JP2001040454A - Fe−Ni系シャドウマスク用材料 - Google Patents

Fe−Ni系シャドウマスク用材料

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JP2001040454A
JP2001040454A JP11214020A JP21402099A JP2001040454A JP 2001040454 A JP2001040454 A JP 2001040454A JP 11214020 A JP11214020 A JP 11214020A JP 21402099 A JP21402099 A JP 21402099A JP 2001040454 A JP2001040454 A JP 2001040454A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エッチング不良によって起こるすじむらやモト
リング (全体むら) のない、Fe−Ni系シャドウマスク材
料を提案すること。 【解決手段】Ni:34〜38wt%、Mn:0.1 wt%以下を含有
する鉄ニツケル合金シャドウマスク用材料において、
(111)極点図における立方体方位(100)<00
1>とその双晶方位である(221)<212>とのX
線強度比Irが0.5 〜5:1の範囲にある集合組織を有
し、かつ JIS G 0555 の定めるところによる断面清浄度
が0.05%以下であること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビブラ
ウン管などの材料として用いられるFe−Ni系シャドウマ
スク用材料に関するものであり、例えば、塩化第二鉄溶
液を主成分とするエッチング液などによるフォトエッチ
ング時に、すじむらやモトリング (以下、「すじむら
等」という) の発生を見ることのなく、かつプレス成形
性に優れた低熱膨張のFe−Ni系シャドウマスク用材料に
ついて提案する。
【0002】
【従来の技術】従来、シャドウマスク材料としては、低
炭素アルミキルド鋼板が用いられている。この鋼板は、
中間冷間圧延後の鋼板を、連続焼鈍またはバッチ焼鈍炉
により適切な歪とり中間焼鈍を施し、必要に応じて疵と
りを実施し、その後、仕上げの冷間圧延および調質圧延
(ダル圧延を含む)を行うという工程を経て製造されて
いる。これに対し近年、低熱膨張Fe−Ni系合金板が、高
品位カラーテレビブラウン管やディスプレー用の材料と
して注目を浴びている。このFe−Ni系の合金板は、それ
以前にシャドウマスク用材料として用いられていた低炭
素アルミキルド鋼板に代わるものとして開発されたもの
である。かかるFe−Ni系合金が着目されている理由は、
上記低炭素アルミキルド鋼板に比較すると、色ずれ防止
の点で優れているからであり、特にディスプレーや大型
テレビ等の用途では欠かせない材料の一つとなってい
る。
【0003】しかしながら、このFe−Ni系合金は、フォ
トエッチング性やプレス成形性に課題を残していた。即
ち、Fe−Ni系合金は、アルミキルド鋼に比べるとフォト
エッチング時の穿孔形状が悪くかつ、すじむらと呼ばれ
る欠陥が発生し易いことが指摘されている。とくに、こ
のすじむらと呼ばれる欠陥は、カラーブラウン管におけ
る映像の白色部にすじ状のコントラストむらを発生し
て、ディスプレーとしての品位を著しく低下させること
がわかっている。このすじむら発生の原因としては、非
金属介在物の存在やNi等の成分偏析による影響が考えら
れている。そのため、すじむらの軽減を図るには、これ
らの原因を取り除くことが有効である。しかし、これら
の原因を全て取り除いたとしても、解消できないすじむ
らがなお残ることから、発明者らは、これには別の要因
があるものと想像し、研究を続けた。また、プレス成形
性に関しては、アルミキルド鋼に比べて耐力が大きく、
ヤング率が低いことから、エッチング後の透過孔加工後
プレス成形加工時にスプリングバックが発生するという
問題がある。
【0004】本発明の主たる目的は、エッチング不良に
よって起こるすじむらやモトリング(全体むら) の真の
原因をつきとめ、これらの発生がない、Fe−Ni系シャド
ウマスク用材料を提供することにある。また本発明によ
れば、チューブメーカーでのプレス前焼鈍後の軟化がよ
り低温(800 ℃以下) でかのうであり、かつ良好なプレ
ス成形性を有するFe−Ni系シャドウマスク材料を提供す
ることができる。また、本発明によれば、エッチング穿
孔性が良好で該穿孔時の孔形状がきれいなFe−Ni系シャ
ドウマスク材料を提供することが可能である。さらに、
本発明では、映像のきれいなカラーブラウン管やディス
プレー用の材料を安価にかつ確実に提供することができ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、従来技術が
解決課題として残している、すじむら等の問題について
鋭意研究を重ねた結果、次のような知見を得た。即ち、
