JP2001041247A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2001041247A
JP2001041247A JP21405599A JP21405599A JP2001041247A JP 2001041247 A JP2001041247 A JP 2001041247A JP 21405599 A JP21405599 A JP 21405599A JP 21405599 A JP21405599 A JP 21405599A JP 2001041247 A JP2001041247 A JP 2001041247A
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bearing
polyolefin
rolling
thickness
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JP21405599A
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Masaru Konno
大 金野
Yasunobu Fujita
安伸 藤田
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軌道面などに金属表面処理技術を施すことで、
直接潤滑作用には寄与する潤滑油を最小限としても、ス
ピンドル用支特軸受やHDDスイングアーム等に使用さ
れる転がり軸受の潤滑耐久性能を向上することを課題と
している。 【解決手段】内輪、外輪、及び転動体の少なくと一つの
表面に、官能基を有するポリオレフィン化合物の吸着層
を0.005μm以上且つ1.5μm以下の厚さで形成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブ(以下HDDと略す)の回転部および遥動部を支
特する転がり軸受など、情報機器や精密機器のスピンド
ル用支特軸受、特にスイングアーム用転がり軸受に好適
な転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】情報機器の記録装置として使われるHD
D装置は小電力化、高応答性、高精度化、コンパクト化
等が要求され、HDDの回転部やアクチュエータの往復
揺動運動部を支持する転がり軸受等についても、低トル
ク、耐フレッチング摩耗性、長寿命化等が要求されてい
る。
【0003】上記転がり軸受の潤滑は、軸受内にグリー
スを充填するグリース潤滑方式や軸受軌道面等に防錆潤
滑油を塗布する方法が採用されている。なお、保持器に
は、例えば、複数個の転動体を転動自在に保持すべく、
全体を円環状に形成された鋼板製保特器を使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の潤滑方法を採用したHDDに使用されている転がり
軸受にあっては、更なる性能要求に対して、耐フレッチ
ング摩耗性、長寿命化、低トルク化等において十分な性
能が得られていない状況にある。特に、HDDスイング
アーム用転がり軸受にあっては、微小角度(例えば、揺
動角度26゜以下)内での揺動運動が繰り返される。こ
のため、従来、主流となっているグリース潤滑では上記
揺動運動に起因して潤滑剤が掻き寄せられ塊状態で存在
するようになる。つまり、内・外輪の軌道面と転動体の
転動面との間からグリースが掻き出されて、局部的な潤
滑不良により、フレッチング摩耗を発生し、軸受寿命が
低下しやすい。
【0005】また、グリースの攪拌抵抗によって微小角
度の回転トルクも増大する。高応答性、小電力化を目標
しているHDDにとって、更なる低トルク化が転がり軸
受に要求されているが、上記状態は好ましくない。更
に、充填されているグリース量が多いほど、当該グリー
スによる転動体への引掛かり現象によるトルク変動を生
じるおそれがあり、HDDの作動上、高精度の読み取り
及び書き込み動作の信頼性の面に悪影響を与えるおそれ
がある。
【0006】これらの問題は、HDDスイングアーム用
転がり軸受つまり揺動部を支持する軸受のみならず、ハ
ードディスクを回転させるスピンドルの支特軸受におい
ても同様の問題点がある。上記の問題を解決する方法と
して、グリースの充填量を減少することによって低トル
