JP2001028308A - 水性磁性分散体 - Google Patents

水性磁性分散体

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JP2001028308A JP20165899A JP20165899A JP2001028308A JP 2001028308 A JP2001028308 A JP 2001028308A JP 20165899 A JP20165899 A JP 20165899A JP 20165899 A JP20165899 A JP 20165899A JP 2001028308 A JP2001028308 A JP 2001028308A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録に適した水性磁性インク
に用いる水性磁性分散体、特に保存安定性に優れ、目詰
まりがなく、安定した印字が可能であり、磁気記録にも
使用可能な印字物を実現することのできる水性磁性イン
クに用いる水性磁性分散体を提供する 【解決手段】 共重合体、両親媒性化合物および磁性超
微粒子を含む水性磁性分散体において、該磁性超微粒子
が、乾燥工程を含まない水系反応で合成されて水系懸濁
液の状態でかつ結晶質であり、該両親媒性化合物が、ポ
リエチレンオキシドと芳香環からなるおよび磁性超微粒
子を含み、該共重合体が、スチレンとアクリル酸を含
み、ガラス転移点が−10℃から100℃の間にある水
性磁性分散体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印字ヘッドからイ
ンク液滴を吐出させて記録を行うインクジェット記録方
式に適した水性磁性インクを用いる水性磁性分散体に関
し、さらに詳しくは、磁性超微粒子の分散安定性が高
く、インクの保存安定性に優れ、またインクジェット記
録用ヘッドの目詰まりが発生しない水性磁性インクに用
いる水性磁性分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】小切手や手形などで汎用されているE1
3Bなどの磁気印刷文字は主に、磁性インクとドットイ
ンパクトプリンタを使って作製されている。しかし、ド
ットインパクトプリンタは印刷時の騒音が非常に大き
い、あるいはインクリボンの利用率が低いためにコスト
が高い、等の問題を抱えていた。このため、騒音が低
く、しかも必要なときに必要なだけのインクを使用する
ためにコストが低く押さえられるインクジェットプリン
タで上記の磁気印刷文字、あるいは磁気パターン、磁気
バーコード、磁気ストライプなどを作成したいという要
望が強かった。
【0003】このような背景のもと、これまでにも幾つ
かの水性磁性インクが提案されてきた。たとえば特開平
5−140492、特開平7−150085では、ポリ
アクリル酸ナトリウム塩などの水溶性高分子で超常磁性
固体粒子を分散させた磁性インクが開示されている。し
かしながら、ポリアクリル酸ナトリウム塩などの水溶性
高分子ではモノマー単位に極性基が含まれる為に吸着形
態がフラットとなり、そのために粒子間の立体反発力が
不足して実用に供するだけの分散安定性を超常磁性固体
粒子に付与することはきわめて困難である。また、特開
平9−12948では、沈殿反応法で作製したMn−Z
nフェライト、Ni−Znフェライト、マグネタイトな
どの金属酸化物コロイドを高分子分散剤で被覆した後、
ノニオンーアニオン系界面活性剤で分散させた磁性イン
クについて述べている。しかしながら、記載されている
沈殿方法では結晶質の磁性体を得ることは難しく、無定
型で保磁力のない磁性粒子のインク、すなわち磁性流体
インクとなる可能性が高く、これでは通常の磁気記録は
不可能であり、MICR文字の読みとりも困難である。
また、高分子分散剤中の極性基よりもノニオン−アニオ
ン系界面活性剤中の極性基の方が極性の度合いが強かっ
たり、あるいは濃度が高かったりする場合があるので、
高分子分散剤とノニオン−アニオン分散剤の置き換え吸
着が起こる可能性が高く、磁性インクの保存安定性に問
題がある。さらに結晶質で保磁力のある磁性粒子の分散
は、保磁力のない磁性粒子の分散よりも困難であるの
で、この方法では結晶質で保磁力のある磁性粒子の分散
には対応できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
