JP2001033610A - 光導波路グレーティング素子およびその製造方法 - Google Patents

光導波路グレーティング素子およびその製造方法

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JP2001033610A JP11203543A JP20354399A JP2001033610A JP 2001033610 A JP2001033610 A JP 2001033610A JP 11203543 A JP11203543 A JP 11203543A JP 20354399 A JP20354399 A JP 20354399A JP 2001033610 A JP2001033610 A JP 2001033610A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの光導波路に複数のグレーティングが作
製され所望の特性を有し安定性に優れた光導波路グレー
ティング素子を容易に製造することができる光導波路グ
レーティング素子製造方法を提供する。 【解決手段】 Ge添加光ファイバに対し、水素添加工
程S11で水素を添加し、グレーティング形成工程S12で
強度変調された紫外光を照射して屈折率変調を誘起せし
め、加熱工程S13で加熱処理して、グレーティング20
1を作製する。以降同様に、水素添加工程、グレーティ
ング形成工程および加熱工程によりグレーティング20
i(i=2〜N)を順次に作製する。最後に作製される
グレーティング20Nおよび他の何れか1以上のグレー
ティングそれぞれのグレーティング形成工程の後に加熱
工程を設けるだけでもよい。何れか2以上のグレーティ
ングそれぞれのグレーティング形成工程の前に水素添加
工程を設けるだけでもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路のコアに
屈折率変調によるグレーティングが形成された光導波路
グレーティング素子、および、その光導波路グレーティ
ング素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光導波路グレーティング素子は、光ファ
イバ等の光導波路のコアに屈折率変調によるグレーティ
ングが形成されたものであり、その光導波路を導波して
グレーティング形成領域に到達した光のうち特定波長の
光を反射または減衰させることができることから、光フ
ィルタ等として用いられる。このような光導波路グレー
ティング素子は、Ge元素が添加されたコアに対して、
空間的に強度変調された紫外光を照射することにより製
造される。この紫外光照射に際しては、光導波路の一端
から光を入射させて他端から出射する光のスペクトルを
モニタしながら紫外光を照射し、そのモニタされた光の
スペクトルすなわち光導波路グレーティング素子の透過
特性が所望の特性となった時点で紫外光照射を終了す
る。
【0003】近年、光通信システムにおける要求に応じ
て、複雑な反射・減衰の特性を有する光導波路グレーテ
ィング素子が必要とされてきている。光導波路グレーテ
ィング素子の複雑な特性は、屈折率変調が形成された領
域の長さ、屈折率変調の周期、および、屈折率変調の変
調度などのうちの何れかが互いに異なる複数のグレーテ
ィングを光導波路上に作製することにより実現すること
ができる。このとき、光導波路グレーティング素子の小
型化や挿入損失低減の観点より、融着などの接続部を含
むことなく、1つの光導波路に複数のグレーティングが
縦列に作製され、或いは、1つの光導波路の共通の領域
に複数のグレーティングが重ねて作製される。
【0004】このように1つの光導波路に複数のグレー
ティングを縦列に又は重ねて順次に作製して光導波路グ
レーティング素子を製造する場合、作製途中にモニタさ
れる光導波路グレーティング素子の透過特性は、そのモ
ニタの時点で作製終了または作製途中の各グレーティン
グの透過特性を総合したものである。そこで、このよう
な光導波路グレーティング素子であって所望の透過特性
を有するものを製造する為には以下の製造方法により製
造することが考えられる。すなわち、各グレーティング
の作製が終了する度に、そのときの総合透過特性を記憶
しておく。そして、次のグレーティングの作製の際に
は、モニタされる透過特性と記憶されている総合透過特
性とから作製途中のグレーティングの単体の透過特性を
求め、この求められたグレーティングの単体の透過特性
が所望の特性となった時点で紫外光照射を終了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記製
