JP2004317802A - 紫外光照射による光部品、その製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光感受性を有するコアを備えた光ファイバを高圧容器111に収納し、高圧水素113雰囲気で光ファイバ27内部に水素を拡散させ、単色の非干渉性UVランプ光131を光ファイバ27に照射することにより、コアの光感受性が大幅に増大した光部品とする。次いで加温したオーブン151中に収納し、コア13内から水素放出153させることで、長時間保管しても増大した光感受性を保持し、一定時間保管後であってもコア(水素無)13に干渉性UVレーザ光171を照射することで一定周期の高屈折率を有するグレーティング(水素無)11を形成することができる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非干渉性光源からの紫外線照射により石英系材料の光感受性を変化させることを用いた紫外光照射による光部品、その製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
石英系の材料は、光の透過率が良く損失が少ないことから、レンズやミラーなど光学系の分野で幅広く用いられている。中でも、光を特定の経路に沿って伝搬させる光導波路として光ファイバや基板型光導波路に応用されており、光通信などの分野において欠くことのできない製品となっている。
【0003】
通常、光導波路とは、屈折率が高いコアの周りをコアよりも屈折率が低いクラッドで覆った構造をしており、コア中を光が伝搬していく構造を有している。この光導波路光伝搬部の屈折率を変えると、導波路中を伝搬する光の位相が変化する。このことを利用すると光導波路に機能性を持たせることが可能である。特に、光導波路に周期的な摂動を加えると、その周期に従って光を導波路の外へ放出したり、特定の波長の光のみ反射させる光フィルタとして使用することができる。このような光部品は、一般にグレーティング型光部品とも呼ばれている。
【0004】
この周期的な屈折率変化は、予め光導波路に光感受性を持つ物質を添加しておき、この光導波路に光感受性物質に対応した光を照射(露光)することにより作製することができる。ただし、ここで言う光感受性とは、光の照射により物質の屈折率が変化する特性のことである。このような周期的な屈折率変化を得る方法としては、ニ光束干渉法、位相マスク法、ステップバイステップ法、強度マスク法などが広く一般に用いられている。後述する短周期グレーティングにおいてはニ光束干渉法や位相マスク法が、長周期グレーティングにおいては、ステップバイステップ法、強度マスク法が適用される場合が多い。
【0005】
尚、光感受性を増加させる物質(以下、光増感物質という)としては、一般にゲルマニュウム(Ge),リン(P),ボロン(B)などがあり、それらを光導波路に添加することで、紫外線照射による屈折率変化量や変化速度を増大させることができる。また、これらの光増感物質を添加した光導波路中に、水素又は重水素(以下、水素・重水素の区別なく水素という)を拡散させた状態で紫外線を照射すると、屈折率変化量・変化速度が共に増大することが知られている。ここで特定波長の紫外線を光導波路に照射し、光導波路中の屈折率を周期的に変化させたものをグレーティングと呼び、特に光ファイバ中に形成されたグレーティングをファイバ・グレーティング(Fiber Grating)と言う。このファイバグレーティングには大きく分けて二つの種類があり、1つが屈折率変化周期が数百ミクロンの長周期グレーティングであり、一方が屈折率変化周期が数ミクロン以下の短周期グレーティングである。長周期グレーティングは、導波モードと同一方向に進行するクラッドモードとの結合を用いた光部品であるため、放射型グレーティングとも呼ばれる。一方、短周期グレーティングは導波モードと逆方向に伝搬する導波モードとの結合を用いるため、反射型グレーティングあるいはファイバブラッググレーティング(Fiber Bragg Grating)とも呼ばれる。また、これらの分類とは別に屈折率変化周期がファイバ軸に対して傾いた、スラント型グレーティングと呼ばれるグレーティングや屈折率変化部分が間欠的に連なったサンプルドグレーティングなどがある。
【0006】
ここで、図10を参照して、従来の光ファイバグレーティングの構造とその屈折率特性を説明する。図10(1)は、光ファイバグレーティングのコア長軸方向に対する屈折率変化を示すグラフであり、図10(2)は、光ファイバグレーティングを長軸方向に沿って切断した縦断面図である。
【0007】
図10(1)(2)に示すように、この光ファイバグレーティング37は、屈折率N1を有するコア23の周りを、屈折率N1よりも低い屈折率を有するクラッド25で覆った構造をしており、コア23及びクラッド25には共に水素等が拡散され、コア23あるいはコア近傍のクラッドには光増感物質が添加されている。
【0008】
このような光ファイバの光増感物質が添加されている領域に特定波長を有する干渉光を照射すると、干渉光の強度変化に従って回折格子(グレーティング21)が、長軸方向に向って形成される。このグレーティング21の屈折率は、コア23が有する屈折率N1に加え、回折格子の屈折率差ΔNaが加算してなるものである。
【0009】
次に、図11を参照して、従来の光ファイバグレーティングの製造方法を説明する。ここでは、主に位相マスク法を用いたグレーティングの作製方法について述べる。
【0010】
まず図11(a)に示すように、数キロメートルを超すリール巻きされた被覆付光ファイバ、あるいは数メートルから数百メートルに切断加工された被覆付光ファイバ、若しくは光ファイバを数メートル毎に切断し中間部の被覆が除去された光ファイバ27を、高圧水素113が充填されている高圧容器111内に収納する(水素拡散工程)。
【0011】
このとき高圧容器111内は、水素(H2)又は重水素(D2)が充填されており、10MPa以上の高圧水素雰囲気中で温度を55℃に保った状態になっている。通常、直径125μmの光ファイバ27の中心まで均一に水素を拡散させる場合、この高圧容器111中に3〜4日間放置する必要がある。
【0012】
続いて図11(b)に示すように、水素拡散済みの光ファイバ27の所定位置に、凹溝が特定間隔で刻まれた位相マスク173を凹面を光ファイバ側にして配置し、この位相マスク173を介して干渉性UV(Ultra Violet)レーザ光171を照射する(干渉光照射工程)。これにより光ファイバ27のコア(水素拡散)23内に干渉縞が形成され、その高輝度点で屈折率上昇ΔNaが起きる。これは光増感物質が添加してあるコア23内に水素を拡散させた状態で干渉性UVレーザ光171を照射することで、光増感物質の光感受性により屈折率上昇が生じるためである。このようにして光増感物質が添加してあるコア23内に位相マスクの周期に対応したグレーティング(水素拡散)21が書き込まれる。