クジェット記録に適した水性磁性インクに用いる水性磁
性分散体、特に保存安定性に優れ、目詰まりがなく、安
定した印字が可能であり、磁気記録にも使用可能な印字
物を実現することのできる水性磁性インクに用いる水性
磁性分散体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に用いる水性磁性
分散体は、共重合体、両親媒性化合物および磁性超微粒
子含む水性磁性分散体において、該磁性超微粒子が、乾
燥工程を含まない水系反応で合成されて水系懸濁液の状
態にあり、かつ結晶質であり、該共重合体が、スチレン
とアクリル酸を含み、そのガラス転移点が−10℃から
100℃であり、該両親媒性化合物がポリエチレンオキ
サイドと芳香環を含むことを特徴とする。
【0006】乾燥工程を含まない水系反応で合成されて
水系懸濁液の状態にあり、なおかつ結晶質である磁性超
微粒子は、その表面に水酸基などの親水性基が多数存在
しているために表面は強い親水性を示す。このような親
水性粒子を水系で分散させるためには、水溶性の分散剤
や界面活性剤、樹脂を用いる必要がある。しかし従来の
方法では、上述したように分散や分散安定性に問題があ
った。
【0007】鋭意検討した結果、乾燥工程を含まない水
系反応で合成されて水系懸濁液の状態にあり、なおかつ
結晶質である磁性超微粒子を、ガラス転移点が−10℃
から100℃の範囲にあるスチレンとアクリル酸を含む
共重合体とポリエチレンオキサイドと芳香環を含む両親
媒性化合物で分散させることによって、インクジェット
記録用ヘッドの目詰まりを引き起こさず磁性超微粒子の
分散安定性を十分に高められることを見いだし、本発明
をなすにいたった。
【0008】本発明の共重合体と両親媒性化合物を用い
た分散系では、分散に寄与しない非吸着成分が水の中に
溶解しており、磁性インク中の水分が蒸発するとインク
の粘度上昇や共重合体の固化を引き起こす。この際スチ
レンとアクリル酸を含む共重合体は、各組成比によって
はガラス転移点が高い場合があり、このため水への溶解
性、再分散性が低く、インクジェット記録用ヘッドの目
詰まりの原因になると考えられる。このためスチレン部
やアクリル酸部を一部アクリル酸エステル等に置換した
共重合体を用いることでガラス転移点を下げ、目詰まり
を発生しない磁性インクを得ることができた。一方ガラ
ス転移点が低すぎると、共重合体と両親媒性化合物、共
重合体と磁性超微粒子表面間の相互作用が低下し、分散
体の分散安定性が低くなり磁性超微粒子の沈降が発生す
る。
【0009】本発明のスチレンとアクリル酸を含む共重
合体のガラス転移点は−10℃から100℃である。ガ
ラス転移点が−10℃よりも低すぎると磁性インクによ
る印字物の耐擦性が低下し、一方100℃より高すぎる
と磁性インク中の水が蒸発した場合にインクの粘度上昇
や固化した後に水への溶解性、再分散性が低いため、イ
ンクジェット記録用ヘッドの目詰まりが発生する。スチ
レンとアクリル酸を含む共重合体のガラス転移点のより
好ましい範囲は10℃から90℃である。
【0010】乾燥工程を含まない水系反応で合成されて
水系懸濁液の状態にあり、なおかつ結晶質である磁性超
微粒子が、スチレンとアクリル酸を含む共重合体、およ
びポリエチレンオキサイドと芳香環を含む両親媒性化合
物の二種類の化合物を用いることによって分散できる理
由は以下のように考えている。スチレンとアクリル酸を
含む共重合体は、含有するアクリル酸の中和によって生
成したイオン性基が磁性超微粒子表面の水酸基などに強
い相互作用で吸着し、スチレン部分が磁性超微粒子から
外側に配向した構造をとる。さらにその上に、ポリエチ
レンオキシドと芳香環を含む両親媒性化合物中の芳香環
が、上記の磁性超微粒子から外側に配向しているスチレ
ン部分の芳香環に強い相互作用で吸着し、親水性のポリ
エチレンオキサイドが水性溶媒中に向いた形をとる。つ
まり、磁性超微粒子表面上では、スチレンとアクリル酸
を含む共重合体からなる第一層と、その上に吸着したポ
リエチレンオキサイドと芳香環を含む両親媒性化合物か
らなる二層の厚い吸着層形成されることになる。この二
層からなる厚い吸着層が強い立体反発力を生み出し、磁
性超微粒子の凝集を防いで安定な分散系を形成している
と考えられる。したがって、スチレンとアクリル酸を含
む共重合体かポリエチレンオキサイドと芳香環を含む両
親媒性化合物のどちらか一方だけでは、本発明の優れた
効果を生み出すことはできない。
