JP2001031987A - バニラフレーバーの製造方法 - Google Patents

バニラフレーバーの製造方法

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JP2001031987A
JP2001031987A JP11207432A JP20743299A JP2001031987A JP 2001031987 A JP2001031987 A JP 2001031987A JP 11207432 A JP11207432 A JP 11207432A JP 20743299 A JP20743299 A JP 20743299A JP 2001031987 A JP2001031987 A JP 2001031987A
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vanilla
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vanilla flavor
cocoa butter
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JP11207432A
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Takashi Namiki
昂 南木
Toshihiko Gomi
俊彦 五味
Satoru Shiraishi
悟 白石
Natsumi Tanaka
菜摘 田中
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T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
T Hasegawa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】嗜好性に優れ、特にコク味、ボディー感などに
優れたバニラフレーバーの簡便な製造方法を提供するに
ある。 【解決手段】バニラ豆材料をカカオバター、好ましくは
予め乳化剤を添加したカカオバターで抽出するというバ
ニラフレーバーの簡便な製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嗜好性に優れたバ
ニラフレーバーの製造方法に関し、さらに詳しくは、バ
ニラ豆材料の破砕物をカカオバターで抽出することを特
徴とする嗜好性に優れ、特にコク味、ボディー感のある
バニラフレーバーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】バニラフレーバーは、古くから飲食品用
に広く利用されている重要なフレーバーの1種であっ
て、天然バニラフレーバーとしては、バニラ豆を各種の
有機溶媒で抽出して得られるバニラエキストラクトの形
で市場に供給されている。このようなバニラエキストラ
クトは、例えば、細断したバニラ豆を約20〜約95重
量%の含水エタノールで抽出することにより、水溶性抽
出物の形として得られたものである。このようにして得
られるバニラ抽出物は、バニラ抽出物特有の嫌な臭いと
されるサヤ臭或いはビーンズ臭を有しているため、この
サヤ臭或いはビーンズ臭を除き、熟成感のあるバニラエ
キストラクトを得るため種々の提案がなされている。例
えば、バニラ豆を種類の異なる酒類で抽出した少なくと
も2種の抽出物を混合することを特徴とするバニラエキ
スの製造方法(特許第2604211号公報参照)、ま
た例えば、バニラ豆材料を水及び/又は水溶性有機溶媒
で抽出するにあたり、該抽出をアルカリまたはアルカリ
塩の存在下に行うことを特徴とするバニラエキスの製法
(特開平8−308528号公報参照)などが提案され
ている。
【0003】一方、ユニークな風味を有するバニラフレ
ーバーを提供する提案としては、例えば、バニラ豆材料
を乳原料、単糖類及び二糖類よりなる群から選ばれる少
なくとも一種及びプロリン、アスパラギン酸、グルタミ
ン酸及びそれらの塩類からなる群から選ばれたアミノ酸
類の少なくとも一種より選ばれたアミノ−カルボニル反
応性成分の添加存在下に、アミノ−カルボニル反応生起
条件下で加熱処理してなる持続性バニラミルクフレーバ
ー組成物(特許第2627804号公報参照)、また例
えば、90℃以上の温度で焙煎したバニラ豆材料を、水
および/または水溶性有機溶媒で抽出することを特徴と
するローストバニラフレーバーの製造方法(特開平9−
217086号公報参照)などが提案されている。
【0004】また更に、バニラ豆をアルコールなどの有
機溶媒以外で抽出することに関する提案としては、例え
ば、液状かまたは過臨界状態で存在する圧縮二酸化炭素
によってバニラ殻のバニリン、バニリン酸およびその他
の香料物質を抽出する方法において、抽出を10〜30
℃の温度、80〜350バールの圧力で一段階で実施
し、二酸化炭素/抽出物混合物を放出して30〜60バ
ールとなし、同時に0〜30℃の温度で二酸化炭素を蒸
発させることによって前記混合物から抽出物を分離する
ことを特徴とするバニラ殻の香料物質を抽出する方法
(特公平4−5716号公報参照)などが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近、消費者の嗜好性
が多様化してきていることに伴い、各種各様の商品の開
発が望まれている。特に、飲食品業界はこの傾向が強