シャドウマスク用材料に発生するすじむら等は、エッチ
ング面における個々の結晶粒の配向の乱れによるもので
あることがわかった。そして、その配向の乱れは、Ni偏
析、非金属介在物および焼鈍途中に発生した粗大粒によ
る混粒組織の残留、特定の集合組織の配向などが原因で
あり、またこれらの要素が相互に絡み合って発生するこ
とがわかった。さらに、かかる結晶粒の配向は個々の結
晶粒が持つ結晶方位に依存していることから、このすじ
むら等の発生を防止するためには、どうしても集合組織
を制御することが必要になるとの結論に達した。
【0006】また、シャドウマスクの製造においては、
エッチング後のプレス前焼鈍およびそれに引き続くプレ
ス成形、黒化処理工程があるが、Fe−Ni合金というの
は、従来から使用されてきたアルミキルド鋼に比べると
耐力が高く、かつスプリングバックが高いため、プレス
成形する際のスプリングバックが大きく、いわゆる形状
凍結性 (プレス成形性) が悪いという問題がある。この
ための対策としては、プレス時に温間 (200 ℃程度) で
成形をおこない、0.2 %耐力を下げてスプリングバック
を小さくする試みがなされている。さらに、不純物を規
制し炭化物、窒化物の生成を制限することやCr, Mn, Ti
等の元素を添加してプレス性を改善することも有効であ
ることがわかっている (特開平 7−166278号公報) 。
【0007】一方、プレス成形性の改善には、低Mn化
(例えば、0.05%以下) によるものや低Mn化とN量の関
係を制御することが有効であるとの知見がある (特開平
9−157800号公報) 。
【0008】そこで本発明では、上述した各種の知見か
ら、プレス前の集合組織の制御を行うことにより、プレ
ス前焼鈍時の硬さおよび耐力を下げ、またスプリングバ
ックを小さくすることを目指した。さらに、本発明で
は、シャドウマスク材としては、エッチング穿孔性に優
れ、穿孔後の孔形状を良好にするためには、上記の制御
に加え、製品の粗さ制御や介在物個数の制御も望まし
く、さらには上記Mn組成の限定と集合組織の制御に併せ
て、表面粗さと介在物個数の制御も有効であるとの結論
を得た。このような点を検討した結果、発明者らは、従
来の36%Niアンバー材のMn含有量は0.2 〜0.3 wt%が主
流であったが、Mn:0.1 wt%以下、好ましくは0.05wt%
の低Mn素材について実用化することが有効であるとの知
見に達した。
【0009】本発明はこのような知見の下に開発した材
料である。即ち、本発明は、Ni:34〜38wt%、Mn:0.1
wt%以下を含有する鉄ニツケル合金シャドウマスク用材
料において、(111)極点図における立方体方位(1
00)<001>とその双晶方位である(221)<2
12>とのX線強度比Irが0.5 〜5:1の範囲にある
集合組織を有し、かつ JIS G 0555 の定めるところによ
る断面清浄度が0.05%以下であることを特徴とするFe−
Ni系シャドウマスク用材料である。
【0010】また、本発明は、Ni:34〜38wt%、Mn:0.
1 wt%以下、S:0.1 wt%以下を含有する鉄ニッケル合
金シャドウマスク用材料において、(111)極点図に
おける立方体方位(100)<001>とその双晶方位
である(221)<212>とのX線強度比Irが0.5
〜5:1の範囲にある集合組織を有し、かつ JIS G 055
5 の定めるところによる断面清浄度が0.05%以下であ
り、Mn (wt%) /S (wt%) の値が2以上であることを
特徴とするFe−Ni系シャドウマスク用材料である。
【0011】本発明においては、JIS Z 2244で規定され
るビッカース硬さがHv 150以上、より好ましくは、Hv:
160 以上、さらに好ましくはHv:170 以上のFe−Ni系シ
ャドウマスク用材料を提供する。
【0012】なお、本発明において、上記X線強度比
(X線カウント数比) は、上述したように 0.5〜5 :1
を基本とするが、好ましい強度比の下限は 0.5以上、さ
らに好ましくは1以上、より好ましくは 1.5以上で、好
ましい強度比の上限は5以下、さらに好ましくは 4.5以
下、より好ましくは 4.0以下である。
【0013】上記材料は、例えば、N:34〜38wt%、M
n:0.1 wt%以下を含有し、残部が実質的にFeよりなる
合金を、常法に従って処理して得た冷間圧延材を焼鈍す
るに当たり、最終圧延の前に焼鈍温度:900 〜1150℃、
均熱時間:5〜60秒の中間焼鈍を施し、その後、焼鈍温
度:700 〜900 ℃、均熱時間:60〜600 秒の最終焼鈍を
施すことにより製造することができる。なお、上記製造
方法において、各焼鈍条件は、図1のa,b,cおよび
dに図示された範囲内で行うことが好ましい。
【0014】また、本発明においては、 表面の粗度が、0.2 μm≦Ra≦0.9 μm、 表面の粗度が、20μm≦Sm≦250 μm、 表面の粗度が、−0.5 ≦Rsk 、 とすることが有効である。そして、 表面の粗度が、0.2 μm≦Ra≦0.9 μm、かつ−0.
