌しながら投入し、30分混合物を撹拌した
後、析出物をろ過により取り出し、乾燥することにより
15gの白色固体を得た。ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーによりこの特定の共重合体1の重量平均分
子量(ポリスチレン標準)を測定したところ53,00
0であった。
【0051】上記のように得られた平版印刷版用原版を
出力500mW、波長830nm、ビーム径17μm
(1/e2 )の半導体レーザーを用いて主操作速度5m
/秒にて露光した後、富士写真フイルム(株)製PS版
用現像液DP−4(1:8)水希釈液で30秒間現像し
た。その時の非画像部の残膜の程度を画像形成層:
(a)の場合と同様に280nmでの吸光度差として求
めた。
【0052】(画像形成層:(d))下記組成の高感度
光重合性組成物(感光液4)を乾燥塗布重量が1.5g
/m 2 となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させ
感光層を形成した。
【0053】 (感光液4) ペンタエリスリトールテトラアクリレート 1.5g アリルメタアクリレート/メタクリル酸 2.0g (83/17重量比)(光重合体、分子量10万)…(A) 化合物1(増感染料:下記参照) 0.15g 化合物2(光重合開始剤:下記参照) 0.20g 化合物3(光重合関始剤:下記参照) 0.40g ε−フタロシアニン/(A)(3/2分散物) 0.20g メガファックF−177 0.02g (大日本インキ化学工業(株)製フッ素界面活性剤) クベロンAL(ニトロソ化合物、和光純薬製) 0.015g プロピレングリコールモノメチルエーテル 7.5g メチルエチルケトン 9.0g
【0054】
【化4】
【0055】この感光層上にポリビニルアルコール(ケ
ン化度98モル%、重合度500)の3重量%の水溶液
を乾燥塗布重量が2.5g/m2 となるように塗布し、
120℃で3分間乾燥させ、光重合性平版印刷版用原版
を得た。これらの版をハイデルベルグ社製グーテンベル
ク(SHG−YAGレーザー75mW、532nm)を
用い200μJ/cm2 、2540dPi、175線/
インチの条件で1%きざみで1〜99%網点、およびベ
タ画像を露光した。露光した平版印刷版を次に示す条件
で現像処理を行った。まず富士写真フイルム(株)製自
現機LP850Pに下記現像原液(1)(pH10)と
富士写真フイルム(株)製フイニシャーFP−2Wをそ
れぞれ仕込み、現像液温30℃、現像時間18秒の条件
にて現像処理を行った。
【0056】現像液(1) モノエタノールアミン 0.1g トリエタノールアミン 1.5g 下記式1の化合物 4.0g 下記式2の化合物 2.5g 下記式3の化合物 0.2g 水 91.7g
【0057】
【化5】
【0058】上記のように網点を形成した後ハイライト
再現性の評価を行った。印刷機としてローランド社製R
201を使用し、インキとしては大日本インキ化学工業
製GEOS−G(N)を使用し、プレートクリーナーと
しては酸性のPSプレートクリーナーであるマルチクリ
ーナーを使用して、印刷スタートから5,000枚目に
マルチクリーナーを印刷用スポンジにしみ込ませ網点部
を拭き版面部のインキを洗浄した。その後10,000
枚毎に145,000枚目まで同様にマルチクリーナー
で版面のインキを洗浄し、150,000枚印刷した。
10,000枚毎に印刷物を抜き取り、マルチクリーナ
ーで版面を洗浄した際、版飛びしないで板上に残ってい
る最小網点のパーセントをハイライト再現性として目視
評価した。
【0059】〔実施例1〜18、比較例1〜2〕上記の
アルミニウム基板の粗面化処理、陽極酸化処理方法、無
機酸化物層及び画像形成層の各処方を組合せて、本発明
による平版印刷版用支持体を用いた平版印刷版用原版及
び比較例としての平版印刷版用原版を作製した。その処
方を下記表1及び表2に記号で示す。なお、実施例1〜
12、比較例1については、上記のように、現像後の平
版印刷版の非画像部の残膜の程度を比較した。結果を表
1に示す。実施例13〜18、比較例2については、上
記のように、印刷スタートから10,000枚毎に印刷
物を抜き取り、マルチクリーナーで版面を洗浄した際、
版飛びしないで板上に残っている最小網点のパーセント
をハイライト再現性として目視評価した。結果を表2に
示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】表1および2から明らかなように、本発明
の平版印刷版用支持体を用いた各実施例の平版印刷版か
らはそれぞれ満足すべき結果を得たが、支持体の異なる
比較例の平版印刷版からは、それぞれの評価において不
満足なものであった。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の平版印刷
版用支持体は、アルミニウムまたはその合金上に、無機
酸化物層を形成した後、陽極酸化処理することにより、
アルミニウムの陽極酸化皮膜と、該陽極酸化皮膜と無機
酸化物からなる複合酸化物層と、無機酸化物層とを順次
有する構成となる。本発明の平版印刷版用支持体を用い
て平版印刷版用原版を作製することにより、アクリル樹
脂やウレタン樹脂と、ジアゾ樹脂からなるネガ型画像形
成層やクレゾール樹脂とジアゾ化合物からなるポジ型画
像形成層の場合には現像時の残膜が発生せず、またフォ
トポリマータイプのネガ型光重合性画像形成層を塗設し
た場合には強固な感光層と支持体の密着力によってより
高感度でかつ多量の印刷を行っても細線やハイライト網
点が飛ばず、非画像部に汚れが発生しない印刷性能に優
れたものを得ることができ、極めて実用的な平版印刷版
用支持体を提供するという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA01 AA04 AA12 AA14 AB03 AC01 AD01 AD03 BJ10 DA18 DA36 EA01 2H096 AA06 BA01 BA03 BA09 BA10 CA03 EA02 2H114 AA04 AA14 DA04 DA08 DA34 DA52 DA60 GA03 GA07 GA09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはその合金上に、アル
    ミニウムの陽極酸化皮膜及びアルミニウムの陽極酸化皮
    膜とは異なる無機酸化物層がこの順に存在する平版印刷
    版用支持体において、該陽極酸化皮膜と該無機酸化物層
    の間に該無機酸化物層の主成分である無機物とアルミニ
    ウムとからなる複合酸化物層が存在することを特徴とす
    る平版印刷版用支持体。
  2. 【請求項2】 アルミニウムまたはその合金上に結晶構
    造を有する少なくとも1種類の無機酸化物層を形成し、
    その後陽極酸化処理することを特徴とする平版印刷版用
    支持体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109680316A (zh) * 2019-02-28 2019-04-26 安徽工业大学 一种锆基金属玻璃表面制备结构色膜层的方法
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