造方法に従って製造した場合であっても、1つの光導波
路に複数のグレーティングが作製され所望の特性を有し
安定性に優れた光導波路グレーティング素子を得ること
は困難であることを、本願発明者は見出した。そして、
本願発明者は、この困難性が以下の事項に起因するもの
であることを見出して、本願発明を想到するに到った。
【0006】すなわち、グレーティングが形成される光
導波路であるGe添加光ファイバには、紫外光照射の際
の感光性を高める為に水素も添加される(例えば特開平
11−38264号公報を参照)。水素が添加されると
紫外光照射に因る屈折率上昇の程度が大きくなるが、紫
外光照射時に水素濃度が大きく減少していき、紫外光照
射終了後もグレーティングの透過特性が経時変化する。
したがって、上述したように各グレーティングの作製が
終了する度に総合透過特性を記憶しても、既に作製され
たグレーティングの透過特性は、次のグレーティングを
作製している間に経時変化していく。したがって、作製
途中のグレーティングの単体の透過特性を正確に求める
ことができず、所望の特性を有する光導波路グレーティ
ング素子を得ることが困難である。
【0007】また、光導波路グレーティング素子は、グ
レーティング作製後に脱水素および長期信頼性確保の為
の加速劣化を目的として加熱処理がなされるが、各グレ
ーティング毎に特性に応じて加熱処理の際の特性変化量
が異なるので、このことに因っても所望の特性を有する
光導波路グレーティング素子を得ることが困難である。
さらに、1つの光導波路に複数のグレーティングを重ね
て作製して光導波路グレーティング素子を製造する場合
には、既に紫外光照射により屈折率上昇が誘起されてい
る部分とそうでない部分とでは、その後に同じ量の紫外
光が照射されても屈折率上昇量が異なるので、このこと
に因っても所望の特性を有する光導波路グレーティング
素子を得ることが困難である。
【0008】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、1つの光導波路に複数のグレーティン
グが作製され所望の特性を有し安定性に優れた光導波路
グレーティング素子、および、このような光導波路グレ
ーティング素子を容易に製造することができる光導波路
グレーティング素子製造方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光導波路グ
レーティング素子製造方法は、1つの光導波路に複数の
グレーティングを順次に作製して光導波路グレーティン
グ素子を製造する光導波路グレーティング素子製造方法
であって、上記複数のグレーティングそれぞれについて
光導波路に屈折率変調を誘起してグレーティングを形成
するグレーティング形成工程と、上記複数のグレーティ
ングのうち最後に作製されるグレーティングおよび他の
何れか1以上のグレーティングそれぞれについてグレー
ティング形成工程の後に光導波路を加熱処理する加熱工
程と、を備えることを特徴とする。この光導波路グレー
ティング素子製造方法によれば、複数のグレーティング
のうち最後に作製されるグレーティングおよび他の何れ
か1以上のグレーティングそれぞれについてグレーティ
ング形成工程の後に加熱工程を行うことにより、所望の
特性を有し安定性に優れた光導波路グレーティング素子
を製造することができる。
【0010】また、本発明に係る光導波路グレーティン
グ素子製造方法では、加熱工程の際の加熱温度は、前に
作製されたグレーティングについての加熱工程の際の加
熱温度より低いことを特徴とする。この場合には、更に
容易に所望の特性を有し安定性に優れた光導波路グレー
ティング素子を製造することができる。
【0011】また、本発明に係る光導波路グレーティン
グ素子製造方法は、上記複数のグレーティングのうち何
れか2以上のグレーティングそれぞれについて、グレー
ティング形成工程の前に光導波路に水素を添加する水素
添加工程を更に備えることを特徴とする。この場合に
は、複数のグレーティングのうち何れか2以上のグレー
ティングそれぞれについてグレーティング形成工程の前
に水素添加工程を行うことにより、光導波路の長手方向
に亘って水素添加濃度が均一となり、グレーティング形
成工程の際の感光性も均一となるので、グレーティング
は目標特性のものが得られ、また、光導波路グレーティ
ング素子も目標特性のものが得られる。これは複数のグ
レーティングを重ねて作製する場合に有効である。
【0012】本発明に係る光導波路グレーティング素子
は、上記の光導波路グレーティング素子製造方法により
