JP2001032135A - アルカリ加水分解性の改善されたポリエステルおよびその製造方法 - Google Patents
アルカリ加水分解性の改善されたポリエステルおよびその製造方法Info
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Abstract
ポリエステルにおいて、従来の問題点であった熱安定
性、色相およびアルカリ加水分解性が改善されたポリエ
ステルを提供すること。 【解決手段】 二官能性芳香族カルボン酸のエチレング
リコールエステルおよび/またはその低重縮合体をチタ
ン系触媒の存在下重縮合反応させて得られるポリエステ
ルであって、下記(a)と(b)との両者を満足するこ
とを特徴とする、アルカリ加水分解性の改善されたポリ
エステル。 (a)該ポリエステルを溶融紡糸して得られる延伸糸の
アルカリ加水分解速度定数kが1.5×10-7〜3.0
×10-7cm/minの範囲にあること。 (b)290℃、窒素雰囲気下、15分間加熱後のポリ
エステル主鎖切断数が4.0eq/T以下であること。
Description
縮合反応触媒とするポリエステルに関し、さらに詳しく
は、本発明は、重縮合反応触媒としてチタン化合物を用
いて製造した、色相、耐熱性およびアルカリ加水分解性
の改善されたポリエステルに関する。
タレートは多くの優れた特性を有しているため、特に繊
維、フィルムなど様々な用途に広く利用されている。
て言えば、通常テレフタル酸とエチレングリコールとを
直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルの
ようなテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレン
グリコールとをエステル交換反応させるかまたはテレフ
タル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテレ
フタル酸のグリコールエステルおよび/またはその低重
縮合体を生成させて、次いでこの反応生成物を重縮合反
応触媒の存在下で減圧加熱して所定の重縮合度になるま
で重縮合反応させることによって製造されているが、こ
の反応に使用する触媒の種類によって反応速度および得
られるポリエステルの品質が大きく左右されることは知
られている。
る重縮合反応触媒としては優れた重縮合促進効果を有
し、また比較的色調の良好なポリエステルが得られる等
の理由から、アンチモン化合物が最も広く使用されてい
る。しかしながら、アンチモン化合物を触媒として使用
して得られるポリエステルは、成形性、特に長期間にわ
たる紡糸性に劣る欠点がある。
を行って得た、ポリエステルを溶融紡糸した場合、紡糸
開始後時間が経つと、紡糸孔外周辺においてポリマー流
の曲がり現象(以下、この現象を単にベンディングと略
記することがある。)が発生し、紡糸、延伸時にラップ
が多発するようになり、ついには紡糸自体が不能にな
る。
口金の交換、または紡糸口金表面の清掃が必要になり、
生産性が著しく阻害されるが、紡糸開始後、紡糸孔周辺
に付着堆積する異物(以下、単に口金異物と略記するこ
とがある。)とベンディングとの間には密接な関係があ
り、この口金異物の付着堆積を抑制すれば、ベンディン
グも抑えられること、口金異物の主成分が、重縮合反応
触媒として使用したアンチモン化合物であることは既に
知られており、この観点からも、アンチモンに変わる新
規な触媒を用いることが検討されている。
応触媒としては、ゲルマニウム化合物、亜鉛化合物、チ
タン化合物といった金属化合物が知られている。
触媒として使用したポリマーは、色相は非常に良好であ
るものの、化合物自身が非常に高価であるために、高い
透明度を必要とする特殊なフィルムや樹脂などを製造す
る場合を除いては、ポリエステルの重縮合用触媒として
使用する実質的なメリットは小さい。
け安価なチタン化合物を重縮合反応触媒として使用する
ことにより、上述の問題はすべて解決することも可能で
あるが、チタン化合物を重縮合反応触媒として用いて製
造したポリマーは、その色相が悪く、また耐熱性も悪い
ために成形時にさらに劣化・着色する、という問題があ
り、その解決が待たれていた。
後、アルカリ減量を施すことによって布帛の風合いを高
めることも一般に行われている。しかしながらポリエス