5 ≦Rsk にすること、 表面の粗度が、0.2 μm≦Ra≦0.9 μm、−0.5 ≦
Rsk 、かつ20μm≦Sm≦250 μmにすることも有効であ
る。さらに本発明では、 板表面から任意の深さまで研磨した面に分布する10
μm以上の介在物の個数が、100 mm2 の単位面積当たり
65個以下であること、 板厚方向の断面に分布する10μm以上の介在物の個
数が、100 mm2 の単位面積当たり80個以下であるこ
と、さらにはまた、 JIS G 0551 による方法にて測定した結晶粒度番号
が、7.0 以上の大きさを示すものであること、が好まし
い材料と言える。
【0015】 なお、シャドウマスク材の板厚は、0.
01〜0.5 mm、好ましくは 0.1〜0.5 mmの範囲が一般的で
ある。
【0016】
【発明の実施の形態】一般に、すじむらというのは、比
較的個々のすじの幅が太く見える, いわゆる偏析に起因
するむらと、比較的すじの太さが細い絹目状に見える,
いわゆる結晶方位に起因するすじむら(絹目状すじ)と
に分類することができる。また、両者が相互に混在して
いる形態のものも存在する。本発明は、これらのむらの
うち後者のむら、すなわち結晶方位に依存するすじむら
の改善を試みるものである。そのために、本発明では、
立方体方位の (100) 面の双晶方位を導入することに
よってこれを分断することにて、結晶粒配向の乱れを制
御するようにした。以下に、本発明の結晶粒配向の方法
について説明する。
【0017】まず、所定の成分組成の合金材を常法に従
って熱間圧延し、必要に応じて再結晶焼鈍や酸洗等を施
したのち、例えば中間冷間圧延を行い、その後、最終圧
延前に中間焼鈍を施す。この中間焼鈍は、立方体方位
(100)<001>の発達を制御するために行うもの
である。この中間焼鈍は 900〜1150℃の温度で行う。そ
の温度が低い場合(<900 ℃)、最終製品での立方体方
位が発達しすぎて、双晶方位(221)<212>の割
合が低くなってしまうことから、すじむら品位が低下す
る。双晶方位の割合が少なくなることによりすじむら品
位が悪くなる理由は、立方体方位の集積により圧延方向
における優先方位<001>が個々の結晶粒単位で整合
性が微妙に乱れ、これがすじ状に見えるものと考えられ
る。逆に、中間焼鈍の温度が高温の場合(>1150℃)、
立方体方位の発達が悪くエッチング速度が低下し、シャ
ドウマスクのパターンエッチング時において個々のエッ
チング孔のコヒーレンス性が低下し、モトリングと呼ば
れる全体むらが発生するようになる。
【0018】また、この中間焼鈍における均熱時間は、
5〜60秒の範囲が好適であり、この時間が5秒よりも短
い場合には回復・再結晶が十分になされず、混粒状態の
組織のままとなりエッチング品位が低下する。一方、こ
の時間が60秒よりも長い場合には粗粒となり、立方体方
位の発達が低下し、やはり混粒組織となるためにエッチ
ング性の低下を招く。
【0019】次に、本発明にあっては、上述した中間焼
鈍の条件のみならず、さらに最終焼鈍の条件についても
規制することが有効である。即ち、その最終焼鈍は、製
品の結晶粒を微細かつ均一に整え、モトリングの発生原
因となるエッチング後の孔壁面のガサツキを防止するた
めに行うものであって、700 〜900 ℃の焼鈍温度で、60
〜600 秒の均熱時間で処理することが有効である。その
理由は、かかる最終焼鈍において焼鈍温度が700 ℃より
も低い場合、再結晶が不十分となり、一方、900 ℃より
も高い場合、粗粒化しエッチング品位が低下するからで
ある。
【0020】なお、上記最終焼鈍のための均熱時間は、
個々の結晶粒の成長および結晶方位の発達の程度に応じ
て60〜600 秒の範囲内が好ましい。例えば、その均熱時
間が短い (<60秒) と立方体方位の発達が不十分とな
り、またエッチング速度の低下、モトリングが発生す
る。一方、この均熱時間が長い (>60秒) 場合は、結晶
粒が粗大化するほか、立方体方位に対し双晶方位の方が
発達しすぎてしまい、すじむら品位が低下することにな
る。これらの焼鈍条件 (中間、最終) については、適性
範囲というものがあり、図1のa,b,c,dで囲まれ
た領域が好適である。
【0021】また、良好なプレス成形性を得る手段とし
て、耐力を下げなければならない。このために、本発明
では、低Mn (0.1 wt%以下) とする必要があるが、併せ
てSの量をも制御してMnSを生成させることにより、低
耐力化を図る。ところで、前述の集合組織の制御は、プ
レス前焼鈍時に現れるプレス成形に有効とされる (11
1) 結晶方位の出現に対して重要な影響を及ぼし、特に
X線強度比Ir が 0.5〜0.5 の範囲でプレス前焼鈍を行
