JP2001041823A - 放射検出装置 - Google Patents

放射検出装置

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JP2001041823A
JP2001041823A JP11212740A JP21274099A JP2001041823A JP 2001041823 A JP2001041823 A JP 2001041823A JP 11212740 A JP11212740 A JP 11212740A JP 21274099 A JP21274099 A JP 21274099A JP 2001041823 A JP2001041823 A JP 2001041823A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出感度及び検出応答性の両方を高める。 【解決手段】 変位部が、基板1から立ち上がった脚部
2,3を介して基板1に支持される。変位部4は、赤外
線iを吸収する赤外線吸収部5を有し、赤外線吸収部5
にて発生した熱に応じて基板1に対して変位する。赤外
線吸収部5は、入射した赤外線iの一部を反射する特性
を有する。nを奇数、赤外線iの所望の波長域の中心波
長をλとして、赤外線iを略々全反射する放射反射部
12が、放射吸収部12から実質的にnλ/4の間隔
をあけて配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱型赤外線検出装
置などの放射検出装置に関し、特に、赤外線等の入射放
射を放射吸収部にて吸収して熱に変換しその熱を変位に
変換して放射を検出する放射検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、このような放射検出装置とし
て、例えば、静電容量型の放射検出装置(米国特許第
5,844,238号公報等)や光読み出し型の放射検
出装置(特開平10−253447号公報等)が提案さ
れている。静電容量型の放射検出装置は、入射放射に応
じて生じた変位を静電容量の変化として読み出すもので
あり、光読み出し型の放射検出装置は、入射放射に応じ
て生じた変位を別途照射した読み出し光の変化として読
み出すものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述したような放射検
出装置では、検出感度を高めるため、放射吸収部の放射
吸収率が高いことが要請される。また、検出の応答性を
高めるため、放射吸収部の熱容量が小さいことが要請さ
れる。さらに、検出感度を高めるため、放射吸収部で発
生した熱が変位部の変位発生部分へ効率良く伝導される
ことが要請される。
【0004】しかしながら、前述したような放射検出装
置において、放射吸収部として例えば吸収効率が比較的
高い金黒(Gold Black)の膜を用いても、当該膜に赤外
線等の放射が単に入射するように構成するだけでは、検
出感度及び検出応答性の両方を高めることができない。
【0005】すなわち、金黒の吸収係数は、例えば8〜
12μmの波長域の赤外線に対して、約960cm−1
である(論文「G.Zaeschmar and A.Nedoluha, "Theory
of the Optical Properties of Gold Blacks", JOURNAL
OF THE OPTICAL SOCIETY OFAMERICA, VOLUME 62, NUMB
ER 3, March 1972, pp.348-352」)。この吸収係数から
膜厚1μmの金黒の赤外線吸収率を求めると、約9%に
すぎないことがわかる。したがって、金黒の膜で構成し
た放射吸収部の赤外線吸収率を十分に大きくするために
は、金黒の膜厚をかなり厚くせざるを得ない。このよう
に、金黒の膜で構成した放射吸収部に赤外線等の放射が
単に入射するように構成するだけでは、その膜の厚さを
薄くしつつ赤外線吸収率を高めることができず、したが
って、検出感度及び検出応答性の両方を高めることは困
難である。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、検出感度及び検出応答性の両方を高めること
ができる放射検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による放射検出装置は、基体
と、該基体に支持された変位部であって、放射を吸収す
る放射吸収部を有し該放射吸収部にて発生した熱に応じ
て前記基体に対して変位する変位部とを備えた放射検出
装置であって、前記放射吸収部が入射した放射の一部を
反射する特性を有し、nを奇数、前記放射の所望の波長
域の中心波長をλとして、前記放射吸収部から実質的
にnλ/4の間隔をあけて配置され前記放射を略々全
反射する放射反射部を備えたものである。
【0008】前記放射は、赤外線のみならず、X線、紫
外線等の不可視光や他の種々の放射であってもよい。
【0009】また、前記第1の態様による放射検出装置
は、例えば、変位部に生じた変位を別途照射した読み出
し光の変化として読み出す光読み出し型の放射検出装置
として構成してもよいし、変位部に生じた変位を静電容
量の変化として読み出す静電容量型の放射検出装置とし
て構成してもよい。光読み出し型の放射検出装置として
構成する場合には、例えば、変位部に生じた変位に応じ
た所定の変化を得るために用いられる変位読み出し部材
として、受光した読み出し光を反射する読み出し光反射
部を変位部に設ければよい。また、光読み出し型の放射
検出装置として構成する場合には、例えば、変位部に生
じた変位に応じた所定の変化を得るために用いられる変
位読み出し部材として読み出し光ハーフミラー部を変位
部に設け、この読み出し光ハーフミラー部と対向するよ
うに読み出し光反射部を基体に設けてもよい。さらに、
静電容量型の放射検出装置として構成する場合には、例
えば、変位部に生じた変位に応じた所定の変化を得るた
めに用いられる変位読み出し部材として可動電極部を変
