JP2001040530A - 微生物分解性繊維及びその不織布 - Google Patents

微生物分解性繊維及びその不織布

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JP2001040530A
JP2001040530A JP21142799A JP21142799A JP2001040530A JP 2001040530 A JP2001040530 A JP 2001040530A JP 21142799 A JP21142799 A JP 21142799A JP 21142799 A JP21142799 A JP 21142799A JP 2001040530 A JP2001040530 A JP 2001040530A
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JP
Japan
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biodegradable
fiber
nonwoven fabric
polymer
cellulose
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JP21142799A
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English (en)
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Akira Mochizuki
明 望月
Yoshihiko Abe
吉彦 阿部
Keitaro Morishita
啓太郎 森下
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微生物によって容易に分解され、取り扱い性
に優れ、しかも柔軟でしなやかな性質を有するセルロー
スと微生物分解性合成ポリマーからなる微生物分解性繊
維及びその繊維から作られた不織布を提供する。 【構成】 結晶性ポリマーにおいては結晶融解温度Tm
が、又、非晶性ポリマーにおいてはガラス転移温度Tg
が100℃以下の生分解性ポリエステル又は生分解性ポ
リカーボネートの少なくとも1種の微生物分解性合成ポ
リマーを10wt%以上90wt%以下、セルロースを
10wt%以上90wt%以下含有する微生物分解性繊
維、およびこの単繊維から得られる不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物分解性を有する
繊維、具体的には親水性を有し、生体適合性に優れる繊
維であり、医療用途、衛生材料を初め、一般生活資材用
の素材として使用できる微生物分解性を有する繊維、お
よび該繊維からなる不織布及びその繊維の調製方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維素材としてポリエチレンテレフタレ
ートをはじめとした半芳香族系ポリエステル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ナイロン等の合成繊維及び、セ
ルロース繊維、絹等の天然繊維が生活資材、産業資材と
して多方面に使用されている。前者においては微生物分
解性がないめ、自然環境下では化学的に安定であり、廃
棄物として土壌に埋めたてた場合、環境問題の元凶にな
り、又、焼却処分するに当っては多大の費用が発生する
などの問題がある。このように廃棄性については、昨今
の自然環境保護や生活環境保護の点で大きな社会問題と
なって来ている。近年、このような問題のひとつの解決
手段として、環境に優しい材料、即ち微生物分解性のプ
ラスチック材料によって生物分解性のない合成樹脂を代
替することが検討されてきており、繊維、不織布の分野
においても同様に注目されている。
【0003】従来より、各種生分解性ポリエステルを繊
維に用いる例が多く報告されている。例えばポリグリコ
ール酸、ポリ乳酸、ポリヒドロキシプロピオン酸、ポリ
カプロラクトン等の脂肪族ポリエステルからなる繊維又
は不織布について、医療用途では縫合糸や補綴材に、一
般資材では釣り糸などに適用することが、研究、開発さ
れている。これらの検討の多くは、上記生分解性ポリエ