製造されたものであることを特徴とする。この光導波路
グレーティング素子は、所望の特性を有し安定性に優れ
ている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。また、以下では、1つの光ファイバ(光導波
路)に複数のグレーティングが作製された光導波路グレ
ーティング素子について説明する。
【0014】先ず、本発明に係る光導波路グレーティン
グ素子の実施形態について説明する。図1は、本実施形
態に係る光導波路グレーティング素子1の説明図であ
る。この図は、光軸を含む面で光導波路グレーティング
素子1を切断したときの断面図を示している。この光導
波路グレーティング素子1は、コア11とクラッド12
とを有する石英系の光ファイバ10に、N個(N≧2)
のグレーティング201〜20Nが縦列に又は重ねて形成
されたものである。N個のグレーティング201〜20N
それぞれは、屈折率変調が形成された領域の長さ、屈折
率変調の周期、および、屈折率変調の変調度のうちの何
れかが互いに異なる。そして、N個のグレーティング2
1〜20Nそれぞれは互いに異なる透過特性を有してい
る。光導波路グレーティング素子1の透過特性は、N個
のグレーティング201〜20Nそれぞれの透過特性を総
合したものである。この光導波路グレーティング素子1
は、以下に説明する光導波路グレーティング素子製造方
法により製造される。
【0015】次に、本発明に係る光導波路グレーティン
グ素子製造方法の実施形態について説明する。図2は、
本実施形態に係る光導波路グレーティング素子製造方法
の工程図である。ここではグレーティング201,2
2,…,20Nの順に作製されるものとする。はじめ
に、コア11にGe元素が添加された石英系の光ファイ
バ10を用意する。この光ファイバ10に対し、水素添
加工程S11で水素を添加し、グレーティング形成工程S
12で所定のマスクを介して空間的に強度変調された紫外
光を照射して屈折率変調を誘起せしめ、加熱工程S13で
加熱処理して、グレーティング201を作製する。この
グレーティング形成工程S12では、光ファイバ10の一
端から光を入射させて他端から出射する光のスペクトル
をモニタしながら紫外光を照射し、そのモニタされた光
のスペクトルすなわち透過特性が所望の特性となった時
点で紫外光照射を終了する。そして、加熱工程S13終了
時のグレーティング201の透過特性を記憶する。
【0016】続いて、グレーティング201が作製され
た光ファイバ10に対し、水素添加工程S21で水素を添
加し、グレーティング形成工程S22で所定のマスクを介
して空間的に強度変調された紫外光を照射して屈折率変
調を誘起せしめ、加熱工程S23で加熱処理して、グレー
ティング202を作製する。このグレーティング形成工
程S22では、光ファイバ10の一端から光を入射させて
他端から出射する光のスペクトルをモニタしながら紫外
光を照射し、そのモニタされる透過特性と記憶されてい
るグレーティング201の透過特性とから作製途中のグ
レーティング202の単体の透過特性を求め、この求め
られたグレーティング202の単体の透過特性が所望の
特性となった時点で紫外光照射を終了する。そして、加
熱工程S23終了時のグレーティング201および202
総合透過特性を記憶する。
【0017】以降同様にして各グレーティング203
…,20N-1を順次に作製していく。最後に、グレーテ
ィング201〜20N-1が作製された光ファイバ10に対
し、水素添加工程SN1で水素を添加し、グレーティング
形成工程SN2で所定のマスクを介して空間的に強度変調
された紫外光を照射して屈折率変調を誘起せしめ、加熱
工程SN3で加熱処理して、グレーティング20Nを作製
する。このグレーティング形成工程SN2では、光ファイ
バ10の一端から光を入射させて他端から出射する光の
スペクトルをモニタしながら紫外光を照射し、そのモニ
タされる透過特性と記憶されているグレーティング20
1〜20N-1の総合透過特性とから作製途中のグレーティ
ング20Nの単体の透過特性を求め、この求められたグ
レーティング20Nの単体の透過特性が所望の特性とな
った時点で紫外光照射を終了する。
【0018】以上のようにして本実施形態に係る光導波
路グレーティング素子製造方法に従って作製することに
より、所望の特性を有し安定性に優れた光導波路グレー
ティング素子1を容易に製造することができる。特に、
第i番目のグレーティング20iの作製時の加熱工程の
際の光ファイバ10の加熱温度Tiより、その後の第j
番目のグレーティング20jの作製時の加熱工程の際の
