JP2001040705A

JP2001040705A - 天然ガスエンジンを搭載した建設機械の燃料タンク

Info

Publication number: JP2001040705A
Application number: JP21312199A
Authority: JP
Inventors: Haruhisa Nagata; 晴久永田
Original assignee: Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd
Current assignee: Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd
Priority date: 1999-07-28
Filing date: 1999-07-28
Publication date: 2001-02-13

Abstract

(57)【要約】【課題】天然ガスエンジンを積載した建設機械の省ス
ペース化を図ったカウンタウェイトを提供することを課
題とする。【解決手段】燃料タンクをカウンタウェイトの内部に
配設したことを特徴とし、カウンタウェイトの内部を燃
料タンクにしたこと、或いは、カウンタウェイトの内部
に高圧ガスボンベを積み込み可能としたことを特徴とし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、天然ガスエンジ
ンを搭載した建設機械の燃料タンクの技術分野に属す
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、低公害と代替エネルギーの点から
天然ガス自動車が見直されている。天然ガスはメタンが
主成分で、水素が多いため、２酸化炭素の発生量が少な
く、また、硫黄酸化物や窒素酸化物の排出も少ないた
め、低公害の自動車用燃料として見直されている。天然
ガス自動車には、主として、高圧縮された圧縮天然ガ
ス、又は、液化天然ガスが使用されている。液化天然ガ
スは圧縮天然ガスに比べて容器の体積が小さくてもよい
ので、省スペースになる。しかし、液化天然ガスは貯蔵
器の断熱が完全でないと液化ガスが蒸発し、保存が困難
であるため、圧縮天然ガスが主流となっている。

【０００３】圧縮天然ガスを使用した自動車のエンジン
装置については、例えば、公開特許公報、第平８−２１
０１９１号に開示されているものがある。以下、この装
置について説明する。この自動車では燃料タンクを車体
後部の床下に配設し、車体前部に配設した天然ガスエン
ジンに燃料供給管によって燃料を供給している。図３に
示すように、後部席床下に配設された圧縮天ガスを高圧
で封入した燃料タンク１１、１１は配管１２によって接
続され、ガス入口側は配管１３によって逆止弁１５、開
閉弁１４を介してガス供給パイプと接続するためのカプ
ラ１６に接続されている。

【０００４】一方、ガス供給側は配管１７により、緊急
遮断弁１８、圧力センサ１９、燃料遮断弁２０を介して
高圧レギュレータ（高圧減圧弁）２１の高圧側に接続さ
れている。高圧レギュレータ２１の低圧側は、圧力スイ
ッチ２３、低圧レギュレータ（低圧減圧弁）２４を介し
て天然ガスエンジン１０のミキサ２５に接続されてい
る。ミキサ２５の他方の入り口はエアクリナ２６に接続
され、ミキサ２５の出口はスロットル弁２７を介して天
然ガスエンジン１０の吸気マニホールド２８に接続され
ている。

【０００５】上記構成から分かるように、高圧天然ガス
は高圧レギュレータ２１と低圧レギュレータ２４によっ
て減圧されている。高圧天然ガスは略２００Ｋｇ／Ｃｍ
^２程度であり、燃料タンク１１を大きくすると高耐圧に
するためにタンクを肉厚にしなければならず、また、小
さくするとある程度の走行距離を確保するためには積載
する燃料タンクの本数を多くしなければならない。燃料
タンク１１の重量を重くすると燃比が悪くなるだけでな
く操作性も悪化する。また、走行距離の問題は天然ガス
供給所の数を増やせばある程度解決できるが、ガソリン
の供給所のように全国至る所に天然ガス供給所を配置す
ることは現状では困難である。

【０００６】現在の油圧ショベル等の建設機械は図４に
示すような構成が採用されている。図４において、油圧
ショベル機本体３０は下部走行体３１と上部旋回体３２
とから構成されている。上部旋回体３２の前方部にはキ
ャブ３３が設けれる他に、作業アタッチメント（図示省
略）を取り付けるためのブーム３４が上下に回動自在に
設けられている。作業機アタッチメントとのモーメント
のバランスを取るために上部旋回体３２の最後部にカウ
ンタウエイト３５が配置され、その前方には比較的重量
の重いディーゼルエンジン３６が配置される。エンジン
３６の燃料タンク３７は作動油タンク３８と共にやや中
央部前方に配置されている。

