JP2000035043A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2000035043A
JP2000035043A JP20228598A JP20228598A JP2000035043A JP 2000035043 A JP2000035043 A JP 2000035043A JP 20228598 A JP20228598 A JP 20228598A JP 20228598 A JP20228598 A JP 20228598A JP 2000035043 A JP2000035043 A JP 2000035043A
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Japan
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titanium oxide
bearing
oxide layer
lubricating oil
amount
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JP20228598A
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English (en)
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Koji Ueda
光司 植田
Manabu Ohori
學 大堀
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】封入する潤滑剤を少量化しても耐フレッチング
摩耗特性の劣化を抑え、更には耐フレッチング摩耗特性
の向上を図ることができる転がり軸受の提供を課題とし
ている。 【解決手段】軌動輪表面、及び転動体表面の少なくとも
一方に対し、酸化チタン層を形成する。その酸化チタン
層は、膜厚を0.3〜5μmのアナターゼ型が好まし
い。これによって、潤滑剤として潤滑油が使用でき、し
かも当該潤滑油を微少量としても耐フレッチング摩耗特
性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転がり軸受に係
り、特に、ハードディスクドライブ(以下HDDと称す
る)の構成部品の一部であるアクチュエータ(特にスイ
ングアーム)の揺動部分やスピンドルモータ用軸受、さ
らには、歯科器具等の医療用装置のスピンドル軸受や食
品加工機器のスピンドル軸受等のように定期的に光(自
然光や殺菌光等)が当たる環境下で使用される軸受とし
て好適な転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】HDD装置のスピンドルモータやスイン
グアーム用の軸受は、装置の省電力化、高応答性、コン
パクト化等に伴い、より高速での回転、音響特性の向
上、回転トルクやトルク変動の小さいことなどが要求さ
れ、さらなる耐フレッチング摩耗特性や寿命の向上が要
求されている。
【0003】ここで、HDDスイングアーム用転がり軸
受においては、グリース潤滑が主流となっているが、微
小角度の回転が繰り返されることで、油膜が形成されに
くく、且つ、グリース潤滑では潤滑剤が塊となって存在
することから、内・外輪の軌道面と転動体との接触面か
らグリースが掻き出されて、局部的な潤滑不良を生じ、
この結果、フレッチング摩耗を発生して軸受寿命が低下
しやすい。
【0004】更に、グリースの攪拌抵抗により回転トル
クが大きくなり、また、グリースの封入形態が一様でな
いために潤滑が均一に行われないことから、トルク変動
が助長されることもある。しかも、グリースが軸受から
飛散して、使用環境を汚染するという問題を抱えてい
る。このようなトルクの増大や、使用環境の汚染は、ヘ
ッドの損傷や読み取りおよび書き取りエラーが発生する
原因となる。
【0005】一方、スピンドルモータ用の玉軸受は、H
DDで要求される音響特性や騒音性能が特に厳しい。従
来、軸受鋼製の軌動輪は、残留オーステナイト量
(γR )が8〜12%程度であり、高精度な玉軸受で
は、組込みの際に生じる玉の乗り上げや衝撃荷重によっ
て、応力が降伏強度の低い残留オーステナイト部分に集
中することで、軌道面に微小な永久変形を生じ、この変
形によって音響特性が劣化してしまうという問題点があ
った。
【0006】また、HDD装置に組込まれるこれらの玉
軸受にあっては、内輪と軸が別体の場合には、内輪を軸
に組み付ける際に接着剤を使用することが多いが、これ
が防錆油と反応して接着強度を低下させたり、洗浄・脱