うと、 (111) 方位の出現強度が最も高くなる。した
がって、このような方法に従えは、モトリングがなくす
じむら品位を有し、かつプレス性の良好なシャドウマス
ク用素材を得ることができる。
【0022】次に、本発明にかかるFe−Ni系シャドウマ
スク用材料の成分組成を限定する理由を述べる。Cは、
0.1 wt%以上含有すると炭化物が析出しエッチング性を
阻害するだけでなく、シャドウマスク成形加工後の形状
凍結性に悪影響を及ぼす。しかも、このC量が多いと耐
力が上昇してスプリングバックが大きくなり、成形加工
時の型なじみが悪くなる。従って、本発明においては、
C量を0.1 wt%以下とする。
【0023】Siは、脱酸成分のひとつであるが、この量
が多すぎると、素材自体の硬さが増大すると同時に、C
と同様に成形加工性にも悪影響が出る他、その量が多く
なるにしたがって耐力の上昇を招いてスプリングバック
が大きくなる。しかも、エッチング時のすじむらに影響
を及ぼし、これが多いとすじむら発生の原因をつくる。
従って、本発明においてはSi量は0.5 wt%以下が好まし
い。
【0024】Mnは、脱酸成分のひとつであり、熱間加工
性に対して有害なSと結合してMnSを形成するため適正
に添加すれば熱間加工性が改善できる。しかし、その添
加量が多すぎると、熱膨張係数を上げると共にキュリー
点を高温側に変位させる。従って、本発明においてMn量
は、0.1 wt%以下とする。好ましくは0.075 wt%以下、
より好ましくは0.07wt%以下、さらに好ましくは0.06wt
%以下、最も好ましくは0.05wt%以下がよい。本発明に
おいては、従来のMnの添加量が 0.2〜0.3 wt%程度であ
ったものを 0.1wt%以下としたことにより、Sによる熱
間加工性劣化により歩留り低下が懸念される。この点に
ついて、本発明では、SとMnとの関係をさらに検討し、
製品歩留りを考慮する場合には、Mn (wt%) /S (wt
%) の値が2以上に制御するか、さらにMn (wt%) /S
(wt%) の値は2.5 以上、より好ましくは3以上、さら
に好ましくは4以上、最も好ましくは5以上にするのが
よい。
【0025】Sは、0.01wt%以上になると、Mnとの関係
を調整しても熱間加工性が極端に悪化する。
【0026】Niは、本発明において最も重要な元素であ
り、このNi量が34wt%より少ないと、熱膨張係数が大き
くなり、またマルテンサイト変態を生じてエッチングむ
ら発生のおそれがある。一方、Niの量が38wt%より多く
なると、同じような熱膨張係数が大きくなり、カラーブ
ラウン管などに適用した場合に色むらが発生したりする
問題がある。従って、良好なエッチング性とカラーブラ
ウン管の色むら品位を向上させるのに、Ni量は34〜38wt
%とする。
【0027】次に、本発明は、所期の作用効果を実現す
るために、上述した成分組成に関する合金設計に加え
て、さらに集合組織を制御する。発明者らは、集合組織
の形態については、良好なすじむら品位を得るための要
素として、以下の条件を満たすことが必要であること
を、種々の実験により確認した。それは、本発明にかか
るシャドウマスク用材料として好ましい集合組織として
は、(111)極点図において、立方体方位(100)
<001>とその双晶方位である(221)<212>
とのX線強度比Irを制御することである。その範囲は
(111)極点図のX線強度比(X線カウント数比I
r)で、0.5 〜5:1、好ましくは1〜4.5 :1、より
好ましくは1〜4.0 :1、さらに好ましくは1.5 〜4.0
:1であり、すじむら品位に優れるシャドウマスク材
を製造するための最適比は、2〜3.5 :1であることが
わかった。
【0028】なお、上記X線強度比Irの測定方法なら
びに測定条件は下記のとおりである。まず、X線強度比
Irの測定方法は、板の一方の面をテフロンシールで覆
った後、反対の面を市販化学研磨液 (三菱瓦斯化学製
C.P.E1000) にて化学研磨し、板厚の70〜30%になるよ
うに減厚して測定面とした。その測定面としては、板厚
みの中心部近傍を測定するのが望ましい。このようにし
て得られた化学研磨後の試料表面について、schulzの反
射法による(111)極点測定を下記表1の測定条件で
実施し、これにより得られた極点図をもとに(100)
<001>方位のX線強度と(221)<212>方位
のX線強度との比を求めた。それぞれのX線強度は、最
大X線強度 (最大X線カウント数) をもとめ、その強度
を15等分し、得られた極点図から(100)<001>
および(221)<212>に対応する強度に該当する
等高線強度を読み取り、その強度をそれぞれのX線強度