【０００７】図５はカウンタウェイト３５の形状の一例
を示すものである。図５（Ａ）は平面図、（Ｂ）は正面
図、（Ｃ）は側面図である。図５において、カウンタウ
ェイト３５は後面及び側面は円弧筒状で、上下面はほぼ
平らで、上面には吊り下げ用のフックが付いており、内
部は中空に形成されている。カウンタウェイト３５は、
例えば、肉厚の鋼板製で、内部にはコンクリートや鉄片
等の重量調整材が充填されている。

【０００８】以上に述べたように、従来の建設機械では
燃料タンクは略中央部に配置され、この位置に高圧天然
ガス燃料タンクを数本も配置すると車両本体の重量が増
すだけでモーメントのバランスに機能する割合が少な
い。また、スペースを必要とするため、車両本体のサイ
ズを大きくしなければならない。一方、カウンタウェイ
トと共に車両の後部に置くとしてもスペースの確保がで
きない。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】一般車両では、燃料タ
ンクの重量を重くすると、燃比が悪くなり、操作性も悪
くなる。また、走行距離が短くなると燃料補充場所の問
題が生じてくる。しかし、建設機械では遠距離走行や高
速走行を目的としていないので、上記の問題は比較的重
要ではない。しかしながら、燃料タンクの配置場所によ
っては、大きなスペースが必要となり、車両サイズが大
きくなったり、モーメントのバランスが崩れて操作性が
悪くなる。この発明は、上述のような背景の下になされ
たもので、省スペース化し、操作性もよい燃料タンクの
配置及び燃料タンクの構造を提供することを目的として
いる。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は以下の手段を採用している。即ち、請求項１
記載の発明は、天然ガスエンジンの燃料タンクをカウン
タウェイトの内部に配設したことを特徴としている。

【００１１】請求項２記載の発明は、請求項１に記載の
発明において、前記カウンタウェイトの内部を燃料タン
クにしたことを特徴としている。

【００１２】請求項３記載の発明は、請求項１に記載の
発明において、前記カウンタウェイトの内部に高圧ガス
ボンベを積み込み可能としたことを特徴としている。

【００１３】

【発明の実施形態】＜実施形態１＞図１は本発明の実施
形態１の構造例を示す。以下、図面を参照してこの発明
の実施形態１について説明する。図１のカウンタウェイ
ト４０はカウンタウェイトの機能とガス容器の機能を合
併したもので、カウンタウェイト４０が高圧天然ガスの
容器となっている。図１（Ａ）は平面図、（Ｂ）は矢印
Ｘ−Ｘから見た断面側面図を示す。

【００１４】カウンタウェイト４０は鋳鉄又は鋳鋼製
で、内部は複数のスペース４１と補強材４２が設けられ
ている。補強材４２には複数の穴４２ａが設けられてお
り、各スペース４１は連通している。スペース４１と補
強材の占める割合はカウンタウェイトとしての機能と圧
力容器としての機能の両機能が果たせる様に構成されて
いる。なお、底部に重量物を装填する室を設けてカウン
タウェイトとしての機能を強化する構成としてもよい。

【００１５】スペース４１の天井壁にＴ字形管４３がね
じにより取り付けられており、Ｔ字形管４３の両側には
手動の開閉弁４４、４５が接続されている。弁４４は外
部から天然ガスをカウンタウェイト４０の内部に充填す
るときの開閉弁で、開閉弁４４と共に図示省略の逆止め
弁、カプラが接続されている。また、弁４５はカウンタ
ウェイト４０から図示省略のエンジンへ天然ガスを供給
するための開閉弁で、開閉弁４５と共に従来装置（図
３）で説明したような減圧弁その他の装置を介してエン
ジンに接続されている。また、天井壁の上側面にはカウ
ンタウェイト取り付けのためのフック４７が設けられて
いる。なお、カウンタウェイト４０への天然ガスの充填
は作業現場に貯蔵している天然ガスボンベから直接又は
圧縮機を介して行われる。