脂時に防錆油が完全に除去されることで空気中の水分で
発錆して、回転精度を低下させたり、装置の信頼性を低
下させるケースが生じているため、マルテンサイト系の
SUS440C等のステンレス鋼を使用するケースが多
くなってきている。しかし、SUS440Cを使用した
場合であっても軸受鋼を使用した場合と同様、残留オー
ステナイトが10%前後存在するために、音響特性が劣
化してしまうという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記グリース潤滑によ
る問題を解決するために、グリース封入量の少量化する
ことで対応しようとすると、グリース充填量の減少によ
りフレッチング摩耗が発生し、更に軸受寿命が低下する
と共に、逆に音響不良が発生し易いという問題点があ
る。
【0008】このような事情に鑑みて、グリースの代わ
りに潤滑油を軸受内部に直接注入した事例があるが、潤
滑油を使用した場合には、所望の潤滑性を得るために比
較的多量の潤滑油が必要となり、このことは、軸受内部
から潤滑油が漏洩するといった問題が生じ易い。また、
特開平8−326760号公報には、保持器に潤滑油を
含浸させた例が開示されているが、この場合には、保持
器自体を多孔質な材質で製造したり油を含み易い特殊な
素材を用いる必要があり、軸受の製造コストの増大は避
けられないばかりか、潤滑油のしみ出し量の制御が困難
なため、軌道面等に供給される潤滑油量が過剰となった
り、逆に潤滑油が不足して潤滑性が低下するなど、安定
した潤滑条件が得られ難いという問題がある。
【0009】また、上記音響特性や騒音性能についての
問題点を解決するため、従来にあっては、例えば特開平
7−103241号公報に記載されているように、ステ
ンレス鋼製の軌動輪の焼戻し温度を高くしたり、焼戻し
を繰り返すことで残留オーステナイト量を減少させて、
耐圧痕性を向上させ、音響特性を改善する事例が開示さ
れている。
【0010】しかしながら、SUS440Cは内在する
10μmを超える硬質な共晶炭化物に起因して、目標と
する加工精度が得られ難く、もって音響性能が劣る傾向
があった。
【0011】これに加え、近年、転がり軸受の使用環境
がさらに厳しくなっており、ステンレス鋼でも耐食性が
不足する環境下で使用されるケースが生じており、SU
S440C鋼よりも高耐食な玉軸受用材料を選定する必
要が生じている。
【0012】本発明は、上記のような問題点を考慮しつ
つなされたもので、封入する潤滑剤を少量化しても耐フ
レッチング摩耗特性の劣化を抑え、更には耐フレッチン
グ摩耗特性の向上を図ることができる転がり軸受の提供
を課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の転がり軸受は、内輪と外輪の間に転動体が
介装されて構成される転がり軸受において、軌動輪表面
における少なくとも軌道面、及び転動体表面の少なくと
も一方に対し、酸化チタン層を形成したことを特徴とす
るものである。
【0014】本発明者らは、潤滑方法としてグリースを
使用せずに潤滑油を使用し、更に潤滑油の大幅な少量化
により低発塵化を図れ、且つ潤滑油の少量化に伴う耐フ
レッチング摩耗特性の低下の抑制を目的として、少量の
潤滑油でも高い潤滑性が得られる表面処理膜を検討した
結果から、超親油表面等が得られる酸化チタンに着目し
てなされたものである。
【0015】そして、本願発明においては、転動体表面
の少なくとも軌道面及び軌動輪表面の少なくとも一方に
酸化チタン層を形成することにより、極微量の潤滑油で
高い潤滑性が発揮されて、耐フレッチング摩耗特性が向
上する。
【0016】さらに、鋭意検討した結果、上記酸化チタ
ン層は、アナターゼ型酸化チタン層が好ましく、その膜
厚を0.3〜5μm、より好ましくは0.5〜3μmと
することにより、確実に、極微量の潤滑油で高い潤滑性
を発揮し、耐フレッチング摩耗持性を向上させることを
確認した。
【0017】また、ルチル型酸化チタン層であっても、
超親油作用の効果が無いものの、0.5〜20μmの膜
厚とすることで、効果的に耐フレッチング摩耗特性の向
上を図ることができることを確認した。なお、ルチル型
酸化チタン層の場合には、対象とする軌道輪や転動体の
素材は、主にチタン合金となる。
【0018】さらに、本発明者らは、耐食性向上の観点
から、軌動輪の素材として、高い耐食性を有するチタン
合金に着目した。しかし、チタン合金は耐摩耗特性に劣
り、特にHDD装置用の軸受に使用する際には耐フレッ
チング摩耗が生じ易い。そこで、表面処理により潤滑性
を向上させ、耐フレッチング性を改善することを目的と