と定義した。そして、このようにして得られた(10
0)<001>方位および(221)<212>方位の
それぞれの比を求めてX線強度比Irとした。なお、X
線強度比Irは、下記のように定義されるものである。
Ir=立方体方位(001)<001>のX線強度/双晶方位(221)<
212>のX線強度
【0029】
【表1】
【0030】図2は、X線強度比とエッチングの関係を
図にまとめたものである。この図は、横軸にX線強度比
Irの対数をとり、縦軸にエッチングファクター (パタ
ーンエッチングを行ったときの深さ方向のエッチング量
を幅方向のエッチング量 (サイドエッチ) で割った値)
すじむら、モトリング品位を示したものである。図に示
すように、X線強度比Irが大きくなるほど (双晶の割
合が減少するほど) エッチングファクター (板厚方向の
エッチング速度) が増大することが認められる。一方、
すじむら品位は、X線強度比Irが大きすぎても小さす
ぎても悪くなる。図示した結果からわかるように、X線
強度比Irの適正な範囲は0.5 〜5の範囲であることが
わかる。なお、モトリングに関しては、エッチング速度
が大きい方が有利であるが、図からわかるように、ほぼ
Ir:1.0 を越えると大きな変化がなくなり、差がない
と考えられる。
【0031】表3は、表2に示すFe−Ni系材料につい
て、表3に示す条件で製造したものを検討したものであ
る。例えば、No. 11は(100)<001>の立方体方
位がより発達しており、(221)<212>双晶方位
とのX線強度比Ir は13.91 となっている。この試料
(比較材11)のエッチング性に関しては表3中に示すよ
うに、エッチング速度が速いためモトリングは良好なも
のとなっているものの、すじむらが明瞭に認められ、実
際のシャドウマスク製品としては適していないことがわ
かる。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】表3中の本発明材No. 1,3,4はそれぞ
れ本発明に適合する材料である。比較材No. 6は、(1
00)<001>立方体方位が非常に弱く、規格化強度
比は0.36:1となっているものである。この比較材No.
6のエッチング性に関しては、モトリングの品位が悪い
という結果なっており、これもまたシャドウマスク製品
として不適当である。
【0035】本発明は、このような極点図形による方位
成分の適性範囲を規定し、それによりシャドウマスク用
素材に発生するエッチング時のすじむらならびにモトリ
ングとよばれる全体むらの発生を防止した材料である。
【0036】本発明にかかる材料はまた、X線強度比I
r で示される集合組織の限定に加え、さらに JIS G 055
5 の定めるところによる断面清浄度を0.05%以下、好ま
しくは0.03%以下、より好ましくは0.02%以下、さらに
好ましくは0.017 %以下にする。この理由は、断面清浄
度dが上記の数値を超えると、エッチング精度が低下
し、製品不良率が悪くなるからである。
【0037】なお、上記の断面清浄度dの測定値は JIS
G 0555 に準拠して行う。具体的には、製品を圧延方向
に30mmの長さに切断し、その断面を研磨したのち、縦
横各20本の格子線をもつグリッドを顕微鏡に装着し、
視野を図5に示すようにジグザグ状に動かしながら、4
00倍で60視野観察することにより行った。従って、
測定面は圧延方向と平行な断面であり、測定面積は、板
厚×30mmとなる。上記断面清浄度dは、格子点の数を
Pとし、視野の数をfとし、f個の視野における総格子
点中心の数をnとしたとき、下記式 d(%)=(n/P×f)×100 によって決定されるものである。
【0038】本発明では、JIS Z 2244で規定されるビッ
カース硬さ硬さがHv:150 以上、より好ましくはHv:16
0 以上、さらに好ましくはHv:170 以上であることを特
徴とするFe−Ni系シャドウマスク用材料を提供する。そ
の理由は、この程度の硬さを有するFe−Ni合金であれ
ば、その後、エッチングをし、焼鈍したときにプレス成
形のための軟化がしやすいからである。硬さを制御する
ためには、最終焼鈍後のダル圧延において圧延率を数%
から20%程度で制御することにより可能である。
【0039】本発明にかかる材料はまた、Ra, Rsk, Sm
で表される材料表面の粗度を、適正に制御することが好
ましい。 まず、製品の表面粗さにおいて中心線平均粗さRa
は、粗さの平均的な大きさを示すパラメータであり、こ
の値が大きすぎると露光時の散乱が強くなるとともにエ
ッチング時に穿孔開始時間に差が生じ、孔の形状が悪く
なる。逆に、小さすぎる場合は、真空引きのときに排気
が十分になされず、パターンと素材との密着不良がおこ
