JP2001034906A - 摺動型薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
摺動型薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法Info
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- JP2001034906A JP2001034906A JP11204466A JP20446699A JP2001034906A JP 2001034906 A JP2001034906 A JP 2001034906A JP 11204466 A JP11204466 A JP 11204466A JP 20446699 A JP20446699 A JP 20446699A JP 2001034906 A JP2001034906 A JP 2001034906A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の摺動型薄膜磁気ヘッドは、テープ対向
面をテープが摺動する際に、保護基板の結晶粒が脱粒し
て、磁気テープに付着し、磁気テープを劣化させるとい
う問題があった。 【解決手段】 基板21上に、MR型薄膜磁気ヘッド2
2、インダクティブヘッド23、および第1の保護膜で
ある絶縁層24が薄膜形成され、アルミナチタンカーバ
イドからなる保護基板25の絶縁層24に対向する面上
に、第2の保護膜である絶縁層26がスパッタ法などの
真空成膜法によって薄膜形成され、さらに、絶縁層24
と絶縁層26とが、接着剤27によって接合されてい
る。
面をテープが摺動する際に、保護基板の結晶粒が脱粒し
て、磁気テープに付着し、磁気テープを劣化させるとい
う問題があった。 【解決手段】 基板21上に、MR型薄膜磁気ヘッド2
2、インダクティブヘッド23、および第1の保護膜で
ある絶縁層24が薄膜形成され、アルミナチタンカーバ
イドからなる保護基板25の絶縁層24に対向する面上
に、第2の保護膜である絶縁層26がスパッタ法などの
真空成膜法によって薄膜形成され、さらに、絶縁層24
と絶縁層26とが、接着剤27によって接合されてい
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープに記録
信号を記録し、再生する映像機器の磁気記録再生装置、
またはコンピュータ用のデータ磁気記録再生装置などを
構成する摺動型薄膜磁気ヘッドに係り、特に磁気テープ
が、磁気ヘッドのテープ対向面を摺動する際に、前記テ
ープ対向面が損傷することを防止することができ、磁気
テープの磁気記録特性を向上させることのできる摺動型
薄膜磁気ヘッドに関する。
信号を記録し、再生する映像機器の磁気記録再生装置、
またはコンピュータ用のデータ磁気記録再生装置などを
構成する摺動型薄膜磁気ヘッドに係り、特に磁気テープ
が、磁気ヘッドのテープ対向面を摺動する際に、前記テ
ープ対向面が損傷することを防止することができ、磁気
テープの磁気記録特性を向上させることのできる摺動型
薄膜磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】映像機器での磁気記録再生装置、または
コンピュータ用のデータを書き込む磁気記録再生装置な
どでは、回転ヘッド装置の回転ドラムに磁気ヘッドが搭
載され、磁気テープが前記回転ドラムにヘリカル軌跡で
接触して走行するとともに前記回転ドラムが回転して、
磁気テープに対してヘリカルスキャン方式で記録動作が
行なわれる。
コンピュータ用のデータを書き込む磁気記録再生装置な
どでは、回転ヘッド装置の回転ドラムに磁気ヘッドが搭
載され、磁気テープが前記回転ドラムにヘリカル軌跡で
接触して走行するとともに前記回転ドラムが回転して、
磁気テープに対してヘリカルスキャン方式で記録動作が
行なわれる。
【0003】図8は従来の磁気ヘッドの一例を示す斜視
図、図9は前記磁気ヘッドが搭載された磁気記録再生装
置の回転ヘッド装置を示す平面図である。
図、図9は前記磁気ヘッドが搭載された磁気記録再生装
置の回転ヘッド装置を示す平面図である。
【0004】図8に示すように、磁気ヘッドH1は、フ
ェライトなどの高透磁率の磁性材料で形成されたコア1
と2を有しており、磁気テープTとのテープ対向面H1
Aにおいて、コア1と2との対向部に磁性材料層が介装
されて磁気ギャップGが形成されている。前記コア1,
2には記録・再生用のコイル3,4が卷かれている。ま
たテープ対向面H1Aにおいてコア1と2の両側部には
V字状のギャップ規制溝5,5が形成され、磁気ギャッ
プGのトラック幅Twが規定されている。なお、このギ
ャップ規制溝5,5内には耐磨耗性の非磁性材料例えば
接合ガラスや、SiO2などが充填されている。
ェライトなどの高透磁率の磁性材料で形成されたコア1
と2を有しており、磁気テープTとのテープ対向面H1
Aにおいて、コア1と2との対向部に磁性材料層が介装
されて磁気ギャップGが形成されている。前記コア1,
2には記録・再生用のコイル3,4が卷かれている。ま
たテープ対向面H1Aにおいてコア1と2の両側部には
V字状のギャップ規制溝5,5が形成され、磁気ギャッ
プGのトラック幅Twが規定されている。なお、このギ
ャップ規制溝5,5内には耐磨耗性の非磁性材料例えば
接合ガラスや、SiO2などが充填されている。
【0005】図9に示す磁気記録再生装置に設けられる
回転ヘッド装置10では、固定ドラム(図示せず)が固
定され、前記固定ドラム上に、これと同軸の回転ドラム
10aが回転自在に支持され、モータの動力により回転
ドラム10aが矢印方向へ回転駆動される。磁気記録媒
体である磁気テープTは、回転ヘッド装置10にヘリカ
ル軌跡にて所定角度巻付けられて矢印方向へ走行する。
この間、回転ドラム10aが回転し、この回転ドラム1
0aに搭載された磁気ヘッドが磁気テープTを走査す
る。図9の回転ヘッド装置では、1組の磁気ヘッドH
1,H1が互いに対向する位置に設けられている。
回転ヘッド装置10では、固定ドラム(図示せず)が固
定され、前記固定ドラム上に、これと同軸の回転ドラム
10aが回転自在に支持され、モータの動力により回転
ドラム10aが矢印方向へ回転駆動される。磁気記録媒
体である磁気テープTは、回転ヘッド装置10にヘリカ
ル軌跡にて所定角度巻付けられて矢印方向へ走行する。
この間、回転ドラム10aが回転し、この回転ドラム1
0aに搭載された磁気ヘッドが磁気テープTを走査す
る。図9の回転ヘッド装置では、1組の磁気ヘッドH
1,H1が互いに対向する位置に設けられている。
【0006】図8に示された磁気ヘッドH1では、コア
1とコア2との対向部が研削加工されることにより、磁
気ギャップGが所定のトラック幅Twで形成されてい
る。
1とコア2との対向部が研削加工されることにより、磁
気ギャップGが所定のトラック幅Twで形成されてい
る。
【0007】近年、映像機器の磁気記録再生装置やコン
ピュータ用のデータ磁気記録再生装置などにおいて、磁
気記録媒体への高記録密度化を実現するためによりトラ
ック幅を狭くする狭トラック化や高周波化が図られてい
る。
ピュータ用のデータ磁気記録再生装置などにおいて、磁
気記録媒体への高記録密度化を実現するためによりトラ
ック幅を狭くする狭トラック化や高周波化が図られてい
る。
【0008】狭トラック化のためには、磁気ギャップの
