JP2001027607A - 観察装置 - Google Patents

観察装置

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JP2001027607A
JP2001027607A JP11201521A JP20152199A JP2001027607A JP 2001027607 A JP2001027607 A JP 2001027607A JP 11201521 A JP11201521 A JP 11201521A JP 20152199 A JP20152199 A JP 20152199A JP 2001027607 A JP2001027607 A JP 2001027607A
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fluorescence
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dna
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Tsunaharu Matsushima
綱治 松島
Hiroshi Yamaguchi
博史 山口
Makoto Nomoto
誠 野元
Hirokazu Yoshioka
弘料 吉岡
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Kaken Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Kaken Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】例えばDNAチップに蛍光材料を含む検体のD
NAを結合処理し、結合したDNAを励起させて蛍光の
程度を判別して検体の性格を推定するに際し、励起用光
の集光効率を向上させると共に受光側の効率を向上させ
る。 【解決手段】透明な基盤1に形成した点2に対し蛍光処
理した検体のDNAを結合させ、この基盤1をバイス11
に装着する。基盤1の下面側に異なる波長の励起用光を
発射する複数の光源体21a,21bを配置して点2を照射
する。基盤1の上面側に光軸3に沿ってダイクロイック
ミラー32a,32bを配置し、これにより、励起用光,蛍
光を波長に応じて選択して2つの光路に分離する。各光
路にパスフィルター33a,33bを配置し励起用光を遮断
して蛍光のみを取り出し、光電位倍増管37a,37bに集
光する。光電子倍増管によって蛍光量に応じたアナログ
信号を出力し、A/D変換器55によってデジタル信号に
変換して情報処理装置51に点2の位置情報と共に記憶さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明な基盤に転写
された蛍光材料を含む物質に対して励起用光を照射する
と共に励起した蛍光の量を観察するための観察装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、医療の分野では遺伝子(DNA)
を用いた治療や薬品の研究及び開発が行われている。こ
のような技術分野の研究機関では、化学合成した異なる
遺伝子のコピーを試料としてガラス板や合成樹脂板等か
らなる基盤上に数千個〜数万個張り付けたDNAチップ
と呼ばれるものが取り扱われる。
【0003】上記DNAチップの利用法について簡単に
説明する。検体より収集した研究対象となるメッセンジ
ャーRNA(mRNA)を蛍光色素等の蛍光材料によっ
て蛍光標識し、その後、DNAチップに対しハイブリダ
イゼーションと呼ばれる結合処理を行うと、予めDNA
チップに張り付けられていたDNAと塩基配列が補完関
係にあるDNAが逆転写酵素を介して結合する。
【0004】従って、予めDNAチップに遺伝子配列が
特定な疾患や変異、或いは多型性を有するDNAを張り
付けておくことによって、結合処理を行ったとき、検体
の中に存在するDNAに前記DNAチップに張り付けた
DNAと補完関係にあるものが多数存在すると、DNA
チップに張り付けたDNAに対する検体のDNAの結合
量が増大し、結合量の増大に伴って標識となる蛍光色素
の量も増大することになる。
【0005】上記の如くして検体のDNAを結合させた
DNAチップに張り付けたDNAに対し励起用光を照射
すると、標識となる蛍光が発光する。このため、DNA
チップに張り付けられたDNAの蛍光量を測定すること
で、DNAの結合度合いを推定することが出来、これに
より検体の性質を推定することが出来る。
【0006】ここで、現在使用されている蛍光量を測定
する装置の例について説明する。
【0007】図6は第1公知例の構成を説明する図であ
る。図に於いて、61a,61bは励起用光を発射する光源
であり、光源61aの光路にはダイクロイックミラー62が
配置されており、光源61bの光路にはダイクロイックミ
ラー62と対向させて全反射ミラー63が配置され、これに
より、各光源61a,61bの光路はダイクロイックミラー
62を通過したところで合流する。この光路上には全反射
ミラー64が配置され、励起用光をレンズ65に向けて屈折
させる。尚、光源61a,61bとしては、太さが10μm程
度の励起用光を発射し得るレーザー発振器を用いるのが
一般的である。
【0008】レンズ65と対向して移動装置66に取り付け
たDNAチップ67が配置されている。この移動装置66
は、X方向駆動部材68,Y方向駆動部材69を有してお
り、これらの駆動部材68,69の駆動量を制御することで
DNAチップ67を光軸に対して所望の方向と位置へと移
動させる。
