JP2001027796A - インスタントフイルム及びプリント装置 - Google Patents

インスタントフイルム及びプリント装置

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JP2001027796A
JP2001027796A JP11200935A JP20093599A JP2001027796A JP 2001027796 A JP2001027796 A JP 2001027796A JP 11200935 A JP11200935 A JP 11200935A JP 20093599 A JP20093599 A JP 20093599A JP 2001027796 A JP2001027796 A JP 2001027796A
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film
image
instant film
exposure
developing solution
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JP11200935A
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English (en)
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Hidemi Sasaki
英美 佐々木
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小サイズのプリント写真が複数得られるイン
スタントフイルムを提供する。 【解決手段】 1枚のインスタントフイルムには、感光
層12,受像層13,カバーシート10,11等からな
る4個の画像形成部7が枠部材6によって一体化されて
いる。露光,現像処理の完了後に、切取り線6aに沿っ
て枠部材6を切断することにより、4枚のフイルムピー
スに切り分けることができ、各フイルムピースを小サイ
ズのプリント写真として利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインスタントフイル
ム及びこれを記録媒体として用いるプリント装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】インスタントフイルムを記録媒体として
使用するカメラやプリンタ等のプリント装置が各種販売
されている。インスタントフイルムとしてはピールアパ
ート方式と、モノシートタイプと呼ばれる一体構造方式
とがある。このうちのモノシートタイプのインスタント
フイルムは、プリント装置から排出されときに現像処理
が完了し、特別な操作をすることなく簡単にプリント写
真が得られること等から一般に広く普及している。
【0003】モノシートタイプのインスタントフイルム
は、感光層及び受像層と、現像処理液を内包した現像処
理液ポッドと、トラップ部と、感光層や受像層を覆い保
護するカバーシートとを基本的な構成要素としている。
【0004】モノシートタイプのインスタントフイルム
用のプリント装置は、インスタントフイルムの露光面か
ら露光を与え、感光層に光化学的に潜像を形成する露光
機構、例えばカメラでは撮影レンズやシャッタなどと、
露光済のインスタントフイルムを機器外部に排出するた
めの排出機構とからなる。排出機構は、排出の際に現像
処理液ポッドを裂開し、感光層の上に現像処理液を展開
する展開ローラを有する。展開ローラを介して排出され
た、インスタントフイルムは、現像処理液が展開される
ことにより、感光層よりポジ画像が受像層に転写され
て、所定時間の経過後に受像層のポジ画像が完成しを表
示面から観察できるようになる。そして、このインスタ
ンフイルム自体がそのままプリント写真として観賞され
たり、各種の用途に用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なモノシートタイプのインスタントフイルムでは、これ
を切断すると、展開された現像処理液が漏れ出してしま
うため、例えば1枚のインスタントフイルムに小サイズ
の複数の画像をマトリクス状に露光しても、画像毎にイ
ンスタントフイルムを切り分けて小サイズの複数のプリ
ント写真とすることはできない。また、インスタントフ
イルムの表示画面のサイズは、使用するプリント装置に
対応したインスタントフイルムの種類毎に決まってい
る。このため、得られるプリント写真のサイズ等のバリ
エーションが乏しいといった問題があった。
【0006】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、切り分けて小サイズのプリント写真を複数得ること
ができるインスタントフイルムと、このインスタントフ
イルムに対応したプリント装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のインスタントフイルムでは、現像処
理液を内包した現像処理液ポッドと、露光面から露光が
与えられる感光層と、展開ローラによって現像処理液が
展開されることによって感光層よりポジ画像が転写さ
れ、このポジ画像を表示面に表示する受像層と、余剰現
像処理液を捕捉するトラップ部とからなる画像形成部を
それぞれ備えた複数個のフイルムピースが平面上に配列
して一体化され、現像処理液の展開完了後にフイルムピ
ース毎に分離可能にしたものである。
【0008】請求項2記載のインスタントフイルムで
は、各フイルムピースは、表示面を画定する開口が形成
され、画像形成部に貼付された外枠シートを備え、前記
各外枠シートを一体に形成することにより各フイルムピ
ースが一体化したものである。また、請求項3記載のイ
ンスタントフイルムでは、フイルムピース毎に分離する
ための切取り線を設けたものである。
【0009】請求項4記載のインスタントフイルムで
は、各フイルムピースの表示面と反対側の面に形成され
た粘着剤層と、この粘着剤層に剥離可能に貼り合わせら
れた剥離シートとを備え、前記フイルムピースを剥離シ
ートから剥離することによりシールとして利用可能にし
たものである。請求項5記載のインスタントフイルムで
は、各フイルムピースの表示面と反対側の面が露光面側
とし、剥離シートの少なくとも前記露光面と対峙する部
分が透明または開口としたものである。
【0010】請求項6記載のインスタントフイルムで
は、各表示面のサイズを同一としたものであり、請求項
7記載のインスタントフイルムでは、表示面のサイズを
2種類以上としたものである。
【0011】請求項8のプリント装置では、上記のイン
スタントフイルムが用いられ、各感光層のそれぞれに対
して1個の画像を露光する露光手段と、露光済みのイン
スタントフイルムを外部に排出する際に、各現像処理液
ポッドを裂開し、前記感光層の上に現像処理液を展開す
