JP2001033376A - 粒子径分布測定装置および粒子径分布測定方法 - Google Patents
粒子径分布測定装置および粒子径分布測定方法Info
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Abstract
特徴付けられる粒子径による散乱光の減少を補って、よ
り高精度の粒子径分布を求めることができる粒子径分布
測定装置および粒子径分布測定方法を提供する。 【解決手段】 測定対象試料2にレーザ光Lを照射し
て、生じる散乱光Lsを電気的な検出信号に変換し、こ
の検出信号を逆演算して試料に含まれる粒子2aの粒子
径分布を算出する粒子径分布測定装置1において、試料
2に応じて照射するレーザ光Lの波長を変更可能とする
レーザ発光部3と、測定対象試料2から最も強い散乱光
Lsを測定可能である波長のレーザ光を照射したときの
試料からの散乱光Lsを用いて、試料2に含まれる粒子
2aの粒子径分布を解析する粒子径分布解析部1aとを
有する。
Description
的光散乱を利用した粒子径分布測定装置および粒子径分
布測定方法に関するものである。
粒子の粒子径分布を測定する粒子径分布測定装置が提案
されている。すなわち、この粒子径分布測定装置は、測
定対象試料に対して特定波長のレーザ光を照射し、粒子
に当たって散乱した散乱光を検出器に入射させる。この
とき、ブラウン運動する粒子に照射したレーザ光のドッ
プラーシフトにより生じる散乱光の干渉光を検出して、
この拡散光の検出信号をフーリエ変換して周波数解析す
ることにより、測定した光強度の周波数特性を求めるこ
とができる。ついで、この光強度の周波数特性から粒子
径分布の測定を行うことが提案されている。
径分布測定装置では、レーザ発光部として例えば波長が
650nmのレーザ光を照射するものを使用していた
が、これでは、ある種の測定対象試料には有効であって
も、その他の測定対象試料には散乱強度が弱くなって不
利益となることがあった。すなわち、例えば、測定対象
試料の溶媒に色(波長650nmの場合は赤色)が付い
ている場合には、この溶媒によってレーザ光の吸収が生
じるため、十分の強度の拡散光を得ることができなかっ
た。このために、従来の粒子径分布測定装置による測定
精度は測定対象試料の色に依存することが多かった。
一様ではなく、光の波長に依存する独特の散乱強度を有
する。図6はMie散乱理論によって求められた粒子に
よる光の散乱強度を示す図であり、一例として波長65
0nmのレーザ光の180°の位置における拡散強度を
表わしている。図6に示すように、波長650nmのレ
ーザ光を用いた場合、粒子径が約300nm,約110
0nmの大きさの粒子に対する散乱強度は非常に弱くな
る。このために、弱くなった散乱光を用いて逆演算を行
うときに、精度に限界が生じることは避けられなかっ
た。
れたものであって、その目的とするところは、測定対象
試料の色やMie散乱によって特徴付けられる粒子径に
よる散乱光の減少を補って、より高精度の粒子径分布を
求めることができる粒子径分布測定装置および粒子径分
布測定方法を提供することにある。
に、本発明の粒子径分布測定装置は、測定対象試料にレ
ーザ光を照射して、生じる散乱光を電気的な検出信号に
変換し、この検出信号を逆演算して試料に含まれる粒子
の粒子径分布を算出する粒子径分布測定装置において、
試料に応じて照射するレーザ光の波長を変更可能とする
レーザ発光部と、測定対象試料から最も強い散乱光を測
定可能である波長のレーザ光を照射したときの試料から
の散乱光を用いて、試料に含まれる粒子の粒子径分布を
解析する粒子径分布解析部とを有することを特徴として
いる。なお、ここでいう逆演算とは、周波数特性と応答
関数と粒子径分布の関係式である第1種フレドホルム積
分方程式から粒子径分布を求めることをいうのであっ
て、コンボリューション積分から粒子径分布を求めるデ
コンボリューションとは異なるものである。
うとする粒子径の大きさに応じて照射するレーザ光の波
長を変更することで、測定する散乱光の強度を増すこと
ができ、目的とする粒子径分布の測定をより正確に測定
