JP4538862B2 - 熱型変位素子及び放射検出装置 - Google Patents

熱型変位素子及び放射検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロマシンや微少な素子を有する各種のデバイスなどにおいて用いられる薄膜部材、並びに、これを用いた熱型変位素子及び放射検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、マイクロマシンや、微少な素子を有する各種のデバイスなどにおいては、1層又は複数層の膜からなる平面部を有し該平面部が空中に位置するように支持された薄膜部材が用いられている。この薄膜部材は、一般的に、半導体製造工程を用いて作製されている。
【0003】
例えば、従来から、静電容量型の熱型赤外線検出装置や光読み出し型の熱型赤外線検出装置などにおいては、基体と、脚部を介して前記基体に支持され熱に応じて前記基体に対して変位する変位部とを備えた熱型変位素子が用いられている(特開平8−193888号公報、米国特許第3,896,309号公報、特開平10−253447号公報、特開平10−260080号公報等)。そして、このような熱型変位素子において、前記脚部として前記薄膜部材が用いられている。
【0004】
前述したような従来の薄膜部材では、前記平面部は、単に、所望の平面形状を有する1層以上の膜で構成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の薄膜部材では、平面部が単に所望の平面形状を有する1層以上の膜で構成されていたので、所望の機械的強度を確保するためには、膜厚を厚くしなければならなかった。このため、従来の薄膜部材では、その用途に応じて種々の不都合が生じていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、所望の機械的強度を確保しつつ膜厚を薄くすることができる薄膜部材を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、所望の機械的強度を確保しつつ膜厚を薄くすることができる薄膜部材を用いることによって、感度等の特性の向上を図ることができる熱型変位素子及び放射検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様による薄膜部材は、1層又は複数層の膜からなる平面部を有し該平面部が空中に位置するように支持された薄膜部材であって、前記平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って、前記平面部から立ち上がるかあるいは立ち下がる立ち上がり部又は立ち下がり部が形成されたものである。この薄膜部材は、通常、半導体製造工程を用いて作製される。前記立ち上がり部及び立ち下がり部は、前記1層又は複数層の膜のうちの1層以上の膜で一体に形成されることが好ましい。
【0009】
この第1の態様によれば、平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って立ち上がり部又は立ち下がり部が形成されているので、平面部が立ち上がり部又は立ち下がり部により補強される。したがって、平面部の所望の機械的強度を確保しつつ、平面部の膜厚を薄くすることができる。
【0010】
また、平面部を複数層の膜で構成した場合、各層の膜の膨張係数の差によって平面部が温度変化により変位しようとしても、その変位が立ち上がり部又は立ち下がり部によって阻止され、平面部の平坦性が維持されることとなる。
【0011】
本発明の第2の態様による薄膜部材は、複数層の膜からなる平面部を有し該平面部が空中に位置するように支持された薄膜部材であって、前記平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って、前記複数層の膜のうちの少なくとも1層の膜が、前記複数層の膜のうちの他の少なくとも1層の膜の縁部分を覆うように形成されたものである。この薄膜部材は、通常、半導体製造工程を用いて作製される。
【0012】
この第2の態様によれば、平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って、複数層の膜のうちの少なくとも1層の膜が、他の少なくとも1層の膜の縁部分を覆うように形成されているので、少なくとも1層の膜が他の少なくとも1層の膜の縁部分を覆っている部分(以下、「被覆部分」という。)によって平面部が補強される。したがって、平面部の所望の機械的強度を確保しつつ、平面部の膜厚を薄くすることができる。
【0013】
また、平面部を構成している各層の膜の膨張係数の差によって平面部が温度変化により変位しようとしても、その変位が被覆部分によって阻止され、平面部の平坦性が維持されることとなる。
【0014】
本発明の第3の態様による熱型変位素子は、基体と、該基体に脚部を介して支持され熱に応じて前記基体に対して変位する変位部とを備えた熱型変位素子において、前記脚部が前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成されたものである。
【0015】
熱型変位素子においては、基体と変位部との間の断熱性が高いほど、変位部の変位量が所定の熱を精度良く反映したものとなる。前記第3の態様によれば、脚部が前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成されているので、脚部の所望の機械的強度を確保しつつ、脚部の膜厚を薄くすることができる。したがって、前記第3の態様によれば、基体と変位部との間の断熱性を高めることができ、変位部の変位量が所定の熱を精度良く反映したものとなる。
【0016】
例えば、前記第3の態様による熱型変位素子を備えた放射検出装置であって、入射した放射により発生する熱に応じて前記変位部が変位し、前記変位部の変位に応じた所定の変化を得る放射検出装置を提供することができる。なお、前記放射は、赤外線のみならず、X線、紫外線等の不可視光や他の種々の放射であってもよい(後述する第4及び第7の態様についても同様である。)。この放射検出装置によれば、前記第3の態様による熱型変位素子が用いられているので、基体と変位部との間の断熱性を高めることができることから、変位部の変位量が入射放射量を精度良く反映したものとなり、放射検出のS/Nを高めることができる。
【0017】
本発明の第4の態様による放射検出装置は、基体と、該基体に支持され、放射を吸収した時に生ずる熱に応じて前記基体に対して変位する変位部と、該変位部に対して固定された変位読み出し部材であって、前記変位部に生じた変位に応じた所定の変化を得るために用いられる変位読み出し部材とを備えたものである。そして、前記変位読み出し部材が、前記変位部に対して上方又は下方に空間を隔てて配置され、前記変位読み出し部材が前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成される。
【0018】
この第4の態様によれば、変位読み出し部材が変位部に対して上方又は下方に空間を隔てて配置されているので、変位部と変位読み出し部材とが上下に重なり合うため、それら全体の占有面積を小さくすることができ、変位部及び変位読み出し部材の対を基体上に複数配置する場合であっても、これらの配置を理想的な配置に近づけることができる。
【0019】
そして、前記第4の態様によれば、変位読み出し部材が前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成されているので、変位読み出し部材の所望の機械的強度を確保しつつ、変位読み出し部材の膜厚を薄くすることができる。このため、変位読み出し部材の軽量化を図ることができるので、変位部の機械的強度を低下させることができ、変位部の膜厚を薄くすることができる。変位部は、通常、異なる膨張係数を有する異なる物質の互いに重なった少なくとも2つの層を有する構造を持つが、変位部の膜厚が薄いほど温度変化に対する変位量が大きくなって感度が高くなる。したがって、前記第4の態様によれば、変位部の感度を高めることができる。
【0020】
前記第4の態様において、前記変位読み出し部材は、受光した読み出し光を反射する反射板であってもよいし、電極であってもよい。前者は、前記第4の態様を、入射放射量を読み出し光の変化として読み出すいわば光読み出し型の放射検出装置に適用した例である。後者は、前記第4の態様を、入射放射量を静電容量の変化として読み出す静電容量型の放射検出装置等に適用した例である。もっとも、前記第4の態様は、これらのタイプの放射検出装置に限定されるものではない。これらの点は、後述する第7の態様についても同様である。
【0021】
前記第4の態様による放射検出装置において、前記変位部及び前記変位読み出し部材を1個の素子として当該素子を複数個設け、当該素子を1次元状又は2次元状に配列してもよい。この場合、放射の像を映像化することが可能となるが、前記第4の態様では、変位部及び変位読み出し部材の対を1個のみ有していてもよい。これらの点は、後述する第7の態様についても同様である。
【0022】
また、前記第4の態様による放射検出装置において、次のように構成してもよい。すなわち、前記変位部が複数の個別変位部を有する。そして、前記複数の個別変位部の各々は、直線状に延びるとともに、異なる膨張係数を有する異なる物質の互いに重なった少なくとも2つの層を有する。前記複数の個別変位部が互いに平行に配置される。前記複数の個別変位部が全体として機械的に接続された1つの接続体をなすように、前記複数の個別変位部の各端部がそれぞれ、前記基体に対して固定されるかあるいは他の個別変位部の一端部に接続部を介して機械的に接続される。前記複数の個別変位部のうちの少なくとも1つの個別変位部の一端部が前記基体に対して固定される。前記複数の個別変位部のうちの少なくとも1つの個別変位部の両端部のいずれもが前記基体に対しては固定されない。前記変位読み出し部材が最終段の個別変位部に対して固定される。
