JP2001040194A - シリコーンゴムとの接着性に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents

シリコーンゴムとの接着性に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂成形体及びその製造方法

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JP2001040194A JP21971199A JP21971199A JP2001040194A JP 2001040194 A JP2001040194 A JP 2001040194A JP 21971199 A JP21971199 A JP 21971199A JP 21971199 A JP21971199 A JP 21971199A JP 2001040194 A JP2001040194 A JP 2001040194A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリブチレンテレフタレート樹脂とシリコー
ンゴムとが互いに十分実用に耐えうる接着力を以って接
着したポリブチレンテレフタレート樹脂成形体とシリコ
ーンゴムとの一体成形体を得る。 【解決手段】 (A)チタン化合物を重合触媒として得
られ、且つ末端カルボキシル基濃度が15当量/ton
以下であるポリブチレンテレフタレートより主としてな
る樹脂組成物からなる成形体であって、下記式(1)を
満足することを特徴とするシリコーンゴムとの接着性に
優れたポリブチレンテレフタレート樹脂成形体。 A917/A1578<1.5 式(1) ここでA917、A1578は、樹脂成形体の接着部分表面のそ
れぞれ917cm-1、1578cm-1における吸光度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐加水分解性に優
れ、シリコーンゴムと再現性良く強固に接着するポリブ
チレンテレフタレート樹脂成形体及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル樹脂、とりわけポ
リブチレンテレフタレート樹脂は耐薬品性、耐熱性、機
械的性質に優れ、工業用樹脂として広く用いられてい
る。近年、耐加水分解性、耐熱老化性の要求が高まると
共に、電気・電子分野、自動車分野において上記要求特
性を満足し、且つ耐熱性、電気特性、耐候性に優れてい
るシリコーンゴムと強固に接着するポリブチレンテレフ
タレート樹脂が要望されている。
【0003】従来、付加硬化型シリコーンゴムと熱可塑
性ポリエステル樹脂を接着させる方法として、例えば成
形物表面にプライマーを塗布し、その上から未硬化シリ
コーンゴム材料を被覆硬化させて接着する方法や、自己
接着性シリコーンゴム材料を成形物の上から被覆硬化さ
せる方法が知られている。
【0004】また、特公平2−34311号公報には有
機樹脂に珪素原子に直接結合した水素原子を30%モル
以上含有するオルガノポリシロキサンを添加して付加硬
化型のシリコーンゴムと接着する方法、特開昭63−4
5292号公報には脂肪族不飽和基と珪素原子結合加水
分解性基を有する化合物をグラフトしたオレフィン樹脂
にシリコーンゴムを接着一体化させる方法、特開平6−
171021号公報ではポリカーボネート、特開平6−
171022号公報と特開平6−171023号公報で
はポリプロピレンに対して、不飽和基及び珪素原子に直
接結合した水素原子を含有する化合物を添加することに
より、ポリカーボネート及びポリプロピレンとシリコー
ンゴムとを接着一体化する方法が提案されている。
【0005】さらに特開平9−165516号公報に
は、30%モル脂肪族不飽和基を含有する熱可塑性樹脂
を含有した熱可塑性樹脂とシリコーンゴムとを一体化す
る方法が提案されている。また、本発明者らが先に出願
したように末端カルボキシル基15当量/ton以下で
チタン系触媒により重合されたPBTに対して、珪素原
子に直接結合した水素原子を含有する化合物等を配した
シリコーンゴムとの一体成形体を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、結晶性
樹脂であるポリブチレンテレフタレート樹脂に、接着性
付与成分として珪素原子に直接結合した水素原子を含有
する化合物等を配合した場合でも成形体の製造条件によ
っては接着強度を満足しない場合があり、接着再現性の
改善が課題となっていた。
【0007】本発明は、ポリブチレンテレフタレート樹
脂の工業用樹脂材料として要求の高まっている耐加水分
解性を大幅に改良し、且つ該ポリブチレンテレフタレー
ト樹脂とシリコーンゴムとが互いに十分実用に耐えうる
接着力を以って接着したポリブチレンテレフタレート樹
脂成形体とシリコーンゴムとの一体成形体を得ること、
及びかかる一体成形体を得るために確実且つ容易に、し
かも短時間でポリブチレンテレフタレート樹脂とシリコ
ーンゴムが必要十分な接着再現性を持って接着すること
を可能とし、また射出成形等によってかかる一体成形体
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、樹脂成形体の接着部