して、鋭意研究を重ねて以下の結果を得た。
【0019】すなわち内輪、外輪および転動体から構成
される転がり軸受において、軌動輪をチタン合金で形成
することにより耐食性、耐圧痕性を向上させ、更に軌動
輪の表面に上述のような酸化チタン層を形成することに
より、極微量の潤滑油で高い潤滑性を発揮し、耐フレッ
チング摩耗特性を向上させられることを見いだした。
【0020】ここで、軌道輪をチタン合金とした場合に
ついて補足する。チタン合金は、金属の中でも特に耐食
性に優れる材料であり、ステンレス鋼よりも耐食性が高
い。
【0021】また、チタン合金は、ヤング率が鋼の約半
分であるため、転がり軸受に衝撃荷重が作用した際に、
軌動輪と転動体の接触部で微小変形が生じる。しかし、
同じ衝撃荷重であれば、軌動輪に対しヤング率の小さい
材料(チタン合金)を使用することで、接触部の弾性変
形量が大きくなるため、接触部における面圧が低下す
る。すなわちチタン合金を軌動輪に使用することによ
り、軌動輪に軸受鋼やステンレス鋼を使用した場合に比
較して、接触部での応力が緩和される。この結果、圧痕
が生じ難くなり、微小圧痕の形成による音響特性の劣化
を防止することができる。
【0022】軌動輪に使用するチタン合金の種類として
は、降伏応力が高い,α+β型、又はβ型合金が望まし
い。特に、チタン合金の中でも高強度でかつ冷間加工性
に優れるβ型チタン合金が好適である。
【0023】次に、本発明における酸化チタン層の作用
について補足する。酸化チタンの化学組成は、結合する
酸素の数によって多種多様に変化するが、本発明に係る
酸化チタンの化学量論組成はTiO2 で示され、更にT
iO2 は主にルチル型とアナターゼ型の2種類が存在す
る。
【0024】軌道輪や転動体の素材にチタン合金を用い
た場合、一般には、大気酸化法と陽極酸化の二種類があ
るが、大気酸化法ではルチル型の酸化チタンが優先的に
形成され、陽極酸化法ではアナターゼ型酸化チタンが形
成される。
【0025】ここで、アナターゼ型酸化チタンは、光触
媒活性作用を有する材料であることが近年明らかにな
り、注目を集めている。光触媒作用とは、酸化チタン表
面に400nm以下の紫外線が照射されると表面状態が
変化し、油に対して非常に親和力の高い、いわゆる超親
油性表面を形成する作用である。
【0026】光を照射することにより表面が超親油性と
なる機構についてはいまだ明らかにされていないが、短
時間の光の照射によって光触媒反応が生じて油をほとん
どはじかない表面が形成される。すなわち、光を照射し
た酸化チタン層表面では、油との接触角がほぼ0゜とな
り潤滑油のぬれ性が著しく向上する。
【0027】本来、金属表面と潤滑油のぬれ性は理論
上、比較的良好であるが、軌動輪および転動体の表面に
種々の洗浄を施して表面を清浄にしても、実際には水分
や洗浄によって除去されない有機化合物が吸着している
ため、実際の表面での油とのぬれ性は良好ではなく、均
一な潤滑膜を形成するのに必要な潤滑油の量は、必然と
増加してしまう。
【0028】これに対して、本願発明に基づき、超親油
性を示すアナターゼ型酸化チタン層を軌動輪等の摺動面
(転動面)に形成することにより、従来の鋼製の軌道輪
等の表面に直接潤滑油を塗布した場合と比較して、潤滑
油のぬれ性が大幅に向上する。この結果、軌動輪と転動
体の表面に均一な油膜が瞬時に形成されるため、HDD
スイングアーム軸受のような微小角度の揺動回転でも油
膜切れが生じず、フレッチング摩耗特性が向上する。
【0029】更にまた、ぬれ性が向上するため、大幅に
潤滑油量を減じることができて、潤滑油の漏洩や飛散が
抑えられ、記録媒体等への汚染を防止できる。ここで、
酸化チタン表面における超親油面の形成は、光の照射が
あって初めて達成されるが、光の照射を止めた場合であ
っても、直ちに超親油状態が失われるわけではなく、そ
の効果はしばらく持続する。そして、時間の経過にとも
ない効果が減衰するが、その減衰の挙動はゆるやかであ
り、また再度光を照射することにより、超親油状態を再
生することができる。
【0030】すなわち、アナターゼ型で酸化チタン層を
形成した場合における、本願発明の転がり軸受は、連続
的若しくは断続的に軸受に光が当たる環境下で使用され
る装置に好適となる。
【0031】一方、ルチル型の酸化チタンは、光触媒反
応による超親油表面を形成しない。しかし、アナターゼ
型酸化チタン自体の耐摩耗特性は高くないのに対して、
ルチル型酸化チタンは、酸化層自体の耐摩耗特性、耐焼
付性が高いため、ルチル型の酸化チタン層を形成するこ
とで、微量の潤滑油であっても耐フレッチング性が向上