【0013】
次に図11(c)に示すように、グレーティング21が形成された光ファイバグレーティング型光部品37をオーブン151内に収納し、高温加熱した状態で一定時間(例:温度120℃で12時間)放置することにより、光ファイバグレーティング型光部品37中に拡散した水素153を外部に放出させる(焼成工程)。これによりコア23内に特定周期を有するグレーティング21が形成される。
【0014】
尚、グレーティング21の作製方法の具体例としては、図11(b)の干渉光照射工程において、位相マスク173を使用する方法以外に、異なる角度から入射する光の干渉を用いた二光束干渉法もある。また、短周期グレーティングではなく、長周期グレーティングを作製する場合には強度変調マスクを使用する方法、又は、1本ずつUVレーザ光をコア23に照射してグレーティング21を作製するステップバイステップ方法等もある。
【0015】
以上説明したように、光ファイバ27に水素を拡散しておくと光感受性を高めることができ、干渉性UVレーザ光171を照射したときに大きな屈折率変化が得られる。つまり、グレーティング21を作製する時に、水素を拡散しておくと、水素が拡散されていないコアと比較して、屈折率上昇速度が約50倍も促進されることが知られている。そのように水素拡散工程は、光感受性を容易に増大させる作用があることからグレーティング作製において必要不可欠な工程である。
【0016】
また、水素拡散工程で光ファイバ27に熱を加えると、より拡散速度を大きくできることは良く知られている。例えば、図12の加熱温度に対する水素拡散に必要な時間の関係グラフからも分かるように、高圧容器111内の状態を、常温より高圧容器111内の温度を上げると拡散速度が増す。
【0017】
ところで以下、特に断りがない場合は、光ファイバが基板型光導波路も代表するものとする。また同様に、以下の記述ではグレーティング21が光導波路中に形成されたグレーティングを代表するものとする。
【0018】
【特許文献1】
特開平11−109146号公報
【0019】
【特許文献2】
特開2000−86274号公報
【0020】
【非特許文献1】
Gilberto Brambilla et al., ”Enhanced photosensitivity in CO2 laser treated optical fibers”, Proceedings of Bragg Gratings,Photosensitivity, and Poling in Glass Wavegudes,Vol.33 pp.349−351,1999.
【0021】
【非特許文献2】
K.P.Chen et al.,”Strong 157 nm F2−laser photosensitivity−locking of hydrogen−loades telecommunication fiber for 248 nm fabrication of long period gratings”, Electronics Letters., Vol.38,No.1,pp.17−19,2002.
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述した従来の光ファイバグレーティングの製造方法では、グレーティング21の作製前に、水素が充填された高圧容器111から取り出した光ファイバ27をそのまま長時間保管することはできなかった。それは、光ファイバ27中に拡散させた水素が時間経過と共に徐々に空中に放出され、濃度が低下するためである。
【0023】
つまり、コア23中にグレーティング21を形成する際に、大気中で行うと、高圧力中でコア23に拡散させた水素が徐々に大気中に放出されてしまいコア23中の水素濃度が低下するため、時間の経過と共に水素拡散による光感受性増大効果が薄れてしまうという問題がある。
【0024】
例えば、直径125μmの光ファイバの場合、高圧容器111から取り出した光ファイバ中の水素は、室温に保管すると1日〜2日で水素拡散処理による光感受性増大効果が低下してしまう。
【0025】
このように水素等の濃度が低下した光ファイバは、グレーティング21作製時に光感受性が劣化してしまう。そのため高圧容器111から取り出して直ぐに紫外線照射による屈折率変化の処理を行わなければならず、作業上の制約が多いという問題がある。
【0026】
また、水素をコア23に至るまで拡散させることで光感受性を高めるようにしていたが、水素濃度の低下により光感受性が時間と共に劣化することで、紫外線照射量などを同じ条件で照射して作製しても、同じ特性を有する光部品とならず、部品作製上不利であり量産目的にも向かないという問題もある。
【0027】
さらに、水素が拡散している状態では、コア23の屈折率が上昇するため、水素がコア23中に拡散している状態で作製した光部品の特性が、水素が大気中に拡散し濃度が低下した場合、変化してしまうという問題もある。
【0028】
特にグレーティング型光部品の場合、コア23の屈折率が変化すると波長特性が変化してしまうため、実際に光部品を作製する際に、水素濃度低下による中心波長変動を予め考慮してグレーティングを作製する必要があり、中心波長の制御が難しい。
【0029】
このような問題点を踏まえ、水素が拡散していない状態においても高い光感受性を持たせるような光導波路が提案されている。それらの方法は、大きく分けて二つあり、1つはファイバ中に光感受性を高める特別な添加物を添加する方法であり、もう一方は、ファイバに後加工を行い光感受性を高める方法である。光ファイバに特別な添加物を添加する方法においては、錫などを添加する方法が提案されている。(特開平11−109146号公報、特開2000−86274号公報)
ファイバに後加工を行う方法として、1つは、コア23を加熱することにより光感受性を増大させる方法であり、熱源としてはバーナーや炭酸ガスレーザ照射による加熱などがある。もう1つは、水素を拡散させた状態で、紫外光領域で発光する波長157nmのフッ素レーザや、波長248nm、192nmで発光するエキシマレーザを照射すると水素濃度が低下した後も高い光感受性を示す性質を用いたものである。
【0030】
しかし、これらの方法には次のような問題点がある。
