JP2001027726A - テレセントリック光学系 - Google Patents

テレセントリック光学系

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JP2001027726A JP2000135581A JP2000135581A JP2001027726A JP 2001027726 A JP2001027726 A JP 2001027726A JP 2000135581 A JP2000135581 A JP 2000135581A JP 2000135581 A JP2000135581 A JP 2000135581A JP 2001027726 A JP2001027726 A JP 2001027726A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共役距離が変化しても両テレセントリック性
を常に保ったまま合焦を行うことが可能なテレセントリ
ック光学系を提供する。 【解決手段】 物体側・像側共にテレセントリックであ
り、固定レンズ群(GrF),移動レンズ群(GrR)が共にアフ
ォーカル光学系から成る。固定レンズ群(GrF)が正の第
1群(Gr1)と正の第2群(Gr2)から成り、第1群(Gr1)の
後ろ側焦点位置に開口絞り(SP)を有する。移動レンズ群
(GrR)が負の第3群(Gr3)と正の第4群(Gr4)から成ると
ともに条件式:f3≠−f4(f3,f4:第3群(Gr
3),第4群(Gr4)の焦点距離)を満足し、テレセントリッ
クな状態を保持したまま異なる物体距離に対する合焦を
行うために移動可能なフォーカスレンズ群である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はテレセントリック光
学系に関するものであり、例えば、ワーキングディスタ
ンス(物体から最も物体側のレンズまでの距離)やレンズ
バック(最も像面側のレンズから像面までの距離)が変化
しても、倍率が一定であることが必要な投影光学系(例
えば形状寸法測定機用の対物レンズ等)として用いられ
るテレセントリック光学系と、それを用いた3次元形状
測定機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】3次元形状計測に用いられる方式の一つ
として、共焦点検出方式が知られている。共焦点検出方
式には、ピンホール方式とスリット方式がある。ピンホ
ール方式には、物体を照明するための光を射出する照明
用ピンホールと、物体からの反射光を検出用センサーに
導く検出用ピンホールと、が用いられる。照明用ピンホ
ールから射出した照明光はビームスプリッターと光学系
を通過して物体を照明し、物体からの反射光は光学系を
通過した後、ビームスプリッターで反射されて検出用ピ
ンホールに入射する。照明用ピンホールと検出用ピンホ
ールは共役な位置(すなわち、対物光学系について光学
的に等価な位置)に配置されており、これらのピンホー
ルが共に物体に対して共役な位置(合焦位置)にあると
き、検出用ピンホールを通過する光量が最大となる。こ
の状態からワーキングディスタンスが変化すれば、検出
用ピンホールを通過する光量は著しく減少することにな
る。したがって、光軸に平行な方向の物体寸法(高さ)を
精度良く検出することができる。
【0003】しかし、上記ピンホール方式では一度に1
点の高さ情報しか得られないため、実際に物体の3次元
形状を測定するには、1点ごとに各ピンホールと物体と
が共役な位置関係になる状態を検出し、各高さ情報を得
ながら光学系又は物体を光軸に垂直な面内で2次元的に
走査しなければならない。この問題を解決したのがスリ
ット方式である。スリット方式の走査は1次元的である
ため、この方式を採用すれば物体高さの測定精度を満足
しながら走査機構を減らし、一度に多点の高さ情報を得
ることができる。しかし、スリット方式を実現するため
には、スリットの長さを投影するのに十分な像高の範囲
において、常に物体側・像側共にテレセントリックで、
かつ、要求仕様を満足する光学系が必要である。
【0004】また共焦点検出方式には、光軸に平行な方
向の物体寸法を検出するために、測定する物体(測定対
象物)を光軸方向に移動させる走査方式、あるいは光学
系を光軸方向に移動させる走査方式が一般に採用されて
いる。前者の走査方式の場合、測定対象物の大きさ・重
さにより走査システムへの負荷が大きくなるため、測定
対象物が制限される。また、精密な測定を行うために
は、測定対象物をしっかり固定しておかなければならな
いという問題もある。
【0005】一方、後者の走査方式の場合、像高をもっ
た位置において共役距離(物体から像までの距離)が変化
しても、常に同じ倍率で物体像を像面に投影する必要が
ある。このためには、共役距離が変化しても物体側・像
側の両方でテレセントリック性を常に保つ光学系が必要
となる。このような両テレセントリック光学系の全体を
光軸方向に移動させながら合焦状態を検出する方式を採
用した場合、移動部材が大きくなって走査機構への負担
も大きくなる。したがって、装置を構成する上では、移
動レンズ群が少なく、かつ、できるだけ軽量であること
が要求される。
【0006】共役距離が変化しても一部のレンズの移動
により物体側・像側の両テレセントリック性を常に保つ
光学系が、特公平2−51165号公報で提案されてい
る。この光学系は、複数のレンズ群から成るアフォーカ
ル系と、その両側にそれぞれ同軸に配置された2つの正
レンズ群と、で構成されている。そして、一方の正レン
ズ群とアフォーカル系とがそれぞれ独立に移動可能に構
成されており、共役距離が変化した場合、正レンズ群と
アフォーカル系とを所定の関係で移動させることによ
り、ワーキングディスタンス及びレンズバックを常に一
定に保ちながら、2組の共役関係を維持する構成となっ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特公平2−51165
号公報で提案されている光学系では、一方の正レンズ群
とアフォーカル系との2つのレンズ群を移動させる必要
がある。2つのレンズ群を移動させるためには、2組の
駆動系を用い各々を独立して移動させる方法と、2つの
レンズ群をカム等で連動させて1つの駆動系で移動させ
る方法と、が考えられる。しかし、いずれの方法を採用
しても装置の複雑化を招くため、上記光学系は高速・高
精度で繰り返し共役距離を変化させるような用途には向
いていない。またこの光学系は、両テレセントリック性
を保つために、ワーキングディスタンスとレンズバック
を常に一定に保ちながら光学系全長を変化させる構成と
なっているため、ワーキングディスタンスやレンズバッ
クを変化させるようなシステムには使用することができ
ない。
【0008】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的は、共役距離が変化しても、一つの小
さなレンズ群の移動により、物体側・像側の両テレセン
トリック性を常に保ったまま合焦を行うことが可能なテ
レセントリック光学系と、それを用いた3次元形状測定
機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明のテレセントリック光学系は、物体側よ
り順に、アフォーカル光学系から成る固定レンズ群と、
アフォーカル光学系から成る移動レンズ群と、で構成さ
れた物体側・像側共にテレセントリックな光学系であっ
て、前記固定レンズ群が、正のパワーを有する第1群
と、正のパワーを有する第2群と、から成るとともに前
記第1群の後ろ側焦点位置に開口絞りを有し、前記移動
レンズ群が、正又は負のパワーを有する第3群と、その
第3群とは逆のパワーを有する第4群と、から成るとと
もに以下の条件式を満足し、前記テレセントリックな状
態を保持したまま異なる物体距離に対する合焦を行うた
めに移動可能に構成されたフォーカスレンズ群であるこ
とを特徴とする。 f3≠−f4 ただし、 f3:第3群の焦点距離、 f4:第4群の焦点距離、 である。
【0010】第2の発明のテレセントリック光学系は、
