JP2001031749A - 脂肪族ポリエステル及びその製造方法 - Google Patents

脂肪族ポリエステル及びその製造方法

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JP2001031749A
JP2001031749A JP11208550A JP20855099A JP2001031749A JP 2001031749 A JP2001031749 A JP 2001031749A JP 11208550 A JP11208550 A JP 11208550A JP 20855099 A JP20855099 A JP 20855099A JP 2001031749 A JP2001031749 A JP 2001031749A
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aliphatic
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titanium
aliphatic polyester
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Rie Shirahama
理恵 白浜
Osamu Kidai
修 木代
Takatoshi Seto
孝俊 瀬戸
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高重合度で熱安定性があり、且つ成形時に副反
応が抑制され、製品の力学特性の低下の度合いが少ない
新規な生分解性の脂肪族ポリエステルを提供する。 【解決手段】主成分が(−OA1OOCA2CO−)の繰
り返し構成成分からなり、数平均分子量(Mn)が1〜30
万であり、且つ下記(A)の特性を有するチタン含有脂肪
族ポリエステル(A1はC210の脂肪族炭化水素基、A
2はC822の脂肪族炭化水素基を示す)及び該ポリエス
テルの製造方法。 (A) 該ポリエステルのX線吸収微細構造解析(XAFS)の
X線吸収端構造(XANES)のスペクトルから定義される特
定状態のTi、即ちTiの近傍に存在する原子との配置
が特定の状態にあるTiを含有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なポリエステ
ル、特に、重合時の重合活性が良好であることにより成
形加工性が改良され、成形時の品質の低下が少ない新規
な生分解性脂肪族ポリエステルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】生分解性を有する脂肪族ポリエステルと
しては、ICI社が開発した微生物産生の「バイオポー
ル(商品名)」を最初として、ポリ乳酸(カーギル社、
三井化学社、島津製作所等開発)、ポリカプロラクトン
(ダイセル社等開発)、ポリグリコール酸(大塚化学社
等開発)等のオキシカルボン酸系の脂肪族ポリエステル
や、昭和高分子社が開発した「ビオノーレ(商品名)」
等のグリコール/ジカルボン酸からなる脂肪族ポリエス
テル、更に、本出願人等が開発したグリコール/ジカル
ボン酸/オキシカルボン酸併用系のポリエステル等が提
案されてきた。
【0003】これらの脂肪族ポリエステルが、有用では
あるが生分解性に難点があるとされるポリエチレンを代
替するには重合度が十分高いことが求められる。しかし
ながら、従来の重合方法では脂肪族ポリエステルの重合
度を上げるのが困難でありポリエチレンと同等の性能を
持たせるのは難しい。また、ポリエチレンテレフタレー
トを溶融重合により製造するのに用いられているような
製造設備では、高温での反応が必要とされるので、熱分
解しやすい脂肪族ポリエステルは、この様な設備では高
重合度体が得られにくい。
【0004】脂肪族ポリエステルは重合度が不十分であ
ると、それをフィルム、シート更には射出成型品などに
した場合、強度が不足するという問題がある。高重合体
の脂肪族ポリエステルを得るために、昭和高分子社の
「ビオノーレ」では鎖延長剤が一般に使用されている。
しかしながら、鎖延長剤を用いて高分子量化することは
製造工程を煩雑にするだけでなく、成形加工時の条件に
よってはゲル化などの可能性があり、成形加工時の条件
設定が難しいという問題がある。特開平8−48757
は、長鎖の脂肪族炭化水素基をもつ脂肪族ポリエステル
は成形加工性が向上し、柔軟で強度の高い成形体が得ら
れることを提案している。しかし、このような長鎖の脂
肪族炭化水素基をもつ脂肪族ポリエステルの製造には、