【0009】上記構成に於いて、光源61a,61bから発
射された励起用光はレンズ65を通ってDNAチップ67に
照射され、該DNAチップ66にスポット70を形成する。
スポット70から反射した蛍光はレンズ65を通り、全反射
ミラー64よりも離隔した位置に配置され、交互に光路を
遮断するパスフィルター71a,71bを経てレンズ72に至
り、該レンズ72によって集光されて光電子増倍管73に照
射される。光電子増倍管73で受光された蛍光は電圧或い
は電流値からなる電気信号に変換されて出力され、増幅
器74で増幅されたアナログ信号74aは、アナログ/デジ
タル変換器75によりデジタル信号75aに変換されて情報
処理部76にデジタル情報として蓄積される。
【0010】上記第1公知例では、DNAチップ67に於
けるDNAの張り付け位置が明らかではない。このた
め、DNAチップ67をX−Y方向に励起用光の太さに対
応した10μm毎に移動させ、夫々の位置に於ける蛍光を
計測することで、該DNAチップ67に張り付けられたD
NAの蛍光を測定している。例えば、DNAッチップ67
をX方向に連続的に移動させつつ10μm移動する毎に蛍
光を測定し、X方向に配列された1列のDNAの蛍光を
計測した後、Y方向に10μm移動させて再度X方向に連
続的に移動させつつ10μm毎に蛍光を計測する作業を繰
り返すことで、DNAチップ67の全面を走査して蛍光を
計測している。
【0011】従って、移動装置66によってDNAチップ
67を直交二方向に移動させつつ、張り付けられた個々の
DNAを励起用光の太さに対応させた10μm幅で蛍光を
計測することで、個々のDNAに於ける蛍光量を測定す
ることが出来る。そしてDNAチップ67に張り付けられ
た個々のDNAの蛍光量の測定値から検体の性質を推定
している。
【0012】図7は第2公知例の構成を説明する図であ
る。この第2公知例では、同図(a)に示すように、光
源61aの光路に多面体ミラー77が配置されており、該多
面体ミラー77をモーター78によって回転させることで光
軸を連続的に屈折させてfθレンズ79を経てDNAチッ
プ67に照射している。そして同図(b)に示すように、
DNAチップ67を斜め上方から照射してスポット70を形
成し、この反射光をレンズ65で集光している。レンズ65
以降の構成は第1公知例と同様である。 上記の如く構
成された第2公知例では、励起用光の光軸を振ることで
DNAチップのX方向への移動に置き換えている。従っ
て、DNAチップの移動装置は該DNAチップをY方向
にのみ移動させるように構成される。
【0013】上記第1,第2公知例共に励起用光をDN
Aチップ67の上表面側から照射し、このときの反射光を
上方で集光している点では同様の構成となっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】蛍光物質を含んだ検体
のDNAがDNAチップに張り付けられたDNAに対し
て結合している程度を蛍光の量によって計測するような
場合、光源から発射される励起用光を有効に利用するこ
と、及び受光側の受光量を可及的に多くとることが必要
である。この目的を達成するためには、励起用光として
レーザー光を用いると共に極めて細く集光すること、及
び集光レンズの開口率を大きくとることが要求される。
【0015】上記第1公知例では、DNAチップ67に励
起用光を照射する光学系の一部と、DNAチップ67から
の蛍光を受光する光学系の一部が共用されており、両者
の共通した光軸上に全反射ミラー64が配置されている。
このため、DNAチップからの蛍光が全反射ミラー64に
よって反射されるため、受光側の光量が大幅に損失する
という問題が生じる。
【0016】また励起用光として正規分布のレーザー光
を利用した場合、このようなレーザー光の光軸と蛍光の
光軸を同一軸として利用すると、光学的な集光の性質が
異なるためレーザー光の集光、或いは蛍光の受光の何れ
かで大幅な感度の低下を招くという問題がある。
【0017】また第2公知例では、DNAチップに対し
励起用光を斜め上方から照射するため、この励起用光の
入射経路中に干渉物体が存在してはならない。このた
め、レンズ65をDNAチップ67から励起用光の入射経路
に干渉しない程度の距離まで離隔させる必要があり、こ
の結果、充分な開口率を確保し得ずに受光量の損失を招
くという問題がある。
【0018】またDNAチップ67の全面を走査するのに
要する時間は極力短縮化することが効率の点から見て好
ましい。しかし、上記各公知例では蛍光を受光する光学
系が一系列であるため、検体を複数の蛍光物質によって
蛍光処理した場合、DNAチップ67の全面を複数回走査
することが必要となり、多くの走査時間が必要となると
いう問題がある。
【0019】特に、DNAチップ67に於けるDNAの張
り付け位置を認識せずに走査することから、該DNAチ
ップ67の全面を励起用光の太さと対応した間隔(10μ
m)で走査することが必須となり、多くの走査時間が必
要である。
【0020】またDNAチップ67の表面には、個々に性
格の異なる多数のDNAが張り付けられている。このた
め、張り付けられたDNAの位置を正確に把握して、測
定された蛍光量の情報と位置情報とを正確に一致させる
ことが必要である。
【0021】本発明の目的は、透明な基盤を用い、該基
盤の一方の面側に励起用光の光源を光学系を配置すると
共に他方の面側に蛍光を受光する光学系を配置すること
で、集光効率を向上させ、且つ受光側の光量の減衰を低
減させることで、蛍光の測定感度を向上させると共に安
定させることが出来、基盤に形成された点の位置を観測
して必要な範囲を走査することで観察時間を短縮させる
ことが出来、且つ点の位置を正確に観測して該観測結果