し、HDDスイングアーム軸受のような微小角度の揺動
回転でも好適に使用することができる。
【0032】以上のように、いずれの型の酸化チタン層
を採用しても、耐フレッチング摩耗特性を向上させるこ
とが可能である。但し、軌道輪や転動体の素材にチタン
合金を用いた場合、ルチル型は、一般に大気中で高温に
加熱して表面を酸化させて得るために、長時間の加熱保
持では、軸受部品の素材の組織が変化する場合があり、
また膜厚の制御が難しい。これに対して、アナターゼ型
は主に陽極酸化法で得られ、加熱を必要としないため、
酸化チタン層を形成する際に母材がチタン合金の場合で
あっても組織の変化を生じることがない。この点から、
アナターゼ型の酸化チタンの方が好ましい。
【0033】また、後述するように、アナターゼ型酸化
チタンは、金属に対して容易に且つ均一に皮膜処理が可
能であるので、軌道輪等の素材としてチタン合金である
必要はなく、鋼製やセラミック製等であっても良く、ま
た、鋼製であっても特に鋼種に限定されない。
【0034】また、アナターゼ型酸化チタン層の場合に
は、処理条件を調整することで表面性状を、平滑面或い
は多孔質面にするなど所望性状に制御することが可能と
なる。例えば、チタン層の表面状態をポーラス状に形成
すると、触媒反応面積が増大して超親油状態を形成し易
くなると共に、ポーラス部分に潤滑油が溜り、潤滑性が
一層,向上して耐フレッチング摩耗特性が高まる。
【0035】もっとも、上述のように、軌道輪等の素材
をチタン合金とすることで、さらに耐食性や音響特性上
有利な転がり軸受となる。また、酸化チタン層の厚さに
ついては、アナターゼ型酸化チタン層の場合、膜厚が
0.3μmより薄い場合には、光触媒反応が十分に行わ
れずに超親油状態にならないため、0.3μm以上が好
ましい。一方、膜厚が5μm以上では光触媒反応が頭打
ちとなり、更に軌動輪との酸化チタン膜の界面強度が著
しく低下して、酸化チタン膜が剥離してその効果を発揮
できない(表2及び表3参照)。
【0036】したがって、アナターゼ型の酸化チタン層
とした場合における膜厚は、0.3μm以上5μm以
下、望ましくは0.5μm以上3μm以下とすることが
好ましい。
【0037】一方、ルチル型の酸化チタン層とした場合
には、膜厚が0.5μm以下だと耐フレッチング性向上
の効果が小さく、20μm以上ではその効果が飽和して
しまう。更に、大気酸化処理では酸化チタン層厚さが不
均一になりやすいため、膜厚が厚すぎると精度が低下す
る(表2及び表3参照)。
【0038】したがって、ルチル型の酸化チタン層とし
た場合には、膜厚を0.5μm以上20μm以下とする
ことが望ましい。
【0039】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
する。なお、軸受部品の素材として鋼製の場合で説明す
る。
【0040】従来の軌道輪等の軸受部品の製造と同様な
熱処理を加えて、軌道輪を製造する。例えば、SUJ2
の軌道輪素材や転動体素材に対して、焼入れ硬化を行
い、硬さがHRC61〜63の軌道輪、転動体を製造す
る。
【0041】次に、研磨後、アナターゼ型チタンのゾル
又は粉末からなるコーティング剤の浴中に浸漬、引き上
げを行い(ディップ法)、60〜120℃で乾燥させ
て、所定の膜厚のアナターゼ型酸化チタン層を形成す
る。
【0042】上記膜厚は、0.3〜5μmとなるよう
に、浴からの引き上げ速度を調整する。上記のようにし
て、表面にアナターゼ型酸化チタン層を形成した軌道
輪、転動体を組み付けて転がり軸受を作製する。このと
き、微少量の潤滑油を潤滑剤として塗布する。
【0043】上記軸受にあっては、適宜,光(自然光
等)が当たる環境下で使用することにより、或いは適
宜,光(自然光等)を当てることで、軌道輪と転動体の
接触面が、超親油性により潤滑油の濡れ性が大幅に向上
し、微量の潤滑油であっても、軌道輪と転動体の表面に
均一な油膜が瞬時に形成される。つまり、潤滑剤として
グリースの代わりに潤滑油を使用しても、当該潤滑油が
微少量で良く且つ均一な油膜が瞬時に形成されて、油膜
切れが回避されて、耐フレッチング摩耗特性が向上す
る。
【0044】このとき、潤滑剤として潤滑油を使用して
も、微少量の添加であるので、潤滑油の漏洩や飛散が抑
えれる。さらに、潤滑油による油膜が均一に形成される
ことで、グリース潤滑で従来問題となった、高速回転時
のトルク変動も抑止される。
【0045】ここで、上記実施形態では、転動体と軌道
輪の両方にアナターゼ型酸化チタン層を形成した場合を
例に説明しているが、一方の軸受部品だけにアナターゼ
型酸化チタン層を形成してもよい。また、軌道輪にアナ
