JP2001027816A - 電子写真用画像形成部材 - Google Patents

電子写真用画像形成部材

Info

Publication number
JP2001027816A
JP2001027816A JP2000155904A JP2000155904A JP2001027816A JP 2001027816 A JP2001027816 A JP 2001027816A JP 2000155904 A JP2000155904 A JP 2000155904A JP 2000155904 A JP2000155904 A JP 2000155904A JP 2001027816 A JP2001027816 A JP 2001027816A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymer
layer
charge transport
groups
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000155904A
Other languages
English (en)
Inventor
Timothy J Fuller
ジェイ フラー ティモシー
John F Yanus
エフ ヤヌス ジョン
Damodar M Pai
エム パイ ダモダー
R Silvestri Marks
アール シルベストリー マークス
S Naran Ramu
エス ナラン ラム
William W Limburg
ダブリュ リンバーグ ウィリアム
Dale S Renfer
エス レンファー デール
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Xerox Corp
Original Assignee
Xerox Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US09/326,170 external-priority patent/US6174636B1/en
Application filed by Xerox Corp filed Critical Xerox Corp
Publication of JP2001027816A publication Critical patent/JP2001027816A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/05Organic bonding materials; Methods for coating a substrate with a photoconductive layer; Inert supplements for use in photoconductive layers
    • G03G5/0528Macromolecular bonding materials
    • G03G5/0557Macromolecular bonding materials obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsatured bonds
    • G03G5/0567Other polycondensates comprising oxygen atoms in the main chain; Phenol resins
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/05Organic bonding materials; Methods for coating a substrate with a photoconductive layer; Inert supplements for use in photoconductive layers
    • G03G5/0528Macromolecular bonding materials
    • G03G5/0557Macromolecular bonding materials obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsatured bonds
    • G03G5/0582Polycondensates comprising sulfur atoms in the main chain
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/05Organic bonding materials; Methods for coating a substrate with a photoconductive layer; Inert supplements for use in photoconductive layers
    • G03G5/0528Macromolecular bonding materials
    • G03G5/0592Macromolecular compounds characterised by their structure or by their chemical properties, e.g. block polymers, reticulated polymers, molecular weight, acidity