亜鉛触媒を用いて10時間以上の反応時間が必要とさ
れ、重合時の重合活性が低く高分子量体が得られにくい
という欠点があった。
【0005】一方、脂肪族ポリエステルの重合反応に、
チタン化合物を単独系触媒として用いると、重合活性は
他の触媒系よりも大きいものの、未だ充分な活性が達せ
られない上に、重合時の副反応に加えて成形時にポリマ
ー鎖が切断される等の副反応が多発する結果、成形製品
の物性が低下するといった問題もあった。本発明者等
は、先にポリブチレンテレフタレート(PBT)に関し
ては、XAFSを用いて特定された良好な物性を有する
PBTを提案した(特開平8−41182号)。高重合
度の長鎖の脂肪族炭化水素基をもつ脂肪族ポリエステル
の製造について鋭意検討した結果、特定のチタン系複合
触媒を使用して得られ、PBTの規定とは異なるXAF
Sで特徴付けられる脂肪族ポリエステルが成形加工性、
生分解性等の優れた特性を有することを見出し本発明に
到達した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
な生分解性脂肪族ポリエステル、特に、ポリエステル製
造時の重合活性が優れ、また、生成ポリエステルの成形
時に副反応、例えば主鎖切断による分子量低下やガス発
生が少なくて成形加工時の安定性が高い脂肪族ポリエス
テルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するためになされたものであり、その要旨は、下記
(A)及び/又は(a)で表される特性を有し、主成分
が(−OA1OOCA2CO−)で表される繰り返し構成
単位からなり、且つ数平均分子量(Mn)が1万〜30万で
あることを特徴とするチタン含有脂肪族ポリエステル
(但し、A1は炭素数2〜10の脂肪族炭化水素基、A2
は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基を示す)に存す
る。 (A)X線吸収微細構造解析(XAFS)のX線近吸収
端構造(XANES)のバックグラウンドを差し引いた
後のスペクトルにおいて、チタンのK吸収端のジャンプ
高さに対する、吸収端近傍の4.965〜4.972k
eV付近のプリエッジピークのうちの主ピークの強度の
割合をR1とし、且つチタンのK吸収端のジャンプ高さ
に対する該主ピークの最大傾きと最小傾きの差をr1
して表し、Ti含有複合触媒CAで合成した脂肪族ポリ
エステルのR1とr1をそれぞれR1 Aとr1Aとし、該複合
触媒と同一Tiモル濃度のTi単独触媒CB(CAがTi
を含む複数種の添加型触媒の場合、その中のTi単独触
媒を指し、また、CAがTiから成る他金属との複合化
合物の場合、その複合化合物を合成するために使用した
Ti単独金属の化合物を指す。)で合成した脂肪族ポリ
エステルのR1とr1をそれぞれR1Bとr1Bとした場合、
式(i)及び/又は(ii)の関係を満たすR1Aとr1Aを与
えること。 R1A/R1B>1.05 (i) r1A/r1B>1.05 (ii)
【0008】(a)X線吸収微細構造解析(XAFS)
のX線近吸収端構造(XANES)のスペクトルにおい
て、バックグラウンドを差し引き1階微分したとき、チ
タンのK吸収端に相当する4.98keV付近の分裂ピ
ークの高エネルギー側(4.982keV付近)ピーク
強度NHに対する低エネルギー側(4.978keV付
近)ピーク強度NLの比をR2(=NL/NH)とし、Ti
含有複合触媒CAで合成した脂肪族ポリエステルのR2
2Aとし、該複合触媒と同一Tiモル濃度のTi単独触
媒CBで合成した脂肪族ポリエステルのR2をR2Bとした
場合、式(iii)の関係を満たすR2Aを与えること。 R2A/R2B>1.01 (iii)
【0009】本発明の他の要旨は、一般式HO−A1
OHで示されるジオール化合物(式中、A1は炭素数2
〜10の脂肪族炭化水素基を示す)と一般式HOOC−
2−COOHで表されるジカルボン酸及び/又はその
エステル化合物(式中、A2は炭素数8〜22の脂肪族
炭化水素基を示す)を重合反応せしめて請求項1及び/
又は請求項2記載の脂肪族ポリエステルを製造するに際
し、重合触媒としてチタン化合物及び周期律表IIA族の
化合物の存在下で重合することを特徴とする脂肪族ポリ
エステルの製造方法に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の脂肪族ポリエステルは、特定の状態の、
換言すれば、Tiの近傍に存在する他の原子との配置が