【0023】
この場合には、前記第4の態様と同じ利点が得られるのみならず、後述する第5の態様と同様に、複数の変位部を基体上に配置する場合であっても、大きな変位量を得ることができるとともに、その配置を理想的な配置に近づけることができる。
【0024】
この場合において、前記複数の個別変位部のうちのある個別変位部から前記基体に対して機械的に連続するルートのうち、当該ルートに含まれる個別変位部の数が最も少なくなるルートにおいて、当該個別変位部が前記基体の側から数えてN番目の個別変位部である場合に、当該個別変位部を第N段の個別変位部であると定義し、第N段の個別変位部を第N+1段の個別変位部に対する前段の個別変位部、第N+1段の個別変位部を第N段の個別変位部に対する次段の個別変位部であると定義したとき、(1)前記各接続部において、同じ接続部を介して互いに接続された前段の個別変位部の端部及び次段の個別変位部の端部は、それぞれ当該前段及び次段の個別変位部の互いに同じ側の端部であり、(2)前記各段の個別変位部の前記少なくとも2つの層の物質の膨張係数の大小関係と、その次段の個別変位部の前記少なくとも2つの層の物質の膨張係数の大小関係とが、互いに逆であるようにしてもよい。
【0025】
この場合には、後述する第6の態様と同様に、複数の変位部を基体上に配置する場合であっても、大きな変位量を得ることができるとともに、その配置を一層理想的な配置に近づけることができる。
【0026】
なお、前記第4の態様では、変位部を単一の個別変位部で構成してもよいことは言うまでもない。
【0027】
本発明の第5の態様による熱型変位素子は、基体と、該基体に支持され熱に応じて前記基体に対して変位する変位部とを備えた熱型変位素子において、前記変位部が複数の個別変位部を有するものである。そして、前記複数の個別変位部の各々は、直線状に延びるとともに、異なる膨張係数を有する異なる物質の互いに重なった少なくとも2つの層を有する。前記複数の個別変位部が互いに平行に配置される。前記複数の個別変位部が全体として機械的に接続された1つの接続体をなすように、前記複数の個別変位部の各端部がそれぞれ、前記基体に対して固定されるかあるいは他の個別変位部の一端部に接続部を介して機械的に接続される。前記複数の個別変位部のうちの少なくとも1つの個別変位部の一端部が前記基体に対して固定される。前記複数の個別変位部のうちの少なくとも1つの個別変位部の両端部のいずれもが前記基体に対しては固定されない。前記接続部が前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成される。なお、この第5の態様では、接続部が複数存在する場合には、少なくとも1つの接続部を前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成すればよい。
【0028】
前記第5の態様によれば、変位部が接続部を介して機械的に接続された複数の個別変位部で構成されているので、例えば、各個別変位部の長さの合計の長さを持った単一の個別変位部で変位部を構成した場合と略同じ変位量を得ることができる。このように大きな変位量を得ることができるにも関わらず、変位部がいわば単一の個別変位部で構成されるのではなく、変位部が接続部を介して接続された複数の個別変位部で構成されているので、各個別変位部の配置の自由度が高まる。このため、複数の変位部を基体上に配置する場合であっても、その配置を、例えば当該複数の変位部の分布密度を高めることができるなどの理想的な配置に近づけることができる。
【0029】
このように、前記第5の態様によれば、複数の変位部を基体上に配置する場合であっても、大きな変位量を得ることができるとともに、その配置を理想的な配置に近づけることができる。
【0030】
そして、前記第5の態様によれば、接続部が前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成されているので、接続部の所望の機械的強度を確保しつつ、接続部の膜厚を薄くすることができる。このため、接続部の軽量化を図ることができるので、当該接続部に対する前段の個別変位部の機械的強度を低下させることができ、当該前段の個別変位部の膜厚を薄くすることができる。その結果、当該前段の個別変位部の感度を高めることができ、ひいては、変位部の感度を高めることができる。
【0031】
ところで、次のような熱型変位素子を提供することもできる。この熱型変位素子は、基体と、該基体に支持され熱に応じて前記基体に対して変位する変位部とを備えた熱型変位素子において、前記変位部が複数の個別変位部を有するものである。前記複数の個別変位部の各々は、直線状に延びるとともに、異なる膨張係数を有する異なる物質の互いに重なった少なくとも2つの層を有する。前記複数の個別変位部が互いに平行に配置される。前記複数の個別変位部が全体として機械的に接続された1つの接続体をなすように、前記複数の個別変位部の各端部がそれぞれ、前記基体に対して脚部を介して固定されるかあるいは他の個別変位部の一端部に接続部を介して機械的に接続される。前記複数の個別変位部のうちの少なくとも1つの個別変位部の一端部が前記基体に対して脚部を介して固定される。前記複数の個別変位部のうちの少なくとも1つの個別変位部の両端部のいずれもが前記基体に対しては固定されない。前記脚部が前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成される。なお、この熱型変位素子において、後述する第6の態様と同様の構成を採用してもよい。また、この熱型変位素子を用いて、後述する第7の態様と同様の放射検出装置を提供することもできる。
【0032】
この熱型変位素子によれば、前記第5の態様と同様に、複数の変位部を基体上に配置する場合であっても、大きな変位量を得ることができるとともに、その配置を理想的な配置に近づけることができる。なお、この熱型変位素子では、脚部が複数存在する場合には、少なくとも1つの脚部を前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成すればよい。
【0033】
そして、この熱型変位素子によれば、脚部が前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成されているので、脚部の所望の機械的強度を確保しつつ、脚部の膜厚を薄くすることができる。したがって、この熱型変位素子によれば、基体と変位部との間の断熱性を高めることができ、変位部の変位量が所定の熱を精度良く反映したものとなる。
【0034】
本発明の第6の態様による熱型変位素子は、前記第5の態様による熱型変位素子において、前記複数の個別変位部のうちのある個別変位部から前記基体に対して機械的に連続するルートのうち、当該ルートに含まれる個別変位部の数が最も少なくなるルートにおいて、当該個別変位部が前記基体の側から数えてN番目の個別変位部である場合に、当該個別変位部を第N段の個別変位部であると定義し、第N段の個別変位部を第N+1段の個別変位部に対する前段の個別変位部、第N+1段の個別変位部を第N段の個別変位部に対する次段の個別変位部であると定義したとき、(1)前記各接続部において、同じ接続部を介して互いに接続された前段の個別変位部の端部及び次段の個別変位部の端部は、それぞれ当該前段及び次段の個別変位部の互いに同じ側の端部であり、(2)前記各段の個別変位部の前記少なくとも2つの層の物質の膨張係数の大小関係と、その次段の個別変位部の前記少なくとも2つの層の物質の膨張係数の大小関係とが、互いに逆であるものである。
【0035】
この第6の態様では、互いに平行に配置された前段の個別変位部と次段の個別変位部とが、当該前段及び次段の個別変位部の互いに同じ側の端部で接続部を介して機械的に接続されているので、前段の個別変位部と次段の個別変位部とが接続部において互いに折り返されたように機械的に連続することとなる。したがって、変位部の長さ(個別変位部が直線状に延びている方向の長さ)は、第1段から最終段の各個別変位部の長さの合計よりかなり短くすることができる。したがって、複数の変位部を基体上に配置する場合であっても、その配置を、例えば当該複数の変位部の分布密度を高めることができるなどの理想的な配置に一層近づけることができる。そして、前記第6の態様では、各段の個別変位部の前記少なくとも2つの層の物質の膨張係数の大小関係と、その次段の個別変位部の前記少なくとも2つの層の物質の膨張係数の大小関係とが、互いに逆となっているので、各個別変位部に生ずる個々の変位量の合計の変位量が最終段の個別変位部に生ずることとなる。このため、第1段から最終段までの各個別変位部の長さの合計の長さを持った単一の個別変位部で変位部を構成した場合と略同じ変位量を得ることができる。
【0036】
このように、前記第6の態様によれば、複数の変位部を基体上に配置する場合であっても、大きな変位量を得ることができるとともに、その配置を一層理想的な配置に近づけることができる。
【0037】
本発明の第7の態様による放射検出装置は、前記第5又は第6の態様による熱型変位素子と、最終段の個別変位部に対して固定された変位読み出し部材であって、前記最終段の個別変位部に生じた変位に応じた所定の変化を得るために用いられる変位読み出し部材とを備え、前記複数の個別変位部が放射を受けて熱を発生するものである。
【0038】
