JP2001028316A - 巻線機 - Google Patents

巻線機

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JP2001028316A
JP2001028316A JP11337674A JP33767499A JP2001028316A JP 2001028316 A JP2001028316 A JP 2001028316A JP 11337674 A JP11337674 A JP 11337674A JP 33767499 A JP33767499 A JP 33767499A JP 2001028316 A JP2001028316 A JP 2001028316A
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clamp
bending
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bobbin
winding
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正宜 芳賀
Yasuhiko Ishimaru
泰彦 石丸
Yasuyuki Nishimoto
泰之 西本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻線機の巻枠へ導線の先端部をクランプする
とき、コイルを接続するために用いる接続部分の導線を
長く設定できるようにする。またクランプの確実性を増
す。 【解決手段】 回転する巻枠1に導線を巻き付けること
によりコイルが形成される。クランプ爪110が巻枠フ
ランジの一辺に沿った方向に移動して、誘導溝108か
ら突き出した導線先端部を屈曲させつつ巻枠1に押しつ
ける。導線はフランジの一辺に沿った方向、すなわち巻
枠回転方向に屈曲した状態でクランプされる。巻枠回転
方向への屈曲により、導線先端の接続部を長くとっても
巻枠回転の妨げにならない。また屈曲により導線が確実
に固定される。さらに誘導溝108に沿って導線がクラ
ンプ位置まで導かれるので、導線を自動的にクランプで
き、手作業を減らせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転する巻枠に導
線を巻き付けてコイルを形成する巻線機に関し、特に、
導線の先端部を巻枠にクランプする部分の好適な構成に
関する。
【0002】
【従来の技術】電動機や発電機などの回転電機におい
て、高出力化のためにコイルの巻き回数を増加すること
が行われるが、単純にこの回数を増加すると回転電機の
大型化を招く。そこで、回転電機の磁極間の、コイルを
納めるスロットの断面積に対するコイルを形成する導線
の断面積の総和の割合(以下、占積率と記す)を高める
ことが行われる。占積率を高めるとは、すなわち導線を
隙間なく配列することであり、このために導線を整列さ
せて巻くコイル成形方法およびコイル成形装置が開発さ
れている。このような装置に、特開平7−183152
号公報がある。
【0003】また、占積率を向上するためには平角導線
を用いることが効果的である。平角導線とは四角形の断
面積を有する導線である。円形断面の導線を用いるのと
比較して、平角導線を用いることにより、さらに導線間
の隙間を小さくできる。
【0004】このようなコイル成形は、回転電機の磁極
またはこれに相当する形状を有する巻枠(芯金)に、導
線を一列ずつ隣接する導線と隙間を空けずに巻き、コイ
ルの全長分を巻き終わると、その上の層を同様に巻き付
け、所定数の層を形成して行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のコイル成形にお
いては、まず最初に導線の先端部が巻枠に固定される。
導線固定用のクランプ構造は、例えば特開平9−320
881号公報に開示されている。
【0006】ここで、クランプ時、導線の先端から適当
な長さ(余裕長さ)の部分が巻枠には巻かれないよう
に、導線を固定することが好適である。この巻枠に巻か
れない部分は、接続部として機能し、例えばコイル同士
の接続やコイル−電源間の接続に用いられる。そのた
め、接続部は、コイルの接続形態に応じた適当な長さを
もつ必要がある。しかしながら、上記特開平9−320
881号公報に示されるような従来構造では、接続部を
十分に長くとれない場合がある。
【0007】またクランプ構造においては、導線先端部
が巻枠に確実に固定される必要がある。何故なら、導線
を巻き付けるために巻枠を回転するとき、導線には大き
な張力が作用するからである。特に、比較的剛性の高い
導線を巻枠に隙間なく整列させるためには、大きな張力
を導線に与えることが必要である。このような大きな張
力を考慮すると、できるだけ確実に導線を巻枠にクラン
プすることが望まれる。例えば、本出願人による特願平
11−62690号には、楔作用を利用して導線を巻枠
にクランプする装置が開示されており、この技術により
導線を確実にクランプできる。しかし、他にも適当な導
線クランプ構造を提供することが望まれる。
【0008】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的の一つは、導線の先端の接続部を十分に
長くとれるようなクランプ構造を有する巻線機を提供す
ることにある。
【0009】また本発明の目的の一つは、導線の先端を
確実に巻枠にクランプできる巻線機を提供することにあ
る。
【0010】また本発明の目的の一つは、導線のクラン
プを自動的に行うことができる巻線機を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、回転する巻枠に導線を巻き付けることに
よりコイルを形成する巻線機において、導線固定用のク
ランプ装置を有し、該クランプ装置が、導線の先端付近
の所定クランプ部位を巻枠に固定する固定手段と、前記
クランプ部位から先端側の導線部分を巻枠回転方向に屈
曲させる屈曲手段と、を含む。本発明によれば、導線の
先端部が巻枠回転方向に屈曲した状態で巻枠に固定され
る。したがって導線先端の接続部を長く設定したとして
も、巻枠回転の際に妨げとならないように導線先端部を
配置でき、これにより接続部の延長が可能となる。
【0012】なお、導線を屈曲させる方向としての巻枠
回転方向とは、本発明では、巻枠回転軸の周りを回る方
向を意味しており、巻枠の実際の回転と一致する方向
と、反対方向とのどちらでもよい。
【0013】本発明の好ましい一態様においては、前記
固定手段と前記屈曲手段が一体化され、導線上の同一部
位を固定かつ屈曲させる。本発明によれば、導線の先端
部が巻枠回転方向に屈曲した状態で巻枠に固定されるの
で、導線が確実に巻枠に固定され、大きな張力が導線に
作用しても導線が外れるのを回避できる。
【0014】好ましくは、前記先端部を固定するクラン
プ位置は、前記巻枠の導線巻付け面から巻枠回転軸方向
にオフセットした位置に設定されている。これにより、
導線先端部分と後続する導線部分との干渉、すなわち導
線巻付け面に巻き付く導線部分との干渉が回避されるの
で、巻付け動作が円滑に行われる。
【0015】また好ましくは、巻線機は、導線の先端部
を前記クランプ位置に導く導線誘導手段を含む。この態
様によれば、導線の先端部が導線誘導手段によって自動
的にクランプ位置に導かれて、クランプ位置で固定され
る。したがって導線を巻枠にクランプするための手作業
を減らすことができる。
【0016】また好ましくは、前記巻枠は導線巻付け面
の端部に巻枠フランジを有し、前記クランプ位置は前記
巻枠フランジに設けられ、前記導線誘導手段は、前記巻
枠フランジに設けられ、前記クランプ位置へ続く誘導溝
を含み、巻枠へ供給された導線は前記誘導溝を通って前
記クランプ位置に達する。この態様によれば、フランジ
部に溝を設けるという簡単な構成により、自動クランプ
が実現される。
【0017】また好ましくは、前記巻枠に対して巻枠回
転方向に相対移動して導線を前記巻枠に押し付けるクラ
ンプ部材を有し、前記クランプ部材は、アクチュエータ
によってクランプ開放方向に駆動され、かつ、弾性部材
によって締め付け方向に付勢される。弾性部材として
は、例えば、ばねが好適である。
【0018】この態様によれば、弾性部材の弾性力によ
って導線がクランプされ、アクチュエータによりクラン
プが開放される。すなわち巻枠回転中は、弾性部材の機
能で導線がクランプされる。巻枠が停止しているときに
アクチュエータが機能してクランプを開放する。巻枠回
転中にはアクチェータが機能しなくてもよいので、アク
チュエータは巻枠とともに回転しなくてもよい。アクチ
ュエータを回転部に搭載しなくてよいので、装置の複雑
化を回避できる。また回転部の重量を低減でき、巻枠回
転モータの負荷を軽減できる。
【0019】本発明のもう一つの好ましい一態様におい
ては、前記固定手段と前記屈曲手段が一体化されてお
り、前記固定手段が導線の前記クランプ部位を固定する
とき、前記屈曲手段が前記クランプ部位よりも先端側の
部分に作用して導線を屈曲させる。本発明によれば、固
定手段と屈曲手段が一体化されているので、クランプと
屈曲を一つの動作で行える。さらに、屈曲手段がクラン
プ部位より先端側の部分に作用して導線を屈曲させるの
で、導線先端のより長い部分を巻枠回転の妨げとならな
いように配置でき、したがって、導線先端部の接続部を
さらに長く設定可能となる。
【0020】好ましくは、前記屈曲手段は、巻枠回転方
向に回動して導線に当接し屈曲させる屈曲用回動部材を
含む。本発明によれば、屈曲用回動部材が回動しながら
導線を所望の形状へと導くので、導線を大きく屈曲で
き、これにより接続部を長くとれる。
【0021】好ましくは、さらに、前記屈曲用回動部材
とともに回動して導線に当接し固定するクランプ部材が
設けられ、前記屈曲用回動部材よりも回動軸に近い位置
で前記クランプ部材が導線をクランプする。この態様で
は、屈曲用回動部材は、クランプ機能付きの屈曲用回動
部材、クランプ屈曲用回動部材などということができ
る。
【0022】本発明によれば、屈曲用回動部材の回動に
よって、クランプと屈曲を同時に行える。一つの回動部
材にクランプ機能と屈曲機能をもたせたので構成が簡単
であるという利点が得られる。
【0023】好ましくは、前記クランプ部材は、前記屈
曲用回動部材の回動軸に偏心して設けられている。本発
明によれば、導線をクランプ部位から引き抜こうとする
力が作用したときに、クランプ部材によるクランプ力が
増幅されるので、確実なクランプが可能となる。クラン
プ部材は、例えば偏心して取り付けられたピンであり、
また例えばカムである。
【0024】好ましくは、前記屈曲用回動部材が回動す
るときに前記クランプ部材および前記屈曲用回動部材に
より導線を押し付けられる押付け面であって、所定の屈
曲形状に対応する押付け面を有する屈曲台部材が設けら
れる。本発明によれば、導線を所望の形状に屈曲させる
ことができ、接続部の長さのばらつきを減らし、安定さ
せることができる。
【0025】好ましくは、前記屈曲用回動部材がクラン
プ開放状態にあるとき、導線を巻枠回転方向に変形せず
とも、巻枠に向けて導かれた導線が、前記クランプ部材
と前記屈曲台部材との間を通過するように、前記クラン
プ部材および前記屈曲台部材が構成される。本発明によ
れば、簡単な誘導手段を用いて、あるいは特別な誘導手
段を用いなくとも、導線をクランプ装置へと適当に導く
ことができる。
【0026】好ましくは、前記屈曲用回動部材をクラン
プ締付け方向に付勢する弾性部材と、前記屈曲用回動部
材を前記クランプ締付け方向と反対のクランプ開放方向
に回動させるクランプ用アクチュエータと、が設けられ
る。本発明によれば、弾性部材とアクチュエータで両方
向への力を与える簡単な構成により、クランプ屈曲用回
動部材の動きを制御することができる。クランプ締付け
状態は弾性部材により得られるので、巻枠回転中はアク
チュエータが機能しなくてもよい。したがってアクチュ
エータを回転部に搭載しなくてよく、これにより装置の
複雑化を回避できる。また回転部の重量を低減でき、巻