ステルのみからなる繊維である為、疎水性が高く、吸水
性を求められる使用には適用できず、用途が限定されて
いた。
【0004】また、セルロース繊維、絹繊維等の天然繊
維は、熱可塑性がなく、不織布を製造する際、繊維間の
熱融着による加工ができない。
【0005】不織布では、その多くが合成繊維を用いて
作製されており、又、使い捨てにされる用途に用いられ
る場合が多く、使用後は焼却或いは埋め立てで処理され
ているのが現状である。これを埋めたてた場合、上述し
たように分解されず長期間土壌中にそのままの形状で残
存し、環境面で大きな問題を発生する。吸水性の乏しい
合成繊維系の不織布を医療/生活資材に使用した場合、
吸水性がないため不快感を伴ったり、血液、水をふき取
ることが難しいと言った問題点があった。
【0006】この様な問題点を解決する為に特開平5−
214648号には、セルロース繊維から成る不織布上
に該微生物分解性ポリエステルからなる不織布を積層し
た不織布の発明が記載され、又、特開平5−22265
6号には、セルロース繊維と微生物分解性繊維を混合し
不織布とする発明が開示されている。しかしながら、セ
ルロース繊維不織布と微生物分解性ポリエステル繊維不
織布とを積層した場合、不織布の裏表で濡れ性が異なる
為、裏表を識別しなければならず取り扱い性が悪くな
る。又、工程が煩雑となり生産性も良好とは言えない。
一方、後者のように二つの繊維を混合し、不織布とした
ときには、2種類の異なる繊維を均一に分散させる技術
が難しく、又、不織布にするにはセルロースのような親
水性が高く、熱溶融性のない繊維と、疎水性のポリエス
テル繊維間の接着/固定が必要になるが、この様に物性
が大幅に違う為、繊維間の固定化が極めて困難であり、
機械強度の高い不織布を作る事は難しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決した、微生物等によって分解される、取り扱い性
に優れ、製造が容易である安価な繊維及び不織布を提供
する事にある。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明者らはこのような課
題に鑑み、生分解性ポリエステルや生分解性ポリカーボ
ネート等の微生物分解性合成ポリマーとセルロースに注
目し、鋭意検討した結果、本発明に至った。即ち、本発
明は以下(1)〜(8)によって示される。
【0009】(1) 結晶性ポリマーにおいては結晶融
解温度Tmが、又、非晶性ポリマーにおいてはガラス転
移温度Tgが100℃以下の生分解性ポリエステル又は
生分解性ポリカーボネートの少なくとも1種の微生物分
解性合成ポリマーを10wt%以上90wt%以下、セ
ルロースを10wt%以上90wt%以下含有すること
を特徴とする微生物分解性繊維。
【0010】(2) 湿式紡糸法または乾湿式紡糸法に
よって得られることを特徴とする上記(1)に記載の微
生物分解性繊維。
【0011】(3) 結晶性ポリマーにおいては結晶融
解温度Tmが、又、非晶性ポリマーにおいてはガラス転
移温度Tgが100℃以下の生分解性ポリエステル又は
生分解性ポリカーボネートの少なくとも1種の微生物分
解性合成ポリマーを10wt%以上90wt%以下、セ
ルロースを10wt%以上90wt%以下含有する微生
物分解性繊維であって、セルロースを含む全ポリマー濃
度が3wt%以上50wt%であり、溶媒が第三級アミ
ンオキシドを主成分とした有機溶媒であるポリマー溶液
を、ノズルより水系凝固浴に押出す事で得られる微生物
分解性繊維。
【0012】(4) 前記微生物分解性合成ポリマー
が、ポリカプロラクトン、ポリプロピオラクトンおよび
ヘキサメチレンカーボネートの内の少なくとも1種であ
ることを特徴とする上記(1)ないし(3)に記載の微
生物分解性繊維。
【0013】(5) 結晶性ポリマーにおいては結晶融
解温度Tmが、又、非晶性ポリマーにおいてはガラス転
移温度Tgが100℃以下の生分解性ポリエステル又は
生分解性ポリカーボネートの少なくとも1種の微生物分
解性合成ポリマーを10wt%以上90wt%以下、セ
ルロースを10wt%以上90wt%以下含有する微生
物分解性繊維からなることを特徴とする不織布。
【0014】(6) 前記生分解性繊維が、湿式紡糸法
または乾湿式紡糸法によって得られることを特徴とする