りやすい。そこで、本発明では、0.2 ≦ Ra ≦0.9 とす
る。中心線平均粗さRaの好ましい下限は0.25μm以上、
より好ましくは0.3 μm以上、さらに好ましくは0.35μ
m以上がよい。一方、上限については、0.85μm以下が
好ましく、より好ましくは0.8 μm以下、さらに好まし
くは0.7 μm以下である。
【0040】 次に、表面粗さの相対性を示すRsk に
ついては、パターンが凸か凹かを端的に示すパラメータ
であり、振幅分布曲線 (ADF)分布の中心線に対する
対称性を下記式に準じて数値で表したものである。 Rsk=1/σ3 ∫Z3 P(z)dz ここで、σは自乗平均値、∫Z3 P(z)dz は振幅分布曲
線の3次モーメントを示す。このRsk の値が負で大きく
なると、露光時の散乱が強くなり、孔の形状が悪くな
る。逆に、正で大きすぎる場合は、真空引きの排気が十
分になされずパターンと素材との密着不良がおこりやす
い。そこで、本発明では、−0.5 ≦Rsk とする。好まし
い下限は0以上、より好ましい下限は0.1 以上がよい。
一方、上限については、好ましくは1.3 以下、より好ま
しくは1.1 以下で、1.0 以下を最適例とする。
【0041】 次に、Smで表される平均山間隙は、粗
さの山谷のピッチの大きさを示しており、このような粗
さは、凹凸が大きすぎた場合に生じる部分的な真空引き
不良、小さすぎた場合に生じる露光時の散乱が強くなる
ための孔形状の不良を端的に示すものと言える。本発明
で、このSmは、20μm≦ Sm ≦ 250μmとする。このSm
の好ましい下限は40μm以上、より好ましくは50μm以
上、さらに好ましくは80μm以上である。一方、好まし
い上限は 200μm以下、より好ましくは160μm以下、
さらに好ましくは 150μm以下で、130 μm以下を最適
例とする。
【0042】上記のように示される表面粗さは、本発明
にかかるシャドウマスク用素材を最終寸法に冷間圧延す
る際に、ダルロールを用いることにより容易に実現し得
る。ダルロールは、所定の表面粗度を有するロールであ
って、このロールを用いて本合金によるシャドウマスク
素材を圧延することにより、その反転模様を適切な転写
率で圧印することができる。このようなダルロールを得
るためには、放電加工、レーザー加工、ショットブラス
ト法などにより加工することで容易に得ることができ
る。例えば、ショットブラスト法によるロール加工条件
として、#120 のスチールグリッドを用いて行うことで
可能である。
【0043】本発明はまた、上記の特性に加えて、介在
物の個数を制御することは有効である。即ち、板表面か
ら任意の深さまで研磨を行い、その面に分布するところ
の10μm以上の介在物の個数が、100 mm2 の単位面積当
たり65個以下に制御することが好ましい。この場合、好
ましくは50個以下、より好ましくは30個以下、さらに好
ましくは25個以下で、20個以下であることが最も好まし
い。このように限定する理由は、一般に、シャドウマス
クは、微細なエッチング技術を必要とすることから、素
材中の介在物はできるだけ少ないほうがよいからであ
る。なお、この介在物個数と断面清浄度は類似する概念
であるが、断面清浄度dだけでは異物の面積を規定した
だけであり、不良率をさらに少なくするためには、板表
面部の介在物の大きさも制限することが有効である。上
記介在物個数の測定方法は、板表面を研磨し、最後はバ
フ研磨で仕上げて、板表面と平行な面を顕微鏡で観察
し、個数を測定した。測定は、10mm×10mmの面を観察し
た。不良の原因となる大型介在物の写真を図3、4に示
す。
【0044】本発明ではまた、上記の板表面における介
在物個数の制御に加え、板断面において測定した10μm
以上の介在物個数を100 mm2 の単位面積当たり80個以下
に制御することが有効である。この個数は、好ましくは
70個以下、より好ましくは50個以下、さらに好ましくは
40個以下で、30個以下、とくに20個以下を最適例とす
る。というのは、上述した断面清浄度dだけを制御して
いただけでは、不良率を0にすることはできないからで
あり、介在物の大きさをも制限することにより、不良率
をさらに低下させることができるからである。なお、こ
の板厚方向の断面における介在物の個数の測定方法は、
圧延方向と平行断面を研磨し、バフ研磨で仕上げ、顕微
鏡で観察した。測定は、板厚×25 mm長さの断面を3つ
程度測定し、100 mm2 に換算した。不良の原因となる大
型介在物の写真を図9に示す。本発明においで、上述し
た清浄度や介在物個数の制御方法としては、精錬過程に
おいて、介在物を取鍋で浮上分離させることにより可能
である。