光ファイバ10の加熱温度Tjを低くすることにより
(i<j、Ti>Tj)、更に安定性に優れた光導波路グ
レーティング素子1を製造することができる。
【0019】なお、以上の説明では、N個のグレーティ
ング201〜20Nそれぞれのグレーティング形成工程の
後に加熱工程を設けることとし、N個のグレーティング
20 1〜20Nそれぞれのグレーティング形成工程の前に
水素添加工程を設けることとした。しかし、最後に作製
されるグレーティング20Nおよび他の何れか1以上の
グレーティングそれぞれのグレーティング形成工程の後
に加熱工程を設けるだけでもよい。また、N個のグレー
ティング201〜20Nのうち何れか2以上のグレーティ
ングそれぞれのグレーティング形成工程の前に水素添加
工程を設けるだけでもよい。
【0020】次に、本実施形態に係る光導波路グレーテ
ィング素子製造方法の実施例および比較例について以下
に説明する。各実施例および比較例それぞれは、2つの
長周期グレーティングLPG−aおよびLPG−bを順
次に作製するものである。長周期グレーティングは、コ
アに誘起された屈折率変調の周期が数百μm程度のもの
であって、光ファイバを導波してグレーティング形成領
域に到達した光のうち特定波長のコアモード光をクラッ
ドモード光へ変換することで、その特定波長の光を遮断
する。
【0021】図3は、長周期グレーティングLPG−a
およびLPG−bならびに光導波路グレーティング素子
それぞれの目標透過特性を示すグラフである。一方の長
周期グレーティングLPG−aは、屈折率変調が形成さ
れた領域の長さが23mmであり、屈折率変調の周期が
401μmである。他方の長周期グレーティングLPG
−bは、屈折率変調が形成された領域の長さが20mm
であり、屈折率変調の周期が350μmである。2つの
長周期グレーティングLPG−aおよびLPG−bそれ
ぞれは、透過率が最小となる遮断中心波長が互いに異な
り、また、コアモード光を互いに異なる次数のクラッド
モード光へ変換する。光導波路グレーティング素子の目
標透過特性は、長周期グレーティングLPG−aおよび
LPG−bそれぞれの目標透過特性のdB単位での和で
ある。
【0022】各実施例および比較例それぞれにおいて、
水素添加工程では、100atmで水素を光ファイバに
添加した。グレーティング形成工程では、形成すべき長
周期グレーティングの屈折率変調の周期と同一の周期で
透過領域と遮光領域とが1方向に周期的に繰り返される
強度変調マスクを介して、KrFレーザ光源から出力さ
れた波長248nmのレーザ光を光ファイバに照射し
て、光ファイバのコアに屈折率変調を誘起せしめた。
【0023】(比較例)比較例では2つの長周期グレー
ティングLPG−aおよびLPG−bを縦列に作製し
た。この比較例では、1つ目の長周期グレーティングL
PG−aの水素添加工程の後にグレーティング形成工程
を行った。その後に加熱工程および水素添加工程を行う
ことなく、2つ目の長周期グレーティングLPG−bの
グレーティング形成工程を行った。長周期グレーティン
グLPG−bのグレーティング形成工程には約13分を
要した。
【0024】図4は、長周期グレーティングLPG−a
のグレーティング形成工程の終了直後、5分経過後およ
び10分経過後それぞれに測定して得られた長周期グレ
ーティングLPG−aの透過特性を示すグラフである。
このグラフから判るように、長周期グレーティングLP
G−aの透過特性は、グレーティング形成工程後に経時
変化して、透過率が最小となる遮断中心波長が次第に長
くなっていき、その遮断中心波長における遮断率が次第
に大きくなっていく。
【0025】図5は、比較例において、2つ目の長周期
グレーティングLPG−bのグレーティング形成工程の
後に測定して得られた光導波路グレーティング素子の透
過特性、および、演算により得られた長周期グレーティ
ングLPG−bの単体の透過特性を示すグラフである。
なお、長周期グレーティングLPG−bの単体の透過特
性は、2つ目の長周期グレーティングLPG−bのグレ
ーティング形成工程の後に測定して得られた光導波路グ
レーティング素子全体の透過特性、および、1つ目の長
周期グレーティングLPG−aのグレーティング形成工
程の後に測定して記憶しておいた透過特性に基づいて演
算により求めた。
【0026】このグラフから判るように、演算により得
られた長周期グレーティングLPG−bの単体の透過特
性は、波長1540nm付近で0dBを超えており、明
らかに不正確である。これは、図4に示したように、2
つ目の長周期グレーティングLPG−bのグレーティン