ク化を図ると共にトルク変動を抑えることが考えられる
が、グリース充填量の減少によって潤滑切れが生じ易く
なり、フレッチング摩耗の発生によって軸受寿命の低下
に繋がる。逆に、グリースの充填量を増大すると、フレ
ッチング摩耗の発生は抑えられて軸受寿命は改善できる
ものの、上述のように軸受の低トルク化及びトルク変動
の抑制を図ることが難しい。
【0007】初期の潤滑を封入グリースによらず、軸受
軌道面等に防錆潤滑油を施すことで潤滑性を改善する場
合、通常、防錆潤滑油の塗布方法としては、十分に防錆
潤滑油を塗布するために、軸受部品全体を潤滑油に浸漬
する方法が採られている。この結果、直接潤滑作用に寄
与しない軸受外部(内輪の側面や内径面など)にも防錆
潤滑油が多量に付着するため、べとつきが生じたり、ま
た軸やハウジングへの装着時に問題となり、例えば、ス
イングアームユニットに組込む際には軸受外輪を接着す
るため、潤滑油の拭き取り作業に手間がかかり生産性の
低下、コストUPにもつながる。また、拭き取りきれな
い潤滑油が周りの部品を汚染することも考えられる。
【0008】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、軌道面などに金属表面処理技術を施す
ことで、直接潤滑作用には寄与する潤滑油を最小限とし
ても、スピンドル用支特軸受やHDDスイングアーム等
に使用される転がり軸受の潤滑耐久性能を向上できる転
がり軸受を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、内輪の軌道面、外輪の軌道面、及び転動
体の転動面の少なくと一つの表面に、官能基を有するポ
リオレフィン化合物の吸着層を0.005μm以上且つ
1.5μm以下の厚さで形成したことを特徴とする転が
り軸受を提供するのものである。
【0010】本発明によれば、ポリオレフィン中にオリ
ゴマーとして存在する官能基が、軌道面等の金属表面と
化学結合することで、ポリオレフィンが金属表面に密着
して、軌道面等の表面に所定厚みの吸着層が形成でき
る。また、ポリオレフィンは、バルクの表面エネルギー
が小さく、その表面自体が潤滑性があるため、軸受回転
時に潤滑剤が部分的に枯渇してもある一定面圧ではポリ
オレフィンが固体潤滑剤の作用をする。このために、本
発明の転がり軸受にあっては、供給する潤滑剤が少なく
ても耐潤滑耐久性が向上する。また、潤滑剤を少なくで
きることで、潤滑剤による攪拌抵抗などが小さくなり、
潤滑剤に起因するトルク増大やトルク変動を抑えること
ができる。
【0011】特に、ポリオレフィンの中でも変性ポリエ
チレンが望ましい。変性ポリエチレンは、鉱油や合成エ
ステル油との相溶作用があるため、ポリオレフィン化合
物による吸着層を形成しない表面と比べ潤滑剤を保持す
る機能が特段に大きくなる。通常の金属表面は、ごく薄
膜の酸化物層が形成されるために、潤滑剤の保持効果が
経時的に弱くなり潤滑不良に至るのに対し、本発明のよ
うに、ポリオレフィン化合物からなる吸着層を有する金
属表面は潤滑不良に至るまでの時間が特段に長くなる。
【0012】また、本発明において0.005μm〜
1.5μmのポリオレフィン化合物による吸着層を形成
したものが特段の効果が得られるのは、以下の理由によ
るものである。吸着層が0.005μm未満では、膜の
ばらつきを考慮すると、膜厚が薄すぎて軸受回転時の軌
道面において比較的短時間で金属接触が発生し易いた
め、摩耗による軌道面の面あれなどで、回転トルクの上
昇や発塵が発生しやすくなる。
【0013】一方、2.0μmより吸着層が厚いと、軸
受精度(真球度、真円度、軸受すきま)が悪くなり、回
転むらが発生しやすくなるからである。さらに、回転ト
ルクへの影響を考慮すると、1.5μm以下が望まし
い。1.5μmより大きいと、摩耗量が多くなりこれが
脱落して、トルクむらが発生しやすくなり、この結果、
トルク比が増大するおそれがあるからである。
【0014】以上の理由から、金属表面に形成させるポ
リオレフィンの吸着層を0.005μm以上かつ1.5
μm以下と規定した。さらに好適には0.02〜0.5
μmの厚が良い(図1参照)。なお、経時的な音響性能
を考慮すると、0.01μm以上で且つ1.0μm以下
が好ましい。
【0015】さらに、回転トルクの低下及び音響性能の
向上の両方を考慮すると、0.02μm以上で且つ0.