る展開ローラとを備えたものである。また、請求項9記
載のプリント装置では、露光手段を、各感光層のそれぞ
れに対して同一の画像を露光するようにしたものであ
り、請求項10記載のプリント装置では、露光手段を、
各感光層のそれぞれに対して異なる画像を露光するよう
にしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を実施したインスタントフ
イルムの露光面側を図2に、表示面側を図3に示す。こ
のインスタントフイルム2は、4個のフイルムピース3
を一体化したものである。各フイルムピース3は、露光
面側に矩形状の小サイズの露光面4が、表示面側には各
露光面4に対面する部分に、露光面4よりも僅かに小さ
い矩形状の表示面5がそれぞれ設けられている。
【0013】後述する各フイルムピース3毎に設けられ
た画像形成部を一体に保持し、また各フイルムピース3
の外枠シートとなる枠部材6には、各フイルムピース3
を区画するように切取り線6aが形成されている。切取
り線6aは、例えばミシン目状に切り込みを入れたもの
であり、インスタントフイルム2をフイルムピース3に
切り分け易くするためのものである。切り分けられた各
フイルムピース3は、小サイズのプリント写真として利
用できる。
【0014】上記インスタントフイルム2の構成を図1
に示す。インスタントフイルム2は、前述の枠部材6
と、フイルムピース3毎に設けられた画像形成部7から
なる。枠部材6は、露光面側枠シート8と、表示面側枠
シート9とからなる。画像形成部7は、透明な露光面側
カバーシート10及び表示面側カバーシート11と、感
光層12と、受像層13と、現像処理液を内包した現像
処理液ポッド14と、トラップ部15等とから構成され
ている。
【0015】露光面側枠シート8には、各露光面4のサ
イズを画定する4個の開口8aが設けられるとともに、
各現像処理液ポッド24及び各トラップ部25を収納す
る膨らみ8b,8cが一体に形成されている。表示面側
枠シート9には、表示面12のサイズを画定する4個の
開口9aが一体に形成されている。
【0016】露光面側カバーシート10は、露光面側枠
シート8の内面側で開口8aの周縁部に接着されて、開
口8aより露呈されている。同様にして、表示面側カバ
ーシート11は、表示面側枠シート9に接着されて、開
口9aより露呈される。表示面側カバーシート11の内
面には、受像層13が形成され、この受像層13の上層
に感光層12が形成されている。なお、図1では説明の
便宜上、表示面側カバーシート9と、感光層12,受像
層13とを分離して描いてある。
【0017】各露光面側カバーシート10を感光層12
に重ねるようにして、露光面側枠シート8が表示面側シ
ート9に重ね合わされて、各枠シート8,9が互いに接
着される。露光面側カバーシート10と感光層12との
間には、一対のスペーサ18が配されている。これらの
スペーサ18は露光面側カバーシート10と、感光層1
2との長手方向(現像処理液ポッド14からトラップ部
15に向かう方向)に沿った縁部に接着されている。こ
のスペーサ18により感光層12と露光面側カバーシー
ト10との間に一定の間隔を確保し、現像処理液が一定
の厚みで展開されるようにしている。
【0018】現像処理液ポッド14は、略袋形状に形成
されており、その内部に現像処理液を収納している。こ
の現像処理液ポッド14は、露光面側カバーシート10
と感光層12とに対面する一対の端部が軟接着されると
ともに、例えば軟接着された端部が露光側カバーシート
20の内面と、表示面側カバーシート21の内面すなわ
ち感光層22とにそれぞれ接着されている。
【0019】これにより、現像処理液ポッド14は、プ
リント装置の展開ローラによって押圧されると軟接着部
分から裂開し、その部分から現像処理液が露光面側カバ
ーシート10と感光層12との間に流れ込む。そして、
露光面側カバーシート10と感光層12との間に、展開
ローラで現像処理液が展開されて現像処理が行われる。
現像処理液は遮光性を有しており、現像処理液が展開さ
れた後には、感光層12は露光面側から遮光される。
【0020】トラップ部15は、展開で余剰となった現
像処理液を吸収する吸収パッドと、この吸収パッドを内
包するパッドカバーとからなる。パッドカバーは、露光
面側カバーシート10と感光層12との一辺に対面する
端部が開放しており、この部分が露光面側カバーシート
10と感光層12の内面にそれぞれ接着されている。こ
れにより、露光面側カバーシート10と感光層12の間
に展開されて余った現像処理液がパッドカバー内部に送
り込まれて吸収パッドに吸収される。
【0021】上記のように構成された各画像形成部7
は、それぞれ各枠シート8,9の間で1個分のフイルム
ピース3のスペースに収められている。また、上記のよ
うにして、スペーサ18,現像処理液ポッド14,トラ
ップ部15をそれぞれ露光面側カバーシート10と感光
層12の内面に接着しておくことで、現像処理液が画像
形成部7の外部に漏れ出ないようにしてある。これによ
り、切取り線6aから枠部材6を切断しても、この切断
部分から現像処理液が漏れ出ないようにしている。な
お、フイルムピース3の構成は、フイルムピース3を切
り分けたときに現像処理液が漏れ出ないようにすれば、
上記に説明したものに限られず他の構成を採用してもよ
い。
【0022】上記インスタントフイルム2を記録媒体と
して用いるプリント装置を内蔵したデジタルスチルカメ
ラの正面側からの外観を図4に示す。また、デジタルス
チルカメラの背面を上にして机等の上に載置した状態を
図5に示す。
【0023】このデジタルスチルカメラは、上記に説明
したインスタントフイルム2を利用することができる
他、インスタントフイルム2と枠部材のサイズが同じに
された、露光面が1個だけ設けられた従来のモノシート
タイプのインスタントフイルムも利用することができ
る。なお、以下の説明では、従来のインスタントフイル
ムを標準タイプのインスタントフイルム、上記に説明し
たインスタントフイルム2をマルチタイプのインスタン
トフイルム2と称し、特に区別する必要がな場合にはイ
ンスタントフイルムと総称する。
【0024】箱状をしたカメラボディ20の前面上方に
撮影レンズ21とストロボ発光窓22とが設けられてい
る。撮影レンズ21の下方にシャッタボタン23が設け
られ、このシャッタボタン23を押すと撮影レンズ21
を通して一回の撮影が行われる。上面には、スリット状
の排出口25が形成され、プリント操作を行ったときに
は、この排出口25から露光済みのインスタントフイル
ムが排出される。排出口25の奥には一対の展開ローラ
が設けられており、露光済みのインスタントフイルムが
一対の展開ローラの間を通って搬送されるときに現像処
理液の展開が行われる。
【0025】インスタントフイルムは、ケースに10枚
程度重ねて収納されたフイルムパックの形態で、カメラ
ボディ20のパック装填室に装填される。カメラボディ