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いキャリヤ移動度を持ち、強靭で耐摩耗
性、可撓性である架橋マトリックスを含んだ電荷輸送層
を含む電子写真用画像形成部材を提供する。 【解決手段】 支持部材と、電荷発生層と、電荷輸送層
とを含む電子写真用画像形成部材であって、電荷輸送層
が、不飽和炭素−炭素二重結合を含む置換基を備え、こ
の置換基がいかなるウレタン結合も含まず、フェニレン
に結合している架橋可能な芳香族ポリマーから誘導され
た架橋マトリックスを含むものである、電子写真用画像
形成部材を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に、電子写真用
画像形成部材と、更に詳細には、芳香族ポリマーから誘
導された架橋マトリックスを含む電荷輸送層に関するも
のである。
【0002】静電気的手段による、光導電性材料表面で
の画像の形成及び現像は良く知られている。基本的な電
子写真式画像形成法は、光導電性画像形成部材上に静電
電荷を均一に置き、これに光と影の画像を露光して、画
像形成部材の光に当った部分の電荷を放電させ、得られ
た静電潜像を、トナーとして知られる微粉砕した検電気
的材料を画像上に置いて現像するものである。荷電領域
現像(CAD)法では、トナーは通常、画像形成部材の
電荷を保持している部分に引き寄せられ、これにより静
電潜像に対応したトナー画像が形成される。
【0003】隣接する異なった層で電荷発生と電荷輸送
の機能を果たす、無機又は有機材料を含む光受容体材料
は公知である。更に、先行技術においては、電気絶縁性
ポリマー材料の保護膜層を備えた光受容体などの、多層
形光受容体部材が開示されている。
【0004】バイアス荷電ロール(BCR)による光受
容体表面への荷電は、通常、電荷輸送層の甚だしい分解
を伴うものである。この分解は、荷電ロールと光受容体
間の接触帯での破壊電界で発生するプラズマによって引
き起こされると考えられる。詳細に述べるならば、有機
光受容体のバイアスロール荷電、特に交流電流の正波部
分をフィルターにかけない場合には、光受容体表面は著
しく分解し、不都合な輸送層の厚さの減少が生じてしま
う。この分解のために光受容体の使用寿命は限られ、ま
たバイアス荷電ロールは現在、小容量のプリンタや複写
機でしか用いられない。予備試験の結果、電荷輸送層を
架橋電荷輸送ポリマーで上塗りすれば、光受容体表面の
対BCR分解耐性が向上することが分かった。しかし、
そのような保護膜の使用は、更に別の被覆工程を必要と
し、製造歩留りの低下を招く。また、保護膜自体が、し
ばしばその下の小分子/バインダポリマー輸送層と接着
しない。更に、輸送層として架橋電荷輸送ポリマーを使
用した場合、この材料のキャリヤ移動度が十分ではな
い。
【0005】
【従来の技術】1998年9月29日登録の、T.フラ
ーらによる、米国特許第5,814,426号では、伝
導性基材と、光発生材料と、その特許に更に述べられて
いる、特定の構造式I、II、III 、IV、V、VI、VII 、V
III、IX、又はXであるポリマーを含んだバインダとを
含む、画像形成部材を開示している。このポリマーは電
荷輸送層に用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、架橋
マトリックスを含んだ電荷輸送層を含む、改良された電
子写真用画像形成部材を提供することである。
【0007】本発明の他の目的は、高いキャリヤ移動度
を持つ架橋マトリックスを含んだ電荷輸送層を含む、改
良された電子写真用画像形成部材を提供することであ
る。
【0008】更に本発明の目的は、強靭で耐摩耗性、可
撓性、又は既存の電荷輸送層より優れた、架橋マトリッ
クスを含んだ電荷輸送層を含有する、改良された電子写
真用画像形成部材を提供することである。
【0009】また更に本発明の目的は、電荷輸送層の形
成の前、及び形成中も安定な被覆用溶液から形成した、
架橋マトリックスを含んだ電荷輸送層を含有する、改良
された電子写真用画像形成部材を提供することである。
【0010】更に他の本発明の目的は、溶媒に不溶なバ
インダを備えた、改良された電子写真用画像形成部材を
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
従って、支持部材と、電荷発生層と、電荷輸送層とを含
む、電子写真用画像形成部材を提供することにより達成
されよう。本発明の電荷輸送層は、架橋可能な芳香族ポ
リマーから誘導された架橋マトリックスを含み、架橋可
能な芳香族ポリマーは、不飽和炭素−炭素二重結合を含
む置換基を備え、この置換基が化学結合によりフェニレ
ン基に結合しているものである。
【0012】
【発明の実施の形態】望ましい実施の形態は、支持部材
と、電荷発生層と、電荷輸送層とを含む、電子写真用画
像形成部材に関するものである。この電荷輸送層は、架
橋可能な芳香族ポリマーから誘導された架橋マトリック
スを含み、架橋可能な芳香族ポリマーは、不飽和炭素−
炭素二重結合を含む置換基を備え、この置換基がいかな
るウレタン結合も含まず、フェニレン基に結合している
ものである。
【0013】一般に、光伝導性画像形成部材は、伝導性
表面を備えた基材と、必要に応じて電荷障壁層と、必要
に応じて接着層と、光発生化合物(必要に応じて塗膜形
成バインダ中に分散する)を含む光発生(電荷発生)層
と、樹脂性バインダ中に分子状に分散又は溶解した電荷
輸送化合物を含む電荷輸送層と、必要に応じて抗カール
裏塗り層と、必要に応じて保護上塗り層とを含むもので
ある。所望ならば、電荷輸送層を、伝導性基材と電荷輸
送層との間に挟まれた光発生層の代わりに、伝導性基材
と光発生層の間に設けても良い。
【0014】基材は、全体が導電性材料でできていて
も、あるいは導電性表面を備えた絶縁性材料でも良い。
基材は効果的な厚さ、通常約100ミル(約2540μ
m)以下、望ましくは約1〜約50ミル(約25.4〜
約1270μm)であるが、この範囲を越える厚さでも
良い。基材層の厚さは、経済的配慮や機械的要求などの
多くの要因によって決まり、相当な厚さ、例えば100
ミル(約2540μm)以上、あるいは装置に悪影響が
無い限り最小の厚さとすることができる。
【0015】基材は不透明でも殆ど透明でも良く、所望
の機械的特性を備えた様々な適当な素材を含むことがで
きる。基材全体が導電性表面と同じ素材からできていて
も、あるいは基材上に導電性表面を被覆しただけのもの
でも良い。適当であればどのような導電性材料も使用で
きる。伝導層の厚さは、光導電性部材の所望の用途によ
って、相当広範囲に変えることができる。一般に伝導層
の厚さは、約50オングストロームから数cmである
が、この範囲を越える厚さでも良い。使用する基材が、
非伝導性のベースとその上に被覆した導電層とを含む場
合、基材は有機及び無機材料などの、従来から用いられ
ているどの様な材料でも良い。典型的な基材材料は、ポ
リカーボネート類、ポリアミド類、ポリウレタン類、
紙、ガラス、プラスチック、マイラ(Mylar)(デ
ュポン(DuPont)製)やメリネクス(Melin
ex)447(ICI アメリカズ社(ICI Ame
ricas,Inc.)製)などのポリエステル類等
の、この目的に適う様々な樹脂など、絶縁性で非伝導性
の材料である。伝導層は、真空蒸着などの適当な被覆手
段によってベース層上に被覆できる。
【0016】光導電性画像形成部材には、必要に応じ
て、伝導性基材と光発生層との間に電荷障壁層を設け
る。通常、正に荷電した光受容体の電子障壁層は、光受
容体の画像形成面から伝導層へ向けて正孔を移動させ、
負に荷電した光受容体の正孔障壁層は、光受容体の画像
形成面から伝導層へ向けて電子を移動させる。この層
は、酸化アルモニウムなどの金属酸化物、シラン類やナ
イロンなどの素材、窒素含有シロキサン類、又は窒素含
有チタン化合物を含むものである。この層の厚さは通
常、50オングストローム以下〜約10μm、望ましく
は約2μm以下、より望ましくは約0.2μm以下であ
るが、この範囲を越える厚さでも良い。
【0017】障壁層は、スプレー、浸漬塗布、引っ張り
棒塗布、グラビア塗布、シルクスクリーン、エアナイフ
塗布、リバースロール塗布、スロット塗布、真空蒸着、
化学処理など、適当な従来の手法で塗布する。
【0018】場合によっては、接着性を高めるため、基
材と次に塗布する層との間に中間接着層を設けると良
い。このような接着層を用いる場合、その望ましい乾燥
厚さは約0.1〜約5μmであるが、この範囲を越える
厚さでも良い。典型的な接着層は、ポリエステル類、ポ
リビニルブチラール類、ポリビニルピロリドン類、ポリ
カーボネート類、ポリウレタン類等、及びそれらの混合
物などの、塗膜形成ポリマーである。基材の表面には、
電荷障壁層や接着層を含むことができるため、本件で用
いる“基材”には、電荷障壁層と、電荷障壁層の上に接
着層がある場合には接着層も含むものとする。典型的な
接着層の厚さは、約0.05〜約0.3μmであるが、
この範囲を越える厚さでも良い。接着層塗布用混合物を
基材に塗布する従来からの手法には、スプレー、浸漬塗
布、ロール塗布、巻き線棒塗布、グラビア塗布、バード
バー(Bird bar)アプリケータ塗布、スロット
塗布などがある。
【0019】光発生層は、無機又は有機組成物などを含
む、単一又は複数の層から成る。
【0020】光発生又は光導電層には、所望の又は適当
な光導電材料が含まれる。光導電層には、無機又は有機
光導電材料が含まれる。典型的な無機光導電材料として
は、無定形セレン、三方晶系セレン、セレンと、テル
ル、ヒ素などの元素との合金、無定形ケイ素、カドミウ
ム=スルホセレニド、セレン化カドミウム、硫化カドミ
ウム、酸化亜鉛、二酸化チタン等が挙げられる。所望な
らば、無機光導電材料を塗膜形成ポリマーバインダ中に
分散することができる。
【0021】典型的な有機光導電体としては、金属を含
まないX型のフタロシアニンや、バナジルフタロシアニ
ン、銅フタロシアニンなどの金属フタロシアニン類等
の、様々なフタロシアニン顔料、キナクリドン類、多核
芳香族キノン類、ジブロモアントアントロン類、スクア
リリウム、ピラゾロン類、ポリビニルカルバゾール−
2,4,7−トリニトロフルオレノン、アントラセン、
ベンズイミダゾールペリレン等が挙げられる。
【0022】光導電性材料に用いる典型的なバインダの
例としては、ポリカーボネート類、ポリエチレンテレフ
タレートなどのポリエステル類、ポリウレタン類、ポリ
スチレン類、ポリブタジエン類、ポリスルホン類、ポリ
アリールエーテル類、ポリアリールスルホン類、ポリエ
ーテルスルホン類、ポリエチレン類、ポリプロピレン
類、ポリメチルペンテン類、ポリフェニレンスルフィド
類、ポリ酢酸ビニル類、ポリビニルブチラール類等の、
熱可塑性及び熱硬化性樹脂が挙げられる。これらのポリ
マーは、ブロック、ランダム、又は交互共重合体であ
る。
【0023】光発生材料をバインダ材料に混合する場
合、塗膜形成ポリマーバインダ組成物中における光発生
組成物又は顔料は、適当な又は所望の含有量である。例
えば、約10〜約60容量%の光発生顔料を、約40〜
約90容量%の塗膜形成ポリマーバインダ組成物中に分
散させ、望ましくは約20〜約30容量%の光発生顔料
を、約70〜約80容量%の塗膜形成ポリマーバインダ
組成物中に分散させる。
【0024】光導電性組成物及び/又は顔料の粒径は、
塗布、固化した層の厚さより小さいことが望ましく、更
に望ましくは約0.01〜約0.5μmとすると、塗膜
の均一性が良くなる。
【0025】光導電性組成物と樹脂性バインダ材料とを
含む光発生層の厚さは、通常約0.05〜約10μm又
はそれ以上、望ましくは約0.1〜約5μm、更に望ま
しくは約0.3〜約3μmであるが、この範囲を越える
厚さでも良い。光発生層の厚さは、光発生化合物とバイ
ンダの相対量によって決まり、光発生材料の含有量は、
多くの場合約5〜約100重量%である。バインダ含量
の高い組成物では通常、光発生のためにより厚い層が必
要である。一般にこの層は、画像形成又は印刷露光工程
において、その上に照射される光の約90%以上を吸収
するのに十分な厚さとすることが望ましい。この層の厚
さの上限は、主に機械的強度、用いる特定の光発生化合
物、他の層の厚さ、可撓性の光導電性画像形成部材とす
る必要があるかなどの要因によって決まる。
【0026】光発生層は、所望の又は適当な方法で、下
にある層に塗布できる。
【0027】本発明の画像形成部材には、他の適当な多
層形光導電体も用いることができる。ある多層形導電体
は、二つ以上の電気的機能層、光発生又は電荷発生層
と、電荷輸送層とを含むものである。電荷発生層と電荷
輸送層、同様に他の層を、適当な順に塗布して、正又は
負のいずれかに荷電する光受容体を製造する。例えば、
電荷輸送層の前に電荷発生層を、あるいは電荷発生層の
前に電荷輸送層を塗布する。
【0028】電荷輸送層は、不飽和炭素−炭素二重結合
を含む置換基を持ち、その置換基がフェニレン基に結合
している、架橋可能な芳香族ポリマーから誘導した架橋
マトリックスを含むものである。望ましくは、置換基
は、いかなるウレタン結合も含まない。
【0029】不飽和炭素−炭素二重結合を含む置換基を
持ち、その置換基がフェニレン基に結合している、望ま
しい架橋可能な芳香族ポリマーは、次の構造式で示され
る単位から成るグループより選ばれる単位を含む。
【0030】
【化5】 式中、nは繰り返しモノマー単位の数を示す整数であ
り、Rは二価の基であり、Xは不飽和炭素−炭素二重結
合を含む置換基である。
【0031】望ましい実施の形態では、Xは、いかなる
ウレタン結合も含まず、不飽和炭素−炭素二重結合を含
む置換基である。Rとしては、適当な二価基が用いられ
る。典型的な二価基としては、例えば、アルキレン、脂
環式アルキレン基、アリーレン、置換アルキレン、置換
アリーレン、スルホニル、炭酸エステル、カルボニル、
酸素、イオウ等が挙げられる。Xとしては、不飽和炭素
−炭素二重結合を含む適当な置換基が用いられる。望ま
しくは、Xはいかなるウレタン結合も含まず、不飽和炭
素−炭素二重結合を含む置換基である。不飽和炭素−炭
素二重結合を含む典型的な置換基は、例えば、ビニル、
ビニルオキシメチル、アクリルオキシメチル、メタクリ
ルオキシメチル、シンナモイルオキシメチル、ビニルフ
ェノキシメチル、アリルフェノキシメチル等である。本
件で用いる“ウレタン結合”とは、−NHC(O)O−
を含む結合と定義する。フェニレン基に結合した、不飽
和炭素−炭素二重結合を含む置換基を持つ、架橋可能な
芳香族ポリマーの特に望ましい例は、酸オキシメチル化
−ポリアリーレンエーテルケトン類、−ポリスチレン
類、−ポリカーボネート類、−ポリアリーレンエーテル
スルホン類、アクリル化ポリカーボネート類、アクリル
化ポリスチレン類、ビニル置換ポリアリーレンエーテル
ケトン類、ビニル置換ポリスチレン類、酸アミドメチル
化−ポリアリーレンエーテルケトン類、−ポリスチレン
類、−ポリスルホン類、−ポリカーボネート類等であ
る。典型的な構造を次に示す。
【0032】
【化6】
【化7】 本発明の架橋可能なポリマーは、架橋すると3次元網目
マトリックスを形成し、この中に電荷輸送小分子を分子
状に分散又は溶解する。マトリックスポリマーは、架橋
していない状態でも、架橋している状態でも、用いた小
分子と完全に混和し、均一に溶解又は分子状に分散する
ものでなければならない。
【0033】本発明の電荷輸送層の架橋マトリッマス
は、いかなるウレタン結合も含まない、重合可能な基で
官能化したセグメントを含む、架橋可能なポリマーから
誘導される。望ましいポリアリーレンエーテルケトン
類、ポリアリーレンエーテルスルホン類、ポリスチレン
類、ポリカーボネート類、特にビスフェノールAを基に
したポリカーボネート類の代表的な一般構造式は、次に
示す基から成るグループより選ばれる。
【0034】
【化8】
【化9】 上記式中、次の式で示される基の各々が、単独に、R1
及びR2以外で置換され、又は置換されておらず、
【化10】 nは、繰り返しモノマー単位の数を示す整数であり、R
1及びR2は単独に、−Hと、−CH2−R5とを含むグル
ープより選ばれ、R1及びR2の少くとも一方は−CH2
−R5であり、R3及びR4は単独に、Hと、置換有機基
と、非置換有機基と、1〜20の炭素原子を含む有機基
とを含むグループより選ばれ、R5は、いかなるウレタ
ン結合も含まず、反応性不飽和炭素−炭素二重結合を含
む一塩基又は多塩基酸から誘導されたラジカルであり、
Zは、3〜20の炭素原子を含む、脂環又は複素環の構
成に必要な原子の集団であり、Rとしては、適当な二価
基を用いることができる。
【0035】このポリマーには、例えば次のようなフェ
ニレン基が一つ以上含まれる。
【0036】
【化11】 1及びR2で占められている以外の位置で、これらのフ
ェニレン基の炭素原子に結合している水素原子は置換さ
れるが、フェニレン基上に酸素基に対してオルト位に二
つ以上の置換基があると、ビスフェノールから誘導され
た基と酸素原子を介して結合しているベンゾフェノン基
を含むポリマーでは、置換は困難である。置換基は、ポ
リマーへ重合可能な官能基を導入する前、又は後に、ポ
リマーのフェニレン基上に導入できる。本件で用いる
“重合可能な官能基”とは、付加反応を起こすことので
きる、反応性アルケニル又はオレフィン基(すなわち、
一つ以上の炭素−炭素二重結合を含む)と定義する。置
換基はまた、ポリマー上へ重合可能な官能基を導入する
工程の間にも、フェニレン基に導入可能である。典型的
な置換基の例としては、飽和、不飽和、環状アルキル基
などの、望ましくは炭素数1〜約6のアルキル基、飽
和、不飽和、環状置換アルキル基などの、望ましくは炭
素数1〜約6の置換アルキル基、望ましくは炭素数6〜
約24のアリール基、望ましくは炭素数6〜約24の置
換アリール基、望ましくは炭素数7〜約30のアリール
アルキル基、望ましくは炭素数7〜約30の置換アリー
ルアルキル基、望ましくは炭素数1〜約6のアルコキシ
基、望ましくは炭素数1〜約6の置換アルコキシ基、望
ましくは炭素数6〜約24のアリールオキシ基、望まし
くは炭素数6〜約24の置換アリールオキシ基、望まし
くは炭素数7〜約30のアリールアルキルオキシ基、望
ましくは炭素数7〜約30の置換アリールアルキルオキ
シ基、アミノ基などであるが、これらに限定されるもの
ではない。他の典型的な置換基としては、例えば、イミ
ン基、アンモニウム基、ピリジン基、ピリジニウム基、
エーテル基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チ
オカルボニル基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィド
基、スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、
リン酸基、メルカプト基、ニトロソ基、スルホン基、ア
シル基、酸無水物基、アジド基等が挙げられる。置換ア
ルキル基、置換アリール基、置換アリールアルキル基、
置換アルコキシ基、置換アリールオキシ基、置換アリー
ルアルキルオキシ基上の置換基は、ヒドロキシ基、アミ
ン基、イミン基、アンモニウム基、ピリジン基、ピリジ
ニウム基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、エス
テル基、アミド基、カルボン酸基、カルボニル基、チオ
カルボニル基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィド基、
スルホキシド基、ホスフィン基、ホスホニウム基、リン
酸基、シアノ基、ニトリル基、メルカプト基、ニトロソ
基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホン基、アシル基、
酸無水物基、アジド基、これらの混合物等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、二つ以上
の置換基が互いに結合して環を成しても良い。これらの
置換基は全て、望ましくはいかなるウレタン結合も含ま
ないものである。
【0037】R3及びR4は、架橋可能ポリマーの、ビス
フェノール誘導体部分のメチレン炭素原子に結合してい
る。R3及びR4は一価基であり、例えば、単独に、H、
CH 3、CF3、エチル、フェニル、置換脂肪族、環式脂
肪族、アリル、シクロヘキシル、フルオレニル等の、炭
素数30以下のものから成るグループより選ばれる。
【0038】R5 としては、望ましくはいかなるウレタ
ン結合も含まず、反応性二重結合を含む一塩基又は多塩
基有機酸から誘導された、適当なラジカルを用いる。典
型的なR5 の例としては、次のものなどが挙げられる。
【0039】
【化12】−OCO−CH=CH2 アクリル酸より誘導
【化13】−OCO−C(CH3)=CH2 メタクリル酸より誘導
【化14】−OCO−C(CH2CH3)=CH2 エタクリル酸(2−エチル−2−プロペン酸)より誘導
【化15】 シンナミル酸より誘導
【化16】−OCO−(CH27CH=CH(CH27
CH3 オレイン酸より誘導
【化17】−OCO−(CH27CH=CHCH2CH
