JP3436627B2 - 熱可塑性ポリエステルとシリコーンゴムとの一体成形体 - Google Patents

熱可塑性ポリエステルとシリコーンゴムとの一体成形体

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JP3436627B2 JP32558495A JP32558495A JP3436627B2 JP 3436627 B2 JP3436627 B2 JP 3436627B2 JP 32558495 A JP32558495 A JP 32558495A JP 32558495 A JP32558495 A JP 32558495A JP 3436627 B2 JP3436627 B2 JP 3436627B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性、とりわけ
耐加水分解性、耐熱老化性に優れたポリブチレンテレフ
タレート樹脂とシリコーンゴムとを強固に一体化せしめ
た成形体に関する。 【0002】 【従来の技術】熱可塑性ポリエステル樹脂、とりわけポ
リブチレンテレフタレートは耐薬品性、耐熱性、機械的
性質に優れ、工業用樹脂として広く用いられている。近
年、耐久性として、耐加水分解性、耐熱老化性の要求が
高まると共に、電気・電子分野、自動車分野において上
記要求特性を満足し、且つ耐熱性、電気特性、耐候性に
優れたシリコーンゴムと強固に接着した一体成型体の供
給が望まれている。 【0003】従来、付加硬化型シリコーンゴムと有機樹
脂の成形品を接着させる方法として、例えば成形物表面
にプライマーを塗布し、その上から未硬化シリコーン材
料を塗布し、これを硬化させて接着する方法や、自己接
着性シリコーンゴム材料を成形樹脂の上から硬化させる
方法が知られている。 【0004】しかしながら、プライマーを用いて接着さ
せる方法は、いったん成形した樹脂組成物を金型より取
り出しプライマーを塗布するという煩雑な工程を要す
る。 【0005】また、自己接着性シリコーンゴム材料を成
形樹脂に塗布して硬化させる方法は、金型などを用いて
成形物及びシリコーンゴムとの一体成形体を形成する場
合には、シリコーンゴム自身が金型に接着してしまうと
いう大きい難点がある。更に、樹脂成形物に対して塗布
硬化させる場合、自己接着性の付加硬化型シリコーンゴ
ム材料の多くはポリブチレンテレフタレート樹脂には一
体成形物として使用できる程度の接着力を有するものと
なっていない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂の工業用樹脂材料として要求の高
まっている耐加水分解性、耐熱老化性が大幅に改良し、
且つポリブチレンテレフタレート樹脂とシリコーンゴム
とが互いに十分実用に耐えうる接着力を以て接着したポ
リブチレンテレフタレート樹脂とシリコーンゴムとの一
体成形体及びかかる成形体を簡単且つ確実に、しかも短
時間に接着し得る技術を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。 【0008】即ち、本発明はチタン化合物を重合触媒と
し、且つ末端カルボキシル基濃度の低いポリブチレンテ
レフタレート樹脂にフェノール系抗酸化剤とチオエーテ
ル系抗酸化剤を添加し、更に特定の珪素含有化合物及び
/又はその重合体を配合し、一方一体化するシリコーン
ゴムとして、トリビニルシリル基により末端を停止した
オルガノポリシロキサンを接着性付与成分として含有す
る付加硬化型シリコーンゴムを使用することにより、
(従来は付加硬化型シリコーンゴムの接着力が低く或い
は短時間に接着できなかったポリブチレンテレフタレー
ト樹脂に対して十分実用に耐える接着力を有する)シリ
コーンゴム一体成形物を得るものである。特に射出成形
法を用いて上記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物
に対し短時間の硬化条件で接着し、しかもシリコーンゴ
ム自身は成形金型から容易に剥離できるポリブチレンテ
レフタレート樹脂組成物とシリコーンゴムの一体成形体
である。 【0009】具体的な解決手段は、 (イ)(A)末端カルボキシル濃度が15当量/ton
以下で重合触媒としてチタン化合物を用いたポリブチレ
ンテレフタレート100重量部あたり、(B)1分子中
に少なくとも1個の珪素原子に直接結合した水素原子を
有する珪素化合物及び/又はその重合体を0.05〜3
重量部、(C)フェノール系抗酸化剤0.01〜0.5
重量部及び(D)チオエーテル系抗酸化剤0.01〜
0.5重量部を配合せしめたポリブチレンテレフタレー
ト樹脂組成物を成形した成形品の表面に、 (ロ)付加硬化型シリコーンゴムとして、(E)1分子
中に、珪素原子に結合するビニル基を少なくとも2個有
するオルガノポリシロキサン、(F)1分子中に、珪素
原子に結合する水素原子を少なくとも2個有するオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサン、(G)白金化合物及