まず、特別な添加物を添加する方法では、特殊な光ファイバが必要となり、製造コストが高くなってしまう。また、光感受性を増大させる添加物を添加しても、高圧水素処理をした場合に比べると数分の1程度のレベルであり、さらなる光感受性の増大が求められていた。
【0031】
一方、炭酸ガスレーザで行う場合も、フッ素レーザ・エキシマレーザで行う場合でもレーザ光の場合、照射強度は強いが、そのビーム径は数mm角と小さく、数cmあるような長い導波路や、複数の導波路を一括処理するのは難しかった。また、レーザは値段も高く、装置も大がかりとなり電力やガスを多く使用することから維持費・運転費も多く必要であった。
【0032】
さらに、波長200nm以下の光は空気中の酸素に良く吸収されるため空気中を伝搬させると光が減衰し、強いパワーを光導波路に照射するのが難しい。
このためレーザから光部品までの光路を窒素雰囲気など吸収の少ない気体に置換する必要があり、使用し難いという問題があった。
そのため、このように予め炭酸ガスレーザや紫外線レーザで光感受性を増大させる方法はほとんど用いられておらず、水素濃度変化による特性変化はあるものの、水素を拡散させた状態で紫外光レーザを照射する方法が広く用いられている。
【0033】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、安価で量産性に優れた紫外光照射による光感受性の大きい光導波路およびその導波路を用いたグレーティング型光部品の製造方法及び製造装置を提供することにある。
【0034】
また、本発明の第2の目的は、水素又は重水素の高圧容器から取り出した光ファイバを次工程待ちのために長時間保管を可能にし、且つ、グレーティング作製時には光感受性を一層高めることが可能な紫外光照射による光部品、その製造方法及び製造装置を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、紫外光に対し光感受性を有する添加物を添加したコアとこのコアを覆うクラッドとを備える石英系材料に、水素又は重水素を拡散させる水素拡散工程と、紫外光域で単色発光する非干渉性光源からの光を石英系材料に照射する非干渉光照射工程と、非干渉光照射工程後、石英系材料を加熱し、この石英系材料内に拡散されている水素又は重水素を外部に放出させる焼成工程とを有することを要旨とする。
【0036】
請求項2記載の本発明は、紫外光に対し光感受性を有する添加物を添加したコアとこのコアを覆うクラッドとを備える石英系材料に、水素又は重水素を拡散させる水素拡散工程と、紫外光域で単色発光する非干渉性光源からの光を石英系材料に照射する非干渉光照射工程と、非干渉光照射工程後、石英系材料を加熱し、この石英系材料内に拡散されている水素又は重水素を外部に放出させる焼成工程と、焼成工程後、紫外光域で発光する紫外光を石英系材料に照射し、周期的に変動する屈折率を前記石英系材料に形成する工程とを有することを要旨とする。
【0037】
請求項3記載の本発明は、紫外光に対し光感受性を有する添加物を添加したコアと該コアを覆うクラッドとを備える石英系材料に、水素又は重水素を拡散させる水素拡散工程と、紫外光域で単色発光する非干渉性光源からの光を前記石英系材料に照射する非干渉光照射工程と、非干渉光照射工程後、石英系材料を加熱し、この石英系材料内に拡散されている水素又は重水素を外部に放出させる焼成工程と、焼成工程後、紫外光域で単色発光する干渉性光源からの紫外光を、位相マスクまたは二光束干渉により石英系材料に照射し干渉縞の濃淡に応じた周期的に変動する屈折率を前記石英系材料に形成する干渉光照射工程とを有することを要旨とする。
【0038】
請求項4記載の本発明は、請求項1乃至3記載の紫外光照射による光部品の製造方法において、非干渉性光源は、エキシマランプであることを要旨とする。
【0039】
請求項5記載の本発明は、請求項4記載の紫外光照射による光部品の製造方法において、エキシマランプの波長は、150nm乃至280nmの範囲であることを要旨とする。
【0040】
請求項6記載の本発明は、請求項4又は5記載の紫外光照射による光部品の製造方法において、エキシマランプの波長は、172nmであることを要旨とする。
【0041】
請求項7記載の本発明は、請求項4又は5記載の紫外光照射による光部品の製造方法において、エキシマランプの波長は、222nmであることを要旨とする。
【0042】
請求項8記載の本発明は、請求項3記載の紫外光照射による光部品の製造方法において、干渉性光源は、紫外線レーザであることを要旨とする。
【0043】
請求項9記載の本発明は、請求項1乃至8記載の紫外光照射による光部品の製造方法において、石英系材料は、光ファイバであることを要旨とする。
【0044】
請求項10記載の本発明は、請求項1乃至8記載の紫外光照射による光部品の製造方法において、石英系材料は、基板型光導波路であることを要旨とする。
【0045】
請求項11記載の本発明は、紫外光に対し光感受性を有する添加物を添加したコアとこのコアを覆うクラッドとを備える石英系材料に、水素又は重水素を拡散させる水素拡散手段(高圧容器)と、紫外光域で単色発光する非干渉性光源からの光を石英系材料に照射する非干渉光照射手段(紫外線ランプ)と、石英系材料(光ファイバ又は基板型光導波路)を加熱し、この石英系材料内に拡散している水素又は重水素を外部に放出させる焼成手段(加熱オーブン)とを有することを要旨とする。
【0046】
請求項12記載の本発明は、紫外光に対し光感受性を有する添加物を添加したコアとこのコアを覆うクラッドとを備える石英系材料に、水素又は重水素を拡散させる水素拡散手段と、紫外光域で単色発光する非干渉性光源からの光を石英系材料に照射する非干渉光照射手段と、石英系材料を加熱し、この石英系材料内に拡散している水素又は重水素を外部に放出させる焼成手段と、紫外光域で単色発光する干渉性光源からの紫外光を、位相マスクまたは二光束干渉により石英系材料に照射し、干渉縞の濃淡に応じた周期的に変動する屈折率を石英系材料に形成する干渉光照射手段(紫外線レーザ)とを有することを要旨とする。
【0047】
請求項13記載の本発明は、光部品は、第1の屈折率を有するコアと、このコアの周りを第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を有するクラッドで覆ってなる光部品であって、コアは、第1の屈折率に加え、非干渉性紫外光の照射により上昇した第3の屈折率と、さらに干渉性紫外光の照射により上昇した第4の屈折率を加算してなる屈折率を有する回折格子を備えることを要旨とする。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0049】
