JP2000326299A - 薄膜部材並びにこれを用いた熱型変位素子及び放射検出装置 - Google Patents

薄膜部材並びにこれを用いた熱型変位素子及び放射検出装置

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JP2000326299A
JP2000326299A JP11134143A JP13414399A JP2000326299A JP 2000326299 A JP2000326299 A JP 2000326299A JP 11134143 A JP11134143 A JP 11134143A JP 13414399 A JP13414399 A JP 13414399A JP 2000326299 A JP2000326299 A JP 2000326299A
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純児 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の機械的強度を確保しつつ膜厚を薄くす
ることができる薄膜部材を用いることによって、感度等
の特性の向上を図る。 【解決手段】 膨張係数の異なる2つの膜4,5からな
る変位部3は、脚部2を介して基板1に支持される。変
位部3は赤外線吸収部を兼ねる。反射板6が、変位部3
の先端部に対して固定される。変位部3が赤外線iを受
けると熱を発生して撓み、反射板6による読み出し光j
の反射方向が変化する。反射板6は、平面部6aと、平
面部6aの周辺部分の全体に渡って、平面部6aから立
ち下がるように形成された立ち下がり部6bと、立ち下
がり部6bの下部から側方に外側にわずかに延びた水平
部6cと、を備えた薄膜部材で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロマシンや
微少な素子を有する各種のデバイスなどにおいて用いら
れる薄膜部材、並びに、これを用いた熱型変位素子及び
放射検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、マイクロマシンや、微少な素
子を有する各種のデバイスなどにおいては、1層又は複
数層の膜からなる平面部を有し該平面部が空中に位置す
るように支持された薄膜部材が用いられている。この薄
膜部材は、一般的に、半導体製造工程を用いて作製され
ている。
【0003】例えば、従来から、静電容量型の熱型赤外
線検出装置や光読み出し型の熱型赤外線検出装置などに
おいては、基体と、脚部を介して前記基体に支持され熱
に応じて前記基体に対して変位する変位部とを備えた熱
型変位素子が用いられている(特開平8−193888
号公報、米国特許第3,896,309号公報、特開平
10−253447号公報、特開平10−260080
号公報等)。そして、このような熱型変位素子におい
て、前記脚部として前記薄膜部材が用いられている。
【0004】前述したような従来の薄膜部材では、前記
平面部は、単に、所望の平面形状を有する1層以上の膜
で構成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の薄膜部材で
は、平面部が単に所望の平面形状を有する1層以上の膜
で構成されていたので、所望の機械的強度を確保するた
めには、膜厚を厚くしなければならなかった。このた
め、従来の薄膜部材では、その用途に応じて種々の不都
合が生じていた。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、所望の機械的強度を確保しつつ膜厚を薄くす
ることができる薄膜部材を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、所望の機械的強度を確保
しつつ膜厚を薄くすることができる薄膜部材を用いるこ
とによって、感度等の特性の向上を図ることができる熱
型変位素子及び放射検出装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による薄膜部材は、1層又は複
数層の膜からなる平面部を有し該平面部が空中に位置す
るように支持された薄膜部材であって、前記平面部の周
辺部分の少なくとも一部に渡って、前記平面部から立ち
上がるかあるいは立ち下がる立ち上がり部又は立ち下が
り部が形成されたものである。この薄膜部材は、通常、
半導体製造工程を用いて作製される。前記立ち上がり部
及び立ち下がり部は、前記1層又は複数層の膜のうちの
1層以上の膜で一体に形成されることが好ましい。
【0009】この第1の態様によれば、平面部の周辺部
分の少なくとも一部に渡って立ち上がり部又は立ち下が
り部が形成されているので、平面部が立ち上がり部又は
立ち下がり部により補強される。したがって、平面部の
所望の機械的強度を確保しつつ、平面部の膜厚を薄くす
ることができる。
【0010】また、平面部を複数層の膜で構成した場
合、各層の膜の膨張係数の差によって平面部が温度変化
により変位しようとしても、その変位が立ち上がり部又
は立ち下がり部によって阻止され、平面部の平坦性が維
持されることとなる。
【0011】本発明の第2の態様による薄膜部材は、複
数層の膜からなる平面部を有し該平面部が空中に位置す
るように支持された薄膜部材であって、前記平面部の周
辺部分の少なくとも一部に渡って、前記複数層の膜のう
ちの少なくとも1層の膜が、前記複数層の膜のうちの他
の少なくとも1層の膜の縁部分を覆うように形成された
ものである。この薄膜部材は、通常、半導体製造工程を
用いて作製される。
【0012】この第2の態様によれば、平面部の周辺部
分の少なくとも一部に渡って、複数層の膜のうちの少な
くとも1層の膜が、他の少なくとも1層の膜の縁部分を
覆うように形成されているので、少なくとも1層の膜が
他の少なくとも1層の膜の縁部分を覆っている部分(以
下、「被覆部分」という。)によって平面部が補強され
る。したがって、平面部の所望の機械的強度を確保しつ
つ、平面部の膜厚を薄くすることができる。
【0013】また、平面部を構成している各層の膜の膨
張係数の差によって平面部が温度変化により変位しよう
としても、その変位が被覆部分によって阻止され、平面
部の平坦性が維持されることとなる。
【0014】本発明の第3の態様による熱型変位素子
は、基体と、該基体に脚部を介して支持され熱に応じて
前記基体に対して変位する変位部とを備えた熱型変位素
子において、前記脚部が前記第1又は第2の態様による
薄膜部材で構成されたものである。
【0015】熱型変位素子においては、基体と変位部と
の間の断熱性が高いほど、変位部の変位量が所定の熱を
精度良く反映したものとなる。前記第3の態様によれ
ば、脚部が前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構
成されているので、脚部の所望の機械的強度を確保しつ
つ、脚部の膜厚を薄くすることができる。したがって、
前記第3の態様によれば、基体と変位部との間の断熱性
を高めることができ、変位部の変位量が所定の熱を精度
良く反映したものとなる。
【0016】例えば、前記第3の態様による熱型変位素
子を備えた放射検出装置であって、入射した放射により
発生する熱に応じて前記変位部が変位し、前記変位部の
変位に応じた所定の変化を得る放射検出装置を提供する
ことができる。なお、前記放射は、赤外線のみならず、
X線、紫外線等の不可視光や他の種々の放射であっても
よい(後述する第4及び第7の態様についても同様であ
る。)。この放射検出装置によれば、前記第3の態様に
よる熱型変位素子が用いられているので、基体と変位部
との間の断熱性を高めることができることから、変位部
の変位量が入射放射量を精度良く反映したものとなり、
放射検出のS/Nを高めることができる。
【0017】本発明の第4の態様による放射検出装置
は、基体と、該基体に支持され、放射を吸収した時に生
ずる熱に応じて前記基体に対して変位する変位部と、該
変位部に対して固定された変位読み出し部材であって、
前記変位部に生じた変位に応じた所定の変化を得るため
に用いられる変位読み出し部材とを備えたものである。
そして、前記変位読み出し部材が、前記変位部に対して
上方又は下方に空間を隔てて配置され、前記変位読み出
し部材が前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成
される。
【0018】この第4の態様によれば、変位読み出し部
材が変位部に対して上方又は下方に空間を隔てて配置さ
れているので、変位部と変位読み出し部材とが上下に重
なり合うため、それら全体の占有面積を小さくすること
ができ、変位部及び変位読み出し部材の対を基体上に複
数配置する場合であっても、これらの配置を理想的な配
置に近づけることができる。
【0019】そして、前記第4の態様によれば、変位読
み出し部材が前記第1又は第2の態様による薄膜部材で
構成されているので、変位読み出し部材の所望の機械的
強度を確保しつつ、変位読み出し部材の膜厚を薄くする
ことができる。このため、変位読み出し部材の軽量化を
図ることができるので、変位部の機械的強度を低下させ
ることができ、変位部の膜厚を薄くすることができる。
変位部は、通常、異なる膨張係数を有する異なる物質の
互いに重なった少なくとも2つの層を有する構造を持つ
が、変位部の膜厚が薄いほど温度変化に対する変位量が
大きくなって感度が高くなる。したがって、前記第4の
態様によれば、変位部の感度を高めることができる。
【0020】前記第4の態様において、前記変位読み出
し部材は、受光した読み出し光を反射する反射板であっ
てもよいし、電極であってもよい。前者は、前記第4の
態様を、入射放射量を読み出し光の変化として読み出す
いわば光読み出し型の放射検出装置に適用した例であ
る。後者は、前記第4の態様を、入射放射量を静電容量