び(H)下記一般式(1) 【0010】 【化2】 【0011】(式中、R1 は脂肪族不飽和結合を含有し
ない置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R1 は複
数存在する場合には、それらは異なっていても良い。K
は0又は1以上の整数である)で表される末端トリビニ
ルシリル停止オルガノポリシロキサンを含有してなるオ
ルガノポリシロキサン組成物からなる塗液を塗布し、硬
化せて、 (ハ)ポリブチレンテレフタレート樹脂成形物とシリコ
ーンゴム組成物とが密着した一体成形体とするものであ
る。 【0012】本発明の(A)成分であるポリブチレンテ
レフタレートとはテレフタル酸を主たる酸成分とし、
1,4―ブタンジオールを主たるグリコール成分とする
ポリエステルである。ここで、「主たる」とは、全酸成
分又は全グリコール成分に対して80モル%以上を言
い、好ましくは90モル%以上である。 【0013】共重合可能な酸成分としてはテレフタル酸
以外の芳香族ジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸、ジフェキシエタンジカルボ
ン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルスル
ホンジカルボン酸等、脂肪族ジカルボン酸、例えばコハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸等、脂環族ジカルボン
酸、例えばシクロヘキサンジカルボン酸、テトラリンジ
カルボン酸、デカリンジカルボン酸等が例示される。 【0014】ブタンジオール以外の共重合可能なグリコ
ール成分としてはエチレングリコールヘキサメチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジ
メタノール、トリシクロデカンジメチロール、キシリレ
ングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールB、
ビスヒドロキシエトキシビスフェノールA等が例示され
る。 【0015】また、ポリエステルが実質的に成形性能を
失わない範囲で一官能化合物、例えばグリセリン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリ
ット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等を共重合して
もよい。 【0016】また、本発明に用いられるポリブチレンテ
レフタレートはチタン化合物を重合触媒として用い、末
端カルボキシル基濃度は15当量/ton以下であるこ
とが必要である。末端カルボキシル基濃度が15当量/
tonを越えると、本発明の主要な効果の一つである耐
加水分解性の大幅な向上は見られない。又、重合触媒と
して錫化合物を用いた場合、シリコーンゴムの硬化を阻
害し好ましく無い。 【0017】本発明に用いられるポリブチレンテレフタ
レートは、固有粘度(35℃のオルソクロロフェノール
中での測定値をもとに産出された値)が0.3以上、好
ましくは0.5以上のものである。これより固有粘度が
低い場合は、強度が低く、また粘度も低くて使用困難で
あり、本発明を適用する意味も少ないからである。 【0018】本発明で用いる(B)成分は、1分中に少
なくとも1個の珪素含有する化合物及び/又はその重合
体で、下式に示すSiH基含有化合物である。 【0019】 【化3】 (式中m及びnは夫々0又は1乃至100の整数であ
る。) 【0020】本発明で用いられる(C)成分であるフェ
ノール系抗酸化剤は、ヒンダートフェノール化合物であ
る。 【0021】フェノール系抗酸化剤は、好ましくは2,
6―ジ―t―ブチル―p―クレゾール、2,2′―メチ
レン―ビス―(4―メチル―6―ジ―t―ブチルフェノ
ール4,4′―チオビス(3―メチル―t―ブチルフェ
ノール)、1,1,3―トリス(2―メチル―4―ヒド
ロキシ―5―t―ブチルフェニル)ブタン、ペンタエリ
スリチル―テトラキス[3―(3,5―ジ―t―ブチル
―4―ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタ
デシル―3―(3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキ
シフェニル)プロピオネートであり、特に好ましくは、
ペンタエリスリチル―テトラキス[3―(3,5―ジ―
t―ブチル―4―ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]である。 【0022】フェノール形抗酸化剤は1種類又は2種類
以上を同時に用いる事が出来る。フェノール系抗酸化剤
の配合量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂100重
量部に対し0.01〜0.5重量部であることが必要で
あり、0.1〜1.3重量部が好ましい。0.01重量
部より少ない場合は、耐熱性の改良効果が少なく、0.