20の前面には、新たなフイルムパックの装填及び空に
なったケースの取り出しのためにパック装填蓋27が開
閉自在に取付けられている。パック装填蓋27は、通常
は閉じ位置にロックされており、ツマミ27aを操作す
ることによって開放される。
【0026】カメラボディ20の側面には、電池装填室
及びメモリスロットの蓋28が開閉自在に設けられてい
る。蓋28を開放することにより、デジタルスチルカメ
ラの電源となる電池の交換、及びメモリスロットへのメ
モリカードの挿脱を行うことができる。このメモリスロ
ットにメモリカードを装着することにより、撮影した被
写体画像をメモリカードに記憶して保存することができ
る。なお、通常は、カメラボディ20に内蔵されたメモ
リに被写体画像に保存される。
【0027】カメラボディ20の背面には、LCD(液
晶)パネル30,操作部31等が設けられている。LC
Dパネル30は、撮影レンズ21を通して撮影される被
写体画像をリアルタイムで表示するいわゆる電子ビュー
ファインダーを構成するとともに、各種メモリから読み
出した画像データの再生等に使用される。操作部31
は、これを操作することにより、各種モード切替え、撮
影モードでの操作や再生,プリント時のコマ選択,プリ
ント指示等を行うことができる。
【0028】図6に、デジタルスチルカメラに内蔵され
たプリント装置と、フイルムパックの外観を示す。フイ
ルムパック33は、前述のようにケース34と、このケ
ース34に収納された10枚程度のインスタントフイル
ムからなる。従来のフイルムパックと同様にケース34
には、露光を行うための開口34a,露光済みのインス
タントフイルムをケース34より押し出すクローを進入
させるための切欠き34b,この切欠き34bと反対側
の端部に設けられ、インスタントフイルムをケース外に
送り出すためのスリット(図示省略)等が設けられてい
る。
【0029】標準タイプのインスタントフイルムは、露
光面を開口34a側に向け、現像処理液ポッド側から排
出される向きでケース34内に収納される。また、マル
チタイプのインスタントフイルム2は、図示されるよう
に各露光面4を開口34a側に向け、現像処理液ポッド
24に近い一端から排出されるようにしてケース34内
に収納される。
【0030】プリント装置は、露光ヘッド35,ヘッド
移動機構36,インスタントフイルムを排出口25から
排出するための排出機構等から構成される。露光ヘッド
35は、その長手方向がインスタントフイルムの排出方
向に対して直交した方向(主走査方向)に沿うように配
されている。
【0031】ヘッド移動機構36は、走査用モータ36
a,この走査用モータ36aで回転されるリードスクリ
ュー36b,リードスクリュー36bの回転によってそ
の軸心に沿った方向(副走査方向)に移動する移動部材
36c等からなる。露光ヘッド35は、その一端の軸が
移動部材36cに固定され、他端の軸が排出方向と平行
に長く設けられたガイド軸37に通されたリング38に
固定されている。これにより走査用モータ36aが回転
すると、露光ヘッド35が排出方向と平行な図中矢線で
示す副走査方向に移動される。
【0032】走査用モータ36aは、正逆両方向に回転
可能であり、正方向に回転した時に、露光ヘッド35
は、図6に示される記録開始位置から排出方向と反対の
向きで副走査方向に移動され、フイルムパック33の切
欠き34b側の記録終了位置まで移動する。この露光ヘ
ッド35の1回の移動中に、標準タイプのインスタント
フイルムでは、1個の露光面に1色の画像が1ラインず
つ露光され、3回の移動により3色面順次で1個のカラ
ー画像が露光される。また、マルチタイプのインスタン
トフイルム2では、各露光面4にそれぞれ1色の画像が
1ラインずつ露光され、3回の移動により3色面順次で
各露光面4のそれぞれにカラー画像が1個ずづ露光され
る。なお、2色目の画像を露光する際に、記録終了位置
から記録開始位置に向けて露光ヘッド35を移動させて
露光すれば、1.5往復で3色分のプリントができプリ
ント時間を短縮することができる。
【0033】展開ローラ40は、3色の露光後にインス
タントフイルムを排出口25から外部に送りだす方向に
回転される。また、3色の露光後には、クロー41が切
欠き34bよりケース43内に進入し、露光済みのイン
スタントフイルムをケース34より押し出す。
【0034】これにより、露光済みのインスタントフイ
ルムは、回転中の展開ローラ40に送り込まれ、この展
開ローラ40の回転で排出口25より排出される。そし
て、標準タイプのインスタントフイルムでは1個の現像
処理液ポッドが、またマルチタイプのインスタントフイ
ルム2では各現像処理液ポッド24が展開ローラ40を
通る間に裂開されて、現像処理液が画像形成部の内部で
展開される。
【0035】上記の展開ローラ40,クロー41等で排
出機構が構成されているが、この排出機構の構成は、例
えば特開平4−194832号公報などに記載されたよ
うに、従来のインスタントカメラに用いられているもの
と同じでよく、その機能も全く同一である。
【0036】露光ヘッド35の断面を図7に示す。露光
ヘッド35の遮光されたケース42内に、その長手方向
に沿って細長い蛍光ランプ44が組み込まれている。蛍
光ランプ44からの照明光には赤色(R),緑色
(G),青色(B)の各色が含まれている。なお、これ
らの色が含まれていれば他の種類の光源を用いることも
可能である。
【0037】蛍光ランプ44からの照明光の光路中に、
カラーフィルタ45が設けられている。カラーフィルタ
45は、蛍光ランプ44の長手方向に沿って長く帯状に
されたR透過フィルタ部,G透過フィルタ部,B透過フ
ィルタ部を3列に並べたものであり、上記3色の各フィ
ルタ部のいずれかひとつが蛍光ランプ44の照明光路内
に位置するようにしてある。そして、フィルタ切替え信
号の入力によってカラーフィルタ45が矢印Y方向に移
動し、フィルタ部の切替えが行われる。
【0038】カラーフィルタ45を透過することによっ
て、蛍光ランプ44からの照明光はR,G,Bのいずれ
か一色のプリント光になる。プリント光は、液晶アレイ
46,ミラー47,セルフォックレンズアレイ48,ミ
ラー49を経て開口42aから射出され、標準タイプあ
るいはマルチタイプのインスタントフイルム2に達す
る。液晶アレイ46は微小な液晶セグメントを蛍光ラン
プ44の長手方向に沿って一列に整列させたもので、液
晶セグメントの一個がプリントを行うときの1画素に対
応している。液晶アレイ46は液晶セグメントごとに濃
淡の制御が可能で、プリント光の遮断及び透過光量の制
御を行う。セルフォックレンズアレイ48は、画素ごと
のプリント光が他の画素位置まで広がることを防止す
る。
【0039】なお、本発明を実施する上では、露光ヘッ
ド35の構成は上記のものに限られない。例えば露光ヘ
ッド35の光源として、R,G,Bの光を出力する3種
類の発光ダイオードを用いてもよい。また、各画素に発