この第7の態様によれば、前記第5又は第6の態様による熱型変位素子が用いられているので、放射検出の感度を高めたり放射検出のS/Nを高めたりすることができる。
【0039】
なお、前記第3、第5及び第6の態様による熱型変位素子及びその他の前記熱型変位素子は、必ずしも放射検出装置において用いる必要はなく、例えば、用途によっては単なる温度センサ又は温度分布像を検出するセンサ等としても用いることができる。
【0040】
また、前記第3乃至第7の態様は、前記第1又は第2の態様による薄膜部材を熱型変位素子又は放射検出装置に用いた例であったが、前記第1又は第2の態様による薄膜部材は、他の種々のデバイスやマイクロマシン等において用いることもできる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下の説明では、放射を赤外線とし読み出し光を可視光とした例について説明するが、本発明では、放射を赤外線以外のX線や紫外線やその他の種々の放射としてもよいし、また、読み出し光を可視光以外の他の光としてもよい。
【0042】
[第1の実施の形態]
【0043】
図1は本発明の第1の実施の形態による放射検出装置100の単位画素(単位素子)を示す図であり、図1(a)はその概略平面図、図1(b)は図1(a)中のX1−X2線に沿った概略断面図である。
【0044】
この放射検出装置100は、基体としての赤外線iを透過させるSi基板等の基板1と、脚部2を介して基板1に支持され熱に応じて基板1に対して変位する変位部3と、変位部3に生じた変位に応じた所定の変化を得るために用いられる変位読み出し部材としての、受光した読み出し光jを反射する反射板6を備えている。
【0045】
変位部3は、互いに重なった2つの膜4,5を有している。変位部3は、その一端が脚部2を介して支持されることにより、カンチレバーを構成しており、基板1上に間隔をあけて浮いた状態に支持されている。膜4及び膜5は、互いに異なる膨張係数を有する異なる物質で構成されており、いわゆる熱バイモルフ構造を構成している。したがって、変位部3は、受けた熱に応じて、下側の膜4の膨張係数が上側の膜5の膨張係数より大きい場合には上方に、逆の場合には下方に湾曲して傾斜する。
【0046】
本実施の形態では、変位部3が赤外線iを吸収する赤外線吸収部を兼用している。したがって、変位部3は、赤外線iを受けると、自身が熱を発生し、この熱に応じて変位することとなる。もっとも、必ずしも変位部3が赤外線吸収部を兼用する必要はなく、例えば、膜4の下面に金黒等の赤外線吸収膜を形成しておいてもよい。
【0047】
反射板6は、その一部が反射板用接続部7を介して変位部3の先端部に対して固定されることにより、変位部3の上方に空間を隔てて配置され、単位画素領域のほぼ全体をカバーするように配置されている。これにより、反射板6は、後述するその平面部6aも含めて、空中に位置するように支持されている。反射板6は、読み出し光jを反射する反射面を形成する平面部6aと、平面部6aの周辺部分の全体(本実施の形態では、4辺の全体)に渡って、平面部6aから立ち下がるように形成された立ち下がり部6bと、立ち下がり部6bの下部から側方に外側にわずかに延びた水平部6cと、を備えた薄膜部材で構成されている。水平部6cは、必ずしも必要ではなく、取り除いておいてもよい。また、立ち下がり部6bは、本実施の形態のように平面部6aの周辺部分の全体に渡って形成することが平面部6aの強度を高める上で好ましいが、本発明では、立ち下がり部6bは、必ずしも平面部6aの周辺部分の全体に渡って形成する必要はなく、平面部6aの周辺部分の一部のみに渡って形成してもよい。この場合であっても、平面部6aの強度がそれなりに高まる。本実施の形態では、平面部6a、立ち下がり部6b及び水平部6cは、反射板用接続部7と共に、Al膜等の1層の膜で一体に形成されている。なお、反射板用接続部7は、反射板6より熱伝導率の低い材料で構成してもよい。わずかながら読み出し光jの一部が反射板6に吸収されて反射板6の温度が上昇するが、接続部7を反射板6より熱伝導率の低い材料で構成しておけば、接続部7が断熱材として作用してその熱が変位部3に伝わり難くなり、赤外線検出のS/Nが高まるので、好ましい。
【0048】
図面には示していないが、変位部3、脚部2及び反射板6を単位素子(画素)として、この画素が基板1上に1次元状又は2次元状に配置されている。
【0049】
以上の説明からわかるように、基板1、変位部3及び脚部2が熱に応じて変位を発生する熱型変位素子を構成しており、各単位画素においてこの熱型変位素子の変位部3が1つずつ用いられている。
【0050】
次に、本実施の形態による放射検出装置100の製造方法の一例について、図2を参照して説明する。図2は、この製造工程を模式的に示す概略断面図であり、図1(b)に対応している。
【0051】
まず、図2(a)に示すように、Si基板1上の全面に犠牲層としてのレジスト10を塗布し、脚部2に応じた開口10aをフォトリソグラフィーにより形成する。次に、脚部2となるべきSiO膜(例えば、厚さ5000オングストローム)をP−CVD法等によりデポした後、フォトエッチ法によりパターニングし、脚部2の形状とする(図2(a))。その後、変位部3の下側膜4となるべきSiN膜(例えば、厚さ2500オングストローム)をP−CVD法等によりデポした後、フォトエッチ法によりパターニングし、下側膜4の形状とする(図2(a))。さらに、変位部3の上側膜5となるべきAl膜(例えば、厚さ1500オングストローム)を蒸着法等によりデポした後、フォトエッチ法によりパターニングし、上側膜5の形状とする(図2(a))。
【0052】
次に、図2(a)に示す状態の基板上の全面に犠牲層としてのレジスト11を塗布し、反射板用接続部7に応じた開口11aをレジスト11にフォトリソグラフィーにより形成する(図2(b))。
【0053】
その後、図2(b)に示す状態の基板上の全面にスピンコート法等により犠牲層としてのポリイミド膜12を被着させ、反射板6の立ち下がり部6b及び水平部6cに応じた溝12a並びに反射板用接続部7に応じた開口12bを、ポリイミド膜12にフォトエッチ法により形成する(図2(c))。
【0054】
次いで、図2(c)に示す状態の基板上に、反射板6及び反射板用接続部7となるべきAl膜(例えば、厚さ2000オングストローム)を蒸着法等(例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタ法、MBE法など)により形成した後、フォトエッチ法によりパターニングし、反射板6の形状とする(図2(d))。このとき、Al膜のパターニングによって残す領域を、ポリイミド膜12と重なりかつポリイミド膜12の大きさよりも大きくすることによって、立ち下がり部6b及び水平部6cが形成されることとなる。なお、前記Al膜のパターニングの大きさを適宜変更することによって、水平部6cを形成しないようにすることも可能である。なお、反射板6及び反射板用接続部7となるべき薄膜の材質は、Alに代えて、例えば、Cu、Au、Pt、Pd、Ti、Ta、Cr、Sn、W又はMoなどを用いてもよい。
【0055】
最後に、図2(d)に示す状態の基板を、ダイシングなどによりチップ毎に分割し、レジスト10,11及びポリイミド膜12をアッシング法などにより除去する。これにより、図1に示す放射検出装置が完成する。
【0056】
本実施の形態による放射検出装置100では、変位読み出し部材としての反射板6が変位部3に対して上方に空間を隔てて配置されているので、変位部3と反射板6とが上下に重なり合うため、それら全体の占有面積を小さくすることができ、変位部3及び反射板6の対を基板1上に複数配置する場合であっても、これらの分布密度を高めることができる。
【0057】
また、本実施の形態による放射検出装置では、反射板6の平面部6aの周辺部分の全体に渡って立ち下がり部6bが形成されているので、平面部6aが立ち下がり部6bにより補強される。したがって、平面部6aの所望の機械的強度を確保しつつ、平面部6aの膜厚を薄くすることができている。
【0058】
この点に関して本発明者が行った実験の結果について、図3を参照して説明する。図3(a)(b)はそれぞれ、本発明者が作製した試料を示す概略断面図である。図3中において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付している。図3(a)に示す試料は、図1中の反射板6及び接続部7と同一のものをSi基板1上に形成したものである。この試料の反射板6では、平面部6aの4辺の全体に渡って立ち下がり部6b及び水平部6cが形成されている。図3(b)に示す試料は、図1中の反射板6及び接続部7から立ち下がり部6b及び水平部6cを取り除いたものをSi基板1上に形成したものである。この試料の反射板6は、平面部6aのみからなる。図3(a)(b)にそれぞれ示すいずれの試料も、反射板6及び接続部7を1層のAl膜で構成し、反射板6の平面部6aの大きさを50μm×50μmとした。図3(a)に示す試料では、反射板6を構成するAl膜の厚さを2000オングストロームとした場合に、平面部6aが自重で湾曲しまうようなことがなくその平坦性が保たれた。一方、図3(b)に示す試料では、反射板6を構成するAl膜の厚さを2000オングストロームとした場合には、平面部6aが自重で湾曲してしまいその平坦性が保たれなかった。図3(b)に示す試料では、反射板6を構成するのAl膜の厚さを8000オングストロームとした場合に、平面部6aが自重で湾曲しまうようなことがなくその平坦性が保たれた。
【0059】
