JPH05215515A - 変位検出装置 - Google Patents

変位検出装置

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JPH05215515A
JPH05215515A JP4046263A JP4626392A JPH05215515A JP H05215515 A JPH05215515 A JP H05215515A JP 4046263 A JP4046263 A JP 4046263A JP 4626392 A JP4626392 A JP 4626392A JP H05215515 A JPH05215515 A JP H05215515A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動物体の変位情報を高精度に測定すること
のできる変位検出装置を得ること。 【構成】 物体101面上に半導体レーザ1から放射さ
れるコヒーレントな光束を入射させ、該物体を介した2
つの光束を干渉させて検出手段5で検出し、該検出手段
で得られた信号を用いて該物体の変位情報を求める際、
物体面が該半導体レーザの活性層面2に略平行となるよ
うに半導体レーザを配置し、該2つの光束が該半導体レ
ーザの活性層面から2方向に出射した光束であり、更に
該2光束を物体面に指向する手段を有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は変位検出装置に関し、例
えば移動する物体(ステージ、ベルト、紙等)や流体等
(以下「移動物体」と称する。)にレーザー光を照射
し、該移動物体の移動速度に応じてドップラーシフトを
受けた散乱光の周波数の変位を検出することにより、又
は移動物体に取付けた移動スケール面上の回折格子に可
干渉性光束を入射させ、該回折格子で回折した特定次数
の回折光を互いに干渉させて干渉縞を形成し、干渉縞の
明暗の縞を計数することによって移動物体の変位量や移
動物体の移動速度を非接触で測定するようにした変位検
出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より移動物体の移動速度を非接触且
つ高精度に測定する方式にアクティブ方式とパッシブ方
式がある。
【0003】このうちパッシブ方式を用いた移動量検出
計には、例えばビデオカメラで得られた画像を利用した
方式がある。この方式では結像レンズにより移動物体の
画像をイメージセンサー上に結像し、電気信号に変換し
て特徴注出し、その特徴点をフレーム間で比較すること
により移動物体の移動量を検出している。
【0004】この方法は基本的に結像レンズとイメージ
センサーを含む処理回路から成り立っているため、装置
全体の小型化には限界があり、数十cmオーダーの直方
体よりは小さくするのが難しい。
【0005】更には検出精度も結像レンズの結像特性と
イメージセンサーの画素サイズで決るため、サブμm以
下の高精度な検出が難しい。
【0006】一方、アクティブ方式を用いた移動量検出
計としては、図8に示すような回折格子干渉の原理を用
いたリニアエンコーダがある。
【0007】同図においてレーザー7からの可干渉性光
束をコリメーターレンズ(不図示)によって略平行光束
とし、ビームスプリッター8に入射させ、面8aで透過
光束と反射光束の2つの光束に分割している。そしてビ
ームスプリッター8からの反射光束と透過光束を反射鏡
9a,9bで反射させて移動物体101上の回折格子6
に入射させる際、対象とする回折格子6からの±m次回
折光が回折格子6から略垂直に反射するように入射させ
ている。
【0008】即ち、回折格子6の格子ピッチをP、可干
渉性光束の波長をλ、mを整数とし、可干渉性光束の回
折格子6への入射角度をθm としたとき、 θm ≒sin-1(mλ/P) となるように入射させている。そして回折格子6から略
垂直に射出した±m次回折光を重ね合わせて検出手段1
0に入射させている。
【0009】このとき検出手段10では干渉した光が検
出される。即ち、検出手段10では回折格子6の移動状
態に応じた干渉縞の明暗の数(パルス)が検出される。
【0010】同図のリニアエンコーダは該検出パルスを
用いて移動物体101の移動速度、移動方向等の移動状
態を検出している。
【0011】このアクティブ方式の移動量検出計は、サ
ブμm以下の高精度な位置変化の検出が可能であるが、
半導体レーザーやミラー等を用いて構成しているため、
数cmの直方体以下のサイズにはすることが難しい。
【0012】図9は図8の各要素を集積化し、移動量検