の変化として読み出す静電容量型の放射検出装置等に適
用した例である。もっとも、前記第4の態様は、これら
のタイプの放射検出装置に限定されるものではない。こ
れらの点は、後述する第7の態様についても同様であ
る。
【0021】前記第4の態様による放射検出装置におい
て、前記変位部及び前記変位読み出し部材を1個の素子
として当該素子を複数個設け、当該素子を1次元状又は
2次元状に配列してもよい。この場合、放射の像を映像
化することが可能となるが、前記第4の態様では、変位
部及び変位読み出し部材の対を1個のみ有していてもよ
い。これらの点は、後述する第7の態様についても同様
である。
【0022】また、前記第4の態様による放射検出装置
において、次のように構成してもよい。すなわち、前記
変位部が複数の個別変位部を有する。そして、前記複数
の個別変位部の各々は、直線状に延びるとともに、異な
る膨張係数を有する異なる物質の互いに重なった少なく
とも2つの層を有する。前記複数の個別変位部が互いに
平行に配置される。前記複数の個別変位部が全体として
機械的に接続された1つの接続体をなすように、前記複
数の個別変位部の各端部がそれぞれ、前記基体に対して
固定されるかあるいは他の個別変位部の一端部に接続部
を介して機械的に接続される。前記複数の個別変位部の
うちの少なくとも1つの個別変位部の一端部が前記基体
に対して固定される。前記複数の個別変位部のうちの少
なくとも1つの個別変位部の両端部のいずれもが前記基
体に対しては固定されない。前記変位読み出し部材が最
終段の個別変位部に対して固定される。
【0023】この場合には、前記第4の態様と同じ利点
が得られるのみならず、後述する第5の態様と同様に、
複数の変位部を基体上に配置する場合であっても、大き
な変位量を得ることができるとともに、その配置を理想
的な配置に近づけることができる。
【0024】この場合において、前記複数の個別変位部
のうちのある個別変位部から前記基体に対して機械的に
連続するルートのうち、当該ルートに含まれる個別変位
部の数が最も少なくなるルートにおいて、当該個別変位
部が前記基体の側から数えてN番目の個別変位部である
場合に、当該個別変位部を第N段の個別変位部であると
定義し、第N段の個別変位部を第N+1段の個別変位部
に対する前段の個別変位部、第N+1段の個別変位部を
第N段の個別変位部に対する次段の個別変位部であると
定義したとき、(1)前記各接続部において、同じ接続
部を介して互いに接続された前段の個別変位部の端部及
び次段の個別変位部の端部は、それぞれ当該前段及び次
段の個別変位部の互いに同じ側の端部であり、(2)前
記各段の個別変位部の前記少なくとも2つの層の物質の
膨張係数の大小関係と、その次段の個別変位部の前記少
なくとも2つの層の物質の膨張係数の大小関係とが、互
いに逆であるようにしてもよい。
【0025】この場合には、後述する第6の態様と同様
に、複数の変位部を基体上に配置する場合であっても、
大きな変位量を得ることができるとともに、その配置を
一層理想的な配置に近づけることができる。
【0026】なお、前記第4の態様では、変位部を単一
の個別変位部で構成してもよいことは言うまでもない。
【0027】本発明の第5の態様による熱型変位素子
は、基体と、該基体に支持され熱に応じて前記基体に対
して変位する変位部とを備えた熱型変位素子において、
前記変位部が複数の個別変位部を有するものである。そ
して、前記複数の個別変位部の各々は、直線状に延びる
とともに、異なる膨張係数を有する異なる物質の互いに
重なった少なくとも2つの層を有する。前記複数の個別
変位部が互いに平行に配置される。前記複数の個別変位
部が全体として機械的に接続された1つの接続体をなす
ように、前記複数の個別変位部の各端部がそれぞれ、前
記基体に対して固定されるかあるいは他の個別変位部の
一端部に接続部を介して機械的に接続される。前記複数
の個別変位部のうちの少なくとも1つの個別変位部の一
端部が前記基体に対して固定される。前記複数の個別変
位部のうちの少なくとも1つの個別変位部の両端部のい
ずれもが前記基体に対しては固定されない。前記接続部
が前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成され
る。なお、この第5の態様では、接続部が複数存在する
場合には、少なくとも1つの接続部を前記第1又は第2
の態様による薄膜部材で構成すればよい。
【0028】前記第5の態様によれば、変位部が接続部
を介して機械的に接続された複数の個別変位部で構成さ
れているので、例えば、各個別変位部の長さの合計の長
さを持った単一の個別変位部で変位部を構成した場合と
略同じ変位量を得ることができる。このように大きな変
位量を得ることができるにも関わらず、変位部がいわば
単一の個別変位部で構成されるのではなく、変位部が接
続部を介して接続された複数の個別変位部で構成されて
いるので、各個別変位部の配置の自由度が高まる。この
ため、複数の変位部を基体上に配置する場合であって
も、その配置を、例えば当該複数の変位部の分布密度を
高めることができるなどの理想的な配置に近づけること
ができる。
【0029】このように、前記第5の態様によれば、複
数の変位部を基体上に配置する場合であっても、大きな
変位量を得ることができるとともに、その配置を理想的
な配置に近づけることができる。
【0030】そして、前記第5の態様によれば、接続部
が前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成されて
いるので、接続部の所望の機械的強度を確保しつつ、接
続部の膜厚を薄くすることができる。このため、接続部
の軽量化を図ることができるので、当該接続部に対する
前段の個別変位部の機械的強度を低下させることがで
き、当該前段の個別変位部の膜厚を薄くすることができ
る。その結果、当該前段の個別変位部の感度を高めるこ
とができ、ひいては、変位部の感度を高めることができ
る。
【0031】ところで、次のような熱型変位素子を提供
することもできる。この熱型変位素子は、基体と、該基
体に支持され熱に応じて前記基体に対して変位する変位
部とを備えた熱型変位素子において、前記変位部が複数
の個別変位部を有するものである。前記複数の個別変位
部の各々は、直線状に延びるとともに、異なる膨張係数
を有する異なる物質の互いに重なった少なくとも2つの
層を有する。前記複数の個別変位部が互いに平行に配置
される。前記複数の個別変位部が全体として機械的に接
続された1つの接続体をなすように、前記複数の個別変
位部の各端部がそれぞれ、前記基体に対して脚部を介し
て固定されるかあるいは他の個別変位部の一端部に接続
部を介して機械的に接続される。前記複数の個別変位部
のうちの少なくとも1つの個別変位部の一端部が前記基
体に対して脚部を介して固定される。前記複数の個別変
位部のうちの少なくとも1つの個別変位部の両端部のい
ずれもが前記基体に対しては固定されない。前記脚部が
前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成される。
なお、この熱型変位素子において、後述する第6の態様
と同様の構成を採用してもよい。また、この熱型変位素
子を用いて、後述する第7の態様と同様の放射検出装置
を提供することもできる。
【0032】この熱型変位素子によれば、前記第5の態
様と同様に、複数の変位部を基体上に配置する場合であ
っても、大きな変位量を得ることができるとともに、そ
の配置を理想的な配置に近づけることができる。なお、
この熱型変位素子では、脚部が複数存在する場合には、
少なくとも1つの脚部を前記第1又は第2の態様による
薄膜部材で構成すればよい。
【0033】そして、この熱型変位素子によれば、脚部
が前記第1又は第2の態様による薄膜部材で構成されて
いるので、脚部の所望の機械的強度を確保しつつ、脚部
の膜厚を薄くすることができる。したがって、この熱型
変位素子によれば、基体と変位部との間の断熱性を高め
ることができ、変位部の変位量が所定の熱を精度良く反
映したものとなる。
【0034】本発明の第6の態様による熱型変位素子
は、前記第5の態様による熱型変位素子において、前記
複数の個別変位部のうちのある個別変位部から前記基体
に対して機械的に連続するルートのうち、当該ルートに
含まれる個別変位部の数が最も少なくなるルートにおい
て、当該個別変位部が前記基体の側から数えてN番目の
個別変位部である場合に、当該個別変位部を第N段の個
別変位部であると定義し、第N段の個別変位部を第N+
1段の個別変位部に対する前段の個別変位部、第N+1
段の個別変位部を第N段の個別変位部に対する次段の個
別変位部であると定義したとき、(1)前記各接続部に
おいて、同じ接続部を介して互いに接続された前段の個
別変位部の端部及び次段の個別変位部の端部は、それぞ
れ当該前段及び次段の個別変位部の互いに同じ側の端部
であり、(2)前記各段の個別変位部の前記少なくとも
2つの層の物質の膨張係数の大小関係と、その次段の個
別変位部の前記少なくとも2つの層の物質の膨張係数の
大小関係とが、互いに逆であるものである。
【0035】この第6の態様では、互いに平行に配置さ
れた前段の個別変位部と次段の個別変位部とが、当該前
段及び次段の個別変位部の互いに同じ側の端部で接続部
を介して機械的に接続されているので、前段の個別変位
部と次段の個別変位部とが接続部において互いに折り返
されたように機械的に連続することとなる。したがっ
て、変位部の長さ(個別変位部が直線状に延びている方
向の長さ)は、第1段から最終段の各個別変位部の長さ
の合計よりかなり短くすることができる。したがって、
複数の変位部を基体上に配置する場合であっても、その
配置を、例えば当該複数の変位部の分布密度を高めるこ
とができるなどの理想的な配置に一層近づけることがで
きる。そして、前記第6の態様では、各段の個別変位部
の前記少なくとも2つの層の物質の膨張係数の大小関係