位部に設け、この可動電極部と対向するように固定電極
部を基体に設ければよい。
【0010】前記第1の態様によれば、放射吸収部に放
射反射部と反対側から放射が入射すると、入射した放射
は放射吸収部で一部吸収され、残りは放射反射部で反射
され放射吸収部で反射し再度放射反射部に入射する。こ
のため、放射吸収部と放射反射部との間で干渉現象が起
こり、両者の間隔が入射放射の所望の波長域の中心波長
の1/4の略奇数倍とされているので、放射吸収部での
放射吸収がほぼ最大となり、放射吸収部における放射の
吸収率が高まる。したがって、放射吸収部の厚みを薄く
してその熱容量を小さくしても、放射の吸収率を高める
ことができる。その結果、検出感度及び検出応答性の両
方を高めることができる。
【0011】なお、前記放射吸収部の反射率を約33%
(約1/3)にすると、放射吸収部における放射の吸収
率が一層高まるので、好ましい。
【0012】ところで、前述した干渉現象によって放射
反射部によっても放射が吸収され、放射反射部からも熱
を発生する。しかし、放射反射部による放射吸収量より
放射吸収部による放射吸収量の方が大きい。したがっ
て、前記第1の態様によれば、変位部が放射吸収部を有
している(すなわち、放射吸収部が変位部に設けられて
いる)ので、例えば前記放射吸収部を基体に設けるとと
もに前記放射反射部を変位部に設ける場合に比べて、放
射の入射量が同一であるときに変位部に大きい変位が生
じ、検出感度が高くなる。
【0013】また、前記放射吸収部を変位部に設けずに
断熱部を介して基板に対して固定して、この放射吸収部
で発生した熱を変位部に伝導させる場合には、当該断熱
部を設けても完全な断熱を達成することは困難であるこ
とから、放射吸収部で発生した熱が、当該断熱部を介し
て基体へ逃げてしまう。このため、変位部における変位
発生部分へ効率良く伝導されなくなるため、検出感度が
低下してしまう。これに対し、前記第1の態様では、放
射吸収部が変位部に設けられているため、放射吸収部で
発生した熱が変位部における変位発生部分へ効率良く伝
導され、この点からも検出感度が高まることになる。
【0014】本発明の第2の態様による放射検出装置
は、前記第1の態様による放射検出装置において、前記
変位部の変位にかかわらずに前記放射反射部と前記放射
吸収部との相対的な位置関係が実質的に一定に保たれる
ように、前記放射反射部が前記変位部に設けられたもの
である。
【0015】前記第1の態様では、放射反射部は必ずし
も変位部に設ける必要はない。しかしながら、前記第2
の態様のように、変位部の変位にかかわらずに放射反射
部と放射吸収部との相対的な位置関係が実質的に一定に
保たれるように、放射反射部を変位部に設けると、変位
部が変位しても安定した分光感度特性を得ることができ
る。すなわち、前記第2の態様によれば、変位部の変位
にかかわらずに、放射反射部と放射吸収部との間の間隔
が実質的に一定に保たれるので、放射吸収部による放射
の吸収が前述した干渉の原理に従って行われることか
ら、放射吸収部に吸収される放射の波長域が変化するこ
となく一定に保たれるのである。
【0016】本発明の第3の態様による放射検出装置
は、前記第2の態様による放射検出装置において、前記
変位部に設けられ受光した読み出し光を反射する読み出
し光反射部を備え、前記放射反射部は、前記読み出し光
反射部と兼用されるかあるいは前記読み出し光反射部に
形成されたものである。
【0017】この第3の態様は、光読み出し型の放射検
出装置として構成した例である。この第3の態様のよう
に放射反射部を読み出し光反射部と兼用するかあるいは
読み出し光反射部に形成すると、構造が簡単となって安
価に提供することができる。もっとも、前記第2の態様
ではこのような兼用を行わなくてもよい。
【0018】本発明の第4の態様による放射検出装置
は、前記第2の態様による放射検出装置において、前記
基体に設けられた固定電極部と、前記変位部に設けられ
前記固定電極部と対向する可動電極部とを備え、前記放
射反射部は、前記可動電極部と兼用されるかあるいは前
記可動電極部に形成されたものである。
【0019】この第4の態様は、静電容量型の放射検出
装置として構成した例である。この第4の態様のように
放射反射部を可動電極部と兼用すると、構造が簡単とな
って安価に提供することができる。もっとも、前記第2
の態様ではこのような兼用を行わなくてもよい。
【0020】本発明の第5の態様による放射検出装置
は、前記第1の態様による放射検出装置において、前記
基体に設けられた固定電極部と、前記変位部に設けられ
前記固定電極部と対向する可動電極部とを備え、前記放
射反射部は前記固定電極部と兼用されたものである。
【0021】この第5の態様も、静電容量型の放射検出
装置として構成した例である。この第5の態様のように
放射反射部を固定電極部と兼用すると、構造が簡単とな
って安価に提供することができる。もっとも、前記第1
の態様ではこのような兼用を行わなくてもよい。
【0022】本発明の第6の態様による放射検出装置
は、前記第1又は第5の態様による放射検出装置におい
て、前記基体に設けられた固定電極部と、前記変位部に
設けられ前記固定電極部と対向する可動電極部とを備
え、前記放射吸収部は前記可動電極部と兼用されたもの
である。
【0023】この第6の態様も、静電容量型の放射検出
装置として構成した例である。この第6の態様のように
放射吸収部を可動電極部と兼用すると、構造が簡単とな
って安価に提供することができる。もっとも、前記第1
及び第5の態様ではこのような兼用を行わなくてもよ
い。
【0024】なお、前記第1乃至第6の態様において、
前記放射吸収部及び前記放射反射部のうち、前記変位部
に設けられた少なくとも一方について、1層又は複数層
の膜からなる平面部を有し該平面部が空中に位置するよ
うに支持された薄膜部材で構成する場合には、前記平面
部の周辺部分の少なくとも一部に渡って、前記平面部か
ら立ち上がるかあるいは立ち下がる立ち上がり部又は立