グ形成工程の際に1つ目の長周期グレーティングLPG
−aの透過特性が経時変化していることに因る。これで
は2つ目の長周期グレーティングLPG−bの透過特性
を所望のものとすることは困難である。
【0027】(第1実施例)第1実施例でも2つの長周
期グレーティングLPG−aおよびLPG−bを縦列に
作製した。第1実施例では、1つ目の長周期グレーティ
ングLPG−aの水素添加工程の後にグレーティング形
成工程を行い、このグレーティング形成工程の後に10
0℃10時間の加熱工程を行って、この加熱工程により
安定となった長周期グレーティングLPG−aの透過特
性を測定して記憶した。そして、長周期グレーティング
LPG−aが作製された光ファイバに対し水素添加工程
を行い、その後に2つ目の長周期グレーティングLPG
−bを作製するためにグレーティング形成工程を行っ
た。
【0028】図6は、第1実施例において、2つ目の長
周期グレーティングLPG−bのグレーティング形成工
程の後に測定して得られた光導波路グレーティング素子
の透過特性、および、演算により得られた長周期グレー
ティングLPG−bの単体の透過特性を示すグラフであ
る。なお、長周期グレーティングLPG−bの単体の透
過特性は、2つ目の長周期グレーティングLPG−bの
グレーティング形成工程の後に測定して得られた光導波
路グレーティング素子全体の透過特性、および、1つ目
の長周期グレーティングLPG−aのグレーティング形
成工程および加熱工程の後に測定して記憶しておいた透
過特性に基づいて演算により求めた。
【0029】このグラフから判るように、2つ目の長周
期グレーティングLPG−bのグレーティング形成工程
の際に長周期グレーティングLPG−aの透過特性は経
時変化することがないので、長周期グレーティングLP
G−bの透過特性は正確に求められている。したがっ
て、2つ目の長周期グレーティングLPG−bの透過特
性も所望のものとすることができる。
【0030】ただし、2つ目の長周期グレーティングL
PG−bのグレーティング形成工程の後に100℃10
時間の加熱工程を行うと、その加熱工程の際に1つ目の
長周期グレーティングLPG−aの透過特性がさらに変
動して、光導波路グレーティング素子全体の特性も変動
して所望の特性とは異なる場合がある。図7は、2つ目
の長周期グレーティングLPG−bのグレーティング形
成工程の後に100℃10時間の加熱工程を行った場合
の光導波路グレーティング素子全体の透過特性および目
標透過特性それぞれを示すグラフである。
【0031】このグラフから判るように、光導波路グレ
ーティング素子全体の透過特性は、目標透過特性と比較
すると、透過率が最小となる遮断中心波長1559nm
付近では一致しているものの、透過率が2番目の極小値
となる波長1542nm付近では相違している。このよ
うな問題は、次に述べる第2実施例のように、1つ目の
長周期グレーティングLPG−aのグレーティング形成
工程の後の加熱工程の際の加熱温度より、2つ目の長周
期グレーティングLPG−bのグレーティング形成工程
の後の加熱工程の際の加熱温度を低くすることにより解
決することができる。
【0032】(第2実施例)第2実施例は、上記第1実
施例において、1つ目の長周期グレーティングLPG−
aのグレーティング形成工程の後の加熱工程で加熱温度
を110℃とし、2つ目の長周期グレーティングLPG
−bのグレーティング形成工程の後の加熱工程では加熱
温度を100℃としたものである。
【0033】図8は、第2実施例において、2つ目の長
周期グレーティングLPG−bのグレーティング形成工
程の後に測定して得られた光導波路グレーティング素子
全体の透過特性、その後の加熱工程の後に測定して得ら
れた光導波路グレーティング素子全体の透過特性、およ
び、光導波路グレーティング素子の目標透過特性それぞ
れを示すグラフである。このグラフから判るように、2
つ目の長周期グレーティングLPG−bのグレーティン
グ形成工程の後の加熱温度100℃の加熱工程の際に、
これより高い加熱温度110℃で既に加熱工程を行った
1つ目の長周期グレーティングLPG−aの透過特性が
変動しないので、光導波路グレーティング素子全体の特
性を所望のものとすることができる。
【0034】(第3実施例)第3実施例では2つの長周
期グレーティングLPG−aおよびLPG−bを互いに
重ねて作製した。この実施例では、1つ目の長周期グレ
ーティングLPG−aの加熱工程の後であって2つ目の
長周期グレーティングLPG−bのグレーティング形成
工程の前に水素添加工程を行った場合、および、この水