本実施の形態によれば、前述したように、反射板6の平面部6aの所望の機械的強度を確保しつつ平面部6aの膜厚を薄くすることができるので、反射板6の軽量化を図ることができる。このため、反射板6を支持している変位部3の機械的強度を低下させることができ、変位部3を構成する膜4,5の膜厚を薄くすることができる。
【0060】
温度変化に対する変位部3の変位量yは、膜4,5の膜厚が互いに等しい場合(本実施の形態では必ずしも等しくなくてもよい。)には、数1で表される。数1において、lは変位部3の長さ、hは変位部3を構成する膜4,5の全体の膜厚、Kは膜4,5の物質に依存する湾曲係数、Tは変位部3に加えられる温度である。
【0061】
【数1】
y=(KTl)/h
【0062】
数1からわかるように、変位部3の膜厚hが薄くなるほど、温度Tの変化量に対する変位部3の変位量yが増大し、変位部3の感度が高まる。したがって、本実施の形態によれば、前述したように膜4,5の膜厚を薄くすることができることから、変位部3の感度を高めることができ、赤外線検出の感度を高めることができる。
【0063】
ここで、本実施の形態による放射検出装置100を用いた映像化装置の一例について、図4を参照して説明する。図4は、この映像化装置を示す概略構成図である。
【0064】
この映像化装置は、前述した放射検出装置100の他に、読み出し光学系と、撮像手段としての2次元CCD20と、観察対象としての熱源21からの赤外線iを集光して放射検出装置100の赤外線吸収部としての変位部3が分布している面上に熱源21の赤外線画像を結像させる赤外線用の結像レンズ22とから構成されている。
【0065】
この映像化装置では、前記読み出し光学系は、読み出し光を供給するための読み出し光供給手段としてのLD(レーザーダイオード)23と、LD23からの読み出し光を放射検出装置100の全ての画素の反射板6へ導く第1レンズ系24と、第1レンズ系24を通過した後に全ての画素の反射板6にて反射された読み出し光の光線束のうち所望の光線束のみを選択的に通過させる光線束制限部25と、第1レンズ系25と協働して各画素の反射板6と共役な位置を形成し且つ該共役な位置に光線束制限部25を通過した光線束を導く第2レンズ系26とから構成されている。前記共役な位置にはCCD20の受光面が配置されており、レンズ系24,26によって全ての画素の反射板6とCCD20の複数の受光素子とが光学的に共役な関係となっている。
【0066】
LD23は、第1レンズ系24の光軸Oに関して一方の側(図4中の右側)に配置されており、当該一方の側の領域を読み出し光が通過するように読み出し光を供給する。本例では、LD23が第1レンズ系24の第2レンズ系26側の焦点面付近に配置されて、第1レンズ系24を通過した読み出し光が略平行光束となって全ての画素の反射板6を照射するようになっている。CCD20上の光学像のコントラストを高めるため、LD23の前部に読み出し光絞りを設けてもよい。本例では、放射検出装置100は、その基板1の面(本例では、赤外線が入射しない場合の反射板6の面と平行)が光軸Oと直交するように配置されている。もっとも、このような配置に限定されるものではない。
【0067】
光線束制限部25は、前記所望の光線束のみを選択的に通過させる部位が第1レンズ系24の光軸Oに関して他方の側(図4中の左側)の領域に配置されるように構成されている。本例では、光線束制限部25は、開口25aを有する遮光板からなり、開口絞りとして構成されている。本例では、いずれの画素の赤外線吸収膜を兼ねる変位部3にも赤外線が入射していなくて全ての画素の反射板6の面が基板1の面と平行である場合に、全ての画素の反射板6で反射した光線束(各反射板6で反射した個別光線束の束)が第1レンズ系24によって集光する集光点の位置と開口25aの位置とがほぼ一致するように、光線束制限部25が配置されている。また、開口25aの大きさは、この光線束の前記集光点での断面の大きさとほぼ一致するように定められている。もっとも、このような配置や大きさに限定されるものではない。
【0068】
図4に示す映像化装置によれば、LD23から出射した読み出し光の光線束31は、第1レンズ系24に入射し、略平行化された光線束32となる。次にこの略平行化された光線束32は、放射検出装置100の全ての画素の反射板6に、基板1の法線に対してある角度をもって入射する。
【0069】
一方、結像レンズ22によって、熱源21からの赤外線が集光され、放射検出装置100の変位部3が分布している面上に、熱源21の赤外線画像が結像される。これにより、放射検出装置100の各画素の変位部3に赤外線が入射する。この入射赤外線は、変位部3により吸収されて熱に変換される。この熱に応じてカンチレバーを構成している変位部3が下方に湾曲して傾斜する。このため、各画素の反射板6は、対応する変位部3に入射した赤外線の量に応じた量だけ基板1の面に対して傾くこととなる。
【0070】
今、全ての画素の変位部3には赤外線が入射しておらず、全ての画素の反射板6が基板1と平行であるものとする。全ての画素の反射板6に入射した光線束32はこれらの反射板6にて反射されて光線束33となり、再び第1レンズ系24に今度はLD23の側とは反対の側から入射して集光光束34となり、この集光光束34の集光点の位置に配置された光線束制限部25の開口25aの部位に集光する。その結果、集光光束34は開口25aを透過して発散光束35となって第2レンズ系26に入射する。第2レンズ系26に入射した発散光束35は、第2レンズ系26により例えば略平行光束36となってCCD20の受光面に入射する。ここで、各画素の反射板6とCCD20の受光面とはレンズ系24,26によって共役な関係にあるので、CCD20の受光面上の対応する各部位にそれぞれ各反射板6の像が形成され、全体として、全ての画素の反射板6の分布像である光学像が形成される。
【0071】
今、ある画素の変位部3にある量の赤外線が入射して、その入射量に応じた量だけ当該画素の反射板6が基板1の面に対して傾いたものとする。光線束32のうち当該反射板6に入射する個別光線束は、当該反射板6によってその傾き量だけ異なる方向に反射されるので、第1レンズ系24を通過した後、その傾き量に応じた量だけ前記集光点(すなわち、開口25a)の位置からずれた位置に集光し、その傾き量に応じた量だけ光線束制限部25により遮られることになる。したがって、CCD20上に形成された全体としての光学像のうち当該反射板6の像の光量は、当該反射板6の傾き量に応じた量だけ低下することになる。
【0072】
したがって、CCD20の受光面上に形成された読み出し光による光学像は、放射検出装置100に入射した赤外線像を反映したものとなる。この光学像は、CCD20により撮像される。なお、CCD20を用いずに、接眼レンズ等を用いて前記光学像を肉眼で観察してもよい。
【0073】
なお、読み出し光学系の構成が前述した構成に限定されるものではないことは、言うまでもない。
【0074】
以上は映像化装置の例であったが、図4において、放射検出装置100として、単一の画素(素子)のみを有する放射検出装置を用い、2次元CCD20に代えて、単一の受光部のみを有する光検出器を用いれば、赤外線のいわゆるポイントセンサとしての検出装置を構成することができる。この点は、後述する各実施の形態についても同様である。
【0075】
[薄膜部材の他の例]
【0076】
前記第1の実施の形態による放射検出装置100の反射板6は、本発明の一実施の形態による薄膜部材である。ここで、本発明の他の実施の形態による薄膜部材について、図5を参照して説明する。図5は、本発明の他の各実施の形態による薄膜部材の要部を示す概略断面図である。
【0077】
図5(a)〜(l)に示す各薄膜部材は、空中に位置するように支持された平面部41aを有しており、これらの図では、平面部41aの左側端部付近が平面部41aの周辺部分となっている。
【0078】
図5(a)に示す薄膜部材では、平面部41aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、平面部41aから立ち上がる立ち上がり部41dが形成され、水平部41cが立ち上がり部41dの上部から側方に外側にわずかに延びている。平面部41a、立ち上がり部41d及び水平部41cは、1層の膜45で一体に形成されている。
【0079】
図5(b)に示す薄膜部材では、平面部41aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、平面部41aから立ち下がる立ち下がり部41bが形成されている。立ち下がり部41bの下部から側方に延びる水平部は、形成されていない。平面部41a及び立ち下がり部41bは、1層の膜45で一体に形成されている。
【0080】
図5(c)に示す薄膜部材では、平面部41aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、平面部41aから立ち下がる立ち下がり部41bが形成され、水平部41cが立ち下がり部41bの下部から側方に外側にわずかに延びている。平面部41aは2層の膜45,46で構成され、立ち下がり部41b及び水平部41cは、平面部41aを構成している下側膜46がそのまま延びることによって形成されている。
【0081】
図5(d)に示す薄膜部材では、平面部41aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、平面部41aから立ち下がる立ち下がり部41bが形成され、水平部41cが立ち下がり部41bの下部から側方に外側にわずかに延びている。平面部41aは2層の膜45,46で構成され、立ち下がり部41b及び水平部41cは、平面部41aを構成している膜45,46がそのまま延びることによって形成されている。
【0082】