テルは比較的耐アルカリ加水分解性が高いため、アルカ
リ減量を施しにくく、ポリエステルとしての基本性能を
維持しつつアルカリ加水分解性を高めていくことも求め
られている。
の色相および耐熱性を向上させるために、安定剤として
添加するリン化合物の添加量を増やすこと、さらには整
色剤としてのコバルト化合物を添加することが知られて
いる(特開昭54−120699号公報、特開昭55−
38838号公報等)。しかしながらリン化合物の添加
量を増やすとチタン化合物の触媒活性が著しく低下して
実用に供することができなくなるため、必然的にリンの
添加量は制限され、色相および耐熱性の改善には限界が
ある。またコバルト化合物の添加についても、色相の改
善効果は見られるものの、添加量を多くすると逆に青み
が増す、耐熱性が低下するなどの問題が生じる。従っ
て、リン化合物およびコバルト化合物を単に添加するだ
けでは、色相および耐熱性を改善させるためには不十分
であると言わざるを得ない。
ン化合物を重縮合反応触媒として用いたポリエステルに
おいて、従来の問題点であった熱安定性、色相およびア
ルカリ加水分解性が改善されたポリエステルを提供する
ことにある。さらに、本発明の他の目的は上記のポリエ
ステルの製造方法を提供することにある。
合物を使用したポリエステルポリマーについて鋭意検討
した結果、充分な触媒活性と色相を有するような、特定
量のリン化合物とコバルト化合物を添加した後重縮合反
応して得られたポリマーを、さらに熱水で処理すること
により、従来のチタン触媒を用いたポリエステルに比べ
て、ポリマーの耐熱性、色相およびアルカリ加水分解性
が格段に改善されたポリエステルを得ることができるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
族カルボン酸のエチレングリコールエステルおよび/ま
たはその低重縮合体をチタン系触媒の存在下重縮合反応
させて得られるポリエステルであって、下記(a)と
(b)との両者を満足することを特徴とする、アルカリ
加水分解性の改善されたポリエステルにより達成され
る。
れる延伸糸のアルカリ加水分解速度定数kが1.5×1
0-7〜3.0×10-7cm/minの範囲にあること。
加熱後のポリエステル主鎖切断数が4.0eq/T以下
であること。
香族カルボン酸のエチレングリコールエステルおよび/
またはその低重縮合体をチタン系触媒の存在下重縮合反
応させて得られるポリエステルを製造するに際し、該重
縮合反応開始以前の任意の段階で、コバルト化合物およ
びリン化合物をミリモル量として下記(A)と(B)と
を満足する範囲で添加した後チタン化合物を添加して重
縮合反応を行って、ポリエステルを得、次いで該ポリエ
ステルを70℃以上の熱水中で少なくとも1時間加熱す
ることを特徴とする、アルカリ加水分解性の改善された
ポリエステルの製造方法により達成することができる。
本発明のポリエステルは、該ポリエステルを溶融紡糸し
て得られる延伸糸の、下記式にて表される、アルカリ加
水分解速度定数kが1.5×10-7〜3.0×10-7c
m/minの範囲にあることが必要である。
満では、本発明の目的である加水分解性の向上効果は不
十分である。また3.0×10-7cm/minを越える
とアルカリ加水分解速度は高いものの、糸の強度低下な
どの物性低下が見られるために、好ましくない。
雰囲気下における15分間の加熱溶融後の主鎖切断数が
4.0eq/T以下であることが必要である。該主鎖切
断数が4.0eq/Tを越える、すなわち溶融時の主鎖
の分解度が高いことは、当然ながら溶融成形時の劣化が
大きくなることを示し、成形物の力学特性や色相などが
低下する。該主鎖切断数は好ましくは3.8eq/T以
下であり、特に3.5eq/T以下であることが好まし
い。
香族カルボン酸のエチレングリコールエステルおよび/
またその低重縮合体における二官能性芳香族カルボン酸
としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボ
ン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシ
エタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸
等を挙げることができ、特にテレフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸であることが好ましい。
ングリコールエステルおよび/またはその低重縮合体は
いかなる方法によって製造されたものであってもよい
が、通常、二官能性芳香族カルボン酸またはそのエステ
ル形成性誘導体とエチレングリコールまたはそのエステ
ル形成性誘導体とを加熱反応させることによって製造さ
れる。例えばポリエチレンテレフタレートの原料である
テレフタル酸のエチレングリコールエステルおよび/ま
たはその低重縮合体について説明すると、テレフタル酸
とエチレングリコールとを直接エステル化反応させる
か、テレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレング
リコールとをエステル交換反応させるかまたはテレフタ
ル酸にエチレンオキサイドを付加反応させる方法が一般
に採用される。
エチレングリコールエステルおよび/またはその低重縮
合体には、本発明の効果が実質的に損なわれない範囲
内、具体的には全酸成分を基準として10モル%以下、
好ましくは5モル%以下の範囲で共重合可能な他成分が
含まれていてもよい。
しては、酸成分として、例えば、アジピン酸、セバシン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪
族、脂環式の二官能性ジカルボン酸、グリコール成分と
して、例えば、構成炭素数が3個以上のアルキレングリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペ
ンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノール
Sのような脂肪族、脂環式、芳香族のジオール化合物お
よびポリオキシアルキレングリコール、ヒドロキシカル
ボン酸として、例えば、β−ヒドロキシエトキシ安息香
酸、p−オキシ安息香酸などを挙げることができ、これ
らは、一種を単独で用いても、二種以上を併用しても、
上記の共重合範囲内であれば問題は無い。
ル重縮合反応開始以前の任意の段階で、コバルト化合物
およびリン化合物を下記(A)と(B)とを満足する範
囲で添加した後で、重縮合反応触媒としてのチタン化合
物を添加する必要がある。
換反応触媒)+Co}]の値が0.8未満であるか、ま
たは、式(B)における(P+Co)が25mmol%
未満であると、本発明の目的である色相の改善効果が不
十分となる。一方、式(A)における[P/{(エステ
ル交換反応触媒)+Co}]の値が6.0を越えるか、
または、式(B)における(P+Co)が120mmo
l%を越えると、重縮合反応活性が小さくなって高重縮
合度のポリマーを得ることができない。
記の操作によって得られたポリエステルを、70℃以上
の熱水中で1時間以上加熱することが必要である。
し、熱安定性が向上し、ひいては色相が向上するものと
考えられる。70℃以下の水処理もしくは70℃以上で
も1時間未満の短時間の処理ではポリエステル中への水
分の拡散が不十分になるがゆえに前記熱安定化効果また
は色相改善効果が不十分になる。なお、該熱水処理操作
は、上記の反応条件の範囲内にある限り、いずれも選択
することができるが、あまりにも高温長時間の熱水処理
は逆にポリマーの加水分解を引き起こすことにもなりか
ねないので、該熱水処理は130℃以下かつ5時間以下
程度を上限として行うことが好ましい。なお、該熱水処
理は常圧下もしくは加圧下のいずれでも行うことができ
る。
族カルボン酸のエチレングリコールエステルおよび/ま
たはその低重縮合体を、テレフタル酸の低級アルキルエ
ステルとエチレングリコールとをエステル交換反応させ
て得ようとする場合には、該反応時にエステル交換反応
触媒の添加が必要である。エステル交換反応触媒の種類
は、一般的に用いられるエステル交換反応触媒であれば
何ら限定されることはないが、カルシウム化合物、マグ
ネシウム化合物のいずれか、またはこれらを併用した混
合物であることが望ましい。その他のエステル交換反応
触媒としてマンガン化合物や亜鉛化合物、鉛化合物など
が一般的に用いられるが、これらの金属化合物を使用し
た場合に比べて、カルシウム化合物、マグネシウム化合
物のいずれか、またはこれらの2種類以上の混合物を用