本発明は、光感受性を有するコアに水素又は重水素を拡散させた上で、エキシマランプなどの紫外光域で単色発光する非干渉性の紫外線を照射することにより、コアの特性を変化させ、コア内の水素濃度が低下した後でも光感受性が低下することなく高屈折率を有するグレーティングを形成することができる光導波路の作製方法と、その光導波路に紫外線を照射することによる周期的な屈折率上昇を用いたグレーティング型光部品、光部品の製造方法及び製造装置に関する。
【0050】
ここでグレーティング型光部品とは、コア内にグレーティングが形成されている光ファイバ、若しくは基板型光導波路を指し、以下代表して光ファイバで説明する。また、グレーティングとは短周期グレーティングや長周期グレーティング、あるいはスラント型グレーティングやサンプルドグレーティングなどの屈折率が光導波路内で周期的に変化している部分を指し、以下代表して短周期グレーティングで説明する。
【0051】
図1は、本発明の実施の形態に係る紫外光照射により作製された光ファイバグレーティングの構成を示す図である。具体的に図1(1)は、光ファイバグレーティングのコア長軸方向に対する屈折率変化を示すグラフであり、図1(2)は、光ファイバグレーティングを長軸方向に沿って切断した縦断面図である。
【0052】
図1(2)に示すように、本発明の光ファイバグレーティング型光部品17は、屈折率N1を有する長尺のコア13の周りを、屈折率N1より低い屈折率を有する石英からなるクラッドで覆ってなる構成を有しており、周期で屈折率量が変化するグレーティング部を有している。このコア13の屈折率N1とクラッドの屈折率、コア直径などのファイバ構造と入射光の波長λから算出される実効屈折率neffを用いると、λ=2neff_で求められる、波長λを反射する反射型グレーティングとなる。
【0053】
ここで屈折率上昇部は、横断面から見ると略円形状を有しており、縦断面から見ると周期(約0.5μm)程度の格子縞が所定間隔で連続的に形成されているようにみえる。この格子間隔は上述したように、格子間隔λ=2neff_の関係を満たすように形成されており、この格子間隔により波長が選択的に反射される。
【0054】
このコア13に書き込まれるグレーティング11の屈折率は、図1(1)に示すように、コア13がもともと有する屈折率N1と、製造工程時に非干渉性UVランプを照射することにより上昇した屈折率ΔNcと、この非干渉性UVランプ光照射後に干渉性UVレーザ光を照射することにより上昇した屈折率ΔNbとを加算してなるものである。
【0055】
このコア13には、予め、紫外線域の光に反応して増感作用を生じる光増感物質としてゲルマニュウム(Ge)、リン(P)、ボロン(B)等が添加されている。このようなコア13に形成されている屈折率ΔNcは、上記光増感物質がドープされているコア13に紫外線域の非干渉光が照射されることにより生じるものである。また、屈折率ΔNbは、紫外線域の干渉光が照射されることにより生じるものである。尚、このときコア13及びクラッド15には、従来と異なり、水素がほとんど存在していない。
【0056】
次に、本発明の光ファイバグレーティング17の作用及び効果を説明する。
【0057】
まず、石英系材料からなる例えばコア径が約4μm、クラッド径が125μmの光ファイバを用意し、この光ファイバのコア13及びクラッド15に水素を拡散させた上で、エキシマランプなどの紫外光域で単色発光する非干渉性紫外光を照射する。これによりコア13にドープされている光増感物質と非干渉性紫外光とが反応し、コア13内に屈折率ΔNcの上昇がみられる。次いで、コア13及びクラッド15に拡散されている水素を外部放出させた後(若しくは、長時間放置したことにより水素が放出した状態で)、干渉性紫外光を所定交叉角でコア13に照射する。これによりコア13内に干渉縞が形成され、この干渉縞の照射強度に応じた屈折率ΔNbの上昇がコア13内にみられる。上記作用により、コア13に、高屈折率(屈折率N1+屈折率ΔNc+屈折率ΔNb)を有するグレーティング11が形成される。
【0058】
従って、非干渉性紫外光を照射した後であれば、コア13内の水素濃度が低下した後でも、干渉性紫外光を照射したときに高屈折率を有するグレーティング11を形成することができる。尚、本実施の形態及び図面では、コア13内のみにグレーティング11が形成されるように記載しているが、条件によってはクラッドにも光増感物質がドープされている場合もあるため、その場合にはコア断面積よりもひと回り大きい断面積を有するグレーティング11が長軸方向に向って幾層も形成される。
【0059】
このような光ファイバグレーティング型光部品17に、一方の端から特定波長λの光を入射すると、波長λと実効屈折率との関係を満たす位置に形成されているグレーティング(水素無)11で、この特定波長λの光が反射される。例えば、このグレーティング11の周期や形成角度を変えると、波長を選択的に反射させることができ、また、多重化された光を波長分割することや、さらには特定波長のみ外部へ放出するさせること、又さらには入射光に大きな波長分散を持たせることができる。
【0060】
次に、図2を参照して、本発明の光ファイバグレーティング型光部品17の製造方法を説明する。
【0061】
図2は、本発明の実施の形態に係る紫外線照射による光部品の製造方法を工程順に示した図である。
本発明の製造方法の特徴は、コア13内に水素を拡散させる水素拡散工程後に、非干渉性の光を照射し、この水素を拡散させた光ファイバを焼成して水素を外部放出させた後に干渉性の光を照射してグレーティング11を書き込む点にあり、干渉性の光を照射する干渉光照射工程において、コア13中の水素濃度は既に十分低下していることから、水素濃度変化による屈折率特性変化を生じさせないものである。
【0062】
本発明の製造方法は、図11の従来の製造方法と比較して、図2(a)の水素拡散工程までは同じである。そこで図2(a)の説明を省略し、図2(b)から説明する。
【0063】
図2(b)に示すように、この非干渉光照射工程では、エキシマランプのように広い面積の照射が可能な非干渉性UVランプ光131を水素拡散させた多数本数の光ファイバ27に照射する。非干渉性UVランプ光131で照射された光ファイバのコア13の屈折率は、照射時間に応じて一定量、つまり屈折率△Nc55だけ上昇するとともに、後工程でのグレーティング11作製時の光感受性を高め、グレーティング11形成時の屈折率上昇分△Nb53の引き上げに作用する。
【0064】