く、消費者の嗜好性に合う飲食品の開発が強く要求され
ている。上述した従来提案のバニラフレーバーの製造方
法のうち、特許第2604211号公報、特開平8−3
08528号公報ではアルコール抽出物特有の熟成感の
あるバニラフレーバーを得る方法としては優れている。
また一方、上記従来提案のうち、特許第2627804
号公報、特開平9−217086号公報ではロースト感
のあるバニラフレーバーを得るには優れた方法である。
しかしながら、上記従来提案はいずれも、バニラ豆が有
する脂質成分由来と思われるコク味、ボディー感のある
バニラフレーバーの製造方法としては必ずしも満足でき
るものではない。また、上記従来提案の特公平4−57
16号公報で示されているバニラフレーバー製造方法で
は、高価な装置が必要であり、コスト高となるなどの難
点がある。
【0006】従って、本発明の目的は、嗜好性に優れ、
特にコク味、ボディー感などに優れたバニラフレーバー
の簡便な製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記のごと
き従来型のバニラフレーバーの製造方法について、その
欠点を解決すべく鋭意研究を行った結果、バニラ豆材料
をカカオバター、好ましくは予め乳化剤を添加したカカ
オバターで抽出することにより嗜好性に優れ、特にコク
味、ボディー感のあるバニラフレーバーが得られること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】かくして、本発明によれば、バニラ豆材料
をカカオバターで抽出することを特徴とする、嗜好性に
優れ、特にコク味、ボディー感などに優れたバニラフレ
ーバーが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な態様につ
いて更に詳細に説明する。
【0010】本発明のバニラフレーバーは、バニラ豆材
料をカカオバター、好ましくは予め乳化剤を添加したカ
カオバターで抽出することにより得られる。
【0011】原料のバニラ豆材料としては、市場におい
て容易に入手できるもの、例えば、ブルボンバニラ豆、
メキシカンバニラ豆、インドネシアバニラ豆、タヒチバ
ニラ豆などを挙げることができる。これらは1種又は2
種以上を混合して用いることができる。これらのバニラ
豆材料は、例えば、バニラ豆の細断物、破砕物およびそ
れらの乾燥物などの形態で利用することができるが、バ
ニラ豆材料が、10メッシュ以下の粒子径のものが全粒
中の50重量%以上の破砕物を好ましく例示することが
できる。このような破砕物を使用することにより、風味
が強く、コク味、ボディー感の強いバニラフレーバーを
得ることができる。
【0012】本発明で抽出に用いられるカカオバター
は、カカオ豆より得られるカカオリカー(又はカカオマ
ス)を搾油することにより得られ(香りの本,No.1
99,85−94,1998年)、市場で容易に入手す
ることができる。本発明ではこのカカオバターの精製度
合いには特別の制限はないが、好ましくは脱臭処理され
たカカオバターを用いることにより、コク味、ボディー
感などの優れたバニラフレーバーを得ることができる。
かかるカカオバターの使用量には特別に制限はないが、
一般的には、例えば、バニラ豆材料1重量部に対して1
〜50重量部、好ましくは2〜20重量部を例示するこ
とができる。2重量部より少ない場合は抽出効率が悪く
なり、20重量部より多い場合は得られるバニラフレー
バーの風味が弱くなる。
【0013】さらに本発明では、上記したカカオバター
に予め乳化剤を添加することにより風味の強度、コク
味、ボディー感などが強化されたバニラフレーバーが得
られる。かかる乳化剤としては特に限定されないが、例
えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、卵黄
レシチン、大豆レシチンなどを例示することができ、そ
の使用量も特別に制限されないが、例えば、カカオバタ
ー100重量部に対して0.01〜10重量部、好まし
くは0.1〜5重量部を挙げることができる。0.01
重量部より少ない量では乳化剤添加による効果が発揮さ
れず、10重量部より多い量では乳化剤の風味がでて良
くない。
【0014】バニラ豆材料をカカオバターで抽出する際
の抽出条件には特別の制限はないが、例えば、40〜1
30℃の温度範囲、好ましくは60〜100℃の温度範
囲を例示することができる。40℃より低い温度では抽
出効率が悪く、130℃より高い温度では油脂の劣化臭
が生成して良くない。また、抽出時間も抽出温度によっ
て異なるが、一般的には、例えば、30分〜10時間、
好ましくは60分〜8時間を挙げることができる。30
分より短い時間では抽出効率が悪く、10時間より長く
なると油脂の劣化臭が生成して良くない。抽出方法には
特別な制限はなく、攪拌抽出、静置抽出のいずれも採用
できるが、攪拌抽出を好ましく例示することができる。
【0015】抽出終了後、一般的な分離手段、例えば、
ネル布濾過、遠心分離等の方法で油相を分離することに
より本発明のバニラフレーバーを得ることができる。
【0016】このようにして得られたバニラフレーバー
は、溶液状、濃縮液状、ペースト状、粉末状その他の任
意の形態であることができ、従来のバニラフレーバーに
比して、嗜好性に優れ、コク味、ボディー感のある風味
を有している。かくして本発明のバニラフレーバーは、
各種製品の香気香味付与剤に添加して利用することがで