特定の状態であるTiを有し、かつ主成分が(−OA 1
OOCA2CO−)で表される繰り返し構成単位からな
り、数平均分子量(Mn)が1万から30万であることを特
徴とするものである。(但し、A1及びA2は前記定義と
同義である)。
【0011】本発明のTi含有脂肪族ポリエステルは第
1の特性として、X線近吸収端微細構造解析(XAF
S,X−ray Absorption fine s
tructure)のX線近吸収端構造(XANES、
X−ray Absorption Near−Edg
e structure)のバックグラウンドを差し引
いたスペクトルにおいて、TiのK吸収端のジャンプ高
さに対する、吸収端近傍の4.965〜4.972ke
V付近のプリエッジピークのうちの主ピークの強度の割
合をR1とし、チタンのK吸収端のジャンプ高さに対す
る該主ピークの最大傾きと最小傾きの差をr1とし、T
i含有複合触媒CAで合成した脂肪族ポリエステルのR1
とr1をそれぞれR1Aとr1Aとし、該複合触媒と同じT
iモル濃度のTi単独触媒CB(CAがTiを含む複数種
の添加型触媒の場合、その中のTi単独触媒を指し、ま
た、CAがTiから成る他金属との複合化合物の場合、
その複合化合物を合成するために使用したTi単独金属
の化合物を指す。)で合成した脂肪族ポリエステルのR
1とr1をそれぞれR1Bとr1Bとする場合、式(i):R
1A/R1B>1.05、及び/又は、式(ii):r1A
1B>1.05なる関係を有するR1Aとr1Aを与えるも
のである。
【0012】本発明のTi含有脂肪族ポリエステルの第
2の特性は、X線近吸収端微細構造解析(XAFS)の
X線近吸収端構造(XANES)のバックグラウンドを
差し引いたスペクトルにおいて、バックグラウンドを差
し引き1階微分したとき、チタンのK吸収端に相当する
4.98keV付近の分裂ピークの高エネルギー側
(4.982keV付近)ピーク強度NHに対する低エネ
ルギー側(4.978keV付近)ピーク強度NLの比
をR2(=NL/NH)とし、Ti含有複合触媒CAで合成
した脂肪族ポリエステルのR2をR2Aとし、該複合触媒
と同一Tiモル濃度のTi単独触媒CBで合成した脂肪
族ポリエステルのR2をR2Bとした場合、式(iii):R
2A/R2B>1.01の関係を満たすR2Aを与えるもので
ある。
【0013】但し、上記のCBとは、CAがTiを含む複
数種の添加型触媒の場合、その中のTi単独触媒を指
し、また、CAがTiから成る他金属との複合化合物の
場合、その複合化合物を合成するために使用したTi単
独金属の化合物を指す。例えば、CAがテトラブチルチ
タネート/酢酸マグネシウム触媒の場合、CBはテトラ
ブチルチタネートである。
【0014】XAFSのXANESスペクトルにみられ
る本プリエッジピークは、Tiの1sから3d軌道への
遷移過程に帰属され、Ti元素近傍に配位・結合する原
子の点対称なオクタヘドラル構造が歪み、異なる配位構
造に変化するとき、その強度が強くなる(Journa
l of Non−Crystalline Soli
ds,81(1986)201、その他)。すなわち、
このプリエッジピークの強度はその変化の程度を表す。
本発明の脂肪族ポリエステル製造用のTi触媒は、Ti
触媒のオクタヘドラルの完全対称な配位・結合構造を崩
し、反応中、反応原料の分子がTi原子と相互作用でき
るような主反応の特定活性サイトを生じやすくする特定
の構造を実現したものである。Ti単独金属の化合物の
みを触媒としたTiの配位・結合構造に対し、それより
もさらに点対称なオクタヘドラル性から逸脱した構造、
すなわち、本プリエッジピーク(4.965から4.9
72keV付近の主ピーク)の強度がTi単独触媒のも
のより大きい触媒構造を持つ状態が、重合活性が高く、
高重合度の高分子を実現するのである。該主ピークは、
強度が大きくなるとき、その最大傾きと最小傾きの差が
大きくなる傾向を持ち、この差で強度を比較するとわか
りやすいことがある。
【0015】さらにまた、本発明においては、Tiの不
均一な特定の強い酸性サイトを抑制し、不要な副生物の
生成を抑えることができる。不要な副生物としては、例
えば1,4−ブタンジオールを原料として用いた場合に
はテトラヒドロフラン等がある。このTiの特定な酸塩
基性に関わるTiの電子状態がXAFSのXANES領
域に表されている。Tiの4.98keV付近のK吸収
端ジャンプは主に2種類のものを含み、高エネルギー側
(4.982keV付近)のジャンプと低エネルギー側
(4.978keV付近)のジャンプとが存在するが、