上記第1の発明の構成において、更に以下の条件式を満
足することを特徴とする。 102≦H・β2/|d・(βR2−1)|≦106 ただし、 β :全系の倍率、 βR:移動レンズ群の倍率、 H :合焦可能な物体位置の範囲、 d :移動レンズ群の移動量検出ピッチ、 である。
【0011】第3の発明の3次元形状測定機は、3次元
物体の像を形成する第1の発明のテレセントリック光学
系と、複数の受光素子で構成された受光面を有するとと
もにその受光面上に前記像が投影されるように配置され
た2次元センサーと、前記移動レンズ群を光軸に沿って
移動させる移動手段と、前記移動レンズ群の移動量を検
出する検出手段と、を備えた3次元形状測定機であっ
て、前記移動手段で前記移動レンズ群を移動させなが
ら、前記検出手段による前記移動レンズ群の移動量の検
出と、前記各受光素子による合焦状態の検出と、を行う
ことにより、3次元物体の形状寸法を測定することを特
徴とする。
【0012】第4の発明の3次元形状測定機は、光源
と、その光源からの照明光を射出するスリットを備えた
スリット部材と、前記スリットから射出されたスリット
状の照明光を3次元物体に照射し、かつ、3次元物体か
らの反射光を透過させることにより3次元物体の像を形
成する第1の発明のテレセントリック光学系と、複数の
受光素子で構成された受光面を前記スリットの共焦点位
置に有するとともにその受光面上に前記像が投影される
ように配置された1次元センサーと、前記移動レンズ群
を光軸に沿って移動させる移動手段と、前記移動レンズ
群の移動量を検出する検出手段と、前記スリット及び光
軸に対して垂直な方向に、3次元物体とその3次元物体
に対する照明光との相対位置を変化させることにより、
3次元物体の走査を行う走査手段と、を備えた3次元形
状測定機であって、前記走査手段による前記3次元物体
の走査と前記移動手段による前記移動レンズ群の移動と
を行いながら、前記検出手段による前記移動レンズ群の
移動量の検出と、前記各受光素子による合焦状態の検出
と、を行うことにより、3次元物体の形状寸法を測定す
ることを特徴とする。
【0013】第5の発明の3次元形状測定機は、光源
と、その光源からの照明光を射出する複数のピンホール
を備えた第1マルチピンホール部材と、前記各ピンホー
ルから射出された照明光を3次元物体に照射し、かつ、
3次元物体からの反射光を透過させることにより3次元
物体の像を形成する第1の発明のテレセントリック光学
系と、前記第1マルチピンホール部材の各ピンホールの
共焦点位置にピンホールを備えた第2マルチピンホール
部材と、その第2マルチピンホール部材の近傍に複数の
受光素子で構成された受光面を有するとともに、前記第
2マルチピンホール部材の各ピンホールを通過した光で
前記受光面上に前記像が投影されるように配置された2
次元センサーと、前記移動レンズ群を光軸に沿って移動
させる移動手段と、前記移動レンズ群の移動量を検出す
る検出手段と、光軸に対して垂直な面内で、3次元物体
とその3次元物体に対する照明光との相対位置を変化さ
せることにより、3次元物体の走査を行う走査手段と、
を備えた3次元形状測定機であって、前記走査手段によ
る前記3次元物体の走査と前記移動手段による前記移動
レンズ群の移動とを行いながら、前記検出手段による前
記移動レンズ群の移動量の検出と、前記第2マルチピン
ホール部材の各ピンホールに対応した前記各受光素子に
よる合焦状態の検出と、を行うことにより、3次元物体
の形状寸法を測定することを特徴とする。
【0014】第6の発明のテレセントリック光学系は、
物体側より順に、アフォーカル光学系から成る固定レン
ズ群と、アフォーカル光学系から成る移動レンズ群と、
で構成された物体側・像側共にテレセントリックな光学
系であって、前記固定レンズ群が、物体側より順に、正
のパワーを有する第1群と、正のパワーを有する第2群
と、から成るとともに、第1群の後ろ側焦点位置に開口
絞りを有し、前記移動レンズ群が、物体側より順に、負
のパワーを有する第3群と、正のパワーを有する第4群
と、から成るとともに、異なる物体距離に対する合焦を
行うために移動可能に構成され、以下の条件式を満足す
ることを特徴とする。 0.1<|βF|/βR<0.7 ただし、 βF:固定レンズ群の倍率、 βR:移動レンズ群の倍率、 である。
【0015】第7の発明のテレセントリック光学系は、
上記第6の発明の構成において、さらに以下の条件式を
満足することを特徴とする。 |βF|×WDL<f1<WDL ただし、 f1:第1群の焦点距離、 WDL:最長物体距離、 である。
【0016】第8の発明の3次元形状測定機は、上記第
6又は第7の発明のテレセントリック光学系を用いて測
定対象物の形状を計測することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施したテレセン
トリック光学系と3次元形状測定機を、図面を参照しつ
つ説明する。なお、光学系に関しては簡単のために薄肉
レンズで考えることにする。
【0018】図5に、テレセントリック光学系の一実施
の形態を示す。このテレセントリック光学系は、物体側
より順に、アフォーカル光学系から成る固定レンズ群(G
rF)と、アフォーカル光学系から成る移動レンズ群(GrR)
と、で構成されており、物体側・像側共にテレセントリ
ックな構成を有している。図中、OBが物体面、IMが像
面、AXが光軸である。固定レンズ群(GrF)は、正のパワ
ーを有する第1群(Gr1)と、正のパワーを有する第2群
(Gr2)と、から成るとともに、第1群(Gr1)の後ろ側焦点
位置に開口絞り(SP)を有している。移動レンズ群(GrR)
は、負のパワーを有する第3群(Gr3)と、正のパワーを
有する第4群(Gr4)と、から成るとともに、以下の条件
式(i)を満足している。そしてこの移動レンズ群(GrR)
は、上記テレセントリックな状態を保持したまま異なる
物体距離に対する合焦を行うために、フォーカスレンズ
群として移動可能に構成されている。 f3≠−f4 …(i) ただし、 f3:第3群(Gr3)の焦点距離、 f4:第4群(Gr4)の焦点距離、 である。
【0019】上記固定レンズ群(GrF),移動レンズ群(Gr
R)の各機能を以下に詳述する。まず固定レンズ群(GrF)
は、図1(A)に示すように、ケプラータイプのアフォー
カル光学系を両テレセントリック光学系として使用した
場合と考えることができる。この固定レンズ群(GrF)に
ついて、 βF :固定レンズ群(GrF)の倍率、 f1:第1群(Gr1)の焦点距離、 f2:第2群(Gr2)の焦点距離、 d1:物体面(OB)から第1群(Gr1)までの距離、 d2:第2群(Gr2)から結像面(IM)までの距離、 とし、2つのレンズ群(Gr1,Gr2)の間隔をf1+f2と
する。
【0020】そして、図1(A)の状態から図1(B)の状
態へと、物体(OB)が第1群(Gr1)側にΔd1だけ移動し
たとき、第2群(Gr2)から結像面(IM)までの距離がΔd
2だけ変化したとする。つまり、 Δd1:物体面(OB)から第1群(Gr1)までの距離d1の
変化量、 Δd2:第2群(Gr2)から結像面(IM)までの距離d2の
変化量、 である。このとき、縦倍率の関係から以下の式(E1)が成
立する。 Δd2=βF2×Δd1 …(E1)
【0021】また、 L1:図1(A)の状態での共役距離、 L2:図1(B)の状態での共役距離、 ΔL:共役距離の変化量、 とすると、2つのレンズ群(Gr1,Gr2)の間隔はf1+f
2であるため共役距離L1は以下の式(E2)で表され、式
(E1)により共役距離L2は以下の式(E3)で表され、式(E
2),(E3)により変化量ΔLは以下の式(E4)で表される。
式(E4)から分かるように、βF=±1のときのみ共役距
離は変化しない(ΔL=0)。逆に言えば、レンズが等倍
でないとき、距離d1又はd2が変化すると共役距離も
変化することになる。また式(E1),(E4)から、Δd2と
ΔLとの関係は以下の式(E5)で表される。
