JP2006258142A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 より低アウトガス化を図り、なおかつ低トルクで、長期的潤滑性能に優れた潤滑剤を使用した転がし軸受を提供すること。
【解決手段】 内輪2と外輪4との間に転動体としての玉5が配設され、各玉5が保持器7で保持されながら内輪7または外輪4を起動輪として転動する転がり軸受8において、潤滑剤として、イオン性流体が封入されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 内輪2と外輪4との間に転動体としての玉5が配設され、各玉5が保持器7で保持されながら内輪7または外輪4を起動輪として転動する転がり軸受8において、潤滑剤として、イオン性流体が封入されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、転がり軸受に関し、特に、ハードディスクドライブ(以下、HDDと称する)の構成部品の1つであるアクチュエータ(特にスイングアーム)に組み込まれた軸受またはユニットとしてHDDに使用される転がり軸受に関する。
従来のHDDにおいては、転がり軸受が作動系構成部品として用いられているが、磁気ヘッド部と磁気ディスクとの間隙(フライングハイト)がある程度広く設定されていたため、磁気ディスク上に少量の異物が付着しても、磁気ヘッド部と異物との接触に起因する致命的な障害は発生しにくかった。それ故、HDD用軸受に使用される潤滑剤においては、潤滑性能の向上(長期的耐久性)が最優先課題とされており、低アウトガス性能は潤滑性能の向上に比して重要視されていなかった。
しかし、近年のHDDは、より高記録密度化、高精度化が進み、フライングハイトが10nm以下へと極端に狭いものになりつつある。このような微小間隙を有するHDDにおいては、磁気ディスク上への異物の付着は致命的な障害になりかねない。異物の付着は固体物質に限らず、潤滑油のような液状物質であっても磁気ディスク表面に付着することで、磁気ヘッドとの隙間に潤滑油が溜まり、磁気ディスクと磁気ヘッド部とが吸着する問題や付着した潤滑油により、”揺らぎ”が生じて正常な読み書きができなくなる可能性がある。
さらに、HDDの薄型化に伴うVCM(ボイスコイルモータ)出力の低下に対する軸受への低トルク化が要求されている。
また、HDDの構造上、アクチュエータに組み込まれる転がり軸受ユニットは、磁気ディスクの極近傍に配置されているため、コンタミネーションの影響を及ぼしやすい。さらには、HDDの薄型化に伴うVCM(ボイスコイルモータ)出力の低下に対する軸受への低トルク化が要求されている。
また、HDDの構造上、アクチュエータに組み込まれる転がり軸受ユニットは、磁気ディスクの極近傍に配置されているため、コンタミネーションの影響を及ぼしやすい。さらには、HDDの薄型化に伴うVCM(ボイスコイルモータ)出力の低下に対する軸受への低トルク化が要求されている。
このような課題に対して、潤滑剤として、25℃における蒸気圧が1.3×10-3Pa以下である合成潤滑油を封入したものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−130304号公報(第2頁〜第3頁、図1)
従来技術においては、転がり軸受に封入される潤滑剤として、25℃における蒸気圧が1.3×10~3Pa以下である合成樹脂油を用いているため、より低アウトガス化及び低トルク化を図ることができる。しかし、潤滑剤として、さらにより低アウトガス化及び低トルク化が達成できるものが要求されている。
そこで、本発明の目的は、より低アウトガス化を図り、なおかつ低トルクで、長期的潤滑性能に優れた潤滑剤を使用した転がし軸受を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、内輪と外輪との間に複数の転動体が配設され、前記各転動体が保持器に保持された状態で前記内輪または外輪を軌道輪として転動する転がり軸受において、潤滑剤として、イオン性液体が封入されていることを特徴する転がり軸受を構成したものである。
前記した手段によれば、グリースのような基油や添加剤などの蒸発がなく、流動性に富んだ潤滑剤として、低蒸気圧であるイオン性液体からなる潤滑油を潤滑剤として軸受内部に封入するようにしたため、より低トルク化及び低アウトガス化を図ることができる。この転がり軸受をHDDアクチュエータユニットに組み込んだ場合、トルク性能及びアウトガス性能及び耐久性能の向上を図ることができる。