枠回転モータの負荷を軽減できる。
【0027】また本発明の好ましい一態様では、前記屈
曲用回動部材をクランプ締付け状態位置から所定の開閉
境界位置までの締付け側回動領域ではクランプ締付け方
向に付勢し、かつ、前記開閉境界位置を越えた開放側回
動領域では前記クランプ締付け方向と反対のクランプ開
放方向に付勢する開閉用弾性部材が設けられる。
【0028】本発明によれば、開閉用弾性部材の付勢力
によって、外部から他の力を加えなくてもクランプ状態
での締付けのための力が得られる。さらには同じ開閉用
弾性部材の付勢力によって、アンクランプ状態を保持す
るための力が得られる。したがって、巻線機の構成を簡
単にすることができる。また弾性部材の付勢力で回動部
材が締め付け方向に跳ね戻るといったような回動部材の
急激な動作を防止することができる。
【0029】好ましくは、前記開閉用弾性部材は、前記
屈曲用回動部材が前記開閉境界位置にあるときに弾性変
形量が最大になり、前記屈曲用回動部材が前記開閉境界
位置から両側に離れるにしたがって弾性変形量が少なく
なるように設けられる。
【0030】好ましくは、前記開閉用弾性部材は、引張
り力によって前記屈曲用回動部材を付勢するばねであ
り、前記屈曲用回動部材が前記開閉境界位置にあるとき
にばね長さが最も長くなるように、ばねの一端が前記屈
曲用回動部材に取り付けられる。
【0031】好ましくは、前記締付け側回動領域および
前記開放側回動領域の双方において、前記開閉用弾性部
材の付勢方向と反対方向に前記屈曲用回動部材を回転さ
せるクランプ用アクチュエータを有する。このようなア
クチュエータを設けることにより、屈曲用回動部材を滑
らかに動かすことができる。また回転部材たる巻枠にア
クチュエータを搭載しなくてもすみ、上述したような利
点が得られる。
【0032】好ましくは、前記クランプ用アクチュエー
タは往復動部材を有し、前記締付け側回動領域では往復
動部材が一方向に移動して前記屈曲用回動部材をクラン
プ開放方向に回転させ、前記開放側回動領域では前記往
復動部材が他方向に移動して前記屈曲用回動部材をクラ
ンプ締付け方向に回転させる。好ましくは、前記往復動
部材は、その往復動作によって、クランプ開放方向とク
ランプ締付け方向の両側から前記屈曲用回動部材に当接
する形状を有する。この態様によれば、往復動する簡単
な構成のアクチュエータ、例えば圧力シリンダを用いて
本発明の巻線機を実現できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(以下、実施形態という)について、図面を参照し説明
する。
【0034】<実施形態1.>図1は本実施形態の巻線
機の斜視図であり、図2は正面図であり、図3は平面図
である。発明を理解しやすいように、各図は部分的に断
面で示され、また適宜簡略化されている。さらに図4は
巻線機の機構を示している。
【0035】まず図4を参照して巻線機の機構を説明す
る。巻線機は左右対称に構成されているので、ここでは
主として右半部のみを説明する。巻枠(芯金)1の回転
軸3は、装置ベース(図示せず)に回転可能に支持され
ている。回転軸3はモータ5によって回転される。
【0036】巻枠1の近傍であって回転軸3を挟んで両
側にはガイド部材7,8が設けられている。これらのガ
イド部材は、巻枠1に巻き付けられる導線に当接し、導
線の巻付き位置を規定することにより、導線のずれを防
止する。
【0037】ガイド部材7,8は、本発明のガイド保持
リンク機構9に保持されている。このリンク機構は、以
下に説明するように、回転軸3と同軸に同期回転するよ
うに設けられており、さらにリンク機構は、リンク要素
の回転軸方向の移動をガイド部材の巻枠径方向の移動に
変換するように設定されている。
【0038】リンク機構9は、保持リンク11、駆動リ
ンク13および変換リンク15を有する。保持リンク1
1は、巻枠回転軸3と同軸に同期回転するように設けら
れた第1円筒11aと、第1円筒11aから放射状に延
びる放射部11bを有する。装置の具体的構成において
は放射部は円板形状を有する。そして放射部11bに
は、巻枠径方向にスライド可能にガイド部材7,8が保
持されている。
【0039】駆動リンク13は、回転軸3と同軸に同期
回転するように設けられた第2円筒13aにより構成さ
れる。回転軸3、第1円筒11aおよび第2円筒13a
は、回転方向には互いに拘束されるが、軸方向には拘束
されない。したがって回転軸3、保持リンク11および
駆動リンク13は軸方向には相対移動する。
【0040】変換リンク15は、保持リンク11の放射
部11bと駆動リンク13とを連結している。図示のよ
うに、変換リンク15は回転軸3に対して斜めに設けら
れている。
【0041】またガイド部材8は、巻枠回転軸方向に伸
縮自在なアーム8aを介して保持リンク11に保持され
ている。
【0042】次に図4のリンク機構の動作を説明する。
第1アクチュエータ17は、保持リンク11を回転軸方
向に移動させる。保持リンク11は回転軸3に対して相
対的に軸方向に移動し、これによりガイド部材7,8は
巻枠1に対して回転軸方向に移動する。
【0043】また第2アクチュエータ19は伸縮アーム
8aの長さを変更する。これにより、ガイド部材8は、
保持リンク11に対して回転軸方向に相対移動すること
ができ、そしてガイド部材7と軸方向に異なる場所に位
置することができる。
【0044】ここで、図4に示すように、アクチュエー
タ19は、アーム8aを両側から挟むフォーク19aを
有し、フォークを動かすことによりアーム8aを伸縮す
る。フォーク19aはアーム8aと摺接する。摺接の摩
擦抵抗が殆ど発生しないように、フォーク19aはボー
ルを介してアーム8aと接している。このような構成に
より、アクチュエータ19は、巻枠とともに回転するこ
となくアームを伸縮できる。
【0045】また第3アクチュエータ21は、保持リン
ク11に対して駆動リンク13を回転軸方向に相対移動
させる。駆動リンク13の移動は、変換リンク15によ
り、ガイド部材7,8の径方向の移動に変換される。す
なわち、図4の状態から駆動リンク13が巻枠1に近づ
くと、回転軸3と変換リンク15の角度が小さくなる。
そしてガイド部材7,8が回転軸3に引き寄せられる。
駆動リンク13が巻枠1から遠ざかったときは、逆にガ
イド部材7,8が回転軸3から離れる。傘の骨組みと同
様の原理が適用されている。
【0046】以上により、ガイド部材7,8は巻枠1と
同期回転しながら、巻枠1に対して回転軸方向および径
方向に移動することができる。ガイド部材7,8は回転
軸方向に独立して移動し、径方向には同位置をとる。巻
線機の構成は左右対象なので、合計4つのガイド部材が
設けられている。すなわち、巻枠に対して径方向および
回転軸方向の両側にガイド部材が配置され、それぞれ独
立して巻枠1に対して移動する。
【0047】本実施形態では、リンク機構を動かすアク
チュエータ17,19,21は、駆動対象部材を巻枠回
転軸方向にのみ移動させる。この場合、各アクチュエー
タ17,19,21は、巻枠1とともに回転しないでも
必要な機能が果たせる。そこで、各アクチュエータは回
転しないように装置ベース等に設置されている。
【0048】なお、左右の駆動リンク13は、一つのア
クチュエータ21によって移動される。また制御部23
は、巻枠回転モータ5、アクチュエータ17,19,2
1および他のアクチュエータ類を連携して動作させる。
制御部23は、巻線機に設けられたセンサからの信号に
基づいて各アクチュエータに制御信号を送る。
【0049】次に、図2および図3を参照し、巻線機の
具体的な構成を説明する。
【0050】装置ベース30の両端に巻枠支持台32が
設置され、支持台32により巻枠1と回転軸3が軸支さ
れている。回転軸3の両端のプーリ34に駆動ベルト3
6が掛けられ、駆動ベルト36は、装置ベース30の下
側にある駆動シャフト38のプーリ40にも掛けられて
いる。駆動シャフト38が巻枠回転モータ5によりベル
ト駆動され、これにより巻枠1が回転する。
【0051】装置ベース30上にはガイドテーブル42
が搭載されている。ガイドテーブル42は、装置ベース
30に設けられたレール44に沿って巻枠回転軸方向に
スライド可能である。左右のテーブルは、それぞれモー
タ46a,46bにより独立して駆動される。モータ4
6a,46bは図4の第1アクチュエータ17に相当す
る。
【0052】ガイドテーブル42にはガイド保持台48
が固定されている。ガイド保持台48は、回転軸3と同
軸に設けられた保持リング50を軸支する。この保持リ
ング50は、後述する駆動円筒66を介して回転軸3と
回転方向に拘束され、回転軸3と同期回転する。また保
持リング50は、ガイド保持台48に対して軸方向に拘
束されている。この保持リング50が、図4で示した保
持リンクに相当する。
【0053】保持リング50は、ガイド爪アーム54,
56を保持しており、アーム54,56の先端にガイド
爪が設けられている。このガイド爪が図4のガイド部材
に相当する。ガイド爪アーム54,56は、保持リング
50のレール58に取り付けられ、保持リング50に対
して径方向にスライド可能である。
【0054】また一方のガイド爪アーム56は、軸方向
に伸縮可能であり、図4の伸縮アームに相当する。アー
ム56の先端側の部分は、円板60に取り付けられてい
る。テーブル42に固定されたアクチュエータ19のフ
ォーク19aが、円板60を挟んでいる。このフォーク
19aが円板60を軸方向に移動し、これによりアーム
56が伸縮する。
【0055】なお、円板60は、保持リング50に保持
されており、巻枠1と同軸に同期回転する。円板60
も、伸縮可能なアーム61により保持リング50に取り
付けられている。またアーム56の先端側の部分は、円
板60に対して軸方向には固定されているが、径方向に
は移動可能に設けられている。
【0056】さらに、ガイドテーブル42には駆動円筒
支持台62が搭載されている。支持台62は、テーブル
42上のレール64に取り付けられ、テーブル42に対
して巻枠回転軸方向にスライド可能である。
【0057】駆動円筒支持台62は駆動円筒66を軸支
している。駆動円筒66は回転軸3と同軸に設けられて
いる。駆動円筒66は、回転軸3に対して回転方向に拘
束されており、両者は同期回転する。この駆動円筒66
が、図4で説明した駆動リンクに相当する。駆動円筒6
6は、変換リンク15を介して保持リング50と連結さ
れている。
【0058】以上のように、図2および図3の巻線機
は、図4で説明した機構を備えている。したがって巻線
機は図4で説明したように動作し、各ガイド爪は巻枠1
に対して径方向および軸方向に移動することができる。
【0059】次に図3を参照して、駆動円筒66をテー
ブル上で移動させるための構成を説明する。図3に示す
ように、一方のガイドテーブル42(本実施形態では左
側のテーブル)にモータ68が固定されている。モータ
68は、図4で説明した第3アクチュエータ21に相当
する。
【0060】モータ68は、巻枠回転軸と平行に設けら
れた第1シャフト70を回転させる。第1シャフト70
は、駆動円筒支持台62と噛み合ってボールねじ機構7
2を形成している。支持台62は、逆さ配置されたT字
型を有しており、回転軸に対して直角方向に延びた足部
分で第1シャフト70と係合している。
【0061】第1シャフト70は、もう一方のガイドテ
ーブル42、すなわち右側のテーブルまで延びている。
第1シャフト70は右側テーブルで軸受支持部74に支
持されている。
【0062】右側テーブルには、第1シャフト70と平
行に第2シャフト76が設けられ、第2シャフト76は
軸受支持部78で支持されている。第2シャフト76
も、第1シャフト70と同様に、駆動円筒支持台と係合
してボールねじ機構を形成している。
【0063】第1シャフト70に取り付けられた歯車8
0と、第2シャフト76に取り付けられた歯車82が噛
み合っており、両歯車の歯数は同一である。各シャフト
と歯車との間にはボールスプライン機構が設けられてい
る。したがってシャフト70,76は、それぞれ歯車8
0,82に対して軸方向に移動できる。