光ダイオードを対応させて、記録すべき画素の濃度に応
じて各発光ダイオードの光量を調節してもよい。さらに
3色のプリント光を同時にインスタントフイルムに照射
して走査して、一回の走査でプリントを行う構成として
もよい。
【0040】上記デジタルスチルカメラの電気的な構成
の概略を図8に示す。システムコントローラ50は、C
PU,ROM,RAM等から構成されており、ROMに
書き込まれたプログラムにしたがって、デジタルスチル
カメラの各部を制御する。
【0041】撮影レンズ21の背後にCCDイメージセ
ンサ51が配置されており、CCDイメージセンサ51
の受光エリアには被写体画像が撮影レンズ21で結像さ
れる。このCCDイメージセンサ51は、CCDドライ
バ52で駆動され、光学的な被写体画像を電気的な撮像
信号に変換して出力する。CCDイメージセンサ51の
電荷蓄積時間は、アンプ53からのフィードバックに基
づき被写体輝度に応じて自動調節される。なお、この例
では、撮影レンズ21のピント合わせが不要なパンフォ
ーカスタイプとなっているが、測距装置を設けてオート
フォーカスとしたり、手動でピント合わせを行うように
してもよい。
【0042】CCDイメージセンサ51の受光面には
R,G,Bの微小なマイクロカラーフィルタがマトリク
ス状に配列され、色ごとにシリアルに出力される撮影信
号はアンプ53で適当なレベルに増幅された後、A/D
変換器54によってデジタル変換されて赤色,緑色、青
色の各画像データとされる。
【0043】データ処理回路55は、画像データに対し
てホワイトバランス調節、ガンマ補正などの各種データ
処理を行う。撮影モード時では、データ処理回路55に
はA/D変換器54からの画像データが入力され、この
データ処理回路55で必要な処理が行われた1画像分の
画像データが次々にLCDドライバ56に送られる。こ
れにより、LCDパネル30には撮影中の被写体画像が
動画として表示されるようになる。
【0044】レリーズボタン23が操作された際には、
その時点におけるデータ処理回路55からの1画像分の
画像データがシステムコントローラ50を介してワーク
メモリ57に書き込まれた後に、フラッシュメモリ58
に書き込まれて保存される。なお、記憶媒体としてメモ
リカードを選択していれば、メモリスロットに装着した
メモリカードに画像を保存することができる。また、同
時プリントモードを選択している場合には、書き込み完
了後にワークメモリ57から画像データが読み出されて
インスタントフイルムへのプリントが行われる。なお、
マルチタイプのインスタントフイルム2を用いている場
合には、画像処理回路60によるマトリクス化処理が行
われてからプリントが行われる。
【0045】再生モード時には、フラッシュメモリ58
またはメモリカードから読み出された1画像分の画像デ
ータがワークメモリ57に書き込まれる。そして、この
ワークメモリ57からシステムコントローラ50,デー
タ処理回路55を介してLCDドライバ56に画像デー
タが送られる。これにより、LCDパネル30にはフラ
ッシュメモリ58またはメモリカードに保存されている
画像が静止画として表示される。
【0046】この再生モードでLCDパネル30に表示
される画像を観察して、画像を選択することによって、
選択した画像をプリントすることができる。マルチタイ
プのインスタントフイルム2を用いているときで、再生
モード下からプリントを行う場合には、1個の画像を選
択して、この1個の画像を各露光面4に露光するシング
ル画像モードと、複数個の画像を選択し、これらの各画
像を各露光面4に1つずつ露光するマルチ画像モードと
を選択できる。選択された1個または複数個の画像の画
像データは、ワークメモリ57に書き込まれ、この画像
データに基づいてプリント処理が行われる。
【0047】画像処理回路60は、シングル画像モー
ド,マルチ画像モード時にワークメモリ57に書き込ま
れている画像データを用いてマトリクス化処理を行う。
マトリクス化処理は、1枚のマルチタイプのインスタン
トフイルム2に設けられた4個の小サイズの露光面4の
それぞれに画像を露光するための処理である。プリント
すべき画像として1個の画像を選択するシングル画像モ
ードでは、この画像を露光面4のサイズとなるように縮
小し、さらにこの縮小された画像が各露光面4のそれぞ
れに露光されるようにマトリクス状に配置した画像デー
タを作成する。また、プリントすべき画像として4個の
画像を選択するマルチ画像モードでは、各画像を縮小
し、この縮小された4個の画像をマトリクス状に配置し
た画像データを作成する。マトリクス化処理によって作
成された画像データは、ワークメモリ57に書き込まれ
る。
【0048】フラッシュメモリ58は、データ処理回路
55から得られた画像データを1画像分ごとに記憶し、
例えば50画像分の画像データを記憶できる記憶容量を
もつ。周知のようにフラッシュメモリ58は、記憶保持
のための電源が不要であるため、電池を電池装填室から
抜いても画像データが消去されることはない。
【0049】EEPROM61には、電子スチルカメラ
を所定のシーケンスにしたがって作動させたときに、シ
ステムコントローラ50によって参照される各種の調整
データが予め格納されている。調整データは、例えばプ
リントを行うときの色ごとの補正データなどがあり、電
子スチルカメラの組み立て完了後の検査工程で一台ごと
に調べられて書き込まれる。
【0050】キー操作入力部62は、レリーズボタン2
3,操作部31等から構成されており、I/Oポート6
3を介してシステムコントローラ50に接続されてい
る。システムコントローラ50は、I/Oポート63か
らの信号を監視し、入力信号に応じた処理を行う。外部
接続端子群64は、メモリカードを装着するメモリスロ
ットや外部のコンピュータと接続するためのコネクタ等
からなり、I/Oポート63を介してメモリカードやコ
ンピュータとの間でデータの入出力を行うことができ
る。
【0051】プリント装置は、前述の露光ヘッド35,
走査用モータ36a等の他に、ラインメモリ66,ヘッ
ドドライバ67,モータドライバ68,排出用モータ6
9等を有する。プリント時には、ワークメモリ57から
記録すべき色の画像データが1ラインずつ読み出されて
ラインメモリ66に書き込まれる。ヘッドドライバ67
は、システムコントローラ50の指令により、ラインメ
モリ66の画像データに基づいて露光ヘッド35を駆動
する。ヘッドドライバ66は、画像データに基づいて、
液晶アレイ46を構成している液晶セグメントの個々の
透過率の制御することで、画像データに応じた光量のプ
リント光をインスタントフイルムに照射する。
【0052】モータドライバ68は、走査用モータ36
aと排出用モータ69とを駆動する。走査用モータ36
aは、回転することによって前述のように露光ヘッド3
5を副走査方向に移動させる。走査用モータ36aの回
