JP2001032015A - 加熱炉の加熱制御方法 - Google Patents
加熱炉の加熱制御方法Info
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Abstract
ネルギーを図るようにし、全体として生産ラインの処理
能力を高めること。 【解決手段】 被加熱材の加熱炉への装入前後に、加熱
炉から抽出する優先順位の入替え可能な被加熱材を検索
する(S1)。その検索結果に基づいて圧延シミュレー
ションを行い、加熱炉で加熱対象となる全ての被加熱材
の圧延時間が最短となる被加熱材の抽出順の組み合わせ
を、加熱条件制約を満たす範囲で検索する(S2、S
3)。その抽出順に基づき、その全ての被加熱材に対し
て予測圧延スケジュール計算を行い、被加熱材の個々の
圧延時間を算出する(S4)。次に圧延ピッチ律速か否
かの判定、すなわち圧延能率が加熱能率よりも高いか否
かの判定を行い(S5)、否定判定のときには、S4で
求めた被加熱材の個々の圧延時間の総和を在炉時間とし
て求め、これに基づいて加熱炉の加熱制御を行う。
Description
加熱材を装入して加熱後に抽出して圧延する圧延ライン
に適用され、特に、高精度な在炉時間の予測による燃料
原単位の低減やスケール生成量削減による歩留りの向
上、さらには生産能率の向上を図るようにした加熱炉の
制御方法に関するものである。
熱炉に被加熱材を装入した時点で、その被加熱材(スラ
ブ)が加熱炉内に存在する時間を正確に予測することが
できれば、被加熱材を過不足なく目標温度まで加熱する
ことができ、省エネルギー面のみなず、品質面において
も理想的な加熱炉操業を行うことができる。
ルで被加熱材の抽出、装入が行われる。この場合、被加
熱材が加熱炉内に滞在する時間は、被加熱材が加熱炉に
装入されたとき、既に加熱炉内に存在する全スラブの抽
出ピッチの和で与えられる。この抽出ピッチは、複数の
連続加熱炉と圧延機が1つの搬送テーブルで結ばれてい
る場合に、加熱炉の加熱能力が圧延機の圧延能力を上回
ると圧延ピッチ律速となり、逆に加熱能力が圧延能力を
下回る場合には加熱ピッチ律速となる。
おいては、生産能力を高めるために如何に圧延能率を上
げるかが重要となる。その一方、品質面や省エネルギー
面の観点からは、加熱炉は被加熱材を過不足なく加熱す
るかということが重要になってくる。
率を上げるという命題に対して、圧延ラインの高い生産
効率を確保し得る連続式加熱炉の被加熱材抽出順決定方
法が知られている(特開平6−330152号公報に記
載の発明)。この方法は、圧延ラインの生産効率を表す
性能指標が最良となるように被加熱材の加熱炉からの抽
出順を決定するものである。
材の加熱炉からの抽出順番を制御する発明として、特開
平10−25514号公報に記載の被加熱材抽出順番の
制御方法が知られている。これらの発明は、いずれも目
標加熱温度に到達している被加熱材が複数存在し、その
中から装入順とは無関係に、圧延能率が最良になる組み
合わせを選ぶものである。従って、被加熱材が目標加熱
温度に到達したことを条件に抽出順を決定するこれらの
方法が、本来の効果を得るには多くの抽出可能な被加熱
材が必要となる。このため、加熱炉側では非効率的な操
業を行わなければならないという不都合がある。
を維持しつつ、加熱炉の省エネルギーを図るようにし、
全体として生産ラインの処理能力を高めることができる
ようにした加熱炉の加熱制御方法を提供することにあ
る。
明の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は構
成するようにした。すなわち、請求項1に記載の発明
は、連続式の加熱炉に被加熱材を装入して加熱後に抽出
して圧延機で圧延する圧延ラインにおいて、前記加熱炉
に被加熱材を装入する前後に、前記加熱炉内で加熱対象
となる被加熱材について、加熱後の圧延スケジュール計
算を行って抽出順決定の対象となる全被加熱材の圧延時
間が最短となる抽出順を決定し、この決定抽出順に基づ
いて前記被加熱材の圧延時間を求め、その圧延時間から
前記被加熱材の在炉時間を求め、その在炉時間に基づい
て前記加熱炉の加熱制御を行うようにしたことを特徴と
するものである。
は、加熱炉で被加熱材を加熱するのに先立って、加熱後
に効率的に圧延できる圧延時間を予測し、これに基づい