と、その次段の個別変位部の前記少なくとも2つの層の
物質の膨張係数の大小関係とが、互いに逆となっている
ので、各個別変位部に生ずる個々の変位量の合計の変位
量が最終段の個別変位部に生ずることとなる。このた
め、第1段から最終段までの各個別変位部の長さの合計
の長さを持った単一の個別変位部で変位部を構成した場
合と略同じ変位量を得ることができる。
【0036】このように、前記第6の態様によれば、複
数の変位部を基体上に配置する場合であっても、大きな
変位量を得ることができるとともに、その配置を一層理
想的な配置に近づけることができる。
【0037】本発明の第7の態様による放射検出装置
は、前記第5又は第6の態様による熱型変位素子と、最
終段の個別変位部に対して固定された変位読み出し部材
であって、前記最終段の個別変位部に生じた変位に応じ
た所定の変化を得るために用いられる変位読み出し部材
とを備え、前記複数の個別変位部が放射を受けて熱を発
生するものである。
【0038】この第7の態様によれば、前記第5又は第
6の態様による熱型変位素子が用いられているので、放
射検出の感度を高めたり放射検出のS/Nを高めたりす
ることができる。
【0039】なお、前記第3、第5及び第6の態様によ
る熱型変位素子及びその他の前記熱型変位素子は、必ず
しも放射検出装置において用いる必要はなく、例えば、
用途によっては単なる温度センサ又は温度分布像を検出
するセンサ等としても用いることができる。
【0040】また、前記第3乃至第7の態様は、前記第
1又は第2の態様による薄膜部材を熱型変位素子又は放
射検出装置に用いた例であったが、前記第1又は第2の
態様による薄膜部材は、他の種々のデバイスやマイクロ
マシン等において用いることもできる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下の説明では、放射を赤外線と
し読み出し光を可視光とした例について説明するが、本
発明では、放射を赤外線以外のX線や紫外線やその他の
種々の放射としてもよいし、また、読み出し光を可視光
以外の他の光としてもよい。
【0042】[第1の実施の形態]
【0043】図1は本発明の第1の実施の形態による放
射検出装置100の単位画素(単位素子)を示す図であ
り、図1(a)はその概略平面図、図1(b)は図1
(a)中のX1−X2線に沿った概略断面図である。
【0044】この放射検出装置100は、基体としての
赤外線iを透過させるSi基板等の基板1と、脚部2を
介して基板1に支持され熱に応じて基板1に対して変位
する変位部3と、変位部3に生じた変位に応じた所定の
変化を得るために用いられる変位読み出し部材として
の、受光した読み出し光jを反射する反射板6を備えて
いる。
【0045】変位部3は、互いに重なった2つの膜4,
5を有している。変位部3は、その一端が脚部2を介し
て支持されることにより、カンチレバーを構成してお
り、基板1上に間隔をあけて浮いた状態に支持されてい
る。膜4及び膜5は、互いに異なる膨張係数を有する異
なる物質で構成されており、いわゆる熱バイモルフ構造
を構成している。したがって、変位部3は、受けた熱に
応じて、下側の膜4の膨張係数が上側の膜5の膨張係数
より大きい場合には上方に、逆の場合には下方に湾曲し
て傾斜する。
【0046】本実施の形態では、変位部3が赤外線iを
吸収する赤外線吸収部を兼用している。したがって、変
位部3は、赤外線iを受けると、自身が熱を発生し、こ
の熱に応じて変位することとなる。もっとも、必ずしも
変位部3が赤外線吸収部を兼用する必要はなく、例え
ば、膜4の下面に金黒等の赤外線吸収膜を形成しておい
てもよい。
【0047】反射板6は、その一部が反射板用接続部7
を介して変位部3の先端部に対して固定されることによ
り、変位部3の上方に空間を隔てて配置され、単位画素
領域のほぼ全体をカバーするように配置されている。こ
れにより、反射板6は、後述するその平面部6aも含め
て、空中に位置するように支持されている。反射板6
は、読み出し光jを反射する反射面を形成する平面部6
aと、平面部6aの周辺部分の全体(本実施の形態で
は、4辺の全体)に渡って、平面部6aから立ち下がる
ように形成された立ち下がり部6bと、立ち下がり部6
bの下部から側方に外側にわずかに延びた水平部6c
と、を備えた薄膜部材で構成されている。水平部6c
は、必ずしも必要ではなく、取り除いておいてもよい。
また、立ち下がり部6bは、本実施の形態のように平面
部6aの周辺部分の全体に渡って形成することが平面部
6aの強度を高める上で好ましいが、本発明では、立ち
下がり部6bは、必ずしも平面部6aの周辺部分の全体
に渡って形成する必要はなく、平面部6aの周辺部分の
一部のみに渡って形成してもよい。この場合であって
も、平面部6aの強度がそれなりに高まる。本実施の形
態では、平面部6a、立ち下がり部6b及び水平部6c
は、反射板用接続部7と共に、Al膜等の1層の膜で一
体に形成されている。なお、反射板用接続部7は、反射
板6より熱伝導率の低い材料で構成してもよい。わずか
ながら読み出し光jの一部が反射板6に吸収されて反射
板6の温度が上昇するが、接続部7を反射板6より熱伝
導率の低い材料で構成しておけば、接続部7が断熱材と
して作用してその熱が変位部3に伝わり難くなり、赤外
線検出のS/Nが高まるので、好ましい。
【0048】図面には示していないが、変位部3、脚部
2及び反射板6を単位素子(画素)として、この画素が
基板1上に1次元状又は2次元状に配置されている。
【0049】以上の説明からわかるように、基板1、変
位部3及び脚部2が熱に応じて変位を発生する熱型変位
素子を構成しており、各単位画素においてこの熱型変位
素子の変位部3が1つずつ用いられている。
【0050】次に、本実施の形態による放射検出装置1
00の製造方法の一例について、図2を参照して説明す
る。図2は、この製造工程を模式的に示す概略断面図で
あり、図1(b)に対応している。
【0051】まず、図2(a)に示すように、Si基板
1上の全面に犠牲層としてのレジスト10を塗布し、脚
部2に応じた開口10aをフォトリソグラフィーにより
形成する。次に、脚部2となるべきSiO膜(例えば、
厚さ5000オングストローム)をP−CVD法等によ
りデポした後、フォトエッチ法によりパターニングし、
脚部2の形状とする(図2(a))。その後、変位部3
の下側膜4となるべきSiN膜(例えば、厚さ2500
オングストローム)をP−CVD法等によりデポした
後、フォトエッチ法によりパターニングし、下側膜4の
形状とする(図2(a))。さらに、変位部3の上側膜
5となるべきAl膜(例えば、厚さ1500オングスト
ローム)を蒸着法等によりデポした後、フォトエッチ法
によりパターニングし、上側膜5の形状とする(図2
(a))。
【0052】次に、図2(a)に示す状態の基板上の全
面に犠牲層としてのレジスト11を塗布し、反射板用接
続部7に応じた開口11aをレジスト11にフォトリソ
グラフィーにより形成する(図2(b))。
【0053】その後、図2(b)に示す状態の基板上の
全面にスピンコート法等により犠牲層としてのポリイミ
ド膜12を被着させ、反射板6の立ち下がり部6b及び
水平部6cに応じた溝12a並びに反射板用接続部7に
応じた開口12bを、ポリイミド膜12にフォトエッチ
法により形成する(図2(c))。
【0054】次いで、図2(c)に示す状態の基板上
に、反射板6及び反射板用接続部7となるべきAl膜
(例えば、厚さ2000オングストローム)を蒸着法等
(例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッ
タ法、MBE法など)により形成した後、フォトエッチ
法によりパターニングし、反射板6の形状とする(図2
(d))。このとき、Al膜のパターニングによって残
す領域を、ポリイミド膜12と重なりかつポリイミド膜
12の大きさよりも大きくすることによって、立ち下が
り部6b及び水平部6cが形成されることとなる。な
お、前記Al膜のパターニングの大きさを適宜変更する
ことによって、水平部6cを形成しないようにすること
も可能である。なお、反射板6及び反射板用接続部7と
なるべき薄膜の材質は、Alに代えて、例えば、Cu、
Au、Pt、Pd、Ti、Ta、Cr、Sn、W又はM
oなどを用いてもよい。
【0055】最後に、図2(d)に示す状態の基板を、
ダイシングなどによりチップ毎に分割し、レジスト1
0,11及びポリイミド膜12をアッシング法などによ
り除去する。これにより、図1に示す放射検出装置が完
成する。
【0056】本実施の形態による放射検出装置100で
は、変位読み出し部材としての反射板6が変位部3に対
して上方に空間を隔てて配置されているので、変位部3
と反射板6とが上下に重なり合うため、それら全体の占
有面積を小さくすることができ、変位部3及び反射板6
の対を基板1上に複数配置する場合であっても、これら
の分布密度を高めることができる。
【0057】また、本実施の形態による放射検出装置で
は、反射板6の平面部6aの周辺部分の全体に渡って立
ち下がり部6bが形成されているので、平面部6aが立
ち下がり部6bにより補強される。したがって、平面部
6aの所望の機械的強度を確保しつつ、平面部6aの膜
厚を薄くすることができている。
【0058】この点に関して本発明者が行った実験の結
果について、図3を参照して説明する。図3(a)
(b)はそれぞれ、本発明者が作製した試料を示す概略
断面図である。図3中において、図1中の要素と同一又
は対応する要素には同一符号を付している。図3(a)
に示す試料は、図1中の反射板6及び接続部7と同一の
ものをSi基板1上に形成したものである。この試料の
反射板6では、平面部6aの4辺の全体に渡って立ち下
がり部6b及び水平部6cが形成されている。図3
(b)に示す試料は、図1中の反射板6及び接続部7か
ら立ち下がり部6b及び水平部6cを取り除いたものを