【0022】 L1=d1+f1+f2+d2 …(E2) L2=L1−Δd1+Δd2 =L1−Δd1(1−βF2) …(E3) ΔL=L1−L2 =L1−{L1−Δd1(1−βF2)} =Δd1(1−βF2) …(E4) Δd2={βF2/(1−βF2)}×ΔL …(E5)
【0023】ところで、移動レンズ群(GrR)も上述した
固定レンズ群(GrF)と同様、図2(A)に示すように、ケ
プラータイプのアフォーカル光学系を両テレセントリッ
ク光学系として使用した場合と考えることができる。こ
の移動レンズ群(GrR)について、 βR :移動レンズ群(GrR)の倍率、 f3:第3群(Gr3)の焦点距離、 f4:第4群(Gr4)の焦点距離、 d3:物体面(OB)から第3群(Gr3)までの距離、 d4:第4群(Gr4)から結像面(IM)までの距離、 とし、2つのレンズ群(Gr3,Gr4)の間隔をf3+f4と
する。
【0024】そして、図2(A)の状態から図2(B)の状
態へと、移動レンズ群(GrR)が物体(OB)側にDだけ移動
したとき、像面(IM)上で結像する物体(OB)が第1群(Gr
1)側にΔd3だけ移動したとする。つまり、 Δd3:物体面(OB)から第3群(Gr3)までの距離d3の
変化量{すなわち、共役距離の変化量}、 D :第4群(Gr4)から結像面(IM)までの距離d4の
変化量{すなわち、移動レンズ群(GrR)の移動量}、 である。
【0025】図2(A),(B)から分かるように、等倍で
はない両テレセントリック光学系は、異なる共役距離で
物体(OB)を投影する場合のフォーカスレンズ群として使
用することができる。つまり、前記条件式(i):f3≠
−f4を満たせばよいことになる。また、固定レンズ群
(GrF)における変化量Δd2,ΔLが、移動レンズ群(Gr
R)におけるD,Δd3にそれぞれ対応することから、前
記式(E5)に基づいて以下の式(E6)で表される関係が得ら
れる。式(E6)より、フォーカス移動量Dは移動レンズ群
(GrR)の倍率βRにのみ依存することが分かる。 D={βR2/(1−βR2)}×Δd3 …(E6)
【0026】上記移動レンズ群(GrR)のようなフォーカ
スレンズ群としての両テレセントリック光学系では、レ
ンズ内に開口絞り(SP)を配置する必要がないため、必ず
しも図2に示すようなケプラータイプである必要はな
い。むしろ、負・正(図3)や正・負(図4)のガリレイタ
イプの方が、正・正(図2)のケプラータイプよりも望ま
しい。ガリレイタイプでは、第3群(Gr3)と第4群(Gr4)
との間隔が各焦点距離(f3,f4)の絶対値の差である
ため、レンズ群間隔が各焦点距離(f3,f4)の和であ
るケプラータイプよりも、移動レンズ群(GrR)の小型化
・軽量化を図ることができ、また、移動レンズ群(GrR)
の共役距離も短くすることができる。図5に示すテレセ
ントリック光学系には、図3に示すガリレイタイプ(負
・正)の移動レンズ群(GrR)が用いられており、これに対
し図6に示すテレセントリック光学系には、図2に示す
ケプラータイプ(正・正)の移動レンズ群(GrR)が用いら
れている。この2つのタイプのテレセントリック光学系
を比較すれば分かるように、ガリレイタイプの移動レン
ズ群(GrR)をフォーカスレンズ群として用いれば、テレ
セントリック光学系全体の小型化・軽量化を実現するこ
とができる。
【0027】図5に示すテレセントリック光学系には、
図3に示す負・正のガリレイタイプの移動レンズ群(Gr
R)が用いられているが、上記説明から明らかなように、
図4に示す正・負のガリレイタイプの移動レンズ群(Gr
R)を用いてもよい。つまり移動レンズ群(GrR)は、正又
は負のパワーを有する第3群(Gr3)と、その第3群(Gr3)
とは逆のパワーを有する第4群(Gr4)と、から成るのが
望ましいのである。移動レンズ群(GrR)の各群(Gr3,Gr4)
のパワー配置を、正・負,負・正のどちらにするかは、
移動レンズ群(GrR)の倍率を拡大倍率とするか縮小倍率
とするかにより決定される。
【0028】図5に示すテレセントリック光学系が成立
するためには、物体(OB)がΔd1(図1)だけ移動したと
きの固定レンズ群(GrF)のバック変動量Δd2(図1)
と、移動レンズ群(GrR)を移動量Dだけ移動させたとき
の移動レンズ群(GrR)の共役距離変動量Δd3(図3)
と、が一致すればよい。したがって、式(E6)を変形した
式(E6')と式(E1)とから、Δd2=Δd3を表す式(E7)
が得られ、その式(E7)を変形すると移動量Dを表す式(E
7')が導き出される。 Δd2=βF2×Δd1 …(E1) Δd3={(1−βR2)/βR2}×D …(E6') βF2×Δd1={(1−βR2)/βR2}×D …(E7) D={βR2/(1−βR2)}×βF2×Δd1 …(E7')
【0029】ここで、図5に示すテレセントリック光学
系ついて、 ΔOWD:共役距離の変化量、 とすると、式(E7')中のΔd1をΔOWDに書き換えれ
ば以下の式(E7")が得られる。また、 β:テレセントリック光学系全体の倍率、 とすると、以下の式(E8)が成り立つので、式(E7")と式
(E8)から以下の式(E9)が得られる。 D={βR2/(1−βR2)}×βF2×ΔOWD …(E7") β=βF×βR …(E8) D/ΔOWD=β2/(1−βR2) …(E9)
【0030】上式(E9)が表す関係によると、共役距離が
短くなるとき(すなわちΔOWDが増大するとき)、|β
R|<1ならばD>0となるので、移動レンズ群(GrR)は
像(IM)側から物体(OB)側へ移動することになり、|βR
|>1ならばD<0となるので、移動レンズ群(GrR)は
物体(OB)側から像(IM)側へ移動することになる。以上の
ように、共役距離が変化しても、一つの小さなレンズ群
(GrR)のみの移動により、物体側・像側の両テレセント
リック性を常に保ったまま、物体(OB)位置を検出するた
めのフォーカシング(つまり合焦)を行うことが可能であ
る。また、移動レンズ群(GrR)の軽量化・小型化が可能
であり、しかも移動するレンズ群(GrR)が一つでよいた
め、シンプルな装置でシステムを構成することができ
る。したがって、高速・高精度で共役距離を変化させる
ような用途,ワーキングディスタンスやレンズバックが
固定でない用途等でも、このテレセントリック光学系(O
P)を使用することが可能である。
【0031】上述したテレセントリック光学系において
は、更に以下の条件式(ii)を満足することが望ましい。 102≦H・β2/|d・(βR2−1)|≦106 …(ii) ただし、 β :全系の倍率、 βR:移動レンズ群(GrR)の倍率、 H :合焦可能な物体(OB)位置の範囲、 d :移動レンズ群(GrR)の移動量検出ピッチ、 である。
【0032】前述したテレセントリック光学系を用いれ
ば、物体(OB)の3次元形状を非接触で測定することがで
きる。上記条件式(ii)はそのための望ましい条件を規定
しており、図7に示す3次元形状測定機はその測定を行
うための一実施の形態を示している。図7に示す3次元
形状測定機は、先に詳述したテレセントリック光学系(O
P),2次元センサー(2),移動手段(M),リニアスケール
(3),制御ユニット(4)等で構成されている。この測定機
により、3次元物体である測定対象物(1)の3次元形状
を測定することができる。なお、照明系を有しない構成
となっているので、測定対象物(1)は系外からの光で照
明される。
【0033】テレセントリック光学系(OP)は、測定対象
物(1)の像を形成するための光学系であって、先に詳述
したように固定レンズ群(GrF)と移動レンズ群(GrR)とで
構成されている。軸上光のみを用いて一点ずつ物体高さ
(光軸(AX)に平行方向の物体寸法)の測定を行う場合に
は、軸上光学性能のみが仕様を満足していればよく、し
たがって光学系としてテレセントリック光学系(OP)を用
いる必要はない。しかし、軸外光まで用いて測定対象物
(1)上の複数点の高さを一度に測定しようとすれば、使
用する像高での光学性能が仕様を満足していることに加
え、物体側・像側共にテレセントリックであることが必
要となる。物体側・像側共にテレセントリックな光学系