上記(5)に記載の不織布。
【0015】(7) 前記微生物分解性繊維が、セルロ
ースを含むポリマー濃度が3wt以上50wt%以下で
あり、第三級アミンオキシドを主成分とした有機溶剤を
溶媒とした紡糸用組成物を、ノズルより水系凝固浴に押
出して得られることを特徴とする上記(5)または
(6)に記載の不織布。
【0016】(8) 前記微生物分解性合成ポリマー
が、ポリカプロラクトン、ポリプロピオラクトンおよび
ヘキサメチレンカーボネートの内の少なくとも1種であ
ることを特徴とする上記(5)ないし(7)に記載の不
織布。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の、結晶性ポリマーにおい
ては結晶融解温度Tmが100℃以下、又、非晶性ポリ
マーにおいてはガラス転移温度Tgが100℃以下の生
分解性ポリエステル又は生分解性ポリカーボネートの少
なくとも1種の微生物分解性合成ポリマーを10wt%
以上90wt%以下、セルロースを10wt%以上90
wt%以下含有することを特徴とする微生物分解性繊維
および該微生物分解性繊維を用いた不織布である。
【0018】本発明におけるTm又はTgが100℃以
下の微生物分解性合成ポリマーは、ポリカプロラクトン
(Tm=60℃)、ポリプロピオラクトン、ポリヒドロ
キシプロピオン酸(Tm=84℃)等のヒドロキシカル
ボン酸のエステル縮合重合体、ポリエチレンアジペート
(Tm=65℃)、ポリテトラメチレンアジペート(T
m=48℃)、ポリヘキサメチレンスクシネート(Tm
=57℃)等のグリコールとジカルボン酸とのエステル
縮合重合体、ヘキサメチレンカーボネート(Tm=60
℃)等の脂肪族炭酸エステル重合体、脂肪族ポリアミド
等が挙げられる。これらの微生物分解性合成ポリマーは
脂肪族系ポリマーで、柔軟である為、セルロースとの混
合紡糸により得られる繊維或いは不織布は柔軟でしなや
かなものとなる。該生分解性合成ポリマーの中でも、工
業的な入手の容易さからポリカプロラクトン、ポリプロ
ピオラクトン、ヘキサメチレンカーボネート等が好まし
い。尚、ここでいう合成ポリマーとは、化学的に合成さ
れたポリマーのみならず、微生物によって産生されたポ
リマーも含むものである。該ポリマーの平均分子量は
3,000から100,000のものが使用でき、より
好ましくは20,000から500,000の範囲に有
る事が望ましい。3,000未満では低分子オリゴマー
が溶出する為に安全性の観点から望ましくない。又、1
00,000以上では工業的に入手が難しく、又、溶液
とした時の粘度が高くなりすぎ操作性等の点で問題とな
る。
【0019】本発明の微生物分解性合成ポリマーのTm
は、40℃以上、Tgは、40℃以上がより好ましい。
さらに好ましくは、Tmが50℃以上90℃以下であ
り、Tgが50℃以上90℃以下である。
【0020】上限値を越えると、紡糸可能な紡糸用組成
物の調製が困難である。下限値未満では、得られた繊維
の常温における形状安定性が悪くなる可能性がある。
【0021】本発明に使用されるセルロース原料として
は、コットンリンター、木材パルプなど、通常のセルロ
ース繊維原料と全く同じものが使用できる。
【0022】本発明で得られる繊維はセルロース含有率
が10wt%以上90wt%以下、微生物分解性合成ポ
リマーが10wt%以上90wt%以下である。より好
ましくはセルロース含量が20wt%以上80wt%以
下、微生物分解性合成ポリマーが20wt%以上80w
t%以下である。セルロースが10wt%以下では得ら
れる繊維の疎水性が高くなり、好ましくない。又、80
wt%を越えると、繊維或いは不織布のしなやかさが不
十分となる。
【0023】紡糸用組成物中に占めるセルロースを含め
た全ポリマー濃度は3wt%以上50wt%以下である
事が好ましい。濃度が3wt%より低いと、繊維として
実際使用するために必要な機械的強度を有する繊維がが
得られない。一方、50wt%より高いと、溶液の粘度
が非常に高くなり、均一な紡糸用組成物の調製及び紡糸
が困難となる。
【0024】本発明の微生物分解性繊維の製造に用いる
溶媒は、第三級アミンオキシドが、紡糸組成物の調製が
容易であるので好ましい。第三級アミンオキシドとして
は、セルロース溶液等の紡糸用組成物を調製するのに使