転量、すなわち露光ヘッド35の移動量は、露光ヘッド
35が1ラインを記録する毎に1ライン分の幅だけ副走
査方向に移動されるように調節されている。
【0053】排出用モータ69は、排出機構を駆動する
ためのものであり、これが回転することによって展開ロ
ーラ40が回転するとともに、クロー41がフイルムパ
ック33のケース34内に進入するように往復動され
る。なお、クロー41は、露光完了毎に1回だけ往復動
される。
【0054】次に上記構成の作用について説明する。操
作部31を操作して、メインスイッチをONとし、また
撮影モードまたは再生モードを選択する。メインスイッ
チをONとすると、システムコントローラ50によっ
て、撮影モードであるか再生モードであるかのモード確
認が行われ、いずれかのモードとなる。なお、どちらの
モードとなった後でも操作部31を操作すれば、再生モ
ードから撮影モード、あるいは撮影モードから再生モー
ドに随時切り換えることができる。撮影モードを選択し
た場合には、必要に応じて同時プリントモードを選択す
る。
【0055】また、プリントを行う場合には、標準タイ
プのインスタントフイルムまたはマルチタイプのインス
タントフイルム2を収納したフイルムパック33をカメ
ラボディ20内に装填しておく。フイルムパック33を
装填した後に、パック装填蓋27を閉じると、排出機構
が作動されてフイルムパックの最上層に予め収納されて
いる遮光紙が排出口25より排出される。また、操作部
31を操作して、装填したインスタントフイルムのタイ
プに応じて、標準タイプまたはマルチタイプのいずれか
をフイルムタイプとして設定する。なお、この設定を手
動で行う代わりに、例えば各タイプでケースの一部の形
状を代えたり、バーコードを設ける等して、これをデジ
タルスチルカメラ側で検出し、自動的に設定を行うよう
にしてもよい。
【0056】撮影モード下では、これまでのデジタルス
チルカメラと同様、CCDイメージセンサ51が撮影し
た被写体画像の画像データが連続的にデータ処理回路5
5に送られ、処理済みの画像データがLCDドライバ5
6に送られる。これにより、撮影中の被写体画像が動画
としてLCDパネル30に表示される。
【0057】撮影者は、LCDパネル30を観察しなが
らフレーミングを決定し、レリーズボタン23を押圧す
る。すると、その時点でLCDパネル30に表示されて
いた被写体画像の画像データがいったんワークメモリ5
7に書き込まれてからフラッシュメモリ58に書き込ま
れる。もちろん、保存先としてメモリカードを選択して
いれば、このメモリカードに画像データが保存される。
また、撮影モード下で同時プリントモードを選択してい
る場合には、フラッシュメモリ58に画像データが書き
込まれた後に、フイルムタイプが確認される。
【0058】例えば、マルチタイプのインスタントフイ
ルム2を装填して、フイルムタイプとしてマルチタイプ
を設定している場合には、自動的にシングル画像モード
となり、撮影した被写体画像の画像データに対して、マ
トリクス化処理が画像処理回路60によって行われる。
画像処理回路60は、ワークメモリ57に書き込まれて
いる画像データを用いて画像の縮小処理を行い、さらに
マルチタイプのインスタントフイルム2の各露光面4の
配列に対応させて、縮小された画像を4個マトリクス状
に並べた1画像分の画像データを作成する。作成された
画像データは、ワークメモリ57に書き込まれる。マト
リクス化処理が完了すると、システムコントローラ50
は、マトリクス化処理で作成された画像データを用いて
プリント処理を行う。
【0059】また、フイルムタイプとして標準タイプを
設定している場合には、マトリクス化処理が行われず
に、撮影により得られる1画像分の画像データを用いて
プリント処理が行われる。
【0060】再生モード下では、操作部31の操作によ
り、フラッシュメモリ58またはメモリカードに記憶さ
れている画像の中から任意の画像を選択すれば、その画
像データがワークメモリ57に書き込まれる。そして、
このワークメモリ57から読み出された画像データがデ
ータ処理回路55を介してLCDドライバ56に供給さ
れ、LCDパネル30に画像表示が行われる。
【0061】再生モードから画像をプリントする場合に
は、例えばマルチタイプのインスタントフイルム2を装
填しているときには、まず、操作部31を操作してシン
グル画像モードまたはマルチ画像モードのいずれかを選
択する。例えばシングル画像モードを選択した場合に
は、上記のようにして所望とする画像をLCDパネル3
0に表示した状態で操作部31を操作してプリントを指
示する。すると、上記同時プリントモードの場合と同様
に、選択された画像に対してマトリクス化処理が画像処
理回路60によって行われ、選択した画像が縮小され、
さらにこの縮小された画像をマトリクス状に4個並べた
1画像分の画像データが作成され、これがワークメモリ
57に書き込まれる。そして、この後プリント処理が行
われる。
【0062】また、マルチ画像モードを選択した場合に
は、LCDパネル30に表示される画像を観察しなが
ら、操作部31を操作し、プリントすべき画像を4個に
選択する。選択された4個分の各画像データは、ワーク
メモリ57にそれぞれ書き込まれる。各画像の選択後
に、操作部31を操作してプリントを指示すると、画像
処理回路60によりマトリクス化処理が行われた後に、
プリント処理が行われる。このときに、画像処理回路6
0は、選択された各画像を縮小し、縮小された4個の画
像をマルチタイプのインスタントフイルム2の各露光面
11の配列に対応させて、マトリクス状に並べた1画像
分の画像データを作成し、これをワークメモリ57に書
き込む。
【0063】なお、フイルムタイプとして標準タイプを
設定しているときには、再生モード下で所望とする画像
をLCDパネル30に表示した状態でプリントを指示す
ることにより、この画像の画像データがワークメモリ5
7から読み出されてプリント処理が行われる。
【0064】プリント処理では、システムコントローラ
50は、ワークメモリ57にアクセスして画像データを
1ライン分ずつ順次に読み出して、ラインメモリ66に
転送する。このときに、前述のようにフイルムタイプと
して標準タイプが設定されているときには、マトリクス
化処理されていない画像データがワークメモリ57から
読み出されるが、マルチタイプが設定されているときに
はマトリクス化処理で作成された画像データがワークメ
モリ57から読み出される。
【0065】システムコントローラ50は、最初にワー
クメモリ57から第1ラインの赤色画像データを1ライ
ン分読み出し、これをラインメモリ66に転送する。こ
れにより、ラインメモリ66には第1ラインの赤色濃度
に対応した赤色画像データが書き込まれる。次に、シス
テムコントローラ50は、カラーフィルタ45のR透過
フィルタ部がプリント光路内に挿入されていること、ま
た液晶アレイ46の各液晶セグメントが遮光状態である