【0045】本発明ではさらに、合金中の結晶粒度につ
き、JIS G 0551による方法にて測定した結晶粒度番号で
7.0 以上の大きさを示す粒度 (より細かく制御) にする
ことが好ましい。好ましくは8.0 以上、より好ましくは
8.5 以上、さらに好ましくは9.5 以上である。このよう
に限定する理由は、結晶粒度番号が7.0 以上を示す結晶
にすることが必要な理由としてまず、結晶粒が大きいと
エッチング時の孔の径がそれぞれの結晶方位のエッチン
グ速度が異なるため、ばらつき、エッチング孔の不揃い
による透過光むらが生じ、ひいてはモトリングと呼ばれ
る現象が発生するとともに、孔不良が発生し、歩留りを
低下させることが挙げられる。また、プレス加工時に結
晶粒が大きくなりすぎてプレス不具合を生じるからであ
る。上記結晶粒度の測定方法は、圧延直角方向の板断面
を顕微鏡面とし、バフ研磨後王水にてエッチングを行
い、観察倍率200 倍にてJIS G 0551に記載されているオ
ーステナイト組織標準結晶粒度の図に比較対照して結晶
粒度番号を決定する。なお、標準結晶粒度図は 100倍の
観察倍率を基準としているので、標準図の結晶粒度番号
に対し+2.0 補正した。 (結晶粒度番号は0.5 刻みで測
定する)
【0046】
【実施例】実施例1 上掲の表2に示す成分組成の本発明に適合する合金の鋼
塊を、真空脱ガスプロセスにより溶製し、その後熱間圧
延を施して5mmの熱延板とし、さらにこれを表3に示す
条件で冷間圧延および焼鈍を繰り返して製造し、0.13t
の製品厚さに調製した後、実際のフォトエッチングプロ
セスを経て実際のシャドウマスク製品として評価を行っ
た。エッチングは、0.26mmピッチのマスクパターンを用
いて、塩化第二鉄溶液46ボーメ、液温50℃、スプレー圧
2.5 kgf/cm2で行なった。表2中の試料No. 1〜5が本
発明に従って製造した例であり、試料No. 6〜11は比較
材の例である。なお、得られたシャドウマスク製品のエ
ッチング後の特性を評価したところ、本発明材について
はいずれも、プレス成形性における金型への型なじみ性
および張り剛性が良好であり、また、黒化性に関しても
密着性がよく十分な輻射特性が得られる黒化膜が生成し
ていることを確認することができ、シャドウマスク製品
として優れた特性を示すことがわかった。
【0047】実施例2 この実施例では、X線強度比および断面清浄度dが適正
範囲内であれば、従来のシャドウマスク材と比較して、
品質および製品歩留りの点で十分満足できるシャドウマ
スク材であるが、さらに、歩留り等を向上させるために
各種要因との組み合わせを検討してみた。その結果を表
4に示す。表4は、断面清浄度、表面粗さ (Ra, Rsk, S
m)、平面および断面の10μm以上の介在物個数および結
晶粒度番号とプレス前焼鈍時における焼き付きの有無、
孔不良率の関係を示したものである。表面粗さ計は
(株) 東京精密 サーフコム1500Aを用いた。その結
果、以下のことが明らかとなった。 断面清浄度が0.05%を超えると孔不良率がやや多く
なる (No.44)。 平面および断面で観察される10μm以上の介在物個
数がそれぞれ単位面積当たり65個、および80個を超える
と孔不良の発生がやや増加することが確認された(No.5
0, 51)。 結晶粒度番号が7.0 以下になると孔不良率がやや増
加しているが、これは個々の結晶粒が大きいためそれぞ
れの結晶方位に依存した開孔形状となり、均一な孔を開
けることが比較的難しくなるためである (No.52)。 前述したように、適正な表面粗さはエッチング前の
レジスト塗布、露光工程においてレジストの密着性を高
め、また真空引きを改善すると共に露光によるハレーシ
ョンを防止する役割を持つほか、プレス前焼鈍時にシャ
ドウマスク同士の密着を防止し、ひいては密着による黒
化 (酸化) 皮膜のむらを防止する。これらの点を裏付け
るべくRa, Rsk, Sm の組み合わせによってはエッチング
起因の孔不良率や焼き付き (プレス前焼鈍時に板同士の
密着) による黒化むらが生じていることが確認された
(No.45, 46, 47, 48, 49)。
【0048】
【表4】
【0049】実施例3 表5は、熱間圧延とプレス成形性の関係を示したもので
ある。プレス成形性に関しては、エッチング焼鈍後の型
なじみ性で評価しており、温間プレスにて実施した。発
明例1〜4はいずれも熱間圧延での歩留りもよく、エッ
チング焼鈍後のプレス性も 180℃の比較的低温のプレス
条件において良好である。参考例5は、Mn/Sの値が1
であるため若干熱間圧延での歩留りが低下しているもの
の、プレス成形性については極めて良好であり、実用上
問題はない。これに対し、比較例6〜8は、本発明の範