【0011】本発明に用いる磁性超微粒子は、乾燥工程
を含まない水系反応で合成されて水系懸濁液の状態にあ
り、なおかつ結晶質であることが必要である。乾燥工程
を経た磁性超微粒子は、一次粒子が堅く凝集して再分散
が非常に困難な二次粒子を形成してしまうので、分散体
の作製には不適当である。磁性超微粒子が、乾燥工程を
含まない水系反応で合成されて水系懸濁液の状態にあれ
ば、このような二次粒子の生成が避けられて一時粒子が
均一に分散した分散体を得ることができる。また、水系
反応以外で作製される磁性超微粒子はその表面性が疎水
性となる可能性や乾燥工程を経る可能性が高く、その場
合は本発明とは異なる方法が必要となる。
【0012】さらに、非晶質の磁性超微粒子は磁化量を
持つことはできても保持力を持つことはできないので、
磁気記録を行うことが不可能となり、限られた用途にし
か用いることができない。結晶質の磁性超微粒子は、粒
径や種類によって磁化量や保持力をコントロールするこ
とが可能となる。このような結晶質の磁性超微粒子の分
散において、本発明は特に有効である。
【0013】本発明の磁性超微粒子では、粒径が50n
m以下であることが重要である。磁性超微粒子の粒径が
50nm以上の場合には、元々磁性超微粒子の比重が大
きいので、粒子が沈降しやすくなり、保存安定性の高い
分散体を得ることはできない。また保持力が1000O
e以下であることが望ましい。これより高いと、クレジ
ットカードなどのリーダライターでの磁気記録・再生が
極めて困難になる。
【0014】本発明のスチレンとアクリル酸を含む共重
合体の分子量は1000から20000、好ましくは5
000から10000であることが重要である。分子量
が1000より小さいと立体反発力が小さくなり磁性超
微粒子の凝集が起きてしまう。一方、分子量が2000
0より大きいと、分散体の粘度が高くなりすぎてしま
う。同様の理由で、本発明のポリエチレンオキシドと芳
香環を含む両親媒性化合物の分子量は、500から10
000,好ましくは2000から5000であることが
望ましい。
【0015】本発明においてポリエチレンオキサイドと
芳香環を含む両親媒性化合物は、芳香環と結合していな
いポリエチレンオキサイドの末端にカルボン酸基、カル
ボン酸塩基、硫酸エステル基、硫酸エステル塩基、スル
ホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸エステル基またはリ
ン酸エステル塩基の中から選ばれた1種以上を含有して
もよい。その中でカルボン酸塩基、硫酸エステル塩基、
スルホン酸塩基およびリン酸エステル塩基の塩の種類は
特に限定されないが、例えば、アルカリ金属類や4級ア
ミン等が挙げられる。また、本発明の両親媒性化合物が
分散安定性向上に特に有効である。また、芳香環以外に
疎水性基としてアルキル基を含んでも良い。
【0016】本発明のスチレンとアクリル酸を含む共重
合体中のスチレンとアクリル酸のモノマー単位のモル比
は1:5から5:1の範囲にあることが好ましい。この
範囲にあれば、スチレンとアクリル酸を含む共重合体は
磁性超微粒子表面で均一な吸着層を形成することができ
る。スチレンとアクリル酸を含む共重合体中のスチレン
部を置換するモノマーとしては、例えばスチレン誘導
体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アク
リル酸のアルキルエステル、メタクリル酸のアルキルエ
ステル、ビニルアセテート等の疎水性モノマーが挙げら
れる。一方、スチレン部を置換するモノマーとしては、
アクリル酸誘導体やメタクリル酸およびマレイン酸、及
びそれらの誘導体等の親水性モノマーが挙げられる。
【0017】本発明のポリエチレンオキサイドと芳香環
を含む両親媒性化合物中のポリエチレンオキサイドの割
合は、全量の50〜98重量%、好ましくは85〜95
重量%である。この範囲にあれば、磁性超微粒子の分散
性と分散安定性、および粘度をインクジェットプリンタ
で印字可能な範囲に保つことができる。
【0018】本発明のスチレンとアクリル酸を含む共重
合体と、ポリエチレンオキサイドと芳香環を含む両親媒
性化合物の比率は1:9から9:1の間にあることが好
ましい。この範囲を超えると、磁性超微粒子を均一に分
散させることができない。またスチレンとアクリル酸を
含む共重合体と、ポリエチレンオキサイドと芳香環を含
む両親媒性化合物は、磁性超微粒子の分散時に最初から