(OP)を用いれば、軸外で異なる高さの点を測定したとき
に、投影倍率を一定に保ち、かつ、光軸(AX)に垂直な面
内での測定分解能を一定に保つことができる。このた
め、異なった物体距離を持つ測定対象物(1)の表面形状
を高い精度で計測することが可能となる。また、移動レ
ンズ群(GrR)のみを移動させればよいため、移動手段(M)
を構成している移動部材の軽量化・小型化を図ることが
でき、結果として計測の高速化を図ることができる。
【0034】2次元センサー(2)は、エリアCCD(Char
ge Coupled Device)から成り、複数の受光素子で構成さ
れた受光面(2a)を有するとともに、その受光面(2a)上に
測定対象物(1)の像が投影されるように固定配置されて
いる。移動手段(M)は移動レンズ群(GrR)を光軸(AX)に沿
って移動させる手段であって、物体高さを検出するため
の走査は、この移動手段(M)で移動レンズ群(GrR)を光軸
(AX)に沿って移動させることにより行われる。また移動
手段(M)はモーター等の駆動装置や駆動力伝達機構等で
構成されているが、移動レンズ群(GrR)を光軸(AX)に沿
って移動させるための機構を備えていれば、その移動を
手動操作により行うようにしてもよく、制御ユニット
(4)で駆動制御するようにしてもよい。リニアスケール
(3)は、移動レンズ群(GrR)の位置を検出することによ
り、移動レンズ群(GrR)の移動量Dを検出する検出手段
である。このリニアスケール(3)で検出された移動量D
の演算や2次元センサー(2)のCCD駆動は、制御ユニ
ット(4)により行われる。
【0035】測定対象物(1)の3次元形状の測定におい
て、光軸(AX)に対して垂直な面内での3次元物体寸法
は、テレセントリック光学系(OP)によって2次元センサ
ー(2)の受光面(2a)上に投影された像の寸法から求めら
れる。一方、光軸(AX)に対して平行な方向の3次元物体
寸法(高さ)は、移動手段(M)で移動レンズ群(GrR)を光軸
(AX)に沿って移動させながら、2次元センサー(2)の各
受光素子からの出力変動を読み取り、測定対象物(1)が
受光面(2a)で合焦したとき{つまり、測定対象物(1)と受
光面(2a)との共役関係の成立により出力がピークになっ
たとき}の移動レンズ群(GrR)の位置(つまり移動量D)を
リニアスケール(3)で検出することにより求められる。
したがって、移動レンズ群(GrR)を一度動かすだけで、
2次元センサー(2)の受光面(2a)の面積に対応した測定
対象物(1)の高さ情報を得ることができる。例えば、2
次元センサー(2)の受光面(2a)の長さをaとすると、測
定可能な測定対象物(1)の底面の長さはa/βであり、
高さは共役距離の変化量ΔOWDである。
【0036】今、 H:測定対象物(1)の高さ{すなわち合焦可能な物体(OB)
位置の範囲}、 h:測定したい高さ方向の分解能、 d:移動レンズ群(GrR)の位置検出精度(すなわち移動量
検出ピッチ)、 とすると、H=ΔOWDであるため、前記式(E9)から以
下の式(E10)が得られる。 D/H=d/h=β2/|1−βR2| …(E10)
【0037】ここで、上式(E10)におけるD,d,H,
hの関係を以下の式(E11)のようにnで定義する。移動
レンズ群(GrR)の全移動量Dと移動レンズ群(GrR)の位置
検出精度dに注目すると、nは位置検出に用いるリニア
スケール(3)の分割数に等しくなる。一般的なリニアス
ケール(3)の最小分解能は0.1μm以上であり、全長
は100mm以下である。この範囲よりも小さな分解能
をもつリニアスケール(3)は高価である。また、この範
囲より長いリニアスケール(3)を使用すると、移動レン
ズ群(GrR)の移動量Dが長くなり、移動手段(M)も大きく
なりすぎてしまうため、実用には向かない。したがっ
て、以下の条件式(iii)を満足することが望ましい。 n=D/d=H/h …(E11) n=D/d≦106 …(iii)
【0038】また、測定対象物(1)の高さHとその測定
分解能hに注目した場合、以下の条件式(iv)を満足する
ことが望ましい。n<102の3次元形状測定機は、前
述したテレセントリック光学系(OP)が適用されるシステ
ムよりも簡素な装置で実現可能であり、このテレセント
リック光学系(OP)の用途には適していない。 n=H/h≧102 …(iv)
【0039】式(iii)と式(iv)から、テレセントリック
光学系(OP)を寸法計測の目的で使用する場合には、nが
以下の条件式(v)を満足する範囲で使用されることが望
ましい。 102≦n≦106 …(v)
【0040】前記式(E10)を変形すると以下の式(E10')
が得られ、前記式(E11)を変形すると以下の式(E11')が
得られる。式(E10')と式(E11')から、以下の式(E12)が
得られる。 H/D=|1−βR2|/β2 …(E10') h=(d/D)×H …(E11') h={|1−βR2|/β2}×d …(E12)
【0041】式(E11)と式(E12)から、以下の式(E13)が
得られる。この式(E13)を用いて条件式(v)を表現すれ
ば、前記条件式(ii)が得られる。つまり、測定対象物
(1)の寸法を測定する用途でテレセントリック光学系(O
P)を用いる場合には、条件式(ii)を満足する倍率β,β
Rであることが望ましい。具体的なシステム構成として
は、例えば以下の表1に示す各値を有するものが挙げら
れる。 n=H/h =H・β2/(d・|1−βR2|) =H・β2/|d・(βR2−1)| …(E13) 102≦H・β2/|d・(βR2−1)|≦106 …(ii)
【0042】
【表1】
【0043】3次元形状測定機に共焦点検出方式を採用
すれば、前述した3次元形状測定機(図7)よりも精度良
く高さ測定を行うことができる。また、共焦点検出方式
にはポイント方式とスリット方式があるが、高さ情報を
多点同時に測定するスリット方式の方が、ピンホール方
式に比べて高速に測定を行うことができる。このスリッ
ト共焦点検出方式は、実開平5−75607号公報記載
の走査型検出装置に採用されている。しかし、光学系全
体を光軸に沿って移動させる構成になっているため、そ
のための移動部材が大きくならざるを得ないという問題
がある。図8に示す3次元形状測定機は、スリット共焦
点検出方式を採用するとともに前述したテレセントリッ
ク光学系(OP)を用いることにより、移動部材の小型化・
軽量化を達成するものである。
【0044】図8に示す3次元形状測定機は、先に詳述
したテレセントリック光学系(OP),1次元センサー(1
2),移動手段(M),リニアスケール(13),制御ユニット
(14),走査ステージ(15),ビームスプリッター(16),ス
リット部材(17),シリンドリカルレンズ(18),コリメー
タレンズ(19),光源(20)等で構成されている。この測定
機により、3次元物体である測定対象物(11)の3次元形
状を測定することができる。なお、テレセントリック光
学系(OP)や移動手段(M)は先に説明したものと構成は同
じであり、また、リニアスケール(13)も先に説明したリ
ニアスケール(3)と同様、移動レンズ群(GrR)の移動量を
検出する検出手段の一例である。
【0045】点光源(20)から出た照明光は、コリメータ
レンズ(19)とシリンドリカルレンズ(18)を通って直線状
に結像する。その結像位置にスリット(17a)が位置する
ように{図8中、スリット(17a)の方向は紙面に対して垂
直な方向である。}、スリット部材(17)が配置されてい
る。したがって、スリット(17a)を射出した光は、スリ
ット状の照明光となる。この照明光は、ビームスプリッ
ター(16)を透過した後、テレセントリック光学系(OP)に
入射する。テレセントリック光学系(OP)は、スリット(1
7a)から射出されたスリット状の照明光を測定対象物(1
1)に照射し、かつ、測定対象物(11)からの反射光を透過
させることにより測定対象物(11)の像を形成する。
【0046】テレセントリック光学系(OP)を透過した反
射光は、ビームスプリッター(16)で反射されて、1次元
センサー(12)の受光面(12a)に入射する。1次元センサ