用されている公知のものが使用可能である。例えば、N
−メチルモルフォリン−N−オキシド、N,N−ジメチ
ルエタノールアミン−N−オキシド、N,N−ジメチル
シクロヘキシルアミン−N−オキシド、N,N,N−ト
リエチルアミン−N−オキシド、N,N−ジメチルベン
ジルアミン−N−オキシド、N−メチルピペリジン−N
−オキシド等が挙げられる。これらの第三級アミンオキ
シドは単独で用いても良く、あるいはこれらの群から選
ばれる2種以上を適当な割合で混合したものを使用する
こともできる。これらの中でも、入手のしやすさ、使用
済み溶剤の回収精製のしやすさ等からN−メチルモルフ
ォリン−N−オキシドが好ましい。
【0025】第三級アミンオキシドを使用するにあた
り、その安全性、溶解性の観点から水を含んだ第三級ア
ミンオキシドとすることが好ましい。水の含有率は、水
を含んだ第三級アミンオキシド中25wt%以下が好ま
しい。より好ましくは約15wt%の水を含有した1水
和物が望ましい。第三級アミンオキシドに25wt%を
越える水を含んでいる場合、セルロースの溶解が困難で
ある。
【0026】該セルロース/微生物分解性合成ポリマー
の紡糸用組成物に、その組成物粘度をコントロールする
ために、場合により希釈剤を混合することができる。本
発明で使用できる希釈剤としては、沸点が100℃以上
の極性溶媒である。具体的には、ジメチルスルホキシ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、エチレングリコール、プロピレングルコ
ール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げら
れる。また、その好適な配合割合は、水と第三級アミン
オキシドの合計に対し、ジメチルスルホキシドでは60
wt%以下、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミドでは40wt%以下である。配合
割合がそれらより高くなると、セルロースの溶解性が低
くなり均一なセルロース溶液が得られない。
【0027】前記製膜用組成物に、その組成物の熱安定
性を得るための添加剤を混合することは公知である。こ
の添加剤としては、酸化防止剤、界面活性剤がある。好
適な酸化防止剤としては、没食子酸n−プロピル、界面
活性剤としてn−ドデシル硫酸ナトリウムである。ま
た、その好適な配合割合は、配合するセルロース重量に
対し、れぞれ1wt%以下である。
【0028】前記第三級アミンオキシド、セルロース、
微生物分解性合成ポリマー、場合により混合する希釈
剤、添加剤を混合する紡糸用組成物調製方法は、一般
に、第三級アミンオキシドを用いた再生セルロース繊
維、再生セルロース膜の製造に使用されている公知の方
法が使用可能である。場合により加熱ヒーター、減圧脱
泡装置を具備したスクリュー式押出機、ニーダー等を用
いて組成物調製が可能である。また、その好適な溶解温
度は、80℃以上120℃以下である。溶解温度が80
℃より低いと、所定時間内ではセルロースの溶解が不十
分であり均一組成物の調製は困難である。また、溶解温
度が120℃より高いと、セルロースの重合度が低下す
るため好ましくない。
【0029】紡糸工程で使用されるノズルにおいてポリ
マードープが吐出される空隙の内径は100μmから1
500μmである。又、上記ノズルの先端と凝固浴液面
との距離は、0mm以下、即ち吐出された紡糸用組成物
が、直接凝固浴に導入される完全な湿式紡糸でも、適当
なエアギャップを設けるいわゆる乾湿式紡糸のいずれの
方法でもかまわない。また、凝固浴に吐出された中空糸
膜の巻き取り速度は、30m/分から300m/分の間
で適時選択されるが、特に経済的な面から60m/分か
ら200m/分の間での紡糸が好ましい。30m/分以
下では経済的に好ましくない。又、600m/分以上で
は技術的に難しくなる。又、必要によってはノズル形状
を変えることで、星型、楕円型、三角型、フィン付き
型、中空糸等の異形断面繊維を得る事も出来る。
【0030】本発明の微生物分解性繊維の紡糸条件につ
いて、さらに説明する。
【0031】まず、凝固浴は水を主成分としたもので、
第三級アミンオキシド水溶液、前記希釈剤を溶解した水
溶液等が挙げられる。特に好ましくは、N−メチルモル
フォリンオキシドを40wt%まで含有するものが、溶
