JP2003222716A - 露光用マスク、光ファイバグレーティングの製造方法、光ファイバグレーティング及び光増幅器モジュール - Google Patents

露光用マスク、光ファイバグレーティングの製造方法、光ファイバグレーティング及び光増幅器モジュール

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JP2003222716A
JP2003222716A JP2002024128A JP2002024128A JP2003222716A JP 2003222716 A JP2003222716 A JP 2003222716A JP 2002024128 A JP2002024128 A JP 2002024128A JP 2002024128 A JP2002024128 A JP 2002024128A JP 2003222716 A JP2003222716 A JP 2003222716A
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grating
fiber grating
exposure mask
wavelength
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Takuya Aizawa
卓也 相沢
Tetsuya Sakai
哲弥 酒井
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバに対する紫外光の露光量を変化さ
せることなく、任意の損失波長特性を持つ光ファイバグ
レーティングを製造するための露光用マスクを提供す
る。 【解決手段】 露光用マスクのグレーティングの段数
は、所望の損失波長特性をもつ光ファイバグレーティン
グを作製するために、波長に応じて調整されている。す
なわち、大きな損失を必要とする波長に対しては、グレ
ーティングの段数が多くなるように設定されている。そ
のため、露光量を均一として紫外光を照射しても、所望
の損失波長特性を得ることが可能な光ファイバグレーテ
ィングを作製することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光用マスクとこ
れを用いた光ファイバグレーティングの製造方法に関
し、特に、光増幅器の利得の波長依存性を正確に相殺す
る利得等化器として利用可能なチャープ型光ファイバグ
レーティングの製造方法とこれに用いられる露光マスク
に関する。
【0002】
【従来の技術】波長多重光伝送システムにおいて、エル
ビウム添加光ファイバ増幅器(以下「EDFA」と略記
する)が広く実用に供されている。通常、EDFAは波
長によって利得の大きさが異なるため、EDFAの利得
の波長特性とは逆の波長特性を有する光部品を必要に応
じて接続して、利得の波長特性を平坦化している。この
ような光部品を一般に利得平坦化フィルタと呼び、各種
方式が提案され、実用化されている。このような利得平
坦化フィルタとして、通常光ファイバグレーティングが
用いられている。この光ファイバグレーティングは、例
えば光ファイバの長手方向に、一定の周期的な変化、例
えばコアの屈折率の周期的な変化からなるグレーティン
グ部を形成することにより得られる。この屈折率の周期
的な変化を生じさせるために、紫外光が通常用いられ
る。紫外光を用いてグレーティング部を製造する方法と
しては、次の方法が一般に行われている。
【0003】まず、光ファイバに水素ガスを浸透させて
一定時間以上保持して、光ファイバの紫外光による屈折
率変動に対する感受性を高める。ただし、この工程は必
要に応じて省くことが可能である。次に被覆を除去した
光ファイバを、露光用マスクの近傍に固定する。続い
て、紫外光レーザを露光マスクを透過させて光ファイバ
に照射することにより、照射部分の屈折率を上昇させて
グレーティング部を形成する。紫外線レーザのビーム径
は露光用マスクの長さに比べて著しく小さいので、紫外
線レーザの照射位置を掃引することで、逐次的に露光を
行っていく。この際、露光用マスク上の位置に応じて紫
外線レーザ照射量を調整することで、波長に応じて損失
量を変化させることができる。紫外線レーザ照射量を調
整する方法としては、掃引速度を位置によって変化させ
る方法や、紫外線レーザ光のパワーを位置によって変化
させる方法がある。
【0004】紫外光の照射には干渉露光法、位相マスク
法、強度マスク法、集光したビームで露光する方法など
が用いられ、これらのいずれの方法においても、紫外光
