JP2001037463A - 低アルコール飲料の製造方法 - Google Patents
低アルコール飲料の製造方法Info
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Abstract
ありながら、低アルコールでコクがあり、品質の安定し
たアルコール飲料を製造することができる実用性に秀れ
た低アルコール飲料の製造方法を提供するものである。 【解決手段】 米,麦,ヒエ,アワなどの穀類を原料と
して低アルコール飲料を製造する方法であって、デンプ
ン分解酵素剤若しくは該デンプン分解酵素剤及び麹を使
用することでもろみ中の糖組成をマルトース及びマルト
オリゴ糖主体にしてグルコースを少量とし、この少量の
グルコースを酵母により発酵させて低アルコール飲料を
製造するものである。
Description
の製造方法に関するものである。
ール度数の低い飲料、即ち、低アルコール飲料を製造す
る方法は、大別して三通りの方法がある。即ち、高アル
コール度数の原酒若しくは原もろみに加水する第一の方
法、高アルコール度数の原酒若しくは原もろみを逆浸透
や減圧蒸留により低アルコール化する第二の方法、もろ
み発酵を制御してのアルコールの生成を低い段階で終え
る第三の方法である。
質原料を用いた低アルコール飲料の製造として最も一般
的に用いられる方法で、加水するだけである為、工程が
簡単で任意のアルコール度数を容易に実現できる。しか
し、この加水によって成分が希釈されてしまう為、加水
に伴う香味の変化が大きく、香味のうすいコクのない酒
質になりやすいという欠点がある。
きる方法で、例えば原酒の逆浸透膜装置による処理
((1)特開昭59-183686号や(2)特開昭62-61579号)、
減圧蒸留による処理((3)特開昭61-100183号)、多孔
性疎水膜処理((4)特開昭58-78578号)が提案されてい
るが、いずれも特殊な装置に係る多額の設備投資を必要
とし、中小企業では採算に合わないという欠点がある。
恐れや多額の設備投資の問題はないが、例えば常法の仕
込みにおいてもろみの発酵を途中で終了させ、低アルコ
ール度数とする場合、いわゆる未熟もろみとなり、製品
にジアセチルやアセトアルデヒド等の異臭成分の生成の
危険性があるなど、アルコール生成の低い段階での発酵
終了に由来する異臭の発生や、発酵制御に伴う成分が香
味劣化の危険性を孕んでおり、品質の安定性に問題があ
る。
方法は何らかの問題点を抱えており、実用性が乏しかっ
た。
で、高額な設備投資を必要とせず、簡単な工程でありな
がら、低アルコールでコクがあり、品質の安定したアル
コール飲料を製造することができる実用性に秀れた低ア
ルコール飲料の製造方法を提供するものである。
る。
て低アルコール飲料を製造する方法であって、デンプン
分解酵素剤若しくは該デンプン分解酵素剤及び麹を使用
することでもろみ中の糖組成をマルトース及びマルトオ
リゴ糖主体にしてグルコースを少量とし、この少量のグ
ルコースを酵母により発酵させて低アルコール飲料を製
造することを特徴とする低アルコール飲料の製造方法に
係るものである。
製造方法において、デンプン分解酵素剤として、α−ア
ミラーゼを主とする酵素剤若しくはデンプン枝きり酵素
を含むα−アミラーゼを主とする酵素剤を使用すること
を特徴とする低アルコール飲料の製造方法に係るもので
ある。
低アルコール飲料の製造方法において、酵母として、Sa
ccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス セレビシ
ェ)に属し、主としてグルコースを発酵させ、マルトー
ス及びマルトオリゴ糖を発酵させる能力が無いか若しく
は微弱な酵母を使用したことを特徴とする低アルコール
飲料の製造方法に係るものである。
どのデンプン分解酵素(若しくはデンプン分解酵素と
麹)を使用し、もろみ中のデンプンを主にマルトースや
マルトオリゴ糖に分解し、グルコースの生成を低く抑え
ると、もろみ中の糖組成はマルトース及びマルトオリゴ
糖が主体となり、グルコースは少量となる。
てアルコールとすることで、発酵を途中で終了させるこ
となく低アルコール飲料を得ることができる。
プン分解によって主に生成される前記マルトースやマル
トオリゴ糖を発酵する能力が可及的に弱い酵母(例え
ば、Saccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス セ
レビシェ)に属する協会1001号酵母。)を使用する
と、マルトースやマルトオリゴ糖から生成されるアルコ
ール分が可及的に少なく、グルコースからのものが主体
となる為、より一層低アルコールとすることができ、且
つ、もろみ中にオリゴ糖が発酵せずに残留し、低アルコ
ール飲料にコクを与えるため水っぽさを感じさせなくな
る。
る酒質の希薄化がなく、実施に専用設備が必要でなく通
常のアルコール飲料と同様に仕込むことが可能であり、
発酵を途中終了しないから異臭発生の危険性もなく、従
来の問題点を全て解決することができ、高額な設備投資