ことを確認した上で、蛍光ランプ44を点灯させる。
【0066】図示せぬフォトセンサなどにより、露光ヘ
ッド35が記録開始位置にあることがシステムコントロ
ーラ50によって確認されると、ラインメモリ66に格
納された第1ラインの赤色画像データがヘッドドライバ
67によって読み出される。そして、このヘッドドライ
バ67によって、各々の液晶セグメントの透過濃度が遮
光状態から赤色画像データに応じた透過濃度に一斉に切
替えられ、一定時間の後に再び遮光状態に戻される。カ
ラーフィルタ45のR透過フィルタ部を透過した赤色の
プリント光がそれぞれの液晶セグメントを透過すること
により、赤色のプリント光は液晶セグメントの透過濃度
に応じた光量となってインスタントフイルムに赤色の露
光を与える。
【0067】赤色のプリント光による第1ラインの露光
中には、第1ラインと同様にしてラインメモリ66に第
2ラインの赤色画像データが書き込まれる。第1ライン
の赤色のプリント光による露光が完了すると、走査用モ
ータ36aが一定角度回転して露光ヘッド35を次ライ
ン位置に移動させる。続いてラインメモリ66から第2
ラインの赤色画像データがヘッドドライバ67に転送さ
れ、同様にして第2ラインの赤色のプリント光による露
光が行われる。引き続き、露光ヘッド35を記録終了位
置に向けてステップ送りしながら1ラインづつ赤色のプ
リント光による露光を最終ラインまで行う。
【0068】赤色の最終ラインの露光が終わると、走査
用モータ36aが逆転され、露光ヘッド35が記録開始
位置に戻される。また、システムコントローラ50は、
ヘッドドライバ67にフィルタ切り替え信号を送る。こ
れによりカラーフィルタ45がスライド移動され、プリ
ント光路内にG透過フィルタ部が位置決めされる。シス
テムコントローラ50は、ワークメモリ57にアクセス
して、第1ラインの緑色画像データを順次に読み出して
ラインメモリ66に転送する。
【0069】以後、同様にして、緑色のプリント光によ
る露光が第1ラインから最終ラインに向かって行われ
る。緑色のプリント光による露光が終了した後は、B透
過フィルタ部がプリント光路内に挿入され、またワーク
メモリ57からは青色画像データが1ライン分ずつ読み
出されてラインメモリ66を介してヘッドドライバ67
に送られる。これにより、青色のプリント光による露光
が行われる。こうして3色の各プリント光による露光が
完了すると、露光ヘッド35は、記録開始位置に移動さ
れる。この後、排出処理が行われる。
【0070】排出処理では、露光ヘッド35が記録開始
位置に移動した後、システムコントローラ50からの信
号により排出用モータ69が駆動を開始する。これによ
り、クロー41が切欠き34bからケース34内に進入
して露光ヘッド35による露光済みのインスタントフイ
ルムをケース34から押し出す。
【0071】クロー41で押し出されたインスタントフ
イルムの一端が一対の展開ローラ40の間に入り込み、
以後は展開ローラ40の回転によってインスタントフイ
ルムが排出方向に搬送されて排出口25から排出され
る。クロー41は、その移動ストロークの終端まで移動
すると元の位置に戻って停止する。
【0072】マルチタイプのインスタントフイルム2の
場合では、このインスタントフイルム2が展開ローラ4
0を通過する際に、排出方向における先端側の2個のフ
イルムピース3に設けられた各現像処理液ポッド14が
展開ローラ40によって最初に裂開され、これらフイル
ムピース3の露光面側カバーシート10と感光層12と
の間に現像処理液の展開が行われる。そして、この展開
で余った現像処理液は各トラップ部15の吸収パッドに
吸収される。さらに搬送が進むと、後端側の各フイルム
ピース3に設けられた各現像処理液ポッド14が裂開さ
れ、これらフイルムピース3に対して現像処理液の展開
が行われて、余った現像処理液は各トラップ部15に吸
収される。
【0073】このようにして、マルチタイプのインスタ
ントフイルム2をカメラボディ2の上面の排出口25か
ら排出する際に、各フイルムピース3に対してそれぞれ
現像処理が行われる。そして、感光層12よりポジ画像
が各受像層13に転写され、排出完了後、1分〜数分経
過すると表示面5に画像が現れる。
【0074】マルチタイプのインスタントフイルム2で
は、マトリクス化処理によって作成された画像データを
用いて露光を行っているので、各露光面4に縮小された
画像がそれぞれ露光されている。結果として、4個の表
示面5に縮小された画像がそれぞれ現れる。このとき
に、同時プリントモードによってプリントが行われた場
合には、各表示面12に現れる画像は撮影された被写体
画像であり、再生モード下でのシングル画像モードでは
選択した画像となり、いずれも各表示面5の画像は同じ
になる。また、マルチ画像モードでは、選択した4個の
画像が1個の表示面5に1個ずつ現れる。
【0075】また、標準タイプのインスタントフイルム
の場合では、従来と同様に、排出方向における先端側に
配された1個現像処理液ポッドが裂開され、現像処理液
が感光層と露光面側カバーシートとの間に展開される。
そして、この展開で余った現像処理液は後端側に配され
た1個のトラップ部内に吸収される。撮影または選択し
た画像が感光層よりポジ画像として受像層に転写され
る。結果として、インスタントフイルム上の1個の表示
面に1個の画像が現れる。
【0076】画像が現れた標準タイプのインスタントフ
イルムは、それ自体を1枚のプリント写真として利用す
ることになる。一方、マルチタイプのインスタントフイ
ルム2は、図9に示すように、切取り線6aに沿って枠
部材6を切断すれば、それぞれ画像形成部7と枠部材6
の一部であった外枠シート70とからなる4枚のフイル
ムピース3に1枚のインスタントフイルム2を切り分け
て、各フイルムピース3のそれぞれをプリント写真とし
て利用できる。
【0077】各フイルムピース3は、画像形成部7がそ
れぞれ独立して設けられており、また現像処理液が画像
形成部7から漏れ出ないようにしてあるため、インスタ
ントフイルム2をフイルムピース3に切り分けても、切
断部分から現像処理液が漏れ出ることはない。
【0078】図10は、上記に説明したマルチタイプの
インスタントフイルムを使用するプリント装置としての
インスタントカメラの例を示すものである。なお、イン
スタントフイルムについては、上記実施形態とその構成
が同じであるので、同じ符号を付して説明を省略する。
【0079】図10に示されるように、カメラボディ8
0の前面には、4個の撮影レンズ81がマトリクス状に
配列して設けらている。また前面には、ストロボ発光部
82,レリーズボタン83,ファインダ84が設けられ
ている。上面には、インスタントフイルム2の排出口8
5が設けられている。各撮影レンズ81は、撮影範囲が
同じになるように光軸が調整され、ファインダ84は、
その視野範囲が各撮影レンズ81の撮影範囲と一致する
ようになっている。レリーズボタン83を押圧すること
