JP2001033465A - 走査形プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査形プローブ顕微鏡

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JP2001033465A
JP2001033465A JP11203906A JP20390699A JP2001033465A JP 2001033465 A JP2001033465 A JP 2001033465A JP 11203906 A JP11203906 A JP 11203906A JP 20390699 A JP20390699 A JP 20390699A JP 2001033465 A JP2001033465 A JP 2001033465A
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啓文 山田
Kei Kobayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境温度に依存することなく、高感度で試料
表面を観察すること0 【解決手段】試料2の表面3を走査するカンチレバー4
を有する機械的発振手段6では、そのカンチレバー4
が、共振周波数f1で振動され、その出力は、周波数変
換手段8に与えられる。水晶発振子41によって安定化
された局部発振周波数f2による中間周波数f3の信号
は、位相同期ループ回路の位相検波器45に与えられ、
また水晶発振子48によって安定化された基準周波数f
4を発生する電圧制御発振回路46が備えられる。カン
チレバー4と表面3との相互作用による力に依存して、
共振周波数f1が変化し、その変化量△fに対応して中
間周波数f3が変化し、位相検波器45の電圧V1が変
動電圧△Vを生じる。変化量△f、したがって変動電圧
△Vが一定になるように、カンチレバー4と試料2との
間の距離を一定に保って走査する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査形プローブ顕
微鏡(Scanning Probe Microscope、略称SPM)に関
し、特に、探針または探針が連結されたカンチレバーな
どの機械共振部をその共振周波数で振動させ、探針と試
料とが近接した際の共振周波数の変化量△fを、位相同
期ループ回路(Phase Locked Loop、略称PLL)を用
いて周波数検出する動的観察法の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、原子間力顕微鏡(Atomic For
ce Microscope、略称AFM)は、走査形プローブ顕微
鏡の1つであって、固体試料の表面を、原子オーダの分
解能で観察することができる。原子間力顕微鏡では動的
観察法が採用されている。カンチレバーの先端部と試料
表面との間に相互に作用する微小な力に対応して、カン
チレバーの共振周波数が変化し、その共振周波数の変化
量△fを一定に保つようにカンチレバーと試料との間隔
を一定に保持しつつカンチレバーによる試料の表面の走
査を行い、画像を形成する。この動的観察法は、大気中
で用いた場合、カンチレバーが試料に与えるダメージが
少なく、特に有機生体材料の観察などにおいて、高分解
能が得られ、また真空中で用いた場合、試料表面の吸着
分子などの影響が少なく、半導体表面の観察などにおい
て高分解能が得られる。真空中で用いた場合、カンチレ
バーの共振のQ値が高く、また空気中であっても、カン
チレバーのQ値が高い場合、カンチレバーの共振周波数
の変化量△fを周波数検出する構成が有利であることが
知られており、すなわちこのようにして共振周波数の変
化量△fを、周波数検出する先行技術によれば、その共
振周波数の変化量Δfに対応した発振信号の振幅を検出
する構成に比べて、カンチレバーの先端部と試料との間
の距離を制御を、高感度で行うことができる。
【0003】この周波数検出のために用いられる位相同
期ループ回路は、使用上簡便性があり、集積回路を用い
て容易に実現することができ、またカンチレバーの広い
共振周波数の範囲にわたって、周波数検出が可能である
という優れた利点があり、さらに、消耗品であるカンチ
レバーの交換のたびに、回路素子の回路定数の正確な設
定を行う必要がなく、したがって市販の原子間力顕微鏡
に好適する。
【0004】位相同期ループ回路を用いる先行技術で
は、位相同期ループ回路の基準周波数を発振する電圧制
御発振回路(Voltage Controlled Oscillator、略称V
CO)はQ値が低く周波数可変範囲が広いため、周波数
検出感度が低い。したがって、共振周波数の微小な変化
量△fを正確に検出することができない。また、発振周
波数が受動素子の定数で決定されるため、温度安定性が