分表面のポリブチレンテレフタレートの結晶化度が特定
のレベル未満にある場合に、樹脂成形体の保管条件やシ
リコーンゴムの塗布・硬化条件によらず、確実かつ容易
に、しかも短時間で接着できることを見出し、本発明に
到達した。特に射出成形によって上記ポリブチレンテレ
フタレート樹脂成形体とシリコーンゴムとが確実かつ強
固に接着した一体成形体を得ることができる事を見いだ
した。
【0009】即ち本発明は、(A)チタン化合物を重合
触媒として得られ、且つ末端カルボキシル基濃度が15
当量/ton以下であるポリブチレンテレフタレートよ
り主としてなる樹脂組成物からなる成形体であって、下
記式(1)を満足することを特徴とするシリコーンゴム
との接着性に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂成
形体である。
【0010】
【数2】A917/A1578<1.5 (1) (ここでA917、A1578は、樹脂成形体の接着部分表面の
それぞれ917cm-1、1578cm-1における吸光度である。)
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
(A)成分であるポリブチレンテレフタレートは、チタ
ン化合物を重合触媒として得られる。ポリブチレンテレ
フタレート(A)は、チタン化合物を重合触媒として得
られるため、シリコーンゴムの硬化反応を阻害すること
がない。好ましいチタン化合物としては、チタン酸アル
コキサイドを挙げることができ、特にチタン酸テトラブ
トサイド、チタン酸テトライソプロポキサイドが好まし
い。本発明の(A)成分であるポリブチレンテレフタレ
ートは、末端カルボキシル基濃度は15当量/ton以
下であることが必要である。末端カルボキシル基濃度が
15当量/tonを越えると、本発明の主要な効果の一
つである耐加水分解性の大幅な向上は見られない。
【0012】本発明の(A)成分であるポリブチレンテ
レフタレート樹脂は、テレフタル酸を主たる酸成分と
し、1、4−ブタンジオールを主たるグリコール成分と
するポリエステルである。ここで、「主たる」とは、全
酸成分又は全グリコール成分に対して80モル%以上を
言い、好ましくは90モル%以上である。
【0013】共重合可能な酸成分としては、テレフタル
酸以外の芳香族ジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフ
ェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカ
ルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニル
スルホンジカルボン酸等、脂肪族ジカルボン酸、例えば
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等、脂環族ジカルボ
ン酸、例えばシクロヘキサンジカルボン酸、テトラリン
ジカルボン酸、デカリンジカルボン酸等が例示される。
【0014】ブタンジオール以外の共重合可能なグリコ
ール成分としては、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、シクロヘキサンジメタノール、キシリレング
リコール、ビスフェノールA等が例示される。
【0015】また、ポリエステルが実質的に成形加工性
を損なわない範囲で、多官能化合物、例えばグリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等を共
重合してもよい。
【0016】本発明に用いられるポリブチレンテレフタ
レート樹脂は、固有粘度(35℃でのオルソクロロフェ
ノール中での測定値をもとに算出された値)が0.3以
上、好ましくは0.5以上のものが好ましい。これより
固有粘度が低い場合は、強度が低く使用に耐えない。
【0017】ポリブチレンテレフタレート樹脂の結晶化
に伴うスペクトル変化についていくつか報告がなされて
おり、ジャーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイ
エンス, Vol. 21, 3445-3456 (1977)には延伸やエージ
ングに伴うスペクトル変化について解析が行われてお
り、1575cm-1の赤外吸収は芳香環の振動に由来しアニー
ルで変化しないと報告されている。ポリマー, Vol. 18,
April, 327-335 (1977)にはスペクトル変化が分子鎖の
コンフォメーション変化で説明でき、917cm-1の赤外吸
収はゴウシュ-トランス-ゴウシュ連鎖のC-H横ゆれ振動
に帰属されアニールによって強度が増すと報告されてい
る。917cm-1の吸収は結晶化にともなって強度が増し、
一方1578cm-1の吸収は変化しないことから内部標準と考
えることができ、吸光度の比A917/A1578は接着部分表
面に存在するポリブチレンテレフタレート樹脂の相対的
な結晶化の尺度と考えることができる。ここで、A917
A1578は、それぞれ成形体の接着部分の表面をATR法赤外
分光法によって測定した、917cm-1及び1578cm-1近傍の
吸収ピークの極大波数における吸光度を示す。ポリブチ