を必要とせず、簡単な工程でありながら、低アルコール
でコクがあり、品質の安定したアルコール飲料を製造す
ることができる実用性に秀れた低アルコール飲料の製造
方法となる。
説明する。
類を原料としてアルコール飲料を製造する方法であっ
て、通常の仕込み配合より麹歩合を小さくし、この麹歩
合の減少分の代わりにデンプン分解酵素剤を使用するこ
とで、もろみ中の糖組成を、マルトース及びマルトオリ
ゴ糖主体で且つグルコースを少量とし、このわずかに生
成されるグルコースを酵母により発酵して低アルコール
飲料を製造するものである。
ーゼを主とする液化酵素剤や、プルラナーゼなどのデン
プン枝きり酵素を含み且つα−アミラーゼを主とする液
化酵素剤を使用する。
類が有するデンプンを、主にマルトースとマルトオリゴ
糖(マルトース,マルトトリオース,マルトテトラオー
スなど。)に分解する性質を有する為、仕込み時、即
ち、穀類の発酵の際、もろみ中の糖組成は、マルトース
及びマルトオリゴ糖が主体となり、グルコースが少量と
なる。
使用しても麹と一緒に使用しても良い。
ゴ糖主体で且つグルコースが少量のもろみを酵母により
発酵すると、アルコールに誘導されるグルコースが少量
の為、発酵を途中で終了させることなく、常法で完全に
発酵させても、生成されるアルコール量は少なく、低ア
ルコール度数のアルコール飲料が得られる。
プン分解産物、即ち、前記主に生成されたマルトースや
マルトオリゴ糖を発酵しないか、僅かしか発酵しない性
質を有する酵母、例えば、協会1001号酵母を併用す
ることにより、より一層低アルコール度数のアルコール
飲料が得られる。また、もろみ中にマルトースやマルト
オリゴ糖が発酵せずに残留する為、この低アルコール飲
料にコクが与えられ、且つ、水っぽさも感じられなくな
る。
スやマルトオリゴ糖を発酵する能力とを有する酵母(例
えば、協会9号酵母。)を使用しても、アルコール濃度
にバラツキはあるものの、低アルコール飲料を得ること
ができた。
及び仕込み温度に従い、総米2Kgの小仕込み試験を実
施した。
ゼ(アミラーゼK・アマノ、天野製薬製)を用いた。
やマルトオリゴ糖の発酵性がないか若しくは当該発酵性
が非常に弱い性質を有する方がベターな為、この条件に
見合う酵母の検索を試みたところ、協会1001号酵母
(参考文献:稲橋,吉田、醸協,87,858(199
2))がその性質を有していることが判明した。従っ
て、試験醸造には協会1001号酵母を用いた。
(三洋電気製)を用いて制御し、留後1日1℃庫内温度
を上昇させ最高品温を15℃とし、経時的に生成する二
酸化炭素の放出による減量を測定し、減量が600gを
越えた時点を上槽(しぼり)の目安として実施した。上
槽は、遠心分離(6000rpm、15分)により行っ
た。また、経時的にもろみ約10mlを採取し、分析試
料とした。なお、常法どおりの仕込み配合のものを対照
とした。
温度及び重量減量の経時的変化を下記表2に示す。
みのもろみと対照仕込みのもろみとで重量減量に大きな
差が生じていることが判明した。一般に、二酸化炭素の
放出による重量減量とアルコール生成量とは比例関係に
あるので、本実施例による仕込みでは、アルコールの生
成が少ないことが示された。
記表3に示す。分析は、「国税庁所定分析法」(第4回
改正国税庁所定分析法注解)により行った。
本実施例は、日本酒度,アルコール分,アミノ酸度に差
がみられた。特に、アルコール分は対照の約55%、ア
ミノ酸度は約32%と、大きく減少していた。このこと
から、本実施例を用いることによって、簡便に低アルコ
ール飲料が製造可能であることが判明した。
類について、薄層クロマトグラフィーを用いて定性を行
った。その結果を表4及び表5に示す。
おける主要糖組成はグルコースであるのに対して、本実
施例により生成された清酒中には、多数のマルトオリゴ
糖の存在が確認された。本実施例では、マルトオリゴ糖
により味の薄さを補うことを特徴としており、この結果
は、これを裏付けるものである。
査の結果、「甘く口当たりよい」、「清酒様の風味少な
く軽い」など良好な評価が得られた。
中のピルビン酸量の変化 これまでの低アルコール化技術では、未熟なもろみを上
槽することによる弊害として不快臭(ジアセチル臭)が
発生する危険性を孕んでいた。この原因は、未熟もろみ
中に存在するピルビン酸を前駆体として発生する、ジア
セチルによるものである。そこで、本仕込におけるピル
ビン酸量の経時的変化を、酵素法(ピルビン酸定量キッ
ト、ナカライテスク社製)により定量した。
含量は対照とほとんど差が無く、この値は、ジアセチル
臭発生の目安とされる100mg/lを大きく下回って
いた。よって、本実施例の製造方法を用いることによ
り、従来技術において問題となっていた、「不快臭の発
生」を防ぎつつ、低アルコール飲料を製造することが可
能であることが判明した。
める。
し、それを補う目的で使用する酵素剤として、α−アミ
ラーゼなどの液化酵素剤を主体とした酵素剤又は当該酵
素剤と麹を使用して仕込みを行い、マルトース及びマル