次に、図2(c)に示すように、焼成工程では、オーブン151内に光ファイバ27を収納し、高温加熱した状態で特定時間(例えば、温度120℃で12時間)放置する。これにより、光ファイバ27中に拡散した水素153がオーブン151内へ放出する。この後、光ファイバ27中の水素153等の残留濃度は十分低減しているので、次工程待ちとして長時間保管しても特性の変化がほとんど生じない。しかも、水素放出153等を行ってもグレーティング11作製時の干渉性UVレーザ光171に対する光感受性は保持している。この点が本発明の特長の1つである。従来方法では、水素を放出したコアは光感受性の大幅低下をもたらしていた。
【0065】
続いて、図2(d)に示すように、干渉光照射工程では、上記工程を経た光ファイバ27に干渉性を有する干渉性UVレーザ光171を照射してグレーティング11を形成する。その光源としては、例えばエキシマレーザやアルゴンイオンレーザ等の第2高調波が挙げられる。
【0066】
ここでグレーティング11の具体的な形成方法の一例として、図2(d)に示す、位相マスク173を使用した短周期グレーティングの例を示す。
【0067】
まず、焼成済みの光ファイバ27の所定位置に、複数の凹溝が一定間隔で刻まれた位相マスク173を配置し、この位相マスク173を介して干渉性UVレーザ光171を照射する。これにより光ファイバ27のコア(水素無)13内に干渉縞が生じ、その高輝度点で屈折率ΔNbの上昇が生じる。このようにしてコア13内に位相マスクの周期に対応した周期からなるグレーティング(水素無)11が形成される。
【0068】
尚、グレーティング11の形成方法としては、上記の位相マスク173を使用する方法以外にも、二光束干渉法がある。また、長周期グレーティングにおいては強度変調マスクを使用する方法や、あるいは1本ずつUVレーザ光をコア13に照射してグレーティング11を形成する方法もある。
【0069】
ここで図3に、上記製造方法で作製した本発明の光ファイバグレーティング型光部品17と、従来製造方法で作製した光ファイバグレーティング37の屈折率を比較した図を示す。図3(b1),(b2)によれば、水素を拡散後焼成した本発明の光ファイバグレーティング型光部品17の屈折率上昇分ΔNb53は、図(a1),(a2)に示す、水素を拡散させた従来の光ファイバグレーティング37の屈折率上昇分△Na51と比較して、同程度またはそれ以上の屈折率変化が得られることが示されている。
【0070】
つまり上述の結果より、紫外線に対し光感受性を有する添加物を添加した石英系材料に水素又は重水素を拡散させる水素拡散工程と、その石英系材料に紫外光域で単色発光する非干渉性光源(例えばエキシマランプ)からの光を照射する非干渉光照射工程と、その後、石英系材料に拡散している水素又は重水素を石英系材料中から取り除く焼成工程を実施することで、ここまでの工程でコア内の石英系物質の光感受性が増大した状態が保たれ、さらに光感受性の経時劣化も小さい光導波路(光ファイバ)を作製することができる。そして、焼成工程までを経た光導波路に、さらに干渉性を有する紫外光(例えば紫外線レーザ)を位相マスク173を介して石英系材料に照射する干渉光照射工程を経ることで、水素が抜けたコア13に高屈折率を有するグレーティング11を形成することができる。
【0071】
また、上述のように焼成工程まで経た光部品を用いることで、水素拡散による光感受性増大の時とは異なり、光感受性の時間経過による劣化がほとんどないため、焼成工程と干渉光照射工程の間の時間的な制約をなくすことができる。
【0072】
(実施例)
次に、本発明の実施例を説明する。
【0073】
まず、本実施例で使用したエキシマランプについて説明する。
エキシマとは、本来、基底状態では安定状態にあり分子を作らない閉核原子又は分子が励起されることにより、他の基底状態の原子又は分子と強い結合力を示し分子化したものである。
【0074】
このエキシマ状態から基底状態に遷移する際に、そのエネルギー差に相当する光が発光される。この時レーザ発振するものがエキシマレーザと呼ばれ、波長248nmのKrF、308nmのXeCl、193.2nmのArFレーザなどが実用化されている。これらのレーザはパルス発振である。
【0075】
一方、ほぼ同じ原理を用い、レーザ発振ではなくランプとして発光するのがエキシマランプである。使用するガスの種類を変更することにより、図4に示すように、様々な波長で発光するランプを作製することができる。中でもXeを用い波長172nmで発光するものや、KrClを用い222nmで発光するものなどは、既に広く製品化されており、液晶用パネルなどの洗浄用などに利用されているため特性の安定したランプを安価に入手することが容易である。
【0076】
このようなエキシマランプは、エキシマレーザとは異なり、放電管の長さを長くするだけで照射面積を広くでき、例えば500×80mm以上の照射面を得ることも容易にできる。
【0077】
この上記のエキシマランプを使用して、以下の工程手順で光ファイバグレーティングを作製した。以下、図2と併せて説明する。
【0078】
石英系の光導波路としては、コアには約8.5wt%のGeO2が添加されており、コア直径が約4μm、コアとクラッドの比屈折率差が0.85%である光ファイバを用いた。この光ファイバを55℃、100気圧の水素雰囲気中に1週間放置し、ファイバコアまで水素を拡散させた(図2(a):水素拡散工程)。
【0079】
石英光ファイバの周囲に保護のために被覆されている紫外線硬化型樹脂(光ファイバ被覆29)は、エキシマランプからの紫外光を透過しないため、紫外光を照射する部分の樹脂被覆は除去し石英をむき出しにした。この石英がむき出しにされた光ファイバ27にパワー密度15mW/cm2のエキシマランプ紫外光(非干渉性UVランプ光131)を一定時間照射した。照射したエキシマランプは波長172nmのものを用いた(図2(b):非干渉光照射工程)。
【0080】
その後、光ファイバ全体を120℃で12時間加熱し、光ファイバ中に拡散していた水素を大気中に再拡散させ、光ファイバ中の水素濃度を低下させた(図2(c):焼成工程)。この120℃、12時間の加熱は、光ファイバ27中心部での水素濃度が拡散により、加熱前の0.24%程度に低下する条件であり、実用上十分な濃度低下が得られる。
【0081】
尚、図12において、120℃、12時間で加熱した場合と同等の濃度低下、つまり光ファイバ27中心部での水素濃度が加熱前の0.24%の濃度に達するまでに必要な加熱温度と水素拡散時間の関係を示したが、これによると25℃の室温でも600時間以上の時間をかければ120℃、12時間で加熱したのと同等の効果が得られる。しかし非常に時間がかかるため、通常は今回の例のように100℃以上に加熱し、時間を短縮する方が作製工程上望ましい。
【0082】