両者の傾きの違いから、低エネルギー側と高エネルギー
側の2つの遷移の強さの違いがわかる。高エネルギー側
ジャンプの傾きに対する低エネルギー側ジャンプの傾き
の割合(最大の傾きの割合R2でみると比較しやす
い。)は、低エネルギー側の遷移が高エネルギー側の遷
移に対してどの程度強くなっているかの尺度となる。一
般に、測定元素の電子密度が増大するとき、吸収端ジャ
ンプの位置が低エネルギー側にシフトするので、このR
2は、Tiの特定の電子密度の大きさ、Tiの特定サイ
トの酸性質の抑制度を示す。本発明は、Tiの特定サイ
トの酸性質の抑制度を表すこのXANESのR2に関
し、Ti単独触媒系の脂肪族ポリエステルのR2、即ち
2Bに対する割合が1.01を超えるR2を有する特定
の脂肪族ポリエステルでは、不要な副生物が抑制された
良好な重合活性の結果、高重合度品として生成されると
の知見に基づくのである。
【0016】本発明の脂肪族ポリエステルは、前記定義
におけるR1Aとr1Aが前記式(i)及び/又は(ii)を満
たすが、好ましい脂肪族ポリエステルは、そのR1A
ついてはTi単独触媒の時のR1、即ちR1Bに対する比
が、1.05を越えるもの、より好ましくは1.1を越
えるもの、さらに好ましくは1.15を越えるものであ
る。又r1Aについては、Ti単独触媒の時のr1、即ち
1Bに対する比が1.05を超えるもの、より好ましく
は1.1を越えるもの、更に好ましくは1.2を越える
ものである。また、前記定義におけるR2AとR2Bが前記
式(iii)を満たすが、R2AとR2Bの比は、1.01を
越えるものである。
【0017】本発明の脂肪族ポリエステルの数平均分子
量(Mn)は1万〜30万である。Mnが1万より小さ
いと成形加工が困難だったり、成形できても機械的強度
が不足するので好ましくないので、より好ましくは2万
よりも大である。また、Mnが大きすぎると溶融粘度が
大きくなりすぎて成形加工が困難になるので、30万以
下、より好ましくは20万以下である。
【0018】本発明の脂肪族ポリエステルにおいては、
末端COOH基数は特に制限されないが、平均して20
eq/トン以下である。より好ましくは、15eq/ト
ン以下、最も好ましくは10eq/トン以下である。末
端COOH基数が少なくなると共に、耐加水分解性が向
上するし、成形時に特に水分管理を要しないポリオレフ
ィン系の成形機でも成形できるという利点を有する。本
発明の脂肪族ポリエステルは熱安定性に優れる。例え
ば、260℃で30分間、溶融処理した後の末端COOH基
の増大は、30eq/トン以下、更に好ましくは、25
eq/トン以下、最も好ましくは、20eq/トン以下
である。この様に、熱安定性に優れている本発明脂肪族
ポリエステルは、溶融成形時に主鎖切断などの副反応が
抑制されるために分子量の低下度が小さく、その結果成
形後の製品の力学特性の低下が小さく、また末端COOH基
の増大の度合いが低下し製品の安定性も増大する。更
に、成形時にガスの発生が少ない等のメリットがある。
【0019】本発明の脂肪族ポリエステルは主成分が
(−OA1OOCA2CO−)で表される繰り返し構成単
位から成る。A1は炭素数2〜10の脂肪族炭化水素基
を示し、この場合、炭素数が10より大きいと重合活性
が低下して好ましくない。又A 2は炭素数8〜22の脂
肪族炭化水素基を示し、炭素数が8より小さいとフィル
ムなどにした場合に溶融張力が小さくなり、フィルムな
どに成形するのが困難になるので好ましくない。本発明
の脂肪族ポリエステルは、一般式HO−A1−OHで示
されるジオール化合物(式中、A1は炭素数2〜10の
脂肪族炭化水素基を示す)と一般式HOOC−A2−C
OOHで表されるジカルボン酸及び/又はそのエステル
化合物(式中、A2は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素
基を示す)を重合反応させることにより製造される。
【0020】原料として使用される一般式HO−A1
OHで示されるジオール化合物は、OH基を持つ2官能
性脂肪族化合物及び/または脂環式化合物である。OH
基を持つジオール化合物の具体的化合物としては、エチ
レングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられ、
これらの1種、または2種以上を混合して使用してもよ
い。これらの中、特に1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールが好ましく、1,4−ブタンジオールが最も好まし