出計として装置全体を小型化したときの要部概略図であ
る。同図において11は半導体レーザーの活性層、12
a,12bはミラー、13a,13b,13cは各々レ
ーザ光を平面波に変換するレンズ、6は回折格子、14
は検出手段である。動作原理は図8と同様である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図9に示す移動量検出
計は半導体レーザー7の活性層11が紙面に平行に成っ
ており、更に検出手段14の受光面が紙面に平行方向に
設定されている。
【0014】このような構成では部品数が多いこともあ
って装置が大型化するという問題点があった。
【0015】又、このような構成において半導体レーザ
ーから射出するレーザー光束は紙面に垂直な方向に大き
く光束が広がり、反対に紙面に平行方向には広がり方が
少ない。
【0016】図10は半導体レーザーの活性層から射出
するレーザー光束の説明図である。同図において半導体
レーザー7の活性層2の射出方向に垂直な断面での寸法
は、通常、厚み方向はサブμm、横方向の寸法は数μm
となっている。従ってレーザー光は回折のため、断面形
状とは逆に活性層に垂直な方向(厚み方向)に大きく広
がり、平行方向には余り広がらない。
【0017】この為、図9で示す移動量検出計では紙面
に垂直方向に光束が大きく広がる為、回折格子6の格子
列方向6cと直角方向である格子幅から、光束がはみ出
し回折効率が低下してくるという問題点があった。
【0018】又、回折格子6により回折した光束は、紙
面に垂直方向に広がりながらレンズ13cにより集光さ
れ、検出手段14に入射するが、検出手段14の受光面
の方向がレーザー光の進行方向と平行なため、検出手段
14が受けるエネルギー効率が悪く、S/N比が低下
し、検出分解能が低下してくるという問題点があった。
【0019】このようなレーザー光の広がりを抑えるた
めには図9において、紙面に垂直方向に屈折力を持たせ
る等の手段が考えられるが、これは製作上大変困難であ
る。
【0020】本発明は半導体レーザーの活性層の位置関
係を適切に設定し、特に構成をコンパクト化した変位検
出装置の提供を第1の目的とする。
【0021】本発明は光エネルギーの受光効率を高め移
動物体の移動情報の検出感度を向上させ、高精度な検出
が可能な変位検出装置の提供を第2の目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の変位検出装置
は、物体面上に半導体レーザから放射されるコヒーレン
トな光束を入射させ、該物体を介した2つの光束を干渉
させて検出手段で検出し、該検出手段で得られた信号を
用いて該物体の変位情報を求める際、物体面が該半導体
レーザの活性層面に略平行となるように半導体レーザを
配置し、該2つの光束が該半導体レーザの活性層面から
2方向に出射した光束であり、更に該2光束を物体面に
指向する手段を有することを特徴としている。
【0023】特に本発明では、前記2つの光束の出射方
向が前記物体面上の回折格子の格子配列方向に略平行な
方向に出射し、それぞれミラーによって反射して前記回
折格子上に入射するようにしたことや、前記2つの光束
を前記物体面の同じ位置に同じ入射角で入射させている
ことや、前記検出手段は前記物体に関して設けた回折格
子で回折された所定次数の回折光を検出していること
や、前記検出手段は前記物体で散乱された散乱光を検出
していること等を特徴としている。
【0024】
【実施例】図1は本発明の実施例1の要部概略図、図2
は図1のA方向から見た概略図、図3は図1の回折格子
6の説明図である。
【0025】図1において1は半導体レーザー、2は半
導体レーザ1の活性層、4a,4bは活性層2により発
生したレーザー光を空間上の1点に偏向させるミラー、
6は移動物体101上にある周期的構造を持つ回折格
子、5は回折格子6からの回折光を受光する検出手段で
ある。
【0026】活性層2の面は回折格子6の面に対して略
平行に配置されている。又検出手段5の受光面は半導体
レーザー1の活性層2面と略平行となるように設定して
いる。そしてミラー4a,4bからの2つのレーザー光
束が活性層2面に垂直面内で交差するように各要素を設
定している。
【0027】回折格子6は図3に示すように同一ピッチ
Pの2つの格子部6a,6bを移動量検出方向に平行に
配列して構成している。そして格子部6a,6bを配列
方向に位相が1/8ピッチずれるようにしている。
【0028】検出手段5は図2に示すように回折格子6
の2つの格子部6a,6bに対応させて2つの検出部5
a,5bより成っている。
【0029】次に本実施例の動作を説明する。