ただし、光ファイバを用い焼成工程を行う場合、光ファイバ周囲の被覆樹脂は150℃以上で加熱すると変色が大きく生じ、200℃以上に加熱すると樹脂の炭化が進むため、少なくとも200℃以下、望ましくは150℃以下で焼成工程を行うと良い。
【0083】
次いで、この光ファイバのエキシマランプを照射した部分に、アルゴンイオンレーザの第二高調波(ArSHG:波長244nm)を用い位相マスク法で反射中心波長1550nmのグレーティング11を作製した(図2(d):干渉光照射工程)。
【0084】
このときArSHGレーザのパワー密度は150mW/mm2であり、グレーティング長は1mmである。
【0085】
このグレーティング11の反射中心波長及び透過損失の関係から、ArSHGレーザ露光による屈折率変化量を見積もった。その結果を図5に示す。横軸がArSHGレーザ照射時間であり、縦軸が屈折率変化量である。図5中の各線がエキシマランプの照射時間を示している。また、比較のために従来から一般に用いられている水素を拡散させた状態で露光した場合の屈折率変化の様子も併せて示した。
【0086】
図5より、エキシマランプの照射時間を0分から30分まで増加させることで、ArSHGレーザで同じ時間だけ露光した場合の屈折率変化が大きくなることが確認できた。これにより、本発明の方法を用いることで石英系材料の光感受性を増大させる効果があることが確認できた。
【0087】
さらに、その光感受性は、図3に示した従来用いられていた水素を拡散させた状態での光感受性と同等以上であり、レーザによる露光量が少ない領域ではむしろ本発明による光感受性の方が大きく、少ない露光量で大きな屈折率変化が得られることも示された。例えば、エキシマランプを10分照射したサンプルの場合、屈折率変化量が0.001以下の領域では、エキシマランプ照射による光感受性増大ファイバの方が屈折率変化が大きく、短時間で所望の特性の光部品を作製することができる。
【0088】
具体的には、レーザダイオードの波長安定化用に用いる光ファイバグレーティングのような必要屈折率変化量が0.0001〜0.0005と小さいものでは、水素拡散による光感受性増大よりも短い時間で所望の特性が得られることから、作製効率が上がり効果的である。
【0089】
以上の結果は、波長172nmのエキシマランプを用いた場合の結果であるが、光感受性を示す紫外光領域であれば、同様の結果が得られる。
【0090】
従って、非干渉光照射工程において、図4に示したエキシマランプのうち、波長150〜280nmの範囲で発光する光源が使用可能であると考えられ、中でもXeを用いた波長172nmとKrClを用いた222nmのランプは、液晶用パネルなどの洗浄用に利用されているため、特性の安定したランプを安価に入手することができることから、安価に光ファイバグレーティング11を製造することができるようになる。ただし、ゲルマニュウムが添加してある光導波路においては、172nmの光の方が222nmの光より吸収係数が大きく、効率よく光感受性の増大効果が得られるので、172nmの方がより望ましい。
【0091】
また、このようなエキシマランプは、紫外光領域で細いスペクトル線幅で発光(単色発光)するため、光エネルギーが熱エネルギーなどに変化することを抑え、効率よく光導波路の特性変化を得ることができるため、非干渉性光源としては紫外光領域で単色発光する光源を用いることが望ましい。
【0092】
また、このようなエキシマランプは、エキシマレーザとは異なり、放電管の長さを長くするだけで照射面積を広くでき、例えば500×80mm以上の照射面を得ることも容易にできることから、量産性に優れている。
【0093】
さらに、エキシマランプを複数本並べることにより照射面積を広くすることができると共に、照射強度を強くすることもできるため、数多くの光部品に一度に紫外線照射することが可能となり量産性が高い。
【0094】
またさらに、エキシマランプは、エキシマレーザに比べ装置の値段が約1/10であり、駆動電源も100Vの交流電源を使用することも可能であることから、レーザに比べ格段に安い価格で装置を作製することができる。
【0095】
また、レーザに必要な保守点検が要らないのも製造工程で有利である。またさらに、エキシマランプの大きさは小さいものでは20mm×18φ程度にできるため、他の装置に組み込むことも容易である。このため照射部分を窒素などの気体で置換することも容易であり、酸素による吸収の影響を小さくすることができる。このため、空気中の酸素に吸収されてしまう200nm以下の光を導波路に容易に照射することができる。一般的に波長の短い光ほどエネルギーが高く、200nm以下の光の方が紫外線照射による光感受性増大効果が大きいので、この点でもレーザ照射よりランプを用いる方が有利となる。
【0096】
ただし、パワー密度がエキシマレーザの1000分の1程度しかない。そのため、物質の特性を変化させる場合にはレーザの方が有利であると考えられるが、光照射による石英材料の劣化はレーザよりも小さく、例えば、レーザ照射による光ファイバの引張強度劣化はエキシマランプ照射では見られない等の利点がある。
【0097】
また、エキシマランプの場合、連続点灯しても特性が安定しているため、レーザと違い、長時間の光照射で所望の特性が得られることも本実施の形態において確認された。また、図4に示すように様々な波長のランプを作製することが可能であるため、光増感物質の特性に合わせ効率よく特性変化を得られる波長を選択することもできる。
【0098】
また、このエキシマランプの光を石英材料に照射することで、石英材料の光感受性が増加することが分かった。ただし、効率よく石英系物質の光感受性変化に結びつけるためには、エキシマランプの照射波長での吸収を大きくするための物質が石英系物質に添加されている必要がある。石英系の光ファイバに添加する光増感物質としては、前述したように、ゲルマニュウム(Ge)、リン(P)、ボロン(B)などである。
【0099】
また、紫外線照射による光感受性を高めるために、石英系光ファイバ中に水素又は重水素を拡散する方法も知られており、本発明においては水素を拡散させた後、エキシマランプ照射を行うことで、エキシマランプ照射前後の光感受性変化を大きく得ることができた。
【0100】
さらに、通常の石英系光導波路のコアには屈折率を上昇させるためにゲルマニュウムが添加されていることから、新たに光増感物質を添加する必要がなく、容易にエキシマランプ照射による屈折率特性変化を得ることができる。これにより特別な材料を用意する必要がないため安価に光感受性の高い光導波路、及び、その導波路を用いた光ファイバグレーティングを作製することができる。