囲を外れており、Mnの高いもの、あるいはX線集合度比
Irが範囲を外れているものに関してはプレス成形性が
劣っている。また、エッチング前にHv150 以上の材料
は、その後のエッチング・焼鈍 (750 ℃) 後のHvが低
い傾向があり、加工性がよくなる傾向が認められる。
【0050】
【表5】
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、エ
ッチング特性に優れたFe−Ni系合金、とくにエッチング
時のすじむらやモトリングの発生のない低熱膨張のFe−
Ni系シャドウマスク用材料を提供することができる。従
って、映像のきれいなカラーブラウン管やディスプレー
用の材料を確実にかつ高い収率で提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う中間焼鈍条件と最終焼鈍条件の適
性範囲の関連性を示す説明図である。
【図2】Irとエッチングファクターおよびすじむら、
モトリングの品位との関係を示す説明図である。
【図3】合金板表面における大型介在物の例を示す顕微
鏡写真である。
【図4】合金板断面における大型介在物の例を示す顕微
鏡写真である。
【図5】合金板断面性状度の測定の方法を示す図であ
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni:34〜38wt%、Mn:0.1 wt%以下を含
    有する鉄ニツケル合金シャドウマスク用材料において、
    (111)極点図における立方体方位(100)<00
    1>とその双晶方位である(221)<212>とのX
    線強度比Irが0.5 〜5:1の範囲にある集合組織を有
    し、かつ JIS G 0555 の定めるところによる断面清浄度
    が0.05%以下であることを特徴とするFe−Ni系シャドウ
    マスク用材料。
  2. 【請求項2】 Ni:34〜38wt%、Mn:0.1 wt%以下、
    S:0.01wt%以下を含有する鉄ニツケル合金シャドウマ
    スク用材料において、(111)極点図における立方体
    方位(100)<001>とその双晶方位である(22
    1)<212>とのX線強度比Irが0.5 〜5:1の範
    囲にある集合組織を有し、かつ JIS G 0555 の定めると
    ころによる断面清浄度が0.05%以下であり、Mn (wt%)
    /S (wt%) の値が2以上であることを特徴とするFe−
    Ni系シャドウマスク用材料。
  3. 【請求項3】 JIS Z 2244で規定されるビッカース硬さ
    がHv 150以上であることを特徴とする請求項1または2
    記載のFe−Ni系シャドウマスク用材料。
  4. 【請求項4】 表面の粗度が 0.2μm≦Ra≦0.9μm であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のFe−Ni系シャドウマスク用材料。
  5. 【請求項5】 表面の粗度が 20μm≦Sm≦250μm であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載のFe−Ni系シャドウマスク用材料。
  6. 【請求項6】 表面の粗度が −0.5≦Rsk であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
    記載のFe−Ni系シャドウマスク用材料。
  7. 【請求項7】 板表面から任意の深さまで研磨した面に
    分布する、10μm以上の介在物の個数が100 mm2 の単
    位面積当たり65個以下であることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれか1項に記載のFe−Ni系シャドウマスク
    用材料。
  8. 【請求項8】 板厚方向の断面に分布する10μm以上
    の介在物の個数が100 mm2 の単位面積当たり80個以下
    であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に
    記載のFe−Ni系シャドウマスク用材料。
  9. 【請求項9】 JIS G 0551 による方法にて測定した結
    晶粒度番号が、7.0以上の大きさを示すものであること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のFe−
    Ni系シャドウマスク用材料。
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