図5(e)に示す薄膜部材では、平面部41aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、平面部41aから立ち下がる立ち下がり部41bが形成されている。立ち下がり部41bの下部から側方に延びる水平部は、形成されていない。平面部41aは2層の膜45,46で構成され、立ち下がり部41bは、平面部41aを構成している膜45,46がそのまま延びることによって形成されている。
【0083】
図5(a)〜(e)に示す薄膜部材では、平面部41aの周辺部分の少なくとも一部に渡って立ち上がり部41d又は立ち下がり部41bが形成されているので、平面部41aが立ち上がり部41d又は立ち下がり部41bにより補強される。したがって、平面部41aの所望の機械的強度を確保しつつ、平面部41aの膜厚を薄くすることができる。
【0084】
また、図5(c)〜(e)に示す薄膜部材では、平面部41aが複数層の膜45,46で構成されているが、膜45,46の膨張係数が異なりその差によって平面部41aが温度変化により変位しようとしても、その変位が立ち上がり部又は立ち下がり部によって阻止され、平面部41aの平坦性が維持されることとなる。
【0085】
前述した図1中の反射板6及び図5(a)〜(e)に示す薄膜部材は、平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って立ち上がり部又は立ち下がり部を形成した薄膜部材の例であった。これに対し、以下に説明する図5(f)〜(l)に示す薄膜部材は、平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って、平面部を構成する複数層の膜のうちの少なくとも1層の膜が、前記複数層の膜のうちの他の少なくとも1層の膜の縁部分を覆うように形成された、薄膜部材の例である。
【0086】
図5(f)に示す薄膜部材では、平面部41aが2層の膜45,46で構成され、平面部41aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、上側膜45が下側膜46の縁部分(厚さ方向に沿った面)を覆うように形成され、上側膜45は下側膜46の縁部分に沿って立ち下がり更に側方に外側にわずかに延びている。
【0087】
図5(g)に示す薄膜部材が図5(f)に示す薄膜部材と異なる所は、上側膜45が下側膜46の縁部分に沿って立ち下がったままで側方には延びていない点のみである。
【0088】
図5(h)に示す薄膜部材では、平面部41aが3層の膜45,46,47で構成され、平面部41aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、上側膜45が中間膜46及び下側膜47の縁部分(厚さ方向に沿った面)を覆うように形成され、上側膜45は中間膜46及び下側膜47の縁部分に沿って立ち下がり更に側方に外側にわずかに延びている。
【0089】
図5(i)に示す薄膜部材が図5(f)に示す薄膜部材と異なる所は、膜47が、膜45の上面に、膜45の立ち下がり後の側方に延びた部分の上面を除いて、積層されている点のみである。
【0090】
図5(j)に示す薄膜部材が図5(f)に示す薄膜部材と異なる所は、膜47が、膜46の下面及び膜45における立ち下がり後の側方に延びた部分の下面に、積層されている点のみである。
【0091】
図5(k)に示す薄膜部材が図5(g)に示す薄膜部材と異なる所は、膜47が膜45の上面に積層され、さらに膜47が膜45の立ち下がり部分を覆っている点のみである。
【0092】
図5(l)に示す薄膜部材が図5(f)に示す薄膜部材と異なる所は、膜47が、膜45の上面に、膜45の立ち下がり後の側方に延びた部分の上面も含めて、積層されている点のみである。
【0093】
図5(f)〜(l)に示す薄膜部材では、平面部41aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、平面部41aを構成する複数層の膜のうちの少なくとも1層の膜が、他の少なくとも1層の膜の縁部分を覆うように形成されているので、少なくとも1層の膜が他の少なくとも1層の膜の縁部分を覆っている部分(以下、「被覆部分」という。)によって平面部41aが補強される。したがって、平面部41aの所望の機械的強度を確保しつつ、平面部41aの膜厚を薄くすることができる。
【0094】
また、図5(f)〜(l)に示す薄膜部材では、平面部41aを構成している各層の膜の膨張係数の差によって平面部41aが温度変化により変位しようとしても、その変位が被覆部分によって阻止され、平面部41aの平坦性が維持されることとなる。
【0095】
なお、図5(a)〜(l)に示す薄膜部材が、膜の形成及びパターニング、犠牲層の形成及び除去などの半導体製造技術を利用して製造することができることは、言うまでもない。
【0096】
図5(a)〜(l)に示す薄膜部材は、例えば、図1中の反射板6に代わる反射板として用いることができる。また、図1中の反射板6のような構造の薄膜部材や図5(a)〜(l)に示す薄膜部材は、マイクロマシンや微少な素子を有する各種のデバイスなどにおいて用いることができる。
【0097】
[第2の実施の形態]
【0098】
図6は、本発明の第2の実施の形態による光読み出し型の放射検出装置の単位画素(単位素子)を示す概略平面図である。図7は図6中のX11−X12線に沿った概略断面図、図8は図6中のX13−X14線に沿った概略断面図、図9は図6中のX15−X16線に沿った概略断面図、図10は図6中のY11−Y12線に沿った概略断面図、図11は図6中のY13−Y14線に沿った概略断面図、図12は図6中のY15−Y16線に沿った概略断面図である。図面には示していないが、図6中のX17−X18線に沿った概略断面図は図8と同様となり、図6中のX19−X20線に沿った概略断面図は図7と同様となる。なお、以下の説明において、左右は図6中の左右をいうものとする。
【0099】
この放射検出装置は、基体としてのSi基板51と、基板51から立ち上がった2つの脚部52,53と、脚部52,53を介して基板51に支持され熱に応じて基板51に対して変位する変位部54と、変位部54に生じた変位に応じた所定の変化を得るために用いられる変位読み出し部材としての、受光した読み出し光jを反射する反射板55とを備えている。
【0100】
脚部52は、SiN膜61からなる薄膜部材で構成されている。この薄膜部材は、図1中の反射板6と同様の構造を有している。すなわち、脚部52は、図6、図7及び図10に示すように、空中に支持され基板51と平行な平面部を有し、該平面部の周辺部分の全体(本実施の形態では、4辺の全体)に渡って、前記平面部から立ち下がるように形成された立ち下がり部と、立ち下がり部の下部から側方に外側にわずかに延びた水平部と、を備えている。同様に、脚部53は、SiN膜62からなる薄膜部材で構成され、図6及び図10に示すように、平面部、立ち下がり部及び水平部を有している。なお、図6中、52a及び53aは、脚部52,53における基板51とのコンタクト部をそれぞれ示している。なお、脚部52,53の前記平面部の4辺全体に渡るのではなく例えば図6中の左右方向に延びている2辺のみに渡って、立ち下がり部を形成しておいてもよい。
【0101】
変位部54は、5つの個別変位部71〜75と、これらの所定の端部間を機械的に接続する3つの接続部76〜78とから構成されている。変位部54は、個別変位部71の左側端部が脚部52を介して、個別変位部75の左側端部が脚部53を介して基板51に対してそれぞれ固定されることにより、基板51から空間を隔てて浮いている。個別変位部71の右側端部と個別変位部72の右側端部とが接続部76により、個別変位部72の左側端部と個別変位部73の左側端部と個別変位部74の左側端部とが接続部77により、個別変位部74の右側端部と個別変位部75の右側端部とが接続部78により、それぞれ機械的に接続されている。
【0102】
各個別変位部71〜75は、左右方向に直線状に延びており、互いに平行に配置されている。各個別変位部71,73,75は、Al膜と、その下に積層されたSiO膜とから構成されている。各個別変位部72,74は、逆に、SiO膜と、その下に積層されたAl膜とから構成されている。図6乃至図12中、81〜85はそれぞれ個別変位部71〜75を構成するAl膜を示し、91〜95はそれぞれ個別変位部71〜75を構成するSiO膜を示す。Alの膨張係数はSiOの膨張係数より大きく、各個別変位部71,73,75の各2つの膜の膨張係数の大小関係と、各個別変位部72,74の各2つの膜の膨張係数の大小関係とは、互いに逆となっている。
【0103】
接続部76は、SiN膜101からなる薄膜部材で構成されている。この薄膜部材は、図1中の反射板6と同様の構造を有している。すなわち、接続部76は、図6乃至図8及び図12に示すように、空中に支持され基板51と平行な平面部を有し、該平面部の周辺部分の全体(本実施の形態では、4辺の全体)に渡って、前記平面部から立ち下がるように形成された立ち下がり部と、立ち下がり部の下部から側方に外側にわずかに延びた水平部と、を備えている。同様に、接続部77,78は、それぞれSiN膜102,103からなる薄膜部材で構成され、図6、図8、図9、図11及び図12に示すように、平面部、立ち下がり部及び水平部を有している。なお、接続部76〜78の前記平面部の4辺全体に渡るのではなく例えば図6中の上下方向に延びている2辺のみに渡って、立ち下がり部を形成しておいてもよい。
【0104】
なお、個別変位部71〜75を構成しているSiO膜91〜95が脚部52,53又は接続部76〜78の平面部上にそのまま延びることによって、個別変位部71〜75の端部が脚部52,53又は接続部76〜78に固定されている。