【0101】
また、上述したような屈折率変化を得るために必要な紫外光の波長は、添加する光増感物質にもよるが、通常280nm以下である必要がある。これは、280nm以上の光では光感受性が非常に小さく、所望の屈折率変化を得ることが困難だからである。一方、波長150nm以下の光は光増感物質を添加しない純粋な石英での吸収が非常に大きく光が透過しないため、露光波長は150nm以上である必要がある。
【0102】
従って、屈折率変化に用いる非干渉性光源としては、例えば図4に示したエキシマランプの中の波長150nm〜280nmの範囲で発光する物を選択することが望ましい。中でも、先に述べたように波長222nmと172nmのランプは、液晶用パネルなどの洗浄用に利用されているため特性の安定したランプを安価に入手することが容易であるため有利である。さらに、172nmの光は222nmよりも同じ照射量で大きな光感受性の増大効果が得られるため、172nmの方がより望ましい。
【0103】
また、このような光感受性を有する石英材料に、水素又は重水素を拡散させた上で、この紫外光域で単色発光するエキシマランプを照射すると、水素又は重水素の濃度が低下しても高い光感受性を示すことが実験より示された。 尚、この光感受性は時間的に安定であり、長時間室温に放置しても光感受性の劣化は確認されなかった。
【0104】
以上の結果から、特に光ファイバは光通信用に広く使用されていることから値段も安く、作製技術も確立しており安定的に大量に作れることから、安価で量産性に優れた紫外光照射による高い光感受性を有する光導波路、及び、その導波路を用いた光ファイバグレーティングを製造することができる。
【0105】
(使用例)
本発明の光ファイバグレーティング型光部品17の使用例を、図6〜9を参照して説明する。
【0106】
図6は、本発明の光ファイバグレーティング型光部品17を適用した波長安定化用短周期グレーティングである。図7は、本発明の光ファイバグレーティング型光部品17を適用したadd/Drop用短周期グレーティングである。また図8は、本発明の光ファイバグレーティング型光部品17を適用した分散補償用ファイバグレーティングである。さらに図9は、本発明の光ファイバグレーティング型光部品17を適用した利得用スラント型ファイバグレーティングである。
【0107】
これら使用例に挙げた光ファイバグレーティング型光部品17は、いずれもコア中にゲルマニュウム、リン、ボロンなどの光増感物質を含んでいる光ファイバであり、コア13に水素を拡散後、非干渉光を照射して焼成することで水素を外部放出させ、そこに干渉光を照射することで、周期的にコア13中の屈折率を変化させてグレーティング11を形成させたものである。
【0108】
このような光ファイバグレーティング型光部品17は、その使用目的に応じてコア13の長さ方向にわたりグレーティング11の形成間隔や形成長が異なる。例えば図6,7に示す波長安定化用グレーティングやadd/Drop用グレーティングは、ある一定の周期をもって屈折率が変化するように形成されている。
【0109】
また、図8,9に示す分散補償用グレーティングや利得用スラント型グレーティングは、連続的に徐々に変化する周期としたり、あるいは間欠的な周期をもって屈折率が変化するように形成されている。
【0110】
ここで仮に、コア中に形成されたグレーティング11のピッチがある一定の周期Λoとすると、
【数1】
Λo=m × λ/(2neff) ・・・(1)
を満たす光の波長λでは、グレーティング各点での反射波が同相となり、且つ各点の反射パワー自体は非常に小さいものであるが、後述するように数千箇所での反射波を総和すると大きな反射となる。
ここで、neff:グレーティング実効屈折率(石英系コアではneff≒1.46)、m=1,2,・・・n(整数)である。
一般的には、m=1とする。
すなわち、式(1)にm=1を代入して、
【数2】
Λo=λ1/(2neff) ・・・(2)
を満たす波長λ1で反射を生じるようにグレーティングピッチΛoを設計する。
【0111】
一例として、公共光通信網で用いられる波長λ1=1550[nm]を、式(2)に代入すると、グレーティングピッチΛo≒500[nm] ≒0.5[μm] が得られる。コアの長さ方向1mmにわたって上述のグレーティングピッチが作製された時、約2000の屈折率変動となる。
【0112】
このようにして作製されたグレーティングで、図6,7に示すように、コア内の屈折率上昇が一定のピッチΛoで周期的なものを、一般的にユニフォーム(Uniform)型グレーティングと呼び、このユニフォーム型グレーティングは、コアを伝搬する信号光のうち、式(2)を満たす特定1波長の信号光で同相の多点反射を起こす。
【0113】
一方、図8,9に示すように、コア内のグレーティングのピッチΛが連続的に徐々に変化(例:Λ1〜Λn)しているものを、チャープ(Chirped)型グレーティングと呼び、このチャープ型グレーティングは、ユニフォーム型グレーティングと同様、式(2)からΛi=λi/(2neff)を満たす波長λiで同相の多点反射を起こす。ここで、i=1、2、3、・・・、n(整数)であるから、1〜nの多波長に作用することが可能である。
【0114】
以上図6〜9で説明したように、本発明の光ファイバグレーティング型光部品17は、波長を選択的に反射させる波長安定化グレーティングとして、又はサーキュレータを併存させて多重化させた光を波長分割するadd/Drop用グレーティングとして、さらには光伝送路で蓄積した波長分散による光パルスの広がりを補償する分散補償用グレーティングとして、又さらには所定傾斜を有するように反射面を形成することで指定波長のみ外部へ放出する利得等化用スラント型グレーティングとして使用することができる。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、エキシマランプ等の紫外光域で発光する非干渉性光源を水素又は重水素を拡散させた石英系材料に照射することで、水素濃度低下後も高い光感受性を保持した導波路を作製することができ、この導波路を用いることで簡単且つ大量に光部品を作製することが可能となる。つまり、水素あるいは重水素の高圧容器から取り出した光ファイバを、干渉光照射工程待ちのために長時間保管を可能とし、且つ、グレーティング作製時には光感受性を一層高めることができる。これにより焼成工程と干渉光照射工程との間で余裕をもって作製できるので、その際に従来以上の品質を維持して作製することができる。これら結果より、安価で量産性に優れた紫外光照射による光部品、その製造方法及び製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光ファイバグレーティングの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る光ファイバグレーティングの製造方法を説明する工程図である。