い。
【0021】脂肪族ポリエステルのもう一方の原料であ
る一般式HOOC−A2−COOHで表されるジカルボ
ン酸及び/又はそのエステル化合物は、COOH基を持
つ2官能性脂肪族化合物及び/または脂環式化合物(ま
たはその低級アルキルエステル化合物)である。COO
H基を持つジカルボン酸化合物としては、セバシン酸、
ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリ
デカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ペン
タデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、オ
クタデカンジカルボン酸、エイコサンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられ、これ
らは1種または2種以上を混合して用いてもよい。これ
らの中、特にセバシン酸、ドデカンジカルボン酸、エイ
コサンジカルボン酸が好ましい。又、上記ジカルボン酸
のアルキルエステルも使用することが出来るが、これら
ジカルボン酸の低級アルキルエステル成分としては、メ
チルエステルを主たる対象とするが、エチルエステル、
プロピルエステル、ブチルエステル等も使用することが
出来、これらの1種または2種以上を混合してもよく、
目的により任意に選ぶことができる。
【0022】本発明の脂肪族ポリエステルは、例えば、
次の方法により製造することができる。すなわち、上記
ジオール化合物とジカルボン酸とのエステル化反応工程
又は上記ジオール化合物とジカルボン酸低級アルキルエ
ステルとのエステル交換反応工程、それに続く重縮合反
応工程を経て脂肪族ポリエステルを製造するが、反応条
件は特に制限されず公知の反応条件が適宜採用される。
重縮合反応は重合触媒の存在下行われるが、重合触媒と
しては、チタン化合物及び特許請求の範囲第1項及び/
又は第2項に規定する特性を満たすポリエステルを生成
する化合物なら何でもよい共触媒成分、特に周期律表II
A族の化合物を使用することが好ましい。周期律表IIA
族の化合物としては、例えば、Mg、Ca、Znなどの
化合物が挙げられるが、中でもMg化合物が特に好まし
い。周期律表IIA族の化合物は、チタンに対するモル比
で0.1〜10モル倍の範囲で存在させて重合すること
により本発明の高重合度の脂肪族ポリエステルを製造で
きる。
【0023】本発明脂肪族ポリエステルの製造に用いら
れるチタン化合物としては、シュウ酸チタンカリウム、
チタンハライド、テトラアルキルチタネート、テトラア
リルチタネート、炭酸チタンなどを挙げることができ、
その中でテトラアルキルチタネート、テトラアリルチタ
ネートが好ましく、具体的には、テトラ−n−プロピル
チタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−
n−ブチルチタネート、テトラ−t−ブチルチタネー
ト、テトラフェニルチタネート、テトラシクロヘキシル
チタネート、テトラベンジルチタネート、あるいはこれ
らの混合チタネートである。これらのうち特に、テトラ
−n−ブチルチタネートが最も好ましい。又、これらの
チタン化合物は2種以上を併用して用いてもよい。チタ
ン化合物の添加量はチタン量として生成脂肪族ポリエス
テルに対して30〜200ppm、好ましくは40〜1
50ppm、より好ましくは50〜130ppmであ
る。
【0024】本発明脂肪族ポリエステルの製造において
は、上記チタン化合物と共に共触媒成分として、好まし
くは周期律表IIA族化合物、特にマグネシウム化合物が
使用される。周期律表IIA族化合物としては、例えば、
Mg、Ca、Znなどの酢酸塩、アルコキサイド、炭酸
塩、水酸化物などを挙げることができ、マグネシウム化
合物を使用する場合は、酢酸マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグ
ネシウムアルコキサイド、燐酸水素マグネシウム等が挙
げられ、特に重合速度や溶解性等の点で酢酸マグネシウ
ムが最も好ましい。マグネシウム化合物を使用する場
合、その使用量は特に制限されないが、チタンに対し金
属の原子比、即ち、Mg/Tiの比が0.1から10で
あり、Mg/Ti>10の場合には重合速度が同一金属
量見合いで低下するとともに、脂肪族ポリエステルの耐
加水分解性や色調も悪化するので好ましくない。Mg/
Tiの比は好ましくは0.3〜5、より好ましくは0.