トラック幅Twを小さくする必要がある。また、狭トラ
ック化を進めるにつれて、磁気ギャップの加工精度を向
上させる必要がある。特に、最近では、トラック幅Tw
が10μm以下のフォーマットも提案されるようになっ
てきている。しかし、図8に示された磁気ヘッドH1で
は、磁気ギャップGを研削加工によって形成しているた
め、狭トラック化を進めていくにつれて、加工精度を向
上させることが困難になってきた。
トラック幅Twを小さくする必要がある。また、狭トラ
ック化を進めるにつれて、磁気ギャップの加工精度を向
上させる必要がある。特に、最近では、トラック幅Tw
が10μm以下のフォーマットも提案されるようになっ
てきている。しかし、図8に示された磁気ヘッドH1で
は、磁気ギャップGを研削加工によって形成しているた
め、狭トラック化を進めていくにつれて、加工精度を向
上させることが困難になってきた。
【0009】そこで、狭トラック化に対応するために、
薄膜形成プロセスによって形成される薄膜磁気ヘッドを
用いることが提案されている。
薄膜形成プロセスによって形成される薄膜磁気ヘッドを
用いることが提案されている。
【0010】図10は摺動型薄膜磁気ヘッドの斜視図で
ある。この、摺動型薄膜磁気ヘッドH2は、アルミナチ
タンカーバイドからなる基板11上に、再生用のMR型
薄膜磁気ヘッド12、記録用のインダクティブヘッド1
3、および保護膜である絶縁層14が薄膜形成プロセス
によって形成され、さらに、絶縁層14上に、エポキシ
系接着剤15によって、アルミナチタンカーバイドから
なる保護基板16が接着されている。
ある。この、摺動型薄膜磁気ヘッドH2は、アルミナチ
タンカーバイドからなる基板11上に、再生用のMR型
薄膜磁気ヘッド12、記録用のインダクティブヘッド1
3、および保護膜である絶縁層14が薄膜形成プロセス
によって形成され、さらに、絶縁層14上に、エポキシ
系接着剤15によって、アルミナチタンカーバイドから
なる保護基板16が接着されている。
【0011】MR型薄膜磁気ヘッド12の磁気ギャップ
およびインダクティブヘッド13の磁気ギャップは、摺
動型薄膜磁気ヘッドH2のテープ対向面H2Aに露出し
ている。MR型薄膜磁気ヘッド12とインダクティブヘ
ッド13に流される電流は、電極17を通じて与えられ
る。
およびインダクティブヘッド13の磁気ギャップは、摺
動型薄膜磁気ヘッドH2のテープ対向面H2Aに露出し
ている。MR型薄膜磁気ヘッド12とインダクティブヘ
ッド13に流される電流は、電極17を通じて与えられ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図11は、図10の摺
動型薄膜磁気ヘッドH2のMR型薄膜磁気ヘッド12お
よびインダクティブヘッド13周辺の拡大部分正面図で
ある。
動型薄膜磁気ヘッドH2のMR型薄膜磁気ヘッド12お
よびインダクティブヘッド13周辺の拡大部分正面図で
ある。
【0013】再生用のMR型薄膜磁気ヘッド12は、ア
ルミナチタンカーバイドからなる基板11に、下地層で
ある絶縁層12aを介して、下部シールド層12b、下
部ギャップ層12c、MR素子層12d、ハードバイア
ス層12e、電極層12f、上部ギャップ層12gおよ
び、上部シールド層12hが積層されて形成されてい
る。
ルミナチタンカーバイドからなる基板11に、下地層で
ある絶縁層12aを介して、下部シールド層12b、下
部ギャップ層12c、MR素子層12d、ハードバイア
ス層12e、電極層12f、上部ギャップ層12gおよ
び、上部シールド層12hが積層されて形成されてい
る。
【0014】再生用のMR型薄膜磁気ヘッド12の上に
設けられる記録用のインダクティブヘッド13は、上部
シールド層と兼用の下部コア層13a上に、絶縁層13
b、コイル層13c、および上部コア層13dが積層さ
れて形成されている。
設けられる記録用のインダクティブヘッド13は、上部
シールド層と兼用の下部コア層13a上に、絶縁層13
b、コイル層13c、および上部コア層13dが積層さ
れて形成されている。
【0015】さらに、インダクティブヘッド13上に絶
縁層14が積層され、絶縁層14上に、エポキシ樹脂系
接着剤15によって、アルミナチタンカーバイドからな
る保護基板16が接着されている。なお、絶縁層14
は、Al2O3またはSiO2によって形成されている。
縁層14が積層され、絶縁層14上に、エポキシ樹脂系
接着剤15によって、アルミナチタンカーバイドからな
る保護基板16が接着されている。なお、絶縁層14
は、Al2O3またはSiO2によって形成されている。
【0016】保護基板16は、摺動型薄膜磁気ヘッドH
2のテープ対向面H2A上を磁気テープが走行するとき
に、MR型薄膜磁気ヘッド12やインダクティブヘッド
13が過剰に摩耗することや、破損することを防止する
目的で形成されている。
2のテープ対向面H2A上を磁気テープが走行するとき
に、MR型薄膜磁気ヘッド12やインダクティブヘッド
13が過剰に摩耗することや、破損することを防止する
目的で形成されている。
【0017】アルミナチタンカーバイドは、アルミナ
(Al2O3)中にチタンカーバイドの結晶粒を含有して
いる非磁性材料である。アルミナチタンカーバイドは、
硬い材質であるので、保護基板16の材料として適して
いるが、チタンカーバイドの結晶粒が脱粒しやすいとい
う特性を有している。
(Al2O3)中にチタンカーバイドの結晶粒を含有して
いる非磁性材料である。アルミナチタンカーバイドは、
硬い材質であるので、保護基板16の材料として適して
いるが、チタンカーバイドの結晶粒が脱粒しやすいとい
う特性を有している。
【0018】磁気テープは、摺動型薄膜磁気ヘッドH2
のテープ対向面H2A上を、例えば9.0m/sのテー
プ走行速度で、図10の矢印方向に走行する。この時、
保護基板16が、アルミナチタンカーバイドなどの結晶
粒を含有する非磁性材料によって形成されていると、保
護基板16からチタンカーバイドなどの結晶粒が脱粒す
るという問題が生じていた。
のテープ対向面H2A上を、例えば9.0m/sのテー
プ走行速度で、図10の矢印方向に走行する。この時、
保護基板16が、アルミナチタンカーバイドなどの結晶
粒を含有する非磁性材料によって形成されていると、保
護基板16からチタンカーバイドなどの結晶粒が脱粒す
るという問題が生じていた。
【0019】このような脱粒が生じると、脱粒したチタ
ンカーバイドなどの結晶粒が、磁気テープに付着し、磁
気テープを劣化させる。結果として、磁気記録再生装置
の記録再生特性が大きく劣化するという問題を生じさせ
ていた。
ンカーバイドなどの結晶粒が、磁気テープに付着し、磁
気テープを劣化させる。結果として、磁気記録再生装置
の記録再生特性が大きく劣化するという問題を生じさせ
ていた。
【0020】また、保護基板16が、結晶粒を含む磁性
材料で形成された場合も同様の問題が生じる。
材料で形成された場合も同様の問題が生じる。
【0021】本発明は、上記従来の課題を解決するため
のものであり、摺動型薄膜磁気ヘッドのテープ対向面を
磁気テープが走行する際に、保護基板の脱粒が生じるこ
とを防止することにより、記録再生特性を向上させるこ
とができる摺動型薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を
提供することを目的とする。
のものであり、摺動型薄膜磁気ヘッドのテープ対向面を