ターゼ型酸化チタン層を形成する場合には、軌道面のみ
に形成するようにしても良い。
【0046】アナターゼ型酸化チタンの原料には、有機
系と無機系の2種類がある。有機系は塗布後、焼成して
成膜するが、焼成温度が400〜800℃と高く、軌道
輪、転動体が軟化するため不適である。
【0047】一方、無機系のアナターゼ型チタンは、粉
末又はゾルであり塗布後、60〜120℃の低温で乾燥
して成膜するため、好適である。塗布法としては、ディ
ップ法、スピンコート法、スプレー法等があるが、簡便
性と量産性からディップ法が好適である。
【0048】また、上記説明では、アナターゼ型酸化チ
タンコーティング剤を塗布・乾燥してアナターゼ型酸化
チタン層を形成した場合を例に説明しているが、ルチル
型の酸化チタンコーティング剤を塗布・乾燥してルチル
型酸化チタン層を形成してもよい。
【0049】この場合には、超親油性の効果は得られな
いものの、ルチル型酸化チタン層によって表面の耐フレ
ッチング摩耗特性を向上させることができる。さらに、
転動体及び軌道輪の素材をチタン合金、特にβ型又はα
+β型のチタン合金で作製することで、耐食性及び耐圧
痕性が向上して、音響特性及び騒音性能が厳しい、スピ
ンドルモータ用の転がり軸受の好適な軸受になると共
に、その表面が酸化チタン層で保護されて、上述の微少
量の潤滑油による高い潤滑性の確保や、耐フレッチング
摩耗特性の向上が図られる。
【0050】ここで、上記チタン合金からなる軌道輪な
どは、例えば、次のようにして形成する。即ち、β型又
はα+β型のチタン合金からなる素材について、冷間ロ
ーリング処理を施し時効処理を行い、続いて(旋削)研
削して、所定の形状に成形した後に、上述の陽極酸化ま
たは大気酸化法により酸化チタン膜を形成する。
【0051】
【実施例】次に、本発明に基づき形成された転がり軸受
についての実施例を説明する。以下に説明する各実施例
で使用するグリース及び潤滑油の種類、潤滑油量は、次
の通りである。
【0052】 グリース:リチウム−合成油系グリース 潤滑油 : エステル油 潤滑油量:軸受空間容積に対し、0.3%、0.5%、
1%、5%注入する。
【0053】また、下記実施例における揺動耐久試験
は、次の条件で行ったものである。 揺動周波数 :30Hz 外輪揺動 :8° アキシャル荷重 :29.4N 揺動繰り返し回転数 :500万回転 雰囲気温度 :常温 そして、揺動試験後に軸受を分解し、内輪及び外輪の摩
耗状態を観察し、内輪軌道面、外輪軌道面の摩耗深さを
測定した。
【0054】また、下記実施例における発塵試験は、次
の条件で行ったものである。即ち、密封された容器中で
軸受外輪を7200rpmで回転させ、その際に発生す
る塵の数をアウトパーティクルカウンタで測定し発塵量
としたものである。
【0055】発塵量は0.1cf(立方フィート)中に
存在する粒径0.1μm以上の塵の数をカウントし、一
時間経過した時点での発塵量を個数で判定した。また、
下記実施例におけるトルク試験は、次の条件で行ったも
のである。
【0056】即ち、トルク性能は、軸受内部に規定量の
潤滑油を注入し、9.8Nのアキシャル荷重を付与した
状態で回転装置により内輪を2rpmで回転し、その回
転初期に要するトルクおよびトルク変動を測定したもの
である。
【0057】次に、本発明の第1の実施例を図面を参照
しつつ説明する。本実施例は、鋼製の軸受部品表面につ
いて、本発明に基づくアナターゼ型酸化チタン層を形成
することによる、潤滑性向上及び耐フレッチング摩耗特
性向上に関する作用・効果を確認するための実験につい
てのものである。
【0058】ここで、試験軸受としてSR1810を作
製し、軌道輪および転動体はSUJ2を使用した。そし
て、表1に示すような膜厚で、アナターゼ型酸化チタン
層を軌道輪に形成した本発明に基づく転がり軸受(a〜
f)を用意すると共に、比較のために酸化チタン層を軌
道輪に形成しない転がり軸受(g〜l)を用意した。
【0059】そして、油潤滑とし、潤滑油量の影響を見
るため、表1に示した種々の潤滑油量で実験をおこなっ
た。
【0060】
【表1】
【0061】上記揺動耐久試験を、上記各軸受につい
て、表1に示した種々の潤滑油量で行い、揺動試験後の
摩耗深さを調べたところ、図1に示すような、潤滑油量
と揺動試験後の摩耗深さの関係を得た。図1中、●が本
発明に基づく実施例の軸受であり、○が比較の軸受のも
のである。
【0062】図1から分かるように、軌道輪表面に酸化
チタン皮膜処理を施さない比較例g〜lの場合には、潤
滑油量が軸受空間容積に対し1%以上のときには摩耗深