レンテレフタレート樹脂成形体とシリコーンゴムとが十
分実用に耐えうる接着強度をもって接着するためには、
樹脂成形体の接着部分表面のポリブチレンテレフタレー
トに由来する、917cm-1と1578cm-1における吸光度の比A
917/A1578が1.5未満であり、好ましくは、1.2以下であ
ることが望ましい。
【0018】ポリブチレンテレフタレート樹脂成形体と
シリコーンゴムとの接着強度の観点からは、吸光度比A
917/A1578は小さいほど好ましいが、ポリブチレンテレ
フタレート樹脂は結晶化が速く、急冷条件下で成形加工
することにより、好適な吸光度比A917/A1578を得るこ
とができる。実用的な急冷条件の下で成形加工すること
により、吸光度比の範囲として好ましくは0.2以上、更
に好ましくは0.5以上とすることで良好な接着強度を得
ることができる。
【0019】本発明で好ましく用いられる(B)成分の
珪素含有化合物及び/又はその重合体は、1分子中に少
なくとも1個の、珪素原子に直接結合した水素原子を有
している。分子構造は、特に限定されず、直鎖状、分岐
状、環状等、いずれの構造のものも使用可能である。ま
た、この珪素含有化合物及び/又はその重合体の25℃
における粘度は、通常、0.5〜1000cStであ
り、好ましくは、1〜200cStである。これ以上粘
度が低いと、樹脂成形品表面にブリードアウトしやすく
好ましくなく、これ以上粘度が高いと接着性が劣り好ま
しくない。
【0020】(B)成分の珪素含有化合物及び/又はそ
の重合体としては、例えば、下記平均組成式に示す化合
物が好適に使用される。
【0021】
【化1】Ha(R1bSiO(4-a-b)/2 (式中、a及びbは、1≦a≦3、0≦b≦2及び、1
≦a+b≦3を満たす数である。R1は脂肪族不飽和結
合を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であ
る)
【0022】上記平均組成式において、通常、R1は、
炭素原子数1〜10の基であり、好ましくは、炭素原子
1〜6の基である。R1としては、具体的には、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;
フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基等のア
リール基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;こ
れらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シ
アノ基等の置換基で置換したクロロメチル基、シアノエ
チル基、3,3,3、−トリフルオロプロピル基等が例
示される。なお複数のR1は同一でも異なっていてもよ
い。
【0023】(B)成分の珪素含有化合物及び/又はそ
の重合体は、それ自体公知の方法で製造することがで
き、通常、R1SiHCl2、R1 3SiCl、R1 2SiC
2、R1 2SiHCl、(各式中、R1は前記の通りであ
る。)等のクロロシランを加水分解するか、又は、この
ように加水分解して得られたシロキサンを平衡化するこ
とにより製造できる。
【0024】本発明で用いる(B)成分の珪素含有化合
物及び/又はその重合体の配合量は、ポリブチレンテレ
フタレート樹脂100重量部当たり、0.01〜3重量
部、好ましくは、0.01〜2重量部である。0.01
重量部未満では接着性の改良効果が見られず、3重量部
を越えると金型から離型しにくくなり、製品として組み
付けた時相手部材に固着してしまう問題が生じる。
【0025】本発明で好ましく用いられる(C)フェノ
ール系抗酸化剤は、ヒンダードフェノール化合物及びそ
の誘導体である。好ましいフェノール系抗酸化剤として
は、2、6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2、
2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4、4’−チオビス(3−メチル−t−ブチ
ルフェノール)、1、1、3−トリス(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ペン
タエリスリチル テトラキス[3−(3、5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
オクタデシル 3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネートであり、特に好まし
くは、ペンタエリスリチル テトラキス[3−(3、5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]が挙げられる。これらのフェノール系抗酸化剤
は1種類、又は2種類以上を同時に用いる事が出来る。
【0026】本発明で用いられる(C)フェノール系抗
酸化剤の配合量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂1
00重量部当たり、0.01〜0.5重量部であること
が必要であり、0.1〜0.3重量部が好ましい。0.