5〜3.0である。この場合、色調はTiのみの場合よ
りも向上する。
【0025】本発明の重合反応においては、Ti化合物
にMg以外の金属化合物を組合せて用いることができる
が、SnやZn等を用いると場合により色調を悪化させ
ることもある。なお、これらの化合物は必要に応じ、別
にエステル化のためなどに添加することはできる。触媒
の添加時期は、重縮合反応以前なら特に限定されない
が、原料仕込み時に添加してもよく、減圧開始時に添加
してもよい。チタンと組合せ使用する他の化合物の添加
(例えばMg化合物の添加)時期は、エステル交換又は
エステル化終了時、重合開始前に添加するのが重合活性
及び色調等の点で好ましい。
【0026】本発明における重縮合反応の温度は、18
0℃以上で行われ、好ましくは200℃以上、最も好ま
しくは220℃以上であり、275℃以下である。18
0℃以下では重合速度が低下するので好ましくなく、他
方275℃以上では色調が悪化するので好ましくない。
また、重縮合反応時の最終減圧度は10mmHg以下、
より好ましくは3mmHg以下で選ぶのがよい。本発明
の方法によると、重合速度が従来法に比べて大幅に向上
するので、仕込量を増量するなど更に生産性を向上する
ことができる。
【0027】本発明の脂肪族ポリエステルは、その特性
が損なわれない範囲において各種の添加剤、例えば結晶
核剤、滑剤、着色剤、離型剤、抗酸化剤、無機フィラ
ー、有機フィラー、紫外線安定剤、顔料、帯電防止剤、
蛍光剤、他のポリマーなど必要に応じて添加することが
できる。本発明の脂肪族ポリエステルは、射出成形や押
出成形などで成型品やフィルムなどにすることが可能で
ある。いずれの場合も、溶融時(成形時)に主鎖切断等
の副反応が起こりにくく、ガスの発生も小さいために、
できあがった成型品やフィルムは本発明の条件を満たさ
ない脂肪族ポリエステルからの成型品より性能のよい製
品が得られる。
【0028】本発明の生分解性脂肪族ポリエステルは、
その製造時における優れた反応活性により、副反応の生
成が抑制されて製造されるので高重合度の重合体として
得られ、また、成形加工時の安定性にも優れている。そ
の為、溶融成形に際し副反応が起こり難く、主鎖切断等
が抑制されて分子量低下も少ないので、成形後の製品の
力学特性の低下は少なく、成型時のガスの発生も少な
い。本発明の脂肪族ポリエステルの用途としては、強度
の高い押出成型品(フィルム、シート等、例えば、釣り
糸、漁網、植生ネット、保水シートなど)、射出成型品
(例えば、生鮮食品のトレーやファーストフードの容
器、野外レジャー製品など)、中空成型品(ボトル等)等
が挙げられ、その他農業用のコーティング肥料用コーテ
ィング材等の用途にも利用される。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」
とあるものは、「重量部」を表す。本発明の脂肪族ポリ
エステルにおけるXAFSの測定、解析方法、数平均分
子量(Mn)測定及び熱的性質の評価は以下の方法に基づき
実施した。
【0030】(1) XAFSの測定、解析方法 XAFSのXANESのスペクトルの測定は、高エネル
ギー加速器研究機構、放射光実験施設ビームライン12
C(BL12C)の蛍光XAFS測定装置で実施した。
分光結晶は、Si(111)2結晶タイプを用い、入射
X線強度I0は、混合ガスHe/N2=70/30を封入
した17cmのイオンチェンバー、蛍光X線強度I
fは、Arガスを使用した蛍光XAFS測定用チェンバ
ー(通称ライトルディテクター)を用いて測定した。
【0031】解析は、得られたスペクトルIf/I0の吸
収端前領域(平坦なプリエッジ領域)に対してビクトリ
ーンまたはマックマスターの計算式を用いて最小2乗フ
ィッティングを行い、それを外捜することによってバッ
クグラウンドを差し引いた後、微分を行う。Ti金属の
XANESスペクトルの微分の最大値におけるエネルギ
ー値を4.9645keVと定めて較正した。次に、こ
の較正済みのスペクトルに関し次の解析を施した。
【0032】 :TiのK吸収端ジャンプ高さが等し
くなるように規格化し、プリエッジピーク(4.965
〜4.972keV付近)に低エネルギー側で近接した
平坦な4.955〜4.965keVのバックグラウン
ド領域を最小2乗法で直線近似(直線L)し、その主プ
リエッジピークの最高位置の縦軸成分と、直線Lの同一
エネルギーにおける縦軸成分との差を、ジャンプ高さで
割った値をR1として求めた。 :その微分形の、TiのK吸収端ジャンプの高エネ
ルギー側(4.982keV付近)と低エネルギー側
(4.978keV)の最大の傾き(微分形ピークの高
さ)を求めた。
【0033】(2)数平均分子量(Mn)の測定 末端OH基は、脂肪族ポリエステルを、ヘキサフル
オロイソプロパノール/重水素化クロロホルム=3/7
(vol比)に溶解し、500MHz 1H−NMRに
よって測定した。 末端COOH基は、脂肪族ポリエステルを、ベンジ
ルアルコールに溶解し0.01N NaOHにより滴定
して測定した。得られた末端OH基と末端COOH基か
ら次式に従って数平均分子量(Mn)を求めた。 Mn=2/[末端OH基(当量/g)+末端COOH基
(当量/g)]
【0034】(3)熱的性質の測定 DSC(示差走査熱量測定)法(条件:昇温速度1
6℃/min、窒素下測定)により融点を求めた。 熱安定性の評価は、枝付き試験管に脂肪族ポリエス
テルを入れ、N2 下260℃で30分間熱処理(溶融熱
安定性試験)後の末端COOH基を測定し、処理前の該ポリ
エステルの末端COOH基量と対比した。 即ち、末端COOH基の差(△COOH)=[(溶融熱安定性試
験後の末端COOH基)−(溶融熱安定性試験前の末端COOH
基)]で評価した。
【0035】実施例1 攪拌翼、減圧口、窒素導入口を備えた重合管に、1,4
−ブタンジオール26.1部、エイコサンジカルボン酸
86.3部を仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒
素雰囲気にした。次に系内を攪拌しながら185℃に昇
温し一時間保持した。その後、一時間かけて220℃ま
で昇温し、反応生成物である水を留去しエステル化反応
を行った。ここで、触媒としてテトラブチルチタネート
40mgと酢酸マグネシウム50mgを1,4−ブタン
ジオールに溶解して系内に添加した。次に、1時間かけ
て230℃まで昇温し、昇温後に、更にテトラブチルチ
タネート40mgを1,4−ブタンジオールに溶解して
系内に添加した。同時に1時間30分かけて0.5mm
Hgになるように徐々に減圧を適用した。230℃に到
達してから1時間半後に重合反応を終了した。
【0036】得られたポリエステルの末端OHは80.