【００１６】実施形態１は以上の様な構成であり、カウ
ンタウェイトの機能と天然ガス容器としての機能の両機
能を果たしている。また、補強材４２を設けているので
高圧に耐えることができる。したがって、実施形態１で
はガスボンベを積載する必要がないので、スペースの有
効活用が図られ、或いは車両を小型化できるという効果
が得られる。なお、天然ガスは高圧に圧縮された状態で
も比重が金属に比べて十分に小さいので、残っているガ
スが少なくなってもカウンタウェイトの機能には影響が
ない。また、天然ガスエンジンを従来のエンジンと同じ
場所に設置すれば、燃料ガスの配管が短くなると云う効
果もある。

【００１７】＜実施形態２＞図２は本発明の実施形態２
の構造例を示す。図２（Ａ）は蓋を開いたときの平面
図、（Ｂ）は矢印Ｙ−Ｙから見た断面裏面図を示す。以
下、図面を参照して説明する。なお、実施形態１で説明
したものと同じ構成要素については同じ番号を付して詳
細な説明を省略する。実施形態２は天然ガスを充填した
ガスボンベ５１をカウンタウェイト５０内に配置可能と
した構造である。カウンタウェイト５０は鋳物製等の比
重の大きい金属で形成され、上部は空間で、中央及び下
部は上記金属で構成され、金属部分にはガスボンベ５１
を挿入する穴５２が複数個形成されている。また、天井
は蓋５５が蝶番等により開閉自在に取り付けられてい
る。

【００１８】ガスボンベ５１にはガス出口穴５１ａと開
閉弁５１ｂが設けられている。ガス出口穴を連結するた
めの配管５４が接近・離反可能（又は着脱可能）に設け
られており、配管５４には天然ガスを充填するための開
閉弁４４及びエンジンにガスを供給するための開閉弁４
５が接続されている。配管５４には実施形態１と同様に
天然ガス充填用のカプラや減圧弁等が接続されている。

【００１９】実施形態２は以上のような構成であり、天
然ガスを充填するときはカプラにガス供給パイプを接続
して充填するか、或いは、天然ガスが充填されたボンベ
を空になったボンベ５１と交換する。ボンベを交換する
には開閉弁５１ｂ及び開閉弁４５を閉め、配管５４を外
し、空になったボンベ５１を取り出す。次に、新しいボ
ンベを穴５２に挿入し、配管５４を接続する。接続後に
開閉弁５１ｂ及び開閉弁４５を開ける。なお、開閉弁４
４は天燃ガス供給管と接続して充填する場合にのみ使用
する。

【００２０】実施形態２は以上の構成、機能により、実
施形態１と同様にスペースの有効活用が図られると共
に、作業現場に天然ガスが充填されたガスボンベを準備
しておけば容易に交換可能であり、特別な設備を必要と
しないので、天然ガスの充填が容易に行われ、かつ、充
填場所が制限されないという効果がある。

【００２１】以上、この発明の実施形態、実施例を図面
により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限
られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲
の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、天然ガス容器をカウンタ内部に配置するように
したので、スペースの有効活用が図られ、或いは車両を
小型化できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態１を示す。（Ａ）は平面
図、（Ｂ）は側面図を示す。

【図２】本発明の実施形態２を示す。（Ａ）は平面
図、（Ｂ）は後面図を示す。

【図３】天然ガスエンジンを積載した従来装置の構成
を示す。

【図４】従来の油圧ショベルの外観図を示す。

【図５】従来のカウンタウェイトの構成を示す。

【符号の説明】

４０カウンタウェイト４１スペース（燃料タンク）４２補強材４４、４５開閉弁５０カウンタウェイト５１ガスボンベ（燃料タンク）５４連結用配管

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】天然ガスエンジンを搭載した油圧ショベ
ル等の建設機械において、該エンジンの燃料タンクをカ
ウンタウェイトの内部に配設したことを特徴とする建設
機械の燃料タンク。
【請求項２】前記燃料タンクは、前記カウンタウェイ
トの内部を燃料タンクにしたことを特徴とする請求項１
に記載の建設機械の燃料タンク。
【請求項３】前記燃料タンクは、前記カウンタウェイ
トの内部に高圧ガスボンベを積み込み可能としたことを
特徴とする請求項１に記載の建設機械の燃料タンク。