5重量部より多く配合しても耐熱老化性の改良効果は望
めない。 【0023】本発明で用いられる(D)成分であるチオ
エーテル系抗酸化剤は、好ましくはジートリデシル―チ
オ―ジプロピオネート、テトラキス[メチレン―3―
(ドデシルチオ)プロピオネート]、ビス[2―メチル
―4―{3―n―アルキル(C 12又はC14)チオプロピ
オニルオキシ}―5―t―ブチルフェニル]スルフィド
である。 【0024】チオエーテル系抗酸化剤の配合量は、ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対し0.0
1〜0.5重量部であることが必要であり、0.1〜
0.3重量部が好ましい。0.01重量部より少ない場
合は、耐熱性の改良効果が望めない。 【0025】また、抗酸化剤として汎用的な燐系抗酸化
剤は、シリコーンゴムの硬化を阻害するため使用すべき
ではない。 【0026】本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂
組成物には更に、ガラス繊維のような補強材、無機充填
材、顔料、難燃剤、難燃助剤、結晶核剤、光安定剤を配
合することができる。 【0027】本発明で用いられる、付加硬化型シリコー
ンゴムの組成物において、(E)成分のビニル基含有オ
ルガノシロキサンは、1分子中に珪素原子に結合するビ
ニル基を少なくとも2個有している。また、該ビニル基
含有オルガノポリシロキサンの分子構造は、直鎖状であ
っても、分岐状であってもよく、また、ビニル基は分子
の末端のみに存在していても、分子鎖の途中のみに存在
していても、分子の末端及び分子鎖の途中に存在してい
てもよい。特に、下記一般式: 【0028】 【化4】 【0029】(式中、複数のR2 〜R8 は同一でも異な
ってもよく、脂肪族不飽和結合を含有してない置換又は
非置換の1価炭化水素基であり、iは0又は1〜100
の整数であり、jは0又は1以上の整数である。)で表
されるビニル基含有ジオルガノポリシロキサンが好適に
用いられる。 【0030】上記一般式(3)中のR2 〜R8 は、脂肪
族不飽和結合を有しない置換又は非置換の1価炭化水素
基であり、通常、炭素原子数1〜10の基であり、好ま
しくは、炭素原子1〜6の基である。R2 〜R8 として
は、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基等のアルキル基;例えば、フェニル基、
トリル基、キシリル基、ベンジル基等のアリール基;例
えば、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、これら
基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基
等の置換基で置換した、クロロメチル基、シアノエチル
基3,3,3―トリフルオロプロピル基等が例示され
る。 【0031】また、上記一般式(3)中、iは0を含む
1〜100の整数であり、jは0又は1〜100の整数
であり、i及びjは、好ましくは0<m+j<j/(i
+j)≦0.2を満たす整数である。 【0032】(E)成分のビニル基含有オルガノポリシ
ロキサンは、25℃における粘度が10〜1,000,
000cSt(センチストークス)であることが好まし
く、更に、100〜10,000cStであることがこ
のましい。尚、(E)成分のビニル基含有オルガノポリ
シロキサンは、それ自体公知の方法で製造することがで
きる。 【0033】(F)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンは、1分子中に、珪素原子に結合する水素原
子を少なくとも2個有している。この(B)成分は、架
橋剤として作用するものであり、本発明の組成物は、こ
の珪素原子に結合した水素原子と前記(E)成分のビニ
ル基とが付加反応することにより硬化するものである。 【0034】この(F)成分のこのオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンの分子構造は、特に限定されず、直
鎖状、分岐状、環状等のいずれの構造のものも使用可能
である。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキ
サンの25℃における粘度は、通常、0.5〜1000
cStであり、好ましくは、1〜200cStである。 【0035】(F)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンとしては、例えば、下記平均組成式(4): 【0036】 【化5】 Ha (R9 b SiO(4-a-b)/2 (4) (式中、R9 は脂肪族不飽和結合を含有しない置換又は
非置換の一価炭化水素基であり、a及びbは、0<a<
2、1≦b≦2及び、2≦a+b≦3を満たす数であ
る。)で表されるものが好適に使用される。 【0037】上記平均組成式(4)中のR9 の脂肪族不