することができる。前記レーザ光の波長としては、可視
領域の色を持つ測定対象試料に対して、例えば、青色、
緑色、赤色の光を発光するものであってもよい。また、
可視光すべてを吸収する黒色の測定対象試料に対して
は、近赤外光のレーザを発光してもよい。
付けで、「粒度分布解析方法」(特願平10−3099
78号:以下、先願の発明という)を出願しており、測
定時の諸条件に合わせた理論式を用いて粒子径分布を解
析する新たな解析方法を提案している。そして、本発明
のように照射するレーザ光の波長を変更した場合にも、
前記先願の発明において提案した解析を行うことによ
り、粒子径分布の解析精度を落とすことなく測定可能で
ある。
レーザ光を出力する複数のレーザ発光部である場合に
は、各レーザ発光部の構成が簡素になるので、製造コス
トを引き下げることができる。また、レーザ光の照射や
散乱光の受光は波長毎に分けて行ってもよく、同時に行
ってもよい。さらに、前記各レーザ発光部からのレーザ
光を試料に対して異なる角度で照射する光学系を設ける
ことにより、複数のレーザ発光部の光をそれぞれの光学
系を用いて、測定対象試料に照射して粒子径分布を測定
することができる。
測定対象試料に択一的に照射する場合は、前記レーザ発
光部からのレーザ光を選択的に試料に照射する遮蔽板を
設けてもよい。あるいは、前記レーザ発光部からのレー
ザ光を選択的に試料に照射する反射鏡を設けてもよい。
または、前記レーザ発光部を移動してレーザ光を選択的
に試料に照射してもよい。
試料にレーザ光を照射して、生じる散乱光を電気的な検
出信号に変換し、この検出信号を逆演算して試料に含ま
れる粒子の粒子径分布を算出する測定方法であって、試
料に応じて照射するレーザ光の波長を変更して、測定対
象試料から最も強い散乱光を検出可能である波長のレー
ザ光を照射したときにおける試料からの散乱光を用い
て、試料に含まれる粒子の粒子径分布を解析することを
特徴としている。
めに、それぞれ異なる波長のレーザ光を照射する複数の
レーザ発光部を用いてもよい。さらに、この場合、前記
各レーザ発光部ごとにそれぞれ設けた光学系によって、
前記各レーザ発光部からのレーザ光を試料に対して異な
る角度で照射してもよい。
を択一的に試料に照射する方法として、前記レーザ発光
部からのレーザ光を遮蔽板によって選択的に試料に照射
してもよい。あるいは、前記レーザ発光部からのレーザ
光を反射鏡によって選択的に試料に照射してもよい。ま
たは、前記レーザ発光部を移動してレーザ光を選択的に
試料に照射してもよい。
ある粒子径分布測定装置1の要部を示す図である。図
1,2において、2は測定対象試料(以下、サンプル)
であり、例えば、測定対象となる粒子2aと、溶媒2b
と、これら2a,2bを収容するセル2cとからなる。
の波長を変更可能とするレーザ発光部であり、本例では
それぞれ赤色、緑色、青色、近赤外のレーザ光Lを出射
するレーザダイオード3a〜3dと、これらのレーザダ
イオード3a〜3dを取り付けた共通の基板2eとを有
している。4はこれらのレーザダイオード3a〜3dか
らのレーザ光Lを選択的に透過する遮蔽板(以下、シャ
ッタ)、5は前記レーザ光Lを透過する孔5aを有する
反射鏡、6は前記孔5aを透過したレーザ光Lをサンプ
ル2に照射すると共に、サンプル2によって散乱した散
乱光Lsを平行光にするレンズである。
て反射された散乱光Lsを各レーザダイオード3a〜3
dに対応する4つの検出器8に集光させるレンズであ
る。上述した光学系を有する粒子径分布測定装置1によ
れば、シャッタ4を両矢印Aに示す方向に摺動すること
により、それぞれ異なる波長を有するレーザ光Lをサン
プル2に入射させて、その散乱光Lsの強度を検出器8
によって測定することができる。1aはこれらの検出器
8からの検出信号を逆演算して粒子径分布を解析する粒
子径分布解析部である。
Mie散乱に依存する散乱光Lsの減少などの影響に依
存する散乱光Lsの強度は、照射するレーザ光Lの波長
によって異なる。したがって、本例の粒子径分布測定装
置1は前記シャッタ4を順次切り換えることにより、前
記検出器8によって測定する散乱光Lsの強度を順次比
較する。
散乱光Lsを得ることができる波長のレーザ光Lを照射