7μm以下が好適な範囲となる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
説明する。情報記録装置を構成するハードディスクドラ
イブ回転部、または遥動部を支持する転がり軸受につい
て、内輪の軌道面、外輪の軌道面、及び転動体(ころや
玉)の転動面の少なくとも1つの金属表面に、官能基を
有するポリオレフィン化合物で吸着層を形成する。
【0017】吸着層の厚さは、0.005μm以上且つ
1.5μm以下に制御する。また、上記内外輪との間に
は保持器を配置し、転動体を保持させる。また、軸受内
の最小限の防錆潤滑油を供給する。潤滑油の供給は、例
えば、上記保持器に潤滑油の収容部を設けておいて当該
収容部から微少潤滑油を少しずつ軌道面に供給するよう
に構成しておけばよい。
【0018】ここで、使用するポリオレフィン化合物
は、ポリプロピンやポリエチレンなどのポリオレフィン
に対して、例えばグラフト反応等により分子鎖の官能基
を導入し、金属表面との吸着性を向上させたものであ
る。官能基としては、カルボキシル基、カルボニル基、
水酸基、アンモニウム基などが例示でき、金属表面との
密着性を有するものであれば、特に限定されない。ま
た、オレフィン化合物は一般の無極性オレフィンを改良
したものが適している。
【0019】極性基を有するポリオレフィンとしては、
例えばポリエチレン材料として市販されているアドマー
(商品名:三井化学工業製)やモディック・AP(商品
名:三菱化学製)などが使用することができる。また、
0.005〜1.5μmの吸着層の形成は、次のように
して行えば良い。すなわち、キシレン、トルエン等の有
機溶媒に所定量のポリオレフィンを溶解させ、その溶媒
中に被吸着部材(内輪など)を浸せき処理することで得
ることができる。吸着層の制御は、有機溶媒中のポリオ
レフィンの濃度と分子量に依存する。すなわち、有機溶
媒中のポリオレフィンの濃度と分子量を制御すること
で、0.01μm〜1.5μmの厚さのポリオレフィン
化合物による吸着層を形成することができる。また、均
一な厚さの吸着層を得るには、ポリオレフィンを溶融さ
せた有機溶媒の温度を130℃以上に保ちながら、浸せ
き処理することが望ましい。溶媒の温度、種類によって
も吸着層の厚さを制御することが可能である。なお、上
記浸漬処理の後に120℃程度で加熱して乾燥させる。
【0020】このような処理によって、ポリオレフィン
中にオリゴマーとして存在する官能基によって金属表面
にポリオレフィンが密着し、金属表面にポリオレフィン
の薄膜が形成することが可能になる。なお、ポリオレフ
ィン化合物による吸着層の定量は、例えば、XPS分析
によって、アルゴンイオン銃を用いて試料表面をスパッ
タしながら測定することにより試料のデプスプロファイ
ルをとり、吸着層中の炭素の光電子強度が変化しなくな
る直前を膜層の厚みとして換算することで可能である。
また、200nm以上の厚さについては、電気マイクロ
メータを使用して転動体、または軌道輪の直径を測定す
ることで測定することもできる。
【0021】上記のようにポリオレフィン化合物による
吸着層を形成した転がり軸受を使用すると、ハードディ
スクドライブ回転部、もしくはそのアクチュエータ支特
部に使用される軸受における、軌道輪と転動体との接触
面に0.01μm〜1.5μmの厚さのポリオレフィン
化合物の吸着層が形成されることで、潤滑性能を向上す
ることができる。
【0022】本実施形態のHDD用等の転がり軸受にあ
っては、ポリオレフィン化合物による吸着層による微量
油潤滑が可能であるため、オイルスターブドな条件であ
ってもトルクが安定する。特に、鉱油や合成エステル油
などの潤滑油と相溶作用の有する変性ポリオレフィンを
使用すると、格段に潤滑剤の保持機能が向上して、オイ
ルスターブドな条件であってもより一層トルクが安定す
る。
【0023】また、主に使用されるグリース潤滑を採用
しても、グリース量を低減することでトルク増大となる
ことなどの問題を解消できるばかりか、潤滑剤が内・外
輪の軌道面と転動体との接触面から掻き出されることに