【0105】
個別変位部71〜75は、赤外線を吸収する赤外線吸収部を兼用している。必ずしも、各個別変位部71〜75を構成している2つの膜が赤外線吸収部を兼用する必要はなく、例えば、下側の膜の下面に金黒等の赤外線吸収膜を形成しておいてもよい。
【0106】
以上の説明からわかるように、本実施の形態では、5つの個別変位部71〜75が全体として機械的に接続された1つの接続体をなすように、個別変位部71〜75の各端部がそれぞれ、基板51に対して固定されるかあるいは他の個別変位部の一端部に接続部76〜78を介して機械的に接続されている。そして、個別変位部71,75の左側端部が基板51に対してそれぞれ固定され、個別変位部72〜74の両端部のいずれもが基板51に対しては固定されていない。
【0107】
ここで、複数の個別変位部のうちのある個別変位部から基板51に対して機械的に連続するルートのうち、当該ルートに含まれる個別変位部の数が最も少なくなるルートにおいて、当該個別変位部が前記基板51の側から数えてN番目の個別変位部である場合に、当該個別変位部を第N段の個別変位部であると定義し、第N段の個別変位部を第N+1段の個別変位部に対する前段の個別変位部、第N+1段の個別変位部を第N段の個別変位部に対する次段の個別変位部であると定義する。また、Nが最大値をとる個別変位部を最終段の個別変位部であると定義する。
【0108】
前述した定義に従うと、個別変位部71は第1段、個別変位部72は第2段、個別変位部73は第3段、個別変位部74は第2段、個別変位部75は第1段の個別変位部であり、個別変位部73が最終段の個別変位部である。第1段の個別変位部71,75の数が2つであり、最終段の個別変位部73の数が1つである。一方の第1段の個別変位部71から最終段の個別変位部73にかけての構造と、他方の第1段の個別変位部75から最終段の個別変位部73にかけての構造とが対称的になっている。なお、本発明では、例えば、最終段の個別変位部の数は2つでもよいし、第1段の個別変位部の数は1つでもよい。
【0109】
前述した説明からわかるように、本実施の形態では、各接続部76〜78において、同じ接続部を介して互いに接続された前段の個別変位部の端部及び次段の個別変位部の端部は、それぞれ当該前段及び次段の個別変位部の互いに同じ側の端部となっている。例えば、同じ接続部76を介して互いに接続された第1段(前段)の個別変位部71の端部及び第2段(次段)の個別変位部72は、それぞれ当該個別変位部71,72の互いに同じ側の端部である右側端部となっている。これにより、個別変位部71,72は接続部76において折り返されたような形態をなすことになる。もっとも、本発明では、このような折り返し形態に限定されるものではなく、例えば、ある接続部において、前段の個別変位部の右側端部と次段の個別変位部の左側端部とが機械的に接続されてもよい。
【0110】
反射板55は、図1中の反射板6と同様に、空中に支持され基板51と平行な平面部を有し、該平面部の周辺部分の全体(本実施の形態では、4辺の全体)に渡って、前記平面部から立ち下がるように形成された立ち下がり部と、立ち下がり部の下部から側方に外側にわずかに延びた水平部と、を備えている。
【0111】
反射板55は、その中央が反射板用接続部56を介して変位部54の最終段の個別変位部73の先端部に対して固定されることにより、変位部54の上方に空間を隔てて配置され、単位画素領域のほぼ全体をカバーするように配置されている。図9に示すように、個別変位部73の一部を構成しているSiO膜93が個別変位部73の先端から更に右方向に若干延びており、この延びた部分93aに反射板用接続部56の下部が固定されている。反射板用接続部56は、反射板55を構成するAl膜がそのまま延びて構成されている。反射板用接続部55と前記部分93aとによって、個別変位部73の先端部と反射板55の中央とが機械的に接続されている。反射板55は、反射板用接続部56と共に、1層のAl膜(例えば、厚さ2000オングストローム)で一体に形成されている。
【0112】
なお、このような反射板55を設けずに、個別変位部73の上側のAl膜83を、変位部54に生じた変位に応じた所定の変化を得るために用いられる変位読み出し部材としての、受光した読み出し光jを反射する反射板として、兼用してもよい。この場合、変位部54の上方にマスクを設け、このマスクによって個別変位部73のAl膜83のみに読み出し光jが照射されるようにすればよい。
【0113】
図面には示していないが、変位部54及び脚部52,53及び反射板55を単位素子(画素)として、この画素が基板51上に1次元状又は2次元状に配置されている。
【0114】
以上の説明からわかるように、基板51、変位部54及び脚部52,53が熱に応じて変位を発生する熱型変位素子を構成している。
【0115】
次に、本実施の形態による放射検出装置の製造方法の一例について、図13乃至図18を参照して説明する。図13乃至図18は、この製造工程を模式的に示す概略平面図である。これらの図では、1画素分の領域200のみを示している。
【0116】
まず、図13に示すように、Si基板51上の全面に犠牲層となるレジスト(図示せず)を塗布し、脚部52,53のコンタクト部52a,53aに応じた開口210をフォトリソグラフィーにより形成する。
【0117】
次に、図13に示す態の基板上の全面にスピンコート法等により犠牲層としてのポリイミド膜211を被着させ、脚部52,53の平面部及び接続部76〜78の平面部に応じた部分のみのポリイミド膜211を島状に残すように、ポリイミド膜211の他の部分(開口210の部分も含む)をフォトエッチ法により除去する(図14)。
【0118】
次に、脚部52,53となるべきSiN膜(例えば、3000オングストローム)をP−CVD法等によりデポした後、フォトエッチ法によりパターニングし、膜61,62,101〜103の形状とする(図15)。このとき、SiN膜のパターニングによって残す領域を、ポリイミド膜211と重なりかつポリイミド膜211の大きさよりも大きくすることによって、平面部、立ち下がり部及び水平部が形成されることとなる。
【0119】
次に、個別変位部71,73,75の下側膜91,93,95となるべきSiO膜(例えば、2500オングストローム)をP−CVD法等によりデポした後、フォトエッチ法によりパターニングし、膜91,93,95の形状とする(図16)。
【0120】
その後、個別変位部71,73,75の上側膜81,83,85及び個別変位部72,74の下側膜82,84となるべきAl膜(例えば、1000オングストローム)を蒸着法等によりデポした後、フォトエッチ法によりパターニングし、膜81〜85の形状とする(図17)。
【0121】
次に、個別変位部72,74の上側膜92,94となるべきSiO膜(例えば、2800オングストローム)をP−CVD法によりデポした後、フォトエッチ法によりパターニングし、膜92,94の形状とする(図18)。
【0122】
その後、図面には示していないが、図2(b)〜(d)を参照して前述した工程と同様の工程により、図示しない犠牲層上に反射板55及び反射板用接続部56となるべきAl膜を蒸着法にデポした後、フォトエッチ法によりパターニングし、反射板55の形状とする。
【0123】
最後に、この状態の基板を、ダイシングなどによりチップ毎に分割し、ポリイミド膜211及びその他の全ての犠牲層をアッシング法などにより除去する。これにより、図6乃至図12に示す放射検出装置が完成する。
【0124】
本実施の形態による放射検出装置によれば、下方から赤外線iが入射すると、個別変位部71〜75が赤外線iを吸収して熱を発生する。この熱により、(1)個別変位部71の右側端部が図7に示すようにその左側端部に対して相対的に下方に変位するように、個別変位部71が撓み、(2)個別変位部72の左側端部が図8に示すようにその右側端部に対して相対的に上方に変位するように、個別変位部72が撓み、(3)個別変位部73の右側端部が図9に示すようにその左側端部に対して相対的に下方に変位するように、個別変位部73が撓み、(4)個別変位部75が個別変位部71と同様に撓み、(5)個別変位部74が個別変位部72と同様に撓む。この時、個別変位部73の右側端部が初期状態に対して変位した角度変化量(角度に関する変位量)は、ちょうど、個別変位部71,75の長さL1(図4、図7)と個別変位部72,74の長さL2(図5)と個別変位部73の長さL3(図6)の合計の長さ(L1+L2+L3)を持った単一の個別変位部で変位部54を構成した場合に得られる角度変化量に等しくなる。
【0125】
このように大きな変位量を得ることができ、ひいては検出感度を高めることができるにも関わらず、前段の個別変位部と次段の個別変位部とが接続部において互いに折り返されたように機械的に連続しているので、変位部54の左右方向の長さがL1+L2+L3の長さに比べてかなり短くなる。したがって、複数の変位部54を基板51上に配置する場合であっても、複数の変位部54の左右方向の分布密度を高めることができ、左右方向の空間分解能が向上し、得られる画像の画質が劣化してしまうようなことがない。また、変位部54の左右方向の長さが短くなるので、変位部54の重心位置は、単一の個別変位部で変位部54を構成した場合と比べて、脚部52,53間の中点に近い位置にあることから、バランスが良く、安定している。このため、脚部52,53に加わる応力が低下し、機械的強度の高い構造が実現される。
【0126】
また、本実施の形態によれば、反射板55及び接続部76〜78が、図1中の反射板6と同様に、平面部の周辺部分に渡って形成された立ち下がり部を有する薄膜部材によって構成されているので、反射板55及び接続部76〜78の平面部の膜厚を薄くすることができる。したがって、反射板55及び接続部76〜78が軽量化されている。このため、個別変位部71〜75の膜厚を薄くすることができる。その結果、変位部54の感度が高まり、赤外線検出の感度が高まる。