さは浅く、耐フレッチング摩耗特性が高いが、注入量が
1%より小さいと潤滑性が十分得られなくなり、急激に
摩耗深さが増加している。つまり、潤滑油量を軸受空間
容積比で1%以上供給する必要がある。
【0063】これに対し、酸化チタン層が形成した本発
明の実施例a〜fでは、超親油性の発現に伴う油膜形成
能の向上により、潤滑油量に関係なく、軸受空間容積比
で1%以下の少ない潤滑油量でもフレッチング摩耗特性
が向上しており、潤滑性が著しく向上しているのが分か
る。つまり、本願発明に基づく転がり軸受では、潤滑剤
に潤滑油を使用し、且つ、その供給量が微少(軸受空間
容積比で1%以下)であっても、フレッチング摩耗特性
上,問題がないことが分かる。
【0064】次に、酸化チタン層の処理膜の厚さの違い
による効果の違いを調査すべく、表2に示すような、酸
化チタン層の条件及び潤滑条件の種々の軸受を用意し
て、揺動試験後の摩耗深さ、発塵量、回転トルクとトル
ク変動値を調べた。なお、酸化チタン層は、アナターゼ
型である比較例については、潤滑方法の一部をグリース
潤滑としてある。
【0065】その結果を、表2中に示す。
【0066】
【表2】
【0067】この表2から分かるように、軌道輪および
転動体のいずれにも酸化チタン皮膜がない比較例1〜3
に着目すると、比較例2及び3のように、潤滑油量が軸
受空間容積比2%(比較例2)、10%(比較例3)と
潤滑油量が十分な場合には、耐摩耗特性は良好で、トル
ク変動値も小さいものの、発塵量が本発明の実施例に比
べかなり多い。これは潤滑性を確保するために潤滑油量
が多くする必要があり、軸受の回転時に油の飛散が多く
なったためである。この場合、飛散した油がHDD記録
媒体を汚染する可能性があり、HDD装置の軸受には不
適当となる。更に比較例1のように潤滑油量が少なくな
ると、潤滑性が低下し、耐フレッチング摩耗特性、発塵
性が低下してしまうことが分かる。
【0068】また、グリース潤滑を施した比較例4,5
に着目すると、軌動輪に酸化チタン層処理を施した比較
例5では、酸化チタン層の超親油作用により、油潤滑同
様に潤滑膜が形成されやすくなり、潤滑性が向上して比
較例4と比較して摩耗深さは小さくなる。しかし、前述
したようにグリース潤滑の場合は攪拌抵抗によりトルク
変動が大きくなるのは避け難く、発塵量も油潤滑と比較
すると多いために、要求が厳しいHDDスイングアーム
用軸受には不適当となる。
【0069】また、比較例6〜7に示すように、軌道輪
に酸化チタン皮膜処理を施しても、膜厚が0.3μmよ
り薄いか5.0μmよりも厚くなると、摩耗深さ、発塵
量、回転トルクがいずれも大きくなっているのが分か
る。
【0070】これは、比較例6の場合、酸化チタン層の
厚さが0.3μm以下と光触媒反応が生じるには厚さが
不足し、表面が超親油状態にならないため、潤滑性が低
下したと考えられる。
【0071】一方、比較例7の場合は、酸化チタン層の
厚さが5μm以上と厚いため、酸化チタン層と軌道輪の
界面の強度が低下し、酸化チタン層が剥離をおこして潤
滑性が著しく低下したと考えられる。
【0072】これに対して本発明に基づく実施例では、
特に潤滑油量が少ない場合であっても、アナターゼ型酸
化チタン層の超親油作用により優れた潤滑性を発揮し、
発塵量、回転トルク、摩耗深さが減少し、その効果は明
らかである。
【0073】また、実施例1、2、4、5、7〜10の
結果から分かるように、酸化チタン層は必ずしも軌動
輪、転動体の両方に施す必要はなく、軌動輪あるいは転
動体のいずれか一方のみに酸化チタン層を施すだけで
も、良好な効果を得る。
【0074】また、実施例7〜10のように酸化チタン
層の厚さを変えた場合、処理層の厚さが0.3μm以上
5μm以下の範囲であれば、超親油作用を発揮し、いず
れの処理層厚さにおいてもその効果は変わらないことが
分かる。
【0075】次に、第2の実施例を図面を参照しつつ説
明する。本実施例は、軌道輪素材をチタン合金とし、そ
の表面に酸化チタン層を形成した場合における、潤滑性
向上や耐フレッチング摩耗特性向上等に関する効果を確
認するためのものである。
【0076】試験軸受としてSR1810を作製し、軌
道輪の材料としては、Ti−l5Moー5Zr合金(β
型チタン合金)、SUS440C、及びSUJ2の3種
類を使用した。そして、表3に示す軌道輪材料、潤滑条
件、酸化チタン層条件の各種の軸受を用意して試験を行
った。なお、一部の軸受の潤滑方法にはグリースを採用
した。
【0077】
【表3】
【0078】ここで、Ti−15Mo−5Zr合金軌動
輪表面の酸化処理は、陽極酸化法および大気酸化処理の