【0064】モータ68が第1シャフト70を回転させ
ると、歯車を介して第2シャフト76も同じだけ回転す
る。そして、左右両テーブルで同時にボールねじ機構が
機能して、駆動円筒支持台62が軸方向に移動する。こ
れにより、駆動円筒66が保持リング50に対して軸方
向に移動する。
【0065】第1シャフト70と第2シャフト76は反
対方向に同じだけ回転するので、両側の駆動円筒は装置
ベース上で反対方向に(巻枠を基準にしたときは同方向
に)同じ量だけ動く。つまり両駆動円筒は同時に巻枠に
近づき、あるいは巻枠から遠ざかる。
【0066】上述のように、シャフト70,76と歯車
80,82はスライド可能である。このスライド移動
は、テーブル42が装置ベース30に対して移動したと
きに生じる。このスライドにより、テーブル42が移動
しても両歯車の噛み合い状態が確保される。
【0067】このように、本実施形態では、一つのアク
チュエータ68により、両側の駆動円筒66が常に同時
に同じ量だけ移動する。したがって4本のガイド爪を巻
枠径方向に同時に動かし、回転軸から同じ距離に位置さ
せることができる。そして、コイルの各層の巻き付けを
行うときに、その層の導線に4つのガイド爪が当接して
導線の巻付き位置を案内することができる。このような
動作を一つのアクチュエータのみで行うので、アクチュ
エータの数を削減できるという利点が得られる。
【0068】次に、巻枠1に導線を供給するための構成
を説明する。図5の模式図を参照すると、巻枠1の近傍
には4つのガイド爪BL,BR,FL,FRが位置して
いる。これらのガイド爪は、上述した4つのガイド爪に
相当する。導線は、巻枠1の近傍に設置されたノズル8
5から供給される。図示のように、ノズル85は、直角
方向に配置された2対のローラにより構成され、これら
のローラの隙間を通って導線は巻枠に供給される。
【0069】ここでノズル85は、図示しないアクチュ
エータにより巻枠1に対して相対移動可能に設けられて
おり、巻枠回転軸方向に往復移動する。この往復移動に
より導線の供給方向が変わり、導線は一つの列から次の
列へ移行することができる。すなわち、本実施形態では
ノズル85およびノズル駆動機構(図示せず)が、導線
に列替えを行わせる列替駆動手段として機能する。
【0070】次に、図6〜図12を参照し、本実施形態
の巻線機による導線巻付けの動作を説明する。ここで
は、図6に示す台形型のコイルを製造する場合を取り上
げる。ただし、他の形状のコイルも同様に形成できるこ
とはもちろんである。また本実施形態では、図示のよう
に、四角形断面を有する導線である平角線を用いてコイ
ルが形成される。
【0071】図7は第1層の巻付け過程を示している。
(a)まず導線の先端部が、巻枠1の両端のフランジの
一方にクランプされる。このとき、ガイド爪BL,BR
はフランジのところ、すなわち導線巻付け面の端部に位
置している。なお、残りのガイド爪FL,FRは、第1
層の巻付け時には機能しないので図から省略されている
が、これらのガイド爪FL,FRは導線と干渉しない位
置に待避している。
【0072】(b)次に巻枠が回転を開始することによ
り導線が巻き付き始める。巻枠が1回転する直前に(巻
枠が約270度回転したとき)、ガイド爪BLが回転軸
方向に移動して、巻枠に巻き付けられる導線に回転軸方
向に当接して、導線を押さえつける。このとき、ノズル
は回転軸方向に移動する。移動方向は、第1列から第2
列へ向かう方向である。
【0073】(c)は、巻枠1がちょうど1回転した状
態である。ノズルは、一旦大きく移動した後、第2列に
対応する位置まで戻されている。すなわちノズルは、
(a)の状態から導線1本分だけシフトしている。この
ようにして第1列の巻付けが終了し、巻枠は回転を継続
して第2列の巻付け工程に移る。
【0074】(d)および(e)は第2列の巻付け工程
である。(b)および(c)に示した第1列の巻付け工
程と同様である。
【0075】ただし図8に示すように、ガイド爪BL,
BRの間に第2列目の導線を挟み込むとき、一旦ガイド
爪BLが大きく移動する。これにより、両ガイド爪の隙
間は導線2本分より大きく広がる。それから第2列目の
導線が両ガイド爪の間に受け入れられる。そしてガイド
爪の隙間が閉じ、2本の導線が2つのガイド爪の間に挟
まれる。
【0076】このようなガイド爪の動作により、導線が
ガイド爪に引っかかったり、両者が擦れ合うことが防止
される。これにより導線の損傷、特に絶縁被膜の損傷が
防止される。
【0077】また図8の動作では、導線を受け入れた後
に両ガイド爪が閉じて、形成途中のコイルを両端から拘
束している。従ってコイルの形状が確実に保持され、コ
イルの形状精度が向上する。
【0078】なお、同様の動作は、図7に示されていな
い残りの2本のガイド爪が導線を挟み込むときにも同様
に行われる。
【0079】図7に戻り、(f)は、第3列および第4
列の巻付けも同様に行われた結果、第1層の巻付けが終
了した状態である。
【0080】図9は、本実施形態のガイド爪が適用され
ない場合を示している。導線には、巻枠の回転に伴って
大きな張力が作用している。そして列替えのために導線
の進行方向を変えるとき、すでに巻付けられた導線が軸
方向に引きずられる。その結果、図9(c)に示すよう
に導線が軸方向にずれてしまうことがある。列替えの度
に導線のずれが発生し、このずれが集積されると、全体
のずれ量は大きくなる。そして図9(d)に示すよう
に、導線のずれが原因で最終列の巻付けが不可能になる
こともあり得る。
【0081】一方、本実施形態では、ガイド爪が導線の
巻付き位置を規定するので、図9に示したような導線の
ずれが抑えられる。これにより、各層の列数を確保する
ことができ、コイル全体も正確な形状にすることができ
る。
【0082】次に図10を参照し、第2層の巻付け工程
を説明する。(a)まずガイド爪BL,BRが、導線1
本分だけ回転軸から遠ざけられる。前述したように、一
つのアクチュエータの動作により、両ガイド爪が同じ距
離だけ回転軸から離れる。この状態で巻枠が1回転し、
第2層の第1列の巻き付けが行われる。
【0083】(b)および(c)では、第1列から第2
列へ導線が移行する。ここでの動作は、第1層(図9
(b),(c))と対象である。巻枠が1回転する直前
に(約270度回転したとき)、ガイド爪BRが回転軸
方向に移動して導線に回転軸方向に当接して、導線を押
さえつける。ノズルは回転軸方向に大きく移動し、それ
から反対方向に戻される。そしてノズルは第2列に対応
する位置に配置される。(c)は、(a)から巻枠1が
ちょうど1回転した状態であり、第2列への列替えが終
了している。同様の巻付け工程が第3列および第4列に
対して行われ、第2列の巻付けが終了する(d)。
【0084】次に図11を参照し、第3層の巻付け工程
を説明する。ここでは台形コイルを形成する場合を取り
上げている。そのため、第3層の列数は3であり、第1
層および第2層の列数4より少ない。この列数変更のた
め、第3層は以下のようにして巻き付けられる。
【0085】(a)は、第3層の巻付け開始時の状態を
示している。ここでは4本のガイド爪BL,BR,F
L,FRが機能する。全ガイド爪は巻枠フランジのとこ
ろに位置している。全ガイド爪は、第2層の巻付け終了
の状態に対して、導線1本分だけ回転軸から遠ざけられ
る。前述したように、一つのアクチュエータの動作によ
り、全ガイド爪が同じ距離だけ回転軸から離れる。また
導線約1本分だけ回転軸方向にノズルがシフトする。こ
れにより第3層の列数が第2層より少なくなり、コイル
が台形になる。
【0086】(a)の状態から巻枠が回転し、第3層の
巻付けが始まる。図には示されないが、巻枠が約90度
回転したときにガイド爪FRが回転軸方向に移動し、導
線に当接する。
【0087】(b)さらに、巻枠が約270度回転した
とき、ガイド爪BLが回転軸方向に移動して導線に当接
する。このとき、第2列への列替えのため、ノズルは軸
方向に大きく移動する。
【0088】(c)は巻枠がちょうど1回転した状態で
ある。上述したように、第1列の巻付け中にガイド爪F
R,BLが移動して導線に当接している。ノズルは、軸
方向に大きく移動し後に戻され、第2列に対応する位置
に配置されている。このノズルの往復移動の結果、第2
列への列替えが完了している。
【0089】ここで、(b)および(c)に示すよう
に、ガイド爪FRおよびガイド爪BLは、導線が第3層
の第1列の位置(第2層の第3列の真上)に巻き付くよ
うに、導線の巻付き位置を規定している。ガイド爪FR
を設けたことにより、第2層と第3層に導線1本分の段
差が確実に形成され、これにより正確な形状の台形コイ
ルが形成される。すなわち、第1列の導線が巻枠端部
(巻枠フランジ)の方にずれて台形形状が乱れる、とい
ったことが防止される。またガイド爪BLの機能によ
り、他の層の場合と同様に、導線の列替え方向へのずれ
が効果的に防止される。
【0090】第3層の第2列、第3列の巻付けは、第1
層と同様にして行われる。ただし、図11(b),
(c)のガイド爪FRによる拘束状態は維持される。こ
のような巻付け動作の結果、図11(d)に示すように
台形コイルが完成する。
【0091】図12は、第3層の巻付け工程の変形例で
ある。図12(b)に示すように、ガイド爪BRが、第
3層第1列の導線に軸方向に当接している。ガイド爪B
Rは、巻枠が1回転する直前(約270度回転したと
き)に移動する。ガイド爪BRおよびガイド爪BLによ
り導線が挟み込まれる。これにより、導線は、その巻き
付くべき位置に確実に保持される。また、ガイド爪BR
およびガイド爪FRが、巻枠端部側から導線を支持す
る。したがって台形コイルの段差(第2層と第3層の段
差)が一層確実に形成される。
【0092】さらに図12では、ガイド爪FLも軸方向
に移動して導線に当接する。ガイド爪FLおよびガイド
爪FRが、形成途中のコイルを両端から拘束する。ガイ
ド爪FLは、巻枠1回転に一度、回転軸方向にシフトす
る(導線1本分待避する)。このとき、図8を用いて説
明したように、導線を受け入れるときにガイド爪の隙間
が開かれ、ガイド爪と導線の干渉に起因する導線の損傷
が防止される。
【0093】図12の巻付け動作では、4本のガイド爪
を同時に使って導線の巻付き位置が規定される。導線の
ずれが一層確実に防止され、完成コイルの形状のさらな
る安定が得られる。
【0094】以上にコイルの巻付け動作を説明した。こ
こでは図5の台形コイルを作る場合を取り上げて説明し
たが、本巻線機が他の形状のコイルもつくれることはも
ちろんである。コイルの層数や列数が異なっていてもよ
い。また各層の列数が任意に設定されたコイルを形成で
きる。長方形断面のコイルを作れることももちろんであ
る。
【0095】また本実施形態ではガイド爪が巻枠と同期
回転する。したがって、上記のガイド爪の移動と、ガイ
ド爪による導線位置の規定は、巻枠の回転を継続しなが
ら行われている。
【0096】次に図13を参照し、完成したコイルを巻
枠から取り外す動作を説明する。図13(a)は、図1
2(d)と同様であり、コイルが完成した状態である。
【0097】まず図13(b)に示すように巻枠1が2
つに切り離される。巻枠は、導線巻付き部と巻枠フラン
ジとの間で分離可能に構成されている。そこで、一方の
巻枠フランジが巻付け部から切り離される。このとき、
巻枠フランジとともに2本のガイド爪BR,BLも移動
される。
【0098】具体的には、図2,3に示したように本実
施形態では巻枠の両側に回転軸が取り付けられている。
回転軸はアクチュエータ(図示せず)により軸方向に移
動可能に構成されている。一方の回転軸が巻枠フランジ
とともに軸方向に移動する。これによりフランジが後退
し、導線巻付け部から切り離される。
【0099】それから、図13(c)に示すように、ガ
イド爪BL,BRが同時に回転軸方向に移動して、コイ
ルを巻枠から押し出す。好ましくは、図示のようにガイ
ド爪BL,BRは、回転軸に近づいた位置でコイルを押
す。コイル端面の広い範囲を押すことができ、コイルの
型くずれを防止できる。
【0100】図13(d)に示すように、巻枠の導線巻