【0127】
さらに、本実施の形態によれば、脚部52,53が、図1中の反射板6と同様に、平面部の周辺部分に渡って形成された立ち下がり部を有する薄膜部材によって構成されているので、脚部52,53の膜厚を薄くすることができている。したがって、基板51と変位部54との間の断熱性が高まるので、変位部54の変位量が入射赤外線量を精度良く反映したものとなり、赤外線検出のS/Nが高まる。
【0128】
本実施の形態では、反射板55、接続部76〜78及び脚部52,53の全てを図1中の反射板6と同様の薄膜部材でそれぞれ構成している。しかしながら、本発明では、例えば、反射板55、接続部76〜78及び脚部52,53のうちの少なくとも1つのみを、図1中の反射板6と同様の薄膜部材及び図5(a)〜(l)にそれぞれ示す薄膜部材のうちのいずれかの薄膜部材で構成してもよい。
【0129】
なお、本実施の形態による放射検出装置が、図4に示す映像化装置において放射検出装置100の代わりに用いることができることは、言うまでもない。
【0130】
[第3の実施の形態]
【0131】
図19は、本発明の第3の実施の形態による光読み出し型の放射検出装置の単位画素(単位素子)を示す概略平面図である。図20は図19中のX21−X22線に沿った概略断面図である。図面には示していないが、図19中のX23−X24線に沿った概略断面図は図20と同様となる。
【0132】
図19及び図20において、図6乃至図12中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0133】
本実施の形態が前記第2の実施の形態と異なる所は、個別変位部71,75及び接続部76,78が取り除かれ、代わりに、個別変位部71及び接続部76が存在していた部分に脚部52の平面部が延びるとともに、個別変位部75及び接続部78が存在していた部分に脚部53の平面部が延びている点のみである。
【0134】
本実施の形態によれば、前記第2の実施の形態と同様の利点が得られる他、脚部52,53が長くなっているので、脚部52,53の断熱性が一層高まって赤外線検出のS/Nが一層高まるという利点も得られる。本実施の形態のように脚部52,53の平面部が長い場合には、脚部52,53の平面部の周辺部分に渡って形成された立ち下がり部は、所望の機械的強度を確保しつつ脚部52,53の膜厚を薄くする上で、特に有効である。
【0135】
[第4の実施の形態]
【0136】
図21は、本発明の第4の実施の形態による光読み出し型の放射検出装置の単位画素(単位素子)を示す概略平面図である。図22は図21中のX31−X32線に沿った概略断面図、図23は図21中のX33−X34線に沿った概略断面図、図24は図21中のX35−X36線に沿った概略断面図、図25は図21中のY31−Y32線に沿った概略断面図、図26は図21中のY33−Y34線に沿った概略断面図、図27は図21中のY35−Y36線に沿った概略断面図である。図面には示していないが、図21中のX37−X38線に沿った概略断面図は図23と同様となり、図21中のX39−X40線に沿った概略断面図は図22と同様となる。
【0137】
図21乃至27において、図6乃至図12中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。本実施の形態が前記第2の実施の形態と異なる所は、以下に説明する点のみである。
【0138】
脚部52は、互いに重なった下側のSiO膜121及び上側のAl膜122からなる薄膜部材で構成されている。この薄膜部材は、図5(f)に示す薄膜部材と同様の構造を有している。すなわち、脚部52は、図21、図22及び図25に示すように、空中に支持され基板51と平行な平面部(この平面部は2層の膜121,122からなる。)を有し、該平面部の周辺部分の一部(本実施の形態では、ほぼ3辺)に渡って、上側膜122が、下側膜121の縁部分を覆うように形成され、上側膜122は下側膜121の縁部分に沿って立ち下がり更に側方に外側にわずかに延びている。同様に、脚部53は、互いに重なった下側のSiO膜123及び上側のAl膜124からなる薄膜部材で構成され、図21及び図25に示すように、空中に支持され基板51と平行な平面部(この平面部は2層の膜123,124からなる。)を有し、該平面部の周辺部分の一部(本実施の形態では、ほぼ3辺)に渡って、上側膜124が、下側膜123の縁部分を覆うように形成され、上側膜124は下側膜123の縁部分に沿って立ち下がり更に側方に外側にわずかに延びている。
【0139】
接続部76は、互いに重なった上側のAl膜131及び下側のSiO膜141とからなる薄膜部材で構成されている。この薄膜部材も、図5(f)に示す薄膜部材と同様の構造を有している。すなわち、接続部76は、図21、図22、図23及び図27に示すように、空中に支持され基板51と平行な平面部(この平面部は2層の膜131,141からなる。)を有し、該平面部の周辺部分の一部(本実施の形態では、個別変位部71との固定部付近を除く4辺)に渡って、上側膜131が、下側膜141の縁部分を覆うように形成され、上側膜131は下側膜141の縁部分に沿って立ち下がり更に側方に外側にわずかに延びている。同様に、接続部77は、互いに重なった上側のAl膜132及び下側のSiO膜142とからなる薄膜部材で構成され、この薄膜部材も図5(f)に示す薄膜部材と同様の構造を有している。同様に、接続部78は、互いに重なった上側のAl膜133及び下側のSiO膜143とからなる薄膜部材で構成され、この薄膜部材も図5(f)に示す薄膜部材と同様の構造を有している。
【0140】
本実施の形態では、脚部52の下側のSiO膜121、個別変位部71の下側のSiO膜191及び接続部76の下側のSiO膜141が、連続した1つのSiO膜となっている。脚部53の下側のSiO膜123、個別変位部75の下側のSiO膜195及び接続部78の下側のSiO膜143が、連続した1つのSiO膜となっている。個別変位部73の下側のSiO膜193及び接続部77の下側のSiO膜142が、連続した1つのSiO膜となっている。
【0141】
なお、個別変位部72,74を構成しているSiO膜192,194が接続部76〜78の平面部上にそのまま延びることによって、個別変位部72,74の端部が接続部76〜78に固定されている。
【0142】
次に、本実施の形態による放射検出装置の製造方法の一例について、図28乃至図31を参照して説明する。図28乃至図31は、この製造工程を模式的に示す概略平面図である。これらの図では、1画素分の領域200のみを示している。
【0143】
まず、図28に示すように、Si基板51上の全面に犠牲層となるレジスト(図示せず)を塗布し、脚部52,53のコンタクト部52a,53aに応じた開口210をフォトリソグラフィーにより形成する。
【0144】
次に、脚部52,53の下側膜121,123、個別変位部71,73,75の下側膜191,193,195及び接続部76〜78の下側膜141〜143となるべきSiO膜(例えば、3000オングストローム)をP−CVD法等によりデポした後、フォトエッチ法によりパターニングし、膜121,123,191,193,195,141〜143の形状とする(図29)。
【0145】
その後、個別変位部71,73,75の上側膜181,183,185、個別変位部72,74の下側膜182,184及び接続部76〜78の上側膜131〜133となるべきAl膜(例えば、1500オングストローム)を蒸着法等によりデポした後、フォトエッチ法によりパターニングし、膜122,124,181〜185,131〜133の形状とする(図30)。このとき、Al膜のパターニングによって膜122,124,131〜133の形状とするために残す領域を、膜121,123,141〜143とそれぞれ重なりかつ膜121,123,141〜143の大きさよりも大きくする。
【0146】
次に、個別変位部72,74の上側膜192,194となるべきSiO膜をP−CVD法によりデポした後、フォトエッチ法によりパターニングし、膜192,194の形状とする(図31)。
【0147】
その後、図面には示していないが、図2(b)〜(d)を参照して前述した工程と同様の工程により、図示しない犠牲層上に反射板55及び反射板用接続部56となるべきAl膜を蒸着法にデポした後、フォトエッチ法によりパターニングし、反射板55の形状とする。
【0148】
最後に、この状態の基板を、ダイシングなどによりチップ毎に分割し、ポリイミド膜211及びその他の全ての犠牲層をアッシング法などにより除去する。これにより、図21乃至図27に示す放射検出装置が完成する。
【0149】
本実施の形態によれば、反射板55が、図1中の反射板6と同様に、平面部の周辺部分に渡って形成された立ち下がり部を有する薄膜部材によって構成されているので、反射板55の平面部の膜厚を薄くすることができる。また、接続部76〜78が、図5(f)に示す薄膜部材と同様の薄膜部材によって構成されているので、接続部76〜78の平面部の膜厚を薄くすることができる。したがって、前記第2の実施の形態と同様に、反射板55及び接続部76〜78が軽量化されている。このため、個別変位部71〜75の膜厚を薄くすることができる。その結果、変位部54の感度が高まり、赤外線検出の感度が高まる。
【0150】