剤回収が容易となり好ましい。又、この凝固浴の温度と
しては、0℃以上60℃以下で行う事が好ましい。0℃
以下では凝固浴の凍結等の問題が発生する場合がありあ
まり望ましくない。一方、60℃以上では凝固液の温度
による蒸散が激しくなり好ましくない。
【0032】本発明の繊維については、その単糸繊度は
特に限定されるものではないが、不織布、特に医療用や
使い捨てオムツ、生理用品と言った衛生材料として不織
布に使用する場合は、単糸繊度を0.6から20デニー
ルにする事が好ましい。20デニールを越えると風合い
が硬い不織布になる為好ましくない。又、0.6デニー
ルでは製糸性が低下するのでやはり好ましくない。
【0033】本発明の不織布は、目付けが5から200
g/m、特に10から150g/mであるものが好
ましい。目付けが200g/mを越えると柔軟な風合
いがなくなり好ましくない。又、5g/mでは不織布
の製造が困難になると同時に、不織布の均一性が乏しく
なり好ましくない。
【0034】本発明の不織布を作製する方法としては、
従来公知の方法が採用できる。即ち長繊維群を開繊した
のち、ウエブとする方法、長繊維を捲縮したのち、所定
長に切断、短繊維とし、その後ウエブとする方法が挙げ
られる。不織布を得る際にはセルロースにブレンドする
微生物分解性合成ポリマーのTg又はTmが100℃以
下である事を考慮すると捲縮加工温度は該微生物分解性
合成ポリマーのTg又はTm以下に設定する事が好まし
い。たとえばポリカプロラクトン(PCL)ブレンド糸
ではPCLのTmが60℃近辺である事から、その温度
は40〜55℃である。
【0035】加工法としては加熱したフラットロール又
はエンボスロールによる熱圧着、熱風を利用したサーマ
ルスルーに代表される熱融着法、ニードルパンチ法、高
圧水流交絡法、超音波接着法などが利用できる。又、未
捲縮の短繊維を湿式抄紙法でウェヴ化し、不織布をえる
事もできる。これらの方法の中でも、ニードルパンチ
法、高圧水流交絡法湿式抄紙法がセルロース/生分解性
ポリマーの組成比に関わりなく利用できるので好まし
い。
【0036】このようにして得られた本発明の不織布は
微生物分解性に優れ、又、十分な強度を有しつつ柔軟性
に富むため、使い捨てオムツ、生理用品等の衛生用品、
医療用使い捨てふき取り布等に使用できる。
【0037】
【実施例】実施例1−8 紡糸用組成物の溶媒として水を15wt%含有したN−
メチルモルフォリン−N−オキシド、セルロースとして
コットンリンター、及び微生物分解性合成ポリマーとし
てポリカプロラクトン、ポリ−β-プロピオラクトン、
又はポリヘキサメチレンカーボネートを用い、紡糸用組
成物中の全ポリマー濃度が35wt%になるような表1
に示される組成を用いた。これら3者を100℃にて攪
拌混合し、紡糸用組成物を調製した。該溶液を直径1m
mのノズルから30℃の水からなる凝固浴に吐出し、凝
固させて繊維とした。得られた繊維の強度等の緒性質を
表1に示す。
【0038】実施例9−11 実施例1,2,4,6で得られた長繊維を機械捲縮した
後、繊維長40mmに切断し、短線維化した。こうして
得られた短繊維を高圧水流交絡法で処理する事で目付け
45g/mの不織布を得た。こうして得られた不織布
はしなやかではだ触りに優れ、良好な吸水性を有してい
た。
【0039】
【発明の効果】以上、説明した通り、本発明は、結晶性
ポリマーにおいては結晶融解温度Tmが、又、非晶性ポ
リマーにおいてはガラス転移温度Tgが100℃以下の
生分解性ポリエステル又は生分解性ポリカーボネートの
少なくとも1種の微生物分解性合成ポリマーを10wt
%以上90wt%以下、セルロースを10wt%以上9
0wt%以下含有するので、微生物等によって分解され
る、取り扱い性に優れ、製造が容易である安価な繊維で
ある。
【0040】さらに本発明は、結晶性ポリマーにおいて
は結晶融解温度Tmが、又、非晶性ポリマーにおいては
ガラス転移温度Tgが100℃以下の生分解性ポリエス
テル又は生分解性ポリカーボネートの少なくとも1種の
微生物分解性合成ポリマーを10wt%以上90wt%
以下、セルロースを10wt%以上90wt%以下含有
する微生物分解性繊維であって、セルロースを含む全ポ
リマー濃度が3wt%以上50wt%であり、溶媒が第