【0030】半導体レーザー1の活性層2を励起する
と、フォトンが発生し、共振器3a,3bによりその一
部が活性層2の中を繰り返し往復する。その過程で光増
幅を起し、その一部は共振器3a,3bを透過して、レ
ーザー光として発振する。レーザー光は活性層2の両側
から射出し、光線21a、21bとして、反射ミラー4
a,4bにより反射し回折格子6が設置してある空間上
の一点に向かう。
【0031】このような配置にすることでビームスプリ
ッターを必要とせず、又活性層が回折格子と平行なの
で、光束の入射する面に垂直な方向の占有空間が小さく
コンパクトである。このとき光束は活性層2の厚みと垂
直方向、即ち図1で紙面内で大きく広がる。つまり回折
格子6の矢印6cで示す格子列方向に広がる。
【0032】これにより光束は回折格子からはみ出るこ
となく、効率良く、回折格子に入射して回折される。よ
って回折光(即ち信号光)が増加し、これは即ち受光手
段へ入射する光束の増加となり、受光効率が向上してS
/N比が上り、検出精度が高くなる。
【0033】本実施例ではミラー4a,4bで反射させ
て回折格子6に入射させる際、対象とする回折光子6か
らのm次回折光が回折格子6から略垂直に反射するよう
に入射させている。
【0034】即ち、回折格子6の格子ピッチをP、可干
渉性光束の波長をλ、mを整数とし、可干渉性光束の回
折格子6への入射角度をθm としたとき、 θm ≒sin-1(mλ/P) ‥‥‥‥‥(1) となるように入射させている。
【0035】回折格子6から略垂直に射出した±m次の
2つの回折光を重ね合わせて受光手段5に入射させてい
る。このとき受光手段5の受光面が入射光束に対して垂
直となるようにして受光効率を高めている。
【0036】本実施例において回折格子6が矢印6cの
方向にΔx移動すると、光束21aの回折光の位相は以
下に示す量だけ進み、反対に光束21bからの回折光は
同じ量だけ遅れる。
【0037】
【数1】 即ち、本実施例においてm次の回折光の位相は回折格子
が1ピッチ移動すると2mπだけ変化する。従って検出
手段5からは正と負のm次の回折を受けた光束の干渉を
受光している為、回折格子が格子の1ピッチ分移動する
と2m個の正弦波信号が得られる。
【0038】例えば回折格子6のピッチ3.2μm、回
折光として1次(m=1)を利用したとすれば回折格子
6が3.2μm移動したとき、検出手段5からは2個の
正弦波信号が得られる。即ち正弦波1個当りの分解能と
して回折格子6のピッチの1/2、即ち3.2/2=
1.6μmが得られる。
【0039】以上のように本実施例で1チップ上に活性
層2の面と検出手段5の受光面とが互いに平行となるよ
うに設定している。
【0040】又、活性層2と垂直方向の空間上に光束を
射出することにより、回折格子6に、効率良く光束が照
射し、又その回折光を検出手段5で効率良く受光し、高
いS/N比を得て、移動物体101の移動情報を高精度
に検出している。更に活性層と回折格子が略平行になる
ことで、装置もコンパクト化される。
【0041】更に図3に示すように回折格子6を2つの
格子部6a,6bより構成し、それらの各格子部6a,
6bからの回折光を図2に示すように検出手段5の2つ
の検出部5a,5bで検出している。そして2つの検出
部5a,5bから1/4周期ずれた信号を得ることによ
り、移動物体101(回折格子6)の移動方向を求めて
いる。
【0042】図4、図5、図6は各々本発明の他の実施
例2,3,4の要部概略図である。図4、図5、図6に
おいて図1で示した要素と同一要素には同符番を付して
いる。
【0043】図4の実施例2では半導体レーザー1の活
性層2面の垂直方向の広がりを曲率を有した反射ミラー
41a,41bで行ない、反射光束を平行光としてい
る。これにより検出手段5面上での不要な干渉縞の発生
を防止し、信号となる干渉縞のコントラストの低下を防
止し、S/N比の向上を図っている。これらの点が図1
の実施例1と異なっており、その他の構成は同じであ
る。
【0044】図5の実施例3では半導体レーザー1の活
性層2内に回折格子61を形成し、活性層2面に垂直方
向の空間上の一点で活性層2から射出した2つの光束2
1a,21bが交差するようにしている点が図1の実施
例1と異なり、その他の構成は同じである。
【0045】図6の実施例4では半導体レーザーとして
活性層2の厚み方向にレーザー発振する面発光型レーザ
ーを用いている。同図において202,203は共振器
でこの厚み方向に、レーザー発振する。発振光は図5と
同様に回折格子61により回折し、回折格子61上の一
点に向かって射出している。