さらに、本実施の形態によれば、脚部52,53が、図5(f)に示す薄膜部材と同様の薄膜部材によって構成されているので、脚部52,53の膜厚を薄くすることができている。したがって、前記第2の実施の形態と同様に、基板51と変位部54との間の断熱性が高まるので、変位部54の変位量が入射赤外線量を精度良く反映したものとなり、赤外線検出のS/Nが高まる。
【0151】
本実施の形態によれば、以上の点以外のついても、前記第2の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0152】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。例えば、膜の材料や寸法等は前述したものに限定されない。
【0153】
また、前述した各実施の形態は、光読み出し型の放射検出装置及びそれに用いられる熱型変位素子の例であったが、本発明は、例えば、静電容量型の放射検出装置及びそれに用いられる熱型変位素子や、その他の種々の熱型変位素子にも適用することができる。
【0154】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、所望の機械的強度を確保しつつ膜厚を薄くすることができる薄膜部材を提供することができる。
【0155】
また、本発明によれば、所望の機械的強度を確保しつつ膜厚を薄くすることができる薄膜部材を用いることによって、感度等の特性の向上を図ることができる熱型変位素子及び放射検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による放射検出装置の単位画素を示す図である。
【図2】図1に示す放射検出装置の製造工程を示す概略断面図である。
【図3】本発明者が行った実験の説明図である。
【図4】図1に示す放射検出装置を用いた映像化装置の一例を示す概略構成図である。
【図5】本発明の各実施の形態による薄膜部材の要部を示す概略断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による放射検出装置の単位画素を示す概略平面図である。
【図7】図6中のX11−X12線に沿った概略断面図である。
【図8】図6中のX13−X14線に沿った概略断面図である。
【図9】図6中のX15−X16線に沿った概略断面図である。
【図10】図6中のY11−Y12線に沿った概略断面図である。
【図11】図6中のY13−Y14線に沿った概略断面図である。
【図12】図6中のY15−Y16線に沿った概略断面図である。
【図13】図6乃至図12に示す放射検出装置の製造工程を示す概略平面図である。
【図14】図13に引き続く工程を示す概略平面図である。
【図15】図14に引き続く工程を示す概略平面図である。
【図16】図15に引き続く工程を示す概略平面図である。
【図17】図16に引き続く工程を示す概略平面図である。
【図18】図17に引き続く工程を示す概略平面図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態による放射検出装置の単位画素を示す概略平面図である。
【図20】図19中のX21−X22線に沿った概略断面図である。
【図21】本発明の第4の実施の形態による放射検出装置の単位画素を示す概略平面図である。
【図22】図21中のX31−X32線に沿った概略断面図である。
【図23】図21中のX33−X34線に沿った概略断面図である。
【図24】図21中のX35−X36線に沿った概略断面図である。
【図25】図21中のY31−Y32線に沿った概略断面図である。
【図26】図21中のY33−Y34線に沿った概略断面図である。
【図27】図21中のY35−Y36線に沿った概略断面図である。
【図28】図21乃至図27に示す放射検出装置の製造工程を示す概略平面図である。
【図29】図28に引き続く工程を示す概略平面図である。
【図30】図29に引き続く工程を示す概略平面図である。
【図31】図30に引き続く工程を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1,51 基板
2,52,53 脚部
3,54 変位部
6,55 反射板
6b 立ち下がり部
71〜75 個別変位部
76〜78 接続部

Claims (5)

  1. 基体と、該基体に脚部を介して支持され熱に応じて前記基体に対して変位する変位部とを備えた熱型変位素子において、
    前記脚部が、第1の薄膜部材又は第2の薄膜部材で構成され、
    前記第1の薄膜部材は、1層又は複数層の膜からなる平面部を有し該平面部が空中に位置するように支持された薄膜部材であって、前記平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って、前記平面部から立ち上がるかあるいは立ち下がる立ち上がり部又は立ち下がり部が形成された薄膜部材であり、
    前記第2の薄膜部材は、複数層の膜からなる平面部を有し該平面部が空中に位置するように支持された薄膜部材であって、前記平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って、前記複数層の膜のうちの少なくとも1層の膜が、前記複数層の膜のうちの他の少なくとも1層の膜の縁部分を覆うように形成された薄膜部材である、
    ことを特徴とする熱型変位素子。
  2. 請求項1記載の熱型変位素子と、前記変位部に対して固定された変位読み出し部材であって、前記変位部に生じた変位に応じた所定の変化を得るために用いられる変位読み出し部材とを備え、前記変位部は放射を吸収した時に生ずる熱に応じて前記基体に対して変位する放射検出装置において、
    前記変位読み出し部材が、前記変位部に対して上方又は下方に空間を隔てて配置され、
    前記変位読み出し部材が、第3の薄膜部材又は第4の薄膜部材で構成され、
    前記第3の薄膜部材は、1層又は複数層の膜からなる平面部を有し該平面部が空中に位置するように支持された薄膜部材であって、前記平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って、前記平面部から立ち上がるかあるいは立ち下がる立ち上がり部又は立ち下がり部が形成された薄膜部材であり、
    前記第4の薄膜部材は、複数層の膜からなる平面部を有し該平面部が空中に位置するように支持された薄膜部材であって、前記平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って、前記複数層の膜のうちの少なくとも1層の膜が、前記複数層の膜のうちの他の少なくとも1層の膜の縁部分を覆うように形成された薄膜部材である、
    ことを特徴とする放射検出装置。
  3. 記変位部は複数の個別変位部を有し、
    前記複数の個別変位部の各々は、直線状に延びるとともに、異なる膨張係数を有する異なる物質の互いに重なった少なくとも2つの層を有し、
    前記複数の個別変位部が互いに平行に配置され、
    前記複数の個別変位部が全体として機械的に接続された1つの接続体をなすように、前記複数の個別変位部の各端部がそれぞれ、前記基体に対して固定されるかあるいは他の個別変位部の一端部に接続部を介して機械的に接続され、
    前記複数の個別変位部のうちの少なくとも1つの個別変位部の一端部が前記基体に対して固定され、
    前記複数の個別変位部のうちの少なくとも1つの個別変位部の両端部のいずれもが前記基体に対しては固定されず、
    前記接続部が、第3の薄膜部材又は第4の薄膜部材で構成され、
    前記第3の薄膜部材は、1層又は複数層の膜からなる平面部を有し該平面部が空中に位置するように支持された薄膜部材であって、前記平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って、前記平面部から立ち上がるかあるいは立ち下がる立ち上がり部又は立ち下がり部が形成された薄膜部材であり、
    前記第4の薄膜部材は、複数層の膜からなる平面部を有し該平面部が空中に位置するように支持された薄膜部材であって、前記平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って、前記複数層の膜のうちの少なくとも1層の膜が、前記複数層の膜のうちの他の少なくとも1層の膜の縁部分を覆うように形成された薄膜部材である、
    ことを特徴とする請求項1記載の熱型変位素子。
  4. 前記複数の個別変位部のうちのある個別変位部から前記基体に対して機械的に連続するルートのうち、当該ルートに含まれる個別変位部の数が最も少なくなるルートにおいて、当該個別変位部が前記基体の側から数えてN番目の個別変位部である場合に、当該個別変位部を第N段の個別変位部であると定義し、第N段の個別変位部を第N+1段の個別変位部に対する前段の個別変位部、第N+1段の個別変位部を第N段の個別変位部に対する次段の個別変位部であると定義したとき、
    前記各接続部において、同じ接続部を介して互いに接続された前段の個別変位部の端部及び次段の個別変位部の端部は、それぞれ当該前段及び次段の個別変位部の互いに同じ側の端部であり、
    前記各段の個別変位部の前記少なくとも2つの層の物質の膨張係数の大小関係と、その次段の個別変位部の前記少なくとも2つの層の物質の膨張係数の大小関係とが、互いに逆であることを特徴とする請求項記載の熱型変位素子。
  5. 請求項又は記載の熱型変位素子と、最終段の個別変位部に対して固定された変位読み出し部材であって、前記最終段の個別変位部に生じた変位に応じた所定の変化を得るために用いられる変位読み出し部材とを備え、前記複数の個別変位部が放射を受けて熱を発生することを特徴とする放射検出装置。
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