2種類で行い、アナターゼ型酸化チタン層、ルチル型酸
化チタン層の両方を形成した軸受を用意して評価を行な
ったものである。
【0079】また、第1の実施例とは異なり、上述の試
験とは別に、耐食性を確認するため、軌動輪について塩
水噴霧試験を行なった。その塩水噴霧試験は、温度35
℃の5%NaCl水溶液を150時間、連続して噴霧す
ることで行い、試験後の供試片の腐食生成物を除去後、
重量変化を測定することで、腐食速度をmm/年で評価
した。
【0080】なお、評価基準としては、0.13mm/
年以下の場合を○、0.13〜1.3mm/年の場合を
△、L 3mm/年以上場合を×とした。揺動試験後の
摩耗深さ、発塵量、回転トルクとトルク変動値および塩
水噴霧試験結果を、上記表3中に示す。
【0081】この表3から分かるように、軌道輪に酸化
チタン皮膜を施さない比較例1〜3に着目すると、潤滑
油量が小さい比較例1及び2の場合、揺動摩耗試験後の
摩耗深さは大きく、発塵量、トルク変動値も高いことが
分かる。また、潤滑油量を増加した比較例3は、潤滑性
が改善され、摩耗深さは若干量小さくなるものの、チタ
ン合金自体の耐摩耗特性が低いために、摩耗深さは相対
的に大きく、発塵量が多いためHDD用軸受に使用した
場合に、記録媒体を汚染する可能性がありHDD用軸受
として不適当となる。
【0082】また、グリース潤滑を採用した比較例4及
び5に着目すると、酸化チタン層処理を施した比較例5
は、酸化チタン層の超親油作用により、油潤滑同様に潤
滑膜が形成されやすくなり、潤滑性が向上して、酸化チ
タン層がない比較例4と比較して摩耗深さは小さくな
る。しかし、前述したようにグリース潤滑の場合は攪拌
抵抗によりトルク変動が大きくなるのは避け難く、発塵
量も油潤滑と比較すると多いため、要求が厳しいHDD
スイングアーム用軸受には不適当である。
【0083】また、軌道輪にアナターゼ型酸化チタン皮
膜処理を施した比較例6及び7に着目すると、アナター
ゼ型酸化チタン皮膜処理を施しているにもかかわらず、
摩耗深さ、発塵量、回転トルクがいずれも大きい。これ
は、比較例6の場合、酸化チタン層の厚さが0.3μm
以下と光触媒反応が生じるには厚さが不足し、表面が超
親油状態にならないため、潤滑性が低下したと考えられ
る。一方、比較例7は、アナターゼ酸化チタン層の厚さ
が5μm以上と厚いため、酸化チタン層と軌道輪の界面
の強度が低下し、酸化チタン層がはく離をおこして潤滑
性が著しく低下したためと考えられる。
【0084】また、軌道輪にルチル型酸化チタン皮膜処
理を施した比較例8及び9に着目すると、比較例8は酸
化チタン層の厚さが0.5μm未満であるため、耐摩耗
特性が低下し、摩耗深さ、発塵量、回転トルクがいずれ
も大きい。比較例9の場合、酸化チタン層の厚さが20
μmを超えるため、耐摩耗特性は向上して摩耗深さは減
少しているが、皮膜層厚さに不均一が生じて精度が低下
し、トルク変動が若干大きくなるため不適である。
【0085】また、軌動輪材料にSUJ2、SUS44
0Cを使用した比較例10及び11に着目すると、潤滑
油が少ない場合には耐フレッチング性が低下し、摩耗深
さ、発塵量、回転トルクが増大し、また塩水噴霧試験の
結果から耐食性も低いことが分かる。
【0086】一方、アナターゼ型酸化チタン皮膜処理し
た、本発明に基づく実施例1〜6の場合には、処理膜を
0.3〜5μmに規制することで、潤滑油量が少ない場
合であっても、酸化チタン層の超親油作用により優れた
潤滑性を発揮し、発塵量、回転トルク、摩耗深さが減少
していることが分かる。
【0087】また、ルチル型酸化チタン皮膜処理を施し
た、本願発明に基づく実施例7〜11の場合には、処理
膜を0.5〜20μmの厚さに規制することで、軸受部
品の素材をチタン合金としても、ルチル型酸化チタン皮
膜により耐摩耗特性が著しく向上し、しかも、発塵量、
回転トルク、摩耗深さが減少しており、その効果は明ら
かである。また、塩水噴霧試験の結果も本発明の実施例
はいずれも良好で、耐食性も高くなっている。
【0088】次に、上述のように軌道輪素材としてチタ
ン合金を使用し表面に酸化チタン層を形成した場合にお
ける、耐衝撃性、耐荷重性の向上に関する実験を行なっ
た。即ち、図2に示すようなスピンドルモータの玉軸受
3として玉8に予圧を加えた状態で組込み、このスピン
ドルモータごと落下させることで衝撃荷重を加えて行っ
たものである。衝撃荷重としては、10、13、15、
17、20、及び25kgfの6通りで行い、各衝撃荷
重を加える前後における音響特性の劣化の度合い(騒音
の上昇)を測定したものである。なお、図2中、符号1
は軸を、符号2はスリーブを、符号4は内輪軌道を、符