付け部から完全にコイルが抜けたところで、作業者がコ
イルを取り外す。コイルは自動搬送装置等により取り外
されてもよい。
【0101】なお、変形例として、4本のガイド爪でコ
イルの両端を挟んだ状態で、コイルを巻枠から軸方向に
抜いてもよい。これにより、コイルの型くずれを確実に
防止することができる。
【0102】「導線クランプ装置の構成」次に図14お
よび図15を参照し、巻付け開始のときに導線の先端を
巻枠に自動的にクランプする装置について説明する。
【0103】図14は巻枠1を3方向から見た図であ
り、巻枠1を拡大して示している。(c)は、(a)の
ラインA−Aで巻枠1を切断した図である。巻枠1は、
導線が巻き付けられる巻付け部100を有する。巻付け
部100は、形成目標のコイルに対応した形状を有し、
すなわちコイルが装着されるモータの磁極とほぼ同等の
形状を有する。
【0104】さらに巻枠1は、巻付け部100の両側に
巻枠フランジ102,104を有する。巻枠フランジ1
02,104は、形成途中のコイルの端面を支持して型
崩れを防止するためのものである。巻枠フランジ10
2,104は、導線の巻付き位置を規定するガイド爪と
の干渉をさけるために切り欠かれ、逃げ部106が形成
されている。4本のガイド爪は、この逃げ部106を通
り、巻付け部100に巻き付けられる導線に当接する。
【0105】一方の巻枠フランジ102には、導線の先
端部をクランプ位置Bに導くための誘導溝108が設け
られている。図14(c)に示すように、誘導溝108
は、巻付け部100の4つの頂点のうちの一つの近傍で
始まる。そして、誘導溝108は、巻付け部100の一
辺に沿って進み、フランジ上端のクランプ位置Bまで続
く。誘導溝108は、開始点からクランプ位置Bにかけ
て徐々に深くなる。
【0106】また図14(c)に示すように、フランジ
102の上端には、フランジ端に沿って移動可能にクラ
ンプ爪110が設けられている。クランプ爪110の先
端がクランプ位置B(誘導溝108の出口)に配置され
ている。図示のように、クランプ爪110の先端は、フ
ランジ端部との間に楔型の隙間を形成している。これ
は、後述するように、誘導溝108から突き出した導線
をクランプ爪110が押すときに、押付け方向に導線を
屈曲させるためである。
【0107】クランプ爪110には、コイル型のクラン
プばね(リターンスプリング)112の一端が取り付け
られている。ばね112の他端は、フランジ102にボ
ルトで固定されたばね支持アーム114に取り付けられ
ている。このクランプばね112は、クランプ爪110
をクランプ位置B(誘導溝108の出口)の方向へ付勢
している。
【0108】クランプ爪110には、クランプばね11
2の反対側に解除ロッド116が取り付けられている。
解除ロッド116は、クランプばね112と同軸に設け
られ、フランジ上端と平行に延びる。解除ロッド116
は、ロッド支持アーム118に支持されている。ロッド
支持アーム118は、クランプばね112を支持するア
ーム114とは反対側のフランジ端面にボルトで固定さ
れている。解除ロッド116は、支持アーム118の貫
通穴に挿入されており、この貫通穴内を自由に移動でき
る。また解除ロッド116のストッパー凸部117は、
支持アーム118の壁面に当たっている。このストッパ
ー凸部117により、解除ロッド116の可動範囲が規
定されている。
【0109】クランプ解除アクチュエータ120は、装
置ベース(図示せず)に対して固定されている。アクチ
ュエータ120は、クランプ解除ロッド116を押して
移動させることができる。アクチュエータ120のプッ
シュアーム122が右方向に移動してロッド116を押
すと、ばね112の抵抗に打ち勝ってクランプ爪110
が移動し、クランプ位置Bから離れる。アクチュエータ
120がプッシュアーム122を戻すと、クランプ爪1
10はクランプばね112に押され、元のクランプ位置
Bに戻る。
【0110】さらに、図14(a)に示すように、巻枠
1の近傍には導入アクチュエータ124が設けられてい
る。導入アクチュエータ124は、巻枠の軸方向に移動
可能な導入アーム126を有する。アクチュエータ12
4は、導入アーム126を進退させることにより、ノズ
ル(図示せず)から供給される導線の先端を誘導溝10
8へと導く。
【0111】次に図15を参照し、クランプ装置の動作
を説明する。
【0112】(a)まずクランプ解除アクチュエータ1
20がプッシュアーム122を移動させて、解除ロッド
116を押す。クランプばね112の抵抗に打ち勝って
クランプ爪110が移動し、誘導溝108の出口が開か
れる。
【0113】(b)次に、ノズルから導線を繰り出すと
ともに、誘導アクチュエータ124が導入アーム126
をフランジ102の方へ動かす。これにより、導線の先
端が誘導溝108に進入し、誘導溝108の中を進む。
導線は、導入アーム126に押されているので、誘導溝
108の底部に沿って進む。導線の先端部が所定の長さ
だけ誘導溝108の出口から突出するまで、ノズルから
導線が供給される。
【0114】(c)次に、クランプ解除アクチュエータ
120がプッシュアーム122を後退させる。ロッド1
16およびクランプ爪110は、クランプばね112に
押されてアーム122に追従する。ロッド116の凸部
117が支持アーム118に当たるとロッド116が止
まる。アーム122は、ロッド116から離れる位置ま
で後退する。
【0115】クランプ爪110は、ばね112に押され
て移動するとき、誘導溝108から突き出した導線先端
部を屈曲させ、屈曲部分をフランジ102に押しつけ
る。この屈曲部分でクランプ爪110により導線が巻枠
にクランプされる。
【0116】以上のようにして導線のクランプが自動的
に行われる。この後、巻枠が回転し、導線の巻付けが行
われる。また、コイルの巻付けが完了したときは、クラ
ンプ解除アクチュエータ120が再び動作し、クランプ
爪110を移動させる。これによりクランプ状態が解除
されるので、コイルを巻枠から取り外すことができる。
【0117】本実施形態では、導線先端部が、フランジ
の端部に沿う方向に屈曲した状態でクランプされる。す
なわち導線は巻枠回転方向に屈曲した状態でクランプさ
れる。したがって下記のように先端部を確実にクランプ
できる。
【0118】導線を巻き付けるときは、導線に大きな張
力が作用し、導線を巻枠から外そうとする。しかし、導
線を巻枠回転方向に屈曲した状態で保持しているので、
導線に作用する張力に対して効果的に対抗することがで
きる。これにより、クランプ状態を確実に維持できる。
【0119】なお、このクランプのための構成に関し、
巻枠回転方向とは、巻枠回転軸の周りを回る方向を意味
しており、時計回りと反時計回りの両方向を意味する。
言い換えれば、巻枠回転方向は、コイル形成のために実
際に巻枠が回る方向と、その反対の方向の両方を含む。
そして、クランプのために導線先端を屈曲させる方向
は、どちらの方向でもよい。
【0120】具体的には、図14(c)の例では、コイ
ル形成のときに巻枠は時計回りに回転する。クランプ爪
は導線を反時計回りの方向に屈曲させている。変形例と
しては、クランプ爪が導線を時計回りの方向に、すなわ
ち巻枠の回転と同一の方向に屈曲させてもよい。この場
合、クランプ爪は導入溝の反対側に位置し、他の構成も
対称に設けられる。
【0121】以上に本実施形態の好適な巻線機について
説明した。次に、本実施形態の巻線機の各種の利点を説
明する。
【0122】本実施形態では、図14および図15に示
したように、導線先端部が、フランジの端部に沿う方向
に屈曲した状態でクランプされ、すなわち導線は巻枠回
転方向に屈曲した状態でクランプされる。導線先端部
は、コイル同士の接続やコイル−電源間接続等のための
接続部として用いることができる。本実施形態では、上
記の屈曲状態のクランプにより、導線先端の接続部を長
く設定したとしても、巻枠回転の際に妨げとならないよ
うに導線先端部を配置でき、これにより接続部の延長が
可能となる。
【0123】また、本実施形態では、導線の先端部が巻
枠回転方向に屈曲した状態で、その屈曲部分で先端部が
巻枠に固定される。固定手段と屈曲手段が一体化され、
導線方向に屈曲した状態で巻枠に固定される。回転方向
に導線がクランプされるので強い拘束力が得られる。そ
して、導線に大きな張力が作用したときでも、この張力
により導線がクランプ部から引き抜かれるのを効果的に
防止できる。
【0124】また本実施形態では、クランプ位置が巻枠
フランジ上に設定されている。すなわち、巻枠の導線巻
付け部から巻枠回転軸方向にクランプ位置がオフセット
している。したがって導線先端部分と後続する導線部分
との干渉を避けることができ、巻付け動作が円滑に行わ
れる。
【0125】また本実施形態では、図14および図15
に示したように、巻枠フランジ102に誘導溝108が
設けられ、また導線を誘導溝108に導くアクチュエー
タ124が設けられている。したがって手作業によらず
に自動的に導線をクランプ位置に導くことができ、生産
性の向上が図れる。
【0126】また本実施形態では、図14および図15
に示したように、巻枠が停止しているときにアクチュエ
ータ120が作動して、クランプ爪によるクランプを解
除する。そして、巻枠回転中は、クランプばね112に
よりクランプ爪が付勢され、クランプ状態が得られる。
したがって巻枠回転中はアクチュエータが機能しなくて
もよい。そこで、アクチュエータは装置ベース等に適当
に固定されている。以上より、回転部分に搭載するべき
アクチュエータを減らすことができるので、装置の構造
が簡単である。また、回転部分の重量を小さくできるの
で、巻枠回転モータの負担が軽く、モータを小型化でき
る。
【0127】<実施形態2.>以下、本発明の好適な第
2の実施形態について説明する。本実施形態では、モー
タ用の2連続コイルを形成する巻線機に本発明が適用さ
れる。
【0128】まず、本発明のクランプ装置を説明する前
に、巻線機全体の構成と動作を説明する。
【0129】図16は、本実施形態の巻線機の斜視図で
ある。巻線機は部分的に分解され、かつ模式的に示され
ている。この巻線機は、素線が巻き付けられた素線供給
ロール210と、巻取り被駆動歯車213と、被駆動歯
車213の両側に装着される第1巻枠211および第2
巻枠212と、被駆動歯車213を回転させる駆動機構
214とを含む。本実施形態においては、クランプ装置
が第1巻枠211に設けられているが、図面を分かりや
すくするためにここでは図示されていない。クランプ装
置については、後述にて別の図面を用いて説明する。
【0130】素線供給ロール210は、ロールアクチュ
エータ215により軸方向(矢印216)に往復移動可
能である。ロール210には、素線としての平角線が巻
き付けられている。平角線とは四角形の断面を有する導
線である。平角線を用いることにより、円形断面の導線
を用いるのと比較して、導線間の隙間を小さくできる。
巻枠を回転させると、素線が引っ張られ、ロール210
から引き出される。なお、これ以降素線が平角線の場合
を説明するが、本発明は素線断面が丸であっても適用で
きる。
【0131】巻取り被駆動歯車213の側面には巻枠台
座217が設けられている。被駆動歯車213の反対側
の側面にも、同一形状の台座が対称に設けられている。
第1巻枠(芯金)211は、巻付け部(芯部)211a
とフランジ部211bを有する。第2巻枠(芯金)21
2も同様に、巻付け部(芯部、図示せず)およびフラン
ジ部212bを有する。フランジ部211b、212b
は、歯車側の巻枠台座217と同一形状を有する。
【0132】第1巻枠211は、スライドタイプの第1
巻枠アクチュエータ221により駆動され、被駆動歯車
213の回転軸方向(矢印223)に移動可能である。
コイル形成時、第1巻枠211は、被駆動歯車213の
台座に密着するように配置される。このとき、第1巻枠
211の中心が被駆動歯車213の回転軸上に位置する
ように、かつ、台座とフランジが同一角度位置で向き合
うように、巻枠が位置決めされる。
【0133】第2巻枠212についても同様である。す
なわち、第2巻枠212は、スライド式の第2巻枠アク