磁気テープが走行する際に、保護基板の脱粒が生じるこ
とを防止することにより、記録再生特性を向上させるこ
とができる摺動型薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性材料また
は非磁性材料によって形成された基板上に、絶縁性材料
からなる下地層、薄膜磁気ヘッド、結晶粒を含まない絶
縁性材料からなる保護膜、および結晶粒を含む磁性材料
または非磁性材料によって形成された保護基板を有し、
前記薄膜磁気ヘッドの磁気ギャップが、前記磁気ヘッド
のテープ対向面に露出されている摺動型薄膜磁気ヘッド
において、前記保護膜は、第1の保護膜と第2の保護膜
とを有し、前記第1の保護膜は、前記基板上に積層され
た薄膜磁気ヘッド上に真空成膜法によって薄膜形成され
たものであり、前記第2の保護膜は、前記保護基板に真
空成膜法によって薄膜形成されたものであり、かつ前記
第1の保護膜および前記第2の保護膜が、接着剤によっ
て接合されていることを特徴とするものである。
は非磁性材料によって形成された基板上に、絶縁性材料
からなる下地層、薄膜磁気ヘッド、結晶粒を含まない絶
縁性材料からなる保護膜、および結晶粒を含む磁性材料
または非磁性材料によって形成された保護基板を有し、
前記薄膜磁気ヘッドの磁気ギャップが、前記磁気ヘッド
のテープ対向面に露出されている摺動型薄膜磁気ヘッド
において、前記保護膜は、第1の保護膜と第2の保護膜
とを有し、前記第1の保護膜は、前記基板上に積層され
た薄膜磁気ヘッド上に真空成膜法によって薄膜形成され
たものであり、前記第2の保護膜は、前記保護基板に真
空成膜法によって薄膜形成されたものであり、かつ前記
第1の保護膜および前記第2の保護膜が、接着剤によっ
て接合されていることを特徴とするものである。
【0023】本発明の摺動型薄膜磁気ヘッドでは、前記
保護基板の1端面上に、前記第2の保護膜が、スパッタ
法などの真空成膜法によって薄膜形成され、この第2の
保護膜と、前記基板上に積層された薄膜磁気ヘッド上に
形成されている前記第1の保護膜とが接着剤によって接
合される構造になっている。
保護基板の1端面上に、前記第2の保護膜が、スパッタ
法などの真空成膜法によって薄膜形成され、この第2の
保護膜と、前記基板上に積層された薄膜磁気ヘッド上に
形成されている前記第1の保護膜とが接着剤によって接
合される構造になっている。
【0024】スパッタ法などの真空成膜法によって薄膜
形成された前記第2の保護膜の前記保護基板に対する接
合力は、前記第2の保護膜と前記保護基板を接着剤によ
って接合したときの接合力よりも強い。
形成された前記第2の保護膜の前記保護基板に対する接
合力は、前記第2の保護膜と前記保護基板を接着剤によ
って接合したときの接合力よりも強い。
【0025】接着剤による接合では、前記保護基板と前
記第2の保護膜の間に介在する接着剤が、前記保護基板
の表面および前記第2の保護膜の表面に存在する凹凸部
に入り込み、主に接着剤を構成する分子と前記保護基板
および前記第2の保護膜を構成する分子間に分子間力
(ファン・デル・ワールス力)が働くことによって、接
合力が発生する。
記第2の保護膜の間に介在する接着剤が、前記保護基板
の表面および前記第2の保護膜の表面に存在する凹凸部
に入り込み、主に接着剤を構成する分子と前記保護基板
および前記第2の保護膜を構成する分子間に分子間力
(ファン・デル・ワールス力)が働くことによって、接
合力が発生する。
【0026】一方、スパッタ法では、一定の水準以上の
エネルギー、例えば、10eV以上のエネルギーをもっ
た前記第2の保護膜の材料原子が、前記保護基板上に打
ち込まれる。このとき、前記第2の保護膜の材料原子と
前記保護基板の構成原子とを共有結合させることができ
る。したがって、前記保護基板と前記第2の保護膜の接
合力が強力になる。
エネルギー、例えば、10eV以上のエネルギーをもっ
た前記第2の保護膜の材料原子が、前記保護基板上に打
ち込まれる。このとき、前記第2の保護膜の材料原子と
前記保護基板の構成原子とを共有結合させることができ
る。したがって、前記保護基板と前記第2の保護膜の接
合力が強力になる。
【0027】従って、前記保護基板が、結晶粒を含む材
料によって形成されていても、結晶粒が、脱粒するとい
う問題を防止できる。
料によって形成されていても、結晶粒が、脱粒するとい
う問題を防止できる。
【0028】なお、本発明では、前記基板上に薄膜形成
された第1の保護膜と、保護基板上に薄膜形成された第
2の保護膜を、接着剤によって接合しているが、本発明
では第1の保護膜と第2の保護膜は、Al2O3など結晶
粒を含まない絶縁性材料で形成されている。したがっ
て、第1の保護膜と、保護基板上に薄膜形成された第2
の保護膜を、接着剤によって接合しても、第2の保護膜
が脱粒するという問題は生じない。
された第1の保護膜と、保護基板上に薄膜形成された第
2の保護膜を、接着剤によって接合しているが、本発明
では第1の保護膜と第2の保護膜は、Al2O3など結晶
粒を含まない絶縁性材料で形成されている。したがっ
て、第1の保護膜と、保護基板上に薄膜形成された第2
の保護膜を、接着剤によって接合しても、第2の保護膜
が脱粒するという問題は生じない。
【0029】本発明では、前記薄膜磁気ヘッドが、再生
用のMR型薄膜磁気ヘッドであってもよいし、再生用の
MR型薄膜磁気ヘッドと記録用のインダクティブ磁気ヘ
ッドの複合型薄膜磁気ヘッドであってもよい。
用のMR型薄膜磁気ヘッドであってもよいし、再生用の
MR型薄膜磁気ヘッドと記録用のインダクティブ磁気ヘ
ッドの複合型薄膜磁気ヘッドであってもよい。
【0030】再生用のMR型薄膜磁気ヘッドの上層に、
記録用のインダクティブヘッドが積層された複合型薄膜
磁気ヘッドであれば、一つの磁気ヘッドによって、記録
および再生を行うことができる。また、前記インダクテ
ィブヘッドは、レジストフォトリソグラフィーなどの薄
膜形成プロセスによって形成されるので、磁気ギャップ
の加工精度を向上させることが容易であり、狭トラック
化が容易になる。ただし、インダクティブヘッドが発生
させる磁界の強さは、従来、磁気テープに信号を記録す
るためによく用いられてきた、磁性材料のコアと、この
コアに巻かれた銅線等からなるバルク型磁気ヘッドが発
生させる磁界の強さよりも弱い。したがって、インダク
ティブヘッドを、磁気テープに記録信号を記録するため
の磁気ヘッドとして用いる場合には、磁気テープのテー
プ厚を薄くするなどして、磁気テープ側の記録感度を高
める必要がある。
記録用のインダクティブヘッドが積層された複合型薄膜
磁気ヘッドであれば、一つの磁気ヘッドによって、記録
および再生を行うことができる。また、前記インダクテ
ィブヘッドは、レジストフォトリソグラフィーなどの薄
膜形成プロセスによって形成されるので、磁気ギャップ
の加工精度を向上させることが容易であり、狭トラック
化が容易になる。ただし、インダクティブヘッドが発生
させる磁界の強さは、従来、磁気テープに信号を記録す
るためによく用いられてきた、磁性材料のコアと、この
コアに巻かれた銅線等からなるバルク型磁気ヘッドが発
生させる磁界の強さよりも弱い。したがって、インダク
ティブヘッドを、磁気テープに記録信号を記録するため
の磁気ヘッドとして用いる場合には、磁気テープのテー
プ厚を薄くするなどして、磁気テープ側の記録感度を高
める必要がある。