いてエステル交換反応を行って得たポリエステルの色相
が比較的優れているからである。また該金属化合物とし
ては特に限定され無いが、金属酢酸塩を好ましく用いる
ことができる。なおテレフタル酸とエチレングリコール
との直接エステル化反応によって第一段階の反応を行う
場合には、エステル交換反応触媒は不要である。
合物の例として、塩化コバルトなどのハロゲン化コバル
トや、酢酸コバルトなどのカルボン酸コバルト塩があげ
られるが、安定性や得られたポリエステルの色相から酢
酸コバルトが好ましく用いられる。なおこれらのコバル
ト化合物は、重縮合反応終了前の任意の段階で添加が可
能であるが、第一段階の反応終了後に添加するのがポリ
マーの色相上特に好ましい。
低重縮合体を製造する反応が終了するまでの任意の段階
で添加することができ、その添加量はポリエステルを構
成する全酸成分に対してチタン原子換算で5〜40mm
ol%であることが好ましい。触媒添加量が該範囲内に
ある時には、適度な重縮合反応速度と色相改善効果とを
さらに高い水準で兼備することができるので好ましい。
よいが、主たるジオール成分のスラリーとして反応系に
添加することが望ましい。なお、必要に応じてリン化合
物などの安定剤を任意の段階で加えてもよい。
用されるチタン化合物は、下記一般式(I)で表される
化合物(以下、単に化合物(I)と略記することがあ
る。)、もしくは一般式(I)で表される化合物と下記
一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸または
その無水物(以下、単に化合物(II)と略記すること
がある。)とをあらかじめ反応させた生成物であること
が好ましい。
キル基であれば特に限定されないが、チタンテトライソ
プロポキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテト
ラブトキシドが好ましく用いられる。また、化合物(I
I)としては、フタル酸、トリメリット酸、ヘミメリッ
ト酸、ピロメリット酸およびこれらの無水物が好ましく
用いられる。
反応させる場合には、溶媒に化合物(II)の一部また
は全部を溶解し、ついで該溶液中に化合物(I)を滴下
し、0℃〜200℃の温度で30分以上反応させれば良
い。この際の反応圧力は特に制限はなく、常圧で充分で
ある。この際使用する触媒としては、化合物(II)の
一部または全部を溶解し得るものであれば任意に使用で
きるが、その後ポリエステルの重合に使用した場合、最
終的にポリエステル中に残存しない、エタノール、エチ
レングリコール、ベンゼン、キシレン等を用いることが
特に好ましい。
(II)とのモル比は広い範囲を採用してもよいが、特
に、化合物(I)1モルに対して、化合物(II)を
0.5〜2.5モルの割合で反応させた場合には、ポリ
エステルの色調悪化や軟化点低下がさらに抑制されると
ともに、重縮合度の高いポリエステルを得ることができ
るので好ましい。該化合物(I)と化合物(II)との
反応によって得られた芳香族多価カルボン酸チタンはそ
のまま重縮合反応触媒として使用しても、アセトンなど
を用いて再結晶・精製工程を経てから用いてもどちらで
もよい。
0.55〜1.0の範囲にあることが好ましい。該固有
粘度が上記範囲内にある時には、成形物の強度と溶融成
形の容易性とを、さらに高い水準で兼備することができ
る。該固有粘度のさらに好ましい範囲は、0.60〜
0.90であり、特に好ましくは0.62〜0.80で
ある。
応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、蛍光増白
剤、艶消剤、着色剤、消泡剤その他の添加剤等を配合し
てもよい。
場合には、任意の製糸条件を何等の支障なく採用するこ
とができる。例えば500〜2500m/minの速度
で溶融紡糸し、延伸・熱処理する方法、1500〜50
00m/minの速度で溶融紡糸し、延伸と仮撚加工と
を同時にまたは続いて行う方法、5000m/min以
上の高速で溶融紡糸し、用途によっては延伸工程を省略
する方法等の任意の製糸条件を採用することができる。
なお、本発明における加水分解性評価に用いる延伸糸
は、上述の高速溶融紡糸により得た繊維を含めて上記の
いずれの繊維を用いても良い。
チタン化合物を用いて製造したポリエステルにおいて、