Si基板1上に形成したものである。この試料の反射板
6は、平面部6aのみからなる。図3(a)(b)にそ
れぞれ示すいずれの試料も、反射板6及び接続部7を1
層のAl膜で構成し、反射板6の平面部6aの大きさを
50μm×50μmとした。図3(a)に示す試料で
は、反射板6を構成するAl膜の厚さを2000オング
ストロームとした場合に、平面部6aが自重で湾曲しま
うようなことがなくその平坦性が保たれた。一方、図3
(b)に示す試料では、反射板6を構成するAl膜の厚
さを2000オングストロームとした場合には、平面部
6aが自重で湾曲してしまいその平坦性が保たれなかっ
た。図3(b)に示す試料では、反射板6を構成するの
Al膜の厚さを8000オングストロームとした場合
に、平面部6aが自重で湾曲しまうようなことがなくそ
の平坦性が保たれた。
【0059】本実施の形態によれば、前述したように、
反射板6の平面部6aの所望の機械的強度を確保しつつ
平面部6aの膜厚を薄くすることができるので、反射板
6の軽量化を図ることができる。このため、反射板6を
支持している変位部3の機械的強度を低下させることが
でき、変位部3を構成する膜4,5の膜厚を薄くするこ
とができる。
【0060】温度変化に対する変位部3の変位量yは、
膜4,5の膜厚が互いに等しい場合(本実施の形態では
必ずしも等しくなくてもよい。)には、数1で表され
る。数1において、lは変位部3の長さ、hは変位部3
を構成する膜4,5の全体の膜厚、Kは膜4,5の物質
に依存する湾曲係数、Tは変位部3に加えられる温度で
ある。
【0061】
【数1】y=(KTl)/h
【0062】数1からわかるように、変位部3の膜厚h
が薄くなるほど、温度Tの変化量に対する変位部3の変
位量yが増大し、変位部3の感度が高まる。したがっ
て、本実施の形態によれば、前述したように膜4,5の
膜厚を薄くすることができることから、変位部3の感度
を高めることができ、赤外線検出の感度を高めることが
できる。
【0063】ここで、本実施の形態による放射検出装置
100を用いた映像化装置の一例について、図4を参照
して説明する。図4は、この映像化装置を示す概略構成
図である。
【0064】この映像化装置は、前述した放射検出装置
100の他に、読み出し光学系と、撮像手段としての2
次元CCD20と、観察対象としての熱源21からの赤
外線iを集光して放射検出装置100の赤外線吸収部と
しての変位部3が分布している面上に熱源21の赤外線
画像を結像させる赤外線用の結像レンズ22とから構成
されている。
【0065】この映像化装置では、前記読み出し光学系
は、読み出し光を供給するための読み出し光供給手段と
してのLD(レーザーダイオード)23と、LD23か
らの読み出し光を放射検出装置100の全ての画素の反
射板6へ導く第1レンズ系24と、第1レンズ系24を
通過した後に全ての画素の反射板6にて反射された読み
出し光の光線束のうち所望の光線束のみを選択的に通過
させる光線束制限部25と、第1レンズ系25と協働し
て各画素の反射板6と共役な位置を形成し且つ該共役な
位置に光線束制限部25を通過した光線束を導く第2レ
ンズ系26とから構成されている。前記共役な位置には
CCD20の受光面が配置されており、レンズ系24,
26によって全ての画素の反射板6とCCD20の複数
の受光素子とが光学的に共役な関係となっている。
【0066】LD23は、第1レンズ系24の光軸Oに
関して一方の側(図4中の右側)に配置されており、当
該一方の側の領域を読み出し光が通過するように読み出
し光を供給する。本例では、LD23が第1レンズ系2
4の第2レンズ系26側の焦点面付近に配置されて、第
1レンズ系24を通過した読み出し光が略平行光束とな
って全ての画素の反射板6を照射するようになってい
る。CCD20上の光学像のコントラストを高めるた
め、LD23の前部に読み出し光絞りを設けてもよい。
本例では、放射検出装置100は、その基板1の面(本
例では、赤外線が入射しない場合の反射板6の面と平
行)が光軸Oと直交するように配置されている。もっと
も、このような配置に限定されるものではない。
【0067】光線束制限部25は、前記所望の光線束の
みを選択的に通過させる部位が第1レンズ系24の光軸
Oに関して他方の側(図4中の左側)の領域に配置され
るように構成されている。本例では、光線束制限部25
は、開口25aを有する遮光板からなり、開口絞りとし
て構成されている。本例では、いずれの画素の赤外線吸
収膜を兼ねる変位部3にも赤外線が入射していなくて全
ての画素の反射板6の面が基板1の面と平行である場合
に、全ての画素の反射板6で反射した光線束(各反射板
6で反射した個別光線束の束)が第1レンズ系24によ
って集光する集光点の位置と開口25aの位置とがほぼ
一致するように、光線束制限部25が配置されている。
また、開口25aの大きさは、この光線束の前記集光点
での断面の大きさとほぼ一致するように定められてい
る。もっとも、このような配置や大きさに限定されるも
のではない。
【0068】図4に示す映像化装置によれば、LD23
から出射した読み出し光の光線束31は、第1レンズ系
24に入射し、略平行化された光線束32となる。次に
この略平行化された光線束32は、放射検出装置100
の全ての画素の反射板6に、基板1の法線に対してある
角度をもって入射する。
【0069】一方、結像レンズ22によって、熱源21
からの赤外線が集光され、放射検出装置100の変位部
3が分布している面上に、熱源21の赤外線画像が結像
される。これにより、放射検出装置100の各画素の変
位部3に赤外線が入射する。この入射赤外線は、変位部
3により吸収されて熱に変換される。この熱に応じてカ
ンチレバーを構成している変位部3が下方に湾曲して傾
斜する。このため、各画素の反射板6は、対応する変位
部3に入射した赤外線の量に応じた量だけ基板1の面に
対して傾くこととなる。
【0070】今、全ての画素の変位部3には赤外線が入
射しておらず、全ての画素の反射板6が基板1と平行で
あるものとする。全ての画素の反射板6に入射した光線
束32はこれらの反射板6にて反射されて光線束33と
なり、再び第1レンズ系24に今度はLD23の側とは
反対の側から入射して集光光束34となり、この集光光
束34の集光点の位置に配置された光線束制限部25の
開口25aの部位に集光する。その結果、集光光束34
は開口25aを透過して発散光束35となって第2レン
ズ系26に入射する。第2レンズ系26に入射した発散
光束35は、第2レンズ系26により例えば略平行光束
36となってCCD20の受光面に入射する。ここで、
各画素の反射板6とCCD20の受光面とはレンズ系2
4,26によって共役な関係にあるので、CCD20の
受光面上の対応する各部位にそれぞれ各反射板6の像が
形成され、全体として、全ての画素の反射板6の分布像
である光学像が形成される。
【0071】今、ある画素の変位部3にある量の赤外線
が入射して、その入射量に応じた量だけ当該画素の反射
板6が基板1の面に対して傾いたものとする。光線束3
2のうち当該反射板6に入射する個別光線束は、当該反
射板6によってその傾き量だけ異なる方向に反射される
ので、第1レンズ系24を通過した後、その傾き量に応
じた量だけ前記集光点(すなわち、開口25a)の位置
からずれた位置に集光し、その傾き量に応じた量だけ光
線束制限部25により遮られることになる。したがっ
て、CCD20上に形成された全体としての光学像のう
ち当該反射板6の像の光量は、当該反射板6の傾き量に
応じた量だけ低下することになる。
【0072】したがって、CCD20の受光面上に形成
された読み出し光による光学像は、放射検出装置100
に入射した赤外線像を反映したものとなる。この光学像
は、CCD20により撮像される。なお、CCD20を
用いずに、接眼レンズ等を用いて前記光学像を肉眼で観
察してもよい。
【0073】なお、読み出し光学系の構成が前述した構
成に限定されるものではないことは、言うまでもない。
【0074】以上は映像化装置の例であったが、図4に
おいて、放射検出装置100として、単一の画素(素
子)のみを有する放射検出装置を用い、2次元CCD2
0に代えて、単一の受光部のみを有する光検出器を用い
れば、赤外線のいわゆるポイントセンサとしての検出装
置を構成することができる。この点は、後述する各実施
の形態についても同様である。
【0075】[薄膜部材の他の例]
【0076】前記第1の実施の形態による放射検出装置
100の反射板6は、本発明の一実施の形態による薄膜
部材である。ここで、本発明の他の実施の形態による薄
膜部材について、図5を参照して説明する。図5は、本
発明の他の各実施の形態による薄膜部材の要部を示す概
略断面図である。
【0077】図5(a)〜(l)に示す各薄膜部材は、
空中に位置するように支持された平面部41aを有して
おり、これらの図では、平面部41aの左側端部付近が
平面部41aの周辺部分となっている。
【0078】図5(a)に示す薄膜部材では、平面部4
1aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、平面部41
aから立ち上がる立ち上がり部41dが形成され、水平
部41cが立ち上がり部41dの上部から側方に外側に
わずかに延びている。平面部41a、立ち上がり部41
d及び水平部41cは、1層の膜45で一体に形成され
ている。
【0079】図5(b)に示す薄膜部材では、平面部4
1aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、平面部41
aから立ち下がる立ち下がり部41bが形成されてい
る。立ち下がり部41bの下部から側方に延びる水平部
は、形成されていない。平面部41a及び立ち下がり部
41bは、1層の膜45で一体に形成されている。
【0080】図5(c)に示す薄膜部材では、平面部4
1aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、平面部41
aから立ち下がる立ち下がり部41bが形成され、水平
部41cが立ち下がり部41bの下部から側方に外側に
わずかに延びている。平面部41aは2層の膜45,4
6で構成され、立ち下がり部41b及び水平部41c
は、平面部41aを構成している下側膜46がそのまま
延びることによって形成されている。
【0081】図5(d)に示す薄膜部材では、平面部4
1aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、平面部41
aから立ち下がる立ち下がり部41bが形成され、水平
部41cが立ち下がり部41bの下部から側方に外側に
わずかに延びている。平面部41aは2層の膜45,4
6で構成され、立ち下がり部41b及び水平部41c
は、平面部41aを構成している膜45,46がそのま
ま延びることによって形成されている。
【0082】図5(e)に示す薄膜部材では、平面部4
1aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、平面部41
aから立ち下がる立ち下がり部41bが形成されてい
る。立ち下がり部41bの下部から側方に延びる水平部
は、形成されていない。平面部41aは2層の膜45,
46で構成され、立ち下がり部41bは、平面部41a
を構成している膜45,46がそのまま延びることによ
って形成されている。
【0083】図5(a)〜(e)に示す薄膜部材では、
平面部41aの周辺部分の少なくとも一部に渡って立ち
上がり部41d又は立ち下がり部41bが形成されてい
るので、平面部41aが立ち上がり部41d又は立ち下
がり部41bにより補強される。したがって、平面部4
1aの所望の機械的強度を確保しつつ、平面部41aの
膜厚を薄くすることができる。
【0084】また、図5(c)〜(e)に示す薄膜部材
では、平面部41aが複数層の膜45,46で構成され
ているが、膜45,46の膨張係数が異なりその差によ
って平面部41aが温度変化により変位しようとして
も、その変位が立ち上がり部又は立ち下がり部によって
阻止され、平面部41aの平坦性が維持されることとな
る。
【0085】前述した図1中の反射板6及び図5(a)
〜(e)に示す薄膜部材は、平面部の周辺部分の少なく
とも一部に渡って立ち上がり部又は立ち下がり部を形成
した薄膜部材の例であった。これに対し、以下に説明す
る図5(f)〜(l)に示す薄膜部材は、平面部の周辺
部分の少なくとも一部に渡って、平面部を構成する複数
層の膜のうちの少なくとも1層の膜が、前記複数層の膜
のうちの他の少なくとも1層の膜の縁部分を覆うように
形成された、薄膜部材の例である。
【0086】図5(f)に示す薄膜部材では、平面部4
1aが2層の膜45,46で構成され、平面部41aの
周辺部分の少なくとも一部に渡って、上側膜45が下側
膜46の縁部分(厚さ方向に沿った面)を覆うように形
成され、上側膜45は下側膜46の縁部分に沿って立ち
下がり更に側方に外側にわずかに延びている。
【0087】図5(g)に示す薄膜部材が図5(f)に
示す薄膜部材と異なる所は、上側膜45が下側膜46の
縁部分に沿って立ち下がったままで側方には延びていな
い点のみである。
【0088】図5(h)に示す薄膜部材では、平面部4
1aが3層の膜45,46,47で構成され、平面部4
1aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、上側膜45
が中間膜46及び下側膜47の縁部分(厚さ方向に沿っ
た面)を覆うように形成され、上側膜45は中間膜46
及び下側膜47の縁部分に沿って立ち下がり更に側方に
外側にわずかに延びている。
【0089】図5(i)に示す薄膜部材が図5(f)に
示す薄膜部材と異なる所は、膜47が、膜45の上面
に、膜45の立ち下がり後の側方に延びた部分の上面を
除いて、積層されている点のみである。
【0090】図5(j)に示す薄膜部材が図5(f)に
示す薄膜部材と異なる所は、膜47が、膜46の下面及
び膜45における立ち下がり後の側方に延びた部分の下
面に、積層されている点のみである。
【0091】図5(k)に示す薄膜部材が図5(g)に
示す薄膜部材と異なる所は、膜47が膜45の上面に積
層され、さらに膜47が膜45の立ち下がり部分を覆っ
ている点のみである。
【0092】図5(l)に示す薄膜部材が図5(f)に
示す薄膜部材と異なる所は、膜47が、膜45の上面
に、膜45の立ち下がり後の側方に延びた部分の上面も
含めて、積層されている点のみである。
【0093】図5(f)〜(l)に示す薄膜部材では、
平面部41aの周辺部分の少なくとも一部に渡って、平
面部41aを構成する複数層の膜のうちの少なくとも1
層の膜が、他の少なくとも1層の膜の縁部分を覆うよう
に形成されているので、少なくとも1層の膜が他の少な
くとも1層の膜の縁部分を覆っている部分(以下、「被
覆部分」という。)によって平面部41aが補強され
る。したがって、平面部41aの所望の機械的強度を確
保しつつ、平面部41aの膜厚を薄くすることができ
る。
【0094】また、図5(f)〜(l)に示す薄膜部材
では、平面部41aを構成している各層の膜の膨張係数
の差によって平面部41aが温度変化により変位しよう
としても、その変位が被覆部分によって阻止され、平面
部41aの平坦性が維持されることとなる。
【0095】なお、図5(a)〜(l)に示す薄膜部材
が、膜の形成及びパターニング、犠牲層の形成及び除去
などの半導体製造技術を利用して製造することができる
ことは、言うまでもない。
【0096】図5(a)〜(l)に示す薄膜部材は、例
えば、図1中の反射板6に代わる反射板として用いるこ
とができる。また、図1中の反射板6のような構造の薄
膜部材や図5(a)〜(l)に示す薄膜部材は、マイク
ロマシンや微少な素子を有する各種のデバイスなどにお
いて用いることができる。
【0097】[第2の実施の形態]
【0098】図6は、本発明の第2の実施の形態による
光読み出し型の放射検出装置の単位画素(単位素子)を
示す概略平面図である。図7は図6中のX11−X12
線に沿った概略断面図、図8は図6中のX13−X14
線に沿った概略断面図、図9は図6中のX15−X16
線に沿った概略断面図、図10は図6中のY11−Y1
2線に沿った概略断面図、図11は図6中のY13−Y
14線に沿った概略断面図、図12は図6中のY15−
Y16線に沿った概略断面図である。図面には示してい
ないが、図6中のX17−X18線に沿った概略断面図
は図8と同様となり、図6中のX19−X20線に沿っ
た概略断面図は図7と同様となる。なお、以下の説明に
おいて、左右は図6中の左右をいうものとする。
【0099】この放射検出装置は、基体としてのSi基
板51と、基板51から立ち上がった2つの脚部52,
53と、脚部52,53を介して基板51に支持され熱
に応じて基板51に対して変位する変位部54と、変位
部54に生じた変位に応じた所定の変化を得るために用
いられる変位読み出し部材としての、受光した読み出し
光jを反射する反射板55とを備えている。
【0100】脚部52は、SiN膜61からなる薄膜部
材で構成されている。この薄膜部材は、図1中の反射板
6と同様の構造を有している。すなわち、脚部52は、
図6、図7及び図10に示すように、空中に支持され基
板51と平行な平面部を有し、該平面部の周辺部分の全
体(本実施の形態では、4辺の全体)に渡って、前記平
面部から立ち下がるように形成された立ち下がり部と、
立ち下がり部の下部から側方に外側にわずかに延びた水
平部と、を備えている。同様に、脚部53は、SiN膜
62からなる薄膜部材で構成され、図6及び図10に示
すように、平面部、立ち下がり部及び水平部を有してい
る。なお、図6中、52a及び53aは、脚部52,5
3における基板51とのコンタクト部をそれぞれ示して
いる。なお、脚部52,53の前記平面部の4辺全体に
渡るのではなく例えば図6中の左右方向に延びている2
辺のみに渡って、立ち下がり部を形成しておいてもよ
い。
【0101】変位部54は、5つの個別変位部71〜7
5と、これらの所定の端部間を機械的に接続する3つの
接続部76〜78とから構成されている。変位部54
は、個別変位部71の左側端部が脚部52を介して、個
別変位部75の左側端部が脚部53を介して基板51に
対してそれぞれ固定されることにより、基板51から空
間を隔てて浮いている。個別変位部71の右側端部と個
別変位部72の右側端部とが接続部76により、個別変
位部72の左側端部と個別変位部73の左側端部と個別
変位部74の左側端部とが接続部77により、個別変位
部74の右側端部と個別変位部75の右側端部とが接続
部78により、それぞれ機械的に接続されている。
【0102】各個別変位部71〜75は、左右方向に直
線状に延びており、互いに平行に配置されている。各個
別変位部71,73,75は、Al膜と、その下に積層
されたSiO膜とから構成されている。各個別変位部7
2,74は、逆に、SiO膜と、その下に積層されたA
l膜とから構成されている。図6乃至図12中、81〜
85はそれぞれ個別変位部71〜75を構成するAl膜
を示し、91〜95はそれぞれ個別変位部71〜75を
構成するSiO膜を示す。Alの膨張係数はSiOの膨
張係数より大きく、各個別変位部71,73,75の各
2つの膜の膨張係数の大小関係と、各個別変位部72,
74の各2つの膜の膨張係数の大小関係とは、互いに逆
となっている。
【0103】接続部76は、SiN膜101からなる薄
膜部材で構成されている。この薄膜部材は、図1中の反
射板6と同様の構造を有している。すなわち、接続部7
6は、図6乃至図8及び図12に示すように、空中に支
持され基板51と平行な平面部を有し、該平面部の周辺
部分の全体(本実施の形態では、4辺の全体)に渡っ
て、前記平面部から立ち下がるように形成された立ち下