低く、環境温度の変化に影響されやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、Q値
が高くかつ発振周波数が温度に影響されにくい電圧制御
発振回路を有する位相同期ループ回路により、環境温度
の変化に拘わらず高感度で正確な観察を行うことができ
るようにした走査形プローブ顕微鏡を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、水晶発振子ま
たは高安定圧電発振子を用いて安定化された電圧制御発
振回路を有する位相同期ループ回路により、探針または
探針が連結する機械的共振部からの発振信号と位相同期
ループの出力である基準周波数信号とが位相同期するこ
とで、探針または探針が連結された機械的共振部の共振
周波数を検出し、その変化量を予め定める値となるよう
に探針または試料の変位制御をおこなうことを特徴とす
る走査形プローブ顕微鏡である。
【0007】本発明に従えば、試料に対向して設けられ
るカンチレバーなどの探針または探針が連結する機械的
共振部を、機械的発振手段によって、その共振周波数f
1で振動させて発振し、位相同期ループ回路を用いて、
探針と試料との非接触状態で相互に作用する微小な力に
対応する共振周波数の変化量△fを、電圧に変換して検
出し、その変化量△fが予め定める値に保たれるよう
に、探針と試料とを近接および離反変位させ、走査によ
る試料表面の像を求めることができる。こうして機械的
発振手段において、探針または探針が連結する機械的共
振部は、その探針と試料との間に相互に作用する力に依
存して変化する共振周波数f1で常時振動して発振動作
を行っている。共振周波数f1が予め定める周波数f5
に保たれるように、したがって共振周波数f1と前記予
め定める周波数f5との差である変化量△fが予め定め
る値になるように、変位制御手段は、変位駆動手段を駆
動制御して探針と試料とを近接/離反変位させる。
【0008】位相同期ループ回路の位相検波器には、機
械的発振手段からの発振信号と、水晶発振子または高安
定圧電発振子を用いて発振する基準周波数f4が環境温
度に依存することなく安定化された基準周波数発振回路
からの基準周波数信号とが与えられ、発振信号と基準周
波数信号との位相差に対応する電圧を有する信号が位相
検出器から導出され、ローパスフィルタを介して変位制
御手段に与えられる。こうして前述のように変位駆動手
段によって探針と試料とが近接/離反変位される。基準
周波数発振回路は、上述のように水晶発振子または高安
定圧電発振子を有するので、その基準周波数f4が安定
化されており、これによって共振周波数f1の微小な変
化量△fを正確に検出することができ、したがって感度
を高くすることができる。
【0009】また本発明は、機械的発振手段と位相検波
器との間に周波数変換回路が介在され、この周波数変換
回路は、もう1つの水晶発振子または高安定圧電発振子
を用いて安定化された、予め定める局部発振周波数f2
で発振する局部発振器からの局部発振信号と、機械的発
振手段からの発振信号から中間周波数f3を有する中間
周波数信号を演算処理により導出し、位相同期ループ回
路の位相検波器に与えることを特徴とする。
【0010】本発明に従えば、水晶発振子または高安定
圧電発振子を有する基準周波数発振回路を備えた位相同
期ループ回路が同期した状態となる周波数範囲は、比較
的狭く、探針または探針が連結する機械的共振部が消耗
品であって頻繁に交換されて使用され、その交換のたび
に共振周波数が異なる場合でも、共通の位相同期ループ
回路を用いることができるようにするために、機械的発
振手段と位相検波器との間に、周波数変換回路を介在す
る。機械的発振手段の発振信号を、この周波数変換回路
で中間周波数信号f3に変換する。これによって位相同
期ループ回路の構成、定数などを変更することなく、位
相同期ループ回路を、共振周波数f1が異なる各種の探
針または探針が連結する機械的共振部に共通に用いるこ
とができるようになる。
【0011】周波数変換回路に備えられる局部発振器
は、もう1つの水晶発振子または高安定圧電発振子を有
し、これによって環境温度に依存することなく安定した
局部発振周波数f2を発振し、正確な中間周波数f3を
有する信号を得ることができる。
【0012】機械的発振手段の発振周波数f1は、主と
して探針などの機械的構成によって定まる。基準周波数
f4は、ローパスフィルタから得られる電圧制御信号の
電圧V1の変動電圧△Vが、機械的発振手段の共振周波
数f1の変化量△fに応じてできるだけ大きくなるよう
にして高感度な周波数検出を可能にするために、定めら
れる。したがって周波数変換回路の局部発振周波数f2
は、機械的発振手段の発振周波数f1と基準周波数f4
とに依存して、定められることになる。
【0013】本発明に従えば、高感度な周波数検出を可
能にするために、機械的発振手段における発振周波数f