【0046】203は遮光面でレーザー光が検出手段5
の背面から照射するのを防止している。本実施例ではこ
れらの点が図1の実施例1と異なり、その他の構成は同
じである。
【0047】図7は本発明の実施例5の要部概略図であ
る。
【0048】本実施例では移動量検出計をドップラー速
度計として用いた場合を示している。基本構成は図4の
実施例2と同様であるが、反射ミラー41a,41bか
らの光束が移動物体61上の散乱面(粗面)61b近傍
で集光して交差するようにしている点が異なっている。
【0049】同図においてレーザー1から出射されたレ
ーザー光は、反射鏡41a,41bで反射されたのち、
速度Vで矢印61aの方向に移動している移動物体61
に異なった方向から入射角θで2光束照射される。移動
物体61からの散乱光は、検出手段5で検出される。こ
のとき2光束による散乱光の周波数は移動速度Vに比例
して各々+Δf、−Δfのドップラーシフトを受ける。
【0050】ここで、レーザー光の波長をλとすれば周
波数変化Δfは次の(2)式で表わすことができる。
【0051】 Δf=V・sin(θ)/λ ‥‥‥‥(2) +Δf、−Δfのドップラーシフトを受けた散乱光は、
互いに干渉しあって検出手段5の受光面での明暗の変化
をもたらし、その周波数Fは次の(3)式で与えられ
る。
【0052】 F=2・Δf=2・V・sin(θ)/λ ‥‥‥‥(3) 検出手段5で得られた信号の周波数F(以下「ドップラ
ー周波数」と呼ぶ)を測定し、(3)式から移動物体6
1の移動速度Vを求めている。
【0053】この構成においても散乱面と活性層とが略
平行になるように配置して、装置構成をコンパクト化し
ている。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば以上のように半導体レー
ザの活性層の平面と検出手段の受光面との関係を適切に
設定して、装置構成がコンパクト化される。又更に光束
の広がり方向と格子の配列方向が一致するような配置を
とることにより、光エネルギーの受光効率を高め、移動
物体の移動情報の検出感度を向上させ、高精度な検出が
可能な変位検出装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の要部概略図
【図2】 図1のA方向からの概略図
【図3】 図1の一部分の説明図
【図4】 本発明の実施例2の要部概略図
【図5】 本発明の実施例3の要部概略図
【図6】 本発明の実施例4の要部概略図
【図7】 本発明の実施例5の要部概略図
【図8】 従来のリニアエンコーダの要部概略図
【図9】 図8の各要素を集積化したときの要部概略図
【図10】 半導体レーザーの活性層と光束の関係を示
す説明図
【符号の説明】
1 半導体レーザー 2 活性層 3a,3b 共振器 4a,4b ミラー 5 検出手段 5a,5b 検出部 6 回折格子 6a,6b 格子部 41a,41b 曲面ミラー 61,101 移動物体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体面上に半導体レーザから放射される
    コヒーレントな光束を入射させ、該物体を介した2つの
    光束を干渉させて検出手段で検出し、該検出手段で得ら
    れた信号を用いて該物体の変位情報を求める際、物体面
    が該半導体レーザの活性層面に略平行となるように半導
    体レーザを配置し、該2つの光束が該半導体レーザの活
    性層面から2方向に出射した光束であり、更に該2光束
    を物体面に指向する手段を有することを特徴とする変位
    検出装置。
  2. 【請求項2】 前記2つの光束の出射方向が前記物体面
    上の回折格子の格子配列方向に略平行な方向に出射し、
    それぞれミラーによって反射して前記回折格子上に入射
    するようにしたことを特徴とする請求項1の変位検出装
    置。
  3. 【請求項3】 前記2つの光束を前記物体面の同じ位置
    に同じ入射角で入射させていることを特徴とする請求項
    1の変位検出装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段は前記物体に関して設けた
    回折格子で回折された所定次数の回折光を検出している
    ことを特徴とする請求項1の変位検出装置。
  5. 【請求項5】 前記検出手段は前記物体で散乱された散
    乱光を検出していることを特徴とする請求項1の変位検
    出装置。
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