【0031】前記保護基板を形成する非磁性材料には、
例えば、アルミナチタンカーバイド、チタンカルシウ
ム、カルシウムフェライトなどがある。
例えば、アルミナチタンカーバイド、チタンカルシウ
ム、カルシウムフェライトなどがある。
【0032】前記保護基板は、摺動型薄膜磁気ヘッドの
テープ対向面上を磁気テープが走行するときに、MR型
薄膜磁気ヘッドやインダクティブヘッドが過剰に摩耗す
ることや、破損することを防止する目的で形成されてい
る。
テープ対向面上を磁気テープが走行するときに、MR型
薄膜磁気ヘッドやインダクティブヘッドが過剰に摩耗す
ることや、破損することを防止する目的で形成されてい
る。
【0033】上述した非磁性材料は、硬い材質であるの
で、前記保護基板を形成する材料として適している。
で、前記保護基板を形成する材料として適している。
【0034】また、前記第1の保護膜および前記第2の
保護膜を形成する結晶粒を含まない絶縁性材料には、例
えば、Al2O3またはSiO2がある。
保護膜を形成する結晶粒を含まない絶縁性材料には、例
えば、Al2O3またはSiO2がある。
【0035】また、前記接着剤は、エポキシ系接着剤ま
たは低融点ガラス系接着剤であることが好ましい。
たは低融点ガラス系接着剤であることが好ましい。
【0036】図8に示されるような、従来の磁気ヘッド
の製造には、高融点ガラス系接着剤が用いられてきた。
しかし、高融点ガラス系接着剤は、接合時に約800℃
の温度で加熱することが必要になる。ところが、800
℃もの高温に曝されると、本発明を構成するMR型薄膜
磁気ヘッドの特性が劣化してしまう。したがって、本発
明においては、接着工程をMR型薄膜磁気ヘッドの特性
が劣化しない300℃以下で行うことのできるエポキシ
系接着剤または低融点ガラス系接着剤によって、前記第
1の保護膜と前記第2の保護膜が接合されていることが
好ましい。
の製造には、高融点ガラス系接着剤が用いられてきた。
しかし、高融点ガラス系接着剤は、接合時に約800℃
の温度で加熱することが必要になる。ところが、800
℃もの高温に曝されると、本発明を構成するMR型薄膜
磁気ヘッドの特性が劣化してしまう。したがって、本発
明においては、接着工程をMR型薄膜磁気ヘッドの特性
が劣化しない300℃以下で行うことのできるエポキシ
系接着剤または低融点ガラス系接着剤によって、前記第
1の保護膜と前記第2の保護膜が接合されていることが
好ましい。
【0037】また、本発明の摺動型薄膜磁気ヘッドの製
造方法は、(a) 磁性材料または非磁性材料によって
形成された基板上に、絶縁性材料からなる下地層を薄膜
形成する工程と、(b) 前記下地層上に、薄膜磁気ヘ
ッドを薄膜形成する工程と、(c) 前記薄膜磁気ヘッ
ド上に、結晶粒を含まない絶縁性材料からなる第1の保
護膜を、スパッタ法などの真空成膜法によって薄膜形成
する工程と、(d) 結晶粒を含む磁性材料または非磁
性材料によって形成された前記保護基板上に、結晶粒を
含まない絶縁性材料からなる第2の保護膜を、スパッタ
法などの真空成膜法によって、薄膜形成する工程と、
(e) 前記第1の保護膜が形成された基板と、前記第
2の保護膜が形成された保護基板を、前記第1の保護膜
と前記第2の保護膜とを対向させて接着する工程と、を
有することを特徴とするものである。
造方法は、(a) 磁性材料または非磁性材料によって
形成された基板上に、絶縁性材料からなる下地層を薄膜
形成する工程と、(b) 前記下地層上に、薄膜磁気ヘ
ッドを薄膜形成する工程と、(c) 前記薄膜磁気ヘッ
ド上に、結晶粒を含まない絶縁性材料からなる第1の保
護膜を、スパッタ法などの真空成膜法によって薄膜形成
する工程と、(d) 結晶粒を含む磁性材料または非磁
性材料によって形成された前記保護基板上に、結晶粒を
含まない絶縁性材料からなる第2の保護膜を、スパッタ
法などの真空成膜法によって、薄膜形成する工程と、
(e) 前記第1の保護膜が形成された基板と、前記第
2の保護膜が形成された保護基板を、前記第1の保護膜
と前記第2の保護膜とを対向させて接着する工程と、を
有することを特徴とするものである。
【0038】なお、本発明の摺動型薄膜磁気ヘッドの製
造方法においては、一枚の基板上に複数の薄膜磁気ヘッ
ドを形成し、さらに第1の保護膜を積層した後に、この
基板を切断してスライダバーにし、第2の保護膜が形成
された保護基板を切断して形成したスライダバーと接着
してから、個々の摺動型薄膜磁気ヘッドに分離してもよ
い。
造方法においては、一枚の基板上に複数の薄膜磁気ヘッ
ドを形成し、さらに第1の保護膜を積層した後に、この
基板を切断してスライダバーにし、第2の保護膜が形成
された保護基板を切断して形成したスライダバーと接着
してから、個々の摺動型薄膜磁気ヘッドに分離してもよ
い。
【0039】または、第1の保護膜に覆われた複数のM
R型磁気ヘッドおよびインダクティブヘッドが形成され
ているスライダバーを切断して、個々のMR型磁気ヘッ
ドおよびインダクティブヘッドに分離した後に、第2の
保護膜が形成された保護基板と接着してもよい。
R型磁気ヘッドおよびインダクティブヘッドが形成され
ているスライダバーを切断して、個々のMR型磁気ヘッ
ドおよびインダクティブヘッドに分離した後に、第2の
保護膜が形成された保護基板と接着してもよい。
【0040】なお、前記(b)の工程において形成され
る前記薄膜磁気ヘッドとして、再生用のMR型薄膜磁気
ヘッドのみを形成してもよいし、再生用のMR型薄膜磁
気ヘッドの上層に、記録用のインダクティブ磁気ヘッド
が積層された複合型薄膜磁気ヘッドを形成してもよい。
る前記薄膜磁気ヘッドとして、再生用のMR型薄膜磁気
ヘッドのみを形成してもよいし、再生用のMR型薄膜磁
気ヘッドの上層に、記録用のインダクティブ磁気ヘッド
が積層された複合型薄膜磁気ヘッドを形成してもよい。
【0041】また、前記(d)の工程において用いられ
る前記保護基板は、例えば、アルミナチタンカーバイ
ド、チタンカルシウム、カルシウムフェライトなどの硬
い材質の非磁性材料を用いて形成されていることが好ま
しい。
る前記保護基板は、例えば、アルミナチタンカーバイ
ド、チタンカルシウム、カルシウムフェライトなどの硬
い材質の非磁性材料を用いて形成されていることが好ま
しい。
【0042】また、前記(c)および前記(d)の工程
において用いられる前記第1の保護膜および前記第2の
保護膜を形成する結晶粒を含まない絶縁性材料には、例
えば、Al2O3またはSiO2がある。
において用いられる前記第1の保護膜および前記第2の
保護膜を形成する結晶粒を含まない絶縁性材料には、例
えば、Al2O3またはSiO2がある。
【0043】なお、前記(e)の工程において、前記第
1の保護膜が形成されている基板と、前記第2の保護膜
が形成されている基板を、前記第1の保護膜と前記第2
の保護膜とを、エポキシ系接着剤または低融点ガラス系
接着剤によって接着することにより接合することが好ま
しい。
1の保護膜が形成されている基板と、前記第2の保護膜
が形成されている基板を、前記第1の保護膜と前記第2
の保護膜とを、エポキシ系接着剤または低融点ガラス系
接着剤によって接着することにより接合することが好ま
しい。
【0044】エポキシ系接着剤または低融点ガラス系接
着剤は、接着工程をMR型薄膜磁気ヘッドの特性が劣化
しない300℃以下で行うことができるので、本発明を
構成するMR型薄膜素子の特性を劣化させることがな