また、イオン性液体は従来の潤滑油のように絶縁体でなく、ある程度の導電性を備えているため、磁気ヘッドとディスクとの間隙が微小であって、磁気ヘッドに帯電した静電気がスパークを起こすことがあっても、液体自身が導電性を持つことでアース効果が図れ、静電気のスパークに伴う影響を払拭することも可能である。
本発明によれば、より低トルク化及び低アウトガス化を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例を示す転がり軸受の縦断面図、図2はHDDアクチュエータ用転がり軸受ユニットの縦断面図である。
図1及び図2において、HDDアクチュエータ用転がり軸受ユニットは、図2に示すように、転がり軸受8とハウジング9を備えて構成されている。ハウジング9は軸10の外周側に装着されており、ハウジング9には転がり軸受8が複数個装着されている。
転がり軸受8は、HDD用転がり軸受として、図1に示すように、外周面に内輪起動面1を有する内輪2と、内周面に外輪起動面3を有する外輪4とを同心状に配置し、内輪起動面1と外輪起動面3との間に転動体としての玉5が複数個配置されており、各玉5は保持器5で保持された状態で内輪起動面1または外輪起動面3に沿って転動するようになっている。すなわち各玉5は内輪2または外輪4を起動輪として転動するようになっている。
転がり軸受8においては、内輪2の内輪起動面1及び外輪4の外輪起動面3、玉5および保持器7の表面に潤滑剤(図示せず)が被覆または封入されており、外輪4の両端部内周面には、それぞれ円輪状のシール板6が係止され、潤滑剤が軸受8の外部に漏洩したり、また外部に浮遊する塵埃が転がり軸受8内部に浸入したりするのを防止するようになっている。
次に、本発明に係るHDDアクチュエータ用転がり軸受に用いる潤滑剤の詳細を説明する。転がり軸受8内部に封入する潤滑剤として用いるイオン性液体には、脂肪族アミン系、脂環式アミン系、イミダゾリウム系、ピリジン系などをカチオンに挙げることができる。これらの化学式を化1〜化4で示す。
また、アニオン(X-)には、BF4 -、PF6 -、[(CF3SO2)2N] -,Cl-,Br-などを挙げることができる。Rはアルキル基またはアルコキシ基を示す。
特にイミダゾリウム系カチオンを用いたイオン性流体が好ましく、さらに、イミダゾリウム系カチオンに含まれるR(炭素鎖長)を長くすることが好ましい。炭素数としては、C2以上の組み合わせが好ましい。特に、側鎖炭素鎖長を伸ばすことで、イオン間の静電気相互作用が弱まり、流動点が下がる一方、炭素鎖の分子間相互作用が働き、動粘度を増加させることができることから、幅広い温度領域での使用が可能となる。
特にイミダゾリウム系カチオンを用いたイオン性流体が好ましく、さらに、イミダゾリウム系カチオンに含まれるR(炭素鎖長)を長くすることが好ましい。炭素数としては、C2以上の組み合わせが好ましい。特に、側鎖炭素鎖長を伸ばすことで、イオン間の静電気相互作用が弱まり、流動点が下がる一方、炭素鎖の分子間相互作用が働き、動粘度を増加させることができることから、幅広い温度領域での使用が可能となる。
例えば、40℃動粘度は、おおよそ12mm2/sから260m2/s程度ものが知られ、イオン液体を単独または組み合わせることによって、適切な動粘度を得ることができる。
イオン性流体を転がり軸受8内部に封入する量は、軸受8内部空間容積の0.1%〜10%が好ましい。さらに、耐摩耗性(耐フレッチング性)、潤滑油漏洩を考慮すれば、0.25%〜5%が好ましい。塗油方法には限定されないが、潤滑油を極微少量計量できるマイクロシリンジやプランジャーポンプによって規定量計り取り、内輪2、外輪4、転動体(玉)5、保持器7が組みあがった状態で転動体5上に吐き出し、転がり軸受8を数回転、回転させる方法が好ましい。
また、潤滑油の漏洩を防ぐために、より薄膜として潤滑油を塗膜する場合は、潤滑油を溶剤に希釈し、転がり軸受8を浸漬するか、転がり軸受8外部への潤滑油付着を避けるために、潤滑油希釈液を転がり軸受8内部の転動体5上に吐き出した後に、乾燥させることで潤滑油を塗膜する方法もある。
このように、転がり軸受8内部にイオン性液体を封入したHDDアクチュエータユニットによれば、さらなる低トルク化、低トルク変動化、低アウトガス化が図れ、信頼性が高く、且つ高性能なアクチュエータユニットを提供することができる。
[実施例]
以下、実施例及び比較例により本発明を明確にする。
以下の試料(1)〜(6)を基にイオン性液体について評価を行い、その効果の確認を行った。
試料(1)〜(4)に用いたカチオンの化学式を化5〜化8に示す
以下、実施例及び比較例により本発明を明確にする。