に基づいて走査することで観察時間を短縮させると共に
各点の略中心を走査することで走査間隔を拡げて走査時
間を短縮させることが出来る観察装置を提供することに
ある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る観察装置は、蛍光材料を含む物質が転写
された透明な基盤と、前記基盤の一方の面の側に配置さ
れ該基盤に転写された物質に対応する複数の励起用光を
照射するための複数の光源体を含む照射手段と、前記基
盤の他方の面の側に配置され励起された蛍光を波長に応
じて選択する選択手段を含む受光手段と、前記基盤を照
射手段と受光手段の光軸とを相対的に移動させる移動手
段と、前記受光手段によって受光した蛍光を電気信号に
変換する変換手段と、前記変換手段から出力された受光
情報と移動手段の位置情報とを記憶する記憶手段と、前
記記憶手段に記憶させた受光情報と位置情報を出力する
出力手段とを有して構成したものである。
【0023】上記観察装置では、透明な基盤に蛍光材料
を含む物質(例えばDNA、以下単に「DNA」とい
う)が転写されており、この基盤の一方の面側に配置さ
れた照射手段によって励起用光を照射して物質に含まれ
た蛍光材料を励起させることが出来る。励起した蛍光は
基盤の他方の面側に配置された受光手段によって受光さ
れ、更に、変換手段によって電気信号に変換され、受光
情報として記憶手段に記憶される。また基盤は移動手段
によって励起用光の光軸に対し相対的に移動され、移動
時の位置情報が受光情報と共に記憶手段に記憶される。
前記記憶手段に記憶された受光情報及び位置情報は出力
手段によって出力され、この出力情報によって、個々の
物質に於ける蛍光の量を観測することが出来る。
【0024】上記の如く、基盤の一方の面側から励起用
光を照射して他方の面側で受光することによって、両者
の光軸を共用することがなく、互いに光学的に干渉する
ことがない。従って、集光効率を向上させると共に受光
側の光量の減衰を低減させることが出来、これにより蛍
光の測定感度を向上させることが出来る。
【0025】上記観察装置に於いて、蛍光材料を含むD
NAが転写された透明な基盤に於ける転写位置を観測
し、観測した情報に基づいて前記移動手段の移動範囲を
設定することが好ましい。
【0026】上記観察装置では、例えば、基盤に形成さ
れた多数の点(例えばDNA)が基盤全体に張り付けら
れたものではなく、一部にのみ張り付けられている場
合、観察装置に装着された基盤の転写位置を観測して得
た情報に基づいて、基盤を移動させるべき範囲を設定す
ることが可能であり、移動手段によって基盤1を前記範
囲内で移動させるように制御することが出来る。このた
め、基盤の全面を走査することなく、効率の良い走査を
実施することで、走査時間を短縮して合理的に観察する
ことが出来る。
【0027】上記観察装置に於いて、該観察装置に装着
された蛍光材料を含む物質が転写された透明な基盤に於
ける該物質の個々の転写位置を観測すると共に、観測し
た情報と、装着された基盤に対して予め設定されている
物質の配置情報とを比較して両者の誤差量(位置ズレや
傾き)を判別し、判別した誤差量に基づいて前記移動手
段の移動量及び移動方向を補正することが好ましい。観
察装置をこのように構成することによって、基盤に実際
に転写されているDNAの位置を観測して予め設定され
た位置からの誤差量を判別して移動手段を制御すること
が出来る。
【0028】上記観察装置に於いて、移動手段の移動が
物質の略中心に光軸を一致させるものであることがより
好ましい。観察装置のこのように構成することによっ
て、基盤の走査を実行する際に、基盤に形成されている
DNAの中心付近の蛍光を観測して蛍光量を判断するこ
とが出来る。
【0029】即ち、従来技術のように、基盤の全面を励
起用光の太さに対応させた間隔で走査させる必要がな
く、実際に基盤に形成されているDNAの点の間隔に従
って移動させることが出来る。このため、走査時間を大
幅に短縮することが出来る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、上記観測装置の好ましい実
施形態について図を用いて説明する。図1は観測装置の
構成を原理的に説明する図である。図2は観測装置の制
御系のブロック図である。図3は入射側の光量を調節す
る例を説明する図である。図4は基盤上を走査する際に
DNAの張り付け位置を補正する手順を説明する図であ
る。図5は多数のDNAを張り付けた基盤の例を説明す
る図である。
【0031】本発明に係る観測装置の説明に先立って、
多数のDNAを張り付けた点2を有する基盤1について
図5により説明する。
【0032】基盤1は透明なプラスチック板或いはガラ
ス板を選択的に用いて構成されており、一般的にはスラ
イドグラスを用いている。この基盤1に試薬のDNAを
張り付ける場合の一例として、10mm角の領域内に約0.2m
m のピッチで2500個の点2を形成すると共に該領域を2
×6個作成して1枚の基盤1上に30000 個の点2を形成
することがある。点2のピッチ及び1枚の基盤1上に形
成する点2の数は前記値に限定するものではなく、より
小さいピッチで、より高密度で形成することが要求され
ている。
【0033】上記点2を形成するDNAは夫々異なる性
格を有するものであり、30000 個の点2を形成するため
には30000 種類の試料が必要となる。このように、各点
2は異なる性格を有するため、隣接する他の点2と混合
すると試料としての価値がなくなる。従って、各点2が
互いに独立した状態で転写されることが必須である。
【0034】基盤1には、予め設定された2か所に基準