【図3】本発明の光ファイバグレーティングと従来の光ファイバグレーティングの屈折率差を比較した図である。
【図4】本発明の製造方法において使用するエキシマランプ使用ガスと波長の関係を示す表である。
【図5】本発明の実施の形態に係る製造方法を用い、波長172nmの干渉性紫外光でグレーティングを書き込んだ時の光感受性増大効果を測定した測定グラフである。
【図6】本発明の光ファイバグレーティングを適用した波長安定化用グレーティングの構成を示す図である。
【図7】本発明の光ファイバグレーティングを適用したadd/Drop用グレーティングの構成を示す図である。
【図8】本発明の光ファイバグレーティングを適用した波長分散を補正するための波長分散補償用グレーティングの構成を示す図である。
【図9】本発明の光ファイバグレーティングを適用した光増幅器の増幅後の利得平坦化に利用する利得等化用グレーティングの構成を示す図である。
【図10】従来の光ファイバグレーティングの構成を示す図である。
【図11】従来の光ファイバグレーティングの製造方法を説明する工程図である。
【図12】高圧容器内の加熱温度と水素拡散に必要な時間との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11,21…グレーティング
13,23…コア
15,25…クラッド
17,37…光ファイバグレーティング型光部品
27…光ファイバ
29…光ファイバ被覆
111…高圧容器
113…高圧水素
131…ランプ光
151…オーブン
153…水素放出
171…レーザ光
173…位相マスク
Claims (13)
- 紫外光に対し光感受性を有する添加物を添加したコアと該コアを覆うクラッドとを備える石英系材料に、水素又は重水素を拡散させる水素拡散工程と、
紫外光域で単色発光する非干渉性光源からの光を前記石英系材料に照射する非干渉光照射工程と、
前記非干渉光照射工程後、前記石英系材料を加熱し、該石英系材料内に拡散されている水素又は重水素を外部に放出させる焼成工程、
とを有することを特徴とする紫外光照射による光部品の製造方法。 - 紫外光に対し光感受性を有する添加物を添加したコアと該コアを覆うクラッドとを備える石英系材料に、水素又は重水素を拡散させる水素拡散工程と、
紫外光域で単色発光する非干渉性光源からの光を前記石英系材料に照射する非干渉光照射工程と、
前記非干渉光照射工程後、前記石英系材料を加熱し、該石英系材料内に拡散されている水素又は重水素を外部に放出させる焼成工程と、
前記焼成工程後、紫外光域で発光する紫外光を石英系材料に照射し、周期的に変動する屈折率を前記石英系材料に形成する工程と、
を有することを特徴とする紫外光照射による光部品の製造方法。 - 紫外光に対し光感受性を有する添加物を添加したコアと該コアを覆うクラッドとを備える石英系材料に、水素又は重水素を拡散させる水素拡散工程と、
紫外光域で単色発光する非干渉性光源からの光を前記石英系材料に照射する非干渉光照射工程と、
前記非干渉光照射工程後、前記石英系材料を加熱し、該石英系材料内に拡散されている水素又は重水素を外部に放出させる焼成工程と、
前記焼成工程後、紫外光域で単色発光する干渉性光源からの紫外光を、位相マスクまたは二光束干渉により前記石英系材料に照射し干渉縞の濃淡に応じた周期的に変動する屈折率を前記石英系材料に形成する干渉光照射工程と、
を有することを特徴とする紫外光照射による光部品の製造方法。 - 前記非干渉性光源は、
エキシマランプであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の紫外光照射による光部品の製造方法。 - 前記エキシマランプの波長は、
150nm乃至280nmの範囲であることを特徴とする請求項4記載の紫外光照射による光部品の製造方法。 - 前記エキシマランプの波長は、
172nmであることを特徴とする請求項4又は5記載の紫外光照射による光部品の製造方法。 - 前記エキシマランプの波長は、
222nmであることを特徴とする請求項4又は5記載の紫外光照射による光部品の製造方法。 - 前記干渉性光源は、
紫外線レーザであることを特徴とする請求項3記載の紫外光照射による光部品の製造方法。 - 前記石英系材料は、
光ファイバであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の紫外光照射による光部品の製造方法。 - 前記石英系材料は、
基板型光導波路であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の紫外光照射による光部品の製造方法。 - 紫外光に対し光感受性を有する添加物を添加したコアと該コアを覆うクラッドとを備える石英系材料に、水素又は重水素を拡散させる水素拡散手段と、
紫外光域で単色発光する非干渉性光源からの光を前記石英系材料に照射する非干渉光照射手段と、
前記石英系材料を加熱し、該石英系材料内に拡散している水素又は重水素を外部に放出させる焼成手段と、
を有することを特徴とする紫外光照射による光導波路の製造装置。 - 紫外光に対し光感受性を有する添加物を添加したコアと該コアを覆うクラッドとを備える石英系材料に、水素又は重水素を拡散させる水素拡散手段と、
紫外光域で単色発光する非干渉性光源からの光を前記石英系材料に照射する非干渉光照射手段と、
前記石英系材料を加熱し、該石英系材料内に拡散している水素又は重水素を外部に放出させる焼成手段と、
紫外光域で単色発光する干渉性光源からの紫外光を、位相マスクまたは二光束干渉により前記石英系材料に照射し、干渉縞の濃淡に応じた周期的に変動する屈折率を前記石英系材料に形成する干渉光照射手段と、
を有することを特徴とする紫外光照射による光部品の製造装置。 - 第1の屈折率を有するコアと、
該コアの周りを第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を有するクラッドで覆ってなる光部品であって、
前記コアは、前記第1の屈折率に加え、非干渉性紫外光の照射により上昇した第3の屈折率と、さらに干渉性紫外光の照射により上昇した第4の屈折率を加算してなる屈折率を有する回折格子を備えることを特徴とする紫外光照射による光部品。
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