で露光された部分の屈折率が上昇し、光ファイバの長手
方向に屈折率変動を形成することができる。この光ファ
イバグレーティングは、高屈折率部の周期、すなわちグ
レーティング周期によって2つに分類することができ、
その1つに短周期光ファイバグレーティング(以下「S
PG」と略記する)がある。
【0005】このSPGのなかで、SPGの利点である
設計の自由度を生かすため、コアの中心軸に対して斜め
にグレーティングが形成された光ファイバグレーティン
グが開発されており、このような短周期光ファイバグレ
ーティングをスラント型短周期光ファイバグレーティン
グ(以下「SSPG」と略記する)と呼ぶ。通常のSP
Gでは、光の進行方向に対して垂直にグレーティングが
形成されているため、反射モードへの結合に比べて後進
クラッドモードへの結合が小さいのに対して、SSPG
では、グレーティング部において反射された光の一部は
クラッドに放射され、後進クラッドモードと結合する。
この後進クラッドモードと結合した光は損失となるの
で、SSPGは結合に対応した特定の波長の光を減衰さ
せる光フィルタとして用いられる。このSSPGは光増
幅器の利得を平坦化する利得等化器等への応用が可能で
ある。
【0006】さらに、この光ファイバグレーティングの
グレーティング周期を、光ファイバの長手方向に徐々に
一様に変化させながら連続的に形成するチャープ型の光
ファイバグレーティングとすることで、幅を持った波長
範囲に対して連続的に損失を発生させることが可能であ
る。ここで、グレーティングの強度をその位置によって
変化させることで、ほぼ任意の損失波長特性を発生させ
ることが可能である。特定の波長で大きな損失を発生さ
せたい場合は、それに対応する周期のグレーティングの
強度を強くすること、また特定の波長で小さな損失を発
生させたい場合は、その逆の対応で実現する事が可能で
ある。従来の光ファイバグレーティングの製造方法にお
いては、光ファイバ中のグレーティングの強度は、紫外
線露光量の大小により変化させていた。具体的には、露
光用マスクの位置によって紫外光レーザパワーを変化さ
せる、あるいは紫外光レーザ光源の掃引速度を変化させ
る、などの方法によって紫外線露光量を増大させてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のチ
ャープ型光ファイバグレーティングの製造方法において
は、露光用マスクのグレーティング周期の変化率は一定
となっている。このため波長による損失の大小を変化さ
せるためには、掃引時の紫外線露光量を変化させること
によって行っていた。例えば、チャープ型スラント光フ
ァイバグレーティングの露光時において、図2に示す波
長依存性を持つ損失を得るためには、図9に示すように
露光量を調節して光ファイバグレーティングを製造して
いた。例えば、波長1559nmにおいては、波長1543nm
での損失の約2倍の損失が必要となり、これを実現する
ためには、波長1559nmに対応するグレーティングの強
度は、波長1543nmに対応するグレーティング強度の約
2倍とすることが必要となる。実際には、波長に対応す
るグレーティング部の位置が一義的に定まるので、その
位置にあわせて紫外線露光量を変えて露光する。しか
し、光ファイバの特性として、紫外線に対する光感受性
が紫外線露光量に対して線形とはならずに、高露光時に
は飽和するという問題があった。図10に、光ファイバ
に紫外線を露光して光ファイバグレーティングを作製す
る際に、紫外線露光量を増加させたときの光損失の変化
の様子を示す。図10からわかるように、紫外線露光量
と損失の関係は線形ではなく、損失は露光量に対して飽
和する傾向にあることがわかる。このため、光ファイバ
グレーティングにおいて実現できる損失には上限があ
り、このような非線形性を考慮に入れて露光を行なおう
とすると、製造が容易ではないという問題があった。本
発明は、このような事情を考慮してなされたもので、光
ファイバに対する紫外光の露光量を変化させることな
く、任意の損失波長特性を持つ光ファイバグレーティン
グを製造することができる露光用マスクを提供し、この
露光マスクを用いて光ファイバグレーティングを製造す
る製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、任意の損失波長特性を有
するチャープ型光ファイバグレーティングを作製するた
めの露光用マスクにおいて、該チャープ型光ファイバグ
レーティングの損失の大小に応じてグレーティングのチ
ャープ率を変化させることにより、一様な紫外光照射を
行っても任意の損失波長特性を得ることが可能なように