するレーザダイオードを選択し、そのレーザダイオード
からのレーザ光Lのみを透過するようにシャッタ4を制
御する。また、選択したレーザダイオードが出射するレ
ーザ光Lの波長を、粒子径分布の演算に必要なデータと
して、測定時の各種条件と共に、逆演算のための応答関
数を作成するために用いられる。
願人が先願の発明に開示している方法によって行うこと
ができる。したがって、レーザ光Lの波長を変更して
も、これに合わせた逆演算をすることにより、高精度の
演算を行うことができる。
ば、最も強い散乱光Lsを測定できる波長を選択してサ
ンプル2に照射するので、サンプル2自体の色に依存す
るレーザ光Lの吸収や、Mie散乱理論によって明らか
にされている散乱強度分布の谷間の影響を抑えることが
できる。つまり、可及的に高精度の粒子径分布を測定す
ることができる。
近赤外半導体レーザダイオード3a〜3dを一列に配列
した基板3eによって波長を変更可能とするレーザ発光
部3を構成しているが、本発明は、波長を変更可能とす
るレーザ発光部3の構成を限定するものではない。例え
ば、波長を変更できる範囲を4段階ではなく、5段階以
上に変更可能としてもよい、また、機能的に十分である
場合には、3段階以下に変更可能としてもよい。
〜3dを一つの基板3eに配列することにより、レーザ
ダイオード3a〜3dの発光制御回路を共通化し、回路
の簡素化を行っているが、各レーザダイオード3a〜3
dごとにその制御回路を形成してもよいことは言うまで
もない。加えて、レーザ発光部3にヘリウムネオンレー
ザを含めたり、複数の波長のレーザを発光可能である一
つの色素レーザを用いてもよい。
a〜3dから生じたレーザ光Lを別々の検出器8によっ
て測定しているので、前記シャッタ4を取り除いて、同
時に各波長のレーザ光Lによる散乱光Lsを測定するよ
うにしてもよい。この場合、粒子径分布の測定に必要な
時間を短くしたり、各波長のレーザ光Lによる散乱光L
sを総合的に判断した粒子径分布の解析を行うことも可
能となる。
ンズ6,7および検出器などの光学系の構成も上述した
ものに限定するものではない。
が孔4a,4bを有しており、モータ4cによって回動
されることにより透過するレーザ光Lを選択可能とする
ものとしてもよい。また、反射鏡5が各レーザダイオー
ド3a〜3dに合わせて形成されたスリット5bを有す
るように構成されたものであってもよい。さらに、各レ
ーザダイオード3a〜3dからのレーザ光Lをサンプル
2に照射するレンズ6’は大口径レンズを用いることに
より、レンズ6’を一つにすることができる。
sを受けるレンズ7’も大口径レンズにすることによ
り、レンズ7’および検出器8’を一つにすることが可
能である。すなわち、粒子径分布測定装置1の構成を簡
素にすることができる。
可能とするレーザ発光部3’の部分の別の例を示す図で
ある。図4において、9a,9bは反射鏡であり、レー
ザダイオード3a〜3dからのレーザ光Lをサンプル2
に選択的に照射させるものである。すなわち、例えば反
射鏡9aを固定し、反射鏡9bを両矢印Bに示すように
摺動することにより、レーザダイオード3a〜3dのう
ち一つを選択してサンプル2に照射することができる。
Cに示すように、レーザダイオード3a〜3dを基板3
eごと摺動することにより、いずれか一つのレーザダイ
オードからのレーザ光Lをサンプル2に照射することが
できる。なお、このレーザダイオード3a〜3dを移動
させる方法は摺動に限られるものではなく、矢印Dに示
すように回動してもよいことは言うまでもない。
本例では、各レーザ発光部3a〜3aからのレーザ光L
をサンプル2に対して異なる角度で照射する光学系10
を有している。すなわち、各レーザ発光部3a〜3dに
対応する複数のシャッタ11a〜11d、反射鏡12a
〜12d、反射鏡13a〜13b、レンズ14a〜14
d,15a〜15dおよび検出器16a〜16dを有し
ている。
射されるレーザ光Lの照射位置を変えることにより、シ
ャッタ14a〜14dを取り除いて、波長の異なるレー
ザ光Lを複数同時に照射することが可能となる。
発光部3,3’、シャッタ4,11a〜11d,反射鏡