その全量を用いても良いし、何回かに分けて添加しても
良い。さらに、スチレンとアクリル酸を含む共重合体と
ポリエチレンオキサイドと芳香環を含む両親媒性化合物
のどちらかだけを先に用い、他方を後から添加しても良
い。
【0019】本発明の水性磁性分散体中の磁性超微粒子
の使用量は水性磁性分散体から作製される全インク組成
物に対して好ましくは0.5〜60重量%、より好まし
くは3.0〜30重量%である。この範囲内にしておけ
ば磁性インクとして磁化量を満足し、また、インクの粘
度および保存安定性をより満足させることができる。
【0020】本発明の水性磁性分散体から作製される水
性磁性インクは、pHが7〜11の範囲内にあることが
好ましい。これより小さいと印字媒体へのインクの浸透
が悪くなる場合があり、これより大きいと水性磁性イン
ク中の磁性超微粒子が沈降することがある。
【0021】また、必要に応じて、本発明のスチレンと
アクリル酸を含む共重合体とポリエチレンオキサイドと
芳香環を含む両親媒性化合物に、ノニオン系あるいはア
ニオン系の市販の分散剤を併用して磁性超微粒子を分散
することも可能である。
【0022】本発明の水性分散体は、磁性超微粒子、ス
チレンとアクリル酸を含む共重合体、ポリエチレンオキ
サイドと芳香環を含む両親媒性化合物および水以外に、
水性磁性インクを作製するに際してエチレングリコー
ル、ジエチレングリコールおよびグリセリンの中からな
る群より選ばれた少なくとも1種の水溶性有機溶媒と、
炭素数が4〜6の炭化水素に2または3個の水酸基が結
合した水溶性化合物あるいはポリエチレングリコ−ルを
含むことにより、印字ヘッドの目詰まり特性を一層向上
させることが可能となる。
【0023】本発明の水溶性有機溶媒としては、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコールおよびグリセリン
の中からなる群より選ばれた少なくとも1種等が挙げら
れる。
【0024】本発明の水溶性化合物は、炭素数が4〜6
の炭化水素に2または3の水酸基が結合したものであれ
ば、1種類あるいは2種類以上の混合物でよい。例えば
1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、2、4−ペンタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、2―メチル−2,4―ペン
タンジオール、1,2―シクロヘキサンジオール、1,
4―シクロヘキサンジオール、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、1,2,4−ブタントリオー
ル、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペ
ンタントリオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、3−ヘキセン−2,5−ジオール等が挙げられ
る。
【0025】本発明のポリエチレングリコールの分子量
は200〜2000の範囲内にあるのが好ましい。これ
はノズル目詰まりを防ぎ、水溶性磁性インクの粘度を高
くしないようにするためである。
【0026】本発明の水溶性有機溶媒と、水溶性化合物
あるいはポリエチレングリコールの合計の含有量が8〜
25重量%であることが好ましい。これはノズル目詰ま
りを防ぎ、乾燥時間を遅くすることなく、優れた印字品
質を達成するためである。
【0027】本発明の水溶性有機溶媒と、水溶性化合物
あるいはポリエチレングリコールとの組成比は重量比で
2:1〜1:5の範囲であることが好ましい。これはノ
ズルの目詰まりを防ぎ、乾燥時間を遅くすることなく、
優れた印字品質を達成するためである。
【0028】本発明の両親媒性化合物と、水溶性化合物
あるいはポリエチレングリコールとの重量比は1:5〜
1:1の範囲にあることが好ましい。これはノズルの目
詰まりを起こさないようにするためである。
【0029】本発明の水溶性分散体から作製される水性
磁性インクは、少なくとも磁性超微粒子、スチレンとア
クリル酸を含む共重合体、ポリエチレンオキサイドと芳
香環を含む両親媒性化合物、および水とを含む混合液を
分散してもよいし、あるいはエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、およびグリセリン中からなる群より