がり部と、立ち下がり部の下部から側方に外側にわずか
に延びた水平部と、を備えている。同様に、接続部7
7,78は、それぞれSiN膜102,103からなる
薄膜部材で構成され、図6、図8、図9、図11及び図
12に示すように、平面部、立ち下がり部及び水平部を
有している。なお、接続部76〜78の前記平面部の4
辺全体に渡るのではなく例えば図6中の上下方向に延び
ている2辺のみに渡って、立ち下がり部を形成しておい
てもよい。
【0104】なお、個別変位部71〜75を構成してい
るSiO膜91〜95が脚部52,53又は接続部76
〜78の平面部上にそのまま延びることによって、個別
変位部71〜75の端部が脚部52,53又は接続部7
6〜78に固定されている。
【0105】個別変位部71〜75は、赤外線を吸収す
る赤外線吸収部を兼用している。必ずしも、各個別変位
部71〜75を構成している2つの膜が赤外線吸収部を
兼用する必要はなく、例えば、下側の膜の下面に金黒等
の赤外線吸収膜を形成しておいてもよい。
【0106】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、5つの個別変位部71〜75が全体として機械
的に接続された1つの接続体をなすように、個別変位部
71〜75の各端部がそれぞれ、基板51に対して固定
されるかあるいは他の個別変位部の一端部に接続部76
〜78を介して機械的に接続されている。そして、個別
変位部71,75の左側端部が基板51に対してそれぞ
れ固定され、個別変位部72〜74の両端部のいずれも
が基板51に対しては固定されていない。
【0107】ここで、複数の個別変位部のうちのある個
別変位部から基板51に対して機械的に連続するルート
のうち、当該ルートに含まれる個別変位部の数が最も少
なくなるルートにおいて、当該個別変位部が前記基板5
1の側から数えてN番目の個別変位部である場合に、当
該個別変位部を第N段の個別変位部であると定義し、第
N段の個別変位部を第N+1段の個別変位部に対する前
段の個別変位部、第N+1段の個別変位部を第N段の個
別変位部に対する次段の個別変位部であると定義する。
また、Nが最大値をとる個別変位部を最終段の個別変位
部であると定義する。
【0108】前述した定義に従うと、個別変位部71は
第1段、個別変位部72は第2段、個別変位部73は第
3段、個別変位部74は第2段、個別変位部75は第1
段の個別変位部であり、個別変位部73が最終段の個別
変位部である。第1段の個別変位部71,75の数が2
つであり、最終段の個別変位部73の数が1つである。
一方の第1段の個別変位部71から最終段の個別変位部
73にかけての構造と、他方の第1段の個別変位部75
から最終段の個別変位部73にかけての構造とが対称的
になっている。なお、本発明では、例えば、最終段の個
別変位部の数は2つでもよいし、第1段の個別変位部の
数は1つでもよい。
【0109】前述した説明からわかるように、本実施の
形態では、各接続部76〜78において、同じ接続部を
介して互いに接続された前段の個別変位部の端部及び次
段の個別変位部の端部は、それぞれ当該前段及び次段の
個別変位部の互いに同じ側の端部となっている。例え
ば、同じ接続部76を介して互いに接続された第1段
(前段)の個別変位部71の端部及び第2段(次段)の
個別変位部72は、それぞれ当該個別変位部71,72
の互いに同じ側の端部である右側端部となっている。こ
れにより、個別変位部71,72は接続部76において
折り返されたような形態をなすことになる。もっとも、
本発明では、このような折り返し形態に限定されるもの
ではなく、例えば、ある接続部において、前段の個別変
位部の右側端部と次段の個別変位部の左側端部とが機械
的に接続されてもよい。
【0110】反射板55は、図1中の反射板6と同様
に、空中に支持され基板51と平行な平面部を有し、該
平面部の周辺部分の全体(本実施の形態では、4辺の全
体)に渡って、前記平面部から立ち下がるように形成さ
れた立ち下がり部と、立ち下がり部の下部から側方に外
側にわずかに延びた水平部と、を備えている。
【0111】反射板55は、その中央が反射板用接続部
56を介して変位部54の最終段の個別変位部73の先
端部に対して固定されることにより、変位部54の上方
に空間を隔てて配置され、単位画素領域のほぼ全体をカ
バーするように配置されている。図9に示すように、個
別変位部73の一部を構成しているSiO膜93が個別
変位部73の先端から更に右方向に若干延びており、こ
の延びた部分93aに反射板用接続部56の下部が固定
されている。反射板用接続部56は、反射板55を構成
するAl膜がそのまま延びて構成されている。反射板用
接続部55と前記部分93aとによって、個別変位部7
3の先端部と反射板55の中央とが機械的に接続されて
いる。反射板55は、反射板用接続部56と共に、1層
のAl膜(例えば、厚さ2000オングストローム)で
一体に形成されている。
【0112】なお、このような反射板55を設けずに、
個別変位部73の上側のAl膜83を、変位部54に生
じた変位に応じた所定の変化を得るために用いられる変
位読み出し部材としての、受光した読み出し光jを反射
する反射板として、兼用してもよい。この場合、変位部
54の上方にマスクを設け、このマスクによって個別変
位部73のAl膜83のみに読み出し光jが照射される
ようにすればよい。
【0113】図面には示していないが、変位部54及び
脚部52,53及び反射板55を単位素子(画素)とし
て、この画素が基板51上に1次元状又は2次元状に配
置されている。
【0114】以上の説明からわかるように、基板51、
変位部54及び脚部52,53が熱に応じて変位を発生
する熱型変位素子を構成している。
【0115】次に、本実施の形態による放射検出装置の
製造方法の一例について、図13乃至図18を参照して
説明する。図13乃至図18は、この製造工程を模式的
に示す概略平面図である。これらの図では、1画素分の
領域200のみを示している。
【0116】まず、図13に示すように、Si基板51
上の全面に犠牲層となるレジスト(図示せず)を塗布
し、脚部52,53のコンタクト部52a,53aに応
じた開口210をフォトリソグラフィーにより形成す
る。
【0117】次に、図13に示す態の基板上の全面にス
ピンコート法等により犠牲層としてのポリイミド膜21
1を被着させ、脚部52,53の平面部及び接続部76
〜78の平面部に応じた部分のみのポリイミド膜211
を島状に残すように、ポリイミド膜211の他の部分
(開口210の部分も含む)をフォトエッチ法により除
去する(図14)。
【0118】次に、脚部52,53となるべきSiN膜
(例えば、3000オングストローム)をP−CVD法
等によりデポした後、フォトエッチ法によりパターニン
グし、膜61,62,101〜103の形状とする(図
15)。このとき、SiN膜のパターニングによって残
す領域を、ポリイミド膜211と重なりかつポリイミド
膜211の大きさよりも大きくすることによって、平面
部、立ち下がり部及び水平部が形成されることとなる。
【0119】次に、個別変位部71,73,75の下側
膜91,93,95となるべきSiO膜(例えば、25
00オングストローム)をP−CVD法等によりデポし
た後、フォトエッチ法によりパターニングし、膜91,
93,95の形状とする(図16)。
【0120】その後、個別変位部71,73,75の上
側膜81,83,85及び個別変位部72,74の下側
膜82,84となるべきAl膜(例えば、1000オン
グストローム)を蒸着法等によりデポした後、フォトエ
ッチ法によりパターニングし、膜81〜85の形状とす
る(図17)。
【0121】次に、個別変位部72,74の上側膜9
2,94となるべきSiO膜(例えば、2800オング
ストローム)をP−CVD法によりデポした後、フォト
エッチ法によりパターニングし、膜92,94の形状と
する(図18)。
【0122】その後、図面には示していないが、図2
(b)〜(d)を参照して前述した工程と同様の工程に
より、図示しない犠牲層上に反射板55及び反射板用接
続部56となるべきAl膜を蒸着法にデポした後、フォ
トエッチ法によりパターニングし、反射板55の形状と
する。
【0123】最後に、この状態の基板を、ダイシングな
どによりチップ毎に分割し、ポリイミド膜211及びそ
の他の全ての犠牲層をアッシング法などにより除去す
る。これにより、図6乃至図12に示す放射検出装置が
完成する。
【0124】本実施の形態による放射検出装置によれ
ば、下方から赤外線iが入射すると、個別変位部71〜
75が赤外線iを吸収して熱を発生する。この熱によ
り、(1)個別変位部71の右側端部が図7に示すよう
にその左側端部に対して相対的に下方に変位するよう
に、個別変位部71が撓み、(2)個別変位部72の左
側端部が図8に示すようにその右側端部に対して相対的
に上方に変位するように、個別変位部72が撓み、
(3)個別変位部73の右側端部が図9に示すようにそ
の左側端部に対して相対的に下方に変位するように、個
別変位部73が撓み、(4)個別変位部75が個別変位
部71と同様に撓み、(5)個別変位部74が個別変位
部72と同様に撓む。この時、個別変位部73の右側端
部が初期状態に対して変位した角度変化量(角度に関す
る変位量)は、ちょうど、個別変位部71,75の長さ
L1(図4、図7)と個別変位部72,74の長さL2
(図5)と個別変位部73の長さL3(図6)の合計の
長さ(L1+L2+L3)を持った単一の個別変位部で
変位部54を構成した場合に得られる角度変化量に等し
くなる。
【0125】このように大きな変位量を得ることがで
き、ひいては検出感度を高めることができるにも関わら
ず、前段の個別変位部と次段の個別変位部とが接続部に
おいて互いに折り返されたように機械的に連続している
ので、変位部54の左右方向の長さがL1+L2+L3