チュエータ222により駆動され、被駆動歯車213の
回転軸方向(矢印224)に移動可能である。そしてコ
イル形成時、被駆動歯車213に巻枠212が密着され
る。これにより、被駆動歯車213の両側に対称的に第
1巻枠211および第2巻枠212が配置される。
【0134】図16に示されるように、巻取り被駆動歯
車213の外周面には、接続区間ガイド溝225が設け
られている。このガイド溝225は接続区間ガイド手段
として機能する。ガイド溝225は、第1巻枠211か
ら第2巻枠212へと、コイル同士の接続区間の導線を
所定の経路(溝底を通る経路)に沿って導く。ガイド溝
225は、歯車回転軸に対して斜めに設けられている。
【0135】次に、被駆動歯車213を回転させる駆動
機構214は、巻取り駆動モータ226と、巻取り駆動
モータ226の出力により回転する3つの駆動歯車22
7を含む。3つの駆動歯車227は、被駆動歯車213
を取り囲んでおり、等間隔を開けて配置されており、そ
れぞれ被駆動歯車213と噛み合っている。これら3つ
の駆動歯車227は、図示しない歯車機構を介して繋が
っており、同期回転する。
【0136】ここで、図16では被駆動歯車213およ
び駆動歯車227の歯が省略されているが、各歯車には
任意な適当なタイプの歯を適用できる。例えば、平歯車
またはヘリカルギアが適用できる。
【0137】上記の複数のアクチュエータ、つまりロー
ルアクチュエータ215、第1巻枠アクチュエータ22
1、第2巻枠アクチュエータ222および巻取り駆動モ
ータ226は、制御部228により制御されている。制
御部228は、これらのアクチュエータを同期して動作
させる。制御部228は、その他にも巻線機全体を制御
する。
【0138】次に、図17(a)〜図17(d)の参照
し、本実施形態の巻線機の動作を説明する。図17で
は、図16の装置の一部の構成が簡略化のために省略さ
れている。
【0139】まず、図17(a)に示すように、第1巻
枠211および第2巻枠212が巻取り被駆動歯車21
3の両側面に密着される。そして、素線供給ロールから
引き出された素線の先端が、第1巻枠211の所定位置
にクランプ装置を用いて固定される。クランプ装置につ
いては後述にて詳細に説明する。
【0140】次に、図17(b)に示すように、駆動モ
ータの回転が開始され、素線が第1巻枠211に巻き付
けられる。
【0141】このとき、巻枠211の回転と同期した適
当なタイミングで、供給ロール210が往復移動する。
巻枠211の1回転に1度、ロール210が導線1本分
移動する。これにより、導線が一列ずつ隣接する導線と
隙間を空けずに巻かれる。巻枠の全長分(コイルの全長
分)を巻き終わると第1層が出来上がる。それからその
上の層が同様に巻き付けられる。同様の巻付けが繰り返
され、所定数の層が形成される。このようにして、必要
なターン数の巻付けが終わると、一つ目のコイルが完成
する。
【0142】上記の巻付け動作では、素線の整列巻付け
が行われる。素線が隙間無く並ぶので、同一サイズでも
素線の巻数が多くなる。これにより、モータ組付け時の
占積率が増大する。占積率とは、回転電機の磁極間の、
コイルを納めるスロットの断面積に対するコイルを形成
する導線の断面積の総和の割合である。また本実施形態
では、平角線の採用によっても占積率が増大している。
この占積率の増大により、モータの高出力化が可能であ
る。
【0143】図17に戻り、図17(c)は、一つ目の
コイルから2つ目のコイルへ移行するときの動作を示し
ている。ここでは、以下に述べるように、駆動モータと
ロールアクチュエータとガイドアクチュエータが同期し
て動作する。
【0144】被駆動歯車213の外周面にはガイド溝2
25が設けられている。モータの回転により、ローラ2
10の方を向く所定角度にガイド溝225が到達する。
このときに、ロールアクチュエータにより供給ロール2
10が第2巻枠212側へと移動される。またガイドア
クチュエータ229(図16には示さず)が、素線を第
2巻枠212へ向けて付勢する。素線は、アクチュエー
タ229のアームに押され、ガイド溝225を通り抜け
る。溝の傾斜を考慮し、溝の両端の周方向の距離d(図
17(d)参照)と対応する角度だけ歯車213が回転
する間に素線がガイド溝225を通り抜けるように、ア
クチュエータが制御される。
【0145】次に、図17(d)に示すように、第2巻
枠212に素線が巻き付けられ、2つ目のコイルが形成
される。このときの巻付け動作は、1つ目のコイル巻付
けと同様である。所定ターン数の巻き付けにより、所定
の列数および層数をもつ整列コイルが形成される。第2
のコイルが出来上がると、切断装置230(図16では
示さず)により、素線が所定の位置で切断される。
【0146】次に、図18に示すように、ガイド溝22
5が下側に位置する状態で、被駆動歯車213が停止す
る。そして、第1巻枠211および第2巻枠212が、
それぞれ、第1巻枠アクチュエータ221および第2巻
枠アクチュエータ222によって、被駆動歯車213か
ら離され、所定の待機位置に運ばれる。これにより、完
成した2つのコイル231、232は、接続区間233
の素線を介して繋がったまま、自重により下方へ落下
し、取り出される。
【0147】この後、再び両巻枠211、212が歯車
213に密着される。図17(a)に戻り、次のコイル
の巻付けが開始される。
【0148】以上、巻線機全体の構成と動作を説明し
た。
【0149】なお、本実施形態では、図16に示したよ
うに、2つの巻枠211、212は被駆動用歯車213
から脱着された。これに対し、一方または両方の巻枠が
歯車213の側面に一体的に設けられ、あるいは常に取
り付けられていてもよい。この場合は、フランジ部分の
みが脱着される。その他、巻枠を適当に分割する構成が
採用されてもよい。
【0150】また本実施形態では、3つの駆動歯車が設
けられた。これに対し、一部の歯車が削除され、あるい
はアイドラーとして機能してもよい。ただし、この場合
でも駆動歯車がガイド溝を越えるために必要な機能は確
保されるように構成する。
【0151】また、図17(c)のガイドアクチュエー
タ229を設けないでもよい。モータの回転と供給ロー
ルの軸方向移動の同期によって、素線がガイド溝に導か
れる。
【0152】「導線クランプ装置」次に、本実施形態に
おける導線クランプ装置について説明する。
【0153】図19を参照すると、巻枠211(コイル
巻芯金)は、図16に示した第1巻枠に相当する。フラ
ンジ部211bに設けられた切欠きは、適宜、素線整列
用の爪との干渉防止などのために用いられる。
【0154】フランジ部211bには、適当な曲面(略
半円でもよい)を周囲にもつクランプ屈曲台部241が
ボルト等を用いて固定され、一体化されている。押付け
面243は、クランプ屈曲台部241の外周円筒面であ
り、押し付けられた素線に適当な屈曲形状(本実施形態
の場合は湾曲)を与える。
【0155】クランプ屈曲台部241の周りを囲むよう
に、三日月形状を有するクランプ屈曲用のアーム245
が設けられている。アーム245は、その一端の支点2
47(回動軸)にてフランジ部211bに取り付けられ
ている。アーム245は、支点247を中心に、巻枠回
転方向に回動可能に設けられている。
【0156】なお、本実施形態でも、クランプ関連の構
成において、巻枠回転方向とは、巻枠回転軸の周りを回
る方向を意味しており、巻枠の実際の回転と一致する方
向と、反対方向とのどちらでもよい。巻枠回転方向は、
巻枠回転軸に対して角度(垂直でなくてもよい)をなす
面(平面でなくてもよい)内で、巻枠回転軸を取り巻く
ような線に沿って移動する方向であればよく、巻枠回転
方向は、巻枠回転軸を中心とする円を描く必要はない。
したがって図19に示すようなアームの動作も、巻枠回
転方向の回転に含まれる。
【0157】図19に戻り、アーム245の支点247
には、クランプ部材としてのクランプピン249が回動
可能に設けられている。クランプピン249はアーム2
45に取り付けられ、共に回動する。クランプピン24
9は、支点247に対して偏芯して設けられている。
【0158】アーム245がクランプ屈曲台部241に
向けて移動すると(矢印X)、クランプピン249が素
線に接してこれを固定する。逆にアーム245がクラン
プ屈曲台部241から離れる方向に移動すると(矢印
Y)、クランプピン249が素線から離れ、クランプが
開放される。すなわち前者の矢印Xの方向がクランプ締
付け方向であり、後者の矢印Yの方向がクランプ開放方
向である。
【0159】また、アーム245における支点247と
反対側の端には、屈曲部材としての素線折曲げピン25
1が取り付けられている。素線折曲げピン251は、ア
ーム245がクランプ締付け方向Xに回動するときに、
素線をクランプ屈曲台部241に押し付けて屈曲させ
る。
【0160】上記のアーム245および素線折曲げピン
251により本発明の屈曲用回動部材が構成され、この
屈曲用回動部材にクランプピン249が備えられ、これ
らは一体になって回動する。図19に示されるように、
本実施形態では、巻枠211における巻付け部211a
が直方体である。巻付け部211aの一つの面に沿って
素線が進むと、素線の先が、クランプピン249に到達
するように、クランプピン249が配置されている。ク
ランプピン249は、クランプ屈曲台部241の押付け
面243における最初の部分と対向している。
【0161】さらに、素線折曲げピン251は、クラン
プピン249の先(巻枠211から遠い位置)に配置さ
れている。したがって素線折曲げピン251は、アーム
回動に伴い、素線のクランプ部位より先の部分に作用し
て、折り曲げる。本実施形態では、巻枠回転方向への屈
曲の一形態として、素線が約180度折り返される。屈
曲部分は、押付け面に沿ったカーブを描く。
【0162】次に、アーム245を回動するための構
成、すなわちクランプ開閉用の構成について説明する。
【0163】アーム245の先端には、クランプ用の弾
性部材の一形態であるクランプばね253の一端が取り
付けられている。クランプばね253の他端は、巻枠2
11のフランジ部211bに取り付けられている。クラ
ンプばね253の両端のフックがそれぞればねポスト2
53a、253bに引っかけられている。
【0164】クランプばね253は、アーム245を巻
枠締付け方向に付勢している。図19のクランプ状態に
おいてもアーム245に十分な強さの付勢力が作用する
ように、クランプばね253の配置および構成(サイ
ズ、ばね定数等)が設定されている。本実施形態では、
弦巻ばねを採用することにより、コンパクトな構成が実
現されている。
【0165】一方、アーム245の中央部には、アーム
動作用ピン255が取り付けられている。アーム動作用
ピン255の上方には、クランプ・アンクランプ用シリ
ンダ257(本発明のクランプ用のアクチュエータの一
形態)が設けられている。クランプ・アンクランプ用シ
リンダ257は、押下げ部材である押下げ板259を直
線的に往復動させる。
【0166】押下げ板259が、クランプばね253の
付勢力に対向して、アーム動作用ピン255を押し下げ
ると、アーム245がクランプ開放方向に移動する。押
下げ板259が上昇すると、アーム動作用ピン255と
ともにアーム245がクランプ締付け方向に回動する。
このとき、クランプばね253の付勢力が働いているの
で、アーム動作用ピン255が押下げ板259に追従
し、なめらかな動作が得られる。
【0167】また、押下げ板259の往復動にともなっ
て、アーム動作用ピン255は、押下げ板259上を往
復動作方向と垂直方向に、すなわち板面上を横方向に移
動する。したがって、往復動タイプの簡単なアクチュエ
ータによりアーム245を回動可能である。
【0168】さらに、図19に示すように、巻線機には
ガイド用シリンダ261が設けられている。ガイド用シ
リンダ261はガイド爪263を上下に往復させる。ま
たガイド用シリンダ261自体が、スライド機構265
によって巻枠回転軸方向(矢印Z)に移動する。この上
下動と、回転軸方向の移動とによって、ガイド爪263