ー(12)はラインCCDから成り、複数の受光素子で構成
された受光面(12a)をスリット(17a)の共焦点位置に有す
るとともに、その受光面(12a)上に測定対象物(11)の像
が投影されるように固定配置されている。つまり、スリ
ット(17a)と受光面(12a)は、共に測定対象物(11)に対し
て共役な位置関係{すなわちテレセントリック光学系(O
P)について光学的に等価な位置}に配置されているので
ある。
【0047】走査ステージ(15)は、載置された測定対象
物(11)と共に、スリット(17a)及び光軸(AX)に対して垂
直な方向に移動する走査手段である。つまり、スリット
(17a)及び光軸(AX)に対して垂直な方向に、測定対象物
(11)とその測定対象物(11)に対する照明光との相対位置
を変化させることにより、測定対象物(11)の走査を行う
走査手段である。走査ステージ(15)で測定対象物(11)を
移動させる代わりに、光源(20)からテレセントリック光
学系(OP)までの光学系を測定対象物(11)に対して相対的
に移動させてもよい。またガルバノミラー,ポリゴンミ
ラー等の偏向装置を用いて、スリット(17a)及び光軸(A
X)に対して垂直な方向に、スリット状の照明光を偏向走
査する構成としてもよい。この走査ステージ(15)の制
御,リニアスケール(13)で検出された移動量Dの演算,
1次元センサー(12)のCCD駆動等は、制御ユニット(1
4)により行われる。
【0048】測定対象物(11)の3次元形状の測定におい
て、スリット(17a)方向の3次元物体寸法は、テレセン
トリック光学系(OP)により受光面(12a)上に投影された
像の寸法から求められ、スリット(17a)及び光軸(AX)に
対して垂直な方向の3次元物体寸法は、走査ステージ(1
5)による測定対象物(11)の移動走査により求められる。
一方、光軸(AX)に対して平行な方向の3次元物体の断面
寸法(高さ)は、移動手段(M)で移動レンズ群(GrR)を光軸
(AX)に沿って移動させながら、1次元センサー(12)の各
受光素子からの出力変動を読み取り、測定対象物(11)が
受光面(12a)で合焦したとき{つまり、測定対象物(11)と
受光面(12a)との共役関係の成立により出力がピークに
なったとき}の移動レンズ群(GrR)の位置(つまり移動量
D)をリニアスケール(13)で検出することにより求めら
れる。したがって、走査ステージ(15)で測定対象物(11)
を移動させながら移動手段(M)で移動レンズ群(GrR)を移
動させると、測定対象物(11)の断面形状が順次検出され
て、制御ユニット(14)での演算により測定対象物(11)の
3次元形状が測定される。
【0049】ところでピンホール方式には、一度に1点
の高さ情報を得る前述の1ピンホールタイプのほかに、
複数のピンホールを用いて一度に多点の高さ情報を得る
マルチピンホールタイプがある。このマルチピンホール
共焦点検出方式は特開平9−126739号公報記載の
立体形状計測装置に採用されており、多点の高さ情報を
高精度で測定することを可能にしている。しかし、測定
対象物と対物レンズとの間に厚さの異なる平行平板ガラ
スを挿入することにより、異なる物体高さに対する合焦
を行う構成になっているため、高さ分解能は平行平板ガ
ラスの厚さピッチに依存することになる。したがって、
連続的な高さ情報を得ることはできない。図9に示す3
次元形状測定機は、マルチピンホール共焦点検出方式を
採用するとともに前述したテレセントリック光学系(OP)
を用いることにより、連続的に高さ情報を得ることを可
能にするものである。
【0050】図9に示す3次元形状測定機は、先に詳述
したテレセントリック光学系(OP),2次元センサー(2
2),移動手段(M),リニアスケール(23),制御ユニット
(24),走査ステージ(25),ビームスプリッター(26),第
1マルチピンホール部材(27),マルチレンズアレイ(2
8),コリメータレンズ(29),光源(30),第2マルチピン
ホール部材(31)等で構成されている。この測定機によ
り、3次元物体である測定対象物(21)の3次元形状を測
定することができる。なお、テレセントリック光学系(O
P)や移動手段(M)は先に説明したものと構成は同じであ
り、また、リニアスケール(23)も先に説明したリニアス
ケール(3,13)と同様、移動レンズ群(GrR)の移動量を検
出する検出手段の一例である。
【0051】点光源(30)から出た照明光は、コリメータ
レンズ(29)とマルチレンズアレイ(28)を通って結像し、
2次元的に配列された複数の点光源となる。その各結像
位置にピンホール(27a)が位置するように、第1マルチ
ピンホール部材(27)が配置されている。したがって、複
数のピンホール(27a)を射出した光は、マルチスポット
状の照明光となる。複数のピンホール(27a)から射出し
た照明光は、ビームスプリッター(26)を透過した後、テ
レセントリック光学系(OP)に入射する。テレセントリッ
ク光学系(OP)は、各ピンホール(27a)から射出された照
明光を(マルチスポット状に)測定対象物(21)に照射し、
かつ、測定対象物(21)からの反射光を透過させることに
より測定対象物(21)の像を形成する。
【0052】テレセントリック光学系(OP)を透過した反
射光は、ビームスプリッター(26)で反射されて、第2マ
ルチピンホール部材(31)の各ピンホール(31a)を通過し
た後、2次元センサー(22)の受光面(22a)に入射する。
第2マルチピンホール部材(31)は、第1マルチピンホー
ル部材(27)の各ピンホール(27a)の共焦点位置にピンホ
ール(31a)を備えている。つまり、第1マルチピンホー
ル部材(27)の各ピンホール(27a)と第2マルチピンホー
ル部材(31)の各ピンホール(31a)は、共に測定対象物(2
1)に対して共役な位置関係{すなわちテレセントリック
光学系(OP)について光学的に等価な位置}に配置されて
いるのである。2次元センサー(22)はエリアCCDから
成り、第2マルチピンホール部材(31)の近傍に複数の受
光素子で構成された受光面(22a)を有するとともに、第
2マルチピンホール部材(31)の各ピンホール(31a)を通
過した光で、受光面(22a)上に測定対象物(21)の像が投
影されるように固定配置されている。
【0053】走査ステージ(25)は、載置された測定対象
物(21)と共に、光軸(AX)に対して垂直な2方向に移動す
る走査手段である。つまり、光軸(AX)に対して垂直な面
内で、測定対象物(21)とその測定対象物(21)に対する照
明光との相対位置を変化させることにより、測定対象物
(21)の走査を行う走査手段である。受光面(22a)上に形
成される像は、測定対象物(21)に対する照明光のマルチ
スポットに対応しているので、走査ステージ(25)の移動
はピンホール(27a,31a)のピッチよりも微小なピッチで
行われる。走査ステージ(25)で測定対象物(21)を移動さ
せる代わりに、光源(30)からテレセントリック光学系(O
P)までの光学系を測定対象物(21)に対して相対的に移動
させてもよい。またガルバノミラー,ポリゴンミラー等
の偏向装置を用いて、光軸(AX)に対して垂直な面内で、
マルチスポット状の照明光を偏向走査する構成としても
よい。この走査ステージ(25)の制御,リニアスケール(2
3)で検出された移動量Dの演算,2次元センサー(22)の
CCD駆動等は、制御ユニット(24)により行われる。
【0054】測定対象物(21)の3次元形状の測定におい
て、光軸(AX)に対して垂直な面内での3次元物体寸法
は、走査ステージ(25)による測定対象物(21)の移動走査
により求められる。一方、光軸(AX)に対して平行な方向
の3次元物体寸法(高さ)は、移動手段(M)で移動レンズ
群(GrR)を光軸(AX)に沿って移動させながら、第2マル
チピンホール部材(31)の各ピンホール(31a)に対応し
た、2次元センサー(22)の各受光素子からの出力変動を
読み取り、測定対象物(21)が第2マルチピンホール部材
(31)のピンホール面で合焦したとき{つまり、測定対象