1の変化量△fがわずかであっても、位相同期ループ回
路のローパスフィルタから得られる電圧V1の変動電圧
△Vをできるだけ大きく得ることができるようになる。
本発明では、位相同期ループ回路における基準周波数発
振回路に、水晶発振子または高安定圧電発振子を用いる
ことによって、その基準周波数f4を、環境温度に依存
することなく安定化し、これによって感度の向上を図る
ことができる。
【0014】また機械的発振手段と位相同期ループ回路
の位相検波器との間に周波数変換回路を介在する構成で
は、局部発振器にもう1つの水晶発振子または高安定圧
電発振子を用い、これによって局部発振周波数f2が環
境温度に依存することなく安定化させることができるよ
うになる。このことによってもまた、発振周波数f1の
わずかな変化量△fを正確に検出して感度の向上を図る
ことができるようになる。
【0015】本発明に従えば、局部発振器は、もう1つ
の水晶発振子または高安定圧電発振子を用い、局部発振
周波数f2が環境温度に依存することなく安定化するこ
とによって、共振周波数f1の微小な変化量△fに対応
する変動電圧△Vを、正確に得ることができるようにな
り、感度をさらに向上することができる。
【0016】本発明に従えば、原子間力顕微鏡を、高感
度で安定して実現することができる。本発明は、原子間
力顕微鏡だけでなく、そのほかの走査形プローブ顕微
鏡、たとえば走査形トンネル顕微鏡(Scanning Tunneli
ng Microscope、略称STM)、走査形静電気力顕微
鏡、走査形磁気力顕微鏡、走査形ケルビンプローブ顕微
鏡およびそのほかの構成に関連して広範囲に実施するこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
全体の構成を示すブロック図である。走査形プローブ顕
微鏡の1つである原子間力顕微鏡1は、試料2の表面3
に、共振周波数f1で振動される探針であるカンチレバ
ー4の先端部5を相対的に走査し、表面3を原子オーダ
の分解能で、動的観察法によって観察する。この原子間
力顕微鏡1は、基本的に、カンチレバー4を共振周波数
f1で振動させて発振する機械的発振手段6と、その共
振周波数f1を表す信号7を周波数検出する半導体集積
回路から成る周波数検出手段8と、試料2をカンチレバ
ー4と相対的に変位駆動する変位駆動手段9と、周波数
検出手段8からの電圧制御信号11に応答して変位駆動
手段9を変位制御する変位制御手段12とを含む。周波
数検出手段8は、周波数変換回路13と、位相同期ルー
プ回路である位相同期ループ回路14とを含む。
【0018】図2は、カンチレバー4とその付近の簡略
化した図である。カンチレバー4は、駆動手段である圧
電素子15によって試料2に近接/離反する方向に振動
される。
【0019】図3は、カンチレバー4の先端部5と試料
2の表面3との相互作用を説明するための図である。カ
ンチレバー4と試料2との間の相互作用によって、生じ
る吸引力または反発力によって起因して、カンチレバー
4の共振周波数f1が変化する。本発明の実施の一形態
では、この相互作用による共振周波数f1が予め定める
周波数f5に一定に保たれるように、したがって共振周
波数f1と予め定める周波数f5との差である変化量△
fが予め定める値に一定保たれるように、変位制御手段
12は、変位駆動手段9を駆動制御し、すなわち試料2
を変位駆動手段9によって上下方向であるz方向に変位
して、カンチレバー4と試料2とを近接/離反変位させ
る。この変位駆動手段9はまた、z方向に垂直な平面内
で相互に直交するx方向およびy方向に試料2を変位し
て走査する。こうして試料2の表面3の画像を得ること
ができる。
【0020】図4は、カンチレバー4の先端部5と試料
2の表面3との間の相互作用20を説明するための図で
ある。カンチレバー4を、図4に示されるように重錘1
7が連結されたばねで近似することができ、相互作用2
0を、もう1つのばねで近似することができる。カンチ
レバー4の先端部5が、試料2の表面3に近づくと、等
価的にカンチレバー4のばね定数が変化し、これによっ
て共振周波数f1が変化する。
【0021】図5は、カンチレバー4に関連する機械的
発振手段6の一部の構成を示す図である。レーザ源18
は、たとえば半導体レーザ装置であって、そのレーザ光
19は、カンチレバー4に照射される。レーザ光19は
カンチレバー4によって反射され、ミラー21によって
反射されて導かれ、受光素子22に受光される。受光素
子22は、一対のフォトダイオード23,24を有す
る。フォトダイオード23,24の各出力は、差動増幅
器25に与えられ、これによって、カンチレバー4の変
位量を表す電圧の信号26が得られる。こうしてカンチ
レバー4の変位は、ミラー21および受光素子22を含
む光てこによって拡大して検出され、カンチレバー4の