選ばれた少なくとも1種の水溶性有機溶媒と炭素数が4
〜6の炭化水素に2または3この水酸基が結合した水溶
性化合物あるいはポリエチレングリコールを加えて希釈
し、インク化して使用することも可能である。
【0030】本発明の溶媒としては、水とエチレングリ
コール、ジエチレングリコールおよびグリセリンの中か
らなる群より選ばれた少なくとも1種の水溶性有機溶媒
の混合溶媒が用いられる。これ以外の有機溶媒を混合し
ても何等問題はない。例えば、トリエチレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ジメチルスルホキシ
ド、ジアセトンアルコール、グリセリンモノアリルエー
テル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、チオジグリコール、N―メチル−2−ピロリドン、
2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、トリメチロ
ールプロパン、ネオペンチルグリコール、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエ
ーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレンエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジプロピレンエチレングリコールモノ
メチルエーテル、β―ジヒドロキシエチルウレア、ウレ
ア、アセトニトリルアセトン、ペンタエリスリトール、
ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノプロピ
ルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチ
レングリコールモノジチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイ
ソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチル
エーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、
トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチ
レングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリ
コールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノブ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエー
テル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、
ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリンモノ
アセテート、グリセリンジアセテート、グリセリントリ
アセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、シクロヘキサノール、1−ブタノール、2,
5−ヘキサンジオエタノール、n−プロパノール、2−
プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、フル
フリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール
等が挙げられる。
【0031】本発明で得られた水性磁性分散体から作製
される水性磁性インクの表面張力は、20〜70dyn/cm
の表面張力が好ましい。また、25℃において10cp以
下の粘度、さらには5cp以下の粘度が好ましい。通常溶
媒として水を使用するため、インクの粘度は1cp以上と
なる。上記の表面張力および粘度を有することにより、
本発明で得られた水性磁性インクはインクジェットプリ
ンタによる安定な印字が可能となる。
【0032】本発明の水性磁性分散体を製造する分散機
としては、一般に使用される分散機なら如何なるもので
も良いが、例えば、ロールミル、ボールミル、遠心ミ
ル、遊星ボールミルあるいはサンドミル等の高速回転ミ
ルあるいは撹拌槽型ミル等の媒体撹拌ミルが挙げられ
る。具体的な水性磁性分散体の製造方法としては、0.