い。
着剤は、接着工程をMR型薄膜磁気ヘッドの特性が劣化
しない300℃以下で行うことができるので、本発明を
構成するMR型薄膜素子の特性を劣化させることがな
い。
【0045】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態を示
す摺動型薄膜磁気ヘッドの斜視図である。
す摺動型薄膜磁気ヘッドの斜視図である。
【0046】この、摺動型薄膜磁気ヘッドH3は、アル
ミナチタンカーバイドからなる基板21上に、Al2O3
やSiO2などの絶縁性材料からなる下地層を介して、
再生用のMR型薄膜磁気ヘッド22、記録用のインダク
ティブヘッド23、および第1の保護膜であるAl2O3
からなる絶縁層24が薄膜形成プロセスによって形成さ
れている。また、アルミナチタンカーバイドからなる保
護基板25の絶縁層24に対向する面上に、第2の保護
膜であるAl2O3からなる絶縁層26が、スパッタ法に
よって薄膜形成され、さらに、絶縁層24と絶縁層26
とが、接着剤27によって接着されている。
ミナチタンカーバイドからなる基板21上に、Al2O3
やSiO2などの絶縁性材料からなる下地層を介して、
再生用のMR型薄膜磁気ヘッド22、記録用のインダク
ティブヘッド23、および第1の保護膜であるAl2O3
からなる絶縁層24が薄膜形成プロセスによって形成さ
れている。また、アルミナチタンカーバイドからなる保
護基板25の絶縁層24に対向する面上に、第2の保護
膜であるAl2O3からなる絶縁層26が、スパッタ法に
よって薄膜形成され、さらに、絶縁層24と絶縁層26
とが、接着剤27によって接着されている。
【0047】MR型薄膜磁気ヘッド22の磁気ギャップ
およびインダクティブヘッド23の磁気ギャップは、摺
動型薄膜磁気ヘッドH3のテープ対向面H3Aに露出し
ている。MR型薄膜磁気ヘッド22とインダクティブヘ
ッド23に流される電流は、電極28を通じて与えられ
る。
およびインダクティブヘッド23の磁気ギャップは、摺
動型薄膜磁気ヘッドH3のテープ対向面H3Aに露出し
ている。MR型薄膜磁気ヘッド22とインダクティブヘ
ッド23に流される電流は、電極28を通じて与えられ
る。
【0048】図2は、図1の摺動型薄膜磁気ヘッドのM
R型薄膜磁気ヘッド22およびインダクティブヘッド2
3周辺の拡大部分正面図である。
R型薄膜磁気ヘッド22およびインダクティブヘッド2
3周辺の拡大部分正面図である。
【0049】再生用のMR型薄膜磁気ヘッド22は、ア
ルミナチタンカーバイドからなる基板21に、薄膜形成
プロセスによって、下地層である絶縁層22aを介し
て、下部シールド層22b、下部ギャップ層22c、M
R素子層22d、ハードバイアス層22e、電極層22
f、上部ギャップ層22gおよび、上部シールド層22
hが積層されて形成されている。
ルミナチタンカーバイドからなる基板21に、薄膜形成
プロセスによって、下地層である絶縁層22aを介し
て、下部シールド層22b、下部ギャップ層22c、M
R素子層22d、ハードバイアス層22e、電極層22
f、上部ギャップ層22gおよび、上部シールド層22
hが積層されて形成されている。
【0050】MR型薄膜磁気ヘッド22上に設けられる
記録用のインダクティブヘッド23は、MR型薄膜磁気
ヘッド22と同様に薄膜形成プロセスによって、上部シ
ールド層と兼用の下部コア層23a上に、ギャップ層2
3b、コイル層23c、および上部コア層23dが積層
されて形成されている。
記録用のインダクティブヘッド23は、MR型薄膜磁気
ヘッド22と同様に薄膜形成プロセスによって、上部シ
ールド層と兼用の下部コア層23a上に、ギャップ層2
3b、コイル層23c、および上部コア層23dが積層
されて形成されている。
【0051】絶縁層22a、下部ギャップ層22c、上
部ギャップ層22g、ギャップ層23bは、Al2O3に
よって形成されている。また、下部シールド層22b、
上部シールド層22h(下部コア層23a)、上部コア
層23dは、パーマロイなどの軟磁性材料によってメッ
キ形成されている。電極層22f、コイル層23cは、
Cuなどの導電性材料によって形成されている。ハード
バイアス層22eは、PtCoなどの硬磁性材料によっ
て形成されている。
部ギャップ層22g、ギャップ層23bは、Al2O3に
よって形成されている。また、下部シールド層22b、
上部シールド層22h(下部コア層23a)、上部コア
層23dは、パーマロイなどの軟磁性材料によってメッ
キ形成されている。電極層22f、コイル層23cは、
Cuなどの導電性材料によって形成されている。ハード
バイアス層22eは、PtCoなどの硬磁性材料によっ
て形成されている。
【0052】さらに、インダクティブヘッド23上に、
第1の保護膜である絶縁層24が積層されている。
第1の保護膜である絶縁層24が積層されている。
【0053】また、アルミナチタンカーバイドからなる
保護基板25の絶縁層24に対向する面上に、第2の保
護膜である絶縁層26が、スパッタ法により薄膜形成さ
れ、さらに、絶縁層24と絶縁層26とが、接着剤27
によって接合されている。なお、絶縁層24および絶縁
層26は、Al2O3によって形成されている。
保護基板25の絶縁層24に対向する面上に、第2の保
護膜である絶縁層26が、スパッタ法により薄膜形成さ
れ、さらに、絶縁層24と絶縁層26とが、接着剤27
によって接合されている。なお、絶縁層24および絶縁
層26は、Al2O3によって形成されている。
【0054】図1および図2に示された本発明の実施の
形態を示す摺動型薄膜磁気ヘッドは、図3に示されるよ
うな、回転ヘッド装置に設置することができる。
形態を示す摺動型薄膜磁気ヘッドは、図3に示されるよ
うな、回転ヘッド装置に設置することができる。
【0055】図3に示す磁気記録再生装置に設けられる
回転ヘッド装置30では、固定ドラム(図示せず)が固
定され、前記固定ドラム上に、これと同軸の回転ドラム
30aが回転自在に支持され、モータの動力により回転
ドラム30aが矢印方向へ回転駆動される。磁気記録媒
体である磁気テープTは、回転ヘッド装置30にヘリカ
ル軌跡にて所定角度巻付けられて矢印方向へ走行する。
この間、回転ドラム30aが回転し、この回転ドラム3
0aに搭載された摺動型薄膜磁気ヘッドH3が磁気テー
プTを走査する。
回転ヘッド装置30では、固定ドラム(図示せず)が固
定され、前記固定ドラム上に、これと同軸の回転ドラム
30aが回転自在に支持され、モータの動力により回転
ドラム30aが矢印方向へ回転駆動される。磁気記録媒
体である磁気テープTは、回転ヘッド装置30にヘリカ
ル軌跡にて所定角度巻付けられて矢印方向へ走行する。
この間、回転ドラム30aが回転し、この回転ドラム3
0aに搭載された摺動型薄膜磁気ヘッドH3が磁気テー
プTを走査する。
【0056】図3では、一組の摺動型薄膜磁気ヘッドH
3を、回転ドラム30a上に、互いに対向する位置に設
置しているが、3個以上の摺動型薄膜磁気ヘッドH3を
設置してもよい。
3を、回転ドラム30a上に、互いに対向する位置に設
置しているが、3個以上の摺動型薄膜磁気ヘッドH3を
設置してもよい。
【0057】また、磁気テープは、図1の矢印方向、す
なわち基板21から保護基板25に向かう方向に走行す
る。磁気テープTの走行速度は、例えば、9.0m/s
である。
なわち基板21から保護基板25に向かう方向に走行す