は、素線を適当な方向に案内する。
【0169】以上に本実施形態のクランプ装置の構成を
説明した。なお、上記のクランプ・アンクランプ用シリ
ンダ257およびガイド用シリンダ261の動作は、他
の構成と同様に、図16の制御部228により制御され
る。
【0170】次に、図20〜図22を参照し、このクラ
ンプ装置によるクランプ動作について説明する。
【0171】まず、図20に示すように、クランプ・ア
ンクランプ用シリンダ257が押下げ板259を下降さ
せ、アーム動作用ピン255を押し下げる。アーム24
5がクランプばね253に逆らいながら回転する。アー
ム245が約90度回転するまで、アーム動作用ピン2
55が押し下げられる。これにより、クランプピン24
9とクランプ屈曲台部241の間に、素線の厚さ以上の
隙間が空く。また同時に、ガイド用シリンダ261はガ
イド爪263を下降させる。
【0172】次に、図21に示すように、素線供給ロー
ルから巻枠211に向けて素線が送り出される。素線の
先端は、巻付け部211aの一つの面に沿って進み、さ
らに延びてクランプピン249を通り過ぎ、さらに素線
折曲げピン251を通り過ぎる。素線を折り曲げなくと
も、図21の状態を矢印Z(巻枠回転軸方向)から見た
ときには、クランプピン249とクランプ屈曲台部24
1の間を素線が通り、かつ、素線折曲げピン251の上
またはそれより高い所を素線が通るように、各構成が配
置されている。
【0173】巻枠端部から素線の先端までの長さが所定
の余裕長さに達するまで、ロールから素線が送り出され
る。所定の余裕長さは、素線の先端部分が接続部として
適切に機能できるように設定されている。すなわち、コ
イルが完成後に取り付けられるモータでの接続構造に適
した長さに設定されている。
【0174】素線が適当な長さだけ送り出されると、ス
ライド機構265が動作して、ガイド爪263が素線を
巻枠回転軸方向Zにガイドする。これにより、クランプ
ピン249とクランプ屈曲台部241の隙間へと素線が
入り込む。また素線折曲げピン251の上方に素線が位
置する。
【0175】次に、図22に示すように、クランプ・ア
ンクランプ用シリンダ257が押下げ板259を上昇さ
せる。クランプばね253はばね力でアーム245を引
っ張る。アーム245はクランプ締付け方向Xに回動
し、素線折曲げピン251が素線に当接し、素線を上方
に曲げる。素線は押付け面243のカーブに沿って約1
80度折り曲げ返される。
【0176】素線の折り曲げと同時にクランプピン24
9により素線が以下のようにクランプされる。クランプ
ピン249もアーム245とともに元の位置に戻ろうと
回動する。クランプピン249は支点247に対して偏
心している。したがって、アーム245が回動すると、
クランプピン249とクランプ屈曲台部241の間の隙
間が狭くなり、この隙間で素線が巻枠211に対してロ
ックされる。
【0177】クランプ・アンクランプ用シリンダ257
は押下げ板259を元の待機位置に戻す。またガイド用
シリンダ261およびスライド機構265も、ガイド爪
263を元の待機位置に戻す。これによりクランプが完
了する。
【0178】クランプが完了すると、前述したように、
巻枠211が回転され、コイルの巻付けが開始される。
巻付け工程では、素線に対して大きな張力が作用する。
本実施形態では、クランプピン249が支点247に対
して偏心して設けられている。したがって、素線にかか
る張力が大きくなるほど、素線のクランプ力も大きくな
り、素線が抜けにくくなる。
【0179】コイル巻付け工程が終わると、完成したコ
イルが巻枠211から取り外される。このときは、再
度、クランプ・アンクランプ用シリンダ257が押下げ
板259を下降させる。押下げ板259によりアーム動
作用ピン255が押し下げられ、アーム245がクラン
プ開放方向Yに回動する。クランプピン249と押付け
面243の間の隙間が広がり、クランプ状態が解除され
る。そして、完成したコイルが取り出される。
【0180】本実施形態では上述したように2連続巻コ
イルが形成される。完成したコイルは、素線先端に十分
な長さの接続部を有している。この接続部は、コイルを
ステータコアに挿入したとき、動力線の結線に用いら
れ、あるいは中性点の結線に用いられる。
【0181】以上に本実施形態の好適な巻線機のクラン
プ装置について説明した。次に、本実施形態の各種の利
点を説明する。
【0182】本実施形態では、導線先端部が巻枠回転方
向に屈曲した状態でクランプされる。したがって、導線
先端の接続部を長く設定したとしても、巻枠回転の際に
妨げとならないように導線先端部を配置でき、これによ
り接続部の延長が可能となる。
【0183】特に、本実施形態では、アーム245、ク
ランプピン249、素線折曲げピン251等が素線の固
定手段および屈曲手段を構成する。そして、クランプピ
ン249よりも素線の先端側で、素線折曲げピン251
が素線を折り曲げる。このように、本実施形態では、固
定手段と屈曲手段が一体化されており、固定手段が導線
のクランプ部位を固定するとき、屈曲手段がクランプ部
位よりも先端側の部分に作用して導線を屈曲させる。
【0184】したがって本実施形態によれば、固定手段
と屈曲手段が一体化されているので、クランプと屈曲を
一つの動作で行える。さらに、屈曲手段がクランプ部位
より先端側の部分に作用して導線を屈曲させるので、導
線先端の比較的長い部分を巻枠回転の妨げとならないよ
うに配置でき、したがって、導線先端部の接続部をかな
り長く設定可能である。
【0185】具体例としては、前出の図14および図1
5の実施形態では、屈曲により素線が約90度しか折り
曲げられていない。これに対し、本実施形態の例では、
素線が約180度折り曲げられている。クランプ部位か
ら先の部分にて、素線折曲げピン251と押付け面24
3を用いて素線が屈曲されている。素線は曲線を描いて
おり、無理な変形はない。折り返された素線は、巻枠2
11のフランジ部211bに沿って進んでいる。巻枠2
11から外向きに飛び出さないように素線が配置されて
いる。以上より、素線先端の接続部を比較的長くとるこ
とが可能となっている。
【0186】また本実施形態では、素線折曲げピン25
1とアーム245により屈曲用回動部材が構成される。
素線折曲げピン251は屈曲部材として、巻枠回転方向
に回転して導線に当接し、これを屈曲させる。屈曲部材
が回動しながら導線を所望の形状へと導いていくので、
導線の屈曲角度を大きくでき、これにより接続部を長く
とれる。
【0187】また本実施形態では、クランプピン249
がアーム245に備えられている。すなわち、クランプ
部材が屈曲用回動部材とともに回動する。したがってク
ランプと屈曲を同時に行える。一つの回動部材にクラン
プ機能と屈曲機能をもたせることができ、構成が簡単で
あるという利点が得られる。
【0188】また本実施形態では、クランプピン249
が支点247(回動軸)に対して偏心して設けられてい
る。したがって、導線をクランプ部位から引き抜こうと
する力が作用したときに、クランプ部材によるクランプ
力が増幅されるので、確実なクランプが可能となる。
【0189】ここで、本実施形態のクランプピン249
は、偏心して取り付けられており、一種のカムとして機
能している。クランプピン249の外周面は、円筒でな
くてもよく、任意の適当なカム形状を採用できる。同様
の機能が得られれば、偏心部材の形状は特に限定されな
いことはもちろんである。
【0190】また本実施形態では、クランプ屈曲台部2
41の押付け面243に導線が押し付けられる。押付け
面243は目標の屈曲形状を有している。この押付け面
243に沿って導線が屈曲するので、導線を所望の形状
に屈曲させることができる。したがって接続部の長さの
ばらつきを減らし、安定させることができる。
【0191】また本実施形態では、クランプ開放状態に
あるときに、導線を巻枠回転方向に変形せずとも、巻枠
211に向けて導かれた導線が、クランプピン249と
クランプ屈曲台部241との間を通過するように、各構
成が配置されている。したがって、導線を容易にクラン
プ位置へとセットできる。図16の例では、往復動タイ
プのガイド用シリンダ261を用いて導線を巻枠回転軸
方向Z方向に押すだけで、導線がクランプ位置へ導かれ
る。
【0192】また変形例としては、巻枠211に対する
素線の送り出し方向に適当な角度をもたせることによ
り、直接クランプ屈曲台部241とクランプピン249
の間へと素線を挿入することも好適である。これによ
り、ガイド用シリンダ261や、そのスライド機構26
5を廃止することが可能となる。すなわち、接続部とし
ての余裕長さを確保しつつ素線をクランプできる本発明
の機構を、シリンダ1本のみの簡単な構成にて成立させ
ることができる。
【0193】また本実施形態では、アーム245をクラ
ンプ締付け方向に付勢する弾性部材としてのクランプば
ね253と、反対のクランプ開放方向に回動させるクラ
ンプ用アクチュエータとしてのクランプ・アンクランプ
用シリンダ257が設けられる。弾性部材とアクチュエ
ータで両方向への力を与える簡単な構成により、クラン
プ屈曲用回動部材の動きを制御することができる。上述
の実施形態と同様に、巻枠回転中はアクチュエータが機
能しなくてもよいので、アクチュエータを回転部に搭載
しなくてよい。したがって、装置の複雑化を回避できる
などの利点が得られる。
【0194】また上記の実施形態の応用例の一つとし
て、クランプピン249の偏心量を変更可能に構成する
ことが好適である。偏心量の異なる複数種類のピンを用
意し、取り替えてもよい。これにより、断面形状および
そのサイズが異なる複数種類の素線をクランプできる。
クランプピン249に限らず、任意の偏心部材を適用し
た場合にも同様である。この構成は、下記の実施形態に
も適用できる。
【0195】<実施形態3.>次に、本発明の好適な第
3の実施形態について説明する。
【0196】図23は本実施形態の巻線機の全体構成を
示している。本実施形態でも、上記の実施形態と同様の
巻線機に本発明が適用される。そして、本実施形態のク
ランプ装置は、巻枠のフランジ部に設けられている。
【0197】図24は、本実施形態のクランプ装置を示
している。図24において、図16のクランプ装置と同
様の構成には同一符号を付してあり、これらの構成につ
いての説明は省略する。以下、図16と図24の装置の
相違点を中心にして、本実施形態のクランプ装置を説明
する。
【0198】図24においては、クランプ・アンクラン
プ用シリンダ271が往復動ブロック273を往復移動
させる。往復動ブロック273は押下げ部275および
引上げ部277を有する。
【0199】押下げ部275は、図16の押下げ板に相
当し、アーム245のアーム動作用ローラ279を押し
下げる。なお、本実施形態では、アーム動作用ピンの代
わりにローラが設けられ、これにより摩擦抵抗を低減で
き、アームの動作を滑らかにできる(この構成はもちろ
ん図16の装置にも適用できる)。
【0200】一方、引上げ部277は、押下げ部275
の下面から突出している。引上げ部277は、アーム動
作用ローラ279の下方に回り込めるように折れ曲がっ
ている。すなわち、引上げ部277と押下げ部275の
間には、ローラ279を配置するための隙間が設定され
ている。クランプ・アンクランプ用シリンダ271が往
復動ブロック273を引き込む方向に動作するとき、引
上げ部277によりアーム動作用ローラ279が引き上
げられ、アーム245がクランプ締付け方向Xに回動す
る。
【0201】このように、本実施形態では、クランプ・
アンクランプ用シリンダ271が、アーム245を両方
向に回動可能に構成されている。
【0202】次に、図25を参照し、アーム245およ
びクランプばね281の配置と構成を説明する。図面を
分かりやすくするため、クランプばね281はその外形
のみを想像線で簡略的に示す。
【0203】図25には、本実施形態においてアーム2
45がとる3つの回動位置が示されている。すなわち、
クランプ締付け状態位置A、開閉境界位置Bおよびクラ
ンプ開放状態位置Cである。
【0204】巻線機が図24の状態にあって素線がクラ