0μeq/g、末端COOHは5.2μeq/gであ
り、数平均分子量は23,500であった。融点は85
℃であった。また、該ポリエステルを260℃で30分
間、溶融処理した後の末端COOH基の増大(ΔCOOH)
は、23eq/トンであった。
【0037】比較例1 触媒としてテトラブチルチタネート0.071gを用
い、酢酸マグネシウムを使用しなかった以外は実施例1
と同様にして重合を行った。得られたポリエステルの末
端OHは40.3μeq/g、末端COOHは11.5
μeq/gであり、数平均分子量は38,600であっ
た。該ポリエステルを260℃で30分間溶融処理した
後の末端COOH基の増大(ΔCOOH)は、36eq/ト
ンであった。
【0038】実施例1及び比較例1で得られた脂肪族ポ
リエステルのXAFSの測定結果を図−1及び図−2に
示す。この測定結果より、R1A/R1B=1.17、r1A
/r1B=1.33、R2A/R2B=1.05であった。図
中、実線は、実施例1、点線は比較例1を表す。
【0039】実施例2 実施例1で使用したのと同じ重合管に1,6−ヘキサン
ジオール33.3部、エイコサンジカルボン酸80.5
部を仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気
にした。次に系内を攪拌しながら185℃に昇温し一時
間保持した。その後、一時間かけて220℃まで昇温
し、反応により生成した水を留去し、エステル化反応を
行った。ここで、触媒としてテトラブチルチタネート4
0mgと酢酸マグネシウム0.05gを1,4−ブタン
ジオールに溶解して系内に添加した。次に、1時間かけ
て260℃まで昇温し、昇温後に、更にテトラブチルチ
タネート40mgを1,4−ブタンジオールに溶解して
系内に添加した。同時に1時間30分かけて0.5mm
Hgになるように徐々に減圧を適用した。260℃に到
達してから2時間後に重合反応を終了した。得られたポ
リエステルの末端OHは70.6μeq/g、末端CO
OHは6.2μeq/gであり、数平均分子量は26,
000あった。融点は83℃であった。
【0040】比較例2 触媒としてテトラブチルチタネート0.071gを用
い、酢酸マグネシウムを使用しなかった以外は実施例2
と同様にして重合を行った。得られたポリエステルの末
端OHは91.6μeq/g、末端COOHは14.2
μeq/gであり、数平均分子量は18,900あっ
た。
【0041】実施例2及び比較例2で得られた脂肪族ポ
リエステルのXAFSの測定結果(図示せず)より、R
1A/R1B=1.08、r1A/r1B=1.18、R2A/R
2B=1.02であった。
【0042】
【発明の効果】本発明の生分解性を有する脂肪族ポリエ
ステルは、製造時の重合活性に優れていることにより高
重合度で熱安定性にも優れており、且つ成形加工時に主
鎖切断による分子量低下やガスの発生等の副反応が起こ
りにくく安定性が高いので、成形後の製品の品質低下が
少ない。従って、本発明ポリエステルを用いて強度の高
いフィルムや射出成型品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図−1は、実施例1、比較例1の脂肪族ポリ
エステルについてのX線吸収微細構造のうちのX線近吸
収端構造のスペクトルにおいて、バックグラウンドを差
し引いた後、TiのK吸収端ジャンプ高さが等しくなる
ように規格化したチャート図(実線(実施例1)、点線
(比較例1))。
【図2】 図−2は、実施例1、比較例1の脂肪族ポリ
エステルについてのX線吸収端微細構造のうちのX線近
吸収端構造のスペクトルにおいて、バックグラウンドを
差し引いた後、1回微分したときのチャート図(実線
(実施例1)、点線(比較例1))。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬戸 孝俊 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4J029 AA03 AB01 AB04 AC01 AC02 AD01 AD02 AD03 AD06 AE01 AE03 AE11 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA09 BA10 BD07A CA02 CD03 HB01 HB03A JA011 JA091 JA111 JA121 JA261 JB131 JB171 JF131 JF141 JF181 JF321 KB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)で表される特性を有し、主成分
    が(−OA1OOCA2CO−)で表される繰り返し構成
    単位からなり、且つ数平均分子量(Mn)が1万〜30万で