ち下がり部を形成することが好ましい。あるいは、前記
放射吸収部及び前記放射反射部のうち、前記変位部に設
けられた少なくとも一方について、複数層の膜からなる
平面部を有し該平面部が空中に位置するように支持され
た薄膜部材で構成する場合には、前記平面部の周辺部分
の少なくとも一部に渡って、前記複数層の膜のうち少な
くとも1層の膜を、前記複数層の膜のうちの他の少なく
とも1層の膜の縁部分を覆うように形成することが好ま
しい。
【0025】これらの場合には、変位部に設けられた放
射吸収部及び放射反射部の両方又は一方の前記平面部
が、立ち上がり部又は立ち下がり部によって、あるい
は、少なくとも1層の膜が他の少なくとも1層の膜の縁
部分を覆っている部分によって、補強される。したがっ
て、平面部の所望の強度を確保しつつ、平面部の膜厚を
薄くすることができる。このため、変位部に設けられた
放射吸収部及び放射反射部の両方又は一方について、強
度不足による変形を防止しつつ、熱容量を小さくするこ
とができる。その結果、前記変形により生ずる放射吸収
部と放射反射部との間の間隔の変化を防止して一層安定
した分光感度特性を得ることができると同時に、検出の
応答性を一層高めることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下の説明では、放射を赤外線と
し読み出し光を可視光とした例について説明するが、本
発明では、放射を赤外線以外のX線や紫外線やその他の
種々の放射としてもよいし、また、読み出し光を可視光
以外の他の光としてもよい。
【0027】[第1の実施の形態]
【0028】図1は本発明の第1の実施の形態による光
読み出し型の放射検出装置100の単位画素(単位素
子)を示す図であり、図1(a)はその概略平面図、図
1(b)は図1(a)中のA−A’線に沿った概略断面
図である。
【0029】この放射検出装置100は、基体としての
赤外線iを透過させるSi基板等の基板1と、基板1か
ら立ち上がった2つの脚部2,3と、脚部2,3を介し
て基板1に支持された変位部4であって、赤外線iを吸
収する赤外線吸収部5を有し赤外線吸収部5にて発生し
た熱に応じて基板1に対して変位する変位部4と、を備
えている。
【0030】本実施の形態では、基板1の両面にそれぞ
れ赤外線反射防止膜6,7がコーティングされている。
もっとも、これらの膜6,7は必ずしも形成しておく必
要はない。
【0031】図1中、2a,3aは、脚部2,3におけ
る基板1上の膜6へのコンタクト部をそれぞれ示してい
る。脚部2,3の平面部2b,3bは、それぞれL字状
に構成されている。脚部2,3は、断熱性の高い材料と
して、例えば、SiO膜で構成される。
【0032】変位部4は、互いに重なった2つの膜8,
9からそれぞれなる2つの変位発生部分10,11を有
している。変位発生部分10,11は、それらの一方端
部が脚部2,3の平面部2b,3bの先端部分にそれぞ
れ接続されて支持されることにより、それぞれカンチレ
バーを構成しており、基板1上に浮いた状態に支持され
ている。膜8及び膜9は、互いに異なる膨張係数を有す
る異なる物質で構成されており、変位発生部分10,1
1は、いわゆる熱バイモルフ構造(bi-material elemen
tともいう。)を構成している。したがって、変位発生
部分10,11は、受けた熱に応じて、下側の膜8の膨
張係数が上側の膜9の膨張係数より大きい場合には上方
に、逆の場合には下方に湾曲して傾斜する。本実施の形
態では、膜8は厚さ3000オングストロームのSiN
膜で構成され、膜9は厚さ1000オングストロームの
Al膜で構成されている。
【0033】赤外線吸収部5は、入射した赤外線iの一
部を反射する特性を有している。赤外線吸収部5の赤外
線反射率は、約33%であることが好ましい。赤外線吸
収部5は、変位発生部分10,11の先端部分に接続さ
れている。本実施の形態では、赤外線吸収部5は、厚さ
3000オングストロームのSiN膜8が変位発生部分
10,11からそのまま延びることによって平板状に構
成されている。
【0034】変位部4には、厚さ2000オングストロ
ームのAl膜からなる平板状の部材12が設けられてい
る。部材12は、その4箇所の部分が接続部13を介し
て赤外線吸収部5に固定されることにより、赤外線吸収
部5の上方に間隔L1をあけて赤外線吸収部5と実質的
に平行に配置され、赤外線吸収部5の全体をカバーする
のみならず赤外線吸収部5よりかなり広い範囲をカバー
するように配置されている。本実施の形態では、このよ
うにして部材12が赤外線吸収部5に固定されることに
よって、部材12は、変位部4の変位にかかわらずに部
材12と赤外線吸収部5との相対的な位置関係が実質的
に一定に保たれるように、変位部4に設けられている。
なお、接続部13は、部材12を構成するAl膜がその
まま延びることにより形成されている。なお、本実施の
形態では、前述したように複数箇所(本例では、4箇
所)の接続部13によって部材12が赤外線吸収部5に
固定されているので、部材12と赤外線吸収部5との平
行度が増し、好ましい。もっとも、接続部13の数は1
個以上であればよい。
【0035】この部材12は、nを奇数、入射赤外線i
の所望の波長域の中心波長をλとして、前記間隔L1
が実質的にnλ/4の間隔をあけて配置されている。
本実施の形態では、具体的には、λを10μm、nを
1として、間隔L1は約2.5μmに設定されている
が、これに限定されるものではない。この部材12は、
前述したように厚さ2000オングストロームのAl膜
からなり、赤外線iを略々全反射する赤外線反射部とな
っている。また、部材12は、変位読み出し部材として
の、受光した読み出し光jを反射する読み出し光反射部
となっている。すなわち、本実施の形態では、赤外線反
射部は読み出し光反射部として兼用されている。なお、
部材12における放射吸収部5との対向面に赤外線反射
部としての反射膜を形成し、部材12を読み出し光反射
部のみとして用いることもできる。