素添加工程を行わなかった場合とで、光導波路グレーテ
ィング素子の透過特性を比較した。なお、複数のグレー
ティングを重ねて作製する場合には光ファイバの平均屈
折率が高くなることから、第1の実施例の場合と比較し
て本実施例の場合には屈折率変調の周期を僅かに短くし
た。
【0035】図9は、第3実施例において、1つ目の長
周期グレーティングLPG−aのグレーティング形成工
程および加熱工程の後に測定して得られた長周期グレー
ティングLPG−aの透過特性、および、2つ目の長周
期グレーティングLPG−bのグレーティング形成工程
および加熱工程の後に測定して得られた光導波路グレー
ティング素子全体の透過特性を示すグラフである。ま
た、光導波路グレーティング素子の透過特性は、2つ目
の長周期グレーティングLPG−bのグレーティング形
成工程の前に水素添加工程を行った場合、および、この
水素添加工程を行わなかった場合それぞれについて示さ
れている。
【0036】このグラフから判るように、1つ目の長周
期グレーティングLPG−aの加熱工程の後であって2
つ目の長周期グレーティングLPG−bのグレーティン
グ形成工程の前に水素添加工程を行わなかった場合に
は、1つ目の長周期グレーティングLPG−aのグレー
ティング形成工程により屈折率が上昇した部分と上昇し
なかった部分とでは、水素添加濃度が異なり、2つ目の
長周期グレーティングLPG−bのグレーティング形成
工程の際の感光性も異なるので、長周期グレーティング
LPG−bの屈折率変調の振幅が小さくなり、長周期グ
レーティングLPG−bにより透過率が最小となる15
59nm付近で遮断量が減少する。
【0037】これに対して、1つ目の長周期グレーティ
ングLPG−aの加熱工程の後であって2つ目の長周期
グレーティングLPG−bのグレーティング形成工程の
前に水素添加工程を行った場合には、光ファイバの長手
方向に亘って水素添加濃度が均一となり、2つ目の長周
期グレーティングLPG−bのグレーティング形成工程
の際の感光性も均一となるので、長周期グレーティング
LPG−bは目標特性のものが得られ、また、光導波路
グレーティング素子も目標特性のものが得られる。
【0038】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく種々の変形が可能である。例えば、上記の実施
形態および各実施例では、光ファイバに複数のグレーテ
ィングが作製された光導波路グレーティング素子につい
て説明したが、平面基板上に形成された光導波路に複数
のグレーティングが作製された光導波路グレーティング
素子についても同様である。
【0039】また、各実施例では、複数の長周期グレー
ティングが作製された光導波路グレーティング素子につ
いて説明したが、複数のブラッググレーティングが作製
された光導波路グレーティング素子についても同様であ
る。なお、グレーティング形成工程でブラッググレーテ
ィングを形成するには、例えば、光導波路に近接配置さ
れた位相格子マスクに紫外光を入射させて、その位相格
子マスクから出力された回折光の干渉パターンにより光
導波路のコアに屈折率変調を誘起せしめる。
【0040】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
係る光導波路グレーティング素子製造方法によれば、複
数のグレーティングのうち最後に作製されるグレーティ
ングおよび他の何れか1以上のグレーティングそれぞれ
についてグレーティング形成工程の後に加熱工程を行う
ことにより、所望の特性を有し安定性に優れた光導波路
グレーティング素子を製造することができる。
【0041】また、加熱工程の際の加熱温度が前に作製
されたグレーティングについての加熱工程の際の加熱温
度より低い場合には、更に容易に所望の特性を有し安定
性に優れた光導波路グレーティング素子を製造すること
ができる。
【0042】また、複数のグレーティングのうち何れか
2以上のグレーティングそれぞれについてグレーティン
グ形成工程の前に水素添加工程を更に備える場合には、
光導波路の長手方向に亘って水素添加濃度が均一とな
り、グレーティング形成工程の際の感光性も均一となる
ので、グレーティングは目標特性のものが得られ、ま
た、光導波路グレーティング素子も目標特性のものが得
られる。
【0043】本発明に係る光導波路グレーティング素子
は、上記の光導波路グレーティング素子製造方法により
製造されたものであり、所望の特性を有し安定性に優れ
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る光導波路グレーティング素子