飽和結合を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基
であり、通常、炭素原子数1〜10の基であり、好まし
くは1〜7の基である。R9 としては、具体的には、上
記R2 〜R8 として例示した基が同様に例示される。 【0038】また、a及びbは、それぞれ0<a<2、
1≦b≦2、2≦a+b≦3を満たす数であり、好まし
くは0.3≦a≦1及び、2≦a+b≦2.7を満たす
数である。 【0039】(F)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンは、それ自体公知の方法で製造することがで
き、通常、R3 SiHCl2 、R8 3SiCl、R8 2
SiCl2 、R8 2SiHCl、(各式中、R3 は前記
の通りである。)等のクロロシランを加水分解するか、
又は、このように加水分解して得られたシロキサンを平
衡化することにより製造できる。 【0040】(F)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンとしては、具体的には、下記式で示される化
合物を例示する事ができる。 【0041】 【化6】【0042】(F)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンの配合量は、とくに限定されないが、前記
(E)成分及び後述する(H)成分に含まれる珪素原子
に結合するビニル基1個に対して(F)成分のオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンの珪素原子に結合する水
素原子が1〜5個となるように量を配合することが好ま
しい。 【0043】(G)成分の白金化合物は、付加反応触媒
であり、(E)成分のビニル基と、(F)成分のオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンの珪素原子に結合する
水素原子との付加反応を促進させるために使用されるも
のである。 【0044】この(G)成分の白金化合物としては、通
常、オルガノポリシロキサン組成物の付加反応触媒とし
て使用されているものを使用することができる。具体的
には、単体の白金、及び、例えばH2 PtCl6 ・XH
2 O、NaHPtCl6 ・XH2 O、KHPtCl6
XH2 O、Na2 PtCl6 ・XH2 O、K2 PtCl
6 ・XH2 O、PtCl4 ・XH2 O、PtCl2 、N
2 PtCl4 ・XH 2 O、H2 PtCl4 ・XH2
(ここで、Xは正の整数である。)等の白金化合物が上
げられる。また、前記白金化合物と、例えば、炭化水
素、アルコール、ビニル基含有環状シロキサン等との錯
体をもちいることもできる。 【0045】(G)成分の白金化合物の配合量は、前記
(A)成分と前記(B)成分との付加反応を促進するに
十分な量であればよく、通常、前記(A)成分と前記
(F)成分との合計量に対して、白金金属に換算して
0.1〜100ppmであることが望ましい。 【0046】(H)成分は、前記一般式(1)で表され
る末端トリビニルシリル停止オルガノポリシロキサンで
ある。本発明の組成物は、この(H)成分を配合するこ
とにより、室温において適度の可使時間を有するものと
なり、しかも加熱することにより速やかに硬化すると言
う良好な硬化性を有する。また、この(H)成分は、公
知の方法で製造できる。 【0047】上記一般式(1)中、R1 は、脂肪族不飽
和結合を含有しない置換または非置換の1価炭化水素基
であり、好ましくは、炭素原子数1〜10の基であり、
更に好ましくは、1〜7の基である。R1 としては、具
体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等
の低級アルキル基;例えばフェニル基、トリル基、キシ
リル基、ベンジル基等のアリール基;たとえば、シクロ
ヘキシル基等のシクロアルキル基;これらの基の水素原
子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等置換基で
置換した、クロロメチル基、シアノエチル基、3,3,
3―トリフルオロプロピル基等が例示される。 【0048】また、上記一般式(1)中、kは0又は1
以上の整数であり、好ましくは、0〜100の整数であ
り、更に好ましくは0〜20の整数である。尚、kは、
(H)成分の前記(E)成分に対する相溶性を考慮すれ
ば、0〜20の整数であることが望ましい。 【0049】(H)成分の配合量は、(G)成分の白金
化合物に含まれる白金金属1モルに対して、1〜200
00モルの範囲が好ましく、更に、10〜500モルの
範囲が好ましい。 【0050】本発明の組成物には、実用化にあたって、
上述した(E)〜(H)成分以外に、本発明の硬化を損
なわない範囲で、必要に応じて種々の添加剤を配合する