01重量部より少ない場合は、耐熱性の改良効果が少な
く、0.5重量部より多く配合しても耐熱老化性の改良
効果は望めない。
【0027】本発明で接着再現性とは、試験片の保存状
態やシリコーンゴムの塗布・硬化条件によらず実用上十
分な接着力を発現することをいう。
【0028】本発明の樹脂組成物には、(D)成分であ
るチオエーテル系抗酸化剤を配合することが好ましい。
チオエーテル系抗酸化剤(D)が配合される場合、チオ
エーテル系抗酸化剤(D)は、好ましくはジトリデシル
3、3’−チオジプロピオネート、テトラキス[メチ
レン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]、ビス
[2−メチル−4−{3−n−アルキル(C12又はC
14)チオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェ
ニル]スルフィドである。
【0029】チオエーテル系抗酸化剤が配合される場
合、その配合量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂1
00重量部当たり、0〜0.05重量部であり、好まし
くは0.001〜0.05重量部である。0.05重量
部より多く配合するとポリブチレンテレフタレート樹脂
成形品を長期間保管した後シリコーンゴムと接着させた
場合に接着強度が低下する。
【0030】本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を
損なわない範囲で、ガラス繊維、炭素繊維等のごとき繊
維状の強化材、粒状、無定形、板状、燐片状等の無機充
填剤、核剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、熱安定剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤、更に又難
燃剤、衝撃改良剤、流動性改良剤等の改質剤を含有せし
めることができる。
【0031】本発明の樹脂組成物の製造方法に関して
は、公知の方法を採用してよい。例えば、ブレンダーな
どを用いて均一混合した後、バンバリーミキサー、加熱
ロールや単軸又は多軸押し出し機等を用いて240〜2
60℃、好ましくは250℃の温度で熔融混練する方法
など種々の方法により製造することができる。
【0032】高い温度条件や、滞留時間が長くなると、
ポリブチレンテレフタレートが劣化して機械的強度や耐
加水分解性が低下したり、珪素原子に直接結合した水素
原子がポリブチレンテレフタレートの分解物と反応して
消費されて接着強度が低下するので好ましくない。特に
滞留時間については使用する加熱ロールや単軸又は多軸
押し出し機等により条件が異なるが、一般的に高吐出、
高回転条件で熔融混練する事が好ましい。ただし、回転
数を高くすると剪断による発熱も大きくなるため、注意
が必要である。
【0033】本発明のシリコーンゴムとの接着性に優れ
たポリブチレンテレフタレート樹脂成形体を製造するに
際し、例えば射出成形においては、金型温度を40℃以
下のような比較的低温で成形することによって、A917
A1578<1.5を満たすポリブチレンテレフタレート樹脂成
形体を得ることができる。樹脂成形体を製造するに際
し、上述した方法により得られたペレットを用いずに、
熔融混練を経ずに直接ブレンドした樹脂組成物を用いて
成形してもよい。また成形時においても、高い温度条件
や、滞留時間が長くなることは同様の理由で好ましくな
い。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。実施例中、部とあるのは重量部を表す。ポリマー
の固有粘度[η]はオルソクロロフェノール中25℃で
測定した溶液粘度から算出した値である。また、末端カ
ルボキシル基濃度(COOH)はエイ・コニックス
(A.Conix)の方法{(Makromol.Ch
em,26,226(1958)}によって測定したポ
リマー106g当たりの当量数である。
【0035】ポリブチレンテレフタレート樹脂成形体の
赤外吸収の吸光度の測定は、 装置;BIO−RAD・FTS65A・FT−IR/ST
ジャパン・IR−Plan 顕微ATR ATR結晶;ZnSe 分解能;4cm-1 積算回数;64回 で行った。
【0036】[参考例] 付加型シリコーンゴムの調整 1分子中にメチルビニルシロキサン単位を2個有し、末
端がジメチルビニルシロキシ基で停止している時メチル
ポリシロキサン(25℃における粘度:1000cS
t)100重量部、珪素原子に直接結合している水素原
子が100gあたり0.739モル有するメチルハイド
ロジェンポリシロキサン4.6重量部、及び塩化白金酸
のオクチルアルコール変性溶液(白金含有量:0.5
%)0.12重量部を配合して付加型シリコーンゴムを
調整した。
【0037】[実施例1、2及び比較例1、2]表1に
示すポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略
記)、珪素含有化合物及び/又はその重合体、フェノー
ル系抗酸化剤、チオエーテル系抗酸化剤、及びその他充