01〜1.0mmの粒子系のセラミックビーズを用いて遊
星ボールミルでは加速度5〜50G、サンドミルではセ
ラミックビーズの充填率50〜90%で周速5〜20m/
sで行うと好ましい。
【0033】本発明ではまた、界面活性剤、印字ヘッド
の目詰まり防止剤、インクの消泡剤、乾燥防止剤、殺菌
剤、保湿剤、pH調整剤、印字への耐水性付与剤、にじ
み防止剤などのインクジェットプリンタ用インクで従来
から用いられている各種添加剤を併用することが可能で
ある。
【0034】本発明の水性磁性分散体を用いて作製され
る水性磁性インクをインクジェットプリンタで印字する
場合に、磁場を印可しながら印字して磁性超微粒子を配
向させることによって角形比(Br/Bs)を大きくす
ることができ、これにより、再生出力に直接影響する残
留磁束密度を大きくすることが可能となる。つまり、通
常の磁気記録にも使用可能な、磁気ヘッドによる再生出
力の大きな磁気印刷物を、インクジェットプリンタで作
製することが可能となる。この場合、水性磁性分散体に
使用したスチレンとアクリル酸を含む共重合のガラス転
移点が100℃より高い場合は、印字物の粘度が高くな
るため十分な効果が得られない。角形比(Br/Bs)
は、磁場配向時に印可する磁場の強度は、用いる磁性超
微粒子や用途などによって異なるが、500から150
00エルステッドが望ましい。また、磁場は永久磁石、
ソレノイド磁石などどのような磁石を用いて発生させて
も良い。磁場の印可方向は、用途などに応じて、印字す
る方向(長手方向)に対して平行方向、垂直方向あるい
は斜め方向などいずれの方向でも良い。
【0035】本発明のインクは、また、インクジェット
プリンタのインクとしてだけでなく、一般の水性印刷イ
ンクや塗料として利用することが可能である。さらに
は、本発明で得られる水性磁性分散体や水性磁性分散体
を用いて作製される水性磁性インクは、水系溶媒を置換
することによって非水系の分散体、インクあるいは塗料
として用いることも可能である。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、具体的な実施例をあげて本
発明をさらに詳細に説明する。
【0037】(実施例1)粒径が20nmで、磁気特性が
保持力740エルステッド、飽和磁化率65emu/gであ
るコバルトフェライト超微粒子の濃度が220g/l水懸
濁液100重量部に、スチレンおよびアクリル酸の組成
比が80:20である分子量10000、ガラス転移点
99℃の共重合体5重量部とポリエチレンオキサイドと
芳香環を含む両親媒性化合物(三洋化成製 商品名:ノ
ニポール400)4重量部を混合し粒径0.3mmのジル
コニアビーズを使ってサンドミルで2時間分散して水性
磁性分散体を得た。
【0038】この分散体100重量部を撹拌しながら、
ジエチレングリコール12重量部、トリメチロールプロ
パン6重量部およびイオン交換水42重量部を30分間
かけて滴下して水性磁性インクを作製した。
【0039】(実施例2)実施例1の共重合体に、スチ
レン、アクリル酸およびn−ブチルアクリレートの組成
比が60:20:20であり、ガラス転移点52℃の共
重合体を用いた以外は実施例1と同様にして水性磁性イ
ンクを作製した。
【0040】(実施例3)実施例1の共重合体に、スチ
レン、アクリル酸およびn−ブチルアクリレートの組成
比が40:20:40でり、ガラス転移点16℃の共重
合体を用いた以外は実施例1と同様にして水性磁性イン
クを作製した。
【0041】(実施例4)実施例1の共重合体に、スチ
レン、アクリル酸およびn−ブチルアクリレートの組成
比が20:20:60であり、ガラス転移点−8℃の共
重合体を用いた以外は実施例1と同様にして水性磁性イ
ンクを作製した。
【0042】(比較例1)実施例1の共重合体に、スチ
レン、アクリル酸およびn−ブチルアクリレートの組成
比が15:20:65であり、ガラス転移点−20℃の
共重合体を用いた以外は実施例1と同様にして水性磁性
インクを作製した。
【0043】(比較例2)実施例1の共重合体に、スチ
レン、アクリル酸およびビニルトルエンの組成比が2
0:20:60であり、ガラス転移点120℃の共重合
体を用いた以外は実施例1と同様にして水性磁性インク
を作製した。
【0044】(比較例3)実施例1でスチレンとアクリ
ル酸を含む共重合体とポリエチレンオキサイドと芳香環
を含む両親媒性化合物を用いずに、分子量が5100の
ポリアクリル酸ナトリウムを5.7重量部用いた以外は
実施例と同様にして水性磁性インクを作製した。
【0045】各実施例と比較例で得られた水性磁性イン
クの保存安定性、ヘッド目詰まりの有無および磁性イン
クに使用した共重合体のガラス転移点を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1で、保存安定性は、インクを60℃、