    あることを特徴とするチタン含有脂肪族ポリエステル
    (但し、A1は炭素数2〜10の脂肪族炭化水素基、A2
    は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基を示す)。 (A)X線吸収微細構造解析(XAFS)のX線近吸収
    端構造(XANES)のバックグラウンドを差し引いた
    後のスペクトルにおいて、チタンのK吸収端のジャンプ
    高さに対する、吸収端近傍の4.965〜4.972k
    eV付近のプリエッジピークのうちの主ピークの強度の
    割合をR1とし、且つチタンのK吸収端のジャンプ高さ
    に対する該主ピークの最大傾きと最小傾きの差をr1
    して表し、Ti含有複合触媒CAで合成した脂肪族ポリ
    エステルのR1とr1をそれぞれR1 Aとr1Aとし、該複合
    触媒と同一Tiモル濃度のTi単独触媒CB(CAがTi
    を含む複数種の添加型触媒の場合、その中のTi単独触
    媒を指し、また、CAがTiから成る他金属との複合化
    合物の場合、その複合化合物を合成するために使用した
    Ti単独金属の化合物を指す。)で合成した脂肪族ポリ
    エステルのR1とr1をそれぞれR1Bとr1Bとした場合、
    式(i)及び/又は(ii)の関係を満たすR1Aとr1Aを与
    えること。 R1A/R1B>1.05 (i) r1A/r1B>1.05 (ii)
  2. 【請求項2】下記(a)で表される特性を有し、主成分
    が(−OA1OOCA2CO−)で表される繰り返し構成
    単位からなり、且つ数平均分子量(Mn)が1万〜30万で
    あることを特徴とするチタン含有脂肪族ポリエステル
    (但し、A1は炭素数2〜10の脂肪族炭化水素基、A2
    は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基を示す)。 (a)X線吸収微細構造解析(XAFS)のX線近吸収
    端構造(XANES)のスペクトルにおいて、バックグ
    ラウンドを差し引き1階微分したとき、チタンのK吸収
    端に相当する4.98keV付近の分裂ピークの高エネ
    ルギー側(4.982keV付近)ピーク強度NHに対す
    る低エネルギー側(4.978keV付近)ピーク強度
    Lの比をR2(=NL/NH)とし、Ti含有複合触媒C
    Aで合成した脂肪族ポリエステルのR2をR2Aとし、該複
    合触媒と同一Tiモル濃度のTi単独触媒CBで合成し
    た脂肪族ポリエステルのR2をR2Bとした場合、式(ii
    i)の関係を満たすR2Aを与えること。 R2A/R2B>1.01 (iii)
  3. 【請求項3】一般式HO−A1−OHで示されるジオー
    ル化合物(式中、A1は炭素数2〜10の脂肪族炭化水
    素基を示す)と一般式HOOC−A2−COOHで表さ
    れるジカルボン酸及び/又はそのエステル化合物(式
    中、A2は炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基を示す)
    を重合反応せしめて請求項1又は2記載の脂肪族ポリエ
    ステルを製造するに際し、重合触媒としてチタン化合物
    及び周期律表IIA族の化合物の存在下で重合することを
    特徴とする脂肪族ポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】主として1,4−ブタンジオール又は1,
    6−ヘキサンジオールから成るジオール化合物、及び主
    としてエイコサンカルボン酸から成る脂肪族ジカルボン
    酸化合物から形成された請求項1又は2記載の脂肪族ポ
    リエステル。
  5. 【請求項5】主として1,4−ブタンジオール又は1,
    6−ヘキサンジオールから成るジオール化合物及び主と
    してエイコサンカルボン酸から成る脂肪族ジカルボン酸
    化合物を、重合触媒としてチタン化合物及びマグネシウ
    ム化合物をMg/Ti(原子比)=0.1〜10の割合
    で存在させ、重合することを特徴とする請求項3記載の
    脂肪族ポリエステルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018512472A (ja) * 2015-03-02 2018-05-17 エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH Vocおよびフォギング値の低い接着剤

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