となる点O(基準点O)が夫々設けられている。この基
準点Oは、基盤1に対するDNAの張り付けを開始する
のに先立って個々の基盤1の正確な位置を検出し、或い
は蛍光物質を含む検体の結合処理を行った基盤1に対
し、観測装置に於いて励起した蛍光の観測を行う際に個
々の基盤1の正確な位置を検出するためのものである。
即ち、基盤1に形成された点2は、基準点O,Oに対し
予め設定された関連を持った位置にある。
【0035】上記基盤1は表面に形成された点2に対し
蛍光材料を含む検体のDNAが結合処理され、更に、洗
浄されて未結合状態の検体のDNAは表面から除去され
ている。従って、後述する観察装置Aによって観察され
る基盤1に形成された点2は、予め張り付けられていた
DNAに対し検体のDNAが結合した状態となってい
る。
【0036】検体のDNAに含まれる蛍光材料は特に限
定するものではなく、現在一般的に利用されている複数
の材料の中から選択して用いることが可能である。また
検体に対する目的の試験を速やかに且つ合理的に行うに
は検体に含ませる蛍光材料は一種類である必要はなく、
複数種の蛍光材料を用いることが可能である。この場
合、選択した蛍光材料は異なる波長を有することが必要
であり、照射する励起用光も夫々の蛍光材料に応じた波
長を有することが必要である。
【0037】以下の説明に於いて、点2は複数の波長を
持った蛍光材料を含む検体のDNAが結合したものをい
う。
【0038】次に、図1〜図4により本実施例に係る観
察装置Aの構成について説明する。
【0039】透明体からなり一方の面(本実施例では上
面)に性格の異なる多数のDNAが張り付けられ、この
DNAに蛍光材料を含む検体のDNAが結合された基盤
1は、水平な状態で移動手段10に取り付けられ、該移動
手段10によって水平面内に於ける直交二方向(x,y方
向)に移動可能に構成されている。
【0040】基盤1の一方の面の側(本実施例では下面
側)に基盤1に形成された点2に励起用光を照射する照
射手段20が配置され、他方の面の側(本実施例では上面
側)に励起された蛍光を受光する受光手段30が配置され
ている。照射手段20と受光手段30は同一の光軸3を有し
ており、この光軸3は基盤1を厚さ方向(z方向)に貫
通している。また光軸3の延長線上には基盤1に形成し
た点2の位置を観測するための観測手段40が設けられて
いる。
【0041】移動手段10は、基盤1を光軸3と直交する
平面内で所望の位置に所望量移動させる機能を有するも
のであり、基盤1を着脱可能に保持するバイス11と、バ
イス11をx方向に駆動するxモーター12aとx方向のボ
ールネジ12bと、バイス11をy方向に駆動するyモータ
ー13aとy方向のボールネジ13bとによって構成されて
いる。
【0042】バイス11は基盤1を装着したとき、該基盤
1に於ける点2の形成範囲に対応する部位では上下両方
共に開放されており、光軸3に対する基盤1の移動に障
害を与えることがないように構成されている。
【0043】上記の如く構成された移動手段10では、各
方向のモーター12a,13aを適宜回転させることで、基
盤1をx方向,y方向或いはx方向とy方向との合成方
向に移動させて点2を予め設定された順序で光軸3を横
断させることが可能である。
【0044】尚、本実施例では光軸3を固定して基盤1
を移動させるように構成したが、必ずしもこの構成に限
定するものではなく、基盤1を固定して光軸3を移動さ
せるようにしても良い。また必ずしも基盤1を水平面内
に、光軸3を垂直に配置しなくとも良く、基盤1を垂直
方向に配置すると共に光軸3を水平方向に配置しても良
い。
【0045】照射手段20は、異なる励起用光を発射する
複数の光源体21a,21bと、夫々の光源体21a,21bに
対向して配置したシャッター22a,22bと、夫々の光源
体21a,21bに対応して配置したND可変フィルター23
a,23bと、光源体21aの光軸に設けたダイクロイック
ミラー24と、光源体21bの光軸に設けられ且つ前記ダイ
クロイックミラー24と対向して設けられた全反射ミラー
25aと、光源体21aの光軸であって光軸3と交差する位
置に設けられた全反射ミラー25bと、光軸3に於ける基
盤1の下面側に対向して設けられた集光レンズ26と、前
記集光レンズ26と基盤1の間に設けられたピンホール27
とを有して構成されている。
【0046】各光源体21a,21bは、基盤1に形成され
た点2に結合した検体のDNAに含まれた複数の蛍光材
料の波長に対応させた異なる波長を持った励起用光を発
射するものである。このため、各光源体21a,21bとし
て如何なる光源体を用いるかは、選択された蛍光材料と
の対応で設定されるものであり、本実施例に於いて特に
限定するものではない。
【0047】例えば、本実施例では、蛍光材料として蛍
光波長が 570nm(ナノメートル)で励起波長が 543nmの
Cy3と、蛍光波長が 670nmで励起波長が 633nmのCy
5を用いており、Cy3に対する励起用光を照射する光
源体21aとしてND:YAGレーザーを用い、Cy5に
対する励起用光を照射する光源体21bとしてHe−Ne
レーザーを用いている。
【0048】シャッター22a,22bは励起用光の開閉を
行う機能を有しており、該シャッター22a,22bの開閉
を制御することで光源体21a,21bから出射された励起
用光の照射と停止を行っている。特に、各励起用光とし
てレーザー光を用いていることから、該レーザー光が外
部に漏洩したような場合、直ちにシャッター22a,22b
を操作してレーザー光の外部への漏洩を防止している。
【0049】ND可変フィルター23a,23bは通過する
励起用光の光量を無段階で調整する機能を有するもので