填材を所定量配合し、均一に混合した。得られた混合物
を44mmφ二軸押出機でバレル温度250℃にて溶融
混練し、ダイから吐出されるスレッドを冷却、切断して
成形用ペレットを得た。ついでこのペレットを130℃
で5時間乾燥した後、5オンスの射出成形機にて、シリ
ンダー温度260℃、所定の金型温度、射出圧力700
Kg/cm2で引張試験に供する成形体(ASTM4号
引張試験片)を成形した。比較例2については、得られ
た成形体を130℃で2時間アニールした後、接着試験
に供した。
【0038】シリコーンゴムとの接着性は、120℃に
加熱した金型の下型に成形体を敷き、幅25mm×長さ
15mmの部分を残してテフロンシートでマスキング
し、参考例で調整した付加型シリコーンゴムを塗布し
た。次いで上型を締め、120℃×10分間加圧下で硬
化させた。成形体と硬化したシリコーンゴムとを180
°方向に引張り剥離強度を評価した。
【0039】耐加水分解性の試験は、122℃、湿度1
00%RHの条件で60時間の湿熱処理を行った成形体
の引張強度を測定する事によって行った。
【0040】
【表1】
【0041】[実施例3、4及び比較例3]表2に示す
PBT、珪素含有化合物及び/又はその重合体、フェノ
ール系抗酸化剤、チオエーテル系抗酸化剤、及びその他
充填材を所定量配合し、金型温度を表2に示すように変
えた以外は実施例1と同一の条件で成形体を得、同条件
でシリコーンゴムとの接着性を評価した。比較例3につ
いては、得られた成形体を130℃で2時間アニールし
た後接着試験に供した。本発明の樹脂成形体は、良好な
シリコーンゴム接着性を示すと共に耐加水分解性が大幅
に改善された。
【0042】
【表2】
【0043】本発明によれば、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂の耐加水分解性を大幅に改良し、且つ該ポリブ
チレンテレフタレート樹脂とシリコーンゴムとが互いに
十分実用に耐えうる接着力を以って接着したポリブチレ
ンテレフタレート樹脂成形体とシリコーンゴムとの一体
成形体を得ること、及びかかる一体成形体を得るために
確実且つ容易に、しかも短時間でポリブチレンテレフタ
レート樹脂とシリコーンゴムが必要十分な接着再現性を
持って接着することを可能とする成形体の製造方法を提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/541 C08K 5/54 //(C08L 67/02 83:05) Fターム(参考) 4F071 AA45 AA67 AA67B AC11 AC13 AC16 AE05 AF01 AF29 AF58 AH07 AH12 BA01 BB05 BC01 CA01 CD01 CD07 4J002 CF071 CP042 EJ026 EJ036 EJ046 EJ066 EV067 EV076 EX008 FD076 FD077 4J029 AB07 AD01 AD02 AD10 BA02 BA03 BA05 BA08 BA10 BB06A BB13A BD06A CA02 CA04 CA06 CB05A CB06A CB10A CC05A CD03 CD05 CE04 CF08 CF15 CH02 DB13 FC03 FC05 FC08 FC35 FC36 JB131 JF251

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)チタン化合物を重合触媒として得
    られ、且つ末端カルボキシル基濃度が15当量/ton
    以下であるポリブチレンテレフタレートより主としてな
    る樹脂組成物からなる成形体であって、下記式(1)を
    満足することを特徴とするシリコーンゴムとの接着性に
    優れたポリブチレンテレフタレート樹脂成形体。 【数1】A917/A1578<1.5 (1) (ここでA917、A1578は、樹脂成形体の接着部分表面の
    それぞれ917cm-1、1578cm-1における吸光度である。)
  2. 【請求項2】 樹脂組成物が、 (A)チタン化合物を重合触媒として得られ、且つ末端
    カルボキシル基濃度が15当量/ton以下であるポリ
    ブチレンテレフタレート100重量部当り、 (B)1分子中に少なくとも1個の珪素原子に直接結合
    した水素原子を有する珪素含有化合物及び/又はその重
    合体を0.01〜3重量部、 (C)フェノール系抗酸化剤 0.01〜0.5重量
    部、 (D)チオエーテル系抗酸化剤の含有量が組成物全重量
    の0〜0.05重量部、を配合してなる樹脂組成物であ
    る、請求項1に記載のシリコーンゴムとの接着性に優れ
    たポリブチレンテレフタレート樹脂成形体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の成形体とシリ
    コーンゴムとが接合されてなる一体成形体。
  4. 【請求項4】 請求項1、2及び3のいずれかに記載の
    成形体の製造方法。
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