従来の問題点であった熱安定性、色相およびアルカリ加
水分解性が改善されたポリエステルおよびその製造方法
を提供することができ、さらには該ポリエステルを製糸
し、製編織して得られた布帛は容易にアルカリ減量が進
行するため、ポリエステル本体の基本性能を維持しつ
つ、布帛としての風合いも高めることが可能である。
に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるも
のでは無い。なお、実施例中の部および%は、特別な記
載がない限り重量部および重量%を表し、また各測定値
は下記の方法にしたがった。
ェノール溶液中、常法に従って求めた。
ト上に成形し、140℃、2時間乾燥、結晶化処理後、
プレート表面の色相をハンター型色差計(Minolt
a ChromaMeter)を用いて測定し、ハンタ
ーのL、b値を得た。
%NaOH水溶液の還流下、延伸糸を布帛に形成した試
験片の重量減少速度を調べ、次式に基づいて、アルカリ
加水分解速度定数k(cm/min)を求めた。
トを外形10mm×内径8mm×長さ250mmのガラ
ス試験管中に入れ、窒素雰囲気下で290℃のバス中に
15分間浸漬し、試験前後の固有粘度差より、ポリエス
テルポリマー1トンあたりのポリエステル主鎖の切断数
(当量)を下記式に従って求めた。
トリメリット酸0.8部を溶解した後チタンテトラブト
キシド0.7部(無水トリメリット酸1モルに対して
0.5モル)を滴下し、空気中常圧下80℃に保持して
60分間反応熟成せしめた。その後常温に冷却し、アセ
トン15部を加え、析出物をNo.5ろ紙で濾過し、1
00℃で2時間乾燥させた。チタン含有量は11.5重
量%であった。
166部とエチレングリコール75部を常法に従ってエ
ステル化反応を行った。次いで得られた反応生成物を精
留塔付き重縮合用フラスコへ入れ、安定剤としてリン酸
0.023部、酢酸コバルト0.016重量部さらには
上記操作(1)で調製したチタン触媒のエチレングリコ
ール溶液0.958重量部(テレフタル酸ジメチルに対
して、チタン原子換算で20mmol%)を加え、温度
285℃、常圧で30分、更に30mmHgの減圧下で
15分反応を進行させた後、系内を徐々に減圧にし、撹
袢下110分間反応させた。最終内温は285℃、最終
内圧は0.37mmHgであり、得られたポリエチレン
テレフタレートの固有粘度は0.640、ポリマーの色
相はCol(L/b)=(79/−2.0)と良好であ
った。得られたポリマーをチップとなし、80℃に温度
がコントロールされた水槽に2時間浸漬した後、160
℃で4時間乾燥後、溶融熱安定性テストを実施した結
果、主鎖切断数は3.0eq/Tであった。
れたポリマーチップを160℃、4時間乾燥した後、2
90℃で溶融し、スリット幅0.27mmの孔を24個
有する紡糸口金を使用して、吐出量20g/min、巻
取速度600m/minで紡糸した。得られた未延伸糸
を85℃のローラーで加熱した後4倍に延伸し、180
℃でヒートセットした。この延伸糸をメリヤス編みした
試験片を1.0wt%水酸化ナトリウム水溶液中で環流
し、10時間後の重量減少速度からアルカリ加水分解速
度定数k=2.2×10-7cm/minを求めた。
例1において、重縮合反応触媒としてのチタン化合物の
添加量、リン酸、酢酸コバルトの添加量、さらには熱水
処理の有無または処理時間を、表1記載のように変更し
たこと以外は同様の操作を行った。結果と併せて表1に
示す。
応触媒としてチタンテトラブトキシド0.0340重量
部を用いたこと以外は、同様の操作を行った。結果を表
1に示す。
ジメチル194部、エチレングリコール124部及び酢
酸カルシウム0.12部を精留塔付き反応層にいれ、常
法に従ってエステル交換反応を行い、理論量のメタノー
ルを留出させた。次いで得られた反応生成物を精留塔付
き重縮合用フラスコへ入れ、安定剤としてトリメチルホ
スフェート0.098部、酢酸コバルト0.021部さ
らには上記操作(1)で調製したチタン触媒のエチレン
グリコール溶液0.958重量部(テレフタル酸ジメチ
ルに対してチタン原子換算で20mmol%)を加え、
温度285℃、常圧で30分、更に30mmHgの減圧
下で15分間反応を進行させた後、系内を徐々に減圧に
し、撹袢下110分間反応させた。最終内温は285
℃、最終内圧は0.37mmHgであり、得られたポリ