変位を高精度で検出することができる。
【0022】図6は、カンチレバー4と機械的発振手段
6とによる発振動作特性を示す図である。カンチレバー
4は、調和振動系を構成し、共振周波数f1で、差動増
幅器25の出力信号26は、圧電素子15を駆動制御す
る信号28に対して90度の位相遅れを生じる。共振周
波数f1よりも低い周波数範囲では、位相遅れは小さ
く、共振周波数f1よりも高い周波数では位相遅れは大
きい。
【0023】再び図1を参照して、差動増幅器25の出
力信号26は、位相シフタ29に与えられ、ここで位相
が90度遅延される。位相シフタ29の出力は、振幅制
御装置31に与えられて反転され、これによって180
度の位相遅れを生じ、圧電素子15に制御信号28が正
帰還される。したがって機械的発振動作が、カンチレバ
ー4の共振周波数f1で継続される。
【0024】カンチレバー4の先端部5と試料2の表面
3との相互作用20の働きによって共振周波数f1が、
予め定める周波数f5から変位量△fだけ変化する。こ
のようにカンチレバー4の周波数と振幅との特性は、参
照符33,34で示される。カンチレバー4において生
じる位相遅れが90度となる周波数はf5,f1であ
り、周波数と位相との特性は、参照符35,36で示さ
れる。
【0025】機械的発振手段6の差動増幅器25の出力
7は、周波数検出手段8における周波数変換回路13に
与えられる。この差動増幅器25の出力7は、前述の出
力信号26と同一の信号であって、図解の便宜のため
に、個別的に示してある。差動増幅器25の出力7は、
共振周波数f1を有し、周波数混合器38に与えられ
る。周波数混合器38にはまた、局部発振器39から、
予め定める局部発振周波数f2を有する信号40が与え
られる。局部発振器39は、水晶発振子41を有し、環
境温度の変化に拘わらず、局部発振周波数f2が一定に
保たれる。局部発振器39はまた、水晶発振子41によ
って発振された信号が分周されて得られてもよい。周波
数混合器38は、差動増幅器25の出力7と局部発振器
39の出力40とを混合し、その混合した信号42をフ
ィルタ43に与える。こうして中間周波数f3を有する
信号44が得られる。中間周波数f3は、共振周波数f
1と局部発振周波数f2との和または差の周波数であ
る。
【0026】周波数変換回路13からの中間周波数f3
を有する信号44は、位相同期ループ回路14の位相検
波器45の一方の入力に与えられる。位相検波器45の
他方の入力には、電圧制御発振回路46からの基準周波
数f4を有する信号47が与えられる。この電圧制御発
振回路46は、水晶発振子48を有し、環境温度の変化
に拘わらず、基準周波数f4が安定化される。位相検波
器45の出力信号51は、機械的発振手段6からの共振
周波数信号7に対応する中間周波数信号44と、基準周
波数発振回路46からの基準周波数信号47との位相差
に対応する。
【0027】この信号51は、ローパスフィルタ53に
よって濾波され、変位制御手段12の出力11として与
えられるとともに、参照符54で示されるように、基準
周波数発振回路46に、基準周波数f4を変化するため
の信号として与えられる。こうして位相同期ループ回路
14では、位相検波器45に与えられる中間周波数信号
44に同期した状態となる。
【0028】周波数変換回路13のフィルタ43からの
出力44は、周波数f3を有し、その周波数f3は、共
振周波数f1の変化量△fと同じ変化量△fだけ変化す
る。フィルタ53の出力11,54は同一の信号であ
り、その電圧V1は、図7に示されるように、共振周波
数f1、したがって中間周波数f3の変化量△fに対応
して電圧V1が変動電圧△Vだけ変化する。
【0029】変位制御手段12では、フィルタ53の出
力11が制御回路56に与えられ、この制御回路56に
はまた、目標値設定回路61からの予め定める電圧を有
する信号が与えられる。制御回路56は、出力11の電
圧と目標値設定回路61からの目標値出力との差が零と
なるように制御信号62を導出して増幅器63に与え
る。増幅器63は、変位駆動手段9のz方向駆動機構6
4を動作させる。こうしてカンチレバー4の先端部5と
試料2の表面3との距離が、目標値設定回路61で設定
された電圧に対応する値に保たれる。変位駆動手段9は
また、試料2をz方向に垂直な平面内でx方向およびy
方向に移動して走査するための駆動機構65を含む。各
駆動機構64,65は、たとえば圧電素子、ボイスコイ
ルなどによって実現することができる。
【0030】本発明の実施の他の形態では、試料2を固
定位置に設けておき、カンチレバー4をz方向に変位し
てもよく、またカンチレバー4をx方向およびy方向に
走査するようにしてもよい。
【0031】カンチレバー4の先端部5と試料2の表面
3との相互作用20は、上述の実施の形態では力である
が、本発明の実施の他の形態では、トンネル電流であ