の長さに比べてかなり短くなる。したがって、複数の変
位部54を基板51上に配置する場合であっても、複数
の変位部54の左右方向の分布密度を高めることがで
き、左右方向の空間分解能が向上し、得られる画像の画
質が劣化してしまうようなことがない。また、変位部5
4の左右方向の長さが短くなるので、変位部54の重心
位置は、単一の個別変位部で変位部54を構成した場合
と比べて、脚部52,53間の中点に近い位置にあるこ
とから、バランスが良く、安定している。このため、脚
部52,53に加わる応力が低下し、機械的強度の高い
構造が実現される。
【0126】また、本実施の形態によれば、反射板55
及び接続部76〜78が、図1中の反射板6と同様に、
平面部の周辺部分に渡って形成された立ち下がり部を有
する薄膜部材によって構成されているので、反射板55
及び接続部76〜78の平面部の膜厚を薄くすることが
できる。したがって、反射板55及び接続部76〜78
が軽量化されている。このため、個別変位部71〜75
の膜厚を薄くすることができる。その結果、変位部54
の感度が高まり、赤外線検出の感度が高まる。
【0127】さらに、本実施の形態によれば、脚部5
2,53が、図1中の反射板6と同様に、平面部の周辺
部分に渡って形成された立ち下がり部を有する薄膜部材
によって構成されているので、脚部52,53の膜厚を
薄くすることができている。したがって、基板51と変
位部54との間の断熱性が高まるので、変位部54の変
位量が入射赤外線量を精度良く反映したものとなり、赤
外線検出のS/Nが高まる。
【0128】本実施の形態では、反射板55、接続部7
6〜78及び脚部52,53の全てを図1中の反射板6
と同様の薄膜部材でそれぞれ構成している。しかしなが
ら、本発明では、例えば、反射板55、接続部76〜7
8及び脚部52,53のうちの少なくとも1つのみを、
図1中の反射板6と同様の薄膜部材及び図5(a)〜
(l)にそれぞれ示す薄膜部材のうちのいずれかの薄膜
部材で構成してもよい。
【0129】なお、本実施の形態による放射検出装置
が、図4に示す映像化装置において放射検出装置100
の代わりに用いることができることは、言うまでもな
い。
【0130】[第3の実施の形態]
【0131】図19は、本発明の第3の実施の形態によ
る光読み出し型の放射検出装置の単位画素(単位素子)
を示す概略平面図である。図20は図19中のX21−
X22線に沿った概略断面図である。図面には示してい
ないが、図19中のX23−X24線に沿った概略断面
図は図20と同様となる。
【0132】図19及び図20において、図6乃至図1
2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付
し、その重複する説明は省略する。
【0133】本実施の形態が前記第2の実施の形態と異
なる所は、個別変位部71,75及び接続部76,78
が取り除かれ、代わりに、個別変位部71及び接続部7
6が存在していた部分に脚部52の平面部が延びるとと
もに、個別変位部75及び接続部78が存在していた部
分に脚部53の平面部が延びている点のみである。
【0134】本実施の形態によれば、前記第2の実施の
形態と同様の利点が得られる他、脚部52,53が長く
なっているので、脚部52,53の断熱性が一層高まっ
て赤外線検出のS/Nが一層高まるという利点も得られ
る。本実施の形態のように脚部52,53の平面部が長
い場合には、脚部52,53の平面部の周辺部分に渡っ
て形成された立ち下がり部は、所望の機械的強度を確保
しつつ脚部52,53の膜厚を薄くする上で、特に有効
である。
【0135】[第4の実施の形態]
【0136】図21は、本発明の第4の実施の形態によ
る光読み出し型の放射検出装置の単位画素(単位素子)
を示す概略平面図である。図22は図21中のX31−
X32線に沿った概略断面図、図23は図21中のX3
3−X34線に沿った概略断面図、図24は図21中の
X35−X36線に沿った概略断面図、図25は図21
中のY31−Y32線に沿った概略断面図、図26は図
21中のY33−Y34線に沿った概略断面図、図27
は図21中のY35−Y36線に沿った概略断面図であ
る。図面には示していないが、図21中のX37−X3
8線に沿った概略断面図は図23と同様となり、図21
中のX39−X40線に沿った概略断面図は図22と同
様となる。
【0137】図21乃至27において、図6乃至図12
中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、
その重複する説明は省略する。本実施の形態が前記第2
の実施の形態と異なる所は、以下に説明する点のみであ
る。
【0138】脚部52は、互いに重なった下側のSiO
膜121及び上側のAl膜122からなる薄膜部材で構
成されている。この薄膜部材は、図5(f)に示す薄膜
部材と同様の構造を有している。すなわち、脚部52
は、図21、図22及び図25に示すように、空中に支
持され基板51と平行な平面部(この平面部は2層の膜
121,122からなる。)を有し、該平面部の周辺部
分の一部(本実施の形態では、ほぼ3辺)に渡って、上
側膜122が、下側膜121の縁部分を覆うように形成
され、上側膜122は下側膜121の縁部分に沿って立
ち下がり更に側方に外側にわずかに延びている。同様
に、脚部53は、互いに重なった下側のSiO膜123
及び上側のAl膜124からなる薄膜部材で構成され、
図21及び図25に示すように、空中に支持され基板5
1と平行な平面部(この平面部は2層の膜123,12
4からなる。)を有し、該平面部の周辺部分の一部(本
実施の形態では、ほぼ3辺)に渡って、上側膜124
が、下側膜123の縁部分を覆うように形成され、上側
膜124は下側膜123の縁部分に沿って立ち下がり更
に側方に外側にわずかに延びている。
【0139】接続部76は、互いに重なった上側のAl
膜131及び下側のSiO膜141とからなる薄膜部材
で構成されている。この薄膜部材も、図5(f)に示す
薄膜部材と同様の構造を有している。すなわち、接続部
76は、図21、図22、図23及び図27に示すよう
に、空中に支持され基板51と平行な平面部(この平面
部は2層の膜131,141からなる。)を有し、該平
面部の周辺部分の一部(本実施の形態では、個別変位部
71との固定部付近を除く4辺)に渡って、上側膜13
1が、下側膜141の縁部分を覆うように形成され、上
側膜131は下側膜141の縁部分に沿って立ち下がり
更に側方に外側にわずかに延びている。同様に、接続部
77は、互いに重なった上側のAl膜132及び下側の
SiO膜142とからなる薄膜部材で構成され、この薄
膜部材も図5(f)に示す薄膜部材と同様の構造を有し
ている。同様に、接続部78は、互いに重なった上側の
Al膜133及び下側のSiO膜143とからなる薄膜
部材で構成され、この薄膜部材も図5(f)に示す薄膜
部材と同様の構造を有している。
【0140】本実施の形態では、脚部52の下側のSi
O膜121、個別変位部71の下側のSiO膜191及
び接続部76の下側のSiO膜141が、連続した1つ
のSiO膜となっている。脚部53の下側のSiO膜1
23、個別変位部75の下側のSiO膜195及び接続
部78の下側のSiO膜143が、連続した1つのSi
O膜となっている。個別変位部73の下側のSiO膜1
93及び接続部77の下側のSiO膜142が、連続し
た1つのSiO膜となっている。
【0141】なお、個別変位部72,74を構成してい
るSiO膜192,194が接続部76〜78の平面部
上にそのまま延びることによって、個別変位部72,7
4の端部が接続部76〜78に固定されている。
【0142】次に、本実施の形態による放射検出装置の
製造方法の一例について、図28乃至図31を参照して
説明する。図28乃至図31は、この製造工程を模式的
に示す概略平面図である。これらの図では、1画素分の
領域200のみを示している。
【0143】まず、図28に示すように、Si基板51
上の全面に犠牲層となるレジスト(図示せず)を塗布
し、脚部52,53のコンタクト部52a,53aに応
じた開口210をフォトリソグラフィーにより形成す
る。
【0144】次に、脚部52,53の下側膜121,1
23、個別変位部71,73,75の下側膜191,1
93,195及び接続部76〜78の下側膜141〜1
43となるべきSiO膜(例えば、3000オングスト
ローム)をP−CVD法等によりデポした後、フォトエ
ッチ法によりパターニングし、膜121,123,19
1,193,195,141〜143の形状とする(図
29)。
【0145】その後、個別変位部71,73,75の上
側膜181,183,185、個別変位部72,74の
下側膜182,184及び接続部76〜78の上側膜1
31〜133となるべきAl膜(例えば、1500オン
グストローム)を蒸着法等によりデポした後、フォトエ
ッチ法によりパターニングし、膜122,124,18
1〜185,131〜133の形状とする(図30)。
このとき、Al膜のパターニングによって膜122,1
24,131〜133の形状とするために残す領域を、
膜121,123,141〜143とそれぞれ重なりか
つ膜121,123,141〜143の大きさよりも大
きくする。
【0146】次に、個別変位部72,74の上側膜19
2,194となるべきSiO膜をP−CVD法によりデ
ポした後、フォトエッチ法によりパターニングし、膜1
92,194の形状とする(図31)。
【0147】その後、図面には示していないが、図2
(b)〜(d)を参照して前述した工程と同様の工程に
より、図示しない犠牲層上に反射板55及び反射板用接
続部56となるべきAl膜を蒸着法にデポした後、フォ
トエッチ法によりパターニングし、反射板55の形状と
する。
【0148】最後に、この状態の基板を、ダイシングな
どによりチップ毎に分割し、ポリイミド膜211及びそ
の他の全ての犠牲層をアッシング法などにより除去す