5,13a〜13d,レンズ6,6’,7,7’,14
a〜14d,15a〜15d、および、反射鏡9a,9
b,12a〜12dの構成は、レーザ光Lを用いる動的
光散乱を用いた粒子径分布測定装置1において、波長の
異なる数種類のレーザ発光部3a〜3eを組み込み、着
色サンプル2に吸収されることのない波長のレーザ光L
を入射し、精度のよい解析を可能とする強度の拡散光L
sを検出するための具体的な構成を例示しているに過ぎ
ない。したがって、上述した説明の組み合わせに限られ
るものではなく、任意に組み合わせて、同様の効果が得
られることは言うまでもない。
測定対象試料の色や測定しようとする粒子径の大きさに
応じて照射するレーザ光の波長を変更することにより、
測定対象試料が特定波長のレーザ光を吸収するものであ
ったとしても、測定する散乱光の強度を増すことができ
る。つまり、粒子径分布測定装置の測定精度を向上する
ことができる。
レーザ光を出力する複数のレーザ発光部である場合に
は、各レーザ発光部の構成が簡素になるので、製造コス
トを引き下げることができる。
測定装置を示す図である。
である。
る。
例を示す図である。
である。
図である。
…測定対象試料、2a…粒子、3,3a〜3d…レーザ
発光部、4…遮蔽板、5…反射鏡、8,8’…検出器、
10…光学系、L…レーザ光、Ls…散乱光。
Claims (12)
- 【請求項1】 測定対象試料にレーザ光を照射して、生
じる散乱光を電気的な検出信号に変換し、この検出信号
を逆演算して試料に含まれる粒子の粒子径分布を算出す
る粒子径分布測定装置において、試料に応じて照射する
レーザ光の波長を変更可能とするレーザ発光部と、測定
対象試料から最も強い散乱光を測定可能である波長のレ
ーザ光を照射したときの試料からの散乱光を用いて、試
料に含まれる粒子の粒子径分布を解析する粒子径分布解
析部とを有することを特徴とする粒子径分布測定装置。 - 【請求項2】 前記レーザ発光部がそれぞれ波長の異な
るレーザ光を出力する複数のレーザ発光部である請求項
1に記載の粒子径分布測定装置。 - 【請求項3】 前記各レーザ発光部からのレーザ光を試
料に対して異なる角度で照射する光学系を有する請求項
2に記載の粒子径分布測定装置。 - 【請求項4】 前記レーザ発光部からのレーザ光を選択
的に試料に照射する遮蔽板を有する請求項2または3に
記載の粒子径分布測定装置。 - 【請求項5】 前記レーザ発光部からのレーザ光を選択
的に試料に照射する反射鏡を有する請求項2または3に
記載の粒子径分布測定装置。 - 【請求項6】 前記レーザ発光部が移動してレーザ光を
選択的に試料に照射するように構成した請求項2または
3に記載の粒子径分布測定装置。 - 【請求項7】 測定対象試料にレーザ光を照射して、生
じる散乱光を電気的な検出信号に変換し、この検出信号
を逆演算して試料に含まれる粒子の粒子径分布を算出す
る測定方法であって、試料に応じて照射するレーザ光の
波長を変更して、測定対象試料から最も強い散乱光を検
出可能である波長のレーザ光を照射したときにおける試
料からの散乱光を用いて、試料に含まれる粒子の粒子径
分布を解析することを特徴とする粒子径分布測定方法。 - 【請求項8】 前記レーザ光の波長を異ならせるため
に、それぞれ異なる波長のレーザ光を照射する複数のレ
ーザ発光部を用いる請求項7に記載の粒子径分布測定方
法。 - 【請求項9】 前記各レーザ発光部ごとにそれぞれ設け
た光学系によって、前記各レーザ発光部からのレーザ光
を試料に対して異なる角度で照射する請求項8に記載の
粒子径分布測定方法。 - 【請求項10】 前記レーザ発光部からのレーザ光を遮
蔽板によって選択的に試料に照射する請求項7または8
に記載の粒子径分布測定方法。 - 【請求項11】 前記レーザ発光部からのレーザ光を反
射鏡によって選択的に試料に照射する請求項7または8
に記載の粒子径分布測定方法。 - 【請求項12】 前記レーザ発光部を移動してレーザ光
を選択的に試料に照射する請求項7または8に記載の粒
子径分布測定方法。
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