【0036】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、変位部4は、変位発生部分10,11、赤外線
吸収部5、並びに、赤外線反射部及び読み出し光反射部
を兼用する部材12で構成されている。
【0037】図面には示していないが、本実施の形態に
よる放射検出装置100では、変位部4、脚部2,3を
単位素子(画素)として、この画素が基板1上に1次元
状又は2次元状に配置されている。
【0038】本実施の形態による放射検出装置100
は、膜の形成及びパターニング、犠牲層の形成及び除去
などの半導体製造技術を利用して、製造することがで
き、例えば、次のような方法で製造することができる。
【0039】図面には示していないが、まず、Si基板
1の両面に赤外線反射防止膜6,7をコーティングし、
膜6上に犠牲層としてのレジストを塗布する。このレジ
ストに、脚部2,3のコンタクト部2a,3aに応じた
開口をフォトリソグラフィーにより形成する。次に、S
iO膜をP−CVD法等によりデポした後、フォトリソ
エッチング法によりパターニングし、脚部2の形状とす
る。その後、SiN膜をP−CVD法等によりデポした
後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、膜
8の形状とする。次いで、Al膜を蒸着法等によりデポ
した後、フォトリソエッチング法によりパターニング
し、膜9の形状とする。この状態の基板上の全面に犠牲
層としてのレジストを再び塗布する。次に、このレジス
トに、接続部13に応じた開口をフォトリソグラフィー
により形成する。その後、部材12及び接続部13とな
るべきAl膜を蒸着法等によりデポした後、フォトリソ
エッチング法によりパターニングし、部材12の形状と
する。最後に、ダイシングなどによりチップ毎に分割
し、犠牲層としてのレジストをアッシング法などにより
除去する。これにより、図1に示す放射検出装置100
が完成する。
【0040】本実施の形態による放射検出装置100で
は、下方から赤外線iが入射すると、入射した赤外線i
は赤外線吸収部5で一部吸収され、残りは赤外線反射部
としての部材12で反射され赤外線吸収部5で反射し再
度部材12に入射する。このため、赤外線吸収部5と部
材12との間で干渉現象が起こり、両者の間隔L1が入
射赤外線iの所望の波長域の中心波長の1/4の略奇数
倍とされているので、赤外線吸収部5での赤外線吸収が
ほぼ最大となり、赤外線吸収部5における赤外線の吸収
率が高まる。したがって、赤外線吸収部5の厚みを薄く
してその熱容量を小さくしても、赤外線の吸収率を高め
ることができる。その結果、検出感度及び検出応答性の
両方を高めることができる。
【0041】そして、赤外線吸収部5で発生した熱が変
位発生部分10,11に伝わり、この熱に応じてカンチ
レバーを構成している変位発生部分10,11が下方に
湾曲して傾斜する。このため、部材12が、放射吸収部
5との相対的な位置関係(すなわち、間隔L1)を保っ
たまま、入射した赤外線iの量に応じた量だけ基板1の
面に対して傾くこととなる。したがって、上方から部材
12に入射した読み出し光jは、入射した赤外線iの量
に応じた方向に反射されることとなる。
【0042】本実施の形態によれば、赤外線反射部に比
べて赤外線吸収量の大きい赤外線吸収部5が変位部4に
設けられているので、例えば赤外線吸収部5を基板1に
設けるとともに赤外線反射部を変位部4に設ける場合に
比べて、赤外線の入射量が同一であるときに変位部4に
大きい変位が生じ、検出感度が高くなる。
【0043】また、本実施の形態では、赤外線吸収部5
が変位部4に設けられているため、赤外線吸収部5で発
生した熱が変位部4における変位発生部分10,11へ
効率良く伝導され、この点からも検出感度が高まること
になる。
【0044】さらに、本実施の形態によれば、変位部4
の変位にかかわらずに、赤外線反射部としての部材12
と赤外線吸収部5との間の間隔L1が実質的に一定に保
たれるので、安定した分光感度特性を得ることができ
る。
【0045】また、本実施の形態によれば、部材12が
赤外線反射部及び読み出し光反射部として兼用されてい
るので、構造が簡単となって安価に提供することができ
る。
【0046】ここで、本実施の形態による放射検出装置
100を用いた映像化装置の一例について、図2を参照
して説明する。図2は、この映像化装置を示す概略構成
図である。
【0047】この映像化装置は、前述した放射検出装置
100の他に、読み出し光学系と、撮像手段としての2
次元CCD20と、観察対象としての熱源21からの赤
外線iを集光して放射検出装置100の赤外線吸収部と
しての変位部4が分布している面上に熱源21の赤外線
画像を結像させる赤外線用の結像レンズ22とから構成
されている。
【0048】この映像化装置では、前記読み出し光学系
は、読み出し光を供給するための読み出し光供給手段と
してのLD(レーザーダイオード)23と、LD23か
らの読み出し光を放射検出装置100の全ての画素の読
み出し光反射部としての部材12へ導く第1レンズ系2
4と、第1レンズ系24を通過した後に全ての画素の部
材12にて反射された読み出し光の光線束のうち所望の
光線束のみを選択的に通過させる光線束制限部25と、
第1レンズ系24と協働して各画素の反射板12と共役
な位置を形成し且つ該共役な位置に光線束制限部25を
通過した光線束を導く第2レンズ系26とから構成され
ている。前記共役な位置にはCCD20の受光面が配置
されており、レンズ系24,26によって全ての画素の
部材12とCCD20の複数の受光素子とが光学的に共
役な関係となっている。
【0049】LD23は、第1レンズ系24の光軸Oに
関して一方の側(図2中の右側)に配置されており、当
該一方の側の領域を読み出し光が通過するように読み出
し光を供給する。本例では、LD23が第1レンズ系2
4の第2レンズ系26側の焦点面付近に配置されて、第
1レンズ系24を通過した読み出し光が略平行光束とな