=CH(CH24CH3 リノール酸より誘導
【化18】 マレイン酸より誘導
【化19】 フマル酸より誘導
【化20】 イタコン酸より誘導
【化21】 シトラコン酸より誘導
【化22】 フェニルマレイン酸より誘導
【化23】 −OCO−CH2CH=CHCH2COO−R6 3−ヘキセン−1,6−ジカルボン酸より誘導 これらの一塩基又は多塩基酸からの誘導体は、望ましく
は3〜約20の炭素原子を含む。本件で用いる“一塩基
有機酸”とは、1つのカルボキシル基を含む有機酸と定
義し、“多塩基有機酸”とは、複数のカルボキシル基を
含む有機酸と定義する。R5が多塩基酸から誘導される
場合、そのカルボキシル基の一つだけをホルムアルデヒ
ドとの反応に用いて、架橋可能ポリマーのビスフェノー
ル部分のフェニレン基に結合した官能基を形成する。他
のカルボキシル基は、望ましくはR 6で示される適当な
基により、実質的に不活性となっている。R6は、望ま
しくはいかなるウレタン結合も含まない、適当な基であ
る。典型的なR6基は、例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、フェニル、置換フェニル、置換アルキル等であ
る。これらの基は、望ましくは1〜20の炭素原子を含
む。
【0040】前述の式中のZは、置換又は非置換炭素
環、あるいは置換又は非置換複素環を構成するために必
要な原子の集団である。望ましくは、環は3〜20の炭
素原子を含む。置換又は非置換炭素環、あるいは置換又
は非置換複素環を構成するために必要な原子の適当な集
団であれば、どのようなものもZとして用いることがで
きる。典型的な基は、例えば、シクロヘキシル、シクロ
ペンチル、シクロオクチル、シクロヘプチル等である。
【0041】本発明の架橋可能ポリマーにおけるnは、
この素材の重量平均分子量が、通常約1,000〜約3
0万、望ましくは約25,000〜約10万、更に望ま
しくは約5万〜約75,000、更に望ましくは約6
5,000となる値であるが、重量平均分子量はこの範
囲を越えても良い。架橋可能ポリマーは、架橋前には溶
媒に可溶であり、架橋後は溶媒に不溶でなければならな
い。
【0042】本発明の架橋可能な芳香族ポリマーの架橋
前のガラス転移温度は、望ましくは約50〜約350
℃、更に望ましくは約150〜約260℃であるが、こ
の範囲を越えるTgでも良い。本ポリマーを用いる感光
性画像形成部材の、他の成分、例えば電荷輸送層を形成
するための電荷輸送分子と本ポリマーとを混合する場
合、ポリマー含有混合物のガラス転移温度は、望ましく
は約50〜約100℃、更に望ましくは約70℃である
が、この範囲を越えるTgでも良い。架橋可能ポリマー
組成物のTgは、製造工程中の巻き上げを妨げる程にこ
の層が粘着性でない限り、特に重要ではない。Tgの低
い素材であっても、架橋により完全な構造となる。
【0043】素材を官能化する前及び後の、構造式I及
びIIのポリマーの製造法は既知であり、例えば、P.
M.ヘルゲンロータ(Hergenrother)ら、
“Poly(arylene ethers)”、Po
lymer、29巻、358(1988);S.J.ハ
ベンスら、“Ethynyl−TerminatedP
olyarylates:Synthesis and
Characterization”、Journa
l of Polymer Science,Poly
mer Chemistry Edition、22
巻、3011(1984);B.J.ジェンセン、P.
M.ヘルゲンロータ、“High Performan
ce Polymers”、1巻(1)、31頁(19
89);“Synthesis and Charac
terization of New Fluores
cent Poly(arylene ether
s)”、S.マツオ、N.ヤコウ、S.チノ、M.ミタ
ニ、S.タガミ、Journal of Polyme
r Science:Part A:PolymerC
hemistry、32、1071(1994);“S
ynthesis of a Novel Napht
halene−Based Poly(arylene
ether ketone) with High
Solubility and Thermal St
ability”、オウノ マミ、タカタ トシカズ、
エンドウ タケシ、Macromolecules、2
7、3447(1994);G.ホウガン、G.テソ
ロ、J.ショウ、Polym. Mater. Sc
i. Eng.、61、369(1989);“Syn
thesis and Characterizati
on of New Aromatic Poly(e
ther ketones)”、F.W.マーサー、
M.T.マッケンジー、G.メリノ、M.M.フォン、
J. of Applied Polymer Sci
ence、56、1397(1995);K.E.デュ
ークス、M.D.フォーブス、A.S.ジェーバラヤ
ン、A.M.ベルー、J.M.デディモン、R.W.リ
ントン、V.V.シェアズ、Macromolecul
es、29、3081(1996);H.C.ツァン、
T.L.チェン、Y.G.ユアン、中国特許CN851
08751(1991);“Static and l
aser light scattering stu
dy of novel thermoplastic
s.1.Phenolphthalein poly
(aryl ether ketone)”、C.ウ
ー、S.ボー、M.シディク、G.ヤン、T.チェン、
Macromolecules、29,2989(19
96)、などに開示されている。
【0044】架橋可能なポリマーの末端基を、ポリマー
合成の化学量論によって選ぶこともできる。例えば、
N,N−ジメチルアセトアミド中、炭酸カリウムの存在
下で、4,4´−ジクロロベンゾフェノンとビスフェノ
ールAとを反応させてポリマーを調製する場合、ビスフ
ェノールAが約7.5〜約8モル%過剰であると、得ら
れるポリマーの末端は通常、ビスフェノールA(このと
き、ビスフェノールA部分は、一つ以上のヒドロキシ基
を持つこともある)であり、このポリマーの多分散性
(Mw/Mn)は通常、約2〜約3.5であるが、この範
囲を越える多分散性であっても良い。ビスフェノールA
末端ポリマーを更に反応させて、ハロアルキル基などの
官能基を導入し、更に/又はハロアルキル基などのある
種類の官能基を、不飽和−CH2−R5(R5は、反応性
二重結合を含む一塩基又は多塩基有機酸より誘導された
基である)などの別の種類の官能基に転化する場合に
は、ポリマーの多分散性を、約4〜約6の範囲に上げる
ことができる。反対に、例えば4,4´−ジクロロベン
ゾフェノンが約7.5〜8モル%過剰であると、その反
応時間は、ビスフェノールAが過剰である場合の反応に
要する時間のおおよそ半分であり、得られるポリマーの
末端は通常、ベンゾフェノン(このとき、ベンゾフェノ
ン部分は、一つ以上の塩素原子を持つこともある)であ
り、このポリマーの多分散性(Mw/Mn)は通常、約2
〜約3.5である。ベンゾフェノン末端ポリマーを更に
反応させて、不飽和−CH2−R5基などの官能基を導入
し、更に/又はハロアルキル基などのある種類の官能基
を、不飽和−CH2−R5などの別の種類の官能基に転化
しても、ポリマーの多分散性は通常、約2〜約3.5の
範囲のままである。同様にして、N,N−ジメチルアセ
トアミド中、炭酸カリウムの存在下で、4,4´−ジフ
ルオロベンゾフェノンを、9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレン又はビスフェノールAのいずれ
かと反応させた場合、4,4´−ジフルオロベンゾフェ
ノン反応物が過剰であると、得られるポリマーは通常、
ベンゾフェノン末端基(一つ以上のフッ素原子を持つこ
ともある)を持つ。所望の分子量とするために必要な化
学量論的配合比は、良く知られているカロザースの式で
求められる。より一般的に言うならば、ポリマーの調製
の際にポリマー合成反応の化学量論を調整することによ
り、ポリマーの末端基を、ベンゾフェノン基から誘導、
あるいはベンゾフェノン基に付いた基から誘導できる。
これらの末端ベンゾフェノン基やベンゾフェノンに付い
た基には、エチニル基や他の感熱性基、ヒドロキシ基、
ハロゲン原子などの特定の官能基も存在できる。ヒドロ
キシ基は、ベンゾフェノン基又はベンゾフェノン基に付
いた基の芳香環に結合してフェノール部分を形成し、ハ
ロゲン原子は、ベンゾフェノン基又はベンゾフェノン基
に付いた基に結合している。更に、ポリマー調製の際の
重合反応におけるフェノールの添加は、フェニルエーテ
ル末端基の導入法である。この方法を、実施例6に示
す。
【0045】ベンゾフェノン基又はハロゲン化ベンゾフ
ェノン基より誘導された末端基を持つポリマーが望まし
い場合がある。それは、その合成と、その物質に置換基
を導入する反応の一部が、ベンゾフェノン基についた
基、例えばビスフェノールA基(その芳香環上には一つ
以上のヒドロキシ基がある)又は他のフェノール基より
誘導された末端基を持つポリマーと比べて、制御し易
く、また例えば、コスト、分子量、分子量範囲、多分散
性(Mw/Mn)の点で、より良い結果が得られるからで
ある。特定の理論に限定しようとするものではないが、
ポリマー末端がビスフェノールAである場合、ハロアル
キル化反応は特に、フェノール末尾上で最も速く進行す
ると考えられる。更に、フェノール末端ポリマー上のハ
ロメチル化基は特に反応性が高く、次に架橋又は鎖延長
を生じ易いと考えられる。反対に、ベンゾフェノン、ハ
ロゲン化ベンゾフェノンなどの電子吸引置換基を持った
末端芳香族基上では、ハロメチル化は起こらないと一般
に考えられる。
【0046】架橋のために官能化することのできる典型
的なポリアリーレンエーテルケトンは、次の構造式で示
される。
【0047】
【化24】 式中、nは繰り返しモノマー単位の数を示し、通常約2
5〜約620、望ましくは約74〜約150であるが、
ガラス転移温度が約155℃である、幾つかの特定の実
施の形態では、nの値はこの範囲を越えても良い。上記
の構造式で示される、このポリアリーレンエーテルケト
ンは公知である。
【0048】重合可能基で官能化したポリアリーレンエ
ーテルケトンは、本発明の架橋マトリックスの実施の形
態において必須の前駆体である。官能化には、望ましく
はいかなるウレタン結合も含まず、不飽和二重結合を含
んだ適当な重合可能基を用いる。望ましくは、酸触媒の
存在下で、ポリマーを、(i)ホルムアルデヒド源と、
(ii) 不飽和酸と反応させることにより、不飽和−CH
2−R5基を持った架橋可能ポリマーを生成し、ポリアリ
ーレンエーテルケトンを官能化する。上記のように、R
5は反応性二重結合を含む一塩基又は多塩基有機酸から
誘導される基である。重合可能な官能化基の生成に用い
る、反応性二重結合を含む一塩基又は多塩基有機酸の典
型的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、シンナ
ミル酸、クロトン酸、エタクリル酸(2−エチル−2−
プロペン酸)、オレイン酸、リノール酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、フェニルマレイ
ン酸、3−ヘキセン−1,6−ジカルボン酸等が挙げら
れる。アクリル酸誘導官能基は、電荷輸送分子のための
良好なバインダとして働き、輸送分子の存在下でも、光
又は熱の作用によって容易に架橋可能であり、最終的な
電荷輸送層の電荷輸送特性に悪影響を及さないため、架
橋可能ポリマーに付いた官能基として特に望ましい。
【0049】架橋前の官能化ポリマーは、望ましくは重
量平均分子量が約3,000〜約75,000ダルト
ン、より望ましくは数平均分子量が約5,000〜約5
万ダルトン、更に望ましくは数平均分子量が約25,0
00〜約5万ダルトンであるが、この範囲を越える分子
量でも良い。基本ポリマーの官能化は、溶液中でポリマ
ーを、(a)適当な不飽和カルボン酸(アクリル酸、メ
タクリル酸、シンナミル酸、クロトン酸、エタクリル酸
(2−エチル−2−プロペン酸)、オレイン酸、リノー
ル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、フェニルマレイン酸、3−ヘキセン−1,6−ジカ
ルボン酸など)と、(b)ホルムアルデヒド源(例え
ば、ホルムアルデヒド、あるいは、反応条件下でホルム
アルデヒドを発生するもの。例えば、ホルムアルデヒド
のほかに、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、メチ
ラール、ジメトキシメタン等。)と、反応させることに
より行われる。この反応は、直接酸で触媒化され、ポリ
マーを、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどの適
当な溶媒に溶解し、触媒量のp−トルエンスルホン酸な
どの触媒の存在下、約105℃でホルムアルデヒド源と
反応させる。この反応に適した溶媒の例は、1,1,
2,2−テトラクロロエタンであり、適当な圧力反応器
を用いるならば、ジクロロメタンも適している。通常、
反応物の配合比(重量)は次のとおりである。ポリマー
が約10部、ホルムアルデヒド源が約5部、p−トルエ
ンスルホン酸が約1部、適当な不飽和カルボン酸(例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸など)が約15.8部、
ヒドロキノンメチルエーテルが約0.2部、1,1,
2,2−テトラクロロエタンが約162部である。上記
の反応は、主に低分子量の、ビスフェノールAを基にし
たポリアリーレンエーテルケトンに用いる。この反応
は、ポリカーボネートや、フルオレノン−ビスフェノー
ルを基にした高分子量のポリアリーレンエーテルケトン
では反応性が乏しい。ポリスチレンでは行っていない。
しかし、これら全てのポリマー(ポリアリーレンエーテ
ルケトン類、ポリカーボネート類、ポリアリーレンエー
テルスルホン類、ポリスチレン類)はクロロメチル化が
可能であり、次にこのクロロメチル化基を炭素−炭素二
重結合を持つ基で置き換えることができる。
【0050】アクリル酸を用いてアクリルオキシメチル
官能基を付与する反応の、一般的な反応スキームは、以
下のとおりである。
【0051】
【化25】 アクリルオキシメチル官能基の付いた他のポリマー種を
以下に示す。
【0052】
【化26】
【化27】 これらの物質は次の一般式で示される。
【0053】
【化28】 式中、a及びbは各々、0又は1の整数であり、ポリマ
ーのモノマー繰り返し単位の少なくとも一部において、
a又はbの一つ以上は1以上であり、nは繰り返しモノ
マー単位の数を示す整数である。所望ならば、このモノ
マー単位をホモポリマー、共重合体、ターポリマーなど
の一部とする。ポリマーは、架橋した場合には溶媒に不
溶なマトリックスを形成するのに十分な数の、官能基を
含むモノマー単位を含んでいなければならない。メタク
リル酸を用いる場合、その反応は、先に示した構造式の
次に示す部分が、
【化29】 次の基で置き代わる。
【0054】
【化30】 シンナミル酸を用いる場合、その反応は、先に示した構
造式の次に示す部分が、
【化31】 次の基で置き代わる。
【0055】
【化32】 ビスフェノールから誘導された基に、置換基が付く傾向
があるが、置換は通常ランダムであり、得られるモノマ
ー繰り返し単位は、置換基を持たないもの、置換基が1
個のもの、あるいは置換基が2個以上のものである。こ
の反応で最も得られ易いのは、0又は1個の置換基を持
つモノマー繰り返し単位である。
【0056】典型的な反応温度は約25〜約145℃、
望ましくは約105℃であるが、この範囲を越える温度
でも良い。典型的な反応時間は約1〜約6時間、望まし
くは約2〜約4時間であるが、この範囲を越える時間で
も良い。通常、反応時間が長いほど高い置換度が得ら
れ、置換度が高いほど、反応性が大きくなり、最終的に
ポリマーの架橋度と、耐溶媒性が大きくなる。用途に応
じて、異なる置換度とすることが望ましい。置換度が低
すぎると、バイアス荷電ロールに対する耐摩耗性が向上
せず、架橋密度の低さにより耐溶媒性が低下してしまう
ため好ましくない。置換度(つまり、モノマー繰り返し
単位当りの不飽和エステル基の平均数)は、望ましくは
約0.25〜約1.2、更に望ましくは約0.65〜約
0.8であるが、この範囲を越える置換度でも良い。こ
の置換度は通常、樹脂1g当たり、約0.5〜約1.3
ミリ当量の不飽和酸オキシメチレン(つまり、−CH2
−R5)基に相当する。
【0057】芳香族ポリマーへの官能基の他の導入法
は、例えば、W.H.ダリー、S.コチワナ、R.ニー
ルセン、Polymer Preprints、20
(1)、835(1979);“Functional
Polymers and Sequential
Copolymers by Phase Trans
fer Catalysis,3.Synthesis
and Characterization of
Aromatic Poly(ether sulfo
ne)s and Poly(oxy−2,6−dim
ethyl−1,4−phenylene) Cont
aining Pendant VinylGroup
s”、V.パーセク、B.C.オーマン、Makrom
ol. Chem.、185、2319(1984);
F.ワン、J.ルーバース、Journal of P
olymer Science: Part A:Po
lymer Chemistry、32、2413(1
994);“DetailsConcerning t
he Chloromethylation ofSo
luble High Molecular Weig
ht Polystyrene Using Dime
thoxymethane, Thionyl Chl
oride, And a Lewis Acid:
A Full Analysis”、M.E.ライト、
E.G.トプリカ、S.A.スベジャ、Macromo
lecules、24、5879(1991);“Fu
nctional Polymers and Seq
uential Copolymers by Pha
se Transfer Catalysts”、V.
パーセク、P.L.リナルディ、Polymer Bu
lletin、10、223(1983);“Prep
aration of Polymer Resin
and Inorganic Oxide Suppo
rted Peroxy−Acids and The
ir Use in the Oxidation o
f Tetrahydrothiophene”、J.
A.グリーグ、R.D.ハンコック、D.C.シェリン
トン、European Polymer J.、
、293(1980);“Preparation
ofPoly(vinylbenzyltriphen
ylphosphonium Perbromide)
and Its Application inth
e Bromination of Organic
Compounds”、A.アケラ、M.ハサネイン、
F.アブデル−ガリル、EuropeanPolyme
r J.、20(3)、221(1984);J.M.
J.フレヒト、K.K.ハクエ、Macromolec
ules、、130(1975);米国特許第3,9
14,194号;米国特許第4,110,279号;米
国特許第3,367,914号;“Synthesis
of Intermediates for Pro
duction of Heat Resistant
Polymers(Chloromethylati
on of Diphenyl oxide)”、E.
P.テペニチナ、M.I.ファルベロフ、A.P.イワ
ノフスキ、Zhurnal Prikladnoi K
himii、40 (11)、2540(1967);
米国特許第3,000,839号;Chem. Abs
t.、56、590f(1962);米国特許第3,1
28,258号;Chem.Abst.、61、456
0a(1964);J.D.ドーデンス、H.P.コー
ズ、Ind. Eng.Ch.、83、59(196
1);英国特許第863,702号;Chem.Abs
t.、55、18667b(1961)に開示されてい
る。
【0058】アクリルオキシメチレン基で官能化した、
典型的なポリアリーレンエーテルケトンは、次に示すも
のなどである。
【0059】
【化33】 アクリルオキシメチレン基で官能化したこれらのポリア
リーレンエーテルケトンは、プラズマに耐えるフォトレ
ジストであり、溶媒に不溶となるまで十分に架橋すれ
ば、バイアス荷電ロールによる分解や、溶媒に対しても
耐性である。一般に架橋は、120℃で約10分以上加
熱した後に起こる。架橋は、テトラヒドロフランに対す
る架橋樹脂の不溶性を測ることにより決定する。樹脂が
テトロヒドロフランに不溶であれば、十分に架橋してい
ると見なす。架橋樹脂は、ポリマーに付いている架橋可
能官能基の量によって多少の可撓性を保っている。アク
リルオキシメチレン基などの不飽和酸オキシメチレン基
で官能化したこれらのポリアリーレンエーテルケトン