る。磁気テープTの走行速度は、例えば、9.0m/s
である。
【0058】本実施の形態において、保護基板25を形
成するために用いられるアルミナチタンカーバイドは、
アルミナ(Al2O3)中に、チタンカーバイドの結晶粒
を含有している非磁性材料である。
成するために用いられるアルミナチタンカーバイドは、
アルミナ(Al2O3)中に、チタンカーバイドの結晶粒
を含有している非磁性材料である。
【0059】保護基板25は、摺動型薄膜磁気ヘッドH
3のテープ対向面H3A上を磁気テープが走行するとき
に、MR型薄膜磁気ヘッド22やインダクティブヘッド
23が過剰に摩耗することや、破損することを防止する
目的で形成されている。
3のテープ対向面H3A上を磁気テープが走行するとき
に、MR型薄膜磁気ヘッド22やインダクティブヘッド
23が過剰に摩耗することや、破損することを防止する
目的で形成されている。
【0060】アルミナチタンカーバイドは、硬い材質で
あるので、保護基板25を形成する材料として適してい
る。
あるので、保護基板25を形成する材料として適してい
る。
【0061】本実施の形態では、保護基板25の絶縁層
24に対向する面上に、絶縁層26が、スパッタ法によ
って、薄膜形成されている。スパッタ法によって薄膜形
成された絶縁層26の保護基板25に対する接合力は、
絶縁層26と保護基板25を接着剤によって接合したと
きの接合力よりも強い。
24に対向する面上に、絶縁層26が、スパッタ法によ
って、薄膜形成されている。スパッタ法によって薄膜形
成された絶縁層26の保護基板25に対する接合力は、
絶縁層26と保護基板25を接着剤によって接合したと
きの接合力よりも強い。
【0062】接着剤による接合では、保護基板25と絶
縁層26の間に介在する接着剤が、保護基板25の表面
および絶縁層26の表面に存在する凹凸部に入り込み、
主に接着剤を構成する分子と保護基板25および絶縁層
26を構成する分子間に分子間力(ファン・デル・ワー
ルス力)が働くことによって、接合力が発生する。
縁層26の間に介在する接着剤が、保護基板25の表面
および絶縁層26の表面に存在する凹凸部に入り込み、
主に接着剤を構成する分子と保護基板25および絶縁層
26を構成する分子間に分子間力(ファン・デル・ワー
ルス力)が働くことによって、接合力が発生する。
【0063】一方、スパッタ法では、一定の水準以上の
エネルギー、例えば、10eV以上のエネルギーをもっ
た絶縁層26の材料原子である、Al2O3が、保護基板
25上に打ち込まれる。このとき、絶縁層26の材料原
子と保護基板25の構成原子とを共有結合させることが
できる。したがって、保護基板25と絶縁層26の接合
力が強力になる。
エネルギー、例えば、10eV以上のエネルギーをもっ
た絶縁層26の材料原子である、Al2O3が、保護基板
25上に打ち込まれる。このとき、絶縁層26の材料原
子と保護基板25の構成原子とを共有結合させることが
できる。したがって、保護基板25と絶縁層26の接合
力が強力になる。
【0064】従って、本実施の形態では、磁気テープ
が、摺動型磁気ヘッドH3のテープ対向面H3A上を走
行する時、絶縁層26と保護基板25の接合面におい
て、保護基板25の一部、例えば結晶粒などが、脱落す
るという問題を防止できる。
が、摺動型磁気ヘッドH3のテープ対向面H3A上を走
行する時、絶縁層26と保護基板25の接合面におい
て、保護基板25の一部、例えば結晶粒などが、脱落す
るという問題を防止できる。
【0065】なお、基板21上に薄膜形成された絶縁層
24と、保護基板25上に薄膜形成された絶縁層26
を、接着剤27によって接合しているが、絶縁層24と
絶縁層26は、Al2O3によって形成されているので結
晶粒を含まない。したがって、絶縁層24と絶縁層26
を、接着剤によって接合しても、脱粒は生じない。
24と、保護基板25上に薄膜形成された絶縁層26
を、接着剤27によって接合しているが、絶縁層24と
絶縁層26は、Al2O3によって形成されているので結
晶粒を含まない。したがって、絶縁層24と絶縁層26
を、接着剤によって接合しても、脱粒は生じない。
【0066】保護基板25を形成する材料には、アルミ
ナチタンカーバイドのほか、チタンカルシウム、カルシ
ウムフェライトなどの硬い材質の非磁性材料を用いても
よい。また、保護基板25を形成する材料に、磁性材料
を用いてもよい。
ナチタンカーバイドのほか、チタンカルシウム、カルシ
ウムフェライトなどの硬い材質の非磁性材料を用いても
よい。また、保護基板25を形成する材料に、磁性材料
を用いてもよい。
【0067】また、接着剤27には、MR型薄膜磁気ヘ
ッド22の特性を劣化させないように300℃以下で接
着工程を行うことのできるエポキシ系接着剤や低融点ガ
ラス系接着剤などを用いることが好ましい。
ッド22の特性を劣化させないように300℃以下で接
着工程を行うことのできるエポキシ系接着剤や低融点ガ
ラス系接着剤などを用いることが好ましい。
【0068】また、絶縁層22a、下部ギャップ層22
c、上部ギャップ層22g、ギャップ層23b、絶縁層
24、および絶縁層26は、SiO2によって形成され
てもよい。
c、上部ギャップ層22g、ギャップ層23b、絶縁層
24、および絶縁層26は、SiO2によって形成され
てもよい。
【0069】なお、下部シールド層22bと上部シール
ド層22hに挟まれた記録媒体との対向部になる部分
が、MR型薄膜磁気ヘッド22の磁気ギャップGaとな
る。また、下部コア層23aと上部コア層23dに挟ま
れた記録媒体との対向部になるギャップ層23bの部分
が、インダクティブヘッド23の磁気ギャップGbとな
る。
ド層22hに挟まれた記録媒体との対向部になる部分
が、MR型薄膜磁気ヘッド22の磁気ギャップGaとな
る。また、下部コア層23aと上部コア層23dに挟ま
れた記録媒体との対向部になるギャップ層23bの部分
が、インダクティブヘッド23の磁気ギャップGbとな
る。
【0070】本実施の形態では、MR型薄膜磁気ヘッド
22の磁気ギャップGaとインダクティブヘッド23の
磁気ギャップGbが、摺動型薄膜磁気ヘッドH3のテー
プ対向面H3Aに露出している。
22の磁気ギャップGaとインダクティブヘッド23の
磁気ギャップGbが、摺動型薄膜磁気ヘッドH3のテー
プ対向面H3Aに露出している。
【0071】なお、MR型薄膜磁気ヘッド22のトラッ
ク幅Tw1は、上部ギャップ層22gと接するMR素子
層22dの上面の幅である。また、インダクティブヘッ
ド23のトラック幅Tw2は、上部コア層23dの幅と
等しい。本実施の形態では、Tw1=Tw2である。
ク幅Tw1は、上部ギャップ層22gと接するMR素子
層22dの上面の幅である。また、インダクティブヘッ
ド23のトラック幅Tw2は、上部コア層23dの幅と
等しい。本実施の形態では、Tw1=Tw2である。
【0072】図4から図7は、本発明の摺動型薄膜磁気
ヘッドの製造方法を示す斜視図である。
ヘッドの製造方法を示す斜視図である。
【0073】まず、アルミナチタンカーバイドからなる
基板21上に、Al2O3やSiO2などの絶縁性材料か
らなる下地層をスパッタ法により薄膜形成する。次に、
この下地層上に、MR型薄膜磁気ヘッドとインダクティ
ブヘッドを順次薄膜形成する。インダクティブヘッドが
形成された後に、Al2O3からなる第1の保護膜である
絶縁層24を、スパッタ法によって薄膜形成する。図4