って全ての画素の部材12を照射するようになってい
る。CCD20上の光学像のコントラストを高めるた
め、LD23の前部に読み出し光絞りを設けてもよい。
本例では、放射検出装置100は、その基板1の面(本
例では、基板1の面は、目標物体(熱源21)からの赤
外線が入射しない場合の部材12の面と平行である。)
が光軸Oと直交するように配置されている。もっとも、
このような配置に限定されるものではない。
【0050】光線束制限部25は、前記所望の光線束の
みを選択的に通過させる部位が第1レンズ系24の光軸
Oに関して他方の側(図2中の左側)の領域に配置され
るように構成されている。本例では、光線束制限部25
は、開口25aを有する遮光板からなり、開口絞りとし
て構成されている。本例では、いずれの画素の赤外線吸
収部5にも目標物体からの赤外線が入射していなくて全
ての画素の部材12の面が基板1の面と平行である場合
に、全ての画素の部材12で反射した光線束(各部材1
2で反射した個別光線束の束)が第1レンズ系24によ
って集光する集光点の位置と開口25aの位置とがほぼ
一致するように、光線束制限部25が配置されている。
また、開口25aの大きさは、この光線束の前記集光点
での断面の大きさとほぼ一致するように定められてい
る。もっとも、このような配置や大きさに限定されるも
のではない。
【0051】図2に示す映像化装置によれば、LD23
から出射した読み出し光の光線束31は、第1レンズ系
24に入射し、略平行化された光線束32となる。次に
この略平行化された光線束32は、放射検出装置100
の全ての画素の部材12に、基板1の法線に対してある
角度をもって入射する。
【0052】一方、結像レンズ22によって、熱源21
からの赤外線が集光され、放射検出装置100の変位部
4が分布している面上に、熱源21の赤外線画像が結像
される。これにより、放射検出装置100の各画素の赤
外線吸収部5に赤外線が入射する。このため、前述した
動作により、各画素の部材12は、対応する赤外線吸収
部5に入射した赤外線の量に応じた量だけ基板1の面に
対して傾くこととなる。
【0053】今、全ての画素の赤外線吸収部5には目標
物体からの赤外線が入射しておらず、全ての画素の部材
12が基板1と平行であるものとする。全ての画素の部
材12に入射した光線束32はこれらの部材12にて反
射されて光線束33となり、再び第1レンズ系24に今
度はLD23の側とは反対の側から入射して集光光束3
4となり、この集光光束34の集光点の位置に配置され
た光線束制限部25の開口25aの部位に集光する。そ
の結果、集光光束34は開口25aを透過して発散光束
35となって第2レンズ系26に入射する。第2レンズ
系26に入射した発散光束35は、第2レンズ系26に
より例えば略平行光束36となってCCD20の受光面
に入射する。ここで、各画素の部材12とCCD20の
受光面とはレンズ系24,26によって共役な関係にあ
るので、CCD20の受光面上の対応する各部位にそれ
ぞれ各部材12の像が形成され、全体として、全ての画
素の部材12の分布像である光学像が形成される。
【0054】今、ある画素の赤外線吸収部5にある量の
赤外線が入射して、その入射量に応じた量だけ当該画素
の部材12が基板1の面に対して傾いたものとする。光
線束32のうち当該部材12に入射する個別光線束は、
当該部材12によってその傾き量だけ異なる方向に反射
されるので、第1レンズ系24を通過した後、その傾き
量に応じた量だけ前記集光点(すなわち、開口25a)
の位置からずれた位置に集光し、その傾き量に応じた量
だけ光線束制限部25により遮られることになる。した
がって、CCD20上に形成された全体としての光学像
のうち当該部材12の像の光量は、当該部材12の傾き
量に応じた量だけ低下することになる。
【0055】したがって、CCD20の受光面上に形成
された読み出し光による光学像は、放射検出装置100
に入射した赤外線像を反映したものとなる。この光学像
は、CCD20により撮像される。なお、CCD20を
用いずに、接眼レンズ等を用いて前記光学像を肉眼で観
察してもよい。
【0056】なお、読み出し光学系の構成が前述した構
成に限定されるものではないことは、言うまでもない。
【0057】以上は映像化装置の例であったが、図2に
おいて、放射検出装置100として、単一の画素(素
子)のみを有する放射検出装置を用い、2次元CCD2
0に代えて、単一の受光部のみを有する光検出器を用い
れば、赤外線のいわゆるポイントセンサとしての検出装
置を構成することができる。この点は、後述する各実施
の形態についても同様である。
【0058】[第2の実施の形態]
【0059】図3は、本発明の第2の実施の形態による
光読み出し型の放射検出装置101の単位画素(単位素
子)を示す概略平面図である。図4は、図3中のB−
B’線に沿った概略断面図である。図5は、図3中のC
−C’線に沿った概略断面図である。図3乃至図5にお
いて、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符
号を付し、その重複する説明は省略する。
【0060】この放射検出装置101が図1に示す前記
放射検出装置100と基本的に異なる所は、以下の点の
みである。
【0061】この放射検出装置101では、部材12
は、基板1と平行な平面部12aの周辺部分の全体(一
部でもよい)に渡って平面部12aから立ち下がるよう
に形成された立ち下がり部(立ち上がり部でもよい)1
2bと、立ち下がり部12bの下部から側方に外側にわ
ずかに延びた水平部12cと、を有している。水平部1
2cは取り除いておいてもよい。平面部12aが立ち下
がり部12bによって補強されるので、平面部12aの
所望の強度を確保しつつ、平面部12aの膜厚を薄くす
ることができる。このため、部材12の強度不足による
変形を防止しつつ、部材12の熱容量を小さくすること
ができる。その結果、前記変形により生ずる間隔L1の
変化を防止して一層安定した分光感度特性を得ることが