三級アミンオキシドを主成分とした有機溶媒であるポリ
マー溶液を、ノズルより水系凝固浴に押出す事で得られ
るので、従来にない、微生物分解性と、優れた取り扱い
性を有する微生物分解性繊維を提供することができる。
【0041】さらに、本発明の不織布は、結晶性ポリマ
ーにおいては結晶融解温度Tmが、又、非晶性ポリマー
においてはガラス転移温度Tgが100℃以下の生分解
性ポリエステル又は生分解性ポリカーボネートの少なく
とも1種の微生物分解性合成ポリマーを20wt%以上
80wt%以下、セルロースを20wt%以上80wt
%以下含有する微生物分解性繊維からなるので、微生物
分解性と、優れた取り扱い性を兼ね備えかつ、しなやか
ではだ触りに優れ、良好な吸水性を有する。
【0042】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L035 BB02 BB03 BB07 BB15 DD19 EE01 EE20 FF05 4L047 AA08 AA21 AA28 AB02 AB09 AB10 BA03 BA04 BA05 BA21 CA19 CB01 CB10 CC04 CC05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性ポリマーにおいては結晶融解温度T
    mが、又、非晶性ポリマーにおいてはガラス転移温度T
    gが100℃以下の生分解性ポリエステル又は生分解性
    ポリカーボネートの少なくとも1種の微生物分解性合成
    ポリマーを10wt%以上90wt%以下、セルロース
    を10wt%以上90wt%以下含有することを特徴と
    する微生物分解性繊維。
  2. 【請求項2】湿式紡糸法または乾湿式紡糸法によって得
    られることを特徴とする請求項1に記載の微生物分解性
    繊維。
  3. 【請求項3】結晶性ポリマーにおいては結晶融解温度T
    mが、又、非晶性ポリマーにおいてはガラス転移温度T
    gが100℃以下の生分解性ポリエステル又は生分解性
    ポリカーボネートの少なくとも1種の微生物分解性合成
    ポリマーを10wt%以上90wt%以下、セルロース
    を10wt%以上90wt%以下含有する微生物分解性
    繊維であって、セルロースを含む全ポリマー濃度が3w
    t%以上50wt%であり、溶媒が第三級アミンオキシ
    ドを主成分とした有機溶媒であるポリマー溶液を、ノズ
    ルより水系凝固浴に押出す事で得られる微生物分解性繊
    維。
  4. 【請求項4】前記微生物分解性合成ポリマーが、ポリカ
    プロラクトン、ポリプロピオラクトンおよびヘキサメチ
    レンカーボネートの内の少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項1ないし3記載の微生物分解性繊維。
  5. 【請求項5】結晶性ポリマーにおいては結晶融解温度T
    mが、又、非晶性ポリマーにおいてはガラス転移温度T
    gが100℃以下の生分解性ポリエステル又は生分解性
    ポリカーボネートの少なくとも1種の微生物分解性合成
    ポリマーを10wt%以上90wt%以下、セルロース
    を10wt%以上90wt%以下含有する微生物分解性
    繊維からなることを特徴とする不織布。
  6. 【請求項6】前記生分解性繊維が、湿式紡糸法または乾
    湿式紡糸法によって得られることを特徴とする請求項5
    に記載の不織布。
  7. 【請求項7】前記微生物分解性繊維が、セルロースを含
    むポリマー濃度が3wt以上50wt%以下であり、第
    三級アミンオキシドを主成分とした有機溶剤を溶媒とし
    た紡糸用組成物を、ノズルより水系凝固浴に押出して得
    られることを特徴とする請求項5または6に記載の不織
    布。
  8. 【請求項8】前記微生物分解性合成ポリマーが、ポリカ
    プロラクトン、ポリプロピオラクトンおよびヘキサメチ
    レンカーボネートの内の少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項5ないし7記載の不織布。
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