あり、基盤1に形成されている点2を常に略一定の光量
で照射し得るように構成したものである。特に、励起用
光がレーザー光であることから、該励起用光の光量が多
すぎた場合、点2を構成するDNAを破壊することがあ
る。このため、励起用光の光量を調整してDNAの破壊
を防止することは必須である。
【0050】ダイクロイックミラー24は、一方側(光源
体21a側)から照射された励起用光を略全て全反射ミラ
ー25b側に透過し、他方側(光源体21b側)から照射さ
れた励起用光を略全て全反射ミラー25b側に反射するも
のである。
【0051】全反射ミラー25aは光源体21bの光路であ
ってダイクロイックミラー24に対向して配置され、該光
源体21bから発射された励起用光を略全て反射してダイ
クロイックミラー24に入射させるものである。従って、
ダイクロイックミラー24を経ることによって光源体21
a,21bの光路は合流し、全反射ミラー25bから光軸3
に合流する。
【0052】集光レンズ26は基盤1に対向して配置さ
れ、光軸3に沿って照射された励起用光を集光して基盤
1に照射するものである。またピンホール27は、集光レ
ンズ26と基盤1の間に配置され、基盤1に照射される励
起用光を予め設定された径に整形すると共に外部からの
迷光を遮断して感度を向上させる機能を有するものであ
る。励起用光は、ピンホール27を通過して基盤1に照射
されたとき径が約10μmのスポット4を形成する。
【0053】上記の如く構成した照射手段20では、光源
体21a,21bから異なる波長を持った励起用光を発射す
ると、これらの励起用光は夫々シャッター22a,22b、
ND可変フィルター23a,23bを介して適度な光量に調
整される。更に、光源体21bから発射された励起用光は
全反射ミラー25aを経てダイクロイックミラー24に入射
して光源体21aから発射された励起用光と同一の光路を
通り、その後、全反射ミラー25b,集光レンズ26,ピン
ホール27を通って基盤1に形成された点2に照射され、
該点2を構成するDNAに結合した検体に含まれた蛍光
材料を励起する。
【0054】励起用光の光量を調整するに際し、必ずし
もND可変フィルター23a,23bを用いる必要はなく、
図3に示すように、例えば光源体21aの光路にND可変
フィルターに代えて該光路に沿って矢印a,b方向に移
動可能なレンズ28を設け、集光レンズ26に対する入射径
を変化させることで調整することも可能である。
【0055】即ち、レンズ28を矢印a方向に移動させた
とき、同図(a)に示すように、集光レンズ26に入射す
る励起用光の径を適正にして入射された全ての光量をピ
ンホール27を通過させて基盤1に照射することが可能で
あり、レンズ28を矢印b方向に移動させたとき、同図
(b)に示すように、集光レンズ26に入射する径を大き
くしてピンホール27の径よりも大きい径で出射し、これ
により、ピンホール27の周囲に照射された励起用光を遮
蔽して、点2に照射される励起用光の径を保持しつつ光
量を低減することが可能である。
【0056】受光手段30は、基盤1に対向して配置され
た集光レンズ31と、光軸3に配置され夫々予め設定され
た波長を持った光(蛍光,励起用光)を反射するダイク
ロイックミラー32a,32bと、夫々のダイクロイックミ
ラー32a,32bに対応して設けられたパスフィルター33
a,33b、第1集光レンズ34a,34b、ピンホール35
a,35b、第2集光レンズ36a,36b、光電子倍増管37
a,37bが配置されている。
【0057】集光レンズ31は、基盤1に形成された点2
に照射され、該点2を透過した励起用光と、励起用光の
照射によって励起した蛍光を平行光に変換する機能を有
するものである。
【0058】ダイクロイックミラー32aは、集光レンズ
31によって平行にされた励起用光及び蛍光の中から、波
長の短い励起用光と蛍光を略全て反射して光電子倍増管
37a方向に分離する機能と、波長の長い励起用光と蛍光
を略全て透過する機能を有するものである。またダイク
ロイックミラー32bは、前記ダイクロイックミラー32a
を透過した励起用光と蛍光を略全て反射して光電子倍増
管37bの方向に分離する機能を有するものである。
【0059】本実施例では、検体のDNAに含まれた蛍
光材料が二種類であるため、照射手段20に設けた光源体
21a,21bが異なる波長を持った励起用光を発射し得る
二種類であり、且つ受光手段30にも二種類の光電子倍増
管37a,37bを備えている。しかし、これらの数は特に
限定するものではなく、検体のDNAを三種類の蛍光材
料を含ませた場合には、この種類の数に対応させた数の
光源体と光電子倍増管が必要となる。
【0060】パスフィルター33a,33bは、夫々ダイク
ロイックミラー32a,32bによって分離された特定の波
長を持った励起用光と蛍光から励起用光を遮蔽して蛍光
のみを透過させる機能を有するものである。従って、パ
スフィルター33aを透過した光は波長の短い蛍光(Cy
3の蛍光材料に対応する)のみとなり、パスフィルター
33bを透過した光は波長の長い蛍光(Cy5の蛍光材料
に対応する)のみとなる。
【0061】第1集光レンズ34a,34bはパスフィルタ
ー33a,33bを透過した蛍光を集光してピンホール35
a,35bに照射するものであり、第2集光レンズ36a,
36bはピンホール35a,35bを通過した蛍光を集光して
光電子倍増管37a,37bに照射するものである。
【0062】ピンホール35a,35bは、外部からの迷光
を遮断する機能を有し且つ光軸3が基盤1の点2以外の
部位に対応したときには焦点を合わせることのないよう
な機能を有するものである。