トオリゴ糖の発酵性がないか、あるいは微弱である酵母
(例えば、前記協会1001号酵母。)を組み合わせて
発酵させることにより、アルコールが低濃度で、且つ、
コクがあり、味の薄さを感じさせないアルコール飲料が
製造可能であることが明らかとなった。
することがないため、未熟なもろみを強制的に上槽した
場合に問題となる、不快臭(例えば、ジアセチル臭。)
の発生を防止することができる。
ないため、新規設備投資の必要がない。
アルコール酒製造に関しては、α−アミラーゼ,トラン
スグルコシダーゼ及び酸性プロテアーゼを用いた方法
(特公昭62-10635)があるが、この方法はトランスグル
コシダーゼによるグルコース転移により発酵性の糖生成
を抑制して通常の酵母で発酵させること、酸性プロテア
ーゼの使用などで本実施例と本質的に異なる。
Claims (3)
- 【請求項1】 米,麦,ヒエ,アワなどの穀類を原料と
して低アルコール飲料を製造する方法であって、デンプ
ン分解酵素剤若しくは該デンプン分解酵素剤及び麹を使
用することでもろみ中の糖組成をマルトース及びマルト
オリゴ糖主体にしてグルコースを少量とし、この少量の
グルコースを酵母により発酵させて低アルコール飲料を
製造することを特徴とする低アルコール飲料の製造方
法。 - 【請求項2】 請求項1記載の低アルコール飲料の製造
方法において、デンプン分解酵素剤として、α−アミラ
ーゼを主とする酵素剤若しくはデンプン枝きり酵素を含
むα−アミラーゼを主とする酵素剤を使用することを特
徴とする低アルコール飲料の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1,2いずれか1項に記載の低ア
ルコール飲料の製造方法において、酵母として、Saccha
romyces cerevisiae(サッカロマイセス セレビシェ)
に属し、主としてグルコースを発酵させ、マルトース及
びマルトオリゴ糖を発酵させる能力が無いか若しくは微
弱な酵母を使用したことを特徴とする低アルコール飲料
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21706399A JP3909383B2 (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | 低アルコール飲料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21706399A JP3909383B2 (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | 低アルコール飲料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001037463A true JP2001037463A (ja) | 2001-02-13 |
JP3909383B2 JP3909383B2 (ja) | 2007-04-25 |
Family
ID=16698261
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21706399A Expired - Lifetime JP3909383B2 (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | 低アルコール飲料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3909383B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003274921A (ja) * | 2002-03-22 | 2003-09-30 | Yoshinogawa Kk | アルコール飲料の製造方法 |
JP2004290015A (ja) * | 2003-03-25 | 2004-10-21 | National Research Inst Of Brewing | 低アルコール清酒の製造法 |
-
1999
- 1999-07-30 JP JP21706399A patent/JP3909383B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003274921A (ja) * | 2002-03-22 | 2003-09-30 | Yoshinogawa Kk | アルコール飲料の製造方法 |
JP2004290015A (ja) * | 2003-03-25 | 2004-10-21 | National Research Inst Of Brewing | 低アルコール清酒の製造法 |
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---|---|
JP3909383B2 (ja) | 2007-04-25 |
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