は、MR型薄膜磁気ヘッド(図示せず)とインダクティ
ブヘッド23上に、絶縁層24が積層された様子を示し
ている。なお、MR型薄膜磁気ヘッドおよびインダクテ
ィブヘッドを形成するときに、Cuなどの導電性材料の
メッキによって電極28も形成する。
基板21上に、Al2O3やSiO2などの絶縁性材料か
らなる下地層をスパッタ法により薄膜形成する。次に、
この下地層上に、MR型薄膜磁気ヘッドとインダクティ
ブヘッドを順次薄膜形成する。インダクティブヘッドが
形成された後に、Al2O3からなる第1の保護膜である
絶縁層24を、スパッタ法によって薄膜形成する。図4
は、MR型薄膜磁気ヘッド(図示せず)とインダクティ
ブヘッド23上に、絶縁層24が積層された様子を示し
ている。なお、MR型薄膜磁気ヘッドおよびインダクテ
ィブヘッドを形成するときに、Cuなどの導電性材料の
メッキによって電極28も形成する。
【0074】図4では、MR型薄膜磁気ヘッド(図示せ
ず)、インダクティブヘッド23、および電極28が一
定の間隔をおいて基板上一面に形成されている(図4に
はそのうち一部のみ図示している)。
ず)、インダクティブヘッド23、および電極28が一
定の間隔をおいて基板上一面に形成されている(図4に
はそのうち一部のみ図示している)。
【0075】円形状の基板21は点線で切断され図5の
ようにスライダバーになる。一方、図6に示すように、
アルミナチタンカーバイドからなる保護基板25の表面
上に、Al2O3からなる第2の保護膜である絶縁層26
を、スパッタ法によって薄膜形成する。保護基板25は
点線で切断されスライダバーになる。
ようにスライダバーになる。一方、図6に示すように、
アルミナチタンカーバイドからなる保護基板25の表面
上に、Al2O3からなる第2の保護膜である絶縁層26
を、スパッタ法によって薄膜形成する。保護基板25は
点線で切断されスライダバーになる。
【0076】スライダバーに切断された基板21と保護
基板25とを、図7のように絶縁層24と絶縁層26と
を対向させて、接着剤27によって接着する。
基板25とを、図7のように絶縁層24と絶縁層26と
を対向させて、接着剤27によって接着する。
【0077】図7のスライダバーのテープ対向面Aを、
円筒研削またはならい研削することによってR形状に加
工し、更に点線で切断し、図1に示されるような個々の
摺動型薄膜磁気ヘッドH3にする。
円筒研削またはならい研削することによってR形状に加
工し、更に点線で切断し、図1に示されるような個々の
摺動型薄膜磁気ヘッドH3にする。
【0078】なお、基板21および保護基板25を、チ
タンカルシウム、カルシウムフェライトなどによって形
成してもよい。また、基板21および保護基板25は、
磁性材料によって形成してもよい。また、絶縁層24と
絶縁層26を、SiO2によって形成してもよい。
タンカルシウム、カルシウムフェライトなどによって形
成してもよい。また、基板21および保護基板25は、
磁性材料によって形成してもよい。また、絶縁層24と
絶縁層26を、SiO2によって形成してもよい。
【0079】また、基板21と基板25を接着する接着
剤には、エポキシ系接着剤や低融点ガラス系接着剤を用
いることが好ましい。
剤には、エポキシ系接着剤や低融点ガラス系接着剤を用
いることが好ましい。
【0080】このように、本実施の形態の摺動型薄膜磁
気ヘッドH3は、薄膜形成プロセスによって形成される
ので、一度に大量生産でき、小型化も容易である。ま
た、トラック幅Tw1およびTw2を10μm以下にす
る場合でも、磁気ギャップの加工精度を、必要なだけ向
上させることができる。
気ヘッドH3は、薄膜形成プロセスによって形成される
ので、一度に大量生産でき、小型化も容易である。ま
た、トラック幅Tw1およびTw2を10μm以下にす
る場合でも、磁気ギャップの加工精度を、必要なだけ向
上させることができる。
【0081】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、結
晶粒を含む材料によって形成された保護基板と絶縁性材
料からなる保護膜とが、スパッタ法などの薄膜形成プロ
セスによって接合されるので、前記保護基板と前記保護
膜とが、接着剤によって接合された場合よりも、両者の
接合力が強くなる。したがって、前記保護基板と前記保
護膜との界面において、前記保護基板が脱粒することを
防止できる。
晶粒を含む材料によって形成された保護基板と絶縁性材
料からなる保護膜とが、スパッタ法などの薄膜形成プロ
セスによって接合されるので、前記保護基板と前記保護
膜とが、接着剤によって接合された場合よりも、両者の
接合力が強くなる。したがって、前記保護基板と前記保
護膜との界面において、前記保護基板が脱粒することを
防止できる。
【0082】したがって、脱粒したチタンカーバイドな
どの結晶粒が、磁気テープに付着し、磁気テープを劣化
させることを防ぐことができる。すなわち、磁気記録再
生装置の記録再生特性の劣化を防止できる。
どの結晶粒が、磁気テープに付着し、磁気テープを劣化
させることを防ぐことができる。すなわち、磁気記録再
生装置の記録再生特性の劣化を防止できる。
【図1】本発明の実施の形態を示す摺動型薄膜磁気ヘッ
ドの斜視図。
ドの斜視図。
【図2】図1の摺動型薄膜磁気ヘッドの、MR型磁気ヘ
ッドおよびインダクティブヘッド周辺部の部分拡大正面
図。
ッドおよびインダクティブヘッド周辺部の部分拡大正面
図。
【図3】図1の摺動型薄膜磁気ヘッドが設置された回転
ヘッド型磁気記録再生装置の平面図。
ヘッド型磁気記録再生装置の平面図。
【図4】本発明の摺動型薄膜磁気ヘッドの製造方法にお
ける、基板上にMR型薄膜磁気ヘッド、インダクティブ
ヘッド、および、第1の保護膜である絶縁層が積層され
た状態を示す斜視図。
ける、基板上にMR型薄膜磁気ヘッド、インダクティブ
ヘッド、および、第1の保護膜である絶縁層が積層され
た状態を示す斜視図。
【図5】図4の基板が、点線で切断されてスライダバー
にされた状態を示す斜視図。
にされた状態を示す斜視図。
【図6】保護基板となる基板上に、第2の保護膜である
絶縁層が積層された状態を示す斜視図。
絶縁層が積層された状態を示す斜視図。
【図7】図6の基板が点線で切断されてスライダバーに
され、図4のスライダバーと接合された状態を示す斜視
図。
され、図4のスライダバーと接合された状態を示す斜視
図。
【図8】従来の磁気ヘッドの斜視図。
【図9】回転ヘッド型磁気記録再生装置の平面図。
【図10】従来の摺動型薄膜磁気ヘッドの斜視図。
【図11】図10の摺動型薄膜磁気ヘッドの、MR型磁
気ヘッドおよびインダクティブヘッド周辺部の部分拡大
正面図。
気ヘッドおよびインダクティブヘッド周辺部の部分拡大
正面図。
21 基板 22 MR型薄膜磁気ヘッド 23 インダクティブヘッド 24、26 絶縁層 25 保護基板 27 接着剤 28 電極
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/31 G11B 5/31 K 5/39 5/39 5/40 5/40 Fターム(参考) 5D033 BA11 BA15 BA62 BA63 CA03 CA04 DA01 DA03 5D034 BA02 BA17 BA19 CA01 DA07 5D093 AA01 AD12 BD01 BD08 DA04 FA16 FA21 HA17 HB13 HB15 HC20 JB03 5D111 AA17 AA22 BB16 BB42 BB48 FF14 FF15 FF21 FF33 GG14 JJ04 JJ05 JJ32 JJ38 KK09