【0063】光電子倍増管37a,37bは、受光した蛍光
の量に応じた電圧或いは電流値からなるアナログ信号を
出力する機能を有するものである。そして光電子倍増管
37a,37bから出力されたアナログ信号は、従来の装置
と同様にして、後述するようにデジタル信号に変換され
て記憶される(図2参照)。
【0064】上記の如く構成された受光手段30では、基
盤1に形成された点2に照射された励起用光、及び該励
起用光の照射によって励起した蛍光を波長に応じて分離
し、分離した波長毎に励起用光を遮蔽して蛍光のみを光
電子倍増管37a,37bに照射し、これにより、蛍光の量
に応じたアナログ信号に変換することが可能である。
【0065】基盤1に形成した点2の位置を観測するた
めの観測手段40は、光軸3の延長線上に配置されたCC
Dカメラ41と、CCDカメラ41に対向した配置された集
光レンズ42aと、光軸3上に設けたダイクロイックミラ
ー43と、ダイクロイックミラー43に対向して設けられた
照明用光源44と、前記照明用光源44とダイクロイックミ
ラー43の間に配置された集光レンズ42bとを有して構成
されている。
【0066】CCDカメラ41は、基盤1に於ける所定の
範囲を撮影する機能を有するものであり、撮影した画像
を後述する画像処理部57に於いて処理し、この結果、基
盤1に形成された基準点O,O及び実際の点2の位置を
認識するものである。
【0067】ダイクロイックミラー43は、光軸3上に配
置され照明用光源44からの光を全反射して基盤1側に照
射し、基盤1からの反射光を略全て透過させてCCDカ
メラ41側へ照射するものである。またダイクロイックミ
ラー43とCCDカメラ41との間に配置された集光レンズ
42a及びダイクロイックミラー43と照明用光源44との間
に配置された集光レンズ42bは、夫々基盤1からの反射
光を、或いは照明用光源44から発射された光を集光する
機能を有するものである。
【0068】照明用光源44は、励起用光であるCy5の
波長よりも長い波長を持った光源であることが必要であ
り、このような波長を有することによって、光軸3に設
けた受光手段30を構成するダイクロイックミラー32a,
32bを透過してダイクロイックミラー43,集光レンズ42
aを経てCCDカメラに結像させることが可能となる。
【0069】次に、観察装置Aの制御系について図2の
ブロック図により説明する。
【0070】図に於いて、51は情報処理装置であり、演
算部、入力された情報を一次的に記憶する一次記憶部、
観察装置Aの動作手順のプログラムや個々の点2の位置
を観測するプログラム或いは個々の点2の蛍光の程度に
応じた情報を採取するプログラム等のプログラムが書き
込まれた記憶部等を有するコンピュータを用いている。
また52はモニタやプリンター等の出力装置、53はキーボ
ードやマウス或いは他の入力装置である。
【0071】54aは光電子倍増管37aに接続された増幅
器であり、54bは光電子倍増管37bに接続された増幅器
である。これらの増幅器54a,54bはアナログ/デジタ
ル変換器(A/D変換器)55に接続されており、各光電
子倍増管37a,37bが受光した蛍光量に応じた電圧或い
は電流値からなるアナログ信号がデジタル信号に変換さ
れ、この信号が受光した蛍光量の信号(蛍光信号)とし
て情報処理装置51に記憶される。
【0072】56は移動手段10を構成する各モーター12
a,13aの制御部であり、CCDカメラ41によって撮影
した基盤1に於ける点2の位置情報に基づいて各モータ
ー12a,13aが駆動される。この駆動は、点2の間隔に
対応した寸法に応じた値で行われる。即ち、xモーター
12aを連続的に駆動してx方向に1列の走査を行い、そ
の後、yモーター13aを点2の間隔(本実施例では200
μm)に相当する量駆動して隣接した列に移動する。こ
のような各モーター12a,13aの駆動に伴って基盤1を
保持したバイス11が所望の方向に移動する。特に、前記
制御部56による各モーター12a,13aの駆動と同期した
信号(本実施例では200μm移動する毎に発生する信
号)がA/D変換器55に伝達され、該同期信号に基づい
てA/D変換器55による蛍光信号のサンプリングがなさ
れる。
【0073】57は画像処理装置であり、CCDカメラ41
によって撮影した画像に於ける個々の素子の信号に基づ
いて画像処理を行って、点2の位置を判断すると共に各
点2の位置情報を情報処理装置51に伝達する。また58は
照明用電源44の制御部であり、CCDカメラ41によって
基盤1を撮影するに際し、撮影した画像が鮮明になるよ
うに照明用電源44の発射光量を制御するものである。
【0074】上記の如く構成された観察装置Aにより、
基盤1に形成された点2を構成するDNAに蛍光材料を
含む検体のDNAが結合した程度を観察する手順につい
て説明する。
【0075】先ず、予め所定の結合処理を施した基盤1
をバイス11に装着する。同時に装着した基盤1の情報
(予め設定されている基盤1に於ける点2の位置情報や
数の情報等)を入力装置53から入力して情報処理装置51
に記憶させる。前記基盤1では、予め設定されている基
盤1に対して点2を形成すべき位置の情報と、実際の基
盤1に形成されている点2の位置が正確に一致するか否
かは保証されているものではない。
【0076】即ち、基盤1に対し多数種類の人工的なD
NAを転写する際に、転写部材を駆動して予め設定した
位置に基準点O,O及び点2を形成する。このとき、基
盤1が基準方向に対して僅かにズレを生じていたような
場合、点2の相互の位置関係は正確な値に維持されたと
しても、基盤1の基準方向に対して傾斜したり、全体的
なズレが生じることとなる。
【0077】例えば、図4(a)に示すように、基盤1