ことができる。例えば、本発明の組成物には、本発明の
組成物を硬化することにより得られる硬化物の強度を補
強するために、SiO2 単位、(CH2 =CH)R′ 2
SiO0.5 単位、及びR′2 SiO0.5 単位(ここで、
R′は脂肪族不飽和結合を含有しない1価炭化水素基で
ある。)からなるレジン構造のオルガノポリシロキサン
(特公昭38―36771号、特公昭45―9476号
公報参照)等を配合する事ができ、これらを配合した場
合でも、やはり組成物中に含まれる全ての珪素原子に結
合するビニル基1個に対して珪素原子に結合する水素原
子1〜5個を存在させる必要がある。 【0051】また、本発明の組成物は、硬化時における
熱収縮の減少、硬化して得られる弾性体の熱膨張率の低
下、熱安定性、耐候性、耐薬品性、難燃性、機械的強度
等の向上、ガス透過率を下げる等の目的で、充填剤配合
しても良い。そのような充填剤としては、例えば、フュ
ームドシリカ;石英粉末;ガラス繊維;カーボンブラッ
ク;例えば、アルミナ、酸化鉄、酸化チタン等の金属化
合物;例えば、炭酸カルシュウム、炭酸マグネシュウム
等の金属炭酸塩が挙げられ、必要に応じて適当な顔料、
染料、酸化防止剤等を添加する事も可能である。充填剤
は、通常、(E)成分のオルガノポリシロキサン100
重量部当り、5〜200重量部配合される。 【0052】本発明の付加硬化型シリコーンゴムの組成
物は、通常、前記(E)成分及び(G)成分の混合物
と、前記(F)成分及び(H)成分の混合物とを別包装
とし、使用時にこれらを混合する2液型のものとして調
整される。尚、前記(H)成分は(F)成分とではな
く、前記(E)成分及び(G)成分と混合されていても
良い。 【0053】また、本発明の組成物の使用時には、用途
・目的に応じて、適当な有機溶媒、たとえばトルエン、
キシレン等に分散乃至は溶解して使用しても差し支えな
い。 【0054】ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物と
付加硬化シリコーンゴムとの接着性を評価する方法とし
ては、予めポリブチレンテレフタレート組成物の成形品
を成形し、該成形品に、上記記載の液状の付加硬化型シ
リコーンゴムを塗布し、室温状態で24〜48時間の硬
化時間、80〜200℃で60〜4時間の硬化時間で硬
化することにより、シリコーンゴムは硬化し、且つポリ
ブチレンテレフタレート樹脂組成物の成形品と良好な接
着性を得ることが可能である。 【0055】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 【0056】実施例中、部とあるのは重量部を表す。ポ
リマーの固有粘度[η]はオルソクロロフェノール中3
5℃で測定した溶液粘度から算出した値である。 【0057】また、末端カルボキシル基濃度(COO
H)はエイ・コニックス(A.Conix)の方法
{(Makromol.Chem,Vol−26,22
6(1958)}によって測定したポリマー106 g当
りの当量数である。 【0058】[実施例1〜3、比較例1〜7]重合触媒
として、チタン酸テトラブトキシサイドを用いたポリブ
チレンテレフタレート(固有粘度:0.90)を130
℃において5時間乾燥し、珪素含有化合物として、メチ
ルハイドロジェンシリコーンオイル(東レダウ社製:商
品名SH1107)、フェノール系抗酸化剤としてペン
タエリスリチル―テトラキス[3―(3,5―ジ―t―
ブチル―4―ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
チオエーテル系抗酸化剤としてテトラキス[メチレン―
3―(ドデシルチオ)プロピオネート]を、表1に示す
種々の割合でV型ブレンダーで均一に混合した。得られ
た混合物を44mm径の2軸押出機でバレル温度250
℃にて溶融混練し、ダイから吐出されるスレッドを冷
却、切断して成形用ペレットを得た。 【0059】次いで、このペレットを130℃で5時間
乾燥した後、5オンスの射出成形機に物性用試験片モー
ルドを取り付けてシリンダー温度260℃、金型温度4
0℃、射出圧力700kg/cm2 、冷却時間20秒
間、全サイクル35秒間の成形条件で引張試験片(AS
TM4号)、及び接着試験片を成形した。耐加水分解性
の試験は、122℃、湿度100%の条件で60時間の
湿熱処理を行った試験片について引張強度及び破断伸度
を測定する事によって行った。耐熱性の試験は、温度1
70℃の条件で500時間の熱処理を行った試験片につ
いて引張強度及び破断伸度を測定する事によって行っ
た。 【0060】付加型シリコーンゴムの調整: (A)成分として1分子中にメチルビニルシロキサン単
位を2個有し、末端がジメチルビニルシロキシ基で停止
しているジメチルポリシロキサン(25℃における粘
度:1000cSt)100重量部、(B)成分として
珪素原子結合する水素原子を、100gあたり0.73
9モル有するメチルハイドメジエンポリシロキサン4.