より起こる局部的な潤滑不良が起こしにくく、情報機器
に使われる軸受の潤滑が良好となる。また、潤滑に使用
するグリースやオイルが微少量でも潤滑不良が防止でき
るので、軸受からの潤滑剤の飛散によるHDD中の記録
媒体等を潤滑剤で汚染する恐れはない。
【0024】なお、上記説明は、HDDに使用される転
がり軸受を例示しているが、他の情報機器や精密機器に
使用される転がり軸受であっても適用可能である。ま
た、上記実施形態では、内外輪及び転動体のうちの少な
くとも1つの軸受部品に対し、当該部品表面全体に吸着
層を形成するようにしているが、少なくとも軌道面や転
動面に吸着層が形成されていればよい。吸着層の形成
は、浸漬以外の方法によって形成しても良い。
【0025】なお、内外輪の軌道面以外に吸着層が形成
されても、乾燥しているためにべとつくことはなく、ま
た、膜厚が薄いので軸やハウジングへの取り付けに支障
はない。
【0026】
【実施例】次に、ポリオレフィン化合物による吸着層の
形成及びその吸着層の有無による性能比較結果を示す。
キシレン100mlに酸変性ポリオレフィン組成物(三
井化学(株)社製;アドマーNE050)を重量比で3
%添加し、130℃に加熱して均一な有機溶媒とした。
その溶媒中に、軸受のボール(転動体)を金属製バレル
を用いて浸漬処理を行い、酸変性ポリオレフィン組成物
をボール(転動体)の表面に吸着させた後、再び120
℃の加熱処理を行い供試体を作製した。本発明に基づく
供試体は、形成する吸着層の厚さが異なるものを複数種
類、作成した。吸着層の厚さは、例えばポリオレフィン
化合物による吸着層形成時の有機溶媒の希釈率を変えた
り、浸漬時間を変更することで制御した。また、比較の
供試体については、上記ポリオレフィン化合物による吸
着層を形成する処理は行われていない。
【0027】供試体軸受は、単列深みぞ玉軸受とし、呼
び番号SR1810、寸法は内径7.94mm、外径1
2.7mm、幅3.97mmのものである。また、非接触ス
チールシール(Z形)が装着されている。潤滑油の封入
は、各供試体について、軸受下部側にシール板をはめ込
み、マイクロシリンジで軸受内部に0.08mlのエス
テル系潤滑油(DOS;ジ・オクチル・セバケート)を
注入することで行った。
【0028】耐久試験 以下の条件で遥動耐久試験を実施した後、軸受回転トル
クを計測した。トルク性能は、回転初期に要するトルク
及びトルク変動を測定した。なお、比較例において内輪
の回転に要する試験前のトルクは約2.0(gf・cm)で
ある。 ・揺動耐久試験 揺動周波数 :30Hz 外輪揺動角度 :8゜ アキシャル荷重 :29.4N 揺動繰り返し回数 :500万回 雰囲気温度 :常温 上記条件での遥動耐久試験によって、比較例の軸受には
表面損傷が発生していることが確認された。すなわち、
試験前に比べて面荒れと摩耗が発生して、試験後のトル
クが上昇していた。
【0029】上記比較例の試験後のトルクに対する、本
発明に基づく供試体の試験後のトルクの比を求めてみた
ところ、図1に示す結果が得られた。符号Aがその結果
である。図1には、ポリオレフィン化合物による吸着層
の厚みに対する内輪の回転に要するトルク比をプロット
してある。
【0030】これらの結果から分かるように、ポリオレ
フィン化合物による吸着層が0.005μmより薄い
と、吸着層のばらつきによって金属接触が起こりやす
く、遥動試験後のトルクが比較例とさほどかわらず効果
が無い。一方、ポリオレフィン化合物による吸着層が
1.5μmより厚いと、軌道面にポリオレフィンが脱落
しやすく、その結果、トルクむらが発生し悪影響を及ぼ
す。
【0031】すなわち、ポリオレフィン化合物による吸
着層が0.005μm以上で且つ1.5μm以下に形成
することで、潤滑油を微少量に設定しても回転トルクへ
の影響を小さく抑えることが分かる。
【0032】[実施例2]キシレン100mlに酸変性
ポリオレフィン組成物(三菱化学(株)社製;MODI
C―AP M102)を重量比で3%添加し、130℃
に加熱して均一な有機溶媒とした。その中で軸受の内輪
に酸変性ポリオレフィン組成物を浸漬処理を行い、内外