ンプされているとき、アーム245はクランプ締付け状
態位置Aにある。また素線のクランプ動作を開始する前
もアーム245は位置Aにある(詳細には、素線の有無
に応じた分だけアーム位置が異なる)。
【0205】開閉境界位置Bは、アーム245がクラン
プ締付け状態位置Aからある程度クランプ開放方向Yに
回動したところに設定されている。開閉境界位置Bで
は、ばね両端とアーム回動軸が一直線に並ぶ。すなわ
ち、ばね両端を結ぶ線上にアーム回動軸が位置する。図
24では、巻枠側ばねポスト285、アーム245の支
点247およびアーム側ばねポスト283が一直線に並
ぶ。このとき、巻枠側ばねポスト285がアーム側ばね
ポスト283から最も遠ざかり、したがってクランプば
ね281の長さが最大になり(伸び量が最大)、ばね引
張り力も最大になる。
【0206】ここでクランプ締付け状態位置Aから開閉
境界位置Bまでの領域を締付け側回動領域とする。また
開閉境界位置Bを超えた領域を開放側回動領域とする。
締付け側回動領域ではクランプ締付け方向Xに、そして
開放側回動領域ではクランプ開放方向Yにアーム245
が付勢される。開閉境界位置Bからアーム245が遠ざ
かるほど、クランプばね281の長さが短くなり、ばね
引張り力も小さくなる。
【0207】クランプ開放状態位置Cは、素線をクラン
プ位置へ導くときのアーム位置である。位置Cは開放側
回動領域内に設定されているので、アーム245はクラ
ンプ開放方向Yに付勢されている。アーム245が位置
Cに保持されるように、巻枠側に設けられた図示しない
ストッパ部がアーム245をクランプ締付け方向Xに支
えている。
【0208】次に、本実施形態のクランプ装置の動作を
説明する。
【0209】図26を参照すると、クランプ開始前、ア
ーム245はクランプ締付け状態位置(図25参照)に
ある。クランプ・アンクランプ用シリンダ271が往復
動ブロック273を下降させると、押下げ部275がア
ーム動作用ローラ279を押し下げる。アーム245は
クランプばね281に逆らいながら回転する。アーム2
45の回動に伴い、アーム動作用ローラ279は押下げ
部275の下面を横方向に転がる。同時にガイド用シリ
ンダ261はガイド爪263を下降させる。
【0210】アーム245が回るほどクランプばね28
1が長くなり、ばね引張り力が増す。巻枠側ばねポスト
285、支点247およびアーム側ばねポスト283が
一直線に並ぶとき、すなわちアーム245が開閉境界位
置(図25参照)に到達したとき、クランプばね281
の長さが最大になり、ばね引張り力も最大になる。
【0211】図27に示すように、アーム245は、ク
ランプ・アンクランプ用シリンダ271により、開閉境
界位置を越えて回動される。開閉境界位置から先では、
クランプばね281はアーム245をクランプ開放方向
Yに付勢する。アーム245はクランプ開放状態位置へ
と移動し、巻枠側のストッパ部(図示せず)に当接す
る。図27ではまだアーム動作用ローラ279が往復動
ブロック273の押下げ部275に接しているように見
えるが、この直後にローラ279は押下げ部275から
離れて引上げ部277に当接する。そしてローラ279
は引上げ部277により下側から支持される。
【0212】上述のように、図27の直後に押下げ部2
75から引上げ部277へアーム動作用ローラ279が
受け渡される。したがって、アーム動作用ローラ279
が横方向に最大限に移動しても押下げ部275から転が
り落ちないように、押下げ部275の形状が適切に設定
されている。
【0213】図28および図29では、アーム245が
クランプ開放状態位置(図25参照)まで回動され、保
持されている。このとき、クランプピン249とクラン
プ屈曲台部241の間には、素線を挿入可能な隙間が空
いている。アーム245はばね引張り力によりクランプ
開放方向Yに付勢され、かつ、巻枠側のストッパ部によ
り支持されて静止している。図ではさらにクランプ・ア
ンクランプ用シリンダ271がストッパ手段または保持
手段として機能している。このように本実施形態では、
クランプばね281により、クランプ締付け力だけでな
く、クランプを開放するための力も得られている。
【0214】そして、図28および図29に示すよう
に、素線供給ロールから素線が送り出され、クランプ位
置へと導かれる。ガイド用シリンダ261およびスライ
ド機構265が動作して、ガイド爪263に素線を案内
させる。この部分の動作は、上述の実施形態における図
21の動作と同様である。なお、ここでも上述の実施形
態と同様、素線供給角度を調整することにより、ガイド
用シリンダ261およびスライド機構265を廃止して
もよい。
【0215】次に、図30に移り、クランプ締め付け動
作に移行する。クランプ・アンクランプ用シリンダ27
1が往復動ブロック273を上昇させると、引上げ部2
77がアーム動作用ローラ279を引き上げる。これに
より、クランプばね281のばね力に逆らって、アーム
245がクランプ締付け方向Xに移動する。
【0216】両ばね端(ばねポスト)とアーム支点が一
直線に並ぶ開閉境界位置を越えると、ばね力による付勢
方向が反転し、アーム245はクランプ締付け方向Xに
回ろうとする。今度は、往復動ブロック273の押下げ
部275が有効に働き、アーム245が急激に跳ね戻っ
てしまうのを防ぐ。押下げ部275の上昇にアーム動作
用ローラ279が追従し、アーム245はスムーズにク
ランプ状態へと進む。
【0217】また図30におけるアーム回動位置では、
アーム動作用ローラ279が最も巻枠211から遠ざか
る。この状態でもアーム動作用ローラ279が押下げ部
275から転がり落ちないように、往復動ブロック27
3の形状が設定されている。
【0218】また図30に示すように、アーム245が
クランプ締付け方向Xに回動するのにつれて、素線折曲
げピン251が素線を上方に曲げる。最終的に素線は押
付け面243のカーブに沿って約180度折り曲げ返さ
れる。同時に、偏心配置されたクランプピン249によ
り素線がクランプされる。素線折曲げピン251および
クランプピン249の機能については、図16の実施形
態と同様である。
【0219】図31および図32は、クランプ完了状態
を示している。クランプ・アンクランプ用シリンダ27
1およびガイド用シリンダ261は、待機位置に後退し
ている。アクチュエータによる外力が加えられなくと
も、クランプばね281の引っ張り力でクランプ状態が
維持されている。クランプ完了後、上述の実施形態と同
様に、巻枠211が回転され、コイルの巻付けが開始さ
れる。
【0220】コイル巻付け工程が終わると、完成したコ
イルを巻枠211から取り外す工程に移る。図33に示
すように、再度、クランプ・アンクランプ用シリンダ2
71が往復動ブロック273を下降させ、アーム245
をクランプ開放状態位置(図25参照)に移動させる。
これにより、クランプピン249とクランプ屈曲台部2
41の隙間が開き、クランプが解除される。
【0221】次に、前出の図23に示すように、巻枠2
11全体がクランプ装置ごと巻枠回転軸方向に移動さ
れ、コイルから巻枠211が抜き取られる。
【0222】このとき、クランプ・アンクランプ用シリ
ンダ271は静止しており、巻枠回転軸方向にはスライ
ド移動されない。したがって、巻枠211が移動する
と、アーム245のアーム動作用ローラ279がクラン
プ・アンクランプ用シリンダ271の往復動ブロック2
73から外れる。
【0223】ローラ279が往復動ブロック273から
外れても、アーム245は回動しない。アーム245は
クランプばね281の付勢力でクランプ開放方向Yに付
勢されて、巻枠側の図示しないストッパー部に突き当た
っているからである。
【0224】このように、本実施形態では、クランプば
ね281のばね力の適切な作用により、コイル取外しの
際にアーム245が開ききったまま、ロックされる。
【0225】ここで仮に本実施形態のようなばね作用が
なかったとすると、アーム245は、シリンダ271に
拘束されなくなった瞬間に、クランプ締付け方向Xへと
跳ね戻る。そしてクランプピン249と素線折曲げピン
251の少なくとも一方がクランプ屈曲台部241に激
突する。これにより異音が生じ、また装置の損傷を招く
可能性があり、また装置の寿命が低下し得る。
【0226】このような跳ね戻りを防ぐために、クラン
プ・アンクランプ用シリンダ271を巻枠211に追従
してスライド移動させることも考えられる。しかしなが
ら、スライド機構を設けることは、装置の複雑化やコス
ト増を招き、好ましくない。
【0227】これに対し、本実施形態では、クランプば
ね281の適切な作用によって、アンクランプ時のロッ
クが可能である。シリンダ移動機構など設けなくても、
簡単な構成によりアーム跳戻りを回避できる。
【0228】以上に本実施形態の好適な巻線機のクラン
プ装置について説明した。次に、本実施形態の各種の利
点を説明する。
【0229】本実施形態では、クランプばね281が、
本発明の開閉用弾性部材の一形態として設けられてい
る。またアーム245が素線折曲げピン251とともに
屈曲用回動部材を構成している。そしてクランプばね2
81は、締付け側回動領域ではアーム245をクランプ
締付け方向Xに付勢するが、開閉境界位置Bを超えた開
放側回動領域ではアーム245をクランプ開放方向Yに
付勢する。
【0230】これにより、外部から他の力を加えなくて
もクランプ状態での締付けのための力が得られる。さら
には同じ開閉用弾性部材の付勢力によって、アンクラン
プ状態を保持するための力が得られる。したがって、巻
線機の構成を簡単にすることができる。また上述したよ
うに、クランプばね281の付勢力でアーム245がク
ランプ締付け方向X跳ね戻るといったような急激な動作
を防止し、逆にばね付勢力を利用してアンクランプ状態
のロックができる。
【0231】なお、本実施形態では開閉用弾性部材は弦
巻ばねであり、引っ張り状態で用いられた。そしてこれ
によりクランプ装置がコンパクトに構成された。しか
し、その他の弾性部材が用いられてもよい。例えば、弦
巻ばねを圧縮状態で用いることができる。また弦巻ばね
以外のばね部材、例えば板ばねが用いられてもよい。さ
らにゴム等の他の種類の弾性部材が用いられてもよい
(この点は、上述の実施形態2についても同様であ
る)。
【0232】また本実施形態では、クランプ・アンクラ
ンプ用シリンダ271が本発明のクランプ用アクチュエ
ータとして設けられており、締付け側回動領域および開
放側回動領域の双方において、クランプばね281の付
勢方向と反対方向にアーム245を回転させる。このア
クチュエータによりアーム245は滑らかに動く。ま
た、回転部材たる巻枠にアクチュエータを搭載しなくて
もすみ、上述の実施形態で説明した各種利点が得られ
る。
【0233】さらに、上記構成のアクチュエータをクラ
ンプばね281(開閉用弾性部材)とともに適用したこ
とで、以下に説明するように、アーム245(屈曲用回
動部材)を広い回動範囲で回動させることが可能となっ
ている。
【0234】前述の図16の実施形態では、アクチュエ
ータがアームに対して一方向にのみ作用したので、開閉
境界位置を超えた範囲ではアーム245の動きを制御で
きなかった。これに対し、本実施形態ではアクチュエー
タがアームを両方向に動かせるので、開閉境界位置を超
えた範囲でもアーム245の動きを制御できる。したが
って開閉境界位置(本実施形態ではクランプばね281
両端とアーム支点が一直線に並ぶ位置)を超えた領域ま
でアーム245を移動させて使用することが可能となっ
ている。この拡大領域でのばね作用は、上述のようにコ
イル取り外しの際の適切なアーム動作に有効に利用さ
れ、これにより本発明の効果が好適に得られる。
【0235】また本実施形態では、クランプ・アンクラ
ンプ用シリンダ271は、往復動部材としてのブロック
273を有している。往復動ブロック273は、締付け
側回動領域では一つの方向(延び方向)に移動してアー
ム245をクランプ開放方向に回転させる。また開放側
回動領域では逆方向(引込み方向)に移動してアーム2
45をクランプ締付け方向に回転させる。具体的には、