て被加熱材が加熱炉に存在する時間(在炉時間)を予測
し、この予測在炉時間に基づいて加熱炉の加熱制御を行
うようにした。このため、圧延効率の向上を維持しつ
つ、加熱炉の省エネルギーを図ることができ、もって生
産ラインの処理能力を高めることができる。
について図面を参照して説明する。本発明の実施形態が
適用される厚板圧延ラインの概略構成について、図1を
参照して説明する。この圧延ラインは、被加熱材1を加
熱する2台の連続式の加熱炉2、3を備え、加熱炉2、
3の入口側に被加熱材1が装入されるとその中を移動し
ながら圧延に必要な温度まで加熱された後、エキストラ
クタ4によって加熱炉2、3の出口側から搬送テーブル
5上に抽出されるようになっている。この抽出された被
加熱材1は搬送テーブル5で搬送され、その表面に発生
しているスケールがデスケーラ6で除去されたのち、圧
延機7で圧延されるようになっている。ここで、被加熱
材1に付されている「1、2、3…N+1…」の番号
は、被加熱材1が加熱炉2、3内へ装入される順番を表
している。
に被加熱材1を冷却する冷却部8と冷却部9とを備えて
いる。なお、図2中の10は搬送ロールである。次に、
このような構成からなる圧延ラインにおける従来からの
加熱、圧延の概要について説明する。まず、連続鋳造設
備で鋳込まれた鋼片である被加熱材1は、ほぼダイレク
トに加熱炉2、3に装入される。この装入された被加熱
材1は、加熱炉2、3内を移動しながら圧延に必要な目
標温度まで加熱される。通常、加熱炉2、3からの被加
熱材1の抽出はサイクリック(周期的)に行われるた
め、その抽出順はその装入順となる。しかし、圧延機7
による圧延能率が加熱炉2、3による加熱能力に比べて
著しく低い場合には、圧延オペレータの判断により抽出
する被加熱材1を選択し、いわゆるダブル圧延すること
により圧延能率を格段に向上させ、ライン全体としての
生産能力を図ることができる。
示している。通常の圧延は、図3(A)および図2に示
すように、先行の被圧延材Aが圧延、冷却、圧延と処理
された後、所定の時間をおいて後行の被圧延材Bが圧
延、冷却、圧延と処理されるので、これらの処理に必要
な圧延時間はt1となる。一方、ダブル圧延は、図3
(A)および図2に示すように、被圧延材A、Bを連続
して圧延するものであり、先行の被圧延材Aが冷却中に
後行の被圧延材Bを圧延することにより圧延時間がt2
になり、通常の圧延に比べて圧延時間を短縮できる。
抽出すべき被加熱材を選択する方法は、圧延能率の点で
は最良の圧延能率を得ることができるとは言い難く、ま
たオペレータの技量による差も大きい。さらに、加熱側
では被加熱材1の抽出順が変更されることで、被加熱材
が加熱炉に滞在する時間の予測が狂い、過加熱もしくは
加熱待ちとなる可能性がある。
は、図4に示すような処理を行うことにより、加熱効率
を低下させることなく、圧延能率を飛躍的に向上できる
ようにしたので、以下にこれについて説明する。まず、
ステップS1では、被加熱材1の加熱炉2、3への装入
前または装入後に、加熱炉2、3から抽出する優先順位
の入替え可能な被加熱材(スラブ)1を検索する。次の
ステップS2では、その検索結果に基づいて加熱後の圧
延シミュレーションを行い、加熱炉2、3で加熱対象と
なる全ての被加熱材1の圧延時間が最短となる被加熱材
1の抽出順(抽出順位)の組み合わせを検索する。ステ
ップS3では、この検索された被加熱材1の抽出順が加
熱条件制約を満たすか否かを判定し、それを満たす場合
には次のステップS4に進む。
き、加熱炉2、3で加熱対象となる全ての被加熱材1に
対して上記のダブル圧延を含む予測圧延スケジュール計
算を行い、被加熱材1の個々の圧延時間を算出する。次
のステップS5では、圧延ピッチ律速か否かの判定、す
なわち圧延機7の圧延能率が加熱炉2、3の加熱能率よ
りも良いか否かの判定を行う。
合には(ステップS5;Yes)、すなわち圧延能率が
加熱能率よりも良い場合にはステップS6に進む。ステ
ップS6では、抽出順を考慮した圧延スケジュール計算
により、被加熱材1の予測圧延時間と予測パス時間をそ
れぞれ算出し、この算出時間に基づいて被加熱材1が加
熱炉2、3に滞在する時間(在炉時間)を求める。ここ
で、予測パス時間とは、圧延機7で被圧延材がリバース
圧延される際に例えば圧延機を3回パスするが、その際
のパスに要する予測時間である。