は、ホモポリマー、共重合体、ターポリマーであり、ア
リールアミン電荷輸送分子などの小分子電荷輸送分子と
完全に混和する。例えば、前記の構造式で示される、ア
クリルオキシメチレン基で官能化したポリアリーレンエ
ーテルケトンは、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビ
ス(3´´−メチルフェニル)−(1,1´−ビフェニ
ル)−4,4´−ジアミン[別名:N,N´−ジフェニ
ル−N,N´−ビス(3−メチルフェニル)ベンジジ
ン]と、重量比で1:1で混合しても、清澄で透明な塗
膜を形成する。この塗膜はジクロロメタンやトルエンな
どの一般的な溶媒を用いて塗布でき、約80〜約120
℃程度の温度に加熱するか、あるいはUV光への露光に
より架橋する。加熱処理して塗布用溶媒を除去する。電
荷輸送アリールアミン小分子を含むこれらの塗膜は、ポ
リカーボネートバインダと電荷輸送アリールアミン小分
子とを同じ重量濃度で含む電荷輸送層と同程度の、荷電
キャリヤ移動度を示す。架橋度は主に、架橋可能な官能
基の含量を変えることにより調整可能である。先に定義
したように、“重合可能な官能基”とは、付加反応を起
こすことのできる反応性アルケニル又はオレフィン基
(すなわち、一つ以上の炭素−炭素二重結合を含む)で
ある。架橋可能基の数は、例えば、繰り返し単位当りの
不飽和酸オキシメチレン基のモル数、又は樹脂固形物1
g当りの不飽和酸オキシメチレン基のミリ当量で示すこ
とができる。ポリマーが共重合体又はターポリマーであ
る場合、最終的な架橋ポリマーマトリックスが溶媒に不
溶である程度ならば、繰り返し単位の一部には架橋のた
めの重合可能官能基が含まれなくても良い。“繰り返し
単位”には、官能化したセグメントに結合して、共重合
体又はターポリマーを形成する他のモノマーも含まれ
る。架橋可能ポリアリーレンエーテルケトンポリマーを
架橋させた後の、最終的な電荷輸送層マトリックスは、
溶媒に不溶である。架橋前に電荷輸送層の塗布に用いた
溶媒は、架橋可能ポリアリーレンエーテルケトンポリマ
ーを架橋させる前、及び/又は架橋中に殆ど除かれる。
【0060】架橋可能ポリマーの他の典型的な例として
は、次の構造式で示される、アクリルオキシメチル置換
−ポリカーボネート、−ポリアリーレンエーテルスルホ
ン、−ポリスチレンなどが挙げられる。
【0061】
【化34】 ある実施の形態では、架橋して本発明の電荷輸送層のマ
トリックスを形成するポリマーは、次の式で示されるベ
ンゾフェノン基を含むものである。
【0062】
【化35】 この基は、不飽和酸オキシメチレンで官能化した基本ポ
リマーセグメントに感光性を与え、これにより不飽和酸
オキシメチレン基の光重合を起こすと考えられる。一旦
架橋反応を起こすと、ベンゾフェノン基は輸送分子に全
く影響を示さなくなる。
【0063】所望ならば、重合可能基で官能化したポリ
アリーレンエーテルケトン又は他のオレフィン置換ポリ
マー(上記参照)は、必要に応じて、官能化ポリアリー
レンエーテルケトン又は他のオレフィン置換ポリマーと
架橋付加重合が可能な不飽和二重結合を持つ、適当なコ
モノマーの存在下で共架橋重合させることができる。不
飽和二重結合を持つ典型的なコモノマーは、例えば、ス
チレン、5以上の炭素原子を含むメタクリル酸アルキ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、官能
化スチレンモノマー、アクリル化トリアリールアミン化
合物、ビニルカルバゾール、ビニル置換アリールアミン
化合物、ビニル置換モノマー等の、ビニルコモノマーな
どである。これらのコモノマーは、電荷輸送部分と完全
に混和する、プラズマ(バイアス荷電ロール)に対して
耐性を持つ架橋網目を形成し、その物理的性質は、使用
するコモノマーの性質によって決まる。架橋工程は、ス
チレン、メタクリル酸の長鎖アルキルエステルなどの他
のビニルポリマーの存在下、小分子電荷輸送アリールア
ミンと、酸オキシメチレン基で官能化したポリアリーレ
ンエーテルケトン(バインダ前駆体)とを含む被覆用溶
液に、ビニルモノマーを単に加えて被覆用溶液とし、こ
の溶液を部材に塗布して被覆を形成し、同時に又は次
に、塗布した被覆を加熱又はUV光に露光するものであ
る。この方法で、ポリスチレンで架橋共重合した、酸オ
キシメチレン基で官能化したポリアリーレンエーテルケ
トンを含む、架橋度の高い構造体が形成される。
【0064】重合可能基で官能化され、スチレン存在下
で共架橋重合した典型的なポリアリーレンエーテルケト
ンを次に示す。
【0065】
【化36】 これらの電荷輸送層の電荷キャリヤ移動度は、加えたコ
モノマーの相対量によって変わる。例えば、おおよそ3
0重量部のスチレンと、35重量部のベースのアクリル
オキシメチレン官能化ポリマーと、35重量部のアリー
ルアミン電荷輸送小分子[N,N´−ジフェニル−N,
N´−ビス(3−メチルフェニルベンジジン]とを含む
ポリマー網目は、約35重量%のアリールアミン電荷輸
送分子を含む組成物として予想される、10-8平方cm
/V・sに近い値である。
【0066】使用するコモノマーの性質は、表面張力、
強靭性などの最終的な塗膜特性に影響を及ぼす。例え
ば、フルオロアルキル基の含量の高いコモノマーで表面
張力を変え、アクリル酸フェノキシ基で強靭性を与え
る、などである。官能化ポリアリーレンエーテルケトン
や、他のポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリー
レンエーテルスルホンなどの官能化ポリマーの添加量
を、ポリマー総重量の約1〜約99重量%とし、残りを
コモノマーとすることができる。望ましい値は、被覆用
溶液の粘度と最終的な塗膜生成物の性質に応じて、約2
5〜約50重量%である。このようにして、固体含量の
高い、溶媒の無い又は溶媒の少ない被覆用溶液を調製す
ることができる。
【0067】酸オキシメチレン基で修飾した官能化ポリ
アリーレンエーテルケトン構造体の架橋可能性と、電荷
輸送小分子との混和性への影響のない、前記の構造式の
別の実施の形態を次に示す。
【0068】
【化37】 式中、Z、R1 、R3 は、先に定義したとおりである。
別の官能化前の基本ポリマーの、典型的な特定の実施の
形態を次の構造式に示す。
【0069】
【化38】 式中、nは、繰り返しモノマー単位の数を示し、通常約
20〜約475、望ましくは約55〜約114である
が、この範囲を越えるnの値でも良い。幾つかの特定の
実施の形態では、このポリマーは、例えば、ガラス転移
温度を約240℃とすることができる。上記の構造式で
示される、このポリアリーレンエーテルケトンは既知で
あり、例えば米国特許第5,814,426号に述べら
れている。対応するポリカーボネートとポリアリーレン
エーテルスルホンもまた、実施の形態に用いることがで
きる。
【0070】官能化前の基本ポリマー構造の別な典型的
な実施の形態は、次の構造式で示される、フルオロメチ
ル誘導体である。
【0071】
【化39】 式中、nは、繰り返しモノマー単位の数を示し、通常約
10〜約620、望ましくは約55〜約114である
が、この範囲を越えるnの値でも良い。これらの分子
は、正孔輸送小分子と共に電荷輸送層に用いられるもの
でなければならない。更に、これらの分子は架橋し、最
終的な輸送層では溶媒に不溶でなければならない。
【0072】活性電荷輸送層には活性化化合物が含まれ
る。この化合物は、不飽和炭素−炭素二重結合を含み、
フェニレン基に結合した置換基を持つ、架橋可能芳香族
ポリマーから誘導された架橋マトリックス中に、分子状
に分散又は溶解される添加剤として有用である。光発生
材料から流入する光発生した正孔を保持できず、またこ
れらの正孔を輸送することのできない架橋可能ポリアリ
ーレンエーテルケトンに、これらの活性化化合物を加え
ることによって、電気的に不活性なポリマー材料を、光
発生材料から流入する光発生正孔を保持し、また活性層
上の表面電荷を放電するため、活性層を通してこれらの
正孔を輸送できる材料に転換する。特に望ましい輸送層
は、一種以上の輸送化合物を、最終的な乾燥輸送層の総
重量に対して約25〜約75重量%と、芳香族アミンが
可溶な架橋可能ポリアリーレンエーテルケトンを約75
〜約25重量%含むものである。
【0073】架橋可能ポリアリーレンエーテルケトンを
用いる電荷輸送層には、適当な電荷輸送材料を使用す
る。典型的な電荷輸送材料は、例えば、ジアミン輸送分
子である。代表的なジアミン輸送分子としては、N,N
´−ジフェニル−N,N´−ビス(3´´−メチルフェ
ニル)−(1,1´−ビフェニル)−4,4´−ジアミ
ン[別名:N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(3
−メチルフェニル)ベンジジン]、N,N´−ジフェニ
ル−N,N´−ビス(4−メチルフェニル)−(1,1
´−ビフェニル)−4,4´−ジアミン[別名:N,N
´−ジフェニル−N,N´−ビス(4−メチルフェニ
ル)ベンジジン]、N,N´−ジフェニル−N,N´−
ビス(2−メチルフェニル)−(1,1´−ビフェニ
ル)−4,4´−ジアミン[別名:N,N´−ジフェニ
ル−N,N´−ビス (2−メチルフェニル)ベンジジ
ン]、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(3−エ
チルフェニル)−(1,1´−ビフェニル)−4,4´
−ジアミン[別名:N,N´−ジフェニル−N,N´−
ビス (3−エチルフェニル)ベンジジン]、N,N´
−ジフェニル−N,N´−ビス(4−エチルフェニル)
−(1,1´−ビフェニル)−4,4´−ジアミン[別
名:N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(4−エチ
ルフェニル)ベンジジン]、N,N´−ジフェニル−
N,N´−ビス(4−n−メチルフェニル)−(1,1
´−ビフェニル)−4,4´−ジアミン[別名:N,N
´−ジフェニル−N,N´−ビス(4−n−ブチルフェ
ニル)ベンジジン]、N,N´−ジフェニル−N,N´
−ビス(3−クロロフェニル)−(1,1´−ビフェニ
ル)−4,4´−ジアミン[別名:N,N´−ジフェニ
ル−N,N´−ビス(3−クロロフェニル)ベンジジ
ン]、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(4−ク
ロロフェニル)−(1,1´−ビフェニル)−4,4´
−ジアミン[別名:N,N´−ジフェニル−N,N´−
ビス(4−クロロフェニル)ベンジジン]、N,N´−
ジフェニル−N,N´−ビス(フェニルメチル)−
(1,1´−ビフェニル)−4,4´−ジアミン[別
名:N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス (フェニ
ルメチル)ベンジジン]、N,N,N´,N´−テトラ
フェニル−(2,2´−ジメチル−1,1´−ビフェニ
ル)−4,4´−ジアミン[別名:N,N,N´,N´
−テトラフェニル−2,2´−ジメチルベンジジン]、
N,N,N´,N´−テトラ−(4−メチルフェニル)
−(2,2´−ジメチル−1,1´−ビフェニル)−
4,4´−ジアミン[別名:N,N,N´,N´−テト
ラ(4−メチルフェニル)−2,2´−ジメチルベンジ
ジン]、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(4−
メチルフェニル)−(2,2´−ジメチル−1,1´−
ビフェニル)−4,4´−ジアミン[別名:N,N´−
ジフェニル−N,N´−ビス(4−メチルフェニル)−
2,2´−ジメチルベンジジン]、N,N´−ジフェニ
ル−N,N´−ビス(2−メチルフェニル)−(2,2
´−ジメチル−1,1´−ビフェニル)−4,4´−ジ
アミン[別名:N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス
(2−メチルフェニル)−2,2´−ジメチルベンジジ
ン]、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(3−メ
チルフェニル)−(2,2´−ジメチル−1,1´−ビ
フェニル)−4,4´−ジアミン[別名:N,N´−ジ
フェニル−N,N´−ビス(3−メチルフェニル)−
2,2´−ジメチルベンジジン]、N,N´−ジフェニ
ル−N,N´−ビス(3−メチルフェニル)ピレニル−
1,6−ジアミン、等が挙げられる。
【0074】代表的なピラゾリン輸送分子としては、1
−(レピジン−2−イル)−3,5−ビス(p−ジエチ
ルアミノフェニル)ピラゾリン[別名:1−(レピジン
−(2))−3−(p−ジエチレンアミノフェニル)−
5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、なお
以下同様]、1−(キノリン−2−イル)−3,5−ビ
ス(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−
(ピリジン−2−イル)−3−(p−ジエチルアミノス
チリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾ
リン、1−(6−メトキシピリジン−2−イル)−3−
(p−ジエチルアミノスチリル)−5−ビス(p−ジエ
チルアミノフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−3,
5−ビス(p−ジメチルアミノスチリル)ピラゾリン、
1−フェニル−3,5−ビス(p−ジエチルアミノスチ
リル)ピラゾリン、等が挙げられる。
【0075】代表的なフルオレン輸送分子としては、9
−(4´−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、
9−(4´−メトキシベンジリデン)フルオレン、9−
(2´,4´−ジメトキシベンジリデン)フルオレン、
2−ニトロ−9−ベンジリデンフルオレン、2−ニトロ
−9−(4´−ジエチルアミノベンジリデン)フルオレ
ン、等が挙げられる。
【0076】オキサジアゾール輸送分子としては、2,
5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4
−オキサジアゾール、ピラゾリン、イミダゾール、トリ
アゾール、等が挙げられる。
【0077】ヒドラゾン輸送分子としては、p−ジエチ
ルアミノベンズアルデヒド−(ジフェニルヒドラゾ
ン)、o−エトキシ−p−ジエチルアミノベンズアルデ
ヒド−(ジフェニルヒドラゾン)、o−メチル−p−ジ
エチルアミノベンズアルデヒド−(ジフェニルヒドラゾ
ン)、o−メチル−p−ジメチルアミノベンズアルデヒ
ド−(ジフェニルヒドラゾン)、1−ナフタレンカルバ
ルデヒド−1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、1−
ナフタレンカルバルデヒド−1,1−フェニルヒドラゾ
ン、4−メトキシナフタレン−1−カルバルデヒド−1
−メチル−1−フェニルヒドラゾン、等が挙げられる。
【0078】カルバゾールフェニルヒドラゾン輸送分子
としては、9−メチルカルバゾール−3−カルバルデヒ
ド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、9−エチルカルバ
ゾール−3−カルバルデヒド−1−メチル−1−フェニ
ルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−カルバル
デヒド−1−エチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エ
チルカルバゾール−3−カルバルデヒド−1−エチル−
1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカ
ルバゾール−3−カルバルデヒド−1,1−ジフェニル
ヒドラゾン、等が挙げられる。
【0079】ビニル芳香族ポリマーとしては、ポリビニ
ルアントラセン、ポリアセナフチレン、ホルムアルデヒ
ドと様々な芳香族化合物(3−ブロモピレン、2,4,
7−トリニトロフルオレノン、3,6−ジニトロ−N−
t−ブチルナフタルイミドなど)との縮合生成物などが
挙げられる。
【0080】オキサジアゾール誘導体としては、2,5
−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−
オキサジアゾールなどが挙げられる。
【0081】3置換メタンとしては、アルキル−ビス
(N,N−ジアルキルアミノアリール)メタン、シクロ
アルキル−ビス(N,N−ジアルキルアミノアリール)
メタン、シクロアルケニル−ビス(N,N−ジアルキル
アミノアリール)メタンなどが挙げられる。
【0082】他の電荷輸送材料としては、ポリ−1−ビ
ニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン、ポリ−9
−(4−ペンテニル)カルバゾール、ポリ−9−(5−
ヘキシル)カルバゾール、ポリメチレンピレン、ポリ−
1−(ピレニル)ブタジエン、また、ポリ−3−アミノ
カルバゾール、1,3−ジブロモ−ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール、3,6−ジブロモ−ポリ−N−ビニルカル
バゾールなどの、アルキル、ニトロ、アミノ、ハロゲ
ン、ヒドロキシ置換ポリマー等のポリマーが挙げられ
る。また適当な電荷輸送材料は、無水フタル酸、テトラ
クロロフタル酸無水物、ベンジル、無水メリト酸、S−
トリシアノベンゼン、塩化ピクリル、2,4−ジニトロ
クロロベンゼン、2,4−ジニトロブロモベンゼン、4
−ニトロビフェニル、4,4´−ジニトロビフェニル、
2,4,6−トリニトロアニソール、トリクロロトリニ
トロベンゼン、トリニトロ−o−トルエン、4,6−ジ
クロロ−1,3−ジニトロベンゼン、4,6−ジブロモ
−1,3−ジニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン、
クロラニル、ブロマニル、それらの混合物、2,4,7
−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テ
トラニトロフルオレノン、トリニトロアントラセン、ジ
ニトロアクリデン、テトラシアノピレン、ジニトロアン
トラキノン、芳香族又は複素環基を持ったポリマーであ
って、環には、ニトロ、スルホン酸、スルホニル、カル
ボキシル、シアノ等の、強電子吸引置換基を一つ以上持
つ、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリ
ウレタン、エポキシ樹脂、また芳香族部分を含む、これ
らのブロック、グラフト、又はランダム共重合体等のポ
リマー、及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0083】他の典型的な電荷輸送材料としては、トリ
トリルアミンなどのトリアリールアミン、ビス(4−ジ
エチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタンな
どの置換ジアリールメタン及びトリアリールメタン化合
物が挙げられる。
【0084】特に望ましい電荷輸送分子は、次の一般式
で示される物質である。
【0085】
【化40】 式中、X、Y、Zは各々互いに独立して、水素、ハロゲ
ン(例えば、塩素)、炭素数1〜約20のアルキル基で
あり、X、Y、Zの一つ以上は、単独に、炭素数1〜約
20のアルキル基又は塩素である。YとZが水素である
場合、この化合物はN,N´−ジフェニル−N,N´−
ビス(アルキルフェニル)ベンジジン(このときアルキ
ルは、例えば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル
等)、又はN,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(ク
ロロフェニル)ベンジジンである。この種類の物質の中
で特に望ましいのは、N,N´−ジフェニル−N,N´
−ビス(3−メチルフェニル)ベンジジンである。
【0086】架橋可能な芳香族ポリマーと電荷輸送材料
とを溶解する適当な溶媒を用いて、電荷輸送層の被覆用
溶液を調製する。典型的な溶媒としては、例えば、ジク
ロロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン、これらの
混合物、等が挙げられる。所望ならば、架橋可能な芳香
族ポリマーと電荷輸送材料の溶媒は、共反応性モノマー
であっても良い。共反応性モノマーは溶媒として働くた
め、固体含量の高い、あるいは溶媒を含まない被覆用溶
液の調製が可能である。前述のように、被覆用溶液中の
共反応性ポリマーの含有量は、樹脂固形物の総量の約1
〜約99重量%とすることができる。
【0087】電荷輸送層被覆用混合物を混合し、次に電
荷発生層に塗布するには、適当な従来の手法を用いる。
典型的な塗布法は、スプレー、浸漬塗布、ロール塗布、
巻き線棒塗布、スロット塗布などである。塗布した被覆
の乾燥は、オーブン乾燥、赤外線照射乾燥、空気乾燥な