物(21)と第2マルチピンホール部材(31)のピンホール面
との共役関係の成立により出力がピークになったとき}
の移動レンズ群(GrR)の位置(つまり移動量D)をリニア
スケール(23)で検出することにより求められる。したが
って、走査ステージ(25)で測定対象物(21)を移動させな
がら移動手段(M)で移動レンズ群(GrR)を移動させると、
測定対象物(21)の複数ポイントでの高さが順次検出され
て、制御ユニット(24)での演算により測定対象物(21)の
3次元形状が測定される。
【0055】ところで、上述した非接触で形状計測を行
う3次元形状測定機(図7〜図9)では、測定対象物(1,1
1,21)の表面の凹凸差が大きければ測定範囲が大きくな
り、ワーキングディスタンスを長く、光学系を大型にし
なければならないが、テレセントリック光学系(OP)全体
の小型化が要望され、ワーキングディスタンスが長くて
も、小型のテレセントリック光学系(OP)が必要となる。
【0056】物体側より順に、アフォーカル光学系から
成る固定レンズ群(GrF)と、アフォーカル光学系から成
る移動レンズ群(GrR)と、で構成される物体側・像側共
にテレセントリックな光学系においては、そのテレセン
トリック光学系(OP)全体に占める固定レンズ群(GrF)の
大きさの割合は相対的に大きくなる。つまり、テレセン
トリック光学系(OP)全体の大きさは、固定レンズ群(Gr
F)の大きさに依存することになる。薄肉レンズで考えた
場合、固定レンズ群(GrF)の大きさLFは式:LF=f
1+f2=f1(1+|βF|)で表される。ここで、第
1群(Gr1)の焦点距離f1はワーキングディスタンス{言
い換えれば光軸(AX)方向の測定範囲}に依存し、ワーキ
ングディスタンスに比べて極端に小さい値をとることは
できない。焦点距離f1が極端に小さい(つまり正のパ
ワーが強い)と、収差補正が難しくなるばかりでなく、
レンズバックを確保することも難しくなるからである。
したがって、ワーキングディスタンスの長いテレセント
リック光学系(OP)においては、|βF|を小さくするこ
とがテレセントリック光学系(OP)の全長を短くする上で
有効である。
【0057】|βF|を小さくするためには、固定レン
ズ群(GrF)をケプラータイプの縮小系とし、移動レンズ
群(GrR)をガリレイタイプの拡大系とすることが望まし
い。例えば図5に示す両テレセントリック光学系のよう
に、物体側より順に、正のパワーを有する第1群(Gr1)
と、正のパワーを有する第2群(Gr2)と、で固定レンズ
群(GrF)を構成するとともに、第1群(Gr1)の後ろ側焦点
位置に開口絞り(SP)を配置し、一方、物体側より順に、
負のパワーを有する第3群(Gr3)と、正のパワーを有す
る第4群(Gr4)と、で移動レンズ群(GrR)を構成する(つ
まり|βR|=|f4/f3|>1となる。)とともに、
異なる物体距離に対する合焦を行うために移動可能な構
成にすることが望ましい。
【0058】この(正・正)・(負・正)のテレセントリッ
ク光学系(OP)の構成によれば、常に両側テレセントリッ
ク性を保ったまま異なる物体距離に対する合焦が可能と
なり、ワーキングディスタンスが比較的長くても、移動
レンズ群(GrR)及びテレセントリック光学系(OP)全体の
サイズを小型化することが可能となる。また、合焦のた
めの移動レンズ群(GrR)をガリレイタイプのアフォーカ
ル光学系とすることにより、移動レンズ群(GrR)の小型
化が可能となるため、フォーカス駆動部への負担を軽く
することができる。
【0059】そして、上記(正・正)・(負・正)のテレセ
ントリック光学系(OP)の構成においては、以下の条件式
(vi)を満足することが更に望ましい。条件式(vi)を満た
すように固定レンズ群(GrF)の倍率を最適化すれば、小
型化と共に高い光学性能をも達成することができる。 0.1<|βF|/βR<0.7 …(vi) ただし、 βF:固定レンズ群(GrF)の倍率、 βR:移動レンズ群(GrR)の倍率、 である。
【0060】条件式(vi)の下限を超えて|βF|が小さ
くなりすぎると、移動レンズ群(GrR)の合焦移動量が小
さくなりすぎるため、高さ方向{すなわち光軸(AX)方向}
の分解能が悪くなる。条件式(vi)の下限を超えてβRが
大きくなりすぎると(つまり拡大率が上がると)、諸収差
を補正するために移動レンズ群(GrR)を構成するレンズ
枚数が必然的に増えることになる。このため、移動レン
ズ群(GrR)のサイズが大きくなり、本来の目的であるテ
レセントリック光学系(OP)全体の小型化を達成すること
が難しくなる。条件式(vi)の上限を超えると、テレセン
トリック光学系(OP)の大きさが必要以上に大きくなる。
また、移動レンズ群(GrR)の移動量が大きくなり、合焦
範囲全域(すなわち測定範囲全域)にわたって諸収差を補
正することが難しくなる。
【0061】さらに以下の条件式(vii)を満足すること
が望ましい。 |βF|×WDL<f1<WDL …(vii) ただし、 f1:第1群(Gr1)の焦点距離、 WDL:最長物体距離、 である。
【0062】条件式(vii)の下限を超えて第1群(Gr1)の
焦点距離が小さくなると(|βF|×WDL≧f1)、固定
レンズ群(GrF)のパワーが強くなるので、諸収差の補正
が難しくなる。無理なく収差を補正しようとするとレン
ズ枚数が多くなり、結果として全長を短くすることがで
きなくなる。また、レンズバックを確保するのが難しく
なる。テレセントリック光学系(OP)の長さはf1にほぼ
比例して長くなる傾向にあるので、条件式(vii)の上限
を超えて第1群(Gr1)の焦点距離(f1)が大きくなると
(f1≧WDL)、テレセントリック光学系(OP)全体が必
要以上に大きくなりすぎてしまう。
【0063】上記のように条件式(vi)を満たし、更に好
ましくは条件式(vii)を満たすように構成されたテレセ
ントリック光学系(OP)を、3次元形状測定機に用いるこ
とが望ましい。上述したようにワーキングディスタンス
の長い小型のテレセントリック光学系(OP)を用いること
により、測定対象物(1,11,21)の表面の凹凸差が大きく
てもその形状を非接触で計測することが可能となり、ま
たテレセントリック光学系(OP)の小型化により、3次元
形状測定機全体の大きさも比較的小さくすることが可能
となる。このようなテレセントリック光学系(OP)を備え
た3次元形状測定機の例を図19と図20に示す。
【0064】図19に示す3次元形状測定機は、載物台
である走査ステージ(35)が光軸(AX)方向に移動可能にな
っており、図20に示す3次元形状測定機は、テレセン
トリック光学系(OP)等で構成された光学ユニット全体か
ら成る測定ヘッド(HD)が光軸(AX)方向に移動可能になっ
ている。つまり図19と図20に示す3次元形状測定機
は、測定対象物(1M)とテレセントリック光学系(OP)との
間隔(つまり相対位置)を変化させる点で共通した機能を
備えている。そして、図19に示す走査ステージ(35)や
図20に示す測定ヘッド(HD)は、移動手段(MA)によって
移動し、リニアスケール(3A)によって位置が検出される
構成になっている。また、移動手段(MA)と移動手段(M)
とは移動ピッチが異なるほかは同一の構成を有してお
り、リニアスケール(3A)とリニアスケール(3)とは検出
範囲が異なるほかは同一の構成を有している。なお他の
構成要素は、前述した図7の3次元形状測定機と基本的
に同じであり、同一の符号を付してある。
【0065】図19と図20に示す3次元形状測定機に
おいて、例えば、ワーキングディスタンスを20cm以上と
し、移動レンズ群(GrR)のフォーカス移動による合焦範
囲を5cmとする。測定対象物(1M)の表面の凹凸差が合焦
範囲の5cmよりも大きいと、移動レンズ群(GrR)のフォー
カス移動のみでは測定対象物(1M)の3次元形状全体を計
測することができない。そこで、テレセントリック光学
系(OP)の最長物体距離の状態で、走査ステージ(35)の上
面に合焦する位置まで測定対象物(1M)とテレセントリッ
ク光学系(OP)とを近づける。そして、測定対象物(1M)と