できると同時に、検出の応答性を一層高めることができ
る。
【0062】また、放射検出装置101では、赤外線吸
収部5は、変位発生部分10,11の下側膜であるSi
N膜8とは別に形成されたSiN膜で構成されている。
そして、赤外線吸収部5は、部材12と同様に、平面部
5aの周辺部分の全体(一部でもよい)に渡って平面部
5aから立ち下がるように形成された立ち下がり部(立
ち上がり部でもよい)5bと、立ち下がり部5bの下部
から側方に外側にわずかに延びた水平部5cと、を有し
ている。水平部5cは取り除いておいてもよい。平面部
5aが立ち下がり部5bによって補強されるので、平面
部5aの所望の強度を確保しつつ、平面部5aの膜厚を
薄くすることができる。このため、赤外線吸収部5の強
度不足による変形を防止しつつ、赤外線吸収部5の熱容
量を小さくすることができる。その結果、前記変形によ
り生ずる間隔L1の変化を防止して一層安定した分光感
度特性を得ることができると同時に、検出の応答性を一
層高めることができる。
【0063】さらに、この放射検出装置101では、脚
部2は、基板1と平行な平面部2bの周辺部分の全体
(一部でもよい)に渡って平面部2bから立ち下がるよ
うに形成された立ち下がり部2cと、立ち下がり部2c
の下部から側方に外側にわずかに延びた水平部2dと、
を有している。水平部2dは取り除いておいてもよい。
平面部2bが立ち下がり部2cによって補強されるの
で、平面部2bの所望の強度を確保しつつ、平面部2b
の膜厚を薄くすることができる。このため、脚部2の断
熱性を高めることができる。
【0064】本実施の形態によれば、以上説明した利点
以外にも、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られ
る。
【0065】なお、本実施の形態による放射検出装置1
01も、膜の形成及びパターニング、犠牲層の形成及び
除去などの半導体製造技術を利用して、製造することが
できる。また、放射検出装置101は、図2において、
放射検出装置100の代わりに用いることができる。
【0066】[第3の実施の形態]
【0067】図6は、本発明の第3の実施の形態による
光読み出し型の放射検出装置102の単位画素(単位素
子)を示す概略断面図であり、図5に対応している。図
6において、図5中の要素と同一又は対応する要素には
同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0068】この放射検出装置102が図3乃至図5に
示す前記放射検出装置101と異なる所は、以下の点の
みである。
【0069】この放射検出装置102では、部材12に
おいて、平面部12aが2層の膜14,15(上側膜1
4は読み出し光jを反射し、下側膜15は赤外線iを反
射する。)で構成され、平面部12aの周辺部分の少な
くとも一部に渡って、上側膜14が下側膜15の縁部分
(厚さ方向に沿った面)を覆うように形成され、上側膜
14は下側膜15の縁部分に沿って立ち下がり更に側方
に外側にわずかに延びている。上側膜14が下側膜15
の縁部分を覆っている部分によって平面部12aが補強
されるので、平面部12aの所望の機械的強度を確保し
つつ、平面部12aの膜厚を薄くすることができる。こ
のため、前記第2の実施の形態と同様に、部材12の強
度不足による変形を防止しつつ、部材12の熱容量を小
さくすることができる。その結果、前記変形により生ず
る間隔L1の変化を防止して一層安定した分光感度特性
を得ることができると同時に、検出の応答性を一層高め
ることができる。
【0070】本実施の形態によっても、前記第2の実施
の形態と同様の利点が得られる。
【0071】なお、赤外線吸収部5及び脚部2について
も、前述した立ち下がり部に代えて、本実施の形態にお
ける部材12と同様の縁部分を覆う構造を採用してもよ
い。
【0072】[第4の実施の形態]
【0073】図7は、本発明の第4の実施の形態による
光読み出し型の放射検出装置103の単位画素(単位素
子)を示す概略断面図であり、前述した図1(b)に対
応している。図7において、図1中の要素と同一又は対
応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省
略する。
【0074】この放射検出装置103が図1に示す前記
放射検出装置100と異なる所は、以下の点のみであ
る。
【0075】この放射検出装置103では、図1中の部
材12が取り除かれ、代わりに、読み出し光jをマスク
するマスク(遮光体)40と、前述した間隔L1をあけ
て赤外線吸収部5と対向するようにマスク40に形成さ
れた赤外線反射部41と、赤外線吸収部5の先端部に設
けられた読み出し光ハーフミラー部42と、読み出し光
ハーフミラー部42と対向するように膜6上に形成され
た読み出し光反射部43とが、追加されている。
【0076】マスク40は、読み出し光ハーフミラー部
42に対応する領域に開口40aを有し、照射される読
み出し光jのうちのハーフミラー部42から出射する干
渉光以外の光をマスクする。このマスク40は、例え
ば、金黒、白金黒などの膜で構成される。
【0077】赤外線反射部41は、Al膜で構成されて
いる。読み出し光ハーフミラー部42は、SiO膜(可
視光に対して透明である。)と、所望の反射率を得るよ
うに非常に薄くこのSiO膜上にスパッタ法等により被
着させたチタンなどの金属層とから構成されている。
【0078】読み出し光jがハーフミラー部42に入射
すると、当該読み出し光jの一部がハーフミラー部42
で反射されて反射光となり、ハーフミラー部42に入射
した読み出し光jの残りはハーフミラー部42を透過し
て全反射ミラー43で反射されて再度ハーフミラー部4
2に下面から入射する。下面からハーフミラー部42に
再度入射した読み出し光のうちの一部がハーフミラー部
42を透過し透過光となる。この透過光と前記反射光と
の間には、ハーフミラー部42と全反射ミラー43との
間の間隔dの2倍に対応する光路長差がある。よって、