7日間放置した後、粘度が放置前の1.5倍以上のもの
を×とし、粘度が放置前の1.1〜1.5倍のもを△と
し、それ以外は○とした。ヘッド目詰まりは、一定量の
文字を印字後、キャッピングなどをしない状態で40
℃、25%RHで7日間放置した後ノズル目詰まりの回
復のためのクリーニング操作を行い、何回の操作回数で
正常な印字が可能かを判定した。1〜5階のクリーニン
グ操作で正常な印字ができた場合を○とし、6〜10回
のクリーニング操作で正常な印字ができた場合を△、1
1回以上のクリーニング操作で正常な印字ができた場合
を×で表している。
【0048】また角形比(Br/Bm)は、作製した水
性磁性インクを用いて、印字する媒体に対して水平方
向、印字方向に対して平行方向に3000エルステッド
の磁場を印可しながらインクジェットプリンタで印字し
た場合の磁気ストライプの磁気特性から判定した。
【0049】耐擦性は、上記磁気ストライプを12時間
自然させた後、不織布で擦り、不織布の汚れの有無を目
視で観察した。その結果、2回擦っても全く汚れが生じ
ない場合を○、2回以上擦ると汚れが生じる場合を△、
1回の擦りで汚れが生じる場合を×とした。
【0050】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明による
スチレンとアクリル酸を含むガラス転移点が−10から
100℃の範囲にある共重合体と、およびポリエチレン
オキサイドと芳香環からなる両親媒性化合物の2種類の
化合物を用て作製される水性磁性インクは、保存安定性
に優れ、目詰まりが発生しないことがわかった。また各
実施例の磁性インクを用いて磁場を印可しながら印字し
た磁気ストライプでは、比較例の磁性インクに比べ角形
比が高く、耐擦性に優れ、クレジットカードのリーダー
ライターなどで磁気記録と再生が十分行えることを確認
した。さらに。実施例1で作製した水性磁性インクを用
いて、インクジェットプリンタで印字して作製したE1
3B文字は、ATLANTIC ZEISER社のMI
NI―QUESTで読みとれることを確認した。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J037 AA08 AA14 CC13 CC16 CC25 DD04 DD05 DD12 DD23 EE08 EE28 EE43 FF11 FF15 4J039 AD03 AD09 AE07 AF07 BA06 BA37 BC12 BC29 BE22 BE33 CA06 EA41 EA44 EA48 GA24 5E041 AB14 AB19 AC01 CA10 NN06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共重合体、両親媒性化合物および磁性超
    微粒子を含む水性磁性分散体において、該磁性超微粒子
    が、乾燥工程を含まない水系反応で合成されて水系懸濁
    液の状態でかつ結晶質であり、該両親媒性化合物が、ポ
    リエチレンオキシドと芳香環からなるおよび磁性超微粒
    子を含み、該共重合体が、スチレンとアクリル酸を含
    み、ガラス転移点が−10℃から100℃の間にあるこ
    とを特徴とする水性磁性分散体。
  2. 【請求項2】 前記共重合体の分子量が、1000から
    20000の間にあることを特徴とする請求項1記載の
    水性磁性分散体。
  3. 【請求項3】 前記両親媒性化合物の分子量が、500
    から10000の間にあることを特徴とする請求項1記
    載の水性磁性分散体
  4. 【請求項4】 前記共重合体のガラス転移点が10℃か
    ら90℃の間にあることを特徴とする請求項1記載の水
    性磁性分散体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010508667A (ja) * 2006-11-07 2010-03-18 スティッチング ダッチ ポリマー インスティテュート 磁性流体およびそれらの使用
EP3146003A4 (en) * 2014-05-20 2017-11-15 Troy Group, Inc. Composition and method of making an aqueous magnetic ink character recognition inkjet ink
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CN115259404A (zh) * 2022-08-19 2022-11-01 广西博世科环保科技股份有限公司 一种功能化悬浮滤料的制备及使用方法

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