作製されたことを特徴とする露光用マスクである。請求
項2記載の発明は、請求項1に記載の露光用マスクを介
して光ファイバに紫外光を照射し、光ファイバの長手方
向に沿って変化する周期を持つ高屈折率部を設けてグレ
ーティング部を形成することを特徴とする光ファイバグ
レーティングの製造方法である。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項2記載の光
ファイバグレーティングの製造方法において、前記グレ
ーティング部の格子ベクトルと光ファイバ軸とのなす角
であるスラント角度を非ゼロの角度に設定して前記グレ
ーティング部を形成することを特徴とする。請求項4記
載の発明は、請求項2または3に記載の光ファイバグレ
ーティングの製造方法により製造されたことを特徴とす
る光ファイバグレーティングである。請求項5記載の発
明は、請求項4に記載の光ファイバグレーティングを利
得等化器として用いて、光増幅器の利得の波長依存性を
平坦化したことを特徴とする光増幅器モジュールであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
図1に、本発明の光ファイバグレーティングの製造方法
で使用する光ファイバグレーティングの製造装置の概略
の一例を示す。図1中、符号1は光源から発せられた紫
外光であり、この紫外光1を露光用マスク2を介して光
ファイバ3に照射する。この光ファイバ3はコア4とそ
の周囲に設けられたクラッド5とから構成され、この例
では、コア4に周期的に高屈折率部6を形成して、グレ
ーティング部7を形成する。この高屈折率部6は、露光
用マスク2を介して紫外光が照射されたことによって形
成される。
【0011】位相マスクは、一般に透明体で形成された
透過型の回折格子であり、+1次及び−1次の回折光の
間に干渉を生じさせることにより、等間隔もしくはチャ
ープ等の不等間隔の光強度の空間変調を生じさせるもの
である。このように変調された紫外光を光ファイバに照
射することにより、光ファイバ中に等間隔もしくは不等
間隔の屈折率変調を導入することができる。
【0012】図2は、利得平坦化フィルタとして用いら
れる光ファイバグレーティングに要求される損失波長特
性の一例である。この損失波長特性は、エルビウム添加
光ファイバの利得波長特性と同じ形状になるように設計
されており、エルビウム添加光ファイバと組あわせて用
いることにより利得が平坦となるようになっている。図
2からわかるように、例えば波長1559nmにおいては、波
長1543nmにおける損失の約2倍の損失が必要となる。そ
のため、このような損失波長特性を持つためには、1559
nmに対応するグレーティングの強度を、1543nmに対応す
るグレーティング強度の約2倍にする必要がある。本発
明の露光用マスクは、グレーティング周期が一様に変化
するのではなく、露光量を均一としてグレーティング部
7を形成したときに、所望の損失波長特性が得られるよ
うに、あらかじめ露光用マスク2上のグレーティング周
期に必要な調整を施したものである。
【0013】露光用マスク2を評価するために、実際に
光ファイバ対して露光すると、コアの屈折率が高い部分
と低い部分とが光ファイバの長手方向に交互に存在する
グレーティング部7が形成される。この屈折率の高い部
分と低い部分との組合せをグレーティングの段数とい
う。実際の露光用マスク2においては、特定の波長に対
応するグレーティングは、連続的ではなく離散的に、波
長が長くなるに従ってグレーティング周期が長くなる様
に変化している。そのため、極めて近接する波長に対し
て各々1段ずつグレーティングが存在することになる。
しかし、ここでは簡単のため任意の波長に対してグレー
ティングが存在するものと仮定し、そのグレーティング
段数を等価グレーティング段数ということにする。図2
に示す損失特性を得るためには、損失が大きい波長に対
するグレーティング部7の段数を多くし、反対に損失が
小さい波長に対応するグレーティング部7の段数を少な
くするようにして露光用マスク2を形成する。このよう
な露光用マスク2を用いると、露光時の紫外光の強度を
一定に保ちかつ所望の損失特性を有するグレーティング
を形成することができる。この露光用マスク2の作製に
あたっては、露光後の光ファイバグレーティングの損失
特性と、露光用マスク2の特定の波長に対応するグレー
ティングの段数との関係により求めることができる。
【0014】以上の関係に基づいて作製される露光用マ
スク2のグレーティング構造を、従来の露光用マスクの