号5は内輪を、符号6は外輪軌道を、符号7は外輪を表
している。
【0089】この試験の結果を図3に示す。ここで、本
実施例の軸受は、上記表3における実施例7に対応する
ものであり、Ti−15Mo―5Zr合金軌動輪表面に
大気酸化処理によりルチル型酸化チタン層を形成させた
ものである。また、図3中の比較例イ〜ニは、軌動輪に
SUS440Cを使用した場合で、焼戻し温度をかえ
て、残留オーステナイト量を12%(比較例イ)、8%
(比較例ロ)、6% (比較例ハ)、及び0%(比較例
ニ)とそれぞれ設定したものである。
【0090】比較例に着目すると、SUS440Cを軌
動輪に使用し残留オーステナイトが残存している場合に
は、耐圧痕性に劣るため、衝撃荷重が大きくなると音圧
の上昇が著しいが、残留オーステナイト0%(比較例
ニ)にすると、音圧の上昇は生じなくなる。
【0091】これに対し、軌道輪素材をチタン合金とし
て本発明に基づく酸化チタン層を形成した実施例では、
衝撃荷重の大きさに影響を受けることなく、音圧レベル
がどの衝撃荷重であっても低くなっている。これは、ヤ
ング率の小さいチタン合金を使用しているため、衝撃荷
重が増大しても局部的な応力集中が起こらないために、
耐圧痕性が向上して音圧の変化は生じないためである。
【0092】更に、本発明に基づく軸受は、軌動輪にS
US440Cを用いて残留オーステナイト量を0%にし
た場合に比較しても音圧レベルが相対的に低くなること
が分かる。これは、SUS440Cにはl0μmを超え
る粗大な共晶炭化物が多数残存しているために基地と炭
化物との間に摩耗差が生じ、接触部で炭化物の干渉して
音圧が高くなってしまうのに対して、本発明に基づく軸
受は、酸化チタン層を形成しているために、局部的な摩
耗差がなく、SUS440Cのような硬い析出物同士の
干渉が生じないために音圧値が相対的に低くなる。従っ
て、本発明に係る転がり軸受では、厳しい音響持性が要
求されるHDDスピンドル用軸受の軌動輪として好適に
使用することができることが分かる。
【0093】以上のように、軌動輪に鋼よりもヤング率
の小さいチタン合金を使用することで、衝撃荷重が付与
された際の耐圧痕性が向上し、且つ音響持性の劣化を抑
止できる。さらに、軌動輪表面に酸化チタン層を特定範
囲の厚さで形成することにより、耐フレッチング摩耗特
性が向上する。油潤滑において大幅に潤滑油量を低減す
ることができるため低発塵化が達成でき、要求が厳しい
HDD用スイングアーム、スピンドル用軸受に好適な軸
受となる。
【0094】
【発明の効果】以上脱明したように、本発明の転がり軸
受を採用すると、酸化チタン膜がアナターゼ型の場合に
あっては、適宜,紫外線を含む光が当てられる環境下や
適宜,紫外線を含む光を照射するだけで、軌動輪あるい
は転動体の少なくとも一方に超親油表面を得ることがで
きて、潤滑剤として潤滑油が使用できると共に当該潤滑
油が極微量であっても高い潤滑性が得られることで、耐
フレッチング摩耗特性が向上する。また、酸化チタン膜
がルチル型であっても、光の照射の有無に関係なく、少
なくも耐フレッチング摩耗特性が向上する。
【0095】このように、本願発明を採用すると、トル
ク変動が生じ易いグリース潤滑の代わりに油潤滑を採用
しても、大幅に潤滑油量を低減することができて、低発
塵化が達成できるばかりか、耐フレッチング摩耗特性が
向上する。
【0096】これにより、例えば,HDD用スイングア
ーム軸受等に好適な軸受を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における、揺動摩耗試験
後の摩耗深さと潤滑油量との関係を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施例における、耐衝撃性、耐
荷重性を試験する際に適用するスピンドルモータを示す
断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例における、衝撃荷重の大
きさと音圧レベルの関係を示す図である。
【符号の説明】
3 玉軸受 5 内輪 7 外輪 8 玉

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と外輪の間に転動体が介装されて構
    成される転がり軸受において、軌動輪表面における少な
    くとも軌道面、及び転動体表面の少なくとも一方に対
    し、酸化チタン層を形成したことを特徴とする転がり軸
    受。
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