ど、適当な従来の手法で行う。感熱性付与基がある場
合、本発明のポリマーは、2段階工程で硬化を行う。こ
の方法は、(a)ポリマーに化学線を照射し、感光性付
与基を介してポリマーの架橋を生じ、(b)次いで、ポ
リマーを約120℃以上、望ましくは約140℃に加熱
して、感熱性付与基を介して更にポリマーの架橋を生じ
るものである。更に、アゾビスイソブチロニトリルなど
の遊離基触媒を加えて、この系の熱硬化を促進できる。
触媒として過酸化ベンゾイルを加えると、トリアリール
アミン正孔輸送分子の酸化が起こり、この組成物は伝導
性となる。
【0088】架橋可能ポリマーは、感光性付与基を介し
てポリマーの架橋を起こし得る波長及び/又はエネルギ
ーレベルの化学線での均一な照射により、硬化すること
ができる。あるいは、架橋基が感度を持つ波長及び/又
はエネルギーレベルの放射で架橋可能ポリマーを露光
し、これを架橋する。典型的な電荷輸送層組成物は、架
橋可能なポリマーと、必要に応じて架橋可能ポリマーの
ための溶媒と、必要に応じて増感剤と、必要に応じて光
開始剤とを含むものである。未架橋ポリマーのTgが高
い場合には、特に溶媒が必要である。溶媒と架橋可能ポ
リマーとの比率は通常、溶媒が0〜約99重量%でポリ
マーが約1〜100重量%、望ましくは溶媒が約20〜
約60重量%でポリマーが約40〜約80重量%、更に
望ましくは溶媒が約30〜約60重量%でポリマーが約
40〜約70重量%であるが、この範囲を越える比率で
も良い。
【0089】増感剤は光エネルギーを吸収し、反応して
樹脂の架橋又は鎖延長を起こし得る不飽和結合へのエネ
ルギーの移動を促進する。増感剤はしばしば化学線硬化
に利用できるエネルギーの波長範囲を広げ、典型的には
芳香族の光吸収発色団である。増感剤はまた、遊離基又
はイオンである、光開始剤を生成することもできる。増
感剤を用いる場合、増感剤と架橋可能ポリマーとの比率
は通常、増感剤が約0.1〜約20重量%で、架橋可能
ポリマーが約80〜約99.9重量%、望ましくは増感
剤が約1〜約10重量%で、架橋可能ポリマーが約90
〜約99重量%であるが、この範囲を越える比率でも良
い。
【0090】光開始剤は通常、化学線の照射を受けて、
重合を開始するイオン又は遊離基を生ずる。光開始剤を
用いる場合、光開始剤と架橋可能ポリマーとの比率は通
常、光開始剤が約0.1〜約20重量%で、架橋可能ポ
リマーが約80〜約99.9重量%、望ましくは光開始
剤が約1〜約10重量%で、架橋可能ポリマーが約90
〜約99重量%であるが、この範囲を越える比率でも良
い。一つの物質が増感剤と光開始剤の両方として作用す
ることも可能である。
【0091】特定の増感剤及び光開始剤の例としては、
ミヒラーケトン(アルドリッチ ケミカル社(Aldr
ich Chemical Co.))、ダロキュア
(Darocure) 1173、ダロキュア 426
5、イルガキュア(Irgacure) 184、イル
ガキュア 261、イルガキュア 907(ニューヨー
ク州アーズレイ、チバ−ガイギー(Ciba−Geig
y)製)、及びそれらの混合物が挙げられる。更に開始
剤の背景となる物質については、例えば、オバーら、
J.M.S.−Pure Appl. Chem.、A
30(12)、877−897(1993);G.E.
グリーン、B.P.スターク、S.A.ザヒール、“P
hotocrosslinkable Resin S
ystems”、J. Macro. Sci.−Re
vs. Macro. Chem.、C21(2)、1
87(1981);H.F.グルーバ、“Photoi
nitiators for Free Radica
l Polymerization”、Prog. P
olym. Sci.、17、953(1992);ヨ
ハン G. クルースターバ、“Network Fo
rmation byChain Crosslink
ing Photopolymerization a
nd Its Applications in El
ectronics”、Advances in Po
lymer Science、89、Springer
−Verlag Berlin Heidelberg
(1988);“Diaryliodonium Sa
lts as ThermalInitiators
of Cationic Polymerizatio
n”、J.V.クリベロ、T.P.ロックハート、J.
L.リー、J. ofPolymer Scienc
e:Polymer Chemistry Editi
on、21、97(1983)に開示されている。増感
剤は、例えば、ウィスコンシン州ミルウォーキー、アル
ドリッチ ケミカル社、及びコネチカット州ウォーター
ベリー、プファルツ アンド バウアー(Pfaltz
andBauer)より入手できる。ベンゾフェノン
及びその誘導体は、増感剤として作用する。トリフェニ
ルスルホニウムとジフェニルヨードニウム塩は、典型的
なカチオン性光開始剤の例である。
【0092】理論的に限定しようとするものではない
が、例えば、紫外線を照射すると通常、酸オキシメチレ
ン基のエチレン結合が開裂して、架橋が生じると考えら
れる。先に、化学線照射によりポリマーの架橋を起こし
得るとして挙げた感光性付与基の多くは、高温にさらし
てもポリマーの架橋を起こすことができる。このよう
に、本発明のポリマーは、所望ならば熱硬化を行う用途
にも使用可能である。
【0093】電荷輸送層中の電荷輸送材料の含有量は効
果的な量、通常、電荷輸送層の乾燥総重量の約5〜約9
0重量%、望ましくは約20〜約75重量%、更に望ま
しくは約30〜約60重量%であるが、この範囲を越え
る量でも良い。
【0094】電荷輸送層の厚さは、通常約10〜約50
μmであるが、この範囲を越える厚さのものも使用でき
る。望ましくは、電荷輸送層と電荷発生層との厚さの比
率は、約2:1〜200:1に保たれるが、場合によっ
ては400:1程にもなる。
【0095】従来の導電接地帯など、他の層を含むこと
もできる。導電接地帯は、伝導層、障壁層、接着層、又
は電荷発生層と接して、ベルトの一方の端に沿って有
り、光受容体の導電層の接地又は電気的バイアスへの接
触を保つためのものである。接地帯は良く知られてお
り、通常、塗膜形成バインダ中に分散させた伝導性粒子
を含むものである。
【0096】必要に応じて、耐摩耗性を向上させるため
に保護膜層を用いる。場合によっては、光導電層が載っ
ているのとは反対側の、基材の裏面に抗カール裏塗り層
を塗布して、平面性及び/又は耐摩耗性を与える。保護
膜及び抗カール裏塗り層は、この技術においては良く知
られ、電気絶縁性あるいは僅かに半導性の熱可塑性有機
ポリマー又は無機ポリマーを含むものである。保護膜は
連続しており、その厚さは通常約10μm以下である。
抗カール裏塗り層は、支持基材層の反対側にある層の全
ての力とほぼ釣り合うのに十分な厚さでなければならな
い。可撓性光受容体では約70〜約160μmの厚さで
十分である。
【0097】本発明は、本件に開示した光導電性画像形
成部材を用いた画像形成法も包含するものである。この
方法は、本発明の光導電性画像形成部材上に静電潜像を
形成する工程と、潜像をトナー粒子で現像し、潜像に相
当するトナー画像を形成する工程と、トナー画像を被印
刷体に転写する工程とを含むものである。必要に応じ
て、転写した画像を被印刷体に恒久的に定着する。潜像
の現像は、カスケード、タッチダウン、パウダクラウ
ド、磁性ブラシなどの様々な方法で行う。現像したトナ
ー画像の被印刷体への転写は、コロトロンやバイアス荷
電ロールを用いるなどの適当な方法で行う。定着工程
は、放射フラッシュ定着、熱定着、圧力定着、蒸気定着
などの、適当な方法で行う。被印刷体としては、紙や透
明素材など、電子写真式複写機やプリンタで用いられる
素材が用いられる。
【0098】次に述べる多くの例は、本発明の実行に使
用し得る様々な組成物と条件を明らかにするものであ
る。特に記載のない限り、全て重量比で示す。本発明で
は多くの種類の組成物が使用でき、先に開示し、また次
に述べるような様々な用途が可能であることは明らかで
あろう。
【0099】
【実施例】実施例1.次の構造式で示されるポリマー
を、以下のように調製した。
【0100】
【化41】 式中、nは繰り返しモノマー単位の数を示し、その値は
約130である。以後、このポリマーを、ポリ(4−F
PK−FBPA)と呼ぶ。ディーン−スタークトラップ
(Dean−Stark trap)(バレット(Ba
rrett)トラップ)、凝縮器、撹拌機、アルゴン流
入装置、栓を取り付けた、1リットルの三つ口丸底フラ
スコをシリコーン油浴中に置いた。このフラスコに、4
3.47g(0.1992モル)の4,4´−ジフルオ
ロベンゾフェノン(ウィスコンシン州ミルウォーキー、
アルドリッチ ケミカル社製)と、75.06g(0.
2145モル)の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン(アルドリッチ ケミカル社製)と、6
5.56gの炭酸カリウムと、300mlの無水N,N
−ジメチルアセトアミドと、52mlのトルエンとを加
え、175℃(油浴温度)に加熱して、揮発性トルエン
成分を捕集して除去した。撹拌を続けながら175℃で
5時間加熱後、反応混合物を25℃まで放冷した。固体
化した塊をジクロロメタンで抽出し、ろ過し、メタノー
ルに加えてポリマーを沈殿させた。これをろ過して集
め、水で洗い、メタノールで洗った。真空乾燥して得ら
れた生成物、ポリ(4−FPK−FBPA)の収量は7
1.7gであった。このポリマーを、溶離液としてテト
ラヒドロフランを用いて、ゲル浸透クロマトグラフィで
分析したところ、次のような結果であった。Mnが5
9,100、Mpeakが144,000、Mwが136,
100である。このポリマーのガラス転移温度を、昇温
速度20℃/分で示差走査熱量測定法により測定したと
ころ、240℃であった。ジクロロメタンからの溶液成
形塗膜は、透明で強靭、可撓性であった。反応に用いた
化学量論の結果より、このポリマーは、フルオレノンビ
スフェノールから誘導されたヒドロキシル末端基を持つ
と考えられる。
【0101】実施例2.ポリ(4−FPK−FBPA)のクロロメチル化 次の構造式で示されるポリマーを、以下のように調製し
た。
【0102】
【化42】 撹拌機、還流冷却器、アルゴン流入装置、栓を取り付け
た、5リットルの三つ口丸底フラスコをシリコーン油浴
中に置き、これに順に、388g(320ml)の塩化
アセチルと、450mlのジメトキシメタンと、12.
5mlのメタノールと、500mlのテトラクロロエタ
ンと、1,250mlのテトラクロロエタンに溶解した
100gのポリ(4−FPK−FBPA)(サイエンテ
ィフィックポリマー プロダクツ(Scientifi
c Polymer Products)製)とを加え
た。これに、気密シリンジを用いて5mlの塩化スズ
(IV)を加えた。反応混合物を、油浴設定温度90〜1
00℃で、2時間加熱した。25℃に放冷後、この反応
混合物をメタノールに加え、繰り返し単位当り0.96
のクロロメチル基を持ったポリマーを再沈殿させた。
【0103】実施例3.クロロメチル化ポリ(4−FPK−FBPA)とアクリ
ル酸ナトリウムとの反応 次の構造式で示されるポリマーを、以下のように調製し
た。
【0104】
【化43】 700gのN,N−ジメチルアセトアミドに溶解した、
25gのクロロメチル化ポリ(4−FPK−FBPA)
(実施例2で調製)と、15gのアクリル酸ナトリウム
(アルドリッチ ケミカル社製)とを、25℃で1か月
間、マグネチックスターラで撹拌した。次に、反応溶液
を遠心分離にかけ、沈降させた不溶塩類をデカンテーシ
ョンして除いた。この溶液をメタノールに加えて白色の
ポリマーを沈殿させ、これをろ過し、水で洗い、メタノ
ールで洗い、次に真空乾燥した。収量は22.2gであ
った。
【0105】実施例4. 次の構造式で示されるポリマーを、以下のように調製し
た。
【0106】
【化44】 ディーン−スターク(バレット)トラップ、凝縮器、撹
拌機、アルゴン流入装置、栓を取り付けた、5リットル
の三つ口丸底フラスコをシリコーン油浴中に置いた。こ
のフラスコに、403.95gの4,4´−ジクロロベ
ンゾフェノン(ウィスコンシン州ミルウォーキー、アル
ドリッチ ケミカル社製)と、340.87gのビスフ
ェノールA(アルドリッチ ケミカル社製)と、49
1.7gの炭酸カリウムと、2,250mlの無水N,
N−ジメチルアセトアミドと、412.5ml(35
9.25g)のトルエンとを加え、170℃(油浴温
度)に加熱して、揮発性トルエン成分を捕集して除去し
た。撹拌を続けながら170℃で48時間加熱後、反応
混合物を25℃まで放冷した。この反応混合物をろ過し
て不溶塩類を除き、溶液を次にメタノールに加えてポリ
マーを沈殿させた。ろ過してポリマーを取り出し、水で
洗い、メタノールで洗い、次に真空乾燥した。真空乾燥
後のポリマーの収量は460gであった。
【0107】実施例5.ポリ(4−CPK−BPA)のクロロメチル化 次の構造式で示されるポリマーを、以下のように調製し
た。
【0108】
【化45】 撹拌機、還流冷却器、アルゴン流入装置、栓を取り付け
た、5リットルの三つ口丸底フラスコを氷浴中に置き、
これに順に、184gの塩化アセチルと、225ml
(193g)のジメトキシメタンと、6.25mlのメ
タノールと、500mlのジクロロメタンと、625m
lのジクロロメタンに溶解した75gのポリ(4−CP
K−BPA)(実施例4参照)とを加えた。これに、気
密シリンジを用いて6.5mlの塩化スズ(IV)を加え
た。反応混合物を、油浴設定温度55℃で、4時間加熱
した。25℃に放冷後、この反応混合物をメタノールに
加え、繰り返し単位当り0.96のクロロメチル基を持
ったポリマーを再沈殿させた。
【0109】実施例6.次の構造式で示されるポリマー
を、以下のように調製した。
【0110】
【化46】 ディーン−スターク(バレット)トラップ、凝縮器、撹
拌機、アルゴン流入装置、栓を取り付けた、500ml
の三つ口丸底フラスコをシリコーン油浴中に置いた。こ
のフラスコに、21.82gの4,4´−ジフルオロベ
ンゾフェノン(ウィスコンシン州ミルフォーキー、アル
ドリッチ ケミカル社製)と、22.64gのビスフェ
ノールA(アルドリッチ ケミカル社製)と、40gの
炭酸カリウムと、300mlの無水N,N−ジメチルア
セトアミドと、52mlのトルエンとを加え、175℃
(油浴温度)に加熱して、揮発性トルエン成分を捕集し
て除去した。撹拌を続けながら175℃で5時間加熱
後、5gのフェノールを加え、反応混合物を撹拌しなが
ら175℃で更に30分間加熱した。反応混合物を25
℃まで放冷した。固体化した塊を500mlのジクロロ
メタンで抽出し、ろ過して不溶塩類を除いた。ロータリ
ーエバポレータを用いてこの溶液を濃縮し、次にメタノ
ールに加えてポリマーを沈殿させた。ろ過してポリマー
を取り出し、水で洗い、メタノールで洗い、次に真空乾
燥した。生成物、ポリ(4−FPK−BPA)の収量は
40gであった。
【0111】実施例7.ポリ(4−FPK−BPA)のクロロメチル化 次の構造式で示されるポリマーを、以下のように調製し
た。
【0112】
【化47】 撹拌機、還流冷却器、アルゴン流入装置、栓を取り付け
た、1リットルの三つ口丸底フラスコをシリコーン油浴
中に置き、これに順に、140.1g(128ml)の
塩化アセチルと、157.6gのジメトキシメタンと、
5mlのメタノールと、500mlのテトラクロロエタ
ンと、500mlのテトラクロロエタンに溶解した40
gのポリ(4−FPK−BPA)とを加えた。これに、
気密シリンジを用いて0.6mlの塩化スズ(IV)を加
えた。反応混合物を、油浴設定温度110℃で、2時間
加熱した。25℃に放冷後、この反応混合物をメタノー
ルに加え、繰り返し単位当り1.44のクロロメチル基
を持ったポリマーを再沈殿させた。
【0113】実施例8.次の構造式で示されるポリマー
を、以下のように調製した。
【0114】
【化48】 300mlのN,N−ジメチルアセトアミドに溶解し
た、15gのクロロメチル化ポリマー(実施例5)と、
9gのアクリル酸ナトリウム(アルドリッチ ケミカル
社製)とを、1か月間マグネチックスターラで撹拌し
た。反応混合物を遠心分離にかけ、反応溶液をデカンテ
ーションして残留塩類と分けた。この溶液を水に加え
て、白色のポリマーを沈殿させた。これをろ過し、水で
洗い、メタノールで洗い、次に真空乾燥した。
【0115】実施例9.次の構造式で示されるポリマー
を、以下のように調製した。
【0116】
【化49】 283gのN,N−ジメチルアセトアミドに溶解した、
15gのクロロメチル化ポリマー(1.44CH2Cl
基/繰り返し単位、実施例7)と、9gのアクリル酸ナ
トリウム(アルドリッチ ケミカル社製)とを、1か月
間マグネチックスターラで撹拌した。反応混合物を遠心
分離にかけ、反応溶液をデカンテーションして残留塩類
と分けた。この溶液を水に加えて、白色のポリマーを沈
殿させた。これをろ過し、水で洗い、メタノールで洗
い、次に真空乾燥した。このポリマーをジクロロメタン
に溶解し、メタノール中で再沈殿させ、ろ過し、次に真
空乾燥した。
【0117】実施例10.実施例1、3、4、6、8、
9で調製したポリマー各2gをそれぞれ、22.44g
のジクロロメタンと、2.00gのN,N´−ジフェニ
ル−N,N´−ビス(3´´−メチルフェニル)−
(1,1´−ビフェニル)−4,4´−ジアミン[別
名:N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(3−メチ
ルフェニル)ベンジジン](電荷輸送材料、米国特許第
4,265,990号に開示の方法で調製する。その内
容は全て本件に引用して援用する。)と共に褐色ガラス
瓶入れ、ロールミルにかけた。比較のため、本発明のポ
リマーの代わりに、2.00gのマクロロン(Makr
olon)(登録商標)(分子量約5万〜約10万のポ
リカーボネート樹脂、ファルベンファブリケン バイエ
ル社(Farbenfabricken Bayer
A.G.)製)を使用した第3の輸送材料を調製した。
厚さ約200オングストロームの酸化チタン被覆を真空
蒸着した、厚さ3ミル(76.2μm)の金属化ポリエ
チレンテレフタレート基材と、厚さ300オングストロ
ームの3−アミノプロピルトリエトキシシラン電荷障壁
層と、厚さ約400オングストロームのポリエステル接
着層(49,000接着剤、デラウェア州ウィルミント
ン、E.I.デュポン・ド・ヌムール社(E.I.Du
Pontde Nemours & Co.)製)と、
スチレン(82%)/4−ビニルピリジン(18%)ブ
ロック共重合体(Mw 11,900)を60容量%と、
ヒドロキシガリウムフタロシアニンを40容量%とを含
む、厚さ0.5μmの光発生層とから成る、画像形成部
材の光発生層の上に、得られた溶液を各々塗布した。こ
の光発生被覆用組成物は、1.5gのスチレン/4−ビ
ニルピリジンブロック共重合体を42mlのトルエンに
溶解したものである。この溶液に1.33gのヒドロキ
シガリウムフタロシアニンと、300gの直径1/8イ
ンチのステンレススチール製ショットとを加え、次にこ
の混合物をロールミルに20時間かけた。得られたスラ
リーを、バード(Bird)アプリケータを用いて、接
着層に塗布し、湿った厚さが0.25ミル(6.35μ
m)の層とした。この光発生層を、強制換気オーブン
中、135℃で5分間乾燥し、乾燥厚さ0.5μmの層
とした。
【0118】こうして調製した光発生層に、次に電荷輸
送層を塗布した。各々の電荷輸送溶液は、褐色ガラス瓶
に、2.00gのN,N´−ジフェニル−N,N´−ビ
ス(3−メチルフェニル)ベンジジンと、2.00g
の、光発生層のバインダとして用いたものと同じポリマ
ー(各々、実施例1、3、6、8、9の各ポリマーと、
マクロロン(登録商標)ポリカーボネート(バイエル社
製))と、22.44gのジクロロメタンとを入れて混
合し、溶液を調製した。この電荷輸送溶液を、間隙幅8
ミル(203.2μm)のバードアプリケータで光発生
層上に塗布して塗膜を形成し、これを40〜100℃で
30分以上加熱して層を乾燥させた。
【0119】こうして調製した画像形成部材の電気的特
性を、直径242.6mm(9.55インチ)の円筒形
アルミニウムドラムを備えた電子写真テストスキャナを
用いて測定し、光電気的完成度を評価した。供試試料を
ドラム上にテープで固定し、試料の表面速度が76.3
cm(30インチ)/秒で一定となるようドラムを回転
させた。直流ピンコロトロン、露光光源、消去光源、5
個の電位計プローブを、固定した光受容体試料の周囲に
配置した。試料の荷電時間は33ミリ秒であった。露光
光と消去光は、いずれも出力300ワットのキセノンア
ークランプからの広帯域白色光(400−700nm)
である。プローブと光源の相対位置を表1に示した。
【0120】
【表1】 供試試料をまず、21.1℃、相対湿度40.0%の試
験条件で平衡に達するよう、暗所に60分以上置いた。
次に各試料を、約900ボルトの現像電位まで暗所で陰
電荷に荷電した。各試料の電荷受容と、先の400エル