により、各撮影レンズ81を用いて同時に撮影が行われ
る。
【0080】図11に、上記インスタントカメラの構成
を概略的に示す。カメラボディ80内には、4個の撮影
レンズ81を含むシャタユニット86と、暗箱87と、
展開ローラ88,クロー部材89,これらを駆動する排
出用モータ等からなる排出機構とが内蔵されている。マ
ルチタイプのインスタントフイルム2を収納したフイル
ムパック33は、カメラボディ80の背面側より、暗箱
87の背面にインスタントフイルム2の各露光面4を対
面させた姿勢で装填される。
【0081】露光手段としてのシャッタユニット86
は、各撮影レンズ81のそれぞれに対応した絞りとシャ
ッタ機構とを内蔵している。このシャッタ機構は、例え
ば排出機構の作動時に排出用モータの回転によってシャ
ッタチャージされ、レリーズボタン83の押圧操作に連
動して駆動ボタン86aが押圧されることにより作動
し、各撮影レンズ81からの各光路状に設けられたシャ
ッタ羽根を一斉に開閉する。
【0082】暗箱87は、その前面には、各撮影レンズ
81と対峙する位置にそれぞれ開口87aが形成されて
いる。また、暗箱87は、その内部が撮影レンズ81の
光軸方向に沿って十字形に仕切られており、背面に矩形
のアパーチャ87bが4個形成されている。各アパーチ
ャ87bは、インスタントフイルム2の各露光面4とほ
ぼ同じサイズになっており、それぞれが装填されたイン
スタントフイルム2の露光面4と対面する。
【0083】排出機構は、各シャッタ羽根の開閉完了後
に作動して、露光済のインスタントフイルム2を排出口
85より排出する。その動作は上記実施形態と同様であ
る。
【0084】上記のインスタントカメラによれば、レリ
ーズボタン83を押圧操作すると、シャッタユニット8
6の各シャッタ羽根が一斉に開閉し、これらシャッタ羽
根が開いている間に各撮影レンズ81を透過した撮影光
は、各開口87aから暗箱87に入射する。そして、入
射した撮影光は、各アパーチャ87bを通してインスタ
ントフイルム2の各露光面4に達する。これにより、1
個の撮影レンズ81で1個の露光面4に露光が行われ、
1回のレリーズ操作で4個の露光面4のそれぞれに対し
て露光が行われる。
【0085】露光が完了すると、排出機構が作動して露
光済のインスタントフイルム2が排出口85より排出さ
れる。そして、この排出時に展開ローラ88によって各
現像処理液ポッド14が裂開され、各画像形成部7に対
して現像処理液の展開が行われる。排出完了後、1分〜
数分経過すると表示面5に同じ画像が現れる。
【0086】なお、この例では、各撮影レンズに設けら
れた各シャッタ羽根を一斉に開閉しているが、1回のレ
リーズ操作で1個のシャッタ羽根を開閉して1個の露光
面に露光を与え、4回のレリーズ操作を行った後に1枚
のインスタントフイルムが排出されるようにしてもよ
い。
【0087】上記各実施形態では、フイルムピースを4
個としたインスタントフイルムの例について説明した
が、フイルムピースの個数はこれに限定されるものでは
ない。また、表示面及び露光面の形状,サイズ,配置に
ついても、上記に説明したものに限定されない。また、
最初の実施形態のように電気的に画像処理を行って、各
露光面に露光を与えるようにした場合には、表示面及び
露光面の形状,サイズ,配置の異なる各種のインスタン
トフイルムを利用可能である。さらに、上記各実施形態
では、露光面の反対側の表示面にポジ像が現れるように
画像形成部を構成したが、露光面と表示面とが同一面と
なるように画像形成部を構成してもよい。
【0088】図12ないし図15は、フイルムピースの
個数、表示面の形状が異なるインスタントフイルムの例
を示すものであり、いずれも表示面から見た状態を描い
てある。図12のインスタントフイルム91は、長手方
向に沿って2分割するように2個のフイルムピース91
aを一体に形成し、各表示面91bを縦長にしたもので
あり、図13のインスタントフイルム92は、幅方向に
沿って2分割するように各フイルムピース92a形成
し、表示面92bを横長にしたものである。また、図1
4のインスタントフイルム93は、1個の大サイズのフ
イルムピース94と、2個の小サイズのフイルムピース
95とから構成したものであり、大サイズのフイルムピ
ース94には大サイズの表示面94aが、小サイズのフ
イルムピース95には小サイズの表示面95aが設けら
れている。
【0089】さらに、図15のインスタントフイルム9
6は、表示面側枠シートの開口をハート型にすることに
よって、各フイルムピース96aの表示面96bをハー
ト型にしたものである。なお、このように表示面96b
をハート型にした場合には、枠部材の表示面側の開口を
ハート型にするだけでよく、露光面や画像形成部の感光
層,受像層,カバーシートの形状までをハート型にする
必要はない。
【0090】図16に示す例は、フイルムピースをシー
ルとして利用できるようにしたものである。このインス
タントフイルム97では、最初の実施形態と同様に複数
の画像形成部7を一体に保持した枠部材6の表示面と反
対側の表面、すなわち露光面側の表面に粘着剤層98が
形成されるとともに、この粘着剤層98に剥離シート9
9が貼り付けられている。剥離シート99は、枠部材6
の露光面側枠シートとほぼ同形状にされており、各露光
面4と対峙する部分に開口99aが設けらており、これ
らの開口99aを通して各露光面4に露光が与えられ
る。露光、現像処理の完了後に、枠部材6に形成された
切取り線6で、インスタントフイルム97をフイルムピ
ース3に切断して剥離シート99から剥がせば、各フイ
ルムピース3をシールとして利用できる。
【0091】なお、この場合には、現像処理液ポッド,
トラップ部を収納する枠部材の膨らみを表示面側に形成
する等して、露光面側が平面となるようにするのがよ
い。また、剥離シート99を透明なものを用い、露光面
4の部分までを覆うようにしてもよく、この場合に露光
面4の表面に透明な粘着剤層を形成してもよい。もちろ
ん、剥離シート99の露光面に対峙する部分だけを透明
してもよい。さらに、露光面と表示面とが同一面となる
ように画像形成部した場合には、粘着剤層は、露光面及
び表示面が同一であるから、これらの面の反対側に粘着
剤層を設ければよい。
【0092】上記各実施形態では、各フイルムピースの
外枠シートとなる枠部材によって各画像形成部を一体化
しているが、フイルムピース毎に外枠シートを別々に設
け、独立した各フイルムピースをシート状の支持部材に
剥離可能に貼り付ける等して1枚のインスタントフイル
ムとしたり、複数のフイルムピースからなるインスタン
トフイルムをシート状の支持部材に剥離可能に貼り付け
ておき、フイルムピース毎に枠部材だけを予め切り分け
ておくようにしてもよい。
【0093】例えば、上記のようにフイルムピースをシ
ールとして利用するインスタントフイルムでは、枠部材
に予め切れ込みを入れたり、別々に作成した複数のフイ