に形成された点2が予めx−y直交座標系で設定された
方向に正確に一致している場合、照射手段20によって照
射された励起用光のスポット4をx方向に所定距離走査
して一列の点2を照射し、その後、一列の間隔に対応さ
せてy方向に移動させつつ、元の位置に戻すことで、各
列を構成する点2を予め設定された順序で走査すること
が可能である。
【0078】しかし、同図(b)に示すように、基盤1
に形成された点2の列が移動手段10に設定された直交座
標系に対し傾斜している場合、この傾斜に関わらず、移
動手段10を駆動すると、励起用光のスポット4は点2を
走査し得ないことになる。このため、基盤1に対する観
察の実行に先立って、実際にバイス11に装着された基盤
1の点2が移動手段10に設定された直交座標系に対して
傾きが生じているか否か、傾きが生じている場合、如何
なる補正が必要であるかを観測し、この結果に基づい
て、同図(c)に示すように、スポット4が正確に点2
の列を走査し得るように移動手段10を構成するxモータ
ー12a,yモーター13aの駆動量を制御している。
【0079】このため、基盤1をバイス11に装着した
後、照明用光源44を作動させて発光させ、この光を集光
レンズ42b,ダイクロイックミラー43を介して光軸3に
沿って基盤1に照射し、反射光を集光レンズ42aによっ
て集光してCCDカメラ41に結像させる。CCDカメラ
41によって撮影された画像信号は画像処理装置57に転送
され、該画像処理装置57によって基準点O,O及び個々
の点2の位置が認識され、このときの位置情報が情報処
理装置51に伝達されて記憶される。そして前記位置情報
に基づいて移動手段10の制御部56に制御信号が伝達され
る。
【0080】その後、移動手段10,照射手段20及び受光
手段30が夫々作動し、予め設定された動作プログラムに
従って所定の作業を行う。
【0081】照射手段20では、光源体21a,21bが夫々
励起用光を発射し、これらの励起用光は光軸3に沿って
基盤1に照射されスポット4を形成する。そして励起用
光に照射された点2では、該点2を構成するDNAの結
合体に含まれた蛍光が励起し、受光手段30によって受光
される。
【0082】受光手段30では、光軸3に沿った励起用光
と蛍光をダイクロイックミラー32a,32bによって波長
毎に分離し、更に、パスフィルター33a,33bによって
励起用光を遮断して蛍光のみを取り出し、光電子倍像管
37a,37bに受光させる。
【0083】光電子倍像管37a,37bでは受光した蛍光
の量に対応した電圧或いは電流値が発生して出力され、
この電圧或いは電流値は夫々に設けた増幅器54a,54b
によって増幅されると共にA/D変換器55によってデジ
タル信号に変換されて情報処理装置51に伝達され、該情
報処理装置51に於いて蛍光情報として記憶される。この
とき、A/D変換器55に於ける蛍光情報のサンプリング
のタイミングは移動手段10の制御と同期している。
【0084】即ち、点2が0.2mmのピッチを持って形成
されるため、特定の列を走査する際の移動手段10に於け
るx方向の移動速度を一定とすることによって、スポッ
ト4が各点2の略中心を通過するタイミングは一義的に
設定される。このため、前記タイミングでA/D変換器
55にサンプリング信号を伝達し、該信号に基づいてデジ
タル信号を採取することで各列を構成する個々の点2の
蛍光情報を正確な順序で採取することが可能である。
【0085】更に、当初CCDカメラ41によって認識し
た基盤1に於ける基準点O,O及び点2の位置情報に基
づいて移動手段10を制御し、且つこの制御に伴って蛍光
情報を採取することで、基盤1に形成された点2の位置
の情報と蛍光の情報が一致し、これらの情報を情報処理
装置51に記憶させることで、正確な解析を行うことが可
能である。
【0086】上記の如くして基盤1に形成された点2の
位置情報と点2の蛍光情報を採取して記憶した後、これ
らの情報から検体のDNAの性格を推定することが可能
である。
【0087】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
観察装置では、多数の性格の異なるDNAに対し蛍光材
料を含む検体のDNAを結合させた基盤(蛍光物質を含
む物質が転写された基盤)に対し、一方の面側から励起
用光を照射して蛍光を励起させ、この蛍光を他方の面側
に配置した受光手段によって受光して蛍光の程度を判定
するようにしたので、励起用光を照射する側の光路と、
受光側の光路が異なる光路として設定される。このた
め、照射側の系と受光側の系が干渉することがなく、照
射側の集光効率を向上させることが出来、且つ受光側の
集光効率も向上させることが出来る。
【0088】また照射側に複数の光源体を設けると共に
受光側に励起された蛍光を波長に応じて選択する選択手
段を設けたので、検体のDNAを複数の蛍光材料によっ
て蛍光処理することが可能となり、基盤に対する観察に
要する時間を短縮することが出来る。
【0089】基盤に於ける点が該基盤の全面になく、一
部分のみに形成されている場合、この位置の情報を観測
して点が形成されている部分のみを走査することが出
来、点が形成されていない余分な部位の走査を行うこと
なく、短時間での走査を実現することが出来る。このた
め、処理すべき情報量も少なくなり、処理時間を短縮す
ることが出来る。
【0090】また基盤に於ける多数の点の位置を観測
し、該観測した情報と予め設定された点の配置情報とを
比較して判別した誤差量に基づいて移動手段を制御する
ことで、実際の基盤に形成された点の方向が移動手段に
設定された直交座標系の方向に対し傾いているような場
合であっても、正確に点を走査することが出来る。