グ/平方cmの消去光で放電させた後の残留電位とを記
録した。この試験法を繰り返し、20エルグ/平方cm
までの様々な光エネルギーによって、各試料の光誘導放
電特性(PIDC)を求めた。処理速度は60.0画像
形成サイクル/分であった。本発明のポリマーバインダ
を含む電荷輸送層を用いた画像形成部材の幾つかの試料
において、消去光照射後の残留電圧が、ポリカーボネー
トバインダを含む電荷輸送層を用いた画像形成部材より
僅かに高かった。しかし、本発明のポリマーを含む画像
形成部材の残留電圧は、試験を繰り返し、エージングを
行うにつれて徐々に低下した。その結果を表2に示し
た。本発明のポリマーを含む層の、塗膜はく離強さや機
械的特性は、手動操作で測定したところ良好であった。
【0121】ヒドロキシガリウムフタロシアニン光発生
体層上の、ヒドロキシ含有ポリマーと、N,N´−ジフ
ェニル−N,N´−ビス(3−メチルフェニル)ベンジ
ジンとを用いて調製した電荷輸送層の電気的特性:
【表2】 放電曲線の初期の傾斜をS(単位はV×平方cm/エル
グ)で、消去工程後の残留電位をVrで示す。これらの
装置で、荷電、露光、消去の工程を連続的に1万サイク
ル行い、サイクル安定性を評価した。V0 は、初期荷電
電位である。輸送層中に電荷が捕えられると、サイクル
アップとして知られる、残留電位の蓄積が生じてしま
う。4試料の感度データと残留サイクルアップを上記の
表に示した。Sは、光誘導放電特性(PIDC)の初期
の傾斜を示し、装置の感度の指標である。サイクルアッ
プは、1万サイクル連続操作したときの残留電位の上昇
である。残留電位サイクルアップの値が負となったの
は、装置のサイクルが続くにつれて発生層中の顔料の感
度が上がったためである。この数値は、本発明のバイン
ダ中にN,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(3−メ
チルフェニル)ベンジジンを分散した輸送層では、電荷
の捕捉が無いことを示している。捕捉が無いことから、
これら3種のバインダ中ではいずれもジアミンの分散が
良いと考えられる。
【0122】Sの値は、厚さ25μmのポリカーボネー
ト塗膜では約310でなければならない。Sを310で
割り、25を乗じた値は、様々な被覆のおおよその塗膜
厚さ(μm)と予想される。これらの被覆の多くは薄
く、これは対照試料と比較して感度の値が低いことを説
明している。サイクルアップ値が低いことは、荷電、放
電、消去のサイクルを繰り返してもこれらの試料が安定
であることを示している。
【0123】実施例11.バインダ発生体層の調製 ポリエチレンテレフタレートフィルム(メリネクス(M
elinex)(登録商標)、ICI製)上に真空蒸着
したチタン層を含む基材上に、従来の塗布法を用いて被
覆を形成し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料粒
子を含む光発生層を調製した。最初の被覆は、加水分解
した3−アミノプロピルトリエトキシシランから形成し
た、厚さ0.005μm(50オングストローム)の、
シロキサン障壁層である。この塗膜は次のように塗布し
た。3−アミノプロピルトリエトキシシラン(フロリダ
州、PCR リサーチ ケミカルズ(PCR Rese
arch Chemicals)製)とエタノールと
を、体積比1:50で混合した。得られた溶液を、バー
ドアプリケータを用いて、基材に湿った厚さで0.5ミ
ル(12.7μm)に塗布した。次にこの層を25℃で
5分間乾燥後、強制換気オーブン中、110℃で10分
間硬化させた。第2の被覆は、厚さ0.005μm(5
0オングストローム)の、ポリエステル樹脂(49,0
00接着剤、E.I.デュポン・ド・ヌムール社製)の
接着層であり、次のように塗布した。0.5gの49,
000ポリエステル樹脂を、70gのテトラヒドロフラ
ンと29.5gのシクロヘキサノンに溶解した。得られ
た溶液を、0.5ミル(12.7μm)のバードアプリ
ケータで障壁層上に塗布し、強制換気オーブン中で10
分間硬化させて塗膜とした。接着中間層の次に、ヒドロ
キシガリウムフタロシアニンを40容量%と、スチレン
(82%)/4−ビニルピリジン(18%)ブロック共
重合体(Mw 11,900)を60容量%とを含む光発
生層を塗布した。この光発生被覆用組成物は、1.5g
のスチレン/4−ビニルピリジンブロック共重合体を、
42mlのトルエンに溶解し、この溶液に、1.33g
のヒドロキシガリウムフタロシアニンと、300gの直
径1/8インチのステンレススチール製ショットとを加
え、次にこの混合物をロールミルに20時間かけて調製
した。得られたスラリーをバードアプリケータで接着層
に塗布し、湿った厚さが0.25ミルの層を形成した。
この光発生層を、強制換気オーブン中、135℃で5分
間乾燥させ、乾燥厚さが0.5μmの層とした。
【0124】実施例12.繰り返し単位当り0.4のアクリルオキシメチル基を持
つ、ビスフェノールA−ポリカーボネート樹脂の調製 まず、次の構造式で示されるポリマーを、以下のように
調製した。
【0125】
【化50】 撹拌機、還流冷却管、アルゴン流入装置、栓を取り付け
た、5リットルの三つ口丸底フラスコをシリコーン油浴
中に置いた。これに、225ml(193g)のジメト
キシメタンと、6.25mlのメタノールとを入れ、次
に184.75gの塩化アセチルを滴下しながら加え
た。この溶液に、500mlの1,1,2,2−テトラ
クロロエタンと、次に、100mlの1,1,2,2−
テトラクロロエタンに溶解した0.8mlの塩化スズ
(IV) を加えた。次に、625mlの1,1,2,2−
テトラクロロエタンに溶解した50gのポリカーボネー
ト(バイエル マクロロン(登録商標))を加えた。得
られた溶液を次に加熱し、110℃(油浴設定温度)で
24時間還流した。4時間還流後、反応物の一部をメタ
ノールに加えた。真空乾燥した沈殿物の 1H−NMRス
ペクトルは、繰り返し単位当り0.14のクロロメチル
基を持つ、ビスフェノールAを基にしたポリカーボネー
トと一致した。110℃で24時間経過後は、繰り返し
単位当り0.4のクロロメチル基を持つポリカーボネー
トが得られた。次に、反応溶液をメタノールに加え、ポ
リマー生成物を沈殿させ、これをろ過し、メタノールで
洗い、次に真空乾燥したところ、収量は51.12gで
あった。
【0126】次に、次の構造式で示されるポリマーを、
以下のように調製した。
【0127】
【化51】 300mlのN,N−ジメチルアセトアミドに溶解し
た、繰り返し単位当り0.4のクロロメチル基を持つポ
リカーボネート樹脂25gと、14.3gのアクリル酸
ナトリウムとを、48日間マグネチックスターラーで撹
拌した。反応混合物を遠心分離にかけ、液体部分を6リ
ットルのメタノールに加えて、ポリマー生成物を沈殿さ
せ、これをろ過して取り出し、次に真空乾燥した。この
ポリマーを200gのジクロロメタンに溶解し、4リッ
トルのメタノール中で再沈殿させ、ろ過し、真空乾燥し
て、22gの生成物を得た。
【0128】実施例13.繰り返し単位当り0.1のアクリルオキシメチル基を持
つ、ビスフェノールA−ポリカーボネート樹脂の調製 次の構造式で示されるポリマーを、以下のように調製し
た。
【0129】
【化52】 24時間の加熱還流時間を5時間に変える以外は、実施
例12と同様にして調製を行った。繰り返し単位当り
0.1のアクリラート基を持った、ビスフェノールA−
ポリカーボネートが得られた。次の構造式で示されるこ
のポリマー15gを、
【化53】 300mlのN,N−ジメチルアセトアミドに溶解し、
9gのアクリル酸ナトリウム(ウィスコンシン州ミルウ
ォーキー、アルドリッチ ケミカル社製)と、48日間
マグネチックスターラーで撹拌した。反応混合物を遠心
分離にかけ、液体部分を4リットルのメタノールに加え
て、完全にアクリル酸エステル化した生成物を沈殿さ
せ、これをろ過して取り出し、次に真空乾燥した。この
ポリマーを66gのジクロロメタンに溶解し、2リット
ルのメタノール中で再沈殿させ、ろ過し、真空乾燥し
て、13.7gの生成物を得た。
【0130】実施例14.次の構造式で示されるポリマ
ーを、以下のように調製した。
【0131】
【化54】 撹拌機、還流冷却器、アルゴン流入装置、栓を取り付け
た、5リットルの三つ口丸底フラスコを氷浴中に置い
た。これに、225ml(193g)のジメトキシメタ
ンと、6.25mlのメタノールとを入れ、次に184
gの塩化アセチルを滴下しながら加えた。この溶液に、
500mlのジクロロメタンと、100mlの1,1,
2,2−テトラクロロエタンに溶解した6.5mlの塩
化スズ(IV)を加えた。次に、625mlのジクロロメ
タンに溶解した、75gのクロロベンゾフェノン末端を
持つポリアリーレンエーテルケトンを加えた。得られた
溶液は、すぐに黄色に変わった。次にこれを、55℃に
設定したシリコーン油浴中で4時間加熱還流した。次
に、反応溶液をメタノールに加え、ポリマー生成物を沈
殿させ、これをろ過し、メタノールで洗い、次に真空乾
燥して、72gの生成物を得た。生成したポリマーは、
繰り返し単位当り0.96のクロロメチル基を持つもの
であった。次に、300mlのN,N−ジメチルアセト
アミドに溶解した、15gのクロロメチル化ポリマー
と、9gのアクリル酸ナトリウムとを、48日間マグネ
チックスターラーで撹拌した。反応混合物を遠心分離に
かけ、液体部分を6リットルのメタノールに加えて、ポ
リマー生成物を沈殿させ、これをろ過して取り出し、次
に真空乾燥した。このポリマーを200gのジクロロメ
タンに溶解し、4リットルのメタノール中で再沈殿さ
せ、ろ過し、真空乾燥して、14gの生成物を得た。
【0132】実施例15.次の構造式で示されるポリマ
ーを、以下のような3つの工程で調製した。
【0133】
【化55】 まず、第1工程として、バレットトラップ、凝縮器、撹
拌機、アルゴン流入装置、栓を取り付けた、5リットル
の三つ口丸底フラスコをシリコーン油浴中に置いた。こ
のフラスコに、21.82gの4,4´−ジフルオロベ
ンゾフェノン(アルドリッチ社製)と、22.64gの
ビスフェノールA(アルドリッチ社製)と、40gの炭
酸カリウムと、300mlの無水N,N−ジメチルアセ
トアミドと、52mlのトルエンとを加え、175℃
(油浴温度)に加熱して、揮発性トルエン成分を捕集し
て除去した。撹拌を続けながら175℃で5時間加熱
後、5gのフェノールを加え、反応混合物を撹拌しなが
ら175℃で更に30分間加熱した。反応混合物を25
℃まで放冷した。固体化した塊を500mlのジクロロ
メタンで抽出し、ろ過して不溶塩類を除いた。ロータリ
ーエバポレータを用いてこの溶液を濃縮し、次にメタノ
ールに加えてポリマーを沈殿させた。ろ過してポリマー
を取り出し、水で洗い、メタノールで洗い、次に真空乾
燥した。ポリアリーレンエーテルケトンの収量は40g
であった。次に、第2工程として、撹拌機、還流冷却
器、アルゴン流入装置、栓を取り付けた、1リットルの
三つ口丸底フラスコをシリコーン油浴中に置いた。これ
に、157.6gのジメトキシメタンと、5mlのメタ
ノールとを入れ、140.1g(128ml)の塩化ア
セチルを滴下しながら加え、次に、500mlの1,
1,2,2−テトラクロロエタンと、500mlのテト
ラクロロエタンに溶解した40gのポリアリーレンエー
テルケトンを加えた。これに、気密シリンジを用いて
0.6mlの塩化スズ(IV) を加えた。反応混合物を1
10℃(油浴設定温度)で2時間加熱した。25℃まで
放冷後、反応混合物をメタノールに加えて、繰り返し単
位当り1.44のクロロメチル基を持つポリマーを再沈
殿させた。真空乾燥したポリマーの収量は45.7gで
あった。第3工程として、300mlのN,N−ジメチ
ルアセトアミドに溶解した、繰り返し単位当り1.44
のクロロメチル基を持つポリマー25gと、15gのア
クリル酸ナトリウムとを、48日間マグネチックスター
ラーで撹拌した。この反応混合物を遠心分離にかけ、液
体部分を8リットルのメタノールに加えて、ポリマー生
成物を沈殿させ、これをろ過して取り出し、次に真空乾
燥した。このポリマーを200gのジクロロメタンに溶
解し、4リットルのメタノール中で再沈殿させ、ろ過
し、真空乾燥して、22.66gの生成物を得た。
【0134】実施例16.次の構造式で示されるポリマ
ーを、以下のように調製した。
【0135】
【化56】 繰り返し単位当り1.22のクロロメチル基を持つポリ
アリーレンエーテルケトン(ニューヨーク州オンタリ
オ、サイエンティフィック ポリマー プロダクツ製)
25gを、300mlのN,N−ジメチルアセトアミド
に溶解したものと、15gのアクリル酸ナトリウムとを
31日間撹拌した。反応混合物を遠心分離にかけ、次に
液体部分を8リットルのメタノールに加えてポリマー生
成物を沈殿させ、これをろ過して取り出し、次に真空乾
燥した。このポリマーを200gのジクロロメタンに溶
解し、4リットルのメタノール中で再沈殿させ、ろ過
し、真空乾燥して、23gの生成物を得た。
【0136】実施例17.次の構造式で示されるポリマ
ーを、以下のように調製した。
【0137】
【化57】 繰り返し単位当り2のクロロメチル基を持つポリアリー
レンエーテルケトン(ニューヨーク州オンタリオ、サイ
エンティフィック ポリマー プロダクツ製)25g
を、300mlのN,N−ジメチルアセトアミドに溶解
したものと、15gのアクリル酸ナトリウムとを31日
間撹拌した。反応混合物を遠心分離にかけ、次に液体部
分を8リットルのメタノールに加えてポリマー生成物を
沈殿させ、これをろ過して取り出し、次に真空乾燥し
た。このポリマーを200gのジクロロメタンに溶解
し、4リットルのメタノール中で再沈殿させ、ろ過し、
真空乾燥して、23gの生成物を得た。
【0138】実施例18.次の構造式で示されるポリマ
ーを、以下のように調製した。
【0139】
【化58】 繰り返し単位当り1.2のクロロメチル基を持つポリア
リーレンエーテルケトン(ニューヨーク州オンタリオ、
サイエンティフィック ポリマー プロダクツ製)7.
34g(0.0192モル)を、80gのジオキサンに
溶解した溶液を、12g(0.0458モル)のトリフ
ェニルホスフィンに加えた。機械撹拌しながら、120
℃(シリコーン油浴設定温度)で6時間還流した後、2
5℃まで放冷してポリマーを固体化させ、溶媒をデカン
テーションして除いた。固体残留物を250mlのジエ
チルエーテルで15分間以上抽出した。クロロメチル化
ポリアリーレンエーテルケトンのトリフェニルホスホニ
ウム塩化物塩を250mlのジクロロメタンに溶かした
溶液に、トリトン(Triton) Bの40重量%水
溶液を5gと、ホルムアルデヒドの37重量%水溶液を
16ml加えた。反応混合物を撹拌しながら、水酸化ナ
トリウムの50重量%水溶液50mlをゆっくり加えて
処理した。25℃で7時間撹拌後、有機層を分け、稀塩
酸で洗い、水で洗い、次に硫酸マグネシウムに通して乾
燥した。ジクロロメタン層をメタノールに加えてポリマ
ーを沈殿させ、これをろ過し、真空乾燥した。生成物の
1H−NMRスペクトルは、繰り返し単位当り1つのビ
ニル基を持つものと一致した。
【0140】実施例19.次の構造式で示されるポリマ
ーを、以下のように調製した。
【0141】
【化59】 撹拌機、還流冷却管、アルゴン流入装置、栓を取り付け
た、1リットルの三つ口丸底フラスコに、92ml(7
9.16g)のジメトキシメタンと、2.6mlのメタ
ノールとを入れ、これに64ml(71.41g)の塩
化アセチルを滴下しながら加えた。これに262mlの
ジクロロメタンと、35mlのジクロロメタンに溶解し
た0.4mlの塩化スズ(IV)を加えた。次に、275
gのジクロロメタンに溶解した25gのポリスチレンを
加え、シリコーン油浴中50℃で8時間加熱して反応さ
せた。50℃で反応させた場合の、4、6、8時間後に
おける繰り返し単位当りのクロロメチル基は各々、0.
08、0.13、0.20であった。反応溶液をメタノ
ールに加え、沈殿したポリマーをろ過し、メタノールで
洗い、真空乾燥した。
【0142】実施例20.次の構造式で示されるポリマ
ーを、以下のように調製した。
【0143】
【化60】 300mlのN,N−ジメチルアセトアミドに溶解し
た、繰り返し単位当り0.2のクロロメチル基を持つポ
リスチレン(実施例19)13.4gと、9gのアクリ
ル酸ナトリウムとを31日間撹拌した。反応混合物を遠
心分離にかけ、次に液体部分を8リットルの水に加えて
ポリマー生成物を沈殿させ、これをろ過して取り出し、
メタノールで洗い、次に真空乾燥した。このポリマーを
100gのジクロロメタンに溶解し、2リットルのメタ
ノール中で再沈殿させ、ろ過し、真空乾燥して、12g
の生成物を得た。
【0144】実施例21.次の構造式で示されるポリマ
ーを、以下のように調製した。
【0145】
【化61】 160mlのテトラヒドロフランに溶解した、繰り返し
単位当り0.2のクロロメチル基を持つポリスチレン
(実施例19)10g(19.2ミリモル)を、12g
(46ミリモル)のトリフェニルホスフィンに加え、沸
騰させて15時間還流した。不溶なポリマーを800m
lのベンゼンで抽出した。ジクロロメタンを加えて、こ
の溶液をヘキサンに加え、ポリマーを沈殿させ、これを
トルエンで洗い、ヘキサンで洗い、真空乾燥して、次に
示す構造のポリマーを13.62g得た。
【0146】
【化62】 230mlのメタノールに溶解した、12.62g(1
6.16ミリモル)のポリマーのホスホニウム塩に、
2.3gのトリトン B(N−ベンジルトリメチルアン
モニウム=ヒドロキシドの40重量%水溶液)と、ホル
ムアルデヒド(37重量%水溶液)と、41.55ml
の50重量%水酸化ナトリウム水溶液とを加えて撹拌し
た。反応混合物を酢酸で中和し、水で洗い、次にメタノ
ールで洗った。真空乾燥後、7gの生成物が得られ、こ
れをジクロロメタンに溶解し、メタノール中で沈殿さ
せ、水で洗い、次にメタノールで洗った。真空乾燥後、
6gの生成物が得られた。
【0147】実施例22.実施例12〜21で調製した
各ポリマー1.2gを12.4gのジクロロメタン又は
8gのテトラヒドロフランに溶解し、これに0.8gの
TBD(N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(3−
メチルフェニル)ベンジジン)を加えたものを、4ミル
(101.6μm)のバードバーを用いて、ヒドロキシ
ガリウムバインダ発生体層上に塗布した。この被覆を、
40〜100℃で30分以上オーブン乾燥した。得られ
た光受容体を電気的にスキャンし、その電気的測定結果
を、次の表3にまとめた。
【0148】
【表3】 O/Cで示される試料は、様々な架橋可能電荷輸送層で
上塗りした標準的な製法の光受容体である。被覆用溶液
は、間隙幅2ミル(50.8μm)のバードアプリケー
タで塗布した。A、B、C、D、及びP.C./TBD
+の試料は各々、0.01gのアゾビスイソブチロニト
リル(AIBN)を含んでいる。被覆用溶液へ過酸化ベ
ンゾイルを加えると、即座にTBD電荷輸送分子が酸化
してしまうため、これは避けた。幾つかの結論が得られ
た。架橋官能性の増加と共に残留電圧(Vr )は上が
り、光受容体の感度は低下した。非共役ビニル結合は、
光受容体の電気的特性への影響が小さいが、スチリル
(ビニルフェニル)基よりアクリル酸エステル基の方が
良好である。ポリアリーレンエーテルケトンはポリスチ
レンより良く、ポリカーボネートはポリアリーレンエー
テルケトンより更に優れている。しかしこの結果は、官
能性と架橋密度の上昇につれ、電気的性能が低下する傾
向を示している。
【0149】反応スキームは、次のように総括できる。
【0150】
【化63】
【化64】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/06 319 G03G 5/06 319 (72)発明者 ジョン エフ ヤヌス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ウェブ スター リトル バードフィールド ロー ド 924 (72)発明者 ダモダー エム パイ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 フェア ポート シャグバーク ウェイ 72 (72)発明者 マークス アール シルベストリー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 フェア ポート クラークス クロッシング 29 (72)発明者 ラム エス ナラン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 マセダ ン ヒルサイド サークル 390 (72)発明者 ウィリアム ダブリュ リンバーグ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ペンフ ィールド クリアビュー ドライブ 66 (72)発明者 デール エス レンファー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ウェブ スター アダムス ロード 498