前記反射光と前記透過光との間でこの光路長差に応じた
干渉が起こり、前記反射光及び前記透過光がこの光路長
差に応じた(したがって、変位部4の変位に応じた)干
渉強度を有する干渉光となってハーフミラー部42から
出射されることになる。
【0079】本実施の形態では、放射反射部41がマス
ク40を介して基板1に対して固定されているので、変
位部4が変位すると間隔L1が変化することから、分光
感度特性の安定性の点では前記第1の実施の形態より劣
るが、他の点に関しては前記第1の実施の形態と同様の
利点が得られる。
【0080】なお、本実施の形態による放射反射部41
と共に用い得る読み出し光学系自体は、特開平10−2
53447号公報の図16に開示されているように、公
知である。
【0081】[第5の実施の形態]
【0082】図8は、本発明の第5の実施の形態による
静電容量型の放射検出装置104の単位画素(単位素
子)を示す図であり、図8(a)はその概略平面図、図
8(b)は図8(a)中のD−D’線に沿った概略断面
図である。図8において、図1中の要素と同一又は対応
する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略
する。
【0083】この放射検出装置104が図1に示す前記
放射検出装置100と異なる所は、以下の点のみであ
る。
【0084】この放射検出装置104では、Si基板1
の両面には、赤外線反射防止膜6,7がコーティングさ
れていない。
【0085】また、放射検出装置104では、図1中の
赤外線吸収部5に代えて、平板状の部材50が変位発生
部分10,11の先端部分に接続されている。この部材
50は、Al膜9が変位発生部分10,11からそのま
ま延びることによって構成されている。この部材50
は、変位部4に生じた変位に応じた静電容量の変化を得
るために用いられる変位読み出し部材としての可動電極
部となっている。また、部材50は、赤外線iを略々全
反射する赤外線反射部となっている。すなわち、本実施
の形態では、赤外線反射部は可動電極部として兼用され
ている。なお、部材50における後述する赤外線吸収部
51との対向面に赤外線反射部としての反射膜を形成
し、部材50を可動電極部のみとして用いることもでき
る。
【0086】そして、放射検出装置104では、厚さ3
000オングストロームのSiN膜からなる平板状の赤
外線吸収部51が、その4箇所(1箇所以上であればよ
い。)の部分が接続部52を介して部材50に固定され
ることにより、部材50の上方に前述した間隔L1をあ
けて部材50と実質的に平行に配置されている。これに
より、赤外線吸収部51は変位部4に設けられている。
本実施の形態では、このようにして赤外線吸収部51が
部材50に固定されることによって、部材50は、変位
部4の変位にかかわらずに部材50と赤外線吸収部51
との相対的な位置関係が実質的に一定に保たれるよう
に、変位部4に設けられている。
【0087】基板1には、可動電極部としての部材50
と対向するように、金属膜からなる固定電極部53が設
けられている。固定電極部53の上面は、必要に応じて
誘電体膜で覆ってもよい。また、基板1には、この固定
電極部53の下側にこの電極53と電気的に接続された
拡散層54が形成されるとともに、脚部2,3のコンタ
クト部2a,3a付近の下側に拡散層55が形成されて
いる。脚部2,3上にはそれぞれ、Al膜9と拡散層5
5との間(ひいては、可動電極部としての部材50と拡
散層55との間)を電気的に接続する配線層56が形成
されている。コンタクト部2a,3aにはそれぞれ開口
が形成され、これらの開口を介して配線層56が拡散層
55と電気的に接続されるようになっている。
【0088】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、変位部4は、変位発生部分10,11、赤外線
吸収部51、並びに、赤外線反射部及び可動電極部を兼
用する部材50で構成されている。
【0089】この放射検出装置104によれば、上方か
ら赤外線iが入射すると、前記第1の実施の形態による
放射検出装置100と同様の干渉現象によって赤外線吸
収部51が赤外線iを吸収して熱を発生する。この熱が
変位発生部分10,11に伝わり、この熱に応じてカン
チレバーを構成している変位発生部分10,11が下方
に湾曲して傾斜する。このため、部材50が、放射吸収
部51との相対的な位置関係(すなわち、間隔L1)を
保ったまま、入射した赤外線iの量に応じた量だけ基板
1の面に対して傾き、可動電極部としての部材50と固
定電極部53との間の距離が変化する。これにより、部
材50と固定電極部53との間の静電容量の値が変化
し、入射赤外線量を拡散層54,55間から静電容量の
変化として検出することができる。なお、図面には示し
ていないが、拡散層54,55はその静電容量を読み出
す読み出し回路に接続されている。
【0090】なお、変位部4、脚部2,3及び固定電極
部53を単位素子(画素)として、この画素が基板1上
に1次元状又は2次元状に配置されており、前記読み出
し回路から赤外線画像信号が得られる。
【0091】本実施の形態によっても、前記第1の実施
の形態と同様の利点が得られる。
【0092】なお、本実施の形態による放射検出装置1
04も、膜の形成及びパターニング、犠牲層の形成及び
除去などの半導体製造技術を利用して、製造することが
できる。
【0093】[第6の実施の形態]
【0094】図9は、本発明の第6の実施の形態による
静電容量型の放射検出装置105の単位画素(単位素
子)を示す概略断面図であり、前述した図8(b)に対
応している。図9において、図8中の要素と同一又は対
応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省
略する。
【0095】この放射検出装置105が図8に示す前記
放射検出装置104と異なる所は、以下の点のみであ
る。
【0096】この放射検出装置105では、図8中の赤