6重量部、(C)成分として塩化白金酸のオクチルアル
コール変性溶液(白金含有量:0.5%)0.12重量
部、(D)成分として反応抑制剤で下記式、 【0061】 【化7】 【0062】で表されるポリマー(従来公知の方法によ
り製造、外観:無職透明、25℃における:13cS
t)0.5重量部を作製した。 【0063】また、上記ポリブチレンテレフタート樹脂
組成物と付加硬化型シリコーンゴムの接着試験は、図1
に示す接着試験片に幅25mm、長さ15mm、厚み
0.2mmの条件で塗布し、130℃×1分間加熱して
硬化し、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物とシリ
コーンゴムとの接着強度、及びシリコーンゴムとクロム
メッキした接着試験片と同寸法の金属治具との剥離性に
つき評価した。 【0064】得られた結果を表1に示した。 【0065】 【表1】【0066】表1に示す如く、末端カルボキシル基濃度
が35当量/106 gのポリブチレンテレフタレート樹
脂は、PCTの結果が示す如く、耐加水分解性に劣り、
一方末端カルボキシル基濃度が10当量/106 gのポ
リブチレンテレフタレート樹脂は良好な結果を示すこと
が判る。 【0067】また、熱老化性については、フェノール系
抗酸化剤とチオエーテル系抗酸化剤を組み合わせること
により、大幅に改良される。 【0068】更に、ポリブチレンテレフタレート樹脂組
成物に、メチルハイドロジェンシリコーンオイルを配合
し、付加硬化型シリコーンゴムに(H)成分である接着
性付与成分を添加すると、ポリブチレンテレフタレート
樹脂にシリコーンゴムとが強固に接着し、且つ金属との
剥離性が良好な結果を得ることが可能である。 【0069】[実施例4、比較例8〜9]実施例1と同
様の方法で表2に示す配合割合からなる組成物について
同様の評価を行った。 【0070】その結果、錫化合物を触媒としたポリブチ
レンテレフタレート樹脂及び、リン系抗酸化剤を添加し
た場合シリコーンゴムの硬化が進行せず、使用に耐えら
れないことが判った。 【0071】 【表2】
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成
物からなる成形品の表面に付加硬化型シリコーンゴムを
塗設し、金属の成形品(クロム鍍金鈑)とで挟持した状
態を示す立面図である。 【図2】図1の平面を示す平面図である。 【符号の説明】 10はシリコーンゴムの塗設層。12はポリブチレンテ
レフタレート成形品。14はクロム鍍金された鈑(金属
板)である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−127710(JP,A) 特開 平7−224226(JP,A) 特開 平7−173269(JP,A) 特開 平7−70542(JP,A) 特開 平6−271684(JP,A) 特開 平6−234909(JP,A) 特開 平3−287657(JP,A) 特開 平2−112177(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 5/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)末端カルボキシル濃度が15当量
    /ton以下で重合触媒としてチタン化合物を用いたポ
    リブチレンテレフタレート100重量部あたり、(B)
    1分子中に少なくとも1個の珪素原子に直接結合した水
    素原子を有する珪素化合物及び/又はその重合体を0.
    05〜3重量部、(C)フェノール系抗酸化剤0.01
    〜0.5重量部及び(D)チオエーテル系抗酸化剤0.
    01〜0.5重量部を配合せしめてなるポリブチレンテ
    レフタレート樹脂組成物を成形して得た成形品に、付加
    硬化シリコーンゴムとして(E)1分子中に、珪素原子
    に結合するビニル基を少なくとも2個有するオルガノポ
    リシロキサン、(F)1分子中に、珪素原子に結合する
    水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェ
    ンポリシロキサン、(G)白金化合物及び(H)下記一
    般式(1) 【化1】 (式中、R1 は脂肪族不飽和結合を含有しない置換又は
    非置換の1価炭化水素基であり、R1 は複数存在する場
    合には、それらは異なっていても良い。Kは0又は1以
    上の整数である)で表される末端トリビニルシリル停止
    オルガノポリシロキサンを含有してなるオルガノポリシ
    ロキサン組成物からなる塗液を塗布し、硬化せしめてな
    る熱可塑性ポリエステルとシリコーンゴムとの一体成形
    体。
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