り、またはそのほかの物理量であってもよい。
【0032】本発明の実施の他の形態では、機械的発振
手段6の出力7を、位相検波器45に直接に与えるよう
に構成することもまた可能であり、このとき周波数変換
回路13は省略されることができる。機械的発振手段6
から周波数検出回路8に与えられる出力7は、上述の実
施の形態では、差動増幅器25の出力であったが、本発
明の実施の他の形態では、位相シフタ29または振幅制
御回路31などからの出力であってもよい。
【0033】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、探針が連結
された機械的共振部の共振周波数f1を周波数検出する
ために用いられる位相同期ループ回路では、電圧制御基
準周波数発振回路が水晶発振子または高安定圧電発振子
を有するので、その基準周波数f4が環境温度の変化に
拘わらず安定化され、これによって共振周波数f1の微
小な変化量△fを正確に検出することができ、高感度で
正確に、試料の表面の観察を行うことができるようにな
る。
【0034】請求項2の本発明によれば、機械的共振部
の共振周波数f1を、周波数変換回路によって周波数変
換して、位相同期ループ回路の位相検波器に与えるよう
にしたので、探針または探針が連結された機械的共振部
が交換され、その共振周波数f1が変化しても、周波数
変換回路の局部発振器の発振周波数を変化調整すること
によって、後続の位相同期ループ回路などの構成を、共
通に用いることができるようになる。またこの周波数変
換回路を用いることによって、位相同期ループ回路にお
いて最適な基準周波数f4を選択することができ、これ
によって環境温度に拘わらず、前記変化量△fを高感度
で検出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】カンチレバー4とその付近の簡略化した図であ
る。
【図3】カンチレバー4の先端部5と試料2の表面3と
の相互作用を説明するための図である。
【図4】カンチレバー4の先端部5と試料2の表面3と
の間の相互作用20を説明するための図である。
【図5】カンチレバー4に関連する機械的発振手段6の
一部の構成を示す図である。
【図6】カンチレバー4と機械的発振手段6とによる発
振動作特性を示す図である。
【図7】位相同期ループ回路14の動作を説明するため
の図である。
【符号の説明】
1 原子間力顕微鏡 2 試料 3 表面 4 カンチレバー 5 先端部 6 機械的発振手段 8 周波数検出手段 9 変位駆動手段 12 変位制御手段 13 周波数変換回路 14 位相同期ループ回路 38 周波数混合器 39 局部発振器 41,48 水晶発振子 43,53 フィルタ 45 位相検波器 46 基準周波数発振回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶発振子または高安定圧電発振子を用
    いて安定化された電圧制御発振回路を有する位相同期ル
    ープ回路により、探針または探針が連結する機械的共振
    部からの発振信号と位相同期ループの出力である基準周
    波数信号とが位相同期することで、探針または探針が連
    結された機械的共振部の共振周波数を検出し、その変化
    量を予め定める値となるように探針または試料の変位制
    御をおこなうことを特徴とする走査形プローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 機械的発振手段と位相検波器との間に周
    波数変換回路が介在され、この周波数変換回路は、もう
    1つの水晶発振子または高安定圧電発振子を用いて安定
    化された、予め定める局部発振周波数で発振する局部発
    振器からの局部発振信号と、機械的発振手段からの発振
    信号から中間周波数を有する中間周波数信号を演算処理
    により導出し、位相同期ループ回路に与えることを特徴
    とする請求項1記載の走査形プローブ顕微鏡。
JP20390699A 1999-07-16 1999-07-16 走査形プローブ顕微鏡 Expired - Fee Related JP3216093B2 (ja)

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JP2009109377A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Jeol Ltd 走査プローブ顕微鏡
WO2021225411A1 (ko) * 2020-05-08 2021-11-11 인투코어테크놀로지 주식회사 정밀하게 주파수를 제어하기 위한 주파수 제어 방법 및 이를 이용하는 주파수 제어 장치

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