エチレンテレフタレートの固有粘度は0.639、ポリ
マーの色相はCol(L/b)=(78/−1.8)と
良好であった。
に温度がコントロールされた水槽に2時間浸漬した後、
160℃で4時間乾燥後、溶融熱安定性テストを実施し
た結果、主鎖切断数は3.1eq/Tであった。
た。結果を表1に示す。
応触媒として、チタンテトラブトキシド0.0340重
量部を用いたこと以外は、同様の操作を行った。結果を
表1に示す。
チレングリコール75部を常法に従って、エステル化反
応を行った。次いで得られた反応生成物を精留塔付き重
縮合用フラスコへ入れ、安定剤としてリン酸0.005
部さらには三酸化アンチモンを0.073部(テレフタ
ル酸に対して25mmol%)を加え、温度285℃、
常圧で30分、更に30mmHgの減圧下で15分間反
応を進行させた後、系内を徐々に減圧にし、撹袢下11
5分間反応させた。最終内温は285℃、最終内圧は
0.37mmHgであり、得られたポリエチレンテレフ
タレートの固有粘度は0.639、ポリマーの色相はC
ol(L/b)=(79/−2.0)と良好であった。
得られたチップを、80℃に温度がコントロールされた
水槽に2時間浸漬した後、160℃で4時間乾燥後、溶
融熱安定性テストを実施した結果、主鎖切断数は3.2
eq/Tであった。その他の操作は実施例1と同様に行
った。結果を表1に示す。
処理を行わなかったこと以外は同様の操作を行った。結
果を表1に示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 二官能性芳香族カルボン酸のエチレング
リコールエステルおよび/またはその低重縮合体をチタ
ン系触媒の存在下重縮合反応させて得られるポリエステ
ルであって、下記(a)と(b)との両者を満足するこ
とを特徴とする、アルカリ加水分解性の改善されたポリ
エステル。 (a)該ポリエステルを溶融紡糸して得られる延伸糸の
下記式にて表される、アルカリ加水分解速度定数kが
1.5×10-7〜3.0×10-7cm/minの範囲に
あること。 【数1】 (b)290℃、窒素雰囲気下、15分間加熱後のポリ
エステル主鎖切断数が4.0eq/T以下であること。 - 【請求項2】 二官能性芳香族カルボン酸のエチレング
リコールエステルおよび/またはその低重縮合体をチタ
ン系触媒の存在下重縮合反応させて得られるポリエステ
ルを製造するに際し、該重縮合反応開始以前の任意の段
階で、コバルト化合物およびリン化合物を下記(A)と
(B)とを満足する範囲で添加した後チタン化合物を添
加して重縮合反応を行って、ポリエステルを得、次いで
該ポリエステルを70℃以上の熱水中で少なくとも1時
間加熱することを特徴とする、アルカリ加水分解性の改
善されたポリエステルの製造方法。 【数2】 【数3】 - 【請求項3】 チタン化合物として、下記一般式(I)
で表される化合物を用いる、請求項2記載の製造方法。 【化1】 - 【請求項4】 チタン化合物として、下記一般式(I)
で表される化合物と下記一般式(II)で表される芳香
族多価カルボン酸またはその無水物とをあらかじめ反応
させた生成物を用いる、請求項2記載の製造方法。 【化2】 【化3】
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Cited By (2)
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JP2006282706A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Mitsui Chemicals Inc | ポリエチレンテレフタレートの製造方法 |
JP2007070621A (ja) * | 2005-08-10 | 2007-03-22 | Sanyo Chem Ind Ltd | コア・シェル型樹脂粒子 |
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1999
- 1999-07-13 JP JP19870999A patent/JP2001032135A/ja active Pending
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