Claims (12)
- 【請求項1】 磁性材料または非磁性材料によって形成
された基板上に、絶縁性材料からなる下地層、薄膜磁気
ヘッド、結晶粒を含まない絶縁性材料からなる保護膜、
および結晶粒を含む磁性材料または非磁性材料によって
形成された保護基板を有し、前記薄膜磁気ヘッドの磁気
ギャップが、前記磁気ヘッドのテープ対向面に露出され
ている摺動型薄膜磁気ヘッドにおいて、前記保護膜は、
第1の保護膜と第2の保護膜とを有し、前記第1の保護
膜は、前記基板上に積層された薄膜磁気ヘッド上に真空
成膜法によって薄膜形成されたものであり、前記第2の
保護膜は、前記保護基板に真空成膜法によって薄膜形成
されたものであり、かつ前記第1の保護膜および前記第
2の保護膜が、接着剤によって接合されていることを特
徴とする摺動型薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項2】 前記薄膜磁気ヘッドが、MR型薄膜磁気
ヘッドである請求項1に記載の摺動型薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項3】 前記薄膜磁気ヘッドが、MR型薄膜磁気
ヘッドとインダクティブ磁気ヘッドの複合型薄膜磁気ヘ
ッドである請求項1に記載の摺動型薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項4】 前記保護基板が、アルミナチタンカーバ
イド、チタンカルシウム、カルシウムフェライトなどの
非磁性材料によって形成されている請求項1ないし請求
項3のいずれかに記載の摺動型薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項5】 前記第1の保護膜および前記第2の保護
膜は、Al2O3またはSiO2によって形成されている
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の摺動型薄膜
磁気ヘッド。 - 【請求項6】 前記接着剤は、エポキシ系接着剤または
低融点ガラス系接着剤である請求項1ないし請求項5の
いずれかに記載の摺動型薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項7】 (a)磁性材料または非磁性材料によっ
て形成された基板上に、絶縁性材料からなる下地層を薄
膜形成する工程と、(b) 前記下地層上に、薄膜磁気
ヘッドを形成する工程と、(c) 前記薄膜磁気ヘッド
上に、結晶粒を含まない絶縁性材料からなる第1の保護
膜を真空成膜法によって薄膜形成する工程と、(d)
結晶粒を含む磁性材料または非磁性材料によって形成さ
れた保護基板上に、結晶粒を含まない絶縁性材料からな
る第2の保護膜を真空成膜法によって薄膜形成する工程
と、(e) 前記第1の保護膜が形成された基板と、前
記第2の保護膜が形成された保護基板を、前記第1の保
護膜と前記第2の保護膜とを対向させて接着する工程
と、を有することを特徴とする摺動型薄膜磁気ヘッドの
製造方法。 - 【請求項8】 前記(b)の工程において形成される前
記薄膜磁気ヘッドが、MR型薄膜磁気ヘッドである請求
項7に記載の摺動型薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 【請求項9】 前記(b)の工程において形成される前
記薄膜磁気ヘッドが、MR型薄膜磁気ヘッドとインダク
ティブ磁気ヘッドの複合型薄膜磁気ヘッドである請求項
7に記載の摺動型薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 【請求項10】 前記(d)の工程において用いられる
前記保護基板が、アルミナチタンカーバイド、チタンカ
ルシウム、カルシウムフェライトなどの非磁性材料によ
って形成されている請求項7ないし請求項9のいずれか
に記載の摺動型薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 【請求項11】 前記(c)および前記(d)の工程に
おいて、前記第1の保護膜および前記第2の保護膜を、
Al2O3またはSiO2によって形成する請求項7ない
し請求項10のいずれかに記載の摺動型薄膜磁気ヘッド
の製造方法。 - 【請求項12】 前記(e)の工程において、前記第1
の保護膜と前記第2の保護膜とを、エポキシ系接着剤ま
たは低融点ガラス系接着剤によって接着する請求項7な
いし請求項11のいずれかに記載の摺動型薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11204466A JP2001034906A (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 摺動型薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11204466A JP2001034906A (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 摺動型薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001034906A true JP2001034906A (ja) | 2001-02-09 |
Family
ID=16491011
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11204466A Withdrawn JP2001034906A (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 摺動型薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001034906A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7457079B2 (en) * | 2002-07-03 | 2008-11-25 | Sony Corporation | Magnetic head with rectangular-shaped planar spiral coil and leading core width smaller than trailing core width |
-
1999
- 1999-07-19 JP JP11204466A patent/JP2001034906A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7457079B2 (en) * | 2002-07-03 | 2008-11-25 | Sony Corporation | Magnetic head with rectangular-shaped planar spiral coil and leading core width smaller than trailing core width |
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