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部材と、電荷発生層と、電荷輸送層
    とを含む電子写真用画像形成部材であって、前記電荷輸
    送層が、不飽和炭素−炭素二重結合を含む置換基を備
    え、前記置換基が化学結合によりフェニレン基に結合し
    ている架橋可能な芳香族ポリマーから誘導された架橋マ
    トリックスを含むことを特徴とする電子写真用画像形成
    部材。
  2. 【請求項2】 支持部材と、電荷発生層と、電荷輸送層
    とを含む電子写真用画像形成部材であって、前記電荷輸
    送層が、不飽和炭素−炭素二重結合を含む置換基を備
    え、前記置換基がウレタン結合を含まず、ウレタン結合
    以外の化学結合によりフェニレン基に結合している架橋
    可能な芳香族ポリマーから誘導された架橋マトリックス
    を含むことを特徴とする電子写真用画像形成部材。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電子写真用画像形成部
    材であって、前記架橋可能な芳香族ポリマーが、次の構
    造式で示されるセグメントから成るグループより選ばれ
    るセグメントを含み、 【化1】 式中、nが、繰り返しモノマー単位の数を示す整数であ
    り、Rが、二価基であり、Xが、いかなるウレタン結合
    も含まず、不飽和炭素−炭素二重結合を含み、ウレタン
    結合以外により芳香基に結合している置換基であること
    を特徴とする電子写真用画像形成部材。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電子写真用画像形成部
    材であって、前記セグメントが、次の構造式で示される
    セグメントから成るグループより選ばれ、 【化2】 【化3】 式中、次の式で示される基のそれぞれが単独に、R1
    びR2 以外で置換され、又は置換されておらず、 【化4】 nが、繰り返しモノマー単位の数を示す整数であり、R
    1及びR2が単独に、−Hと、−CH2−R5とを含むグル
    ープより選ばれ、R1及びR2の少なくとも一方が−CH
    2−R5であり、R3及びR4が単独に、Hと、置換有機基
    と、非置換有機基と、1〜20の炭素原子を含む有機基
    とを含むグループより選ばれ、R5が、いかなるウレタ
    ン結合も含まず、ウレタン結合のない反応性不飽和炭素
    −炭素二重結合を含む一塩基又は多塩基有機酸から誘導
    されたラジカルであり、Zが、3〜20の炭素原子を含
    む、脂環又は複素環の構成に必要な原子の集団であり、
    Rが、適当な二価基であることを特徴とする電子写真用
    画像形成部材。
JP2000155904A 1999-06-04 2000-05-26 電子写真用画像形成部材 Withdrawn JP2001027816A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/326,170 US6174636B1 (en) 1999-06-04 1999-06-04 Imaging members containing arylene ether alcohol polymers
US09/363,218 US6200715B1 (en) 1999-06-04 1999-07-29 Imaging members containing arylene ether alcohol polymers
US09/326170 1999-07-29
US09/363218 1999-07-29