往復動ブロック273は、クランプ開放方向とクランプ
締付け方向の両側から、それぞれ押下げ部275および
往復動部材273によってアーム245を回動させる。
このような構成を採用したので、往復動タイプの簡単な
構成のアクチュエータ、例えば本実施形態の圧力シリン
ダを用いることが可能となっている。
【0236】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、導線の先端の接続部を長くとれ、導線を確実にクラ
ンプでき、クランプを自動的に行え、その他の上述した
各種効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の巻線機を示す斜視図で
ある。
【図2】 図1の巻線機の正面図である。
【図3】 図1の巻線機の平面図である。
【図4】 図1の巻線機の機構を示す図である。
【図5】 図1の巻線機に導線を供給するノズルを示す
模式図である。
【図6】 図1の巻線機を用いて形成されるコイルの例
を示す図である。
【図7】 図6のコイルの第1層の巻付け過程を示す図
である。
【図8】 コイルの巻付け過程でガイド爪が導線を挟み
込むときの動作を示す図である。
【図9】 ガイド爪を使用しない場合の巻付け過程を示
す図である。
【図10】 第2層の巻付け過程を示す図である。
【図11】 第3層の巻付け過程を示す図である。
【図12】 第3層の巻付け過程の変形例を示す図であ
る。
【図13】 完成したコイルを巻枠から取り外す過程を
示す図である。
【図14】 導線の先端を巻枠に自動的にクランプする
装置を示す図である。
【図15】 図14のクランプ装置の動作を示す図であ
る。
【図16】 本発明の実施形態2の巻線機の全体構成を
示す図である。
【図17】 図16の巻線機の動作を示す図である。
【図18】 図16の巻線機のコイル取出し方法を示す
図である。
【図19】 図16の巻線機に設けられる実施形態2の
クランプ装置を示す図である。
【図20】 図19のクランプ装置による素線クランプ
工程を示す第1の図である。
【図21】 図19のクランプ装置による素線クランプ
工程を示す第2の図である。
【図22】 図19のクランプ装置による素線クランプ
工程を示す第3の図である。
【図23】 本発明の実施形態3の巻線機の全体構成を
示す図である。
【図24】 図23の巻線機に設けられる実施形態3の
クランプ装置を示す図である。
【図25】 図24のクランプ装置におけるアームとク
ランプばねの配置と構成を示す図である。
【図26】 図24のクランプ装置による素線クランプ
工程を示す第1の図である。
【図27】 図24のクランプ装置による素線クランプ
工程を示す第2の図である。
【図28】 図24のクランプ装置による素線クランプ
工程を示す第3の図である。
【図29】 図24のクランプ装置による素線クランプ
工程を示す第4の図である。
【図30】 図24のクランプ装置による素線クランプ
工程を示す第5の図である。
【図31】 図24のクランプ装置による素線クランプ
工程を示す第6の図である。
【図32】 図24のクランプ装置による素線クランプ
工程を示す第7の図である。
【図33】 図24のクランプ装置による素線クランプ
工程を示す第8の図である。
【符号の説明】
1 巻枠、3 回転軸、5 モータ、100 巻付け
部、102,104 巻枠フランジ、106 逃げ部、
108 誘導溝、110 クランプ爪、112クランプ
ばね、116 解除ロッド、120 クランプ解除アク
チュエータ、122 プッシュアーム、124 導入ア
クチュエータ、126 導入アーム、211 巻枠、2
11a 巻付け部、211b フランジ部、241 ク
ランプ屈曲台部、243 押付け面、245 アーム、
247 支点、249 クランプピン、251 素線折
曲げピン、253,281 クランプばね、255 ア
ーム動作用ピン、257,271 クランプ・アンクラ
ンプ用シリンダ、259押下げ板、261 ガイド用シ
リンダ、273 往復動ブロック、275 押下げ部、
277 引上げ部、279 アーム動作用ローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西本 泰之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5E002 AA09 AA14 5H615 AA01 BB01 BB02 PP17 QQ02 QQ19 QQ26 SS04 SS10

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する巻枠に導線を巻き付けることに
    よりコイルを形成する巻線機において、 導線固定用のクランプ装置を有し、該クランプ装置が、 導線の先端付近の所定クランプ部位を巻枠に固定する固
    定手段と、 前記クランプ部位から先端側の導線部分を巻枠回転方向
    に屈曲させる屈曲手段と、 を含み、導線の先端部を巻枠回転方向に屈曲した状態で
    巻枠に固定することを特徴とする巻線機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の巻線機において、 前記固定手段と前記屈曲手段が一体化され、導線上の同
    一部位を固定かつ屈曲させることを特徴とする巻線機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の巻線機におい
    て、 前記先端部を固定するクランプ位置は、前記巻枠の導線
    巻付け面から巻枠回転軸方向にオフセットした位置に設
    定されていることを特徴とする巻線機。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の巻線機
    において、 導線の先端部をクランプ位置に導く導線誘導手段を含む
    ことを特徴とする巻線機。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の巻線機において、 前記巻枠は導線巻付け面の端部に巻枠フランジを有し、 前記クランプ位置は前記巻枠フランジに設けられ、 前記導線誘導手段は、前記巻枠フランジに設けられ、前
    記クランプ位置へ続く誘導溝を含み、巻枠へ供給された
    導線は前記誘導溝を通って前記クランプ位置に達するこ
    とを特徴とする巻線機。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の巻線機
    において、 前記巻枠に対して巻枠回転方向に相対移動して導線を前
    記巻枠に押し付けるクランプ部材を有し、 前記クランプ部材は、アクチュエータによってクランプ
    開放方向に駆動され、かつ、弾性部材によって締め付け
    方向に付勢されることを特徴とする巻線機。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の巻線機において、 前記弾性部材はばねであることを特徴とする巻線機。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の巻線機において、 前記固定手段と前記屈曲手段が一体化されており、前記
    固定手段が導線の前記クランプ部位を固定するとき、前
    記屈曲手段が前記クランプ部位よりも先端側の部分に作
    用して導線を屈曲させることを特徴とする巻線機。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の巻線機において、 前記屈曲手段は、巻枠回転方向に回動して導線に当接し
    屈曲させる屈曲用回動部材を含むことを特徴とする巻線
    機。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の巻線機において、 さらに、前記屈曲用回動部材とともに回動して導線に当
    接し固定するクランプ部材が設けられていることを特徴
    とする巻線機。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の巻線機において、 前記クランプ部材は、前記屈曲用回動部材の回動軸に偏
    心して設けられていることを特徴とする巻線機。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の巻線機において、 前記屈曲用回動部材が回動するときに前記クランプ部材
    および前記屈曲用回動部材により導線を押し付けられる
    押付け面であって、所定の屈曲形状に対応する押付け面
    を有する屈曲台部材を含むことを特徴とする巻線機。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の巻線機において、 前記屈曲用回動部材がクランプ開放状態にあるとき、導
    線を巻枠回転方向に変形せずとも、巻枠に向けて導かれ
    た導線が、前記クランプ部材と前記屈曲台部材との間を
    通過するように、前記クランプ部材および前記屈曲台部
    材が構成されていることを特徴とする巻線機。
  14. 【請求項14】 請求項11〜13に記載の巻線機にお
    いて、 前記屈曲用回動部材をクランプ締付け方向に付勢する弾
    性部材と、 前記屈曲用回動部材を前記クランプ締付け方向と反対の
    クランプ開放方向に回動させるクランプ用アクチュエー
    タと、 を含むことを特徴とする巻線機。
  15. 【請求項15】 請求項11〜13に記載の巻線機にお
    いて、 前記屈曲用回動部材をクランプ締付け状態位置から所定
    の開閉境界位置までの締付け側回動領域ではクランプ締
    付け方向に付勢し、かつ、前記開閉境界位置を越えた開
    放側回動領域では前記クランプ締付け方向と反対のクラ
    ンプ開放方向に付勢する開閉用弾性部材が設けられてい
    ることを特徴とする巻線機。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の巻線機において、 前記開閉用弾性部材は、前記屈曲用回動部材が前記開閉
    境界位置にあるときに弾性変形量が最大になり、前記屈
    曲用回動部材が前記開閉境界位置から両側に離れるにし
    たがって弾性変形量が少なくなるように設けられている
    ことを特徴とする巻線機。
  17. 【請求項17】 請求項15または16に記載の巻線機
    において、 前記開閉用弾性部材は、引張り力によって前記屈曲用回
    動部材を付勢するばねであり、 前記屈曲用回動部材が前記開閉境界位置にあるときにば
    ね長さが最も長くなるように、ばねの一端が前記屈曲用
    回動部材に取り付けられていることを特徴とする巻線
    機。
  18. 【請求項18】 請求項15〜17のいずれかに記載の
    巻線機において、 前記締付け側回動領域および前記開放側回動領域の双方
    において、前記開閉用弾性部材の付勢方向と反対方向に
    前記屈曲用回動部材を回転させるクランプ用アクチュエ
    ータを有することを特徴とする巻線機。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の巻線機において、 前記クランプ用アクチュエータは往復動部材を有し、前
    記締付け側回動領域では往復動部材が一方向に移動して
    前記屈曲用回動部材をクランプ開放方向に回転させ、前
    記開放側回動領域では前記往復動部材が他方向に移動し
    て前記屈曲用回動部材をクランプ締付け方向に回転させ
    ることを特徴とする巻線機。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の巻線機において、 前記往復動部材は、その往復動作によって、クランプ開
    放方向とクランプ締付け方向の両側から前記屈曲用回動
    部材に当接する形状を有することを特徴とする巻線機。
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