テレセントリック光学系(OP)との間隔が5cmずつ大きく
なるように、走査ステージ(35,図19)又は測定ヘッド
(HD,図20)を光軸(AX)に沿って4回移動させる。そし
て、5cmピッチの移動ごとに移動レンズ群(GrR)を光軸(A
X)に沿って移動させることにより、合焦範囲5cmにおけ
る物体高さの検出走査を行う。4回の検出走査によって
実質的な合焦範囲が4倍になるため、走査ステージ(35)
の上面から20cmの高さまでの測定対象物(1M)の3次元形
状データが得られる。
【0066】上記のように走査ステージ(35)の上面から
の物体高さを検出走査する代わりに、最も深い凹部表面
からの物体高さを検出走査するようにしてもよい。ま
た、最も高い凸部表面から検出走査を開始してもよく、
その場合、上記のように測定対象物(1M)とテレセントリ
ック光学系(OP)との間隔を所定ピッチで大きくする代わ
りに、測定対象物(1M)とテレセントリック光学系(OP)と
の間隔を所定ピッチで小さくするようにすればよい。な
お、上述した3次元形状測定機(図19と図20)は、測
定対象物(1M)とテレセントリック光学系(OP)との相対位
置を変化させる構成を、図7の3次元形状測定機に適用
した例であるが、スリット共焦点検出方式(図8)やマル
チピンホール共焦点検出方式(図9)の3次元形状測定機
についても、上記相対位置を変化させる構成を同様に適
用することが可能である。
【0067】図19と図20に示す3次元形状測定機に
用いられているテレセントリック光学系(OP)は、移動レ
ンズ群(GrR)の合焦範囲に対応する測定範囲に比べてワ
ーキングディスタンスが長くなっている。このため、測
定対象物(1M)表面の光軸(AX)方向の凹凸差が大きくて
も、上記のように測定対象物(1M)とテレセントリック光
学系(OP)との相対位置を変化させることが可能となる。
この相対位置変化により、移動レンズ群(GrR)のフォー
カス移動のみでは合焦不可能な測定範囲が補われるた
め、走査ステージ(35)又は測定ヘッド(HD)の移動回数に
応じた広い範囲の合焦が可能となる。したがって、測定
対象物(1M)の凹凸差がワーキングディスタンスと同等で
あっても、その3次元形状寸法を測定することができ
る。さらに、光軸(AX)に対して垂直な面内で走査ステー
ジ(35)を移動させる構成にすれば、更に面積の大きな測
定対象物(1M)の3次元形状寸法を測定することができ
る。
【0068】図20に示す3次元形状測定機に比べて図
19に示す3次元形状測定機の方がテレセントリック光
学系(OP)周囲の構成は簡単になるが、図20に示す3次
元形状測定機の場合、2つの移動手段(M,MA)の兼用等に
より、装置内の駆動部を測定ヘッド(HD)側に集約するこ
とが可能になる。また、測定対象物(1M)が金型のように
重い場合には、測定ヘッド(HD)の移動で検出走査を行
う、図20の3次元形状測定機の方が、駆動部への負担
が軽くて済むというメリットがある。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施したテレセントリック光
学系の構成等を更に具体的に説明する。図10,図1
3,図16に、実施例1〜実施例3の光路及びレンズ構
成をそれぞれ示す。図中、(A)は最長物体距離(WDL)
での合焦状態を示しており、(B)は最短物体距離(W
S)での合焦状態を示している。
【0070】いずれの実施例も、物体側より順に、正の
パワーを有する第1群(Gr1)と、正のパワーを有する第
2群(Gr2)と、負のパワーを有する第3群(Gr3)と、正の
パワーを有する第4群(Gr4)と、から成る両側(物体側・
像側)テレセントリック光学系である。第1群(Gr1),開
口絞り(SP)及び第2群(Gr2)は、アフォーカル光学系か
ら成る前記固定レンズ群(GrF)を構成している。また、
第3群(Gr3)及び第4群(Gr4)は、アフォーカル光学系か
ら成る前記移動レンズ群(GrR)を構成するフォーカスレ
ンズ群であり、図中の矢印は最長物体距離(WDL)の合
焦状態から最短物体距離(WDS)の合焦状態へのフォー
カス移動(フォーカシングにおいて両側テレセントリッ
ク状態は保持される)を示している。各実施例における
条件式(vi),(vii)の対応値及び関連データを表2に示
す。
【0071】
【表2】
【0072】図11,図14,図17は、実施例1〜実
施例3の収差図である。図中、(A)〜(C)は最長物体距
離(WDL)での諸収差、(D)〜(F)は最短物体距離(WD
S)での諸収差を示しており、(A)及び(D)は球面収差(L
ONGITUDINAL SPHERICAL ABER.)、(B)及び(E)は非点収
差(ASTIGMATIC FIELD CURVES)、(C)及び(F)は歪曲収
差(DISTORTION)を示している。球面収差{横軸:近軸像
面からの光軸方向のズレ量(mm)}の縦軸は、瞳への入射
高さをその最大高さで規格化した値を表しており、非点
収差{横軸:近軸像面からの光軸方向のズレ量(mm)}及び
歪曲収差{横軸(%)}の縦軸は物高{OBJ HT(mm),0.00〜-
20.00}を表している。また非点収差図中、実線(S)はサ
ジタル面での像面湾曲を表しており、破線(T)はタンジ
ェンシャル面での像面湾曲を表している。
【0073】図12,図15,図18は実施例1〜実施
例3の横収差図(mm)である。図中、(A)〜(H)は最長物
体距離(WDL)での横収差、(I)〜(P)は最短物体距離
(WD S)での横収差を示しており、(A)〜(D)及び(I)
〜(L)はタンジェンシャル光束での横収差(TANGENTIA
L)、(E)〜(H)及び(M)〜(P)はサジタル光束での横収
差(SAGITTAL)を示している。また、(A),(E),(I)及
び(M)はOBJ HT=-20.00(最軸外)での横収差、(B),
(F),(J)及び(N)はOBJ HT=-14.00での横収差、
(C),(G),(K)及び(O)はOBJ HT=-10.00での横収
差、(D),(H),(L)及び(P)はOBJ HT=0.00(軸上)で
の横収差を示している。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るテレセ
ントリック光学系によれば、共役距離が変化しても、一
つの小さなレンズ群の移動により、物体側・像側の両テ
レセントリック性を常に保ったまま合焦を行うことが可
能である。移動するレンズ群が小さく、しかも一つでよ
いため、シンプルな装置でシステムを構成することがで
き、高速・高精度で共役距離を変化させるような用途,
ワーキングディスタンスやレンズバックが固定でない用
途等でも使用可能である。したがって、このテレセント
リック光学系を用いた3次元形状測定機によれば、測定
対象物の3次元形状を高速・高精度で計測することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テレセントリック光学系を構成する固定レンズ
群を模式的に示す光学構成図。
【図2】テレセントリック光学系を構成するケプラータ
イプ(正・正)の移動レンズ群を模式的に示す光学構成
図。
【図3】テレセントリック光学系を構成するガリレイタ
イプ(負・正)の移動レンズ群を模式的に示す光学構成
図。
【図4】テレセントリック光学系を構成するガリレイタ
イプ(正・負)の移動レンズ群を模式的に示す光学構成
図。
【図5】ガリレイタイプ(負・正)の移動レンズ群を有す
るテレセントリック光学系を模式的に示す光学構成図。
【図6】ケプラータイプ(正・正)の移動レンズ群を有す
るテレセントリック光学系を模式的に示す光学構成図。
【図7】系外の照明光を用いる方式の3次元形状測定機
を示す概略構成図。
【図8】スリット共焦点検出方式の3次元形状測定機を
示す概略構成図。
【図9】マルチピンホール共焦点検出方式の3次元形状
測定機を示す概略構成図。
【図10】実施例1の光路図。
【図11】実施例1の球面収差,非点収差及び歪曲収差
を示す収差図。
【図12】実施例1の横収差図。
【図13】実施例2の光路図。