る。これにより、図21乃至図27に示す放射検出装置
が完成する。
【0149】本実施の形態によれば、反射板55が、図
1中の反射板6と同様に、平面部の周辺部分に渡って形
成された立ち下がり部を有する薄膜部材によって構成さ
れているので、反射板55の平面部の膜厚を薄くするこ
とができる。また、接続部76〜78が、図5(f)に
示す薄膜部材と同様の薄膜部材によって構成されている
ので、接続部76〜78の平面部の膜厚を薄くすること
ができる。したがって、前記第2の実施の形態と同様
に、反射板55及び接続部76〜78が軽量化されてい
る。このため、個別変位部71〜75の膜厚を薄くする
ことができる。その結果、変位部54の感度が高まり、
赤外線検出の感度が高まる。
【0150】さらに、本実施の形態によれば、脚部5
2,53が、図5(f)に示す薄膜部材と同様の薄膜部
材によって構成されているので、脚部52,53の膜厚
を薄くすることができている。したがって、前記第2の
実施の形態と同様に、基板51と変位部54との間の断
熱性が高まるので、変位部54の変位量が入射赤外線量
を精度良く反映したものとなり、赤外線検出のS/Nが
高まる。
【0151】本実施の形態によれば、以上の点以外のつ
いても、前記第2の実施の形態と同様の利点が得られ
る。
【0152】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。例えば、膜の材料や寸法等は前述したものに
限定されない。
【0153】また、前述した各実施の形態は、光読み出
し型の放射検出装置及びそれに用いられる熱型変位素子
の例であったが、本発明は、例えば、静電容量型の放射
検出装置及びそれに用いられる熱型変位素子や、その他
の種々の熱型変位素子にも適用することができる。
【0154】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所望の機械的強度を確保しつつ膜厚を薄くすることがで
きる薄膜部材を提供することができる。
【0155】また、本発明によれば、所望の機械的強度
を確保しつつ膜厚を薄くすることができる薄膜部材を用
いることによって、感度等の特性の向上を図ることがで
きる熱型変位素子及び放射検出装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による放射検出装置
の単位画素を示す図である。
【図2】図1に示す放射検出装置の製造工程を示す概略
断面図である。
【図3】本発明者が行った実験の説明図である。
【図4】図1に示す放射検出装置を用いた映像化装置の
一例を示す概略構成図である。
【図5】本発明の各実施の形態による薄膜部材の要部を
示す概略断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による放射検出装置
の単位画素を示す概略平面図である。
【図7】図6中のX11−X12線に沿った概略断面図
である。
【図8】図6中のX13−X14線に沿った概略断面図
である。
【図9】図6中のX15−X16線に沿った概略断面図
である。
【図10】図6中のY11−Y12線に沿った概略断面
図である。
【図11】図6中のY13−Y14線に沿った概略断面
図である。
【図12】図6中のY15−Y16線に沿った概略断面
図である。
【図13】図6乃至図12に示す放射検出装置の製造工
程を示す概略平面図である。
【図14】図13に引き続く工程を示す概略平面図であ
る。
【図15】図14に引き続く工程を示す概略平面図であ
る。
【図16】図15に引き続く工程を示す概略平面図であ
る。
【図17】図16に引き続く工程を示す概略平面図であ
る。
【図18】図17に引き続く工程を示す概略平面図であ
る。
【図19】本発明の第3の実施の形態による放射検出装
置の単位画素を示す概略平面図である。
【図20】図19中のX21−X22線に沿った概略断
面図である。
【図21】本発明の第4の実施の形態による放射検出装
置の単位画素を示す概略平面図である。
【図22】図21中のX31−X32線に沿った概略断
面図である。
【図23】図21中のX33−X34線に沿った概略断
面図である。
【図24】図21中のX35−X36線に沿った概略断
面図である。
【図25】図21中のY31−Y32線に沿った概略断
面図である。
【図26】図21中のY33−Y34線に沿った概略断
面図である。
【図27】図21中のY35−Y36線に沿った概略断
面図である。
【図28】図21乃至図27に示す放射検出装置の製造
工程を示す概略平面図である。
【図29】図28に引き続く工程を示す概略平面図であ
る。
【図30】図29に引き続く工程を示す概略平面図であ
る。
【図31】図30に引き続く工程を示す概略平面図であ
る。
【符号の説明】
1,51 基板 2,52,53 脚部 3,54 変位部 6,55 反射板 6b 立ち下がり部 71〜75 個別変位部 76〜78 接続部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G066 BA20 BA57 4F100 AA20 AB10A AB11B AK49 AK80 AR00A AR00B BA02 GB41 JK01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1層又は複数層の膜からなる平面部を有
    し該平面部が空中に位置するように支持された薄膜部材
    であって、前記平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡
    って、前記平面部から立ち上がるかあるいは立ち下がる
    立ち上がり部又は立ち下がり部が形成されたことを特徴
    とする薄膜部材。
  2. 【請求項2】 複数層の膜からなる平面部を有し該平面
    部が空中に位置するように支持された薄膜部材であっ
    て、前記平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って、
    前記複数層の膜のうちの少なくとも1層の膜が、前記複
    数層の膜のうちの他の少なくとも1層の膜の縁部分を覆
    うように形成されたことを特徴とする薄膜部材。
  3. 【請求項3】 基体と、該基体に脚部を介して支持され
    熱に応じて前記基体に対して変位する変位部とを備えた
    熱型変位素子において、前記脚部が請求項1又は2記載
    の薄膜部材で構成されたことを特徴とする熱型変位素
    子。
  4. 【請求項4】 基体と、該基体に支持され、放射を吸収
    した時に生ずる熱に応じて前記基体に対して変位する変
    位部と、該変位部に対して固定された変位読み出し部材
    であって、前記変位部に生じた変位に応じた所定の変化
    を得るために用いられる変位読み出し部材とを備えた放
    射検出装置において、 前記変位読み出し部材が、前記変位部に対して上方又は
    下方に空間を隔てて配置され、 前記変位読み出し部材が請求項1又は2記載の薄膜部材
    で構成されたことを特徴とする放射検出装置。
  5. 【請求項5】 基体と、該基体に支持され熱に応じて前
    記基体に対して変位する変位部とを備えた熱型変位素子
    において、 前記変位部は複数の個別変位部を有し、 前記複数の個別変位部の各々は、直線状に延びるととも
    に、異なる膨張係数を有する異なる物質の互いに重なっ
    た少なくとも2つの層を有し、 前記複数の個別変位部が互いに平行に配置され、 前記複数の個別変位部が全体として機械的に接続された
    1つの接続体をなすように、前記複数の個別変位部の各
    端部がそれぞれ、前記基体に対して固定されるかあるい
    は他の個別変位部の一端部に接続部を介して機械的に接
    続され、 前記複数の個別変位部のうちの少なくとも1つの個別変
    位部の一端部が前記基体に対して固定され、 前記複数の個別変位部のうちの少なくとも1つの個別変
    位部の両端部のいずれもが前記基体に対しては固定され
    ず、 前記接続部が請求項1又は2記載の薄膜部材で構成され
    たことを特徴とする熱型変位素子。
  6. 【請求項6】 前記複数の個別変位部のうちのある個別
    変位部から前記基体に対して機械的に連続するルートの
    うち、当該ルートに含まれる個別変位部の数が最も少な
    くなるルートにおいて、当該個別変位部が前記基体の側
    から数えてN番目の個別変位部である場合に、当該個別
    変位部を第N段の個別変位部であると定義し、第N段の
    個別変位部を第N+1段の個別変位部に対する前段の個
    別変位部、第N+1段の個別変位部を第N段の個別変位
    部に対する次段の個別変位部であると定義したとき、 前記各接続部において、同じ接続部を介して互いに接続
    された前段の個別変位部の端部及び次段の個別変位部の
    端部は、それぞれ当該前段及び次段の個別変位部の互い
    に同じ側の端部であり、 前記各段の個別変位部の前記少なくとも2つの層の物質
    の膨張係数の大小関係と、その次段の個別変位部の前記
    少なくとも2つの層の物質の膨張係数の大小関係とが、
    互いに逆であることを特徴とする請求項5記載の熱型変
    位素子。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の熱型変位素子と、
    最終段の個別変位部に対して固定された変位読み出し部
    材であって、前記最終段の個別変位部に生じた変位に応
    じた所定の変化を得るために用いられる変位読み出し部
    材とを備え、前記複数の個別変位部が放射を受けて熱を
    発生することを特徴とする放射検出装置。
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