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001027816A true JP2001027816A (ja) 2001-01-30

Family

ID=26985282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000155904A Withdrawn JP2001027816A (ja) 1999-06-04 2000-05-26 電子写真用画像形成部材

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6200715B1 (ja)
JP (1) JP2001027816A (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6372397B1 (en) * 1999-01-06 2002-04-16 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus
EP1358685A1 (de) * 2001-02-06 2003-11-05 Schott Glas Verfahren zur herstellung von licht-emittierenden einrichtungen sowie licht-emittierende einrichtungen
US6844416B2 (en) * 2003-05-02 2005-01-18 Xerox Corporation Polycarbonates
KR100660182B1 (ko) * 2005-03-25 2006-12-21 한국화학연구원 아믹산 또는 이미드 측쇄기로 가교된 방향족 폴리에테르계수지
US7622234B2 (en) * 2005-03-31 2009-11-24 Xerox Corporation Emulsion/aggregation based toners containing a novel latex resin
US20070237925A1 (en) * 2006-04-07 2007-10-11 Castle Scott R Radiation cured coatings
US8017192B2 (en) 2007-07-17 2011-09-13 Lexmark International, Inc. Radiation cured coatings for image forming device components
JP4940311B2 (ja) * 2007-11-19 2012-05-30 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 光クロスリンク能を有する光応答性人工ヌクレオチド
US8177151B2 (en) 2009-05-16 2012-05-15 Knowaste International, Llc Separation of materials comprising super absorbent polymers using reduced water
AU2010249864B2 (en) * 2009-05-16 2015-08-27 Knowaste International Llc Methods for separation and conditioning of products containing super absorbent polymers
ITTO20111091A1 (it) 2011-11-28 2013-05-29 Fater Spa Apparecchiatura e procedimento per il riciclaggio di prodotti sanitari assorbenti
ITTO20111090A1 (it) 2011-11-28 2013-05-29 Fater Spa Apparecchiatura e procedimento per il riciclaggio di prodotti sanitari assorbenti
ITTO20111092A1 (it) 2011-11-28 2013-05-29 Fater Spa Apparecchiatura e procedimento per il riciclaggio di prodotti sanitari assorbenti
WO2019090462A1 (en) * 2017-11-07 2019-05-16 Dow Global Technologies Llc Polymeric charge transfer layer and organic electronic device comprising the same

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3194392B2 (ja) * 1992-01-31 2001-07-30 株式会社リコー 電子写真感光体
US5761809A (en) 1996-08-29 1998-06-09 Xerox Corporation Process for substituting haloalkylated polymers with unsaturated ester, ether, and alkylcarboxymethylene groups
US5889077A (en) 1996-08-29 1999-03-30 Xerox Corporation Process for direct substitution of high performance polymers with unsaturated ester groups
US5849809A (en) 1996-08-29 1998-12-15 Xerox Corporation Hydroxyalkylated high performance curable polymers
US5739254A (en) 1996-08-29 1998-04-14 Xerox Corporation Process for haloalkylation of high performance polymers
US5863963A (en) 1996-08-29 1999-01-26 Xerox Corporation Halomethylated high performance curable polymers
US5882814A (en) 1997-11-21 1999-03-16 Xerox Corporation Imaging members containing high performance charge transporting polymers
US5814426A (en) 1997-11-21 1998-09-29 Xerox Corporation Imaging members containing high performance polymers
US5874192A (en) 1997-11-21 1999-02-23 Xerox Corporation Imaging members with charge transport layers containing high performance polymer blends

Also Published As

Publication number Publication date
US6200715B1 (en) 2001-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6174636B1 (en) Imaging members containing arylene ether alcohol polymers
JP4436456B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2591793B2 (ja) アリールアミン化合物
JP4115056B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP3286704B2 (ja) 電子写真感光体
US6194111B1 (en) Crosslinkable binder for charge transport layer of a photoconductor
JP2001356513A (ja) 電子写真用画像形成部材
JP2001027816A (ja) 電子写真用画像形成部材
US20010023047A1 (en) Electrophotographic photoconductors comprising polyaryl ethers
JPH011728A (ja) アリールアミン含有ポリヒドロキシエーテル樹脂
EP2138225A2 (en) Method for treating microcapsules for use in imaging member
JPH0572748A (ja) 電子写真像形成部材用の導電性層とブロツキング層
JP2000191773A (ja) アリルオキシメチル化ポリアミド、その合成方法およびそれを有する電子写真画像形成部材
JP2005062302A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
US7396895B2 (en) Branched polyarylene ethers and processes for the preparation thereof
JP2000147814A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
US4296190A (en) Photosensitive material for use in electrophotography with a radiation cured binder resin
JPH07281469A (ja) 電子写真画像形成部材
EP0918258A2 (en) Imaging members with charge transport layers containing high performance polymer blends
EP0918256A2 (en) Imaging members containing high performance charge transporting polymers
EP0918257A2 (en) Imaging members containing high performance polymers
US7067608B2 (en) Process for preparing branched polyarylene ethers
JPH04291348A (ja) 電子写真感光体
JP5151536B2 (ja) 電子写真感光体、画像成形装置、フルカラー画像形成装置及びプロセスカートリッジ
US5698359A (en) Method of making a high sensitivity visible and infrared photoreceptor

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070523

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070523

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20071130