構造と比較して図3に示す。図3中、横軸は波長、縦軸
はグレーティングの段数を示す。図3において、破線
は、従来の露光用マスク2のグレーティングの段数を示
しており、この露光用マスク2のグレーティングの段数
は波長によらず一定に保たれている。これに対し、実線
で示す本発明の露光用マスク2のグレーティングの段数
は、所望の損失波長特性をもつ光ファイバグレーティン
グを作製するために、波長に応じて調整されている。例
えば、波長1530nmと1560nmとに対応するグ
レーティングの段数が多くなっている。実際にこの露光
用マスク2を用いて光ファイバに露光すると、1530
nmと1560nmでの損失が大きくなる。すなわち、
大きな損失を必要とする波長に対しては、グレーティン
グの段数が多くなるように設定されている。
【0015】図4は、従来の光ファイバグレーティング
の製造方法と本発明の光ファイバグレーティングの製造
方法における紫外線露光量のプロファイルの例を比較し
て示したものである。図4において、破線は、従来の光
ファイバグレーティングの製造方法における紫外線露光
量のプロファイルの例を示しており、露光用マスク2の
グレーティングの段数は波長によらず一定に保たれてい
るため、損失を波長によって変化させるためには、露光
量を変化させる必要がある。これに対し、実線で示す本
発明の光ファイバグレーティングの製造方法における紫
外線露光量のプロファイルは、露光用マスク2のグレー
ティングの段数が波長に応じて増減され、大きな損失を
必要とする波長に対して多くのグレーティングを有して
いるため、露光量を一定とすることができる。これによ
り、光ファイバの紫外線露光量に対する光感受性のばら
つきの影響を受けることなく、再現性良く光ファイバグ
レーティングを製造することが可能になる。
【0016】次に、この例の露光用マスクの作製方法の
具体例について、以下に説明する。図2に示す損失波長
特性を有するスラント光ファイバグレーティングを得る
ことを目的として、チャープ率が一定である露光用マス
クを用いて光ファイバグレーティングを作製した。この
露光用マスクは、+1次と−1次の回折光が干渉を起
し、これによってグレーティングを形成するように作製
されている。この露光用マスクにより光ファイバ上に形
成されたグレーティングは、露光用マスクの周期に対応
して、 λ=2neffΛ で表される波長において損失を発生する。ここで、n
effは光ファイバの等価屈折率、Λは光ファイバグレー
ティングの周期を表す。この関係により、露光用マスク
の物理的な位置と損失を発生させる波長との関係が一義
的に定まる。かつ、任意の波長に対する損失が決まれ
ば、図5に示すグレーティングの段数と損失との関係か
ら、その波長に対するグレーティングの段数が決まる。
【0017】図6(a)に、露光用マスク上の位置と、
損失を発生する波長との関係の一例を示し、図6(b)
に、露光用マスク上の位置と紫外線照射量との関係の一
例を示す。図6(a)中、Aで示したプロットは、マス
ク上の位置に対して損失を発生する波長がリニアに増加
するようなチャープ型グレーティングとなっているた
め、図6(b)に示すように、紫外線露光量をマスク上
の位置に対して変化させることが必要となる。これに対
し、Bで示したプロットは、マスク上の位置に対して損
失を発生する波長を必要に応じて変化させているため、
図6(b)に示すように、紫外線露光量をマスク上の位
置に対して一定とすることができる。このようにして、
目標となる損失波長特性となるように、紫外線光量を一
定にした状態で使用することができる露光用マスクを提
供することができる。この例の光ファイバグレーティン
グの製造方法によると、グレーティングの段数が波長に
応じて増減された露光用マスク2を用いて紫外光を露光
することにより、紫外光の露光量を均一として露光して
も、所望の損失波長特性を得ることが可能な光ファイバ
グレーティングの製造方法を実現することができる。
【0018】次に、上述した製造方法によってスラント
型光ファイバグレーティングを製造した例について説明
する。短周期光ファイバグレーティングは、そのグレー
ティング周期に対応した波長の光を反射させて光損失を
生じさせるが、グレーティングにより反射した光が、光
ファイバ中を逆方向に伝搬すると伝送品質の劣化を引き
起こす可能性があるため、グレーティングに傾き(スラ
ント)をつけて反射光がクラッドへ放射するようにした
ものがスラント型光ファイバグレーティングである。図
7は、このスラント型光ファイバグレーティングの側断
面図である。図7において、各符号は図1と同一のもの