ない場合には(ステップS5;No)、すなわち圧延能
率が加熱能率よりも悪い場合にはステップS7に進む。
ステップS7では、ステップS4で求めた被加熱材1の
個々の圧延時間の総和を、在炉時間として求める。この
ようにして被加熱材1の在炉時間が求まると、この在炉
時間に基づいて加熱炉2、3内で被加熱材1を加熱する
際の昇温パターンや炉温が決定され、この決定に基づい
て被加熱材1が加熱制御される。このため、被加熱材1
を過不足なく加熱でき、省エネルギー面や品質面におい
て良好な加熱操業が実現できる。
る方法では、加熱炉に被加熱材を装入する前後におい
て、抽出順位が変更可能な被加熱材の範囲内で加熱後の
圧延シミュレーションを行い、加熱制約を満たしながら
圧延時間が最短となるように被加熱材の抽出順を決定
し、この決定した抽出順に基づいて圧延スケジュール計
算を行って被加熱材の個々の圧延時間を予測し、この圧
延時間に基づいて在炉時間の予測し、この在炉時間に基
づいて加熱炉の加熱制御を行うようにした。このため、
圧延能率を最大にすることができる上に、加熱炉が無駄
な加熱を行うことなく加熱炉の省エネルギーを図ること
ができる。
施方法)と従来の方法(従来方法)とについて、圧延能
率と加熱炉にかかる燃料原単位とを比較した比較例であ
る。圧延能率は、(実施方法)/(従来方法)の比率に
より求め、燃料原単位も同様に求めた。この結果、圧延
能率は105%、燃料原単位は98%となり、従来に比
べて圧延効率が向上すると同時に、加熱炉のエネルギー
消費が低減できることがわかる。このため、大量生産さ
れる鉄鋼業において、大幅な生産向上と省エネルギー効
果を得ることができる。
熱材(材料)の抽出順の決定を被加熱材の加熱炉への装
入前または装入後に行うことにした。しかし、その抽出
順の決定は、被加熱材の加熱炉への装入直前に限定され
るものではなく、連続鋳造設備の出側や素材設計時まで
遡るようにしても良い。また、加熱炉の装入側に被加熱
材の装入順序を入れ替える設備を設けるようにすれば、
上述の効果がさらに発揮されることになる。
炉に被加熱材を装入する前後に、加熱炉内で加熱対象と
なる被加熱材について、加熱後の圧延スケジュール計算
を行って抽出順決定の対象となる全被加熱材の圧延時間
が最短となる抽出順を決定し、この決定抽出順に基づい
て被加熱材の圧延時間を求め、その圧延時間から被加熱
材の在炉時間を求め、その在炉時間に基づいて加熱炉の
加熱制御を行うようにした。
維持しつつ、加熱炉の省エネルギーを図ることができ、
もって生産ラインの処理能力を高めることができる。
の概略構成を示す図である。
チャートである。
いて、圧延能率と加熱炉にかかる燃料原単位とを比較し
た比較例である。
Claims (1)
- 【請求項1】 連続式の加熱炉に被加熱材を装入して加
熱後に抽出して圧延機で圧延する圧延ラインにおいて、 前記加熱炉に被加熱材を装入する前後に、前記加熱炉内
で加熱対象となる被加熱材について、加熱後の圧延スケ
ジュール計算を行って抽出順決定の対象となる全被加熱
材の圧延時間が最短となる抽出順を決定し、この決定抽
出順に基づいて前記被加熱材の圧延時間を求め、その圧
延時間から前記被加熱材の在炉時間を求め、その在炉時
間に基づいて前記加熱炉の加熱制御を行うようにしたこ
とを特徴とする加熱炉の加熱制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20464899A JP4631105B2 (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 加熱炉の加熱制御方法 |
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JP20464899A Expired - Fee Related JP4631105B2 (ja) | 1999-07-19 | 1999-07-19 | 加熱炉の加熱制御方法 |
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- 1999-07-19 JP JP20464899A patent/JP4631105B2/ja not_active Expired - Fee Related
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