【図14】実施例2の球面収差,非点収差及び歪曲収差
を示す収差図。
【図15】実施例2の横収差図。
【図16】実施例3の光路図。
【図17】実施例3の球面収差,非点収差及び歪曲収差
を示す収差図。
【図18】実施例3の横収差図。
【図19】走査ステージが光軸方向に移動可能な3次元
形状測定機を示す概略構成図。
【図20】測定ヘッドが光軸方向に移動可能な3次元形
状測定機を示す概略構成図。
【符号の説明】
GrF …固定レンズ群 Gr1 …第1群 SP …開口絞り Gr2 …第2群 GrR …移動レンズ群 Gr3 …第3群 Gr4 …第4群 OB …物体面(物体) IM …像面(結像面) AX …光軸 M …移動手段 1 …測定対象物(3次元物体) 2 …2次元センサー 2a …受光面 3 …検出手段(リニアスケール) 4 …制御ユニット 11 …測定対象物(3次元物体) 12 …1次元センサー 12a …受光面 13 …検出手段(リニアスケール) 14 …制御ユニット 15 …走査ステージ(走査手段) 16 …ビームスプリッター 17 …スリット部材 17a …スリット 18 …シリンドリカルレンズ 19 …コリメータレンズ 20 …光源 21 …測定対象物(3次元物体) 22 …2次元センサー 22a …受光面 23 …検出手段(リニアスケール) 24 …制御ユニット 25 …走査ステージ(走査手段) 26 …ビームスプリッター 27 …第1マルチピンホール部材 27a …ピンホール 28 …マルチレンズアレイ 29 …コリメータレンズ 30 …光源 31 …第2マルチピンホール部材 31a …ピンホール

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側より順に、アフォーカル光学系か
    ら成る固定レンズ群と、アフォーカル光学系から成る移
    動レンズ群と、で構成された物体側・像側共にテレセン
    トリックな光学系であって、 前記固定レンズ群が、正のパワーを有する第1群と、正
    のパワーを有する第2群と、から成るとともに前記第1
    群の後ろ側焦点位置に開口絞りを有し、 前記移動レンズ群が、正又は負のパワーを有する第3群
    と、その第3群とは逆のパワーを有する第4群と、から
    成るとともに以下の条件式を満足し、前記テレセントリ
    ックな状態を保持したまま異なる物体距離に対する合焦
    を行うために移動可能に構成されたフォーカスレンズ群
    であることを特徴とするテレセントリック光学系; f3≠−f4 ただし、 f3:第3群の焦点距離、 f4:第4群の焦点距離、 である。
  2. 【請求項2】 更に以下の条件式を満足することを特徴
    とする請求項1記載のテレセントリック光学系; 102≦H・β2/|d・(βR2−1)|≦106 ただし、 β :全系の倍率、 βR:移動レンズ群の倍率、 H :合焦可能な物体位置の範囲、 d :移動レンズ群の移動量検出ピッチ、 である。
  3. 【請求項3】 3次元物体の像を形成する請求項1記載
    のテレセントリック光学系と、複数の受光素子で構成さ
    れた受光面を有するとともにその受光面上に前記像が投
    影されるように配置された2次元センサーと、前記移動
    レンズ群を光軸に沿って移動させる移動手段と、前記移
    動レンズ群の移動量を検出する検出手段と、を備えた3
    次元形状測定機であって、 前記移動手段で前記移動レンズ群を移動させながら、前
    記検出手段による前記移動レンズ群の移動量の検出と、
    前記各受光素子による合焦状態の検出と、を行うことに
    より、3次元物体の形状寸法を測定することを特徴とす
    る3次元形状測定機。
  4. 【請求項4】 光源と、その光源からの照明光を射出す
    るスリットを備えたスリット部材と、前記スリットから
    射出されたスリット状の照明光を3次元物体に照射し、
    かつ、3次元物体からの反射光を透過させることにより
    3次元物体の像を形成する請求項1記載のテレセントリ
    ック光学系と、複数の受光素子で構成された受光面を前
    記スリットの共焦点位置に有するとともにその受光面上
    に前記像が投影されるように配置された1次元センサー
    と、前記移動レンズ群を光軸に沿って移動させる移動手
    段と、前記移動レンズ群の移動量を検出する検出手段
    と、前記スリット及び光軸に対して垂直な方向に、3次
    元物体とその3次元物体に対する照明光との相対位置を
    変化させることにより、3次元物体の走査を行う走査手
    段と、を備えた3次元形状測定機であって、 前記走査手段による前記3次元物体の走査と前記移動手
    段による前記移動レンズ群の移動とを行いながら、前記
    検出手段による前記移動レンズ群の移動量の検出と、前
    記各受光素子による合焦状態の検出と、を行うことによ
    り、3次元物体の形状寸法を測定することを特徴とする
    3次元形状測定機。
  5. 【請求項5】 光源と、その光源からの照明光を射出す
    る複数のピンホールを備えた第1マルチピンホール部材
    と、前記各ピンホールから射出された照明光を3次元物
    体に照射し、かつ、3次元物体からの反射光を透過させ
    ることにより3次元物体の像を形成する請求項1記載の
    テレセントリック光学系と、前記第1マルチピンホール
    部材の各ピンホールの共焦点位置にピンホールを備えた
    第2マルチピンホール部材と、その第2マルチピンホー
    ル部材の近傍に複数の受光素子で構成された受光面を有
    するとともに、前記第2マルチピンホール部材の各ピン
    ホールを通過した光で前記受光面上に前記像が投影され
    るように配置された2次元センサーと、前記移動レンズ
    群を光軸に沿って移動させる移動手段と、前記移動レン
    ズ群の移動量を検出する検出手段と、光軸に対して垂直
    な面内で、3次元物体とその3次元物体に対する照明光
    との相対位置を変化させることにより、3次元物体の走
    査を行う走査手段と、を備えた3次元形状測定機であっ
    て、 前記走査手段による前記3次元物体の走査と前記移動手
    段による前記移動レンズ群の移動とを行いながら、前記
    検出手段による前記移動レンズ群の移動量の検出と、前
    記第2マルチピンホール部材の各ピンホールに対応した
    前記各受光素子による合焦状態の検出と、を行うことに
    より、3次元物体の形状寸法を測定することを特徴とす
    る3次元形状測定機。
  6. 【請求項6】 物体側より順に、アフォーカル光学系か
    ら成る固定レンズ群と、アフォーカル光学系から成る移
    動レンズ群と、で構成された物体側・像側共にテレセン
    トリックな光学系であって、 前記固定レンズ群が、物体側より順に、正のパワーを有
    する第1群と、正のパワーを有する第2群と、から成る
    とともに、第1群の後ろ側焦点位置に開口絞りを有し、 前記移動レンズ群が、物体側より順に、負のパワーを有
    する第3群と、正のパワーを有する第4群と、から成る
    とともに、異なる物体距離に対する合焦を行うために移
    動可能に構成され、 以下の条件式を満足することを特徴とするテレセントリ
    ック光学系; 0.1<|βF|/βR<0.7 ただし、 βF:固定レンズ群の倍率、 βR:移動レンズ群の倍率、 である。
  7. 【請求項7】 さらに以下の条件式を満足することを特
    徴とする請求項6記載のテレセントリック光学系; |βF|×WDL<f1<WDL ただし、 f1:第1群の焦点距離、 WDL:最長物体距離、 である。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7記載のテレセント
    リック光学系を用いて測定対象物の形状を計測すること
    を特徴とする3次元形状測定機。
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