【0091】また基盤に形成された点の略中心に光軸を
一致させるように移動手段を制御することで、各点に於
ける略中心の蛍光の強い位置を観測することが出来、正
確な情報を得ることが出来る。特に、基盤に形成された
点が完全なものではなく、周囲に欠けがあるようなもの
であっても、略中心を観測することで、前記欠けに影響
されることなく、正確な情報を得ることが出来る。また
基盤の点が形成されるべき位置に点がない場合に、この
状態を観測してスポットミスの情報を得ることが出来
る。
【0092】特に、基盤に於ける点の位置を観測してお
くことによって、該基盤の全面を走査する必要がなくな
る。このため、列方向に連続移動させて走査した後は、
行方向に点の間隔分移動させて次の列の観測を実施する
ことが出来る。このため、走査時間を大幅に短縮するこ
とが出来る。例えば、従来は基盤上を励起用光の径に応
じて約10μm毎に移動させて蛍光を計測したが、本発明
では列方向に連続移動させた後、行方向に200μm移動
させて観測することが出来る。このため、走査時間を従
来の20分の1に短縮することが出来る。そして必要な
情報処理数を400分の1に低減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】観測装置の構成を原理的に説明する図である。
【図2】観測装置の制御系のブロック図である。
【図3】入射側の光量を調節する例を説明する図であ
る。
【図4】基盤上を走査する際にDNAの張り付け位置を
補正する手順を説明する図である。
【図5】多数のDNAを張り付けた基盤の例を説明する
図である。
【図6】第1公知例に係る観察装置の構成を説明する図
である。
【図7】第2実施例に係る観察装置の構成を説明する図
である。
【符号の説明】
A 観察装置 1 基盤 2 点 3 光軸 4 スポット 10 移動手段 11 バイス 12a xモーター 12b ボールネジ 13a yモーター 13b ボールネジ 20 照射手段 21a,21b 光源体 22a,22b シャッター 23a,23b ND可変フィルター 24 ダイクロイックミラー 25a,25b 全反射ミラー 26 集光レンズ 27 ピンホール 28 レンズ 30 受光手段 31 集光レンズ 32a,32b ダイクロイックミラー 33a,33b パスフィルター 34a,34b 第1集光レンズ 35a,35b ピンホール 36a,36b 第2集光レンズ 37a,37b 光電子倍増管 40 観測手段 41 CCDカメラ 42a,42b 集光レンズ 43 ダイクロイックミラー 44 照明用光源 51 情報処理装置 52 出力装置 53 入力装置 54a,54b 増幅器 55 A/D変換器 56 移動手段の制御部 57 画像処理装置 58 照明用電源の制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/58 G01N 33/58 A (72)発明者 野元 誠 栃木県宇都宮市平松本町1132−6 サンガ ーデン (72)発明者 吉岡 弘料 千葉県松戸市松飛台439−1 株式会社化 研興業内 Fターム(参考) 2G043 AA06 BA16 CA07 EA01 GA06 HA01 HA02 HA11 JA01 KA09 2G045 AA35 DA12 DA13 DA14 FA29 FB07 FB12 GC15 HA14 JA01 JA02 JA07 2G054 AA06 AB02 AB10 BB20 CE02 EA03 FA12 FA17 FA19 FA20 FA22 FA50 FB02 FB03 GA05 GB10 JA05 JA20 4B063 QA01 QA05 QA19 QQ42 QR08 QR66 QR84 QS34 QS39 QX02 QX04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光材料を含む物質が転写された透明な
    基盤と、前記基盤の一方の面の側に配置され該基盤に転
    写された物質に対応する複数の励起用光を照射するため
    の複数の光源体を含む照射手段と、前記基盤の他方の面
    の側に配置され励起された蛍光を波長に応じて選択する
    選択手段を含む受光手段と、前記基盤を照射手段と受光
    手段の光軸とを相対的に移動させる移動手段と、前記受
    光手段によって受光した蛍光を電気信号に変換する変換
    手段と、前記変換手段から出力された受光情報と移動手
    段の位置情報とを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に
    記憶させた受光情報と位置情報を出力する出力手段と、
    を有することを特徴とする観察装置。
  2. 【請求項2】 蛍光材料を含む物質が転写された透明な
    基盤に於ける転写位置を観測し、観測した情報に基づい
    て前記移動手段の移動範囲を設定するようにしたことを
    特徴とする請求項1に記載した観察装置。
  3. 【請求項3】 蛍光材料を含む物質が転写された透明な
    基盤に於ける転写位置を観測すると共に観測した情報と
    予め設定された物質の配置情報とを比較して誤差量を判
    別し、判別した誤差量に基づいて前記移動手段の移動量
    を補正するようにしたことを特徴とする請求項1に記載
    した観察装置。
  4. 【請求項4】 前記移動手段の移動が物質の略中心に光
    軸を一致させるものであることを特徴とする請求項3に
    記載した観察装置。
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