以下の試料(1)〜(6)を基にイオン性液体について評価を行い、その効果の確認を行った。
試料(1)〜(4)に用いたカチオンの化学式を化5〜化8に示す
試料(1)のアニオンには、(CF3SO2)2N-、試料(2)のアニオンには、(CF3SO2)2N-を用い、試料(3)のアニオンには、BF4 -を用い、試料(4)のアニオンにはPF6 -を用いた。
また、試料(5)は試料(4)/(1)=4/6とし、試料(6)は試料(3)/試料(2)=8/2とした。
試料(1)〜試料(6)を用いた実施例1〜実施例6の内容を次の表1に示し、比較例1〜比較例4の内容を次の表2に示す。
[トルク評価試験]
供試軸受(転がり軸受)として、SR1810(外径12.7mm、内径7.94mm、幅3.97mm)のものを用い、この軸受の内輪を低速で回転させ、外輪のトルクを測定した。
回転数:2rpm
グリース封入による軸受のトルクを1とした。
実施例1〜実施例6のものは動粘度にほとんど影響されず低トルクを得ることができた。
供試軸受(転がり軸受)として、SR1810(外径12.7mm、内径7.94mm、幅3.97mm)のものを用い、この軸受の内輪を低速で回転させ、外輪のトルクを測定した。
回転数:2rpm
グリース封入による軸受のトルクを1とした。
実施例1〜実施例6のものは動粘度にほとんど影響されず低トルクを得ることができた。
[アウトガス試験]
軸受空間容積の約3%をイオン性液体の封入量(グリースは軸受空間容積の約5%を封入量)として、85℃で1h加熱したときに発生したガス成分を質量分析型ガスクロマトグラフ(GCMS)にて分析し、発生した炭化水素のトータル量(デカン換算)を比較し、合成油−鉱油系グリースのアウトガス量を1としたときのアウトガス量を求めた。
軸受空間容積の約3%をイオン性液体の封入量(グリースは軸受空間容積の約5%を封入量)として、85℃で1h加熱したときに発生したガス成分を質量分析型ガスクロマトグラフ(GCMS)にて分析し、発生した炭化水素のトータル量(デカン換算)を比較し、合成油−鉱油系グリースのアウトガス量を1としたときのアウトガス量を求めた。
比較例1〜比較例3ではアウトガスを少なくできないのに対して、実施例1〜実施例6ではアウトガス量が少なく、低アウトガス化が図れることが確認できた。
2 内輪
4 外輪
5 玉(転動体)
7 保持器
8 転がり軸受
4 外輪
5 玉(転動体)
7 保持器
8 転がり軸受
Claims (1)
- 内輪と外輪との間に複数の転動体が配設され、前記各転動体が保持器に保持された状態で前記内輪または外輪を軌道輪として転動する転がり軸受において、潤滑剤として、イオン性液体が封入されていることを特徴する転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005073727A JP2006258142A (ja) | 2005-03-15 | 2005-03-15 | 転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005073727A JP2006258142A (ja) | 2005-03-15 | 2005-03-15 | 転がり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006258142A true JP2006258142A (ja) | 2006-09-28 |
Family
ID=37097634
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005073727A Pending JP2006258142A (ja) | 2005-03-15 | 2005-03-15 | 転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006258142A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006321856A (ja) * | 2005-05-17 | 2006-11-30 | Nippon Shokubai Co Ltd | 潤滑剤組成物 |
JP2007217609A (ja) * | 2006-02-17 | 2007-08-30 | Nsk Ltd | グリース組成物及び軸受 |
-
2005
- 2005-03-15 JP JP2005073727A patent/JP2006258142A/ja active Pending
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