き、その添加量は、利用目的あるいは香気香味付与剤の
種類によっても異なるが、一般的には、香気香味付与剤
全体量に対して0.1〜5重量%の範囲内を例示するこ
とができる。
【0017】本発明によれば、バニラフレーバーを有効
成分とする香気香味付与剤を提供することができ、該付
与剤を利用して飲食品類などに特徴のあるバニラフレー
バーの香気香味を付与することができる。
【0018】例えば、アイスクリーム類、シャーベット
類、アイスキャンディーのごとき冷菓類;和洋菓子類、
チョコレート、ジャム類、チューインガム類、パン類、
コーヒー、ココアのごとき嗜好品類;和風スープ、洋風
スープ類のごときスープ類;風味調味料、各種インスタ
ント飲料乃至食品類、各種スナック食品類などに本発明
のバニラフレーバーの適当量を添加することにより、ユ
ニークな香気香味が付与された飲食品類を提供すること
ができる。
【0019】
【実施例】次に実施例、比較例および試験例を挙げて本
発明をさらに具体的に説明する。
【0020】実施例1 フラスコに約1cmにカットしたバニラ豆80gおよび
カカオバターD(大東カカオ社製)400gを仕込み、
フラスコ内の温度70〜75℃で4時間攪拌しながら抽
出する。抽出終了後サラシ布で油相を分離し本発明のバ
ニラフレーバー380gを得た(本発明品1)。
【0021】実施例2 実施例1で約1cmにカットしたバニラ豆80gの代わ
りに該バニラ豆をミキサーで粉砕して10メッシュ以下
の粒子が約60重量%の破砕物80gを使用した以外は
実施例1と同様に処理してバニラフレーバー380gを
得た(本発明品2)。
【0022】実施例3 実施例2において、予めカカオバターD400gにショ
糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製)2gを
添加した以外は実施例2と同様に処理し本発明のバニラ
フレーバー382gを得た(本発明品3)。
【0023】比較例1 実施例2において、カカオバターD400gの代わりに
95%エタノール400gを使用した以外は実施例1と
同様に処理しバニラエキストラクト385gを得た(比
較品1)。
【0024】比較例2 実施例2において、カカオバターD400gの代わりに
食用パーム油400gを使用した以外は実施例1と同様
に処理しバニラフレーバー375gを得た(比較品
2)。官能評価 実施例1、2、3および比較例1、2で得られたバニラ
フレーバーについて、よく訓練されたパネラー20名に
て官能評価を行った。パネラー20名の平均的な官能評
価を表1に示した。
【0025】
【表1】表1官能評価
【0026】試験例1 カカオリカーに粉乳、粉糖などを加え、それに実施例
1、2、3、比較例1および2で得られたバニラフレー
バーをそれぞれ0.5%添加し、常法によりチョコレー
トを調製した。これらのチョコレートについて良く訓練
された20名のパネラーにより官能評価を行い、その結
果を表2に示した。
【0027】
【表2】表2官能評価
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、バニラ豆材料をカカオ
バターで抽出するという簡便な手段により、嗜好性に優
れ、コク味、ボディー感のあるバニラフレーバーを得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 菜摘 神奈川県川崎市中原区苅宿335 長谷川香 料株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4B047 LB03 LG11 LG40 LP01 LP08 4H059 BC13 BC44 CA11 DA09 DA16 EA11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バニラ豆材料をカカオバターで抽出するこ
    とを特徴とするバニラフレーバーの製造方法。
  2. 【請求項2】カカオバターが予め乳化剤を添加したもの
    である請求項1記載のバニラフレーバーの製造方法。
  3. 【請求項3】バニラ豆材料が、10メッシュ以下の粒子
    径のものが全粒中の50重量%以上の破砕物である請求
    項1乃至2記載のバニラフレーバーの製造方法。
JP11207432A 1999-07-22 1999-07-22 バニラフレーバーの製造方法 Pending JP2001031987A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006089543A (ja) * 2004-09-22 2006-04-06 Shiseido Co Ltd 天然香料の製造方法
US7740992B2 (en) 2004-06-29 2010-06-22 Canon Kabushiki Kaisha Exposure apparatus, exposure method, and exposure mask

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7740992B2 (en) 2004-06-29 2010-06-22 Canon Kabushiki Kaisha Exposure apparatus, exposure method, and exposure mask
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