ルムピースを剥離シートに貼り合わせても、剥離シート
によって各フイルムピースが一体化されているので、こ
れを1枚のインスタントフイルムとすることができる。
また、シート状の支持部材に粘着剤層を形成し、露光面
あるいは表示面側に剥離シートと同様な加工処理を施し
た外枠フレームをそれそれ有するフイルムピースを剥離
可能に貼り合わせる構成とすれば、支持部材から剥がす
だけでフイルムピースを分離することができる。
【0094】最初の実施形態では、デジタルスチルカメ
ラに本発明のプリント装置を内蔵した例について説明し
たが、デジタルスチルカメラからインスタントフイルム
を露光するための機能、展開ローラ等からなる排出機構
を取り出して、インスタントフイルムを記録媒体とする
独立したプリント装置とすることができるのはいうまで
もない。
【0095】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
現像処理液を内包した現像処理液ポッドと、露光面から
露光が与えられる感光層と、展開ローラによって現像処
理液が展開されることによって感光層よりポジ画像が転
写され、このポジ画像を表示面に表示する受像層と、余
剰現像処理液を捕捉するトラップ部とからなる画像形成
部を備えたフイルムピースを平面上に配列して一体化し
たから、それぞれのフイルムピースに対して露光を行う
ことにより、複数の画像を1枚のインスタントフイルム
にプリントでき、それぞれの画像を切り分けて、小サイ
ズのプリント写真として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインスタントフイルムを分解して示す
分解斜視図である。
【図2】インスタントフイルムの露光面側を示す斜視図
である。
【図3】インスタントフイルムの表示面側を示す斜視図
である。
【図4】本発明のインスタントフイルムを記録媒体とし
て利用するプリント装置を内蔵したデジタルスチルカメ
ラの正面側の外観を示す斜視図である。
【図5】デジタルスチルカメラの背面側の外観を示す斜
視図である。
【図6】デジタルスチルカメラに内蔵したプリント装置
の概略を示す斜視図である。
【図7】露光ヘッドの内部構造の概略を示す断面図であ
る。
【図8】電子スチルカメラの電気的構成を示すブロック
図である。
【図9】インスタントフイルムをフイルムピースに切り
分けた状態を示す説明図であう。
【図10】本発明のインスタントフイルムを利用するイ
ンスタントカメラを示す斜視図である。
【図11】図10のインスタントカメラの構成の構成を
示す斜視図である。
【図12】インスタントフイルムの表示面を縦長にした
例を示す斜視図である。
【図13】インスタントフイルムの表示面を横長にした
例を示す斜視図である。
【図14】インスタントフイルムの表示面のサイズを大
小2種類にした例を示す斜視図である。
【図15】インスタントフイルムの表示面の形状をハー
ト型にした例を示す斜視図である。
【図16】各フイルムピースをシールとして利用可能に
した例を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 インスタントフイルム 4 露光面 5 表示面 6 外枠シート 6a 切取り線 7 画像形成部 12 感光層 13 受像層 14 現像処理液ポッド 15 トラップ部 20 カメラボディ 358 露光ヘッド 40,88 展開ローラ 81 撮影レンズ 86 シャッタユニット

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像処理液を内包した現像処理液ポッド
    と、露光面から露光が与えられる感光層と、展開ローラ
    によって現像処理液が展開されることによって感光層よ
    りポジ画像が転写され、このポジ画像を表示面に表示す
    る受像層と、余剰現像処理液を捕捉するトラップ部とか
    らなる画像形成部をそれぞれ備えた複数個のフイルムピ
    ースが平面上に配列して一体化され、現像処理液の展開
    完了後にフイルムピース毎に分離可能にしたことを特徴
    とするインスタントフイルム。
  2. 【請求項2】 前記各フイルムピースは、前記表示面を
    画定する開口が形成され、画像形成部に貼付された外枠
    シートを備え、前記各外枠シートを一体に形成すること
    により各フイルムピースが一体化されていることを特徴
    とする請求項1記載のインスタントフイルム。
  3. 【請求項3】 前記外枠シートにフイルムピース毎に分
    離するための切取り線を設けたこと特徴とする請求項2
    記載のインスタントフイルム。
  4. 【請求項4】 前記各フイルムピースの表示面と反対側
    の面に形成された粘着剤層と、この粘着剤層に剥離可能
    に貼り合わせられた剥離シートとを備え、前記フイルム
    ピースを剥離シートから剥離することによりシールとし
    て利用可能にしたことを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれか1項に記載のインスタントフイルム。
  5. 【請求項5】 前記各フイルムピースの表示面と反対側
    の面が露光面側であり、前記剥離シートは、少なくとも
    前記露光面と対峙する部分が透明または開口となってい
    ることを特徴とする請求項4記載のインスタントフイル
    ム。
  6. 【請求項6】 前記各表示面のサイズが同一であること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の
    インスタントフイルム。
  7. 【請求項7】 前記表示面のサイズが2種類以上とされ
    ていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1
    項に記載のインスタントフイルム。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項8のいずれか1項
    に記載のインスタントフイルムが用いられ、前記各感光
    層のそれぞれに対して1個の画像を露光する露光手段
    と、露光済みのインスタントフイルムを外部に排出する
    際に、前記各現像処理液ポッドを裂開し、前記感光層の
    上に現像処理液を展開する展開ローラとを備えたことを
    特徴とするプリント装置。
  9. 【請求項9】 前記露光手段は、前記各感光層のそれぞ
    れに対して同一の画像を露光すること特徴とする請求項
    9記載のプリント装置。
  10. 【請求項10】 前記露光手段は、前記各感光層のそれ
    ぞれに対して異なる画像を露光すること特徴とする請求
    項9記載のプリント装置。
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