輪の軌道面に吸着させた後、再び120℃の加熱処理を
行い供試体を作製した。本発明に基づく供試体は、形成
する吸着層の厚さが異なるものを複数種類、作成した。
吸着層の厚さは、例えばポリオレフィン化合物による吸
着層形成時の有機溶媒の希釈率を変えたり、浸漬時間を
変更することで制御した。また、比較の供試体について
は、上記ポリオレフィン化合物による吸着層を形成する
処理は行われていない。
【0033】供試体軸受は単列深みぞ玉軸受とし、呼び
番号695、寸法は内径5.0mm、外径13mm、幅4mm
のものを使用し、非接触スチールシール(Z形)を装着
した。潤滑油の封入は、各供試体について、軸受下部側
にシール板をはめ込み、マイクロシリンジで軸受内部に
0.08mlのエステル系潤滑油(DOS)を注入して
行った。
【0034】そして、以下の条件でスピンドルに組み込
んだ2個の軸受で回転耐久試験を実施した後、軸受音響
について計測した。音響性能は、9.8Nのアキシャル
荷重を付与した状態で、回転装置により内輪を1500
0rpmで20時間試験し、その試験前後での音響変動
を測定した。 回転耐久試験 回転数 :15000rpm アキシャル荷重 :9.8N 雰囲気温度 :常温 図1に、その評価結果を示す。図1中、符号Bがその結
果を表している。音響変化比とは、試験前後における比
較例の音響上昇量に対する、本発明に基づく供試体の音
響上昇量の比率を表わしている。
【0035】図1から分かるように、ポリオレフィン化
合物による吸着層が0.01μmより薄いと金属接触が
起こりやすく、この結果、回転試験後の音響劣化が比較
例と同等もしくは激しい。一方、ポリオレフィン化合物
による吸着層が1.0μmより厚いと、軌道面にポリオ
レフィン化合物による吸着層の摩耗に起因するコンタミ
ネーションが影響して、音響性能に悪影響を及ぼす。
【0036】したがって、ポリオレフィン化合物による
吸着層が0.01μm以上で且つ0.7μm以下に形成
することで、潤滑油が微少量であっても、音響性能が良
好であることが分かる。さらに、上記第1実施例の結果
を考慮すると、回転トルクの低減及び音響性能の向上の
両方の性能を十分に上げるには、0.02μm以上且つ
0.7μm以下の範囲が好適であることが分かる。
【0037】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明にあっ
ては、情報機器等に組み込まれる小型の転がり軸受の金
属製摩擦面に官能基を有するポリオレフィン化合物によ
る吸着層を形成したので、液体潤滑が極めて効率よく行
なわれる結果、少量の潤滑油で高速回転させても潤滑膜
が破断し難く、潤滑不良によるトルク上昇や騒音発生が
充分に抑制された転がり軸受を提供できるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例を説明するための図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪の軌道面、外輪の軌道面、及び転動
    体の転動面の少なくと一つの表面に、官能基を有するポ
    リオレフィン化合物の吸着層を0.005μm以上且つ
    1.5μm以下の厚さで形成したことを特徴とする転が
    り軸受。
JP21405599A 1999-07-28 1999-07-28 転がり軸受 Pending JP2001041247A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013204812A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Nsk Ltd ピボット軸受け装置およびこれを用いた磁気記録装置
WO2018007869A1 (en) 2016-07-02 2018-01-11 Rheomod De Mexico, S.A.P.I. De C.V. Grafted polymers

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