を示す。図7中、符号3は光ファイバであり、この光フ
ァイバ3はコア4と、このコア4の周囲に設けられたク
ラッド5とから形成されている。コア4とクラッド5と
は石英系ガラスからなり、コア4とクラッド5には通
常、特定波長の紫外光を照射することによって石英系ガ
ラスの屈折率を上昇させるために、光感受性物質が添加
され、この光感受性物質として通常ゲルマニウムが用い
られる。
【0019】このゲルマニウムを添加した石英系ガラス
に、露光用マスクを介して、コア4とクラッド5の長手
方向にそって紫外光を照射して、紫外光が照射された部
分のコア4とクラッド5の屈折率を上昇させ、複数の高
屈折率部6が配列されたグレーティング部7が形成され
ている。この高屈折率部6は、コア4とクラッド5とを
横切るように、かつコア4の中心軸Bに直交せず、斜め
に形成され、複数の高屈折率部6は、長手方向にそって
互いに平行に配置されている。この高屈折率部6に直交
する線Aの方向をグレーティングの格子ベクトル方向と
いう。この格子ベクトル方向とコア4の中心軸Bとの角
度θをスラント角度といい、このスラント角度によって
高屈折率部6の傾きの大きさを表す。このスラント型光
ファイバグレーティングにおいては、入射光8のうち、
グレーティング部7で反射された光の一部はクラッド5
への放射光9となり、後進クラッドモードと結合する。
これにより、コア4を逆行する反射モードとの結合が小
さくなり、多重反射が生じにくくなる。
【0020】このようなスラント型光ファイバグレーテ
ィングを、上述した光ファイバグレーティングの製造方
法により製造すると、任意の損失波長特性を持ち、かつ
短周期光ファイバグレーティングが持つ設計の自由度の
大きさを生かしつつ、反射光の多重反射を防止すること
ができる光ファイバグレーティングを実現することが可
能であり、その特徴を生かして、EDFAの利得等化器
として使用することができる。
【0021】次に、本発明の光ファイバグレーティング
を利得等化器として用いた光増幅器モジュールについて
説明する。この例は、上述した方法により製造した光フ
ァイバグレーティングを、例えばエルビウム添加光ファ
イバ増幅器等の光増幅器による増幅光の波長依存性を平
坦化するための利得等化器として用い、この光増幅器と
光ファイバグレーティングとを組み合わせて光増幅器モ
ジュールを形成したものである。図8に、この例の光増
幅器モジュールの構成の一例を示す。図8中、符号10
は光増幅器モジュールであり、符号11は信号光を伝送
する光伝送路を示す。この光伝送路11は、WDMカプ
ラ12の一方の入力ポートに接続されている。このWD
Mカプラ12の他方の入力ポートには、励起光源13が
接続され、WDMカプラ12の出力ポートは、利得媒体
であるエルビウム添加光ファイバ(以下「EDF」と略
記する)14の一端に接続されている。このEDF14
の他端は、光アイソレータ16を介して光ファイバグレ
ーティング15の一端に接続され、光ファイバグレーテ
ィング15の他端は光伝送路17に接続されている。こ
の例において、各光部品間の接続は例えば融着接続によ
って行われている。
【0022】この光増幅器モジュールにおいては、光伝
送路11から送られる信号光は、WDMカプラ12にお
いて励起光源13からの励起光と合波され、EDF14
の一端に入力されて光増幅される。この増幅光の利得は
波長依存性を持っているが、光ファイバグレーティング
15によって利得等化され、光伝送路17に出力され
る。この例の光増幅器モジュールによると、利得等化器
として本発明の光ファイバグレーティングの製造方法に
より製造された光ファイバグレーティングを用いること
により、光増幅器の利得の波長依存性を正確に相殺する
ことができ、波長依存性を持たない光増幅器モジュール
を実現することができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
チャープ型光ファイバグレーティングの損失の大小に応
じてグレーティングのチャープ率を変化させることによ
り、一様な紫外光照射を行っても任意の損失波長特性を
得ることが可能な露光用マスクを実現することができ
る。また、この露光用マスクを介して光ファイバに紫外
光を照射し、光ファイバの長手方向に沿って変化する周
期を持つ高屈折率部を設けてグレーティング部を形成す
ることにより、露光量が一定であっても所望の損失波長
特性を得ることが可能な光ファイバグレーティングの製
造方法を実現することができる。また、グレーティング
部の格子ベクトルと光ファイバ軸とのなす角であるスラ
ント角度を非ゼロの角度に設定してグレーティング部を