の説明図である。
【図2】本実施形態に係る光導波路グレーティング素子
製造方法の工程図である。
【図3】長周期グレーティングLPG−aおよびLPG
−bならびに光導波路グレーティング素子それぞれの目
標透過特性を示すグラフである。
【図4】長周期グレーティングLPG−aのグレーティ
ング形成工程の終了直後、5分経過後および10分経過
後それぞれに測定して得られた長周期グレーティングL
PG−aの透過特性を示すグラフである。
【図5】比較例において、2つ目の長周期グレーティン
グLPG−bのグレーティング形成工程の後に測定して
得られた光導波路グレーティング素子の透過特性、およ
び、演算により得られた長周期グレーティングLPG−
bの単体の透過特性を示すグラフである。
【図6】第1実施例において、2つ目の長周期グレーテ
ィングLPG−bのグレーティング形成工程の後に測定
して得られた光導波路グレーティング素子の透過特性、
および、演算により得られた長周期グレーティングLP
G−bの単体の透過特性を示すグラフである。
【図7】2つ目の長周期グレーティングLPG−bのグ
レーティング形成工程の後に100℃10時間の加熱工
程を行った場合の光導波路グレーティング素子全体の透
過特性および目標透過特性それぞれを示すグラフであ
る。
【図8】第2実施例において、2つ目の長周期グレーテ
ィングLPG−bのグレーティング形成工程の後に測定
して得られた光導波路グレーティング素子全体の透過特
性、その後の加熱工程の後に測定して得られた光導波路
グレーティング素子全体の透過特性、および、光導波路
グレーティング素子の目標透過特性それぞれを示すグラ
フである。
【図9】第3実施例において、1つ目の長周期グレーテ
ィングLPG−aのグレーティング形成工程および加熱
工程の後に測定して得られた長周期グレーティングLP
G−aの透過特性、および、2つ目の長周期グレーティ
ングLPG−bのグレーティング形成工程および加熱工
程の後に測定して得られた光導波路グレーティング素子
全体の透過特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…光導波路グレーティング素子、10…光ファイバ
(光導波路)、11…コア、12…クラッド、201
20N…グレーティング。
フロントページの続き (72)発明者 石川 真二 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 榎本 正 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H049 AA34 AA36 AA44 AA62 AA66 2H050 AC03 AC82 AC84 AD00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの光導波路に複数のグレーティング
    を順次に作製して光導波路グレーティング素子を製造す
    る光導波路グレーティング素子製造方法であって、 前記複数のグレーティングそれぞれについて前記光導波
    路に屈折率変調を誘起してグレーティングを形成するグ
    レーティング形成工程と、 前記複数のグレーティングのうち最後に作製されるグレ
    ーティングおよび他の何れか1以上のグレーティングそ
    れぞれについて前記グレーティング形成工程の後に前記
    光導波路を加熱処理する加熱工程と、 を備えることを特徴とする光導波路グレーティング素子
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱工程の際の加熱温度は、前に作
    製されたグレーティングについての前記加熱工程の際の
    加熱温度より低いことを特徴とする請求項1記載の光導
    波路グレーティング素子製造方法。
  3. 【請求項3】 前記複数のグレーティングのうち何れか
    2以上のグレーティングそれぞれについて前記グレーテ
    ィング形成工程の前に前記光導波路に水素を添加する水
    素添加工程を更に備えることを特徴とする請求項1記載
    の光導波路グレーティング素子製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載の光導
    波路グレーティング素子製造方法により製造されたもの
    であることを特徴とする光導波路グレーティング素子。
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