外線吸収部51が取り除かれている。また、放射検出装
置105では、図8中の部材50の代わりに、入射した
赤外線iの一部を反射する赤外線吸収部及び可動電極部
として兼用される平板状の部材60が、変位発生部分1
0,11の先端部分に接続されている。さらに、放射検
出装置105では、固定電極部53が、赤外線iを略々
全反射する赤外線反射部として兼用されている。部材6
0と固定電極部53との間の間隔は前述した間隔L1と
なっている。部材60は、例えば、ITO膜等の金属酸
化物膜などで構成される。
【0097】本実施の形態では、赤外線反射部として兼
用されている固定電極部53が基板1に対して固定され
ているので、変位部4が変位すると間隔L1が変化する
ことから、分光感度特性の安定性の点では前記第5の実
施の形態より劣るが、他の点に関しては前記第5の実施
の形態と同様の利点が得られる。
【0098】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。例えば、膜の材料や寸法等は前述したものに
限定されない。
【0099】また、前記第1の実施の形態を変形して第
2の実施の形態又は第3の実施の形態を得たのと同様の
変形を、前記第4乃至第6の実施の形態に適用してもよ
い。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
検出感度及び検出応答性の両方を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による放射検出装置
の単位画素を示す図であり、図1(a)はその概略平面
図、図1(b)は図1(a)中のA−A’線に沿った概
略断面図である。
【図2】図1に示す放射検出装置を用いた映像化装置の
一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による放射検出装置
の単位画素を示す概略平面図である。
【図4】図3中のB−B’線に沿った概略断面図であ
る。
【図5】図3中のC−C’線に沿った概略断面図であ
る。
【図6】本発明の第3の実施の形態による放射検出装置
の単位画素を示す概略断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態による放射検出装置
の単位画素を示す概略断面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態による放射検出装置
の単位画素を示す図であり、図8(a)はその概略平面
図、図8(b)は図8(a)中のD−D’線に沿った概
略断面図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態による放射検出装置
の単位画素(単位素子)を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2,3 脚部 4 変位部 5,51 赤外線吸収部 10,11 変位発生部分 12 読み出し光反射部及び赤外線反射部を兼用する部
材 41 赤外線反射部 42 読み出し光ハーフミラー部 43 読み出し光反射部 51 可動電極及び赤外線吸収部を兼用する部材 53 固定電極 60 赤外線吸収部及び可動電極部を兼用する部材 100〜105 放射検出装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体と、該基体に支持された変位部であ
    って、放射を吸収する放射吸収部を有し該放射吸収部に
    て発生した熱に応じて前記基体に対して変位する変位部
    とを備えた放射検出装置であって、 前記放射吸収部が入射した放射の一部を反射する特性を
    有し、 nを奇数、前記放射の所望の波長域の中心波長をλ
    して、前記放射吸収部から実質的にnλ/4の間隔を
    あけて配置され前記放射を略々全反射する放射反射部を
    備えたことを特徴とする放射検出装置。
  2. 【請求項2】 前記変位部の変位にかかわらずに前記放
    射反射部と前記放射吸収部との相対的な位置関係が実質
    的に一定に保たれるように、前記放射反射部が前記変位
    部に設けられたことを特徴とする請求項1記載の放射検
    出装置。
  3. 【請求項3】 前記変位部に設けられ受光した読み出し
    光を反射する読み出し光反射部を備え、前記放射反射部
    は、前記読み出し光反射部と兼用されるかあるいは前記
    読み出し光反射部に形成されたことを特徴とする請求項
    2記載の放射検出装置。
  4. 【請求項4】 前記基体に設けられた固定電極部と、前
    記変位部に設けられ前記固定電極部と対向する可動電極
    部とを備え、前記放射反射部は、前記可動電極部と兼用
    されるかあるいは前記可動電極部に形成されたことを特
    徴とする請求項2記載の放射検出装置。
  5. 【請求項5】 前記基体に設けられた固定電極部と、前
    記変位部に設けられ前記固定電極部と対向する可動電極
    部とを備え、前記放射反射部は前記固定電極部と兼用さ
    れたことを特徴とする請求項1記載の放射検出装置。
  6. 【請求項6】 前記基体に設けられた固定電極部と、前
    記変位部に設けられ前記固定電極部と対向する可動電極
    部とを備え、前記放射吸収部は前記可動電極部と兼用さ
    れたことを特徴とする請求項1又は5記載の放射検出装
    置。
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KR100536665B1 (ko) * 2001-08-21 2005-12-14 주식회사 대우일렉트로닉스 적외선 흡수 볼로메터 제조 방법
JP2010054416A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 赤外線検出センサ

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