形成することにより、任意の損失波長特性を持ち、かつ
短周期光ファイバグレーティングの設計の自由度の大き
さを生かしつつ、反射光の多重反射を防止することがで
きる光ファイバグレーティングを実現することができ
る。さらに、本発明の光ファイバグレーティングを利得
等化器として用いることにより、光増幅器の利得の波長
依存性を正確に相殺することができ、波長依存性を持た
ない光増幅器モジュールを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバグレーティングの製造方法
で使用する光ファイバグレーティングの製造装置の一例
を示す図である。
【図2】利得平坦化フィルタに要求される損失波長特性
の一例を示す図である。
【図3】従来の光ファイバグレーティングの製造方法と
本発明の光ファイバグレーティングの製造方法で用いる
露光用マスクのグレーティング構造を示す図である。
【図4】従来の光ファイバグレーティングの製造方法と
本発明の光ファイバグレーティングの製造方法による紫
外線露光量のプロファイルの例を示す図である。
【図5】グレーティングの段数と損失との関係を示す図
である。
【図6】露光用マスク上の位置に対する損失を発生する
波長との関係、及び露光用マスク上の位置に対する紫外
線照射量との関係の一例を示す図である。
【図7】スラント型光ファイバグレーティングの側断面
図である。
【図8】この例の光増幅器モジュールの構成の一例を示
す図である。
【図9】従来の露光用マスクを使用したときの紫外線露
光量を示す図である。
【図10】光ファイバに紫外線を露光して作製した光フ
ァイバグレーティングの光損失を、紫外線露光量に対し
て示した図である。
【符号の説明】
1…紫外光、2…露光用マスク、3…光ファイバ、4…
コア、5…クラッド、6…高屈折率部、7…グレーティ
ング部、8…入射光、9…放射光、10…光増幅器、1
1、17…光伝送路、12…WDMカプラ、13…励起
光源、14…EDF、15…利得等化器、16…光アイ
ソレータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA25 AA34 AA59 AA62 AA66 2H050 AA01 AC82 AC84 AD00 5F072 AK06 JJ20 KK07 MM18 YY17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の損失波長特性を有するチャープ型
    光ファイバグレーティングを作製するための露光用マス
    クにおいて、 該チャープ型光ファイバグレーティングの損失の大小に
    応じてグレーティングのチャープ率を変化させることに
    より、一様な紫外光照射を行っても任意の損失波長特性
    を得ることが可能なように作製されたことを特徴とする
    露光用マスク。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の露光用マスクを介して
    光ファイバに紫外光を照射し、光ファイバの長手方向に
    沿って変化する周期を持つ高屈折率部を設けてグレーテ
    ィング部を形成することを特徴とする光ファイバグレー
    ティングの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記グレーティング部の格子ベクトルと
    光ファイバ軸とのなす角であるスラント角度を非ゼロの
    角度に設定して前記グレーティング部を形成することを
    特徴とする請求項2記載の光ファイバグレーティングの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の光ファイバグ
    レーティングの製造方法により製造されたことを特徴と
    する光ファイバグレーティング。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の光ファイバグレーティ
    ングを利得等化器として用いて、光増幅器の利得の波長
    依存性を平坦化したことを特徴とする光増幅器モジュー
    ル。
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CN106154404B (zh) * 2016-08-19 2019-06-25 武汉理工